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【発明の名称】 残コン処理装置及び残コン処理方法
【発明者】 【氏名】金岡 秀享

【要約】 【課題】残コンの骨材やセメン粉を再度生コンにも有効活用し得るように処理するとともに、残コン処理に使用した水も清浄化し、その水も含めて一挙に再使用可能とする残コン処理装置を提供する。

【構成】複数のタンク室と、架台8を有する箱体1の架台8上にミキサー9を配置して、このミキサー9に残コンと水を入れて残コンを洗浄して骨材を得、一方残コン処理した水を、1タンク室5で構成されたPH調整槽50で中和剤により中和し、さらに凝集反応槽60で無機質系及び有機質系の凝集剤を用いて浮遊物を凝集させ、この凝集物を沈降槽70で沈降させて清浄化された水を得る。この水は、生コン用、その他に利用可能であるとともに、環境悪化を生じることなく廃棄も可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口で、複数の室を有するコンテナ状の箱体と、室の1つを用いて形成され、残コン処理水を中和するPH調整槽と、前記PH調整槽を形成する室若しくは他の室を用いて形成され、前記残コン処理水のセメン粉を含む浮遊物を凝集させる凝集反応層と、前記PH調整槽、前記凝集反応槽を形成する室若しくは他の室を用いて形成され、前記残コン処理水の浮遊物を沈降させる沈降槽と、を備えることを特徴とする残コン処理装置
【請求項2】
前記箱体の開口部に懸架し、残コンと水を混ぜるミキサーを載置する架台と、前記室の1つであって前記ミキサーから溢れる残コン処理水を溜める水貯溜室と、前記架台下近傍に設けられ前記ミキサーから放出される骨材を一時的に保持する骨材保持部とを備え、前記水貯溜室の水を前記PH調整槽に投入して中和処理するようにしたことを特徴とする請求項1記載の残コン処理装置。
【請求項3】
前記PH調整槽及び若しくは前記凝集反応槽に、槽内を撹拌するための撹拌機を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の残コン処理装置。
【請求項4】
前記PH調整槽,凝集反応層及び沈降槽がそれぞれ異なる室に配置され、且つ前記凝集反応槽は配置される室の上部に小室に形成され、この凝集反応槽から前記沈降槽へ凝集済みの残コン処理水を送出する流水路を設けるとともに、前記凝集反応槽を配置する室と前記沈降槽を形成する室間の隔壁中段に開口窓を設け、前記沈降槽に溜められた水を前記開口窓より前記凝集反応槽を配置する室に流出可能としたことを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3記載の残コン処理装置。
【請求項5】
前記箱体に、外部電源からの電力供給を受ける電源受部を設け、この電源受部に受けた供給電力により、箱体設置の電気機器を駆動するようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載の残コン処理装置。
【請求項6】
前記箱体に、外部油圧源からの油圧供給を受ける油圧受部を設け、この油圧受部に受けた供給油圧により、箱体設置の油圧機器を駆動するようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載の残コン処理装置。
【請求項7】
上部開口で、複数の室を有するコンテナ状の箱体に、残コン処理水を中和するPH調整槽と、前記残コン処理水のセメン粉を含む浮遊物を凝集させる凝集反応槽と、前記残コン処理水の浮遊物を沈降させる沈降槽とを備えた残コン処理装置を用いて行う残コン処理方法であって、
前記残コン処理水を前記PH調整槽に収容して中和する過程と、前記中和された残コン処理水を前記凝集反応槽に送り、残コン処理水中のセメン粉を含む浮遊物を凝集させる過程と、前記凝集処理済の残コン処理水を前記沈降槽で浮遊物を沈降させ、水と沈降物に分離する過程と、からなることを、特徴とする残コン処理方法。
【請求項8】
前記箱体の開口部にミキサーを載置する架台を設けておき、ミキサーを前記架台に載置してミキサー内に残コンと水を入れて骨材と残コン処理水に分ける過程を備え、この過程で得られた残コン処理水を前記PH調整槽の残コン処理水として用いることを特徴とする請求項7記載の残コン処理方法。
【請求項9】
外部で溜められた残コン処理水、汚水、廃水等の液を、前記箱体に溜める過程を有し、この溜められた液を前記PH調整槽に収容するものであることを特徴とする請求項7記載の残コン処理方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、コンクリートの打設工事の際に発生する生コンクリートの残部(残コン)を有効に処理する残コン処理装置及び残コン処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート打設作業の際に生じる残コンは、工事現場の適当な空き地などで、そのまま固化させ、固化後に小さく破砕して廃棄するか、残コンを特殊な装置、器具で一定の小さな大きさで固化して廃棄し、あるいは埋め立て土用などに活用するのが一般的であった。
【0003】
従来、残コンを固化する装置、方法として、底板及び側板からなり、分解自在に組み立てられた上方が開口した箱状の本体内に取り外し自在に隔壁を縦横に配設して小区画を設けると共に、本体に機械的な振動を発生させる加振装置を取り付け、この加振装置によって底板、側板および隔壁の全部又は一部を振動させ、小区画内に充填した未固化の残コンクリートに振動を加えつつ、この残コンクリートを固化させるようにしたもの(例えば特許文献1参照)や、底部が開閉可能となるように開口部となる上部が相互に軸支された一方部分と他方部分からなり、この一方部分と他方部分の閉鎖状態をロックする固定具と、一方部分と他方部分の底部に着脱可能に取り付けたキャスターとを有するバケットを用い、このバケットの一方部分と他方部分の閉鎖状態をロックした上で、上部開口部から残コンを投入し、残コンを固化させてからロックを解除し、一方部分と他方部分をそれぞれ側方に引き上げ、底部を開口させて固化した残コンを落下させることで廃棄する方法(例えば特許文献2参照)が開示されている。
【0004】
ところで、本願の発明者は、残コンを固化しないで処理する装置として、上部開口で、仕切り板により少なくとも1個以上の室を形成したコンテナ状の箱体と、残コンと水を混ぜるミキサーを載置するため、前記箱体の開口に懸架する架台と、前記室の一つであって、前記ミキサーから溢れる水を溜める水貯留室と、前記架台の下近傍に設けられ、前記ミキサーから放出される骨材を一時的に保持する骨材保持部と、を備える残コン処理装置を案出し、実用新案登録出願し登録を受けている(特許文献3参照)
【特許文献1】特開平9−4231号公報
【特許文献2】特許第3397731号公報
【特許文献3】実用新案登録第3124094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した、残コンを工事現場等で固化して、そのまま、あるいは破砕して廃棄する方法では、残コン中のセメンさらには砂・ジャリなどの骨材を再度生コンに使用できず残コンを広く有効に活用するという点では十分でなく、また固化した残コンを廃棄する際には、廃棄業者に処理を依頼するため、マニフェスト、契約書、収入印紙等を用意する必要があり、多くの手間、経費を要するという問題がった。
【0006】
また、特許文献3のように、残コンをミキサーで水洗いし、骨材を分離する技術では、骨材は再度活用でき、廃棄することはないが残コン処理水は、アルカリ性が高く、この水を再活用あるいは廃棄するには、清浄化の処理を行う必要があるという問題がある。
【0007】
この発明は、上記問題点に着目してなされたものであって、残コンを固化することなく処理することによって、骨材、セメン粉、水をすべて再利用でき、又、骨材、水などをそれほど手間を要することなく、又他の業者に依頼することなく、しかも処理水が無害、安全な状態で廃棄することができる残コン処理装置及び残コン処理法方を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、この発明の残コン処理装置は、上部開口で、複数の室を有するコンテナ状の箱体と、室の1つを用いて形成され、残コン処理水を中和するPH調整槽と、前記PH調整槽を形成する室若しくは他の室を用いて形成され、前記残コン処理水のセメン粉を含む浮遊物を凝集させる凝集反応槽と、前記PH調整槽、前記凝集反応槽を形成する室若しくは他の室を用いて形成され、前記残コン処理水の浮遊物を沈降させる沈降槽と、を備える。ここで残コン処理水とは、残コンから骨材を洗い流した処理後の水、その後の清浄化のためになされた中和等の処理後の水等も含めて各段階の水を総称した処理水である。
【0009】
この発明の残コン処理装置において、好ましくは、さらに 前記箱体の開口部に懸架し、残コンと水を混ぜるミキサーを載置する架台と、前記室の1つであって前記ミキサーから溢れる残コン処理水を溜める水貯溜室と、前記架台下近傍に設けられ前記ミキサーから放出される骨材を一時的に保持する骨材保持部とを備え、前記水貯溜室の水を前記PH調整槽に投入して中和処理するようにしても良い。
【0010】
また、この発明の残コン処理装置において、好ましくは、前記PH調整槽及び若しく
は凝集反応槽に、槽内を撹拌するための撹拌機を設けると良い。
【0011】
また、この発明の残コン処理装置において 前記PH調整槽,凝集反応槽及び沈降槽がそれぞれ異なる室に配置され、且つ前記凝集反応層は配置される室の上部に小室に形成され、この凝集反応槽から前記沈降槽へ凝集済みの残コン処理水を送出する流水路を設けるとともに、前記凝集反応槽を配置する室と前記沈降槽を形成する室間の隔壁中段に開口窓を設け、前記沈降槽に溜められた水を前記開口窓より前記凝集反応槽を配置する室に流出可能としても良い。
【0012】
また、この発明の残コン処理装置において、好ましくは、前記箱体に、外部電源からの電力供給を受ける電源受部を設け、この電源受部に受けた供給電力により、箱体設置の電気機器を駆動するようにしても良い。
【0013】
また、この発明の残コン処理装置において、好ましくは、前記箱体に、外部油圧源からの油圧供給を受ける油圧受部を設け、この油圧受部に受けた供給油圧により、箱体設置の油圧機器を駆動するようにしても良い。
【0014】
また、この発明の残コン処理方法は、上部開口で、複数の室を有するコンテナ状の箱体に、残コン処理水を中和するPH調整槽と、前記残コン処理水のセメン粉を含む浮遊物を凝集させる凝集反応槽と、前記残コン処理水の浮遊物を沈降させる沈降槽とを備えた残コン処理装置を用いて行う残コン処理方法であって、前記残コン処理水を前記PH調整槽に収容して中和する過程と、前記中和された残コン処理水を前記凝集反応槽に送り、残コン処理水中のセメン粉を含む浮遊物を凝集させる過程と、前記凝集処理済の残コン処理水を前記沈降槽で浮遊物を沈降させ、水と沈降物に分離する過程と、を有する。
【0015】
また、この発明の残コン処理方法は、前記箱体の開口部にミキサーを載置する架台を設けておき、ミキサーを前記架台に載置してミキサー内に残コンと水を入れて骨材と残コン処理水に分ける過程を備え、この過程で得られた残コン処理水を前記PH調整槽の残コン処理水として用いることとしても良い。
【0016】
また、この発明の残コン処理方法は、外部で溜められた残コン処理水、汚水、廃水等の液を、前記箱体に溜める過程を有し、この溜められた液を前記PH調整槽に収容するようにしても良い。これにより、残コン処理水ではないが、残コン処理水とよく似た成分を有する汚水、廃水等も清浄化処理が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1、請求項7に係る発明によれば、コンテナ状の箱体に、PH調整槽、凝集反応槽及び沈降槽を備えているので、骨材と分離した残コン処理水を同一装置で中和し、浮遊物を凝集させ、さらに浮遊物を早く沈降させることができ、清浄な水、セメン粉を分離して得ることができ、残コンの骨材に加え、処理水及びセメン粉も再利用することができる。その上、処理水は安全な水として得られるので、処理後の水を工事現場、処理現場で支障なく廃棄できる。
【0018】
また、請求項2、請求項8に係る発明によれば、PH調整槽、凝集反応槽及び沈降槽を備えたコンテナ状の箱体に、ミキサーを載置可能な架台を備え、ミキサーを架台に載置して残コンと水を混ぜて、骨材と残コン処理水とに分け、この残コン処理水を、中和、凝集及び沈降させるので、残コンを、骨材と、清浄な水と、セメン粉に一挙に分離できる。もちろん、工事現場でも、どこでも効率良く、残コンを処理できる。処理水は安全な水として得られるので、処理後の水を工事現場、処理現場で支障なく廃棄できる。
【0019】
また、請求項3に係る発明によれば、PH調整槽、凝集反応槽に撹拌機を備えるので、PH調整槽での中和作用、凝集反応槽における凝集作用を促進することができる。
【0020】
又、請求項4に係る発明によれば、凝集反応槽から沈降槽への凝集済みの処理水を、流水路を用いて移動させているので、凝集した塊粒を壊すことなく、処理水を移動させることができ、結果として、浮遊物の沈降を促進できる。
【0021】
また、請求項5に係る発明によれば、コンテナ状の箱体に外部電源からの電力供給を受ける電力受部を備えているので、電源がある箇所、電源を備えたコンテナ車とともに共用することにより、どこででもミキサー,撹拌機などの電気機器を駆動させて残コン処理を行うことができる。
【0022】
また、請求項6に係る発明によれば、コンテナ状の箱体に外部油圧源からの油圧供給を受ける油圧受部を備えているので、油圧源がある箇所、油圧源を備えたコンテナ車とともに共用することにより、どこででもミキサー,撹拌機などの油圧機器を駆動させて残コン処理を行うことができる。
【0023】
又請求項9に係る発明によれば、別の箇所、装置で、残コンを水と混ぜて骨材を除いた残コン処理水やその他の汚水、廃水等の液を、本発明装置のPH調整槽に収容して中和処理などの処理に入ることができ、本発明の残コン処理を、より、広範囲に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、実施の形態によりこの発明を、さらに詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態残コン処理装置の全体的な概略構成を示す外観斜視図、図2は、その平面図である。この図1、図2を参照して、実施形態残コン処理装置の全体的な概略構成を説明する。
【0025】
この実施形態残コン処理装置は、装置の基台として、コンテナ状をした箱体1を備えている。この箱体1は、上方が開口しており、長手方向の一方端である後端1aの側方が開閉可能なものを使用する。具体的には、例えば市販の観音開きタイプのコンテナ、一枚開きタイプのコンテナ、三方開きタイプのコンテナ等を使用できる。もちろん、本実施形態専用のコンテナ状の箱体を製作しても良い。図1では、開閉可能なドアを省いて示している。
【0026】
箱体1の長手方向の一方端である前端1bの側部上方に、引掛部2を備えている。箱体1には、仕切板3によって形成される4つのタンク室4,5,6,7を備えている。第1のタンク室4は、ミキサーで残コンと混ぜ洗浄した後の水を溜める水槽である。第2のタンク室5は、第1のタンク室4の水を、ここに送り、アルカリ性の高い水を中和するPH(ペーハ)調整槽50として使用される。第3のタンク室6は、PH調整槽50から送られて来た水を、ここで水中に含まれるセメン粉等の微粉、浮遊物を凝集する凝集反応槽60として使用される。第4のタンク室7は、凝集反応槽60から送られてきた水を溜め、ここで水中に含まれる凝集物を沈降させ沈降槽70として使用される。PH調整槽50、凝集反応槽60及び沈降槽70については、少し詳しく後述する。
【0027】
箱体1の上部開口の一部に懸架して、鉄製の網目状に形成された架台8が設けられている。この架台8の網目は、砂・ジャリなどの骨材が通り抜けて落下する程度の大きさに設定してある。この架台8上には、ミキサー9が載置されている。このミキサー9は、通常使用の既存のものを使用するが、ドラムの入口が図2の矢印Aと矢印Bの方向に傾け可能か、あるいは360度いずれの方向へも傾け可能で、回転自在なものを使用する。架台8の下方の箱体1の空間領域を骨材保持部10として使用している。架台8にミキサー9を低い姿勢で設置するために、架台8のミキサー9の設置部下方は、ミキサー9の台部を収納する凹部を形成してもよい。
【0028】
架台8の端部8aと箱体1の後端1aの底部11間に、残コンを運ぶ手押一輪車を架台8まで引き上げる際に使用する鉄製網目状の導入路12が設けられている。第4のタンク室7の後方と後端1a間に一輪車等の工具類を収容する工具収容部13が設けられている。
【0029】
ここで、PH調整槽50、凝集反応槽60及び沈降槽70について、図3を参照して説明する。PH調整槽50には、パイプ51により、第1のタンク室4から、残コンを洗浄した後の水が注水されるようになっている。天井部には、十字状に交叉した架台板52,53が設けられ、これにPH計54、撹拌機55が取り付けられている。又、天井部には、槽内に中和剤を注入するための注入器56が配置され、中和剤容器57からの中和剤を注入することができるようになっている。また、PH調整槽50の内部から吸入し、パイプ61で隣の凝集反応槽60に中和された水を送るポンプ58が設けられている。
【0030】
凝集反応槽60は、天井部に、PH調整槽50と同様に十字状に交叉した架台板62,63が設けられ、これに撹拌機64が設けられている。また天井部には、槽内に無機質系凝集剤を注入するための注入器65と、有機質系凝集剤を注入するための注入器66が配置され、無機質系凝集剤容器67、有機質系凝集剤容器68からの凝集剤をそれぞれ注入することができるようになっている。又、凝集反応槽60内部から吸入し、パイプ71で隣の沈降槽70に浮遊物を凝集した水を送るポンプ69が設けられている。
【0031】
沈降槽70には、天井部に同様に十字状に交叉した架台板72,73が設けられ、所要の機材を設置できるようにしている。この沈降槽70の特徴は、底部において、外側壁を除く周辺3方から中央部分にかけて低くなるような傾斜面74を形成し、さらに、その中央部に凹部75を形成し、沈降したセメン粉等の凝集物を溜めるドレーン部76を設けたことである。このドレーン部76の外方に、布製のろ過フィルタを接続する接続部77を備えている。この沈降部70には、パイプ81を経て内部の清浄化した水を外部へ出力するポンプ78が設けられている。
【0032】
また、この実施形態残コン処理装置において、箱体1の前端1bの外壁に駆動力受部100を設けている。この駆動力受部100には、図6に示すように外部の電源より電力供給を受けるための電源受部101(101a,101b)と、外部の油圧源より油圧供給を受けるための油圧受部102を備えている。電源受部101は、2端子接続部101aと、3端子接続部101bを備えている。図示しないが、この駆動力受部100の電源受部101とミキサー9の設置部、及び攪拌機55,64の設置部近傍に設けるコンセントとの間に電気コードが配置され、同様に油圧受部102とミキサー9の設置部および攪拌機55,64の設置場所近傍の油圧コンセントとの間に油圧パイプが配置されており、例えば、ミキサー9及び攪拌機55,64が電気機器である場合は、外部より電源を、電源受部101に接続することにより、残コン処理装置の電気機器が動作し得るようになっている。この駆動力受部を備えておくことにより、電源あるいは油圧源のある所でどこででも残コン処理を行うことができる。
【0033】
又、この実施形態装置において、箱体1の各タンク室4〜7は、仕切板3も含め金属材で構成するが、内壁表面に、塩ビライニングを施すことにより、耐酸、耐アルカリの効果を持たせることができ、箱体を長寿命とすることができる。
【0034】
次に、この実施形態残コン処理装置において、残コン処理を行う場合について説明する。架台8上に、ミキサー9を載置した状態で、ミキサー9内に処理すべき残コンと水を投入する。そして、ミキサー9のドラムを回転させる。ミキサー9のドラムでは、回転により、水と残コンとが混ぜ合わされ、結果として水によって砂・ジャリ等の骨材からセメン・その他の微紛が洗い出され、骨材のみが、ミキサー9の底部に残る。水をミキサー9に投入するときに、ミキサー9のドラムを矢印A方向に傾けておくことにより、ミキサー9のドラムから溢れた水は、第1のタンク室4に入れられる。完全に洗浄が終了した段階で、ミキサー9のドラムがさらに傾けられ、ドラム中の残コン処理済の水が、さらに第1のタンク室4に入れられる。
【0035】
洗浄済後の水をミキサー9から、第1のタンク室4にほぼ移し終えると、今度は、ミキサー9のドラムを、それまでの矢印A方向とは、反対側の矢印B方向に傾け、ドラム内部の骨材を架台8に放出する。架台8上に落とされた骨材は、架台8の網目より、さらに下方に落下し、骨材保持部10に溜まる。骨材保持部10は、架台8の下方の箱体底部の空間であり、落下した骨材は、この骨材保持部10に、山状に積まれ、保持される。もっとも、この骨材保持部10は、箱体1の後端1a側に、脱着自在な仕切り板を設け、この仕切り板を残コン処理時は装着しておき、箱体1より骨材を外部に出すときに、この仕切り板を外してもよい。
【0036】
ミキサー9で洗浄終了後の水が完全に第1のタンク室4に入れられると、この第1のタンク室4の水は、第1のタンク室4内のポンプによりパイプ51を経てPH調整槽50に送られる。PH調整槽50へ送られるタイミングは、所定の時間をおいた後であっても良い。このPH調整槽50への第1のタンク室4からの水の転送が終了すると攪拌機55をONして槽内を攪拌しながら、注入器56より、中和剤容器57内の中和剤をPH調整槽50内に注入する。この中和剤により、槽内の水が強アルカリ性から中和され、PH(ペーハ)値が所定値まで下がったことをPH計54で確認すると攪拌機55がOFFする。この攪拌機55のOFFは、PH計54の信号を制御部へ取り込み、取り込みPH値が所定値に下がったことを制御部で判断して自動的に行うようにしても良い。この場合,PH計54に代えてPH紙を用いて、オペレータが、PH値が所定値になったことを判断し、撹拌機55をOFFしても良い。
【0037】
PH調整槽50において、PH計54のPH値が所定値となり,攪拌機55がOFFされると、次にポンプ58をONにする。このポンプ58のONは,PH計54のPHが所定値になったことを確認して手動で行っても良いが、上記撹拌機55の0FFと同様に制御部で判断して自動的に行うようにしても良い。ポンプ58のONにより,PH調整槽50内の水は、パイプ61より凝集反応槽60に送られる。凝集反応槽60では,PH調整槽50から水の搬入が終了すると,攪拌機64をONして槽内の水の攪拌を開始するとともに、注入器65,66より、それぞれ有機質系凝集剤容器67、無機質系凝集剤容器68から、一定量の凝集剤を槽内に注入する。所定時間が経過すると、水中に溶融していたセメン粉その他の浮遊物が凝集され、小さな塊粒状となる。上記所定の時間が経過すると、攪拌機64をOFFするとともに、ポンプ69をONする。この攪拌機64のONも手動で行っても良いし、所定の時間の経過に応答して制御部で自動的に行っても良い。ポンプ69のONにより凝集反応槽60内の水は吸い上げられ、パイプ71より沈降槽70へ送られる。
【0038】
沈降槽70では、槽内への水の搬入が完了した後、時間の経過とともに水中の凝集物は、槽内下方に沈降し、やがて沈降物はドレーン部76に溜まり、槽内上部は、中和されかつ浮遊物も少ない清浄な水となる。この沈降槽70の水は、このまま槽内に保存し、次の残コン処理時にポンプ78で汲み上げパイプ81によりミキサー9に送り、洗浄に活用しても良いし、適宜のタイミングにポンプ78で汲み上げ、他用に供しても良いし、不要なら下水に廃棄しても良い。
【0039】
ドレーン部76の接続部77に、布製ろ過フィルタを接続すると,水分はろ過され、フィルタにセメン粉などを得ることが出来る。
【0040】
上記実施形態において、沈降槽70の底部は、外壁部を除く三方周辺から中央に向けて傾斜面74を形成するとともに、中央部に凹部75を設けてドレーン部76を構成したが、他の例として、これに代えて図4に示すように、図奥より手前に向けて断面視3角形状の山91と、逆三角形状の溝92が複数本併設され、山91及び溝92が奥より手前に向けて低くなるように傾きを持たせ、山91と溝92の手前部分を、槽70の図手前壁面との間の底部に、左右両端から中央に向けて傾斜面93を持たせて凹部94を設け、ドレーン部95するようにしたものを用いても良い。
【0041】
また、上記実施形態において、第2のタンク室5をPH調整槽50、第3のタンク室6を凝集反応槽60、第4のタンク室7を沈降槽70として、構成する場合について説明したが、これに代えて、図5に示すように、凝集反応槽60、沈降槽70を第3のタンク室6で兼用して構成しても良い。
【0042】
この実施形態の場合,PH調整槽50は、図3の場合と同様であるが、凝集反応槽60は、沈降槽70を兼用するものであるため、凝集反応槽60には、攪拌機64、無機質系凝集剤を注入するための注入器65、有機質系凝集剤を注入するための注入器66が配置され、さらに内部の水を出力するためのポンプ69を備える他、底部に沈降部として、周辺3方から中央部分にかけて低くなるような傾斜面74を形成し、さらに、その中央部に凹部75を形成し、沈降したセメン粉等の凝集物を溜めるドレーン部76を設けている。
【0043】
この図5に示す、実施形態残コン処理装置において、残コン処理を行う場合、処理動作は、PH調整槽50で残コン処理水を中和し、さらに凝集反応槽60(兼沈降槽70)で、凝集反応を行わせるまでは、図3の場合と同様である。ここでは、凝集反応を開始させて所定の時間が経過すると、攪拌機64はOFFするが、ポンプ69はONせずそのまま待機する。
【0044】
待機後、時間の経過とともに、水中の凝集物は、槽内下方に沈降し、やがて凝集物は、ほとんどドレーン部76に溜まり、槽内上部は、中和され、かつ浮遊物の少ない清浄な水となる。この沈降槽70の水は、このまま槽内に保存し、次の残コン処理に使用しても良いし、適宜のタイミングにポンプ69で汲み上げ他の用に供しても良いし、不要なら下水に廃棄しても良い。
【0045】
また、他の実施形態として、図7に示すように、PH調整槽50、凝集反応槽60及び沈降槽70を、1つのタンク室(例えば第2のタンク室5)で兼用させて構成しても良い。
【0046】
また、上記した図3に示す実施形態残コン処理装置は、PH調整槽50、凝集反応槽60及び沈降槽70をそれぞれ独立したタンク室5〜7で形成している。そのため、中和、凝集、沈降の各処理を独立で行うことができる。反面凝集した浮遊物をポンプで汲み出しているので、折角凝集させた塊粒を壊すおそれがないでもない。この、おそれを回避するために、図8に示す装置を実施しても良い。この実施形態装置では、第3のタンク室6に凝集反応槽60を形成するが、第3のタンク室6全体ではなく、第3のタンク室6の中央上方に独立した小型のタンク室6aを設け、この小型のタンク室6aを凝集反応槽60としている。
【0047】
また、沈降槽70には、内部中央上方に筒体85を、架台板72,73に取り付けて、設けている。凝集反応槽60の底部より筒体85に向けて,高位より低位になるように若干の傾きを持たせて流水路86を設けている。さらに、タンク室6aの下部の第3のタンク室6と沈降槽70との隔壁の中段に開口窓87を設けている。
【0048】
この実施形態装置では、凝集反応槽60で凝集処理された残コン処理水が流水路86を介して筒体85内に送られ、筒体85内で、下方に落下して沈降槽7の下面に水が溜まる。流水路86では凝集済みの残コン処理水が高位より低位に流れるので、凝集した塊粒が壊されることはない。沈降槽70内の水面が上昇し、水面が開口窓87に達すると、この開口窓87を通して第3のタンク室6に水が流れ込み、沈降物を除いた水が、その後沈降槽70と、第3のタンク室6に分けて溜められる。第3のタンク室6及び沈降槽70の水は、ポンプ69,78で外部へ、汲み出し可能としている。
【0049】
又、上記各実施形態残コン処理装置において、沈降槽70で分離した水を、さらに精度良くPH調整するため、ポンプ、パイプなどの手段により、PH調整槽50に戻し、PHの再調整をしても良い。
【0050】
なお、上記各実施形態残コン処理装置は、コンテナ状の箱体1の前面に引掛部2を備えているので、フックロール車のフックを用いて箱体1の引掛部2に掛け、フックロール車に箱体1を、積上げ/積降しすることができる。そのため、箱体1、つまり、残コン処理装置を、フックロール車とともに移動でき、移動中あるいは移動させた先のどこででも残コン処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明の一実施形態に係る残コン処理装置の全体的な概略構成を示す外観斜視図である。
【図2】同実施形態残コン処理装置の平面図である。
【図3】同実施形態で具体的に構成されるPH調整槽、凝集反応槽、及び沈降槽を説明する斜視図である。
【図4】図3で説明する沈降槽に代えて使用する他の沈降槽の一部を示す斜視図である。
【図5】同実施形態残コン処理装置で具体的に構成されるPH調整槽、凝集反応槽、及び沈降槽の他の例を示す斜視図である。
【図6】上記同実施形態残コン処理装置で使用される駆動力受部を説明する図である。
【図7】この発明の他の実施形態残コン処理装置であって、PH調整槽、凝集反応槽、及び沈降槽を1つのタンク室を兼用して構成する場合を説明する斜視図である。
【図8】この発明の他の実施形態残コン処理装置として、具体的に構成されるPH調整槽、凝集反応槽、及び沈降槽の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1 コンテナ状の箱体
2 引掛部
3 仕切板
4 第1のタンク室
8 架台
9 ミキサー
10 骨材保持部
50 PH調整槽
60 凝集反応槽
70 沈降槽
51,61,71,81 パイプ
54 PH計
55,64 撹拌機
56 中和剤注入器
57 中和剤容器
65 無機質系凝集剤注入器
66 有機質系凝集剤注入器
67 無機質系凝集剤容器
68 有機質系凝集剤容器
76、95 ドレーン部
100 駆動力受部
101 電源受部
102 油圧受部

【出願人】 【識別番号】599160697
【氏名又は名称】有限会社カナオカ
【出願日】 平成18年8月22日(2006.8.22)
【代理人】 【識別番号】100084962
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 茂信


【公開番号】 特開2008−49479(P2008−49479A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−224817(P2006−224817)