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【発明の名称】 切断移送装置、及び、多孔質グリーンシートの切断移送方法
【発明者】 【氏名】辻本 哲志

【氏名】粟屋 都雄

【氏名】上野 博規

【氏名】和田 正弘

【氏名】秋山 栄

【要約】 【課題】三次元網目構造を有する長尺状の多孔質グリーンシートを好適に切断して移送できるようにする。

【解決手段】キャリアシート5によって連続的に搬送されて、長尺状の多孔質グリーンシートGを切断して移送する切断移送装置21であって、長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送方向前方側を載置する載置用紙35が複数積層されてなる給紙部31と、給紙部31よりも搬送方向の上流側において多孔質グリーンシートGをキャリアシート5から剥離する剥離部23と、載置用紙35上に配された多孔質グリーンシートGをその幅方向に移動して切断する切断手段33と、切断された多孔質グリーンシートGを載置用紙35上に載置した状態で、載置用紙35を把持して給紙部31から搬送方向に移送する移送手段29とを備え、キャリアシート5による多孔質グリーンシートGの搬送速度に合わせて給紙部31及び切断手段33を搬送方向に移動可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアシートによって連続的に搬送されて、三次元網目構造を有する長尺状の多孔質グリーンシートを切断して移送する切断移送装置であって、
前記キャリアシートによって搬送される前記長尺状の多孔質グリーンシートの搬送方向前方側を載置する載置用紙が複数積層されてなる給紙部と、
該給紙部よりも前記搬送方向の上流側に配されて前記多孔質グリーンシートを前記キャリアシートから剥離する剥離部と、
前記載置用紙上に配された前記長尺状の多孔質グリーンシートをその幅方向に移動して切断する切断手段と、
切断された前記多孔質グリーンシートを前記載置用紙上に載置した状態で、前記載置用紙を把持して前記給紙部から前記搬送方向に移送する移送手段とを備え、
前記給紙部及び前記切断手段が、前記キャリアシートによる前記長尺状の多孔質グリーンシートの搬送速度に合わせて前記搬送方向に移動可能であることを特徴とする切断移送装置。
【請求項2】
前記剥離部と前記給紙部との間に設けられ、前記剥離部から前記給紙部に向けて搬送される前記長尺状の多孔質グリーンシートと前記載置用紙との間隙に向けてエアーを吹き出すエアー供給手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の切断移送装置。
【請求項3】
前記移送手段による前記載置用紙の把持が、該移送手段に備えて前記多孔質グリーンシートを載置した前記載置用紙の表面を真空吸着する吸着部によって行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切断移送装置。
【請求項4】
前記移送手段によって移送された前記載置用紙及び前記多孔質グリーンシートを積層する蓄積部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の切断移送装置。
【請求項5】
キャリアシートによって連続的に搬送されて、三次元網目構造を有する長尺状の多孔質グリーンシートを切断して搬送する多孔質グリーンシートの切断移送方法であって、
前記キャリアシートにより前記長尺状の多孔質グリーンシートをその長手方向に搬送させ、該長尺状の多孔質グリーンシートの搬送方向前方側を前記キャリアシートから剥離した状態で載置用紙を複数積層した給紙部に供給すると共に積層された最上の前記載置用紙上に載置するシート供給工程と、
前記載置用紙上に配された前記多孔質グリーンシートを切断手段によりその幅方向にわたって切断する切断工程と、
切断された前記多孔質グリーンシートを前記載置用紙上に載置した状態で前記載置用紙を把持して、前記多孔質グリーンシート及び前記載置用紙を前記給紙部から前記搬送方向に移送する移送工程とを備え、
前記切断工程において、前記給紙部及び前記多孔質グリーンシートを切断する切断手段を前記キャリアシートによる前記長尺状の多孔質グリーンシートの搬送速度に合わせて前記搬送方向に移動させることを特徴とする多孔質グリーンシートの切断移送方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、切断移送装置、及び、多孔質グリーンシートの切断移送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルタ、ガス拡散部材、放熱部材、吸水部材などに使用するシート状の多孔質焼結板を製造する方法としては、例えば特許文献1のように、無機粉末、発泡剤、バインダ等を含む発泡性スラリーをキャリアシート上でシート状に成形し、キャリアシートで搬送しながらシート状の発泡性スラリーを発泡させると共に発泡した発泡性スラリーを乾燥させて、多孔質グリーンシートを製造しておくものがある。この多孔質グリーンシートは、高気孔率で薄く、さらに粘度質状で柔らかいものであり、キャリアシートの長手方向にわたって連続的に製造することで、長尺状に形成することが可能である。
【0003】
ところで、焼成前の長尺状のグリーンシートを切断する方法としては、例えば特許文献2のように、キャリアシートによって連続的に搬送されるグリーンシートにカッターの刃を押し付けるものがある。このように切断する際には、キャリアシートを受け部材の表面に吸着させる。また、このように切断されたグリーンシートをキャリアシートから剥離して移送する際には、吸着ユニットによりグリーンシートを吸着固定してキャリアフィルムの上方に移動させる。
なお、複数の貫通孔を有してハニカム状に形成された粘度質状の成形体を切断する方法としては、例えば特許文献3のように、ワイヤーを使用したものもある。
【特許文献1】特許第3282497号公報
【特許文献2】特公平7−296号公報
【特許文献3】特開平10−244524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、長尺状の多孔質グリーンシートの切断を特許文献1と同様に行う場合には、切断後の多孔質グリーンシートをキャリアシートの上方に剥離して移送する必要があるが、多孔質グリーンシートは柔らかく変形しやすいため、多孔質グリーンシートを吸着固定して移送すると多孔質グリーンシートが変形してしまう虞がある。
また、特許文献2と同様に、ワイヤーを利用して多孔質グリーンシートを切断する場合には、多孔質グリーンシートをキャリアシートから剥がして切断用の台に載置する必要があるが、多孔質グリーンシートは薄くて柔らかいため、キャリアシートから剥離された多孔質グリーンシートの取り扱いが困難となる。
【0005】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであって、キャリアシートによって連続的に搬送される長尺状の多孔質グリーンシートを好適に切断して移送することができる切断移送装置及び多孔質グリーンシートの切断移送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0007】
本発明の切断移送装置は、キャリアシートによって連続的に搬送されて、三次元網目構造を有する長尺状の多孔質グリーンシートを切断して移送する切断移送装置であって、前記キャリアシートによって搬送される前記長尺状の多孔質グリーンシートの搬送方向前方側を載置する載置用紙が複数積層されてなる給紙部と、該給紙部よりも前記搬送方向の上流側に配されて前記多孔質グリーンシートを前記キャリアシートから剥離する剥離部と、前記載置用紙上に配された前記長尺状の多孔質グリーンシートをその幅方向に移動して切断する切断手段と、切断された前記多孔質グリーンシートを前記載置用紙上に載置した状態で、前記載置用紙を把持して前記給紙部から前記搬送方向に移送する移送手段とを備え、前記給紙部及び前記切断手段が、前記キャリアシートによる前記長尺状の多孔質グリーンシートの搬送速度に合わせて前記搬送方向に移動可能であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の多孔質グリーンシートの切断移送方法は、キャリアシートによって連続的に搬送されて、三次元網目構造を有する長尺状の多孔質グリーンシートを切断して搬送する多孔質グリーンシートの切断移送方法であって、前記キャリアシートにより前記長尺状の多孔質グリーンシートをその長手方向に搬送させ、該長尺状の多孔質グリーンシートの搬送方向前方側を前記キャリアシートから剥離した状態で載置用紙を複数積層した給紙部に供給すると共に積層された最上の前記載置用紙上に載置するシート供給工程と、前記載置用紙上に配された前記多孔質グリーンシートを切断手段によりその幅方向にわたって切断する切断工程と、切断された前記多孔質グリーンシートを前記載置用紙上に載置した状態で前記載置用紙を把持して、前記多孔質グリーンシート及び前記載置用紙を前記給紙部から前記搬送方向に移送する移送工程とを備え、前記切断工程において、前記給紙部及び前記多孔質グリーンシートを切断する切断手段を前記キャリアシートによる前記長尺状の多孔質グリーンシートの搬送速度に合わせて前記搬送方向に移動させることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、キャリアシートによって長尺状の多孔質グリーンシートがその長手方向に搬送されると、その前方側がキャリアシートから剥離された状態で給紙部に供給されると共に、給紙部に積層された最上の載置用紙上に載置される。そして、載置用紙によって支持された多孔質グリーンシートが切断手段によって切断される。
この切断に際して、長尺状の多孔質グリーンシートの搬送方向及び搬送速度に合わせて給紙部及び切断手段を移動させると、多孔質グリーンシートと切断手段及び載置用紙とが上記搬送方向に関して相対的に停止するため、多孔質グリーンシートがその幅方向に対して傾斜して切断されたり、多孔質グリーンシートが変形することを容易に防止できる。すなわち、キャリアシートによる長尺状の多孔質グリーンシートの搬送を停止することなく、切断手段により多孔質グリーンシートを好適に切断することができる。
【0010】
その後、切断された多孔質グリーンシートは、載置用紙によって支持された状態で移送手段により載置用紙を把持して給紙部から移送されるため、切断された多孔質グリーンシートに触れることなく当該多孔質グリーンシートを搬送して、その変形を容易に防止することができる。
また、移送手段による多孔質グリーンシートの移送方向はキャリアシートによる長尺状の多孔質グリーンシートの搬送方向と一致しているため、長尺状の多孔質グリーンシートの連続的な搬送を阻害することがない。すなわち、キャリアシートによる長尺状の多孔質グリーンシートの搬送を停止することなく、移送手段により多孔質グリーンシートを好適に移送することができる。
【0011】
上述したように切断及び移送の際には多孔質グリーンシートが載置用紙により支持されているため、キャリアシートから剥離された柔らかい多孔質グリーンシートを容易に取り扱うことができる。
さらに、載置用紙は給紙部に複数積層されているため、切断された多孔質グリーンシートを一の載置用紙と共に移送手段によって給紙部から移送すると共に、キャリアシートによって搬送される長尺状の多孔質グリーンシートが続けて給紙部に供給されると、長尺状の多孔質グリーンシートの前方側が一の載置用紙の直下に位置していた他の載置用紙上に載置されることになる。したがって、キャリアシートによる長尺状の多孔質グリーンシートの連続的な搬送にあわせて、上述した多孔質グリーンシートの切断及び移送を連続的に実施することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明の切断移送装置は、前記剥離部と前記給紙部との間に設けられ、前記剥離部から前記給紙部に向けて搬送される前記長尺状の多孔質グリーンシートと前記載置用紙との間隙に向けてエアーを吹き出すエアー供給手段を備えることを特徴とする。
この場合には、長尺状の多孔質グリーンシートを搬送して載置用紙上に載置する際に、長尺状の多孔質グリーンシートと載置用紙との間にエアーを介在させることができるため、多孔質グリーンシートが載置用紙に張り付くことを防止して、多孔質グリーンシートを容易かつ確実に載置用紙上に配することができる。また、長尺状の多孔質グリーンシートの搬送方向に向けてエアーを吹き出すことで、キャリアシートによる長尺状の多孔質グリーンシートの搬送が阻害されることを防止できる。
【0013】
また、本発明の切断移送装置は、前記移送手段による前記載置用紙の把持が、該移送手段に備えて前記多孔質グリーンシートを載置した前記載置用紙の表面を真空吸着する吸着部によって行われることを特徴とする。
この場合には、給紙部に複数の載置用紙が積層されていても、最上の載置用紙のみを吸着部の真空吸着により容易に把持することができる。
【0014】
さらに、本発明の切断移送装置は、前記移送手段によって移送された前記載置用紙及び前記多孔質グリーンシートを積層する蓄積部を備えることを特徴とする。
この場合、蓄積部に積層される各多孔質グリーンシートの間には載置用紙が介在するため、積層される多孔質グリーンシート同士がくっついてしまうことを容易に防止できる。また、複数の多孔質グリーンシートを蓄積部に積層しておくことで、複数の多孔質グリーンシートを切断移送装置から簡便に搬出することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、キャリアシートによって連続的に搬送される長尺状の多孔質グリーンシートを好適に切断して移送することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図1から図3を参照し、本発明の実施形態に係る多孔質体製造装置について説明する。
この実施形態に係る切断移送装置は、図1に示すグリーンシート製造装置1において製造される長尺状の多孔質グリーンシートGを切断して移送するものである。
すなわち、グリーンシート製造装置1においては、まず、無機粉末(例えば金属粉末、セラミック粉末)、発泡剤(例えば、炭化数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(例えばネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン))、有機バインダ(例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、溶媒(水)等を混合したスラリーSをホッパー3に貯蔵しておく。
【0017】
次いで、ホッパー3からキャリアシート5上にスラリーSが供給される。キャリアシート5はローラ7によって搬送されており、キャリアシート5上のスラリーSは、移動するキャリアシート5とドクターブレード9との間で延ばされ、シート状に成形される。
シート状のスラリーSは、さらにキャリアシート5によって搬送され、加熱処理を行う発泡槽11および加熱炉13を順次通過する。発泡槽11では高湿度雰囲気下で加熱処理を行うので、スラリーSにひび割れを生じさせずに発泡剤を発泡させることができる。そして、発泡によって空洞部が形成された多孔質状のスラリーSが加熱炉13において乾燥されると、無機粉末が有機バインダによって接合された状態で三次元網目構造をなす長尺状の多孔質グリーンシートGが形成されることになる。
【0018】
この長尺状の多孔質グリーンシートGはキャリアシート5の移動によって図2,3に示す切断移送装置21に向けて連続的に搬送される。
切断移送装置21は、多孔質グリーンシートGをキャリアシート5から剥離する剥離部23と、長尺状の多孔質グリーンシートGを所定長さに切断するための切断ユニット25と、所定長さに切断された多孔質グリーンシートGを積層して蓄積する蓄積ユニット27(蓄積部)と、切断された多孔質グリーンシートGを切断ユニット25から蓄積ユニット27に移送する移送ユニット(移送手段)29とを備えている。
剥離部23は、切断ユニット25よりも長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送方向(A方向)の上流側に配置されており断面視で楔状に形成されている。そして、この剥離部23においてキャリアシート5を鋭角に折り曲げるようにローラ7により搬送することで(図1参照)、多孔質グリーンシートGがキャリアシート5から剥離されるようになっている。
【0019】
切断ユニット25は、給紙部31及び切断機構(切断手段)33を備えている。
給紙部31は、剥離部23側からキャリアシート5によって搬送される長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送方向前方側を載置する載置用紙35が上方に開口するケース37内に複数積層されて構成されており、この載置用紙35の幅寸法は搬送されてくる多孔質グリーンシートGの幅寸法よりも大きい。
なお、この給紙部31と前述した剥離部23との間には、剥離部23から給紙部31に向けて搬送される長尺状の多孔質グリーンシートGと最上の載置用紙35との間隙に向けてエアーを吹き出すエアー供給手段39が設けられている。なお、このエアーの吹き出し方向はキャリアシート5による長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送方向に略一致している。
【0020】
切断機構33は、長尺状の多孔質グリーンシートGを切断する切断刃41(例えば回転カッター)、切断刃41を載置用紙35の積層方向に昇降させる昇降機構43(例えばエアシリンダ)、及び、これら切断刃41及び昇降機構43を多孔質グリーンシートGの幅方向にわたって移動させる移動機構45(例えばロッドレスシリンダ)とを備えている。この切断機構33は前述した給紙部31のケース37に固定されている。
そして、切断機構33により多孔質グリーンシートGを切断する際には、切断刃41及び昇降機構43を予め多孔質グリーンシートGの幅方向端部に配しておき、昇降機構43により切断刃41を多孔質グリーンシートGの切断位置まで下降させた状態で、移動機構45により切断刃41及び昇降機構43を多孔質グリーンシートGの幅方向にわたって移動させればよい。なお、多孔質グリーンシートGの切断が完了した際には、昇降機構43により切断刃41を上昇させて多孔質グリーンシートGから離間させればよい。以上のように切断機構33は、載置用紙35上に配された長尺状の多孔質グリーンシートGをその幅方向に移動して切断するように構成されている。
【0021】
また、切断機構33は、切断刃41から多孔質グリーンシートGの搬送方向に所定長さだけ離間してケース37に固定された切断位置検出センサ47(例えば光電センサ)を備え、上述した多孔質グリーンシートGの切断は、載置用紙35上に搬送される長尺状の多孔質グリーンシートGの前端が切断位置検出センサ47によって検出された際に行われるようになっている。すなわち、この切断位置検出センサ47を設けることで、多孔質グリーンシートGが載置用紙35上において切断刃41から切断位置検出センサ47までの所定長さで切断されることになる。なお、この実施形態において切断される多孔質グリーンシートGの長さ寸法は載置用紙35の長さ寸法よりも短くなるように設定されている。
【0022】
そして、切断ユニット25は、上述した給紙部31及び切断機構33を長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送方向(A方向)及びその逆方向(B方向)に移動させる送り機構51を備えている。送り機構51は、例えば切断移送装置21の基台49に固定されて多孔質グリーンシートGの搬送方向に延びるレール53、及び、給紙部31のケース37に連結されてレール53に沿って移動可能なモータ55によって構成されている。この送り機構51による給紙部31及び切断機構33の移動速度は任意に設定できるようになっており、例えば、キャリアシート5による長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送速度に合わせて給紙部31及び切断機構33を多孔質グリーンシートGの搬送方向に移動させることができるようになっている。
【0023】
さらに、切断ユニット25は、積層された最上の載置用紙35の高さ位置を一定とする紙面位置調整機構57も備えており、後述する移送ユニット29によって最上の載置用紙35が順次移送されても、後から搬送されてくる長尺状の多孔質グリーンシートGを安定して次の載置用紙35上に載置できるようになっている。この紙面位置調整機構57は、最上の載置用紙35の上方側に固定されて最上の載置用紙35の高さ位置を検出する紙面位置検出センサ58(例えば光電センサ)と、紙面位置検出センサ58の検出結果に基づいてケース37を昇降させるケース昇降機構59(例えばサーボモータ)とを備えている。ケース昇降機構59は、給紙部31のケース37と送り機構51のモータ55との間に設けられている。
なお、この紙面位置調整機構57を設けることで、切断刃41が載置用紙35を切断せずに多孔質グリーンシートGのみを切断するように設定することも可能となる。
【0024】
移送ユニット29は、切断ユニット25において切断された多孔質グリーンシートGを載置用紙35上に載置した状態で、載置用紙35を1枚ずつ把持して給紙部31から蓄積ユニット27まで移送するように構成されている。すなわち、移送ユニット29は、多孔質グリーンシートGを載置した最上の載置用紙35の表面を真空吸着して把持する吸着パッド(吸着部)61と、吸着パッド61を切断ユニット25から蓄積ユニット27まで多孔質グリーンシートGの搬送方向に移動させる一対の移動機構63(例えばボールねじ)とを備えている。
【0025】
吸着パッド61は、多孔質グリーンシートGの搬送方向前方側に位置する載置用紙35の前端を真空吸着するように複数設けられている。これら複数の吸着パッド61は、例えば、載置用紙35の前端のうち幅方向の両端部及び中央部を吸着するように配置されている。また、これら複数の吸着パッド61は移動機構63に対して載置用紙35の積層方向に昇降可能となっており、載置用紙35を真空吸着する際に下降させ、移送する際に上昇させるようになっている。
なお、移動機構63による吸着パッド61の移動速度は任意に設定できるようになっており、例えば、多孔質グリーンシートGの搬送速度と同じ速度でも移動できるようになっている。
【0026】
蓄積ユニット27は、移送ユニット29によって移送された載置用紙35及び多孔質グリーンシートGを積層する積層台65と、積層台65の上方に設けられて移送された載置用紙35及び多孔質グリーンシートGを一時的に支持するシート支持部67とを備えている。
シート支持部67は、例えば載置用紙35及び多孔質グリーンシートGを支持する複数の支持板69、及び、支持板69を積層台65の上方に配して載置用紙35及び多孔質グリーンシートGを支持する支持位置と支持板69を積層台65の上方から退避させた退避位置との間で進退させる進退機構71(例えばエアシリンダ)とから構成されている。なお、支持板69を支持位置に配した状態においては、載置用紙35の前端のみを把持した移送ユニット29によって移送された載置用紙35及び多孔質グリーンシートGの移送方向後方側が、積層台65の上方において垂れ下がることを防止できる。
【0027】
次に、以上のように構成された切断移送装置21による多孔質グリーンシートGの切断移送方法について図2から図4を参照して説明する。
なお、多孔質グリーンシートGを切断して移送する際には、予め給紙部31及び切断機構33を剥離部23側の初期位置に配しておき、また、切断機構33の切断刃41は載置用紙35の幅方向端部に配しておく。さらに、給紙部31に積層された載置用紙35を真空吸着する位置に吸着パッド61を配しておくと共に、支持板69を支持位置に配置しておく(図4のステップS1参照)。
【0028】
この状態において、はじめに、キャリアシート5により長尺状の多孔質グリーンシートGを連続的に搬送させると共に、切断ユニット25の手前において剥離部23により多孔質グリーンシートGの搬送方向前方側をキャリアシート5から剥がす。次いで、剥離された多孔質グリーンシートGを給紙部31に供給すると共に最上の載置用紙35上に載置し(シート供給工程)、載置用紙35上に配された多孔質グリーンシートGを切断機構33によりその幅方向にわたって切断する(切断工程)。
シート供給工程においては、エアー供給手段39によって最上の載置用紙35と多孔質グリーンシートGとの間隙に向けてエアーが吹き出されている。これにより、シート供給工程において長尺状の多孔質グリーンシートGが載置用紙35上に張り付くことを防止できる。また、エアーの吹き出し方向は長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送方向に略一致しているため、長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送が阻害されることもない。
【0029】
そして、上記切断工程では、図4に示すように、連続的にA方向に搬送される多孔質グリーンシートGの前端が切断位置検出センサ47によって検出されると(ステップS2)、キャリアシート5による長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送速度に合うように、送り機構51による給紙部31及び切断機構33のA方向への移動を開始する(ステップS3)。このように給紙部31及び切断機構33を移動させることで、多孔質グリーンシートGと載置用紙35及び切断機構33とがA方向に関して相対的に停止することになる。
そして、この状態において多孔質グリーンシートを切断する。すなわち、昇降機構43により切断刃41を多孔質グリーンシートGの切断位置まで下降させ(ステップS4)、移動機構45により切断刃41を多孔質グリーンシートGの幅方向の一端部から他端部まで移動させることで多孔質グリーンシートGが切断され(ステップS5)、切断刃41が上記他端部に到達したところで多孔質グリーンシートGの切断が完了する(ステップS6)。
【0030】
なお、この切断工程においては切断刃41が載置用紙35を切断せずに多孔質グリーンシートGのみを切断するように、予め紙面位置調整機構57によって多孔質グリーンシートを載置した載置用紙35の高さ位置が調整されている。
上述のように多孔質グリーンシートGを切断すると、連続的に搬送される多孔質グリーンシートGがその幅方向に対して傾斜して切断されたり、多孔質グリーンシートGが変形することを容易に防止できる。
【0031】
また、ステップS3が開始された際には、上述した切断(ステップS4〜S6)と並行して吸着パッド61によって載置用紙35を吸着する(吸着工程)。この吸着の際には、はじめに、キャリアシート5による長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送速度に合うように、移動機構63による吸着パッド61のA方向への移動を開始させる(ステップS7)。これにより、載置用紙35と吸着パッド61とがA方向に関して相対的に停止することになる。次いで、吸着パッド61を載置用紙35の表面に接触させるように下降させて(ステップS8)、吸着パッド61により載置用紙35を真空吸着して把持する(ステップS9)。
【0032】
そして、上述したステップS6の後には、昇降機構43により切断刃41を上昇させて多孔質グリーンシートG及び載置用紙35から離間させる(ステップS10)。
また、上述したステップS6及びステップS9の後には、切断された多孔質グリーンシートG及びこれを載置した載置用紙35を移送ユニット29により蓄積ユニット27まで移送する(移送工程)。すなわち、吸着パッド61を上昇させて多孔質グリーンシートG及び載置用紙35を給紙部31の上方に離間させる(ステップS12)。そして、多孔質グリーンシートGの搬送速度よりも速い速度で、移動機構63により多孔質グリーンシートG及び載置用紙35をA方向に移送する(ステップS13)。また、このステップS13の開始にあわせて、送り機構51により給紙部31及び切断機構33をB方向に移動させて初期位置に復帰させる(ステップS11)。
【0033】
ここで、ステップS13における移動機構63による多孔質グリーンシートG及び載置用紙35の移送方向は、長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送方向と一致しており、切断された多孔質グリーンシートG及び載置用紙35は給紙部31に向けて連続的に搬送される長尺状の多孔質グリーンシートGに対して離間する方向に移動するため、長尺状の多孔質グリーンシートGの連続的な搬送を阻害することがない。
また、上述したステップS10〜S13を実施する間にも、長尺状の多孔質グリーンシートGが給紙部31に向けて連続的に供給されるが、この長尺状の多孔質グリーンシートGは、給紙部31において移送ユニット29によって移送された載置用紙35の直下に位置していた他の載置用紙35上に載置されることになる。
【0034】
そして、ステップS13が実施されて、切断された多孔質グリーンシートG及び載置用紙35が移送ユニット29によって積層台65の上方まで移送されると、移動機構63による吸着パッド61の移動が停止される(ステップS14)。この状態において、多孔質グリーンシートG及び載置用紙35は、支持板69によって下方から支持されているため、これらの移送方向後方側が垂れ下がることがない。
さらに、ステップS14の後には、進退機構71によって支持板69が退避位置に移動されると共に吸着パッド61による載置用紙35の真空吸着が解除される(ステップS15)。これにより、載置用紙35及びこれに載置された多孔質グリーンシートGが下方に落下して積層台65上に積層されることになる。
【0035】
なお、ステップS15の後には、移動機構63により吸着パッド61を給紙部31に積層されている載置用紙35を吸着する位置まで移動させると共に(ステップS16)、ステップS1に戻って再び支持板69を支持位置に配置する。これにより、再び上述したシート供給工程、切断工程、吸着工程、移送工程を順次実施し、連続的に多孔質グリーンシートGを切断して移送することができる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態による切断移送装置21及び多孔質グリーンシートGの切断移送方法によれば、キャリアシート5によって連続的に搬送される長尺状の多孔質グリーンシートGを好適に切断して移送することができる。
すなわち、切断工程においては、長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送方向及び搬送速度に合わせて給紙部31及び切断機構33を移動させるため、多孔質グリーンシートGが斜めに切断されたり、変形すること防止できる。したがって、長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送を停止することなく、多孔質グリーンシートGを切断機構33により好適に切断することができる。
【0037】
また、移送工程においては、切断された多孔質グリーンシートGに触れることなく当該多孔質グリーンシートGを搬送するため、その変形を防止することができる。さらに、移送ユニット29による多孔質グリーンシートGの移送方向をキャリアシート5による多孔質グリーンシートGの搬送方向に一致させているため、長尺状の多孔質グリーンシートGの搬送を停止することなく、移送ユニット29により好適に移送することができる。
【0038】
さらに、上述した切断及び移送の際には多孔質グリーンシートGが載置用紙35によって支持されているため、キャリアシート5から剥離された柔らかい多孔質グリーンシートGを容易に取り扱うことができる。
また、載置用紙35は給紙部31に複数積層されているため、長尺状の多孔質グリーンシートGの連続的な搬送にあわせて、上述した多孔質グリーンシートGの切断及び移送を連続的に実施することが可能となる。
【0039】
また、シート供給工程においては、エアー供給手段39により長尺状の多孔質グリーンシートGが載置用紙35上に張り付くことを防止しているため、多孔質グリーンシートGを容易かつ確実に載置用紙35上に配することができる。
さらに、吸着パッド61により載置用紙35を真空吸着しているため、給紙部31に複数の載置用紙35が積層されていても最上の載置用紙35のみを容易に把持することができる。
【0040】
また、複数の多孔質グリーンシートGを積層台65上に積層しても、各多孔質グリーンシートGの間には載置用紙35が介在するため、積層される多孔質グリーンシートG同士がくっついてしまうことを容易に防止できる。さらに、複数の多孔質グリーンシートGを積層台65上に積層しておくことで、複数の多孔質グリーンシートGを切断移送装置21から簡便に搬出することができる。
【0041】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
すなわち、上記実施形態の切断移送方法においては、吸着工程が切断工程と並行して行われるとしたが、例えば切断工程の終了後に行われるとしてもよい。
【0042】
また、吸着パッド61は、載置用紙35の前端を真空吸着するように配置されるとしたが、これに限ることはなく、例えば載置用紙35の側部を真空吸着するように配置されるとしても構わない。さらに、移送ユニット29は、載置用紙35の表面を真空吸着する吸着パッド61を備えるとしたが、少なくとも最上の載置用紙35のみを把持することができる把持手段を備えていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る切断移送装置に多孔質グリーンシートを供給するグリーンシート製造装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る切断移送装置を示す概略平面図である。
【図3】図2の切断移送装置を側方から見た概略断面図である。
【図4】図2の切断移送装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
5 キャリアシート
21 切断移送装置
23 剥離部
27 蓄積ユニット(蓄積部)
29 移送ユニット(移送手段)
31 給紙部
33 切断機構(切断手段)
35 載置用紙
39 エアー供給手段
61 吸着パッド(吸着部)
G 多孔質グリーンシート
【出願人】 【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
【出願日】 平成18年10月23日(2006.10.23)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【識別番号】100106057
【弁理士】
【氏名又は名称】柳井 則子


【公開番号】 特開2008−105197(P2008−105197A)
【公開日】 平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願番号】 特願2006−287954(P2006−287954)