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【発明の名称】 セラミックスハニカム構造体
【発明者】 【氏名】常吉 孝治

【氏名】高木 修

【要約】 【課題】容易に製造できるセラミックスハニカム構造体を提供すること。

【解決手段】本発明のセラミックスハニカム構造体1は、多孔質のセラミックスよりなり軸方向に貫通した多数のセルを区画する隔壁部2と、一端封止部と、他端封止部と、を有する封止部3と、を有するセラミックスハニカム構造体1において、封止材3が、隔壁部2を構成するセラミックスを70wt%以上含み、封止部の一端封止部および他端封止部の細孔径が、隔壁部の細孔径よりも小さく、封止部の一端封止部および多端封止部の気孔率(P1)と隔壁部の気孔率(P0)の比(P1/P0)が0.80以上、1.00未満であり、封止部の一端封止部および他端封止部がセルの軸方向の長さで0.5mm以上であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質のセラミックスよりなり軸方向に貫通した多数のセルを区画する隔壁部と、
多数の該セルのうち所定のセルの一方の端部に充填された封止材よりなる一端封止部と、多数の該セルのうち残余のセルの他方の端部に充填された該封止材よりなる他端封止部と、を有する封止部と、
を有するセラミックスハニカム構造体において、
該封止材が、該隔壁部を構成する該セラミックスを70wt%以上含み、
該封止部の該一端封止部および該他端封止部の細孔径が、該隔壁部の細孔径よりも小さく、
該封止部の該一端封止部および該多端封止部の気孔率(P1)と該隔壁部の気孔率(P0)の比(P1/P0)が0.80以上、1.00未満であり、
該封止部の該一端封止部および該他端封止部が該セルの軸方向の長さで0.5mm以上であることを特徴とするセラミックスハニカム構造体。
【請求項2】
前記セラミックスは、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、コーディエライト、ムライトより選ばれる一種を主成分とする請求項1記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項3】
前記隔壁部は、複数のセラミックス分体が接着剤層を介して接合されてなる請求項1記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項4】
周方向の外周面を形成するセルは、前記一端封止部と前記他端封止部とをもつ請求項1記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項5】
周方向の外周面上に、0.5mm以上の厚さの外周材層を有する請求項1記載のセラミックスハニカム構造体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、容易に製造できるセラミックスハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関、ボイラー、化学反応機器、燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体、排ガス中の微粒子(特にディーゼルエンジンからの排気ガス中の微粒子物質(PM))の捕集フィルタ(以下、DPFという)等には、セラミックス製のハニカム構造体が用いられている。
【0003】
セラミックス製のハニカム構造体は、一般に、多孔質のセラミックスよりなり、流体の流路となる複数のセルを隔壁で区画する隔壁部と、端面が市松模様状を呈するように隣接するセルが互いに反対側となる端部を封止するセラミックスよりなる封止部と、を有している。
【0004】
そして、セラミックス製のハニカム構造体は、角柱状など所望の外周形状よりも大きな外周形状で製造した後に、周方向などの外周面を切削などの手段により成形して所定の形状としている。
【0005】
しかしながら、切削による成形は、封止部自身の緻密さにより作業性が低いという問題があった。具体的には、ハニカム構造体がDPFなどに用いられることから、封止部には通気性がないことが求められている。そして、封止部に通気性をもたせないために、封止部を緻密なセラミックスで形成している。
【0006】
セラミックスハニカム構造体の成形は、セル内に封止部が形成された状態でなされている。そして、封止部自身の緻密さにより、セルの端部にもうけられた封止部が成形中に剥落して、成形体の周方向の外周面が凹凸をもつようになるという問題があった。
【0007】
加えて、封止部が緻密なセラミックスで形成されることは、封止部自身の製造も容易ではないという問題があった。一般的に封止部は、隔壁部の所定のセルの端部にスラリーを注入し、このスラリーを焼成して形成している。そして、緻密な封止部を得るためには、粘度の高い(流動性の低い)スラリーが用いられる。このため、セル内にスラリーを注入することが困難となっていた。
【0008】
すなわち、従来のセラミックス製のハニカム構造体は、その製造にさまざまな困難を有していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、容易に製造できるセラミックスハニカム構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明者らは、セルを封止する封止部に着目し、本発明をなすに至った。
【0011】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、多孔質のセラミックスよりなり軸方向に貫通した多数のセルを区画する隔壁部と、多数のセルのうち所定のセルの一方の端部に充填された封止材よりなる一端封止部と、多数のセルのうち残余のセルの他方の端部に充填された封止材よりなる他端封止部と、を有する封止部と、を有するセラミックスハニカム構造体において、封止材が、隔壁部を構成するセラミックスを70wt%以上含み、封止部の一端封止部および他端封止部の細孔径が、隔壁部の細孔径よりも小さく、封止部の一端封止部および多端封止部の気孔率(P1)と隔壁部の気孔率(P0)の比(P1/P0)が0.80以上、1.00未満であり、封止部の一端封止部および他端封止部がセルの軸方向の長さで0.5mm以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、封止部をなす封止材が、隔壁部を構成するセラミックスとほぼ同質のセラミックスにより形成されている。この封止材は、封止部として十分な非通気性をもつ。そして、この封止部を構成する封止材は隔壁部と同等の作業性で切削等の加工を行うことができるため、本発明のセラミックスハニカム構造体は、製造性にすぐれたセラミックスハニカム構造体となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、多孔質のセラミックスよりなり軸方向に貫通した多数のセルを区画する隔壁部と、多数のセルのうち所定のセルの一方の端部に充填された封止材よりなる一端封止部と、多数のセルのうち残余のセルの他方の端部に充填された封止材よりなる他端封止部と、を有する封止部と、を備えている。つまり、本発明のセラミックスハニカム構造体は、多数のセルをもち、そのセルの一方の端部あるいは他方の端部のいずれか一方が封止材により封止された構成を有している。
【0014】
そして、本発明のセラミックスハニカム構造体は、封止材が隔壁部を構成するセラミックスとほぼ同じ特性を持つセラミックスよりなることが好ましい。
【0015】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、封止材が、隔壁部を構成するセラミックスを70wt%以上含む。封止材が隔壁部を構成するセラミックスを70wt%以上含み、気孔率、細孔径の特性を近づけることで、封止部が隔壁部と同程度の緻密さとなる。つまり、封止部自身が過剰に緻密にならないため、特に切削時において成形性(切削性)が向上する。また、封止材が隔壁部とほぼ同質となることで、隔壁部と封止部との接合性が向上する。さらに、隔壁部と封止部の熱膨張率の差が小さくなるので、セラミックスハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する。隔壁部を構成するセラミックスの割合が70wt%未満となると、隔壁部との熱膨張差でスス再成時にクラックを生じたり、隔壁部との接合性が低くなり目封じ抜けを生じたりする原因となる。
【0016】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、封止部の一端封止部および他端封止部の細孔径が、隔壁部の細孔径よりも小さい。封止部(一端封止部および他端封止部)がセラミックスを主成分として形成されることで、封止部が隔壁部と同様に、細孔をもつこととなる。そして、この封止部の細孔の細孔径(平均細孔径)が隔壁部のそれよりも小さくなることで、封止部の通気性が隔壁部の通気性よりも低くなる。つまり、封止部を気体が通過しにくくなる。この結果、本発明のセラミックスハニカム構造体が、DPFなどに用いられたときに、封止部を気体が通過しなくなる。
【0017】
本発明のハニカム構造体は、封止部の一端封止部および多端封止部の気孔率(P1)と隔壁部の気孔率(P0)の比(P1/P0)が0.80以上、1.00未満である。セラミックスは、気孔率と硬度に高い相関性を有している。つまり、気孔率が上昇するほど、硬度が低下する(加工性、切削性が向上する)。本発明は、封止部の細孔による気孔率が隔壁部の気孔率よりわずかに小さな値となることで、封止部の通気性が隔壁部よりも小さくなる。また、封止部が隔壁部程度の高い気孔率を持つことで、封止部の加工性、切削性が大きく向上している。より好ましい気孔率の比(P1/P0)は、0.90以上、1.00未満である。
【0018】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、封止部の一端封止部および他端封止部がセルの軸方向の長さで0.5mm以上である。隔壁部においてセルを区画するセル壁の厚さは0.2〜0.4mmであり、封止部の軸方向の長さがセル壁よりも厚い。このため、少なくとも隔壁部と封止部とが同じ通気性をもつ材質より形成されたとしても、封止部の長さがセル壁よりも厚くなることで、封止部の軸方向での通気性が隔壁部のセルを区画するセル壁の厚さ方向での通気性よりも低下し、封止部を気体が通過しなくなる。そして、本発明においては、封止部が隔壁部よりも通気性が低い材質よりなるため、封止部の軸方向の長さが0.5mm以上となることで、封止部の軸方向での通気性が隔壁部のセルを区画するセル壁の厚さ方向での通気性よりも大きく低下し、封止部を気体が通過しなくなる。封止部の軸方向の長さは、長ければ長いほど通気性が低下する。好ましい封止部の軸方向の長さは、0.5〜5.0mmである。
【0019】
隔壁部を形成するセラミックスは、特に限定されるものではなく、従来公知のセラミックスを用いることができる。セラミックスは、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、コーディエライトより選ばれる一種を主成分とすることが好ましい。これらのセラミックスのうち、チタン酸アルミニウムを主成分とするセラミックスよりなることがより好ましい。チタン酸アルミニウムよりなるセラミックスは、その内部にマイクロクラックをもつ。そして、このマイクロクラックをもつことで、セラミックスハニカム構造体が熱膨張を生じても、このマイクロクラックの開口が開閉することで熱膨張により生じる応力を緩和し、形状変化や損傷が生じなくなる。
【0020】
本発明のセラミックスハニカム構造体において、隔壁部は、従来公知のハニカム構造体のように、複数部の分体を接合材で接合した構成としてもよい。このような構成は、隔壁部ごとにその特性を変化させることができ、隔壁部全体に所望の性能を付与できる。隔壁部が複数部の分体よりなるときに、それぞれの分体の材質は同じであっても異なっていてもいずれでもよい。すなわち、隔壁部は、複数のセラミックス分体が接着剤層を介して接合されてなることが好ましい。
【0021】
セラミックス分体を接合する接合材についても、従来公知の接合材を用いることができる。この接合材としては、例えば、SiC系接合材を用いることができる。セラミックス分体を接合材で接合したときにセラミックス分体の間に形成される接合材層は、0.5〜5mmの厚さで形成することが好ましい。
【0022】
さらに、隔壁部が複数のセラミックス分体が接着剤層を介して接合されてなるときに、それぞれのセラミックス分体に形成されたセルの大きさ(セル形状)は、同じであっても、異なっていても、いずれでもよい。それぞれのセラミックス分体のセルの大きさ(セル形状)は、同じであることが好ましい。
【0023】
周方向の外周面を形成するセルは、一端封止部と他端封止部とをもつことが好ましい。周方向の外周面を形成するセルが一端封止部と他端封止部とをもつことで、このセルを区画するセル壁の端部の強度が上昇する。強度の上昇により、セル壁の破損が抑えられ、成形作業時の作業性が向上する。
【0024】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、周方向の外周面上に、0.5mm以上の厚さの外周材層を有することが好ましい。外周材層をもつことで、セラミックスハニカム構造体をDPFなどに使用したときに生じる形状変化が抑えられる。具体的には、セラミックスハニカム構造体をDPFなどの用途に使用したときに、セラミックスハニカム構造体は高熱にさらされる。そして、セラミックスハニカム構造体は、熱膨張を生じる。外周材層をもつことでこの熱膨張を抑えることができる。外周材層を構成する材質は、従来公知の材質を用いることができる。たとえば、SiC、シリカ系化合物、チタン酸アルミニウムなどのアルミナ系化合物などを用いることができる。
【0025】
また、外周材層は、セラミックスハニカム構造体の形状により異なるため、その厚さが一概に決定できるものではないが、たとえば、0.5mm以上の厚さで形成することが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜5.0mmである。
【0026】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、DPFに用いることが好ましい。本発明のセラミックスハニカム構造体は、隔壁部と封止部とを備えたことで、隔壁部のセルを区画するセル壁を排気ガス(気体)が通過するウォールフロー型のフィルタ触媒として用いることができ、このようなフィルタ触媒のうち特に、DPFとして用いることが好ましい。
【0027】
本発明のセラミックスハニカム構造体をDPFとして用いるときに、少なくとも隔壁部の細孔表面に、アルミナ等よりなる多孔質酸化物、Pt,Pd,Rh等の触媒金属の少なくともひとつを担持したことが好ましい。これらの物質を担持したことで、DPFとしてパティキュレートなどの浄化性能が向上する。
【0028】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、その外周形状が特に限定されるものではなく、従来公知の形状とすることができる。たとえば、断面が真円や楕円の略円柱状、断面が方形や多角形の角柱状とすることができ、より好ましくは円柱形状である。
【0029】
本発明のセラミックスハニカム構造体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の製造方法で製造することができる。
【0030】
まず、軸方向にセルが区画された角柱状のセラミックス分体を従来公知の製造方法で製造する。そして、焼成したときにセラミックス分体を構成するセラミックスを主成分とするセラミックスを形成できるスラリーを調製し、このスラリーをセラミックス分体の接合体のセルの端部に注入する。このスラリーの注入は、それぞれの端面が市松模様をなすようになされた。このとき、さらに、セラミックスハニカム構造体の外周面を区画するセルには、その両端にスラリーを注入した。その後、スラリーを加熱焼成して、0.5mm以上の封止部を形成した。その後、SiCなどの接合材を用いて複数の目封じされたセラミックス分体を接合し、加熱焼成する。
【0031】
つづいて、焼成体の周方向の外周面を切削等の手段で成形した。この成形は、両端に封止部が形成されたセルが外周面を形成するようになされた。
【0032】
そして、周方向の外周面に、SiCを主成分とするスラリーを塗布し、乾燥、焼成して外周材層を製造する。これにより、本発明のセラミックスハニカム構造体を製造できる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0034】
本発明の実施例として、DPF用ハニカム構造体を製造した。
【0035】
(実施例)
まず、SiCを主成分とするセラミックス分体の原料を秤量し、この原料を十分に混合(混練)した後に、軸方向に多数のセルが形成された70×70×150mmの柱状のSiCよりなるセラミックス分体2の成形体を従来公知の製造方法である押出成形で製造した。セラミックス分体2の成形体は、断面が正方形状に区画されたセルをもつ。また、セルの一部を区画しかつ隣接するセルを隔離するセル壁の厚さは0.3mmであった。このセラミックス分体2の成形体を図1に示した。ここで、セラミックス分体2の成形体の外周形状(見かけの形状)は、図1に示したように角柱状だけでなく、ハニカム構造体を形成したときの外周形状と略一致する外周形状に形成することができる。
【0036】
つづいて、固形分がほぼSiC粒子よりなるスラリーを調製した。なお、このスラリーは、粘度調整材等の添加剤を含む。そして、このスラリーを、乾燥させたセラミックス分体2の成形体の両端の端部から所定のセルに注入し、80℃で乾燥させた。ここで、所定のセルとは、スラリーが注入されたセルが市松模様状をなすようにもうけられている。また、セルの一方の端部または他方の端部のみにスラリーが注入された。
【0037】
そして、その後の工程で成形したときに、ハニカム構造体1の外周面を区画するセルには、その両端にスラリーを注入した。
【0038】
その後、2300℃でセルにスラリーが注入されたセラミックス分体2の成形体を焼成してセラミックス分体2を焼成するとともにスラリーを固化させて封止材3とし、封止材3で封止されたセル(封止部)をもつセラミックス分体2を形成した。セルの軸方向における封止材3の長さはそれぞれ3mmであった。封止部が形成された状態を図3に模式的に示した。
【0039】
そして、封止部が形成されたセラミックス分体2同士をSiC系接合材で接合した。接合材による接合は、厚さが1.5〜2.0mmとなるように接合材をセラミックス分体2の外周面に塗布した後、別のハニカム分体2をこの面にすりあわせて接合した。この接合を繰り返して、断面が正方形をなすように16個のセラミックス分体2を接合し、80℃で乾燥した。セラミックス分体2の接合体を図2〜3に示した。なお、図2はセラミックス分体2の接合体の構成がわかる端面を示し、図3はセラミックス分体2の接合体において封止部の配置がわかるように示した図である。
【0040】
そして、この接合体を電動ノコギリを用いて切削して外周形状を成形した。電動ノコギリによる切削は、図3において破線で示された線に沿って、両端部に封止材が形成されたセルが外周面を形成する略円柱状をなすようになされた。この切削時に、封止材のセルからの剥離がみられなかった。成形後の接合体(成形体)を図4に模式的に示した。
【0041】
そして、主成分がSiCよりなるスラリーを調製し、成形体の外周面に塗布し、80℃で乾燥した後に850℃で加熱して接合材およびスラリーを固化させた。これにより、外周面状に厚さが5mmの外周材層5が形成できた。
【0042】
以上により、本実施例のハニカム構造体1が製造できた。本実施例のハニカム構造体を図5〜6に示した。なお、図5はハニカム構造体1の端面を、図6はハニカム構造体1の軸方向での断面を、それぞれ示した。
【0043】
図に示したように、本実施例のハニカム構造体1は、複数の多孔質のSiCセラミックスよりなるセラミックス分体2が接合材層4を介して接合されてなる隔壁部と、多数のセルのうち所定のセルの一方の端部に充填された封止材3よりなる一端封止部と、多数のセルのうち残余のセルの他方の端部に充填された封止材3よりなる他端封止部と、を有する封止部と、隔壁部の周方向の外周面上に形成された外周材層5と、を備えた構成を有している。
【0044】
本実施例において、セラミックス分体2と封止材3のそれぞれの平均細孔径および気孔率を測定した。測定結果を表1に示した。
【0045】
【表1】


【0046】
表1に示したように、平均細孔径および気孔率は、封止材3の方が、セラミックス分体2よりいずれも小さかった。また、封止材3のセルの軸方向の長さは、隔壁部の厚さよりもはるかに長く、封止材3の通気性は、隔壁部よりも小さかった。つまり、封止材3は、セラミックス分体2(隔壁部)よりも通気性が低い。つまり、本実施例のハニカム構造体をDPFなどに用いたときには、排ガスは封止材3を通過せずに、セル壁を通過する。
【0047】
本実施例のハニカム構造体1の製造時には、封止材3がセラミックス分体2とほぼ同質の材質により形成されたことで、電動ノコギリによる成形時に、封止材3の剥離(脱落)がみられなかった。つまり、成形後の外周面に、封止材3が脱落してセル壁が露出することによる凹凸の発生がなかった。そして、本実施例においては、セル内に封止材3が充填しており、セル壁の強度が十分に確保されたことで、セル壁が突出することによるセル壁の破損が抑えられ、作業時の安全性が向上した。
【0048】
すなわち、本実施例のハニカム構造体1は、製造時の作業性にすぐれたハニカム構造体であった。
【0049】
本実施例のハニカム構造体1は、DPFとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例のハニカム構造体に用いられるセラミックス分体を示した図である。
【図2】セラミックス分体の接合体の端面を示した図である。
【図3】セラミックス分体の接合体に封止材を形成した状態を示した図である。
【図4】成形後の焼成体を示した図である。
【図5】実施例のハニカム構造体の端面を示した図である。
【図6】実施例のハニカム構造体の断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1:ハニカム構造体
2:セラミックス分体
3:封止材
4:接合材層
5:外周材層
【出願人】 【識別番号】000220767
【氏名又は名称】東京窯業株式会社
【出願日】 平成18年10月18日(2006.10.18)
【代理人】 【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏


【公開番号】 特開2008−100408(P2008−100408A)
【公開日】 平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願番号】 特願2006−283807(P2006−283807)