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【発明の名称】 陶芸用ろくろ装置
【発明者】 【氏名】高橋 道雄

【要約】 【課題】電動ろくろと手動ろくろの機能を併せ持つことはもちろんのこと、電動ろくろとして使用する際に回転ムラが発生せず、また、収納性にも優れており、且つ、ろくろ以外の機能も併せ持つ陶芸用ろくろを提供すること。

【解決手段】回転シャフト9と回転軸12の双方には、軸方向に複数のスプライン溝15が形成されており、回転シャフト9と回転軸12の間に設けられたジョイント13には、前記スプライン溝10と噛合する溝15が形成されており、操作レバー7の操作により前記ジョイント13を軸方向に上下動させることで、前記回転シャフト9と前記回転軸12の連結を係脱自在とすることができ、それにより、電動ろくろと手動ろくろの使い分けをすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルの回転シャフトとモータの回転軸が同一軸上となるよう同一筐体内に配置された陶芸用ろくろ装置であって、
前記回転シャフトと前記回転軸の双方には、軸方向に複数のスプライン溝が形成されており、
前記回転シャフトと前記回転軸の間には、前記スプライン溝と噛合する溝が形成されたジョイントが設けられており、
前記回転シャフトと前記回転軸の連結は、前記ジョイントの軸方向への上下動により係脱自在となっていることを特徴とする陶芸用ろくろ装置。
【請求項2】
前記ジョイントを軸方向に上下動させるための手段として、ジョイントと当接してこれを上方に押し上げる付勢バネと、ジョイントと当接してこれを下方に押し下げるカム機構とを備えた請求項1に記載の陶芸用ろくろ装置。
【請求項3】
前記テーブルに載置した陶芸用部材の重量を計測できる重量センサーが設けてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の陶芸用ろくろ装置。
【請求項4】
前記テーブルの周縁部には、該テーブルから落下した陶芸用部材等を受けるための受け溝が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の陶芸用ろくろ装置。
【請求項5】
前記テーブルに隣接して、陶芸用部材や道具を載置するための袖部が設けてあることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の陶芸用ろくろ装置。
【請求項6】
前記テーブルを装着した状態で筐体を立てて収納できるよう、少なくともその側部の一辺が平面状を呈していることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の陶芸用ろくろ装置。
【請求項7】
前記テーブルの回転速度を示す速度計又は前記テーブルの回転トルクを示すトルク計のいずれか一方、若しくは、その双方が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の陶芸用ろくろ装置。
【請求項8】
前記テーブルに代えて下臼を取り付け、その上部に上臼ユニットを装着することで、石臼としても機能し得ることを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載の陶芸用ろくろ装置。
【請求項9】
前記上臼ユニットは、前記筐体の上部に被せられる蓋体と、該蓋体の裏面に取り付けられた上臼とからなることを特徴とする請求項8に記載の陶芸用ろくろ装置。
【請求項10】
前記上臼ユニットは、上臼の高さを調整できる調整具が設けられていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の陶芸用ろくろ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、一般人が身近に陶芸を楽しめるようにした陶芸用ろくろ装置であり、特に操作性や収納性に優れた簡易型の陶芸用ろくろ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、陶芸は所謂陶芸家といわれる一部のプロが行うだけの創作であったため、利用されるろくろ装置も大型で重量のある本格的なものばかりであったが、昨今、所謂団塊世代のリタイヤにより、新たな生き甲斐の創出が望まれるようになり、陶芸もより身近な趣味として脚光を浴びるようになってきた。
【0003】
そのため、最近では、特開2002−361615の公報に記載される「携帯簡易電動ろくろ変換機」や登録実用新案第3072207号の公報に記載される「陶芸用電動ろくろ装置」など、小型・軽量でありながら、使い勝手に優れたろくろ装置が開発されるようになったが、いずれも回転軸に設けられたローラをテーブルの側部に当接若しくは押圧することで回転させる簡易な駆動方式であるため、電動と手動の双方による回転は可能となったものの、当接や押圧が不十分なために回転ムラが生じるという問題があった。
【0004】
また、ローラ部分にゴムを採用するケースでは、ゴムの磨耗により回転ムラが発生したり、当接部又は押圧部に陶芸用の粘土が入り込むことで回転に支障を来たすこともあるため、小まめにメンテナンスをしなければならないといった煩わしさがあった。
【0005】
また、最近ではポータブルなろくろ装置が開発されているとはいえ、収納性まで考慮したものは殆ど存在しないため、陶芸を身近な趣味・娯楽として家庭内に広く浸透させるためには、まだまだ不十分であった。
【0006】
加えて、従来のろくろ装置は、陶芸用具としての機能しか持ち合わせておらず、他の用途に使用することはできなかったため、面白味に欠けていた。
【特許文献1】特開2002−361615
【特許文献2】実用新案登録第3072207号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、電動ろくろと手動ろくろの機能を併せ持つことはもちろんのこと、電動ろくろとして使用する際に回転ムラが発生せず、また、収納性にも優れており、且つ、ろくろ以外の機能も併せ持つ陶芸用ろくろを提供することを課題として開発された。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、如上の課題を解決するための具体的手段として、以下の陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0009】
先ず、請求項1の発明では、テーブルの回転シャフトとモータの回転軸が同一軸上となるよう同一筐体内に配置された陶芸用ろくろ装置であって、前記回転シャフトと前記回転軸の双方には、軸方向に複数のスプライン溝が形成されており、前記回転シャフトと前記回転軸の間には、前記スプライン溝と噛合する溝が形成されたジョイントが設けられており、前記回転シャフトと前記回転軸の連結は、前記ジョイントの軸方向への上下動により係脱自在となっている陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0010】
次に、請求項2の発明では、請求項1に記載の陶芸用ろくろ装置であって、前記ジョイントを軸方向に上下動させるための手段として、ジョイントと当接してこれを上方に押し上げる付勢バネと、ジョイントと当接してこれを下方に押し下げるカム機構とを備えた陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0011】
次に、請求項3の発明では、請求項1又は請求項2に記載の陶芸用ろくろ装置であって、前記テーブルに載置した陶芸用部材の重量を計測できる重量センサーが設けてある陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0012】
次に、請求項4の発明では、請求項1乃至請求項3に記載の陶芸用ろくろ装置であって、前記テーブルの周縁部には、該テーブルから落下した陶芸用部材等を受けるための受け溝が設けられている陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0013】
次に、請求項5の発明では、請求項1乃至請求項4に記載の陶芸用ろくろ装置であって、前記テーブルに隣接して、陶芸用部材や道具を載置するための袖部が設けてある陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0014】
次に、請求項6の発明では、請求項1乃至請求項5に記載の陶芸用ろくろ装置であって、前記テーブルを装着した状態で筐体を立てて収納できるよう、少なくともその側部の一辺が平面状を呈している陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0015】
また、請求項7の発明では、請求項1乃至請求項6に記載の陶芸用ろくろ装置であって、前記テーブルの回転速度を示す速度計又は前記テーブルの回転トルクを示すトルク計のいずれか一方、若しくは、その双方が設けられている陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0016】
また、請求項8の発明では、請求項1乃至請求項7に記載の陶芸用ろくろ装置であって、前記テーブルに代えて下臼を取り付け、その上部に上臼ユニットを装着することで、石臼としても機能し得る陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0017】
更に、請求項9の発明では、請求項8に記載の陶芸用ろくろ装置であって、前記上臼ユニットは、前記筐体の上部に被せられる蓋体と、該蓋体の裏面に取り付けられた上臼とからなる陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0018】
加えて、請求項10の発明では、請求項8又は請求項9に記載の陶芸用ろくろ装置であって、前記上臼ユニットは、上臼の高さを調整できる調整具が設けられている陶芸用ろくろ装置を提案する。
【0019】
本発明は、如上のとおり、陶芸において用いられるろくろ装置であり、同一軸上に配置されたテーブルの回転シャフトとモータの回転軸の双方に、軸方向に複数のスプライン溝を形成し、前記回転シャフトと前記回転軸の間には、前記スプライン溝と噛合する溝が形成されたジョイントを設け、該ジョイントが軸方向に上下動し得るようにしたことで、前記回転シャフトと前記回転軸の連結が係脱自在となる構造とした(請求項1)。それにより、電動ろくろ装置のほか、手動ろくろ装置としても利用できるようになった。
【0020】
本発明では、前記ジョイントを軸方向に上下動させる手段として、ジョイントと当接してこれを上方に押し上げる付勢バネと、ジョイントと当接してこれを下方に押し下げるカム機構とを用いるが(請求項2)、これに代えて油圧バネやエアバネを採用しても良い。
【0021】
本発明では、前記テーブルに載置した陶芸用部材の重量を計測できる重量センサーが設けてある(請求項3)。それにより、教則に従って陶芸品を創作する際に、創作に必要となる粘土等の重量を、正確且つ居ながらにして計測することができる。また、郵便物を載置して送料を計算したり、料理に必要な食材の重量を計測することもできる。
【0022】
本発明では、前記テーブルの周縁部に受け溝が設けてあるので(請求項4)、創作中にテーブルから落下した陶芸用部材等を受け止めることができる。また、該受け溝は、本発明を後述する石臼として利用した際の、挽き粉の受け皿にもなる。
【0023】
本発明では、前記テーブルに隣接して、陶芸用部材や道具を載置するための袖部が設けてあるため(請求項5)、必要な部材や道具を手元に用意しておくことが可能であり、いちいち席を立つ必要がない。
【0024】
本発明では、少なくとも筐体の側部の一辺が平面状を呈しているため(請求項6)、前記テーブルを装着した状態で筐体を立てておくことができる。そのため、僅かな隙間があれば、恰も、本棚に本を立て掛けるように収納することができる。
【0025】
本発明では、前記テーブルの回転速度を示す速度計や前記テーブルの回転トルクを示すトルク計が設けられているため(請求項7)、利用者は常に回転の速度やトルクをチェックしながら陶芸の創作を行うことができる。
【0026】
本発明では、前記テーブルを取り外して下臼を取り付け、その上部に上臼ユニットを装着することで、石臼としても機能させることができる(請求項8)。そのため、そばの実やコーヒー豆を挽くこともでき、陶芸以外の趣味や用途にも用いることができる。
【0027】
本発明では、前記上臼ユニットとして、前記筐体の上部に被せられる蓋体と、該蓋体の裏面に取り付けられた上臼とからなる構造を採用した(請求項9)。前記蓋体については、挽き粉の飛散や幼児の怪我を防止するため、上臼と下臼を重ね合わせた状態で石臼全体が覆われるよう、筐体の上部に被せられるようになっている。
【0028】
本発明では、前記上臼ユニットに上臼の高さを調整できる調整具を設けてあるため(請求項10)、これを用いて下臼との間隔を調節して挽き圧を変えることで、所望の粉状体又は粒状体の挽き粉を得ることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る陶芸用ろくろ装置により、以下の効果が期待できる。
(1)テーブルの回転シャフトとモータの回転軸が、ジョイントにより同一軸上で連結されるため、モータの駆動が確実に回転テーブルに伝達され、回転ムラが発生しないため、安定的に陶芸の創作を行うことができる。
(2)テーブルの回転シャフトとモータの回転軸の連結が、ジョイントの上下動により係脱可能であるため、電動ろくろとして利用できるほか、手動ろくろとして利用することも可能である。
(3)テーブルに載置した陶芸用部材の重量を測定できる重量センサーが設けてあるため、教本に基づいて正確に陶芸品を創作することができる。また、陶芸用部材以外の重量も測定できるため、レシピに従って料理を作る際に、食材をテーブルに載せて重量を測定しても良い。
(4)テーブルの周縁部に受け溝が設けられているため、創作中にテーブルからの陶芸用部材の余剰物や道具の落下を防止できる。
(5)テーブルに隣接した袖部が設けられているため、陶芸に使用する部材や道具を手元に置いておけるため、いちいち席を立つことなく創作を続行することができる。
(6)筐体の側部の少なくとも一辺が平面状に形成されており、僅かなスペースに立てて収納できるため、趣味のために生活スペースを犠牲にすることがない。
(7)テーブルの回転速度を示す速度計や回転トルクを示すトルク計が設けられているため、利用者は所望の回転速度や回転トルクをチェックしながら陶芸の創作を行うことができる。
(8)テーブルを下臼に交換し、上部に上臼ユニットを装着することで、石臼としても利用できるため、そば粉を挽いてそばを打ったり、コーヒーやお茶を挽くなど、陶芸以外の趣味にも利用することができる。
(9)上臼ユニットに高さを調整する調整具が設けられているため、それを用いて下臼との間隔を調整することで、挽きの荒さを調節し、所望の粒状体や粉状体を製造することができる。
(10)上臼と下臼を重ね合わせた状態で石臼全体が覆われるため、挽き粉の飛散や幼児の怪我を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
装置の外観構成
先ず、本発明に係る陶芸用ろくろ装置の外観的な要素について説明する。図1は本発明の一実施例の外観を示す斜視図である。
筐体1は、その材質は問わないが、テーブルに或る程度の重量が求められるため、装置全体の重量を低減するうえで、軽量な樹脂素材であることが望ましい。また、筐体1の形状についても限定しないが、装置全体を立てて収納できるよう、少なくとも側部の一辺が平面状を呈している。また、筐体1のいずれかの部分には、テーブルに載置した陶芸用部材の重量を表示するための表示部2が設けられている。なお、表示部2は前記重量だけでなく、テーブルの回転速度やテーブルに掛かるトルクも表示される。
【0031】
テーブル3は、筐体1の上部に水平にセットされており、その材質は問わないが、手動で回転させる際にある程度の重量が求められるため、アルミニウムなどの軽量且つ防錆素材の採用が望ましい。なお、本発明では石臼としての機能も併せ有するため、その場合はテーブル3を下臼と交換できるよう、脱着が可能となっている。
【0032】
筐体1上のテーブル3の周縁部には、テーブル3よりも径の広い円形状の側壁4が設けられており、それによりテーブル3と側壁4との間に受け溝5が形成されている。受け溝5は、陶芸品の創作中にテーブル3から落下した部材や道具を受け止めるほか、後述する石臼としての利用の際に、挽き終えた粒状物や粉状物の受け皿にもなる。
【0033】
筐体1の上部には、テーブル3と隣接して袖部6が設けられており、創作に使用する部材や道具を載置しておけるようになっている。図示した実施例では、袖部6は前記側壁4の一部を延長した一体構成となっているが、必ずしもこれに限定されない。なお、側壁4と袖部6は、後述する石臼としての機能を有するタイプでは、筐体1から取り外せるようになっている。
【0034】
筐体1の一部からは、ジョイント13を上げ下げするための操作レバー7が突出している。後述するように、ジョイント13の上下動により電動ろくろと手動ろくろの切り替えが行えるため、利用者は希望に応じて操作レバー7の切り替えを行う。
装置の内部構造
次に、本発明に係る陶芸用ろくろ装置の内部的要素について説明する。図2は本発明の電動ろくろとしての使用状態を示す内部構造図であり、図3は本発明の手動ろくろとしての使用状態を示す内部構造図である。
【0035】
先ず、本装置を電動ろくろとして使用する状態について説明する。
テーブル3は、軸受8を介して回転シャフト9と連結されており、図3に示すように、その先端部には複数のスプライン溝10が形成されている。なお、図示した実施例では、軸受8を介してテーブル3と回転シャフト9が連結されているが、軸受8を用いずに、長めのシャフトを備えたテーブルを用い、そのシャフト先端にスプライン溝を形成しても良い。
【0036】
モータ11の回転軸12上には、その上部に位置するジョイント13と当接して、これを上方に押し上げるための付勢バネ14が嵌装されており、その先端部には複数のスプライン溝が形成されている。なお、回転軸12上のスプライン溝はジョイント13に形成された溝と噛合しているため、図面には現れていない。
【0037】
ジョイント13は、前記テーブル3の回転シャフト9と前記モータ11の回転軸12とを同一軸上で連結するためのものであり、回転シャフト9及び回転軸12の双方に形成されたスプライン溝10と噛合する複数の溝15が、その内側に形成されている。
【0038】
また、ジョイント13の上部には、操作レバー7とその操作により作動するカム16とからなるカム機構が設けられており、操作レバー7の操作によりカム16のジョイント13への当接・非当接を行うことができるようになっている。そのため、操作レバー7を操作してカム16をジョイント13と当接させ、これを下方に押し下げることで、回転シャフト9のスプライン溝10とジョイント13の溝15との噛合が解除され、モータ11の回転軸12と非連結の状態となる。
【0039】
本装置を電動ろくろとして使用する状態では、図2に示すとおり、カム16がジョイント13と当接しておらず、付勢バネ14によりジョイント13が上方に押し上げられているため、回転シャフト9のスプライン溝10とジョイント13の溝15、及び、モータ11の回転軸12のスプライン溝15とジョイント13の溝15とが、共に噛み合った状態となっており、回転シャフト9と回転軸12が同一軸上で連結されている。そのため、モータ11の駆動が回転シャフト9に伝達され、テーブル3が同期して回転することになる。回転シャフト9と回転軸12が同一軸上であるため、回転ムラを生ずることなく、安定的に回転する。
【0040】
本装置を手動ろくろとして使用する状態では、図3に示すとおり、操作レバー7の操作によりカム16がジョイント13と当接し、これを下方に押し下げるため、回転シャフト9のスプライン溝10とジョイント13の溝15との噛合が解除された状態となり、回転シャフト9とモータ11の回転軸12とが非連結になる。そのため、モータ11の駆動は回転シャフト9には伝達されず、テーブル3は回転しないので、利用者は手動でテーブル3を回転させることができる。
【0041】
また、テーブル3に載置した陶芸用部際などの重量を計測するための重量センサー17が設けられており、図面ではジョイント13の近傍に示されているが、その取り付け位置を特定するものではない。本発明では、電動ろくろと手動ろくろのどちらの場合も重量センサーを機能させる必要があるが、回転シャフト9と回転軸12が同一軸上で連結・非連結するとの構造上の制約があるため、筐体1の底部に重量センサー17を設け、総重量から筐体全体の重量を減じる演算処理を行うことで、テーブル3に載置された陶芸用部材などの重量が計測されるようにすることを予定している。
【0042】
装置の電気的構造
次に、本発明に係る陶芸用ろくろ装置の電気的な構成要素を説明する。図4は本発明の電気的構造を示すブロック図である。
モータ11の駆動を制御するモータドライバ18と、各種のデータ処理を行う制御ブロック19は、共に電源ブロック20と接続されて電力の供給を受ける。なお、モータドライバ18は制御ブロック19と接続されて回転が制御される。
【0043】
動作モード切替21は、本装置をろくろとして使用する場合と、石臼として使用する場合、及び、テーブルに載置した部材等の重量を計測する場合の、少なくとも3つのモードがあり、筐体1のいずれかの部位に設けられたスイッチにより切り替えが可能となっている。
【0044】
速度設定器22は、テーブル3の回転速度を調整するためのデバイスであり、筐体1のいずれかの部位に設けられたスイッチにより変速できるようになっている。速度設定は、複数の速度で固定する段階変速タイプや、好みの速度が選択できる無段変速タイプがある。なお、テーブル3の回転速度は表示部2に表示される。
【0045】
フットスイッチ23は、足元でテーブル3の回転のON/OFFや速度変更が行えるデバイスであり、本体に設けられたON/OFFスイッチや変速スイッチに加え、ユーザーの好みに応じてオプションで選択できるようになっている。
【0046】
接続機センサー24は、図2及び図3で示したジョイント13の上下動を検知するものであり、ジョイント13と回転シャフト9又は回転軸12との接続、すなわち、回転シャフト9と回転軸12の連結・非連結を常時監視している。何らかの不具合が生じた場合は、そのエラー信号を制御ブロック19に送り、制御ブロック19はその旨を表示部2に表示すると同時に、モータ11の駆動を停止するなどの制御を行う。
【0047】
トルクセンサー25は、テーブル3に掛かるトルクを検知するものであり、テーブルの回転中はトルクの状態を常時測定している。測定されたトルクはテーブル3の回転速度と共に若しくは個別に、表示部2にて表示される。
【0048】
重量センサー17は前記したとおり、動作モード切替21のスイッチ操作により作動させることができ、テーブル3に載置した陶芸用部材などの重量を検知する。検知された信号は制御ブロック17にて演算処理された後、その重量が表示部2に表示される。
石臼としての利用形態
次に、本発明に係る陶芸用ろくろ装置は、ろくろとしてのほか、石臼としての機能も併せ有しているので、その実施の形態について説明する。図5は本発明の石臼としての実施状態を示す概略図である。
【0049】
本発明に係る装置が石臼として利用される形態では、図5に示すとおり、テーブル3と側壁4及び袖部6が筐体1から取り外され、テーブル3に代わる下臼26と、蓋体27及びその裏面に取り付けられた上臼28からなる上臼ユニットとが、取り付けられた状態となっている。なお、脱着の煩わしさを解消するため、側壁4と袖部6は一体成型としても良い。
【0050】
この形態をより詳細に説明すると、下臼26は電動ろくろとして利用する際のテーブル3と同様、図2に示すように、回転シャフト9とモータ11の回転軸12の双方に形成されたスプライン溝とジョイント13に形成された溝10とが噛合し、モータ11の駆動が下臼26に伝達される状態にある。
【0051】
上臼ユニットの上臼28は、蓋体27が筐体1の上部に被せられた状態で、下臼26と正しく重なり合うよう、蓋体1の裏面に取り付けられている。なお、蓋体27は、事故や不具合を防止するため、これを筐体1の上部に被せた状態で、石臼全体を覆うような形状となっており、且つ、下臼26の回転により移動してしまうことがないよう、筐体1との接触部位で固定できるようになっていることが望ましい。
【0052】
蓋体27の固定手段としては、蓋体27の下端に係止部を設け、筐体1には前記係止部と係合するストッパーを設けた溝部を形成し、筐体1上部に蓋体27を被せた状態で移動しない構成としたり、また、蓋体27を筐体1上部に捻じ込めるようにすることで、その移動を抑止しても良く、その固定手段については限定しない。
【0053】
蓋体27の上部には、その裏面に取り付けられた上臼28の高さを調整できる調整具29が設けられている。調整具29は図示した実施例では、左右に回転するダイアル式であり、右に回すことで下臼26との間隔が広がり、左に回すことで上臼26との間隔が狭まるようになっている。その結果、調整具29を用いて上臼28の高さ、すなわち、下臼26との間隔を調整し、挽き圧を変えることで、そばの実やコーヒー豆、お茶などを好みの荒さで挽くことができる。
【実施例】
【0054】
以下、本発明に係る陶芸用ろくろ装置を用いて陶芸を行う場合の実施例について説明する。図6は本発明を用いて陶芸を行う場合の手順を示したフローチャートである。
【0055】
図示したフローチャートは本発明をろくろとして利用する場合の手順に関するため、動作モード切替21はその切替スイッチにより、予め、「ろくろ」のモードが選択されている。先ず、利用者が本発明に係る陶芸用ろくろ装置を用いて陶芸を行う場合(図中「スタート」)、電源投入によりテーブル3が急に高速回転しないよう、予め、速度設定器22の速度設定スイッチを用いて、回転速度を最小に設定しておく(図中「回転速度“0”」)。なお、電源投入直後はテーブル3が回転しないよう、電気的に制御を加えても良い。
【0056】
続いて、利用者は、本装置を電動ろくろとして利用するか、手動ろくろとして利用するかの選択を行うことになるが、電動ろくろを選択する場合は、操作レバー7を「電動ろくろ」側に切り替える(図中「自動回転」)。すると、操作レバー7の先端に設けられたカム16とジョイント13との当接・押圧が解かれ、ジョイント13が付勢バネ14により上方に移動するため、回転シャフト9のスプライン溝10とジョイント13の溝15とが噛合し、モータ11の回転軸12と同一軸上で連結した状態となる。
【0057】
そこで、いよいよ電源を投入したら(図中「電源ON」)、粘土などの陶芸用部材をテーブル3に載置するなどして、創作に備える。その際、教則などに従って創作を行う場合に、使用する粘土の重量が定められている場合は、動作モード切替21の切替スイッチを「重量計測」に切り替え、表示部2を見ながら所望の重量となるよう、粘土の量を調整する。
【0058】
粘土の量を調整し終えたら、再び、動作モード切替21の切替スイッチを「ろくろ」に切り替え、続いて、速度設定器22の設定スイッチにより所望とするテーブル3の回転速度を設定する(図中「回転速度設定」)。テーブル3の回転速度が設定されると、接続機センサー24が回転シャフト9とジョイント13との接続状態を自動検知し(図中「シャフト接続」)、不具合が生じてないことが確認されると、テーブル3が回転を開始する(図中「回転開始、速度アップ」)。
【0059】
なお、接続機センサー24はその後も、回転シャフト9とジョイント13との接続や回転軸12とジョイント13との接続を常時監視し、何らかの不具合が発生した場合は、その信号を制御ブロック19に送り、制御ブロック19は表示部2にエラー表示を発すると同時に、テーブル3の回転を停止するなどの制御を行う。その際、テーブル3の回転が最小であるかどうかをチェックし(図中「回転速度“0”」)、そうでない場合は回転速度を最小にする制御を行う(図中「回転設定“0”」)。
【0060】
かくして、テーブル3が回転を開始し、設定速度に達したら(図中「設定速度で回転」)、利用者はテーブル3に載置された粘土等に創作を加える(図中「陶芸作業」)。途中、テーブル3の回転速度を変えたい場合は、速度設定器22の設定スイッチを操作して所望の速度に変更する。なお、設定スイッチは無段変速のタイプを採用したため、回転速度を微調整することができる。
【0061】
陶芸の創作中、テーブル3の回転速度やトルクが表示部2に表示できるので、利用者は表示部2の表示をチェックしながら、教則に従って速度調整を行うことができる。また、創作に際しては、両手の自由が奪われるため、フットスイッチ23を接続し、足元でテーブル3の回転・停止や速度設定を行うこともできる。
【0062】
陶芸の創作が完了したら、速度設定器22の設定スイッチを用いて回転速度を最小に設定し(図中「回転速度“0”」)、テーブル3の回転を停止させ(図中「回転停止」)、電源を切って(図中「電源OFF」)、一連の工程が終了する(図中「作業終了」)。
【0063】
他方、本装置を電動ろくろとして利用するか、手動ろくろとして利用するかの選択に際し、手動ろくろを選択する場合は、操作レバー7を「手動ろくろ」側に切り替える(図中「手動回転」)。すると、操作レバー7の先端に設けられたカム16がジョイント13と当接し、付勢バネ14に逆らってジョイント13を下方に押し下げるため、回転シャフト9のスプライン溝10とジョイント13の溝15との噛合が解除され(図中「シャフト切り離し」)、モータ11の回転軸12と非連結の状態となる。
【0064】
かくして、回転シャフト9とジョイント13の接続が解除されたら、利用者はテーブル3を自らの手で回転させることが可能となるので(図中「手動回転」)、テーブル3を手動で回転させながら創作を加える(図中「陶芸作業」)。途中、テーブル3を自動回転させる必要が生じた場合は、操作レバー7を操作して「電動ろくろ」側に切り替えても良い(図中「シャフト接続」)。陶芸の創作が完了したら、手動ろくろの場合は電源をOFFにする必要はないので、そのまま作業工程が終了する(図中「作業終了」)。
【0065】
なお、本発明を石臼として利用する場合について付言すると、本発明では上蓋27とその裏面に取り付けられた上臼28とからなる上臼ユニットを用い、下臼26を回転させて挽き粉を製造するため、上臼を回転させて粉を挽く一般的な石臼とは、この点で構造が著しく相違している。
【0066】
下臼26の回転については、テーブル3と同様、先端にスプライン溝が形成された回転シャフトが連結されており、操作レバー7の操作による「電動ろくろ」の選択、すなわち、回転シャフトのスプライン溝とジョイントに形成された溝とが噛み合い、モータ11の回転軸12と同一軸上で連結した状態で用いられる。但し、石臼としての利用においては、手動による下臼26の回転は有り得ないため、通常は回転シャフトとジョイントの接続を切り離す「手動ろくろ」を選択する場面はない。
【0067】
石臼としての利用に際しては、前記したろくろとしての利用工程に、主として、上臼ユニットを取り付ける工程、及び、調整具29による上臼28の高さ調整の工程が加わり、付随的に、そばの実やコーヒー豆、茶を投入口30に投入する工程、及び、挽き粉を排出口31から排出する工程が加わる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、陶芸用のろくろ、とりわけ、利便性や収納性、機能性に優れた陶芸用ろくろであるため、本格的な利用はもとより、家庭内での利用にも適している。そのため、仕事をリタイヤした人や陶芸を趣味とする人が、余暇を楽しむための道具として利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施例の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の電動ろくろとしての使用状態を示す内部構造図である。
【図3】本発明の手動ろくろとしての使用状態を示す内部構造図である。
【図4】本発明の電気的構造を示すブロック図である。
【図5】本発明の石臼としての実施状態を示す概略図である。
【図6】本発明を用いて陶芸を行う場合の手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1 筐体
2 表示部
3 テーブル
4 側壁
5 受け溝
6 袖部
7 操作レバー
8 軸受
9 回転シャフト
10 スプライン溝
11 モータ
12 回転軸
13 ジョイント
14 付勢バネ
15 溝
16 カム
17 重量センサー
18 モータドライバ
19 制御ブロック
20 電源ブロック
21 動作モード切替
22 速度設定器
23 フットスイッチ
24 接続器センサー
25 トルクセンサー
26 下臼
27 蓋体
28 上臼
29 調整具
30 投入口
31 排出口
【出願人】 【識別番号】506341548
【氏名又は名称】高橋 道雄
【出願日】 平成18年10月10日(2006.10.10)
【代理人】 【識別番号】100096596
【弁理士】
【氏名又は名称】村下 憲司


【公開番号】 特開2008−93908(P2008−93908A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−276790(P2006−276790)