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【発明の名称】 成形体を製造するための方法およびプレス機
【発明者】 【氏名】ミューラー, クラウス

【氏名】ルッツ, ラルフ

【氏名】カイザー, アルフレッド

【氏名】クレマー, ロバート

【要約】 【課題】所定の形状厚さを有するブランクまたは成形体を製造するための方法を提供すること。

【構成】充填装置の充填型20に成形材料5が充填され、成形材料5が重力方向で充填型20からプレス機の成形型14内に放出されるものにおいて、成形材料5は吸引によって充填型20内に保持され、成形型14内への成形材料5の放出は吸引力の低減、特に遮断によって引き起こされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状厚さを有するブランクまたは成形体を特に単軸プレス機で製造するための方法であって、充填装置の充填型に成形材料が充填され、成形材料が重力方向で充填型からプレス機の成形型内に放出される方法において、
成形材料が吸引によって充填型内に保持され、成形型内への成形材料の放出が、吸引力の低減、特に遮断によって引き起こされることを特徴とする方法。
【請求項2】
上記成形型の、重力方向に対して垂直に延びる方向に並べて配置される少なくとも2つの区画が、所定の形状厚さに相応して異なる量の成形材料を充填され、並べて配置される成形型の区画に相応して並べて配置される充填型の区画が、所定の形状厚さに相応して異なる量の成形材料を充填されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
個々に並べて配置される充填型の区画内での吸引力の低減が少なくとも部分的に時間遅れで行われることを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
上記時間遅れが、成形型の対応する各区画内への成形材料の落下について充填型の各区画に受容された成形材料の量の予想される落下時間に依存して制御されることを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
上記充填型の充填は、成形型内への成形材料の放出が行われるのと同じ開口部を通して行われることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一の項記載の方法。
【請求項6】
上記充填型は、充填後にはじめて、成形材料放出のために想定された放出方位に移動され、放出方位に対して実質的に180°回転した充填型充填方位において、つまり上から、充填が行われることを特徴とする、請求項1〜5のうちのいずれか一の項記載の方法。
【請求項7】
上記充填型内に受容される成形材料の充填方位に関して上側の境界面が、充填型の充填方位に関して上側の縁と一直線に並ぶように、成形材料は充填容器から充填型内に充填され、並べて配置される充填型の区画内で成形材料の量が充填型の各底の水平化に基づいて自動的に生じることを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
成形材料の放出に適した放出方位において充填型が準備された成形材料構造に食い込むように、特に多層構造化成形材料で成形型の充填が行われることを特徴とする、請求項1〜5のうちのいずれか一の項記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のうちのいずれか一の項記載の方法を実施するためのプレス機であって、成形材料を受容すべく設計された成形型と、この成形型に充填すべく設計され、かつ重力方向で成形型内に成形材料を放出すべく作動可能な充填型を有する充填装置とを有するプレス機において、
上記充填装置が、成形材料を充填型内に保持するために、成形材料を吸引するための吸引機構によって駆動されうることを特徴とするプレス機。
【請求項10】
重力方向に対して垂直に延びる方向で並べて配置される成形型の区画が、製造されるべきブランクまたは成形体の所定の形状厚さに対応して、異なる量の成形材料を充填装置によって充填可能であり、この充填装置は、充填装置の水平方向に成形型の横に離間して配置される充填ステーションにおいて、異なる量の成形材料を有する所定の形状厚さに対応して、並べて配置される成形型の区画に対応する充填型の区画に充填するように設計されていることを特徴とする、請求項9記載のプレス機。
【請求項11】
上記充填型がハウジングを有し、このハウジング内に区画が並べて配置され、かつ主に概ね鉛直に延びる隔壁によって相互に分離されていることを特徴とする、請求項9または10記載のプレス機。
【請求項12】
上記充填型が成形材料を受容するための受容領域を有し、この受容領域は成形材料の放出に関して適した放出方位において下側に配置されており、この受容領域は空気を通過させる底領域によって上側を限定されていることを特徴とする、請求項9〜11のうちのいずれか一の項記載のプレス機。
【請求項13】
上記充填型の放出方位に関して下側の開口部に至るまで受容範囲が充填されたなら、各区画に受容される成形材料の量が成形型の付属した各区画に充填されるべき成形材料の量に一致するように、底領域が水平にされていることを特徴とする、請求項12記載のプレス機。
【請求項14】
上記底領域が成形材料を実質的に通過させないようなメッシュのスクリーンを有することを特徴とする、請求項12または13記載のプレス機。
【請求項15】
上記底領域が有孔板を有することを特徴とする、請求項12〜14のうちのいずれか一の項記載のプレス機。
【請求項16】
上記底領域または有孔板が自由曲面として構成されていることを特徴とする、請求項12〜15のうちのいずれか一の項記載のプレス機。
【請求項17】
上記受容領域が充填格子を有し、この充填格子が受容領域または区画を少なくとも部分的にかつ水平方向で区分することを特徴とする、請求項12〜16のうちのいずれか一の項記載のプレス機。
【請求項18】
放出方位に関して底領域の上方にある負圧領域が、大気圧に対して吸引するのに必要な圧力差を生成するために吸引機構に接続されていることを特徴とする、請求項12〜17のうちのいずれか一の項記載のプレス機。
【請求項19】
負圧領域の個々の区画内での圧力差の生成が個別に制御可能であり、その制御のために制御機構が設けられていることを特徴とする、請求項18記載のプレス機。
【請求項20】
上記制御機構が、充填型の個々の区画から成形型の対応する区画への成形材料の落下時間を計算すべく設計されていることを特徴とする、請求項19記載のプレス機。
【請求項21】
上記充填型に充填するための充填ステーションが、放出方位に関して実質的に180°回転した充填方位に充填用充填型を位置決めしかつ後続の成形材料放出用の放出方位に充填型を位置決めするための位置決め機構を有することを特徴とする、請求項9〜20のうちのいずれか一の項記載のプレス機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の形状厚さを有する成形体またはブランクを製造するための方法であって、充填装置の充填型に成形材料を充填し、成形材料を重力方向で充填型からプレス機の成形型内に放出する方法、およびこの方法を実施するためのプレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
もちろん、このような方法およびプレス機は知られている。充填型は、所定の形状厚さを有する成形体を形成するのに必要な成形材料を極力正確に成形型内に放出するのに役立つ。また、引き続く加圧過程においては、成形体が極力均一な密度となることが実現されねばならない。
【0003】
他方で、成形型への成形材料の充填は迅速に、すなわち成形サイクルで進行し、極力簡単に操作可能でなければならないであろう。例えば、充填型は適切な量の成形材料が充填されると、成形型の上に移動し、成形材料が成形型内に移される。このため、充填型は、充填型から水平方向に取り出し可能な底板を有することができる。この底板は成形材料の放出を防止するが、その取り出しによって成形材料が成形型へ放出される。
【0004】
しかしながらこのような公知の方法では、概ね一定した形状厚さの単純な成形体でも、そして、本当に複雑な形状厚さの成形体の場合にでも、加圧成形された成形体の密度が完全に満足できるほど均一でないことが判明した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の課題は、加圧成形された成形体内で加圧過程後に均一な密度分布が達成される冒頭に指摘した種類の方法を提供することである。
【0006】
以下で明らかとなる諸理由から、上記課題は特に、一定していない形状厚さおよび/または複雑な幾何学形状を有する成形体にとって特に重要であるが、しかし実現困難でもある。
【0007】
というのも、複雑な幾何学形状を有する成形体またはブランクは、このような製品の製造に用いられる加圧技術に対して特別な条件を要求するからである。そのことは特に、加圧面と平行に延びる切断面において加圧面に関するさまざまな厚さの間の不連続的な移行部、すなわち、ブランク高さの急激な変化を有するような製品に妥当する。複雑な形状厚さを有する製品の一例として、中欧の代表的屋根瓦を挙げることができる。これらの屋根瓦は総面積が約400×300mm2 の場合、代表的な素地厚は12mmである。しかしながら、屋根瓦は多数の突出部、縦折目および/または横折目を有しており、それらの領域では成形体の厚さが2倍以上となる。このような製品の製造は、さらに、折目、突出部等の高さがゼロと最大値との間で事実上あらゆる任意の値となることがあることによって困難となる。このような製品の製造方法を実施する場合、均一な圧縮を達成するために平面視(=加圧面)において同じ面素に関してきわめて強く変動する量の成形材料が提供されることに注意しなければならない。所要の成形材料を各面素内で必要に応じて提供することに成功しない場合、厚さの大きい領域では圧縮が不十分となり、薄い領域では過剰加圧となる。これにより、製品特性が損なわれることがある。弱く圧縮された成形体領域では特に機械的弱化(曲げ強さ、引張強さまたは破壊強さの低下)、多孔度の高まり、それに伴って凍解安定性が低下し、乾燥・焼成過程中に変形および亀裂形成の傾向が高まることがある。さらに、成形材料の分布不備は釉薬、化粧土およびその他の被覆の不均一な受容、またそのことに起因して最終製品の視覚的異様さおよび表面特性の劣化を帰結することがある。
【0008】
それゆえに、所定の形状厚さを有する成形体の製造方法では、単位面積当りに必要な成形材料が極力正確にこの単位面積に対して提供されることを確保しなければならない。そのことが妥当するのは、特に、単軸プレス機で複雑な幾何学形状の成形体を製造するときである。異なる量の成形材料が提供されねばならない単位面積の大きさは、成形体自体の寸法および幾何学形状と成形材料の特性とに強く依存している。これに関連して特別重要なのは、圧力下の塑性流動によって一定の範囲内で圧縮方向を横切る方向の成形材料の変位を可能とする成形材料の能力である。冒頭で既に触れた屋根瓦の場合、検討すべき単位面積または基準面素の大きさは約10cm2 〜約100cm2 のオーダーである。
【0009】
さらに、このような成形体の製造方法を実施する場合、プレス機のサイクル時間、従って生産能力が過度に影響を受けることのないように注意しなければならない。適切な方法および装置は、さらに、所定の形状厚さを有する多数の製品を同時に製造することのできる多数個取り金型にも利用可能でなければならない。
【0010】
成形体を製造するための単軸で作動するプレス機によって加圧成形するとき、プレス機が片側加圧用または両側加圧用のいずれに設計されているのかにかかわりなく、ふつう容量式型充填が利用される。キャビティーすなわち成形型は、その都度の加圧過程に全体として必要とされる成形材料に関して過剰の成形材料が存在することによって充填される。プレス機の下型を下げることによって、または成形型を横方向で制限する型枠を、調整可能な充填位置に持ち上げることにより、充填型から引き渡される成形材料で充填される容積が規定される。引き渡しは、既に開口しているキャビティーすなわち成形型内に投下することによっても、「吸引式」充填によっても行うことができる。吸引式充填では、充填型が成形型の上に位置決めされてはじめてキャビティーすなわち成形型は開口される。過剰の成形材料は充填型の後退時に払い落とされ、成形型内に受容された成形材料の上側境界面が型枠と一直線に並び、平滑な成形材料表面が生じることになる。
【0011】
これら公知方法を実施すると、充填スライダの後退時に下型および/または型枠の被制御移動によって充填高さが上下に変更されることにより、成形型内での異なる充填高さが実現でき、また、それにより、並べて配置される成形型の区画内で相応に異なる量の成形材料とすることが可能となる。これは「ウェッジ(楔形)充填」と称される。しかし成形型のこのような充填は、充填型走行軸線の方向で充填高さの恒常的変化を可能とするにすぎない。例えば屋根瓦等の複雑な形状厚さを有する成形体を製造するのに成形型内で必要な成形材料の分布はこのような方法では達成できない。そのような成形体を製造するために、並べて配置される多数の区画に成形型の下型を分割することが既に提案されており、区画は充填過程前または充填過程中に異なる高さに動かすことができ、これにより、成形型の下側領域で高さ断面が生成されるのに対して、成形型に受容された成形材料の表面は従来の方法におけると同様に平滑に払い落とされる。多数の区画に区分された下型を有するプレス機はふつう大型で価値の高い成形体を製造するとき、例えば製鋼用耐火スライダ板等を製造するのに利用される。しかしながら型は「活性(能動)」型要素が不可欠なためきわめて手間がかかり高価となる。さらに、複雑な形状厚さを有する成形体を製造するとき、しばしば過剰応力が観察され、幾つかの事例ではプレス機の破損が観察される。このことは、「活性」型要素を有するプレス機または従来のプレス機のいずれが利用されるのかにかかわりなく妥当する。
【0012】
先行技術におけるこれらの問題に鑑み、本発明の他の枠内で、プレス機の破損を避けかつ所定の製品特性を保証して単純構造のプレス機で実施することのできる、所定の特に不均一な形状厚さを有する成形体を製造するための方法を提供し、対応するプレス機を提供することが他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば上記課題は、成形材料が吸引によって充填型内に保持され、成形型内への成形材料の放出が吸引力の低減によって引き起こされることを実質的な特徴とする公知方法の改良によって解決される。
【0014】
この解決は、充填型から成形型への成形材料の引き渡し用の本発明に係るメカニズムによって、成形材料を加圧成形した成形体の密度の均一度の向上をもたらす秩序立った引き渡しが可能となるという驚くべき認識に基づく。
【0015】
さらに本発明に係る成形材料の引き渡しのメカニズムは、例えば充填型底板の上記取り出し等の充填面の機械的な開口を行う必要がない限りで有利である。
【0016】
そうする代わりに、吸引によって成形材料内に引き起こされる空気流のみで成形材料の落下が防止される。所要の吸引力、または吸引用に必要な圧力差の実現は、例えば任意形状の(真空)ポンプによって簡単にもたらすことができる。大抵の応用にとって約200〜300mbarの圧力差は、これによってもたらされる空気流により、充填型内で成形材料を確実に保持するのに十分である。次に、落下は吸引力を弱めることによって、例えば吸引を発生するポンプを切ることによって、ごく簡単にもたらすことができる。
【0017】
本発明に係る方法が特別有利に応用されるのは、重力方向に対して垂直に延びる方向で並べて配置される少なくとも2つの成形型の区画が、所定の形状厚さに相応して、つまり特に成形体の複雑な幾何学形状によって引き起こされる不均一な形状厚さにおいて、異なる量の成形材料を充填しなければならないときである。このため、並べて配置される成形型の区画に相応して並べて配置される充填型の区画は、所定の形状厚さに相応して異なる量の成形材料が充填される。
【0018】
この有利な方法は、充填型から成形型内への本発明に係る成形材料の引き渡しによって成形材料の分布の顕著な変化を懸念する必要がないので、成形型内で必要な成形材料の分布が成形型自体においてはじめて行われるのでなく、既に充填型内で行われるとき、この分布をなお確保することもできるとの単純な認識に遡る。それゆえに、並べて配置される多数の区画に分割された成形型の下型を本来利用する必要があるが、この方法を実施するとその利用を省くことができ、このような方法を実施するのに適したプレス機は著しく簡素となる。
【0019】
さらに、このような方法を実施すると高い操業信頼性を達成することができる。なぜならば、成形型の不規則な特に非対称な負荷も、成形型の下型の可動区画の過度な負荷も、懸念する必要がないからである。充填型の対応する充填と充填型から成形型への本発明に係る成形材料の引き渡しとによって、複雑な形状厚さを有する成形品の製造時に成形型の不均一な負荷または非対称な負荷を生じないような成形材料分布が成形型内で確保されるので、成形型の非対称な負荷は防止することができる。さらに、この方法を実施すると成形型の下型の高い加圧力で負荷される可動区画の利用を省くことができ、このことはやはり操業信頼性を高めるのに寄与する。
【0020】
好ましい方法において、個々に並べて配置される充填型の区画内での吸引力の低減は少なくとも部分的に時間をずらして行われる。例えば、他の区画よりも明らかに多くの成形材料が存在する区画は上記他の区画よりも早く解放することができ、こうして成形型の一層均一な充填が可能となる。
【0021】
特に、時間遅れは、成形型の対応する各区画内への成形材料の落下について充填型の各区画に受容された量の成形材料の予想される落下時間に依存して制御される。こうして、上記利点を継続して、成形型への成形材料の同期的充填を達成することができる。
【0022】
特別好ましい方法によれば、充填型の充填は、成形型内への成形材料の放出が行われるのと同じ開口部を通して行われる。こうして成形型とは反対の充填型側には吸引メカニズムを構造上簡単に連結するための十分なスペースが残る。
【0023】
特別望ましい方法において、充填型は充填後にはじめて、成形材料の放出のために想定されるべき放出方位に移動され、充填型の放出方位に関して実質180°回転した充填方位において、つまり上から、充填が行われる。その際、上からの単純な充填を可能とするための付加的な工程は甘受される。但しこれと結び付いた時間の支出は、プレス機の作業サイクル外でこの過程を行うことができるので是認できる。
【0024】
さらに特別好ましい方法によれば、充填型内に受容される成形材料の充填方位に関して上側の境界面が充填型の充填方位に関して上側の縁と一直線に並ぶように成形材料は充填容器から充填型内に充填され、並べて配置される充填型の区画内で成形材料の量は成形型の各底の水平化に基づいて自動的に生じる。この利点は、充填型の充填時に特別な慎重さを懸念する必要がないことである。特に、適切な成形材料全体を単純に充填型に正確に注ぎ込めば間に合う。
【0025】
これに関連して、望ましくは、充填レベルを調整するために充填容器が充填型から水平方向に取去られるようにもなっている。従って、正確に過剰成形材料が引き続き払い落とされるので、過剰の成形材料も充填型に注入可能であるように、成形材料の正確な全体量を固守する必要はない。
【0026】
上記充填過程とは異なる他の方法において、成形材料の放出に適した放出方位において充填型が準備された成形材料構造に食い込むように、特に多層構造化成形材料によって成形型の充填を行うことができる。すなわち、充填型は裏返して上から充填されるのでなく、下から充填される。この目的のため、特に有利にはナイフボックスとして構成される充填型は、既に準備された厚さの成形材料に載置されまたはそこに食い込むことができ、その後、吸引を引き起こし、充填型は成形材料と一緒に放出位置に動かすことができる。この方法は、多層構造を通常どおり上から充填する面倒な方法に比べて、多層構造を有するブランクを製造するために特に有利である。
【0027】
本発明に係る方法の上記説明から読み取ることができるように、この方法を実施するためのプレス機であって、成形材料を受容すべく設計された成形型と、成形型に充填すべく設計され、かつ重力方向に成形型に成形材料を放出すべく作動可能な充填型を有する充填装置とを有するものは、成形材料の吸引によって充填型内に成形材料を保持するために充填装置が吸引機構によって駆動可能であることを特徴としている。吸引装置として例えば、好適な仕方で充填型と結合された1つのポンプまたは多数のポンプが考慮に値する。通常の各真空ポンプは、所要の吸引力に必要な圧力差を成形材料の外面と内面との間にもたらすことができる限り適している。
【0028】
特別好ましい実施形態において、重力方向に対して垂直に延びる方向に並べて配置される成形型の区画は、製造されるべき成形体の所定の形状厚さに相応して、異なる量の成形材料を充填装置で充填可能であり、充填装置は、充填装置の水平方向に成形型の横に離間して配置される充填ステーションにおいて、異なる成形材料の量を有する所定の形状厚さに対応して、並べて配置される成形型の区画に対応する充填型の区画に充填するように設計されている。
【0029】
このように設計されたプレス機でもって、上で述べたように、ごく不均一な形状厚さおよび/または複雑な構造を有するブランクをも見事に製造することができる。
【0030】
プレス機の望ましい実施形態において、充填型がハウジングを有し、このハウジング内に区画が並べて配置され、かつ主に概ね鉛直に延びる隔壁によって相互に分離されている。こうして、区画に割り当てられた量の成形材料が区画をまたがって混合される望ましくないこと事態は防止することができる。
【0031】
プレス機の特別好ましい実施形態において、充填型は成形材料を受容するための受容領域を有し、この受容領域は成形材料の放出に関して適した放出方位において下側に配置されており、この受容領域は空気を通過させる底領域によってその上側を規定されている。すなわち、受容領域は古典的充填シューに一致した充填型領域となる。空気を通過させる底領域は、受容領域に受容された成形材料を通して空気が底領域の反対側へと流れるのを可能とする。
【0032】
特別好ましい実施形態において、成形型の放出方位に関して下側の縁に至るまで受容範囲が充填されたなら、各区画に受容される成形材料の量が成形型の付属した各区画に充填されるべき成形材料の量に一致するように、底領域は水平にされている。こうして有利なことに、成形型の区画用に必要な量の成形材料は自動的に正しく割り当てられる。底領域の水平化は、検討方式に応じて、製造されるべき成形体の形状厚さまたは鏡像反転した形状厚さに一致している。
【0033】
望ましい実施形態において、底領域は成形材料を実質通過させないようなメッシュのスクリーンを有する。こうして、成形材料が吸引メカニズム内に達してその機能能力を損なってしまうようなことは防止することができる。
【0034】
これに関連して、特にスクリーンのメッシュは0.1〜200μm、好ましくは1〜50μm、特に好ましくは5〜20μmの範囲内である。
【0035】
特別望ましい実施形態によれば、底領域が有孔板を有している。有孔板は、成形型の充填方位において所要の担持機能を満たすために十分厚くなければならないであろう。さらに、有孔板は底領域に関しては簡単で安価な解決法である。孔は空気の流通に役立つが(上記参照)、しかしスクリーンを使用する場合、成形材料である粒子を保持する機能を持つ必要はない。
【0036】
さらに好ましい実施形態によれば、底領域/有孔板が自由曲面として構成されている。こうして、製造されるべき成形体のほぼすべての形状厚さは実質的に忠実な形状で複製することができ、従って所要の成形材料の量の最適な事前割り当てを達成することができる。
【0037】
望ましい実施形態によれば、受容領域が充填格子を有し、この充填格子が受容領域/区画を少なくとも部分的にかつ水平方向で区分する。さらに一層細かな目盛で、落下する成形材料用のガイドが提供され、落下時に成形材料が混合されることが一層少なくなる。
【0038】
プレス機の望ましい実施形態において、放出方位に関して底領域の上方にある負圧領域が充填型内に設けられており、この負圧領域は大気圧に対して吸引するのに必要な圧力差を生成するために吸引機構に接続されている。受容領域と吸引機構との間の好適な移行空間が提供され、これにより一方で、均一な吸引をもたらす多数の空気路が底領域に可能となり、同時に吸引機構に至る空気管路の数が少なくなる。
【0039】
特別好ましい実施形態において、負圧領域の個々の区画内での圧力差の生成は個別に制御可能であり、その制御のために制御機構が設けられている。これは当然に、負圧領域(負圧室)の個々の区画を上記の如くに有利に時間をずらして制御するための前提条件である。例えば、負圧室のそれぞれから個別の管路を介して空気が吸引され、個々の管路が各弁によって独自に絞りまたは中断することができることによって、個別の制御可能性は可能となる。
【0040】
有利な実施形態によれば、制御機構は充填型の個々の区画から成形型の対応する区画への成形材料の落下時間を計算すべく設計されている。このため制御機構は例えば成形型の構造、形状厚さおよび/または充填型のその都度の充填高さに関して情報を提供することができる。
【0041】
特別望ましくかつ実際的な実施形態によれば、プレス機に関してさらに、充填型に充填するための充填ステーションが設けられており、この充填ステーションは、放出方位に関して実質180°回転した充填方位に充填用充填型を位置決めしかつ後続の成形材料放出用放出方位に充填型を位置決めするための位置決め機構を有する。方法請求項の上記説明から読み取ることができるような充填型は簡単に充填することができ、通常の仕方で成形型の上に移動することができる。
【0042】
以下、図面を参考に本発明を説明する。明細書で詳しくは強調しないが発明上重要な細部に関して図面を参照するようにはっきりと指示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1に示す本発明に係る(例えば図3に示す瓦を製造するための)プレス機は、下型12と充填型20と全体に符号50とした充填ステーションと全体に符号70とした成形材料用移送機構とを含む。下型12内に形成された成形型14は充填型20の助けにより、移送機構70によって提供される成形材料を充填することが可能である。この目的のために充填容器72は、両方向矢印74で示すように水平に往復動可能である。
【0044】
充填型20には、その充填方位に、成形型14の横に離間して配置された充填ステーション50において、移送機構70によって供給された成形材料が充填される。次に、充填型20(図2参照)の開口部8と中間底との間に圧力差を生成するためにポンプ40が制御機構60によって制御される。このためポンプ40は図1に破線で示唆した管路41を介して充填型20と結合されている。ところで成形材料の吸引が引き起こされると充填型20は位置決め機構30によって放出位置へと180°回転可能である。成形材料の落下は充填型20への吸引によって防止される。
【0045】
引き続き充填型20は成形型14上の放出方位に動かされ、充填型20に受容された成形材料は、以下に詳細に説明するように、吸引力が停止されることによって重力方向で成形型14内に放出される。この成形材料は通常どおり重力の作用によって成形型内に落下する。
【0046】
以下に、図2を参照しつつ本発明に係るプレス機の充填型20が詳しく説明される。図2は成形材料を吸引するための吸引メカニズムを図解する概略断面図である。
【0047】
充填型20は枠構造としてのハウジング7を有しており、図2に示す放出位置において、その断面図に実線8で示した下側境界面8が開口されている。ハウジング7の内部は水平方向にも鉛直方向にも区分されている。本発明に係る吸引メカニズムにとって主要な区分は、有孔板2とスクリーン3とからなる中間底によって達成される。図2から明らかなように、中間底は充填型20全体の上に統一的レベルで延設する必要はなく、区画ごとに異なる水平化を有することができる(または、完全に自由曲面として形成しておくこともできる。下記参照)。
【0048】
中間底によって、ハウジング7の内部は成形材料5を受容する下側受容領域と上側負圧領域1とに分けられる。図2を逆転させたと考えると(充填方位)、例えば充填容器72(図1)が受容領域に成形材料を充填し、引き続き下側境界面(開口部)8から張り出す成形材料が払い落とされることによって、受容領域に成形材料を充填することができる。従って受容領域(開口部)8の容積は成形体の製造に必要とされる成形材料の総量に実質的に一致しなければならない。
【0049】
本発明に係る方法により、受容領域に受容された成形材料5を中間底の方向に吸引し、受容された成形材料5が図2に示す放出方位に位置決めされた後も、重力の作用にもかかわらず充填型20によって保持される。この目的のため、ポンプは図示しない管路とハウジング7の例えば負圧領域側境界面の図示しない開口部とを通して負圧領域1から空気を吸引する。確かに、空気は外部空間から受容領域に受容された成形材料5とスクリーン3と有孔板2の開口部とを通して負圧領域内に流れることができる。しかし、成形材料5が流れ抵抗をもたらすので、負圧領域1と受容領域との間には圧力差が生じる。
【0050】
それゆえに、ポンプ40が作動される限り、圧力差の平衡値が生じ、ここではその平衡値が約200〜300mbarとなる。連続的に流れて成形材料5を貫流する空気流によって成形材料5は受容領域8内で重力の作用に抗して保持される。
【0051】
スクリーン3のメッシュはこの実施例において概ね10μmであるが、しかし、実質的に成形材料たる粒子がスクリーン3内に達し得ることのないように確保される限り、基本的には変更可能である。
【0052】
最も単純な場合、ポンプの運転を停止することによって成形材料5を受容領域から放出することができる。その場合、圧力差は直ちに低減し、成形材料5は所望のとおりに受容領域からその下にある成形型14に落下する(図1参照)。選択的に、ポンプの吸込能力を所定の割合でゼロに下げる方法も選択することができる。その場合、圧力差がゆっくりと低下し、成形材料5はその下にある成形型14内に徐々に落下する。
【0053】
次に、鉛直隔壁4による区分を説明する。ハウジング7内において隔壁4によって規定される区画すなわち室24は、成形型14の対応する区画に割り当てることができ、または、好適な区画割り当てが可能となるように形成されている。ところで本体として役立つ中間底の有孔板2は、図示した異なる区画24a、24b、24cについて受容領域の対応する区画の少なくとも部分的に異なる充填高さが生じるように構成しておくことができる。図2には3つの異なる充填高さha、hb、hcが示されている。各高さと、それに対応する各区画の水平横断面との積から生じる成形材料容積が、製造されるべきブランクの所定の形状厚さに応じて、成形型14の対応する区画内で必要な成形材料の量に対応するように、高さhが選択される。
【0054】
手短に述べるなら、中間底の水平レベルは以下のように設定される。すなわち、成形型の個々の個所でそれぞれ必要とされる異なる量の成形材料が実質的に予め充填型20内において適切に供給されるように設定される。
【0055】
図2では中間底が階段状に構成されている。しかし、製造されるべき成形体の対応する複雑な形状厚さを実質連続的に模擬する自由曲面(湾曲面)として有孔板2を形成することも可能である。こうして、所要の成形材料が一層細かな目盛で適切に供給される。
【0056】
充填高さhが大きく異なる場合、特に急激に充填高さhが異なる場合には、成形型全体にわたって吸引力が弱まったときに、効率を低下させるような混合を生じることがある。というのも、異なる成形材料領域の異なる落下時間のゆえに、事前に好適に選択された成形材料の量の分布が、成形型14への成形材料5の衝突時に成形材料粒子が水平移動することにより、変化する可能性があるからである。この影響を減らすために、個々の区画24に含まれた量の成形材料5は時間制御して充填型20から放出することができる。このために必要となるのは、個々の負圧室1a、1b、1c、またはそこからの空気吸引を別々に制御できることだけである。この目的のため、区画24の一部は、またはすべての区画24は、少なくともポンプ40に接続された個別に遮断可能な管路を持つことができる。
【0057】
既に述べたように、充填型20の区画24からの成形材料5の落下の精密な制御は、対応する区画24のための吸込能力を効率的に低減して吸引力を適切に制御して弱めることによって引き起こすことができる。
【0058】
図2からわかるように、受容領域の区画に割り当てられる領域はなお充填格子6によってさらに区分することができる。これにより、落下時に成形材料粒子の分裂で生じる水平方向衝撃は少なくとも一層低減される。
【0059】
以下、図3と図4を参照しつつ、成形型14および充填型20の対応する区画の割り当てを説明する。
【0060】
図3によれば、製造されるべき代表的な成形体は所定の面積を有する個々に並べられた区画に区分され、成形体の形状と面積とによって算定される成形材料の重量値が区画ごとに算定される。図3によれば、瓦が面積A1〜A18の合計18の区画に区分され、各1つの成形材料の重量G1〜G18がそれらに割り当てられている。
【0061】
図4には充填型20内の(図2の隔壁4に相当する)隔壁22の配置が略図で示してあり、この配置は図3で説明した瓦の分割に対応している。充填型20は図2に略説明したように構成されている。しかしながら(本発明に係る吸引メカニズムを図示しない)図4が伝えようとしているのは、成形体20の可能な区分または所要の区分の実際的な図のみである。
【0062】
本例における中間底(有孔板2)の水平化は、個々の瓦区画に必要な充填成形材料の重量G1〜G18によって確立される。充填方位における充填型20が適切に位置決めされた後、成形材料は過剰の成形材料を充填した充填容器(図1の72)によって充填型20の個々の区画に充填され、過剰材料は充填型に対する充填容器の水平運動によって充填型の(充填方位における)上縁によって払い落とされ、払い落とされた材料は移送ベルト76によって再び移送機構70に供給され、後続の成形体または瓦を製造するために再び充填ステーション50へと移送することができる。
【0063】
成形型を正確に充填するためには、選択された充填型の幾何学形状自体が成形型への完全な排出を可能とするものである必要がある。危険な幾何学形状の場合には、この完全排出は、充填型の個々の画室の面取り角部もしくは隅部、または振動機構等によって支援することができる。
【0064】
本発明に係るプレス機は、異なる成形材料の原料の2つ以上の層からなる積層構造を有する成形体を製造するのにも特別適している。つまり、成形材料原料が異なる場合、充填型の従来の充填は特別手間である。それに対して本発明に係る方法では、異なる材料を層ごとに上から充填型に充填する必要がない。その代わりに、材料は成形型の外側で、引き続き成形型内でも存在しなければならない態様で準備することができる。次に、本発明に係る吸引メカニズムを装備した充填型は互いに密に当接する準備された成形材料層の一部を「ビスケットをえぐるときのように」受容することができ、それを受けて吸引メカニズムが作動される。次に充填型は通常どおり成形型の上に移動させることができ、積層構造を有する成形材料は成形型内に放出することができる。
【0065】
このような措置では、充填型は好適にナイフボックスとして構成しておくことができ、すなわちハウジング7、隔壁4および/または充填格子6の側壁の(図2の)開口部8に向き合う角部は切刃として構成することができる。
【0066】
図に基づいて説明した本発明の実施例は説明に役立つにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。むしろ、以上の説明および特許請求の範囲のなかで開示された本発明の特徴は個々にでも、任意に組合せても、本発明をさまざまな実施形態で実現するうえで本質的であることがある。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態に係るプレス機を示す略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るプレス機の充填型の略図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る方法、特別良好には本発明に係る方法の有利な方法で製造可能な瓦の平面図である。
【図4】図3に示す瓦を製造する製造法において利用可能な充填型における隔壁配置の略図である。
【符号の説明】
【0068】
1・・・・負圧領域
1a、1b、1c・・・・(負圧領域の)区画
2・・・・有孔板
3・・・・スクリーン
4・・・・鉛直隔壁
5・・・・成形材料
6・・・・充填格子
7・・・・ハウジング
8・・・・受容領域/開口部
14・・・・成形型
20・・・・充填型
24・・・・(充填型の)区画
30・・・・位置決め機構
40・・・・吸引機構
50・・・・充填ステーション
60・・・・制御機構
【出願人】 【識別番号】507305118
【氏名又は名称】ラーイース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【出願日】 平成19年9月11日(2007.9.11)
【代理人】 【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所


【公開番号】 特開2008−68625(P2008−68625A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2007−235468(P2007−235468)