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【発明の名称】 竹繊維成形物及び竹繊維成形物炭化処理材
【発明者】 【氏名】末兼 康正

【氏名】西岡 榮祐

【要約】 【課題】剛性材ないしは準剛性材又はブロック状の弾性材を成形可能で、壁材、断熱材を含む建築材料、マット、吸音材、緩衝材その他の用途に適用可能な削剥竹繊維を母材とする竹繊維成形物及びこれに炭化処理を施した竹繊維成形物炭化処理材を得る。

【解決手段】竹繊維を母材とする竹繊維成形物Xが、採取した竹材の繊維配向と交差する方向に鉋掛け又は削進することにより削剥して得られるフィラメント状の削剥竹繊維1を原材料とする。該削剥竹繊維1に、水分を噴霧供給して湿潤化するとともに絶乾状態の粉末状糊材2を添加混合し、ついで削剥竹繊維1を交絡させて金型投入して材料表面を整え、所定の圧下量で脱気又は圧密化し加熱保持して賦型化する。こうして得られた竹繊維成形物Xに、さらに炭化処理を施して竹繊維成形物炭化処理材を製造する場合がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹繊維を母材として賦型化した竹繊維成形物において、
採取した竹材の繊維配向と交差する方向に鉋掛け又は削進することにより削剥して得られるフィラメント状の削剥竹繊維を原材料とし、水分を噴霧供給して湿潤化するとともに絶乾状態の粉末状糊材を添加混合し、前記削剥竹繊維を交絡させて金型投入して材料表面を整え、所定の圧下量で脱気又は圧密化し加熱保持してなることを特徴とする竹繊維成形物。
【請求項2】
竹繊維を母材として賦型化した竹繊維成形物において、
採取した竹材の繊維配向と交差する方向に鉋掛け又は削進することにより削剥して得られるフィラメント状の削剥竹繊維を原材料とし、絶乾状態の粉末状糊材を添加混合し、前記削剥竹繊維を交絡させて金型投入して材料表面を整え、所定の圧下量で脱気又は圧密化して水蒸気加熱保持し、乾燥してなることを特徴とする竹繊維成形物。
【請求項3】
削剥竹繊維に対する水分割合が10〜30重量%であり、該湿潤化した削剥竹繊維に対する粉末状糊材の割合が3〜25重量%である請求項1又は2記載の竹繊維成形物。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の竹繊維成形物が、金型を選択的に用いることにより湾曲状、板状、団塊状その他の所望形状に賦型化したものである竹繊維成形物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の竹繊維成形物に炭化処理を施してなることを特徴とする竹繊維成形物炭化処理材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、竹繊維を母材として賦型化した竹繊維成形物に係り、詳しくは、採取した竹材の繊維配向と交差する方向に鉋掛け又は削進することにより削剥して得らるフィラメント状の削剥竹繊維を母材として賦型化した竹繊維成形物、及び該竹繊維成形物に炭化処理を施した竹繊維成形物炭化処理材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、竹材を含む植物由来の繊維材料を用いた繊維成形物が知られている。(例えば、特許文献1、2及び3を参照)。
【特許文献1】特開2005−333850号公報
【特許文献2】特表2004−278160号公報
【特許文献3】特開平10−296707号公報
【特許文献4】特開平10−16123号公報
【0003】
ここで、特許文献2を除く従来例では竹繊維固有の繊維成形物となっていない。また、特許文献2に関しては竹繊維を母材とするものと推認されるが、複数回の爆砕処理を施した後に機械的開繊維(解繊)処理を施した竹繊維を用いており、本発明に関する削剥竹繊維とは形成履歴が異なる。竹繊維の性状の違いは、結合材の選定を含む成形性に大きく影響する点で、横並びに考えることはできない。
【0004】
一方、採取した竹材から竹繊維を製造し、繊維強化プラスチック(FRP)その他の繊維強化型複合材料の強化材(強化繊維に同じ)として用いることが知られている(例えば、特許文献5、6及び7を参照)。
【特許文献5】特開2006−176642号公報
【特許文献6】特表2002−210838号公報
【特許文献7】特開平5−31708号公報
【0005】
ここでは、竹繊維の強度(カーボン繊維に匹敵する)に着目して強化材としての有用性を認めているようであるが、本発明に関する技術水準とはならない。なお、どのような形態の竹繊維を調達できるかという点に共通の問題がある点では一考に値する。一概に単繊維であれば強化材として十全であるというわけにはゆかず、単繊維間の結着力を残して利用するためには繊維径が数百μm程度の繊維束鞘や繊維束の繊維形態も考慮されるからである。
【0006】
ところで市場提供されている竹繊維は、一般的には機械的な解繊処理を施すことにより製造されており、概して繊維径が数百μmを超えるミリ単位のものであり、その剛直性がしばしば折損等の欠点となる場合があった。
【0007】
本発明者らは、古紙等の繊維含有材料の粗粉砕から解繊までを効率的におこなう解繊装置(粗粉砕装置を含む)や該繊維含有材料を主原料とする複合再生成形物の開発に携わってきた。もちろん、繊維含有材料として竹材も扱ってきている。
【0008】
こうしたなかで、強化繊維として繊維径が数百μm以下、又は数百μmを超えるミリ単位以下であり、かつ、繊維長が数ミリメートル〜十数ミリメートルを確保した竹繊維を要請され、本発明者らは、この要請に積極的に対応し、かつ、研究開発を推進してきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする問題点は、繊維長を100ミリメートル程度まで許容した長寸の削剥竹繊維を製作し、繊維成形物の母材として利用可能性を拡大する点にある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、上記課題を解消し、剛性材ないしは準剛性材又はブロック状の弾性材を成形可能で、壁材、断熱材を含む建築材料、マット、吸音材、緩衝材その他の用途に適用可能な削剥竹繊維を母材とする竹繊維成形物及びこれに炭化処理を施した竹繊維成形物炭化処理材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題を解決するために本発明は、竹繊維を母材として賦型化した竹繊維成形物の改善であって、採取した竹材の繊維配向と交差する方向に鉋掛け又は削進することにより削剥して得られるフィラメント状の削剥竹繊維を原材料とし、水分を噴霧供給して湿潤化するとともに絶乾状態の粉末状糊材を添加混合し、前記削剥竹繊維を交絡させて金型投入して材料表面を整え、所定の圧下量で脱気又は圧密化し加熱保持してなることを特徴とするものである。
【0012】
また、竹繊維を母材として賦型化した竹繊維成形物の他の改善であって、採取した竹材の繊維配向と交差する方向に鉋掛け又は削進することにより削剥して得られるフィラメント状の削剥竹繊維を原材料とし、絶乾状態の粉末状糊材を添加混合し、前記削剥竹繊維を交絡させて金型投入して材料表面を整え、所定の圧下量で脱気又は圧密化して水蒸気加熱保持し、乾燥してなることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、上記竹繊維成形物に炭化処理を施してなる竹繊維成形物炭化処理材である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の竹繊維成形物によれば、繊維長を100ミリメートル程度まで許容した長寸の削剥竹繊維を得て、繊維成形物の母材として有用し、新たな用途材料を開発可能とするものである。
【0015】
本発明の竹繊維成形物炭化処理材によれば、炭化処理温度及び肘時間を変更することにより、収率(炭化の程度)、pH、電気抵抗、比表面積、ガス吸着能(除去能)等の効能(材料物性)を用途に応じて選択可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良形態を添付図面を参照しながら以下説明する。
【0017】
図1は、竹繊維成形物の外観視説明図である。
【0018】
図2は、同じくAA断面視説明図である。
【0019】
図示するように、本発明は竹繊維を母材として賦型化した竹繊維成形物Xであって、採取した竹材の周方向に鉋その他の切削刃を当接し、該竹材の繊維配向と交差する方向に鉋掛け又は削進することにより削剥して得られるフィラメント状の削剥竹繊維1を原材料とするものである。
【0020】
この削剥竹繊維1は、1ミリメートル以下の繊維径で、繊維長を100ミリメートル程度まで許容した長寸の単繊維又は分断された繊維束(維管束鞘ないしは維管束に同じ)からなるものである。
【0021】
そして、上記の形成履歴を有する削剥竹繊維1に、水分を噴霧供給して湿潤化するとともに、結合材として絶乾状態の粉末状糊材2を添加混合し、削剥竹繊維1を交絡させて金型投入して材料表面を整え、所定の圧下量で脱気又は圧密化して加熱保持することにより賦型化する。
【0022】
一方、結合材として絶乾状態の粉末状糊材2を添加混合した削剥竹繊維1を交絡させて金型投入して材料表面を整え、所定の圧下量で脱気又は圧密化して水蒸気加熱保持し、乾燥することにより賦型化してもよい。
【0023】
上記いずれにおいても、削剥竹繊維1に対する水分割合は10〜30重量%であり、該湿潤化した削剥竹繊維1に対する粉末状糊材2の割合は3〜25重量%である。
【0024】
そして、成形後の空隙3や結合性を考慮して圧下量を調整することにより、剛性材ないしは準剛性材又はブロック状の弾性材を成形可能であり、壁材、断熱材を含む建築材料、マット、吸音材、緩衝材その他の用途に適用可能な竹繊維成形物Xを製造することができる。
【0025】
また、上記構成の竹繊維成形物に炭化処理を施して、竹繊維成形物炭化処理材を得る場合、炭化温度を200〜1000℃の範囲で選択的に変更する。一般的技術として公知の竹炭の製造における乾燥、有機質の分解、炭化、黒鉛化(精錬)の温度区分を指標とすることができるが、保持時間との関係で性状変化が生じるため、材料設計によって処理条件を決定することになる。例えば、800〜1000℃で炭化に続く黒鉛化を施すと、削剥竹繊維は公知のカーボン繊維に匹敵する物性を有するものになる。なお、賦活処理を加えることもあるので、種々の処理条件が考慮される。
【0026】
いずれにしても、本発明の削剥竹繊維は爆砕や粉竹の従来方法によって得られる竹繊維とは異なる繊維形態を有するものであり、これを母材とする竹繊維成形物及びその炭化処理材は、新たな用途開発が期待できるものである。因みに、削剥竹繊維の繊維強化材としての適用は別途提案しているところである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】竹繊維成形物の外観視説明図である。
【図2】同じくAA断面視説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1 削剥竹繊維(母材)
2 粉末糊材(結合材)
3 空隙
X 竹繊維成形物
【出願人】 【識別番号】595067718
【氏名又は名称】西日本技術開発有限会社
【出願日】 平成20年1月22日(2008.1.22)
【代理人】 【識別番号】100074055
【弁理士】
【氏名又は名称】三原 靖雄


【公開番号】 特開2008−307884(P2008−307884A)
【公開日】 平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願番号】 特願2008−11607(P2008−11607)