トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 繊維系ボードおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】中原 誠

【氏名】武田 寛貴

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ASTM F−316−86に基づいて測定される平均ポアサイズが3〜500μmであって、少なくとも表面にアミン系化合物を添着してなることを特徴とする繊維系ボード。
【請求項2】
前記アミン系化合物がヒドラジド化合物である、請求項1に記載の繊維系ボード。
【請求項3】
前記アミン系化合物が尿素化合物である、請求項1に記載の繊維系ボード。
【請求項4】
天然繊維および熱可塑性樹脂からなる、請求項1〜3のいずれか記載の繊維系ボード。
【請求項5】
前記アミン系化合物を少なくとも片面に0.5〜20g/m添着してなる、請求項1〜4のいずれか記載の繊維系ボード。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の繊維系ボードを用いてなることを特徴とする自動車内装材。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか記載の繊維系ボードを製造する方法であって、アミン系化合物を含む溶液を回転ローラーの表面に載せ、回転ローラー表面の溶液を繊維系ボードに転着して、繊維系ボードにアミン系化合物を担持させることを特徴とする繊維系ボードの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維系ボードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築資材や家具などに用いられる木質資材としては、木質繊維をフェノール樹脂や尿素メラミン樹脂で結合させたファイバーボード(インシュレーションボード、ミディアムデンシティーファイバーボード、ハードボード)や、ラワン、ブナなどの単板を積層し、上記の接着剤で貼合わせた合板、或いは、粉砕された木材を上記の樹脂で結合させたパーティクルボードが用いられている。
【0003】
上記の合成木材は優れた加工性や物性を有するがゆえに大量に消費されているが、フェノール樹脂や尿素メラミン樹脂から揮発するホルムアルデヒド等のアルデヒド化合物により、新築家屋や自動車などにおいて、シックハウス症候群と呼ばれる化学物質過敏症を引き起こすことが問題となっている。
【0004】
このような問題に対して近年では、木質基板の裏面に非ホルムアルデヒド系の樹脂と活性炭の混合物からなるホルムアルデヒドキャッチャー剤を塗布した建築用板材が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、これらの建築用板材は、汎用的な木材を基板としているため、木質板材自体から発生するホルムアルデヒドの放散を抑制することは可能であるが、他の材料から発生するアルデヒド化合物の吸着を行うことはできなかった。また、物理吸着を主とする活性炭を吸着剤としているため、自動車内装材などの高温下で使用した際には吸着したホルムアルデヒドを再放出する懸念があった。
【0005】
同様に、合成木質建材にヒドラジド類、アゾール類などの化合物を処理することで、アルデヒド類の放出を少なくする合成木質建材の消臭方法が提案されている(特許文献2参照)。これらの木質建材は、化学吸着系のキャッチャー剤を使用しているために比較的優れたアルデヒドの吸着性能(消臭性能)を有するが、やはり合成木材自体から発生するアルデヒド化合物の吸着に限定され、他の材料から発生するアルデヒド化合物の吸着を行うことはできなかった。
【0006】
一方、繊維構造物にヒドラジド化合物を含有させ、タバコ臭に含まれるアルデヒド類などを吸着させる消臭性成形品が提案されている(特許文献3参照)。これらは、繊維構造物に化学吸着系のキャッチャー剤を担持させるため、高いアルデヒド吸着性能を有するが、布帛などの繊維構造物であることから、建築資材に用いられる壁材や床材、自動車内装材に用いられるドア内装基材やシート基材としては、曲げ強さが弱く、適応することが困難であった。
【0007】
また、塗装板に1級アミンや2級アミン類、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、アミノトリアゾール類、エチレン尿素からなる塗膜を形成させることにより、ホルムアルデヒドなどを吸着させる塗装板が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、これらの塗装板は、表面が平滑であり、比表面積が小さく、アルデヒド類の吸着性能は現在必要とされる性能には至っていない。
【特許文献1】特開平10−252247号公報(請求項1、請求項4)
【特許文献2】特開2002−301706号公報(請求項1)
【特許文献3】特開平10−226962号公報(請求項1)
【特許文献4】特開2006−88383号公報(請求項1、請求項2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、シックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒド等のアルデヒド化合物の吸着性能に優れ、例えば建築材料や自動車内装材として用いた際にその機能を十分に発揮する、繊維系ボード及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明は、ASTM F−316−86に基づいて測定される平均ポアサイズが3〜500μmであって、少なくとも表面にアミン系化合物を添着してなることを特徴とする繊維系ボードである。
【0010】
また本発明は、本発明の繊維系ボードを用いてなることを特徴とする自動車内装材である。
【0011】
また本発明は、本発明の繊維系ボードを製造する方法であって、アミン系化合物を含む溶液を回転ローラーの表面に載せ、回転ローラー表面の溶液を繊維系ボードに転着して、繊維系ボードにアミン系化合物を担持させることを特徴とする繊維系ボードの製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の繊維系ボードは、住居や自動車の室内におけるシックハウス症候群の原因物質である、ホルムアルデヒド等のアルデヒド化合物の吸着性能に優れる。例えば建築材料や自動車内装材として用いた際にその機能を十分に発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の繊維系ボードは、主に繊維により構成される板状体である。繊維を含有することにより、軽量でありながら優れた強度を有することができる。また、ボードの比表面積が増加し、効率良くアルデヒド化合物を吸着することができる。
【0014】
繊維系ボードの繊維としては、天然繊維が好ましい。麻繊維や羊毛、井草などの天然繊維は、その細胞部が多孔質構造を形成しており、アルデヒドガスとの接触面積が大きく、アルデヒド類の吸着性能を向上させることができる。中でも、繊維長の長いセルロース系繊維を用いることが好ましい。具体的には、バガス、ムギワラ、アシ、パピルス、タケ類等のイネ科植物、木綿、ケナフ、ローゼル、アサ、アマ、ラミー、ジュート、ヘンプ、まお等の靭皮繊維、サイザルアサおよびマニラアサ等の葉脈繊維等であり、これらの中から選ばれる1種以上の繊維が含まれていることが好ましい。これらのなかでも、比較的繊維長が長く、一年草であって熱帯地方及び温帯地方での成長が極めて早く容易に栽培できる草本類に属する、ケナフあるいはジュートから採取される繊維が好ましい。かかる繊維を採用することで、曲げ強度においても優れた繊維系ボードを得ることができる。特に、ケナフの靭皮にはセルロースが60%以上と高い含有率で存在しており、かつ高い強度を有していることから、ケナフ靭皮から採取されるケナフ繊維を用いることが好ましい。
【0015】
繊維系ボードの繊維の平均繊維長としては、5〜100mmが好ましい。平均繊維長がこの範囲内の繊維で繊維系ボードを構成することにより、優れた強度の繊維系ボードを得ることができる。5mm以上、より好ましくは20mm以上、さらに好ましくは50mm以上とすることにより、搬送・施工・使用に耐える強度を得ることができる。一方、100mmを超えると、繊維系ボードの製造において、繊維とバインダ成分とを均一に分散させることが困難となり、生産性が低下すると共に強度が不均一となる。
【0016】
繊維系ボードにおいて繊維を結合させるためのバインダ(結合剤)としては、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロプレン等の熱可塑性樹脂が、硬化剤としてアルデヒド系化合物を必要とせず、繊維系ボード自体からアルデヒド系化合物を発散せずに済むので好ましい。なかでも、ポリ乳酸は、環境負荷を低減できるので好ましい。
【0017】
ポリ乳酸は、トウモロコシなどの植物、すなわち非石油系の原料からなり、製造工程においても石油系の溶剤をほとんど使用せず、また生分解性を有する。よって、複合ボードの製造・廃棄の各段階において、環境への負荷を少なくすることができる。また、ポリ乳酸は、生分解性プラスチックの中でも、またポリプロピレンやポリエチレンに比べても強度が高く、融点が170℃程度と適度な耐熱性を有すると共に、成形性に優れ、他の天然繊維や木質系材料との接着性も優れている。
【0018】
乳酸にはL体とD体の2つの光学異性体が存在するが、L体またはD体のいずれにしても、ポリ乳酸の光学純度が高いほどポリ乳酸の融点も高く、すなわち耐熱性が向上するため好ましい。ポリ乳酸の光学純度としては、90%以上が好ましい。
【0019】
また、ポリ(L乳酸)とポリ(D乳酸)とをブレンドして繊維に成形した後、140℃以上の高温熱処理を施してラセミ結晶を形成させたステレオコンプレックスにすると、融点を高めることができ、好ましい。
【0020】
また、ポリ乳酸の生分解性を損なわない範囲で、乳酸以外の成分を共重合していてもよい。
【0021】
また、ポリ乳酸の重量平均分子量としては5万〜50万が好ましい。
【0022】
また、ポリ乳酸樹脂は結晶核剤を含有することも好ましい。結晶核剤により、ポリ乳酸の結晶核の形成を促進させ、繊維系ボードの曲げ強度を向上させることができる。結晶核剤としては、ポリ乳酸樹脂中に均一に分散し効率良く結晶核を形成できる点でタルクが特に好ましい。タルクの組成としては、燃焼時の損失分を除いた成分中のSiOおよびMgOの割合が93質量%以上であることが好ましい。タルクの平均粒径としては、0.5〜7μmが分散性の点から好ましい。結晶核剤は1種を単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。結晶核剤のポリ乳酸樹脂に対する含有量としては、0.1〜20質量%が、ポリ乳酸樹脂のバインダとしての働きを阻害することなく結晶核形成の促進効果を得る上で好ましい。
【0023】
本発明の繊維系ボードは、少なくとも表面にアミン系化合物を添着してなることが重要である。アミン系化合物により、効率よくアルデヒド化合物を吸着除去できる。また、自動車内装材等の高温下での使用においてもアルデヒド化合物の離脱、再放出を抑制することができる。
【0024】
かかるアミン系化合物としては、ヒドラジド化合物、尿素化合物が、特に吸着性能に優れ好ましい。また、ヒドラジド系化合物と尿素化合物とを併用して用いても良い。
【0025】
ヒドラジド化合物としては例えば、モノヒドラジドとしては、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、メチルカルバゼート、エチルカルバゼート、セミカルバジド塩酸塩等、ジヒドラジドとしては、カルボノヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4´−ビスベンゼンジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、N,N´−ヘキサメチレンビスセミカルバジド等、トリヒドラジドとしては、クエン酸トリヒドラジド、ピロメリット酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド等、テトラヒドラジドとしては、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド等を用いることができる。なかでも、ヒドラジド基を2つ以上有するヒドラジド化合物が好ましく、特にアジピン酸ジヒドラジドが好ましい。
【0026】
また、尿素化合物としては例えば、尿素、チオ尿素、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、エチレン尿素、グアニル尿素、グアニルチオ尿素、アゾジカルボンアミド、グリコリルウレア、アセチルウレア等を用いることができる。なかでも、エチレン尿素が好ましい
アミン系化合物の添着量としては、繊維系ボードの少なくとも片面に0.5〜20g/mが好ましい。0.5g/m以上とすることで、アルデヒド化合物の吸着除去の実効を得ることができる。一方、20g/m以下とすることで、繊維系ボードからアミン系化合物が析出するのを防ぐことができる。
【0027】
本発明の繊維系ボードの見かけ密度としては、0.2〜0.95g/cmが好ましい。0.95g/cm以下とすることで、多孔質のボードとなり、アミン系化合物の浸透性が向上し、また、アルデヒド化合物を含むガスとの接触面積を広くし、アルデヒド化合物を効率よく吸着することができる。また、軽量性を得ることもできる。一方、0.2g/cm以上とすることで、強度を維持することができる。
【0028】
本発明の繊維系ボードは、ASTM F−316−86に基づいて測定される平均ポアサイズが3〜500μmであることが重要であり、好ましくは8〜500μmである。平均ポアサイズが3〜500μmとなる孔をボードの表面に有することにより、アミン系化合物が繊維系ボードの内部に浸透するのを促進し、アミン系化合物を繊維系ボードに十分に担持させることができる。また、繊維系ボードのガスに対する接触面積を広げ、効率よくアルデヒド化合物を吸着させることができる。平均ポアサイズが3μm未満であると、アルデヒド化合物を含むガスがボード内部に侵入しにくく、効率よくアルデヒド化合物を吸着することができない。一方、平均ポアサイズが500μmを超えると、繊維系ボードの強度が低下する。
【0029】
また、ポアサイズの最大値については平均ポアサイズの20倍以下、最小値については平均ポアサイズの1/20以上であることが、均一なサイズの孔として均一なアルデヒドガスの吸着性と高い強度が得られるため好ましい。
【0030】
次に、本発明の繊維系ボードを製造する方法の例を説明する。
【0031】
(繊維系ボードの原料)
繊維系ボードの原料としては、前述のとおり天然繊維およびバインダとしてポリ乳酸樹脂等の熱可塑性樹脂を好ましく採用できる。
【0032】
ポリ乳酸には、カルボジイミド化合物を添加することが好ましい。そうすることで、ポリ乳酸またはこれに含まれるオリゴマーの反応活性末端を不活性化し、ポリ乳酸の加水分解を抑制し、繊維系ボードの高温・高湿環境下での使用による劣化を防ぐことができる。カルボジイミド化合物としては例えば、ジイソシアネート化合物を重合したものを好適に用いることができ、中でも、4,4−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドの重合体やテトラメチルキシリレンカルボジイミドの重合体やその末端をポリエチレングリコールなどで封鎖したものを好ましく用いることができる。
【0033】
熱可塑性樹脂としては、短繊維の形態のものを用いるのが好ましい。そうすることで、カーディング工程等により天然繊維と短繊維同士で均一に分散させることができる。天然繊維の平均繊維長としては前述のとおり5〜100mmが好ましいので、天然繊維および熱可塑性樹脂繊維を効率良く絡ませる上で、熱可塑性樹脂繊維は平均繊維長20〜100mmが好ましい。この範囲内とすることで、分散斑を防ぐことができる。
【0034】
繊維系ボードの原料における天然繊維および熱可塑性樹脂の配合量としては、天然繊維を繊維系ボードに対して90〜30質量%、熱可塑性樹脂を繊維系ボードに対して10〜70質量%とすることが好ましい。熱可塑性樹脂の比率が10質量%未満であると、曲げ強さが低下する。一方、熱可塑性樹脂の比率が70重量%を超えると、圧縮成形時の加熱により成形機から熱可塑性樹脂が流出して成形が困難となる。
【0035】
(ウェブ)
繊維系ボードの原料である天然繊維および熱可塑性樹脂繊維はローラカードによるカーディング法にて均一に混合させることができる。
【0036】
そして、前記混合物からウェブを形成する。ウェブの態様としては、不織布でもよい。かかる不織布は、前記混合物をニードルパンチ処理することにより得ることができる。
【0037】
不織布の目付としては、50〜2000g/mが好ましい。
【0038】
(積層・成形)
前記ウェブを積層したものを圧縮して一体に成形することで効率的に繊維系ボードを製造することができる。そうすることで、ウェブに含まれる熱可塑性樹脂繊維が、圧縮成形において天然繊維との接着剤の役目を担うので、接着剤の塗布工程を別途設ける必要が無く、簡略な工程で本発明の繊維系ボードを効率良く製造することができる。
【0039】
ウェブの積層枚数としては、用途にもよるが2〜60枚程度が好ましい。
【0040】
圧縮成形工程においては、ウェブを積層したものを圧縮前に加熱するか、または圧縮と同時に加熱することが好ましい。加熱を行うことで、熱可塑性樹脂を溶融させ、極端に大きな圧力で圧縮を行わなくても強固な成形が可能となるので、全体的なエネルギーコストとしても好ましく、また、ボードの密度の調節も容易に行うことができる。均質なボードを成形する上では、圧縮と同時に加熱することが好ましい。
【0041】
加熱温度としては、熱可塑性樹脂を溶融して均一に分散させる上で180〜220℃が好ましい。また、加熱時間としては3〜20分が好ましい。
【0042】
圧縮の圧力としては、繊維材料や加熱温度にもよるが0.5〜12MPaが好ましい。
【0043】
圧縮成形に用いる加熱・加圧装置としては、上下2枚の加熱平板を用いるいわゆる平板加熱プレス装置を採用することができる。
【0044】
また、厚みが10mm以上の比較的厚いボードを成形する場合には、高周波誘導加熱装置を用いるのが好ましい。当該装置は、ウェブの積層体の内部まで均一に加熱することができるため、曲げ強さ、針やネジなどに対する突き刺し性、その保持性等、均一な特性のボードが得られる。
【0045】
(アミン系化合物の添加)
アミン系化合物は、その水溶液をスプレー法、ロールコーティング法等で塗布することにより繊維系ボードに添着させることが可能である。
【0046】
このうちロールコーティング法は、回転ローラーの表面に水溶液を塗布し、圧力を加えつつ、回転ローラー表面の水溶液を繊維系ボードに転写させる方法であり、ローラーの圧力により、ボード内部に水溶液を浸透させることができるため好ましい。
【0047】
ロールコーティング法におけるアミン系化合物の水溶液の粘度としては、300〜50000mPa・sが好ましい。当該範囲内の粘度に調整することで、均一に水溶液を塗布することが可能となる。水溶液の粘度の調整には、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース系の増粘剤や、アクリル系等の石油系増粘剤を用いることができる。なかでも、セルロース系の増粘剤は、植物由来で安全性も高く好ましい。
【0048】
増粘剤の水溶液に対する添加量としては、0.5〜10質量%が好ましい。
【0049】
(乾燥)
水溶液塗布後の繊維系ボードは、自然乾燥か、または乾燥機を用いて50〜120℃で乾燥させる。乾燥温度が120℃を上回ると、アミン系化合物が分解してアルデヒド化合物の吸着性能が低下するおそれがあるため好ましくない。
【実施例】
【0050】

[測定方法]
(1)アミン系化合物の添着量
各実施例・比較例における、アミン系化合物を添着させる前の繊維系ボードを、温度20℃、湿度65%RHの標準状態にて24時間放置後、30cm×30cmの試験片を3枚ずつ切り出し、添着前の試験片の質量(m)を測定した。
次いで、対応する各実施例・比較例と同様にして前記試験片にアミン系化合物水溶液を塗布し、50℃温度下で24時間乾燥後、上記標準状態にて24時間放置し、添着後の試験片の質量(m)を測定した。
次式によって1枚の試験片ごとに添着量を求めた上で、3枚の試験片の平均値を算出した。
塗着量(g/m)=(m−m)/S
ここに、m:添着前の試験片の質量(g)
:添着後の試験片の質量(g)
S:試験片の面積(m)。
【0051】
(2)繊維系ボードの見かけ密度
JIS A 5905:2003 6.3に準じて測定した。
繊維系ボードを温度20℃、湿度65%RHの標準状態にて24時間放置後、10cm×10cmの試験片を3枚切り出した。1枚の試験片について、上記規定中図5に示す測定箇所の幅、長さ及び厚さを測定し、それぞれについての平均値を求め試験片の幅、長さ及び厚さとし、体積(v)を求めた。次に、質量(m)を測定し、次式によって算出した。厚さは0.05mm、幅及び長さは0.1mm、質量は0.1gの精度まで測定し、密度は0.01g/cmの位まで算出した。1枚の試験片ごとに密度を求めた上で、3枚の試験片の平均値を求めた。
密度(g/cm)=m/v
ここに、m:質量(g)
v:体積(cm)。
【0052】
(3)繊維系ボードの平均ポアサイズ
ASTM F−316−86に基づき、多孔質材料自動細孔径分布システム(Porous Materials,Inc社製“Automated Perm Porometer” CFP−1200−AEXCS)を用いて下記条件で測定した。
試験片締め付け圧力:40MPa
試験片サイズ :直径45mm
測定サイズ :直径30mm。
【0053】
(4)ホルムアルデヒド吸着性
繊維系ボードを温度20℃、湿度65%RHの標準状態にて24時間放置後、13cm×3cmの試験片を3枚切り出した。このボード1枚を550mLの容器に初期濃度が100ppmとなるようにホルムアルデヒドガスを入れて密閉し、30分間放置後、ホルムアルデヒドガス検知管で残留ホルムアルデヒド濃度を測定した(残留ホルムアルデヒド濃度が少ないほど吸着性に優れる)。1枚の試験片ごとに残留ホルムアルデヒド濃度を求めた上で、3枚の試験片の平均値を求めた。
【0054】
(5)アセトアルデヒド吸着性
使用ガスをアセトアルデヒドガス、検知管をアセトアルデヒド用に変更した以外は、上記(4)と同様の方法にて測定した(残留アセトアルデヒド濃度が少ないほど吸着性に優れる)。
【0055】
[実施例1]
(不織布)
ポリ乳酸樹脂を溶融紡糸法により紡糸し、捲縮付与し、カットして、繊度6.6dtex、平均繊維長51mmのポリ乳酸短繊維を得た。このポリ乳酸短繊維と平均繊維長75mmのケナフ靭皮繊維とを30:70の質量比でローラーカードを用いて混綿し、開繊して目付1000g/mの不織布を得た。
【0056】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、次いで、この積層体を平板加熱プレス装置の2枚の鉄板の間に5mmのスペーサーと共に挟み、温度200℃、圧力2.4MPaで7分間、加熱加圧成形を行い、繊維系ボードを得た。
【0057】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてアジピン酸ジヒドラジド0.3質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度980mPa・sの水溶液を得た。
【0058】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
ロールコーティング機を用いて、上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を50g/mずつ(合計100g/m)塗布した。次いで、乾燥機を用いて、50℃温度下で24時間乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0059】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.2mm、密度0.63g/cm、アジピン酸ジヒドラジドの添着量0.32g/m、平均ポアサイズ12.1μmであった。
この繊維系ボードは、アセトアルデヒド吸着性にやや劣るが、ホルムアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0060】
[実施例2]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0061】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0062】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてアジピン酸ジヒドラジド1.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度930mPa・sの水溶液を得た。
【0063】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0064】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.1mm、密度0.65g/cm、アジピン酸ジヒドラジドの添着量1.08g/m、平均ポアサイズ10.6μmであった。
この繊維系ボードは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0065】
[実施例3]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0066】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0067】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてアジピン酸ジヒドラジド5.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1050mPa・sの水溶液を得た。
【0068】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0069】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.4mm、密度0.61g/cm、アジピン酸ジヒドラジドの添着量5.31g/m、平均ポアサイズ13.5μmであった。
この繊維系ボードは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0070】
[実施例4]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0071】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0072】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてアジピン酸ジヒドラジド10.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1080mPa・sの水溶液を得た。
【0073】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0074】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.1mm、密度0.61g/cm、アジピン酸ジヒドラジドの添着量10.18g/m、平均ポアサイズ9.8μmであった。
この繊維系ボードは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0075】
[実施例5]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0076】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0077】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてアジピン酸ジヒドラジド15.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1080mPa・sの水溶液を得た。
【0078】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0079】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.5mm、密度0.61g/cm、アジピン酸ジヒドラジドの添着量14.76g/m、平均ポアサイズ13.2μmであった。
この繊維系ボードは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0080】
[実施例6]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0081】
(積層・成形)
上記の不織布を2枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0082】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてアジピン酸ジヒドラジド5.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1050mPa・sの水溶液を得た。
【0083】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0084】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.2mm、密度0.42g/cm、アジピン酸ジヒドラジドの添着量5.96g/m、平均ポアサイズ21.8μmであった。
この繊維系ボードは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0085】
[実施例7]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0086】
(積層・成形)
上記の不織布を5枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0087】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてアジピン酸ジヒドラジド5.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1050mPa・sの水溶液を得た。
【0088】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0089】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.1mm、密度1.05g/cm、アジピン酸ジヒドラジドの添着量4.87g/m、平均ポアサイズ6.4μmであった。
この繊維系ボードは、アセトアルデヒド吸着性にやや劣るが、ホルムアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0090】
[実施例8]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0091】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0092】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてエチレン尿素0.3質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1050mPa・sの水溶液を得た。
【0093】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0094】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.5mm、密度0.65g/cm、エチレン尿素の添着量0.38g/m、平均ポアサイズ13.1μmであった。
この繊維系ボードは、アセトアルデヒド吸着性にやや劣るが、ホルムアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0095】
[実施例9]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0096】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0097】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてエチレン尿素1.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度980mPa・sの水溶液を得た。
【0098】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0099】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.4mm、密度0.62g/cm、エチレン尿素の添着量0.97g/m、平均ポアサイズ10.9μmであった。
この繊維系ボードは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0100】
[実施例10]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0101】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0102】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてエチレン尿素5.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1150mPa・sの水溶液を得た。
【0103】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0104】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.2mm、密度0.66g/cm、エチレン尿素の添着量5.83g/m、平均ポアサイズ9.4μmであった。
この繊維系ボードは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0105】
[実施例11]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0106】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0107】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてエチレン尿素10.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1150mPa・sの水溶液を得た。
【0108】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0109】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.3mm、密度0.63g/cm、エチレン尿素の添着量10.87g/m、平均ポアサイズ12.5μmであった。
この繊維系ボードは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0110】
[実施例12]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0111】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0112】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてエチレン尿素15.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1280mPa・sの水溶液を得た。
【0113】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0114】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.4mm、密度0.64g/cm、エチレン尿素の添着量15.26g/m、平均ポアサイズ13.3μmであった。
この繊維系ボードは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0115】
[実施例13]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0116】
(積層・成形)
上記の不織布を2枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0117】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてエチレン尿素5.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1150mPa・sの水溶液を得た。
【0118】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0119】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.2mm、密度0.44g/cm、エチレン尿素の添着量5.87g/m、平均ポアサイズ25.3μmであった。
この繊維系ボードは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0120】
[実施例14]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0121】
(積層・成形)
上記の不織布を5枚積層し、実施例1と同様にして、繊維系ボードを得た。
【0122】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてエチレン尿素5.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1150mPa・sの水溶液を得た。
【0123】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記繊維系ボードの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させた繊維系ボードを得た。
【0124】
上記のアミン系化合物を添着させた繊維系ボードは、厚さ5.3mm、密度1.08g/cm、エチレン尿素の添着量4.82g/m、平均ポアサイズ6.1μmであった。
この繊維系ボードは、アセトアルデヒド吸着性にやや劣るが、ホルムアルデヒド吸着性に優れるものであった。
【0125】
[比較例1]
(ボード)
厚さ5.5mm、密度0.6g/cmのMDF(ミディアムデンシティーファイバーボード)を用意した。
【0126】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてアジピン酸ジヒドラジド5.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1050mPa・sの水溶液を得た。
【0127】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記MDFの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させたMDFを得た。
【0128】
上記のアミン系化合物を添着させたMDFは、厚さ5.7mm、密度0.65g/cm、アジピン酸ジヒドラジドの添着量5.28g/m、平均ポアサイズ1.2μmであった。
このMDFは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に劣るものであった。
【0129】
[比較例2]
(ボード)
比較例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0130】
(アミン系化合物水溶液の調合)
アミン系化合物としてエチレン尿素5.0質量%、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロース1.3質量%を蒸留水に溶解させ、粘度1150mPa・sの水溶液を得た。
【0131】
(アミン系化合物水溶液の塗布・乾燥)
上記MDFの両面に上記アミン系化合物水溶液を、実施例1と同様にして塗布して乾燥させ、アミン系化合物を添着させたMDFを得た。
【0132】
上記のアミン系化合物を添着させたMDFは、厚さ5.6mm、密度0.65g/cm、エチレン尿素の添着量5.36g/m、平均ポアサイズ0.9μmであった。
このMDFは、ホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に劣るものであった。
【0133】
[比較例3]
(不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
【0134】
(積層・成形)
上記の不織布を3枚積層し、実施例1と同様にして、積層・成形を行い、厚さ5.2mm、密度0.62g/cm、平均ポアサイズ11.2μmの繊維系ボードを得た。
この繊維系ボードをアミン系化合物水溶液を塗布せず評価に供した。この繊維系ボードはホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性に劣るものであった。
【0135】
【表1】


【0136】
【表2】


【0137】
【表3】


【0138】
表より、実施例については一定のホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性を有しているが、比較例についてはホルムアルデヒド吸着性、アセトアルデヒド吸着性の双方で劣るものであった。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明の繊維系ボードは、優れたアルデヒド化合物吸着性能を有するため、住居やオフィス、病院、公共施設などの建築資材、自動車のシート基材、ドア基材、パッケージトレイ、ダッシュボード、スペアタイヤカバー、トラックの荷台内張りなどの自動車内装材、椅子や机などの家具として好適に使用される。中でも自動車内装材として使用した際にその機能を十分に発揮する。
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【出願日】 平成19年4月25日(2007.4.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−265254(P2008−265254A)
【公開日】 平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願番号】 特願2007−115129(P2007−115129)