トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 リグノセルロース系熱圧成形体用接着剤組成物
【発明者】 【氏名】東久保 一郎

【氏名】宇都宮 将之

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基含有接着剤(A)と水(B)を塗布する熱圧成形木質ボードの製造方法であって、
イソシアネート基含有接着剤(A)が、有機ポリイソシアネート(a1)と分子内に2つ以上α,β−不飽和カルボニル基を持つ化合物(a2)からなることを特徴とする熱圧成形木質ボードの製造方法。
【請求項2】
分子内に2つα,β−不飽和カルボニル基を持つ水酸基含有化合物(a2)が、トリメチロールプロパントリアクリレートである請求項1に記載の熱圧成形木質ボードの製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティクルボード、軟質繊維板(インシュレーションボード、IB)、半硬質繊維板、MDF、硬質繊維板(ハードボード、HB)、オリエンテッドストランドボード(OSB)等の熱圧成形により得られる木質ボードの製造方法、具体的には、機械的強度に優れた熱圧成形木質ボードの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、木材及びその二次加工品、合板、パーティクルボード等の接着剤として尿素樹脂、尿素メラミン樹脂、フェノール樹脂等が極めて多量に使用されている。しかしながら、尿素樹脂は熱硬化性には優れているものの含水率の高い基材への接着性能及び製品としての耐水性能に劣るとされている。また、フェノール樹脂は熱硬化性が悪く、高温で長時間の熱圧を必要とし、エネルギーコスト、生産性を考慮すると汎用樹脂として採用することは難しいとされている。
【0003】
昨今、これらの欠点を解決する目的で、有機ポリイソシアネート化合物を上記の各樹脂との混合系において使用することが試されており、優れた木質ボードを製造することが可能となっている。そこで、現在は更なる物性の向上を目的に、触媒を併用する方法が検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1に示されるように環状アミン化合物の有機酸塩触媒といった感温性触媒を有機ポリイソシアネート化合物と混合して用いることにより、常温では触媒活性が少なく、成形温度に応じた特定温度で触媒活性を発揮させて、硬化性と可使時間とを両立させる方法が開示されている。しかし、この方法では貯蔵安定性の問題から有機イソシアネートと触媒を混ぜることができないため,使用直前に配合するか,同時に木材へ塗布しなければならず,配合後短時間で使い切らなくてはならず,配合の管理が煩雑になるという問題があった。さらにイソシアネートの架橋密度は通常のものと変わらないため機械的強度面で十分なものが得られないという問題があった。

【特許文献1】特開平11−35918号公報
【0005】
さらに特許文献2に示されるように木質繊維系材料にあらかじめイソシアヌレート化触媒を含浸しておくことにより木質ボード内にイソシアヌレート結合を導入し,木質ボードの機械的強度を発現することが開示されている。しかしこの方法ではイソシアヌレート化触媒を木質繊維系材料にあらかじめ含浸させるという工程が必要なため,生産性を上げることが困難であるという問題があった。

【特許文献2】特開2003−276011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題を解決し、貯蔵安定性や生産性を損なうことなく、機械的強度に優れた熱圧成形木質ボードの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、上記の課題を解決する方法として、有機ポリイソシアネート化合物と、分子内に2つ以上α,β−不飽和カルボニル基を持つ化合物からなる接着剤を用いて木質ボードを成形することにより、強度の優れた木質ボードを得ることを見出した。
【0008】
本発明によれば、イソシアネート基が水(B)と反応した後に生成するアミノ基が、イソシアネート基含有接着剤(A)中のα,β−不飽和カルボニル基の2重結合と反応して高架橋化することが可能になる。これにより、架橋しない通常のイソシアネート基末端プレポリマーを使用する場合と比較して,熱圧成形により得られる木質ボードの機械的強度の大幅に上昇することが可能となる。
【0009】
即ち、本発明は以下のI〜IIに示されるものである。
I. イソシアネート基含有接着剤(A)と水(B)を塗布する熱圧成形木質ボードの製造方法であって、
イソシアネート基含有接着剤(A)が、有機ポリイソシアネート(a1)と分子内に2つ以上α,β−不飽和カルボニル基を持つ化合物(a2)からなることを特徴とする熱圧成形木質ボードの製造方法。
II. 分子内に2つα,β−不飽和カルボニル基を持つ水酸基含有化合物(a2)が、トリメチロールプロパントリアクリレートであるIに記載の熱圧成形木質ボードの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、木質ボードの製造において、有機ポリイソシアネート化合物と、分子内に2つ以上α,β−不飽和カルボニル基を持つ化合物からなる接着剤を用いることにより、機械的物性に優れた木質ボードを得ること可能となる。また、有機ポリイソシアネートを変性することなく高架橋化が可能となるため、有機ポリイソシアネートを変性する行程が不要であり、製造行程の短縮や有機ポリイソシアネートの貯蔵安定性に効果的である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に用いられる木質ボードの原料としては、木質繊維系材料、即ち、木質繊維状のものを、広葉樹、針葉樹を問わずに使用することができる。また、コーリャン茎、バガス、籾殻、麻、わら、い草、あし、ケナフ、椰子の実や樹、ゴムの樹、とうもろこし、おがくず等のリグノセルロース系チップも使用することができる。さらに、これらを混合して使用することも可能である。
【0012】
本発明において、有機ポリイソシアネート化合物(a1)としては、例えば、公知の2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4′−ジフェルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下”ポリメリックMDI”と略記)、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、また、その重合体やそのポリメリック体、更にこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0013】
本発明に使用する分子内に2つ以上α,β−不飽和カルボニル基を持つ化合物(a2)としては、エチレングリコールジアクリレート,ジエチレングリコールジアクリレート,トリエチレングリコールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,1,4−ブタンジオールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオールジアクリレート,1,9−ノナンジオールアタクリレート,1,10−デカンジオールジアクリレート,トリメチロールプロパントリアクリレート,エチレングリコールジメタクリレート,ジエチレングリコールジメタクリレート,トリエチレングリコールジメタクリレート,ネオペンチルグリコールジメタクリレート,1,4−ブタンジオールジメタクリレート,1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート,1,9−ノナンジオールジメタクリレート,1,10−デカンジオールジメタクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート,ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられ、これらの内1種若しくは2種以上を使用することができる。
【0014】
本発明において、イソシアネート基含有接着剤(A)を得る際に、有機ポリイソシアネート化合物(a1)を活性水素基含有化合物で変性してイソシアネート基末端プレポリマーとして使用することも可能である。活性水素基含有化合物としては、α,β−不飽和カルボニル基を持つ水酸基含有化合物、飽和ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール等が使用可能である。
【0015】
本発明で使用できるα,β−不飽和カルボニル基を持つ水酸基含有化合物としては、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル類が挙げられる。具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,グリセリンジアクリレート,トリエチレングリコールジアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピルメタクリレート,グリセリンジメタクリレート,トリエチレングリコールジメタクリレート等の1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0016】
本発明で使用するα,β−不飽和カルボニル基を持つポリエステルポリオールは、α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物を多価アルコールと脱水縮合反応等によって得られる。α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等及びこれらの無水物等の反応性誘導体などが挙げられ、これらの内1種若しくは2種以上を使用することができる。
【0017】
また,これらの不飽和ポリエステルポリオールを合成する際には、飽和多塩基酸又はその無水物を同時に使用することができる。飽和多塩基酸又はその無水物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、ヘット酸、テトラブロムフタル酸、トリメリト酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、コハク酸、アゼライン酸、ロジン−マレイン酸付加物等の芳香族カルボン酸、飽和酸及びこれらの無水物等の誘導体などが挙げられ、これらの内1種若しくは2種以上を使用することができる。
【0018】
また,これらの不飽和ポリエステル樹脂を合成する際に使用される多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール類、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール等の脂肪族グリコール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA等の脂環式ジオール、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、p−キシレン−α,α′−ジオール等の芳香族基含有ジオール、ペンタエリスリットジアリルエーテル等のエーテル類、三価以上の多価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、これらの内1種若しくは2種以上を使用することができる。
【0019】
飽和ポリエステルポリオールとしては、公知のコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸、酸エステル、又は酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等のグリコール、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等のジアミン又はアミノアルコール等の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオール又はポリエステルアミドポリオールが挙げられる。また、ε−カプロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0020】
ポリカーボネートポリオールとしては、多価アルコールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等との脱アルコール反応などで得られるものが挙げられる。この多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0021】
ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどを、後述する開始剤を用いて開環重合させた官能基数が1〜5の数平均分子量300〜10,000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等、及びこれらを共重合したポリエーテルポリオール、更に、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオールが挙げられる。前記ポリエーテルポリオールを得るための開始剤としては、官能基数が1〜8、数平均分子量18〜500の各種モノアルコール、グリコール、グリコールエーテル、モノアミン、ジアミン、アミノアルコール、水、尿素などを用いることができる。上記の化合物は単独で又はその2種以上を混合して使用することができる。本願でのポリエーテルポリオールは上記の定義から明らかなように、モノオールを包含するもので、アルコキシポリオキシエチレングリコールもポリエーテルポリオールに含まれ、水系接着剤として使用する時には有利である。
【0022】
前記の長鎖ポリオールの他に、短鎖ポリオールも好適に使用することができる。短鎖ポリオールとしては、分子量32〜300のものが好ましく、具体的には、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等のグリコール、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等のジアミン又はアミノアルコール等を挙げることができる。上記の化合物は、単独で又はその2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
本発明で使用できるイソシアネート基末端プレポリマーは、有機ポリイソシアネート(a1)と、活性水素基含有化合物とを、所定の配合比(イソシアネート基/水酸基(モル比))で仕込み、温度50〜100℃で1〜5時間反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーを得ることができる。
【0024】
また、有機ポリイソシアネート(a1)と、活性水素基含有化合物の配合比(イソシアネート基/水酸基(モル比))としては、1.5〜500の範囲であることが好ましく、中でも2〜400の範囲であることが特に好ましい。この当量比が1.5未満の場合は、イソシアネート基末端プレポリマーの粘度が過度に上昇し、作業性等に不具合が生じるので好ましくない。また、この当量比が500を超える場合は、イソシアネート基末端プレポリマーとしての効果が乏しくなるので好ましくない。
【0025】
本発明で使用するイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有量は、5〜50質量%であることが好ましく、最も好ましいのは10〜35質量%である。イソシアネート基含有量が5質量%以下だと、プレポリマーの粘度が高くなり木質材料にうまく塗布することができない。
【0026】
イソシアネート基含有接着剤(A)において有機ポリイソシアネート(a1)中に含まれるイソシアネート基とα,β−不飽和カルボニル基を持つ化合物(a2)中に含まれるα,β−不飽和カルボニル基の配合比(イソシアネート基/α,β−不飽和カルボニル基(モル比))としては2〜20の範囲であることが好ましく,中でも3〜10の範囲であることが特に好ましい。このモル比が2未満であれば木材と反応するイソシアネート基が少なくなり接着強度が低下する。またモル比が20を超える場合はα,β−不飽和カルボニル基による架橋の数が少なくなり効果が乏しくなるので好ましくない。
【0027】
イソシアネート基含有接着剤(A)を木質材料に塗布する割合としては、木質材料に対して、1〜20質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。
【0028】
本発明により木質ボードを製造する過程において、イソシアネート基含有接着剤(A)と水(B)の配合は、MDFやPB等で使用される乾式法と呼ばれる製法においては、(A)成分/(B)成分=10/1〜1/20であることが好ましく、中でも1/2〜1/5であることがさらに好ましい。またハードボード(HB)やインシュレーションボード(IB)で使用される湿式法では1/100〜1/10000であることが好ましく、中でも1/1000〜1/5000であることがさらに好ましい。
【0029】
本発明においては、更にホルマリン縮合系樹脂を併用することも可能である。
【0030】
併用できるホルマリン縮合系樹脂としては特に限定されず、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン共縮合樹脂、フェノール樹脂、フェノールメラミン共縮合樹脂等が挙げられる。これらのホルマリン縮合系樹脂は、単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0031】
なお、本発明においては、環境面を考慮して、前記ホルマリン縮合系樹脂として低ホルマリンタイプの樹脂(縮合時のモル比が、ホルマリン/他の原料化合物=1.0〜1.1であるもの)を使用することが好ましい。また、尿素やアンモニア等のようなホルマリンキャッチャー剤を併用することが好ましい。
【0032】
上記ホルマリン縮合系樹脂を併用する場合の配合比は、イソシアネート基含有接着剤(A)成分/ホルマリン縮合系樹脂成分=5/95〜95/5質量%であることが好ましく、10/90〜90/10質量%であることがさらに好ましい。
【0033】
本発明においては、イソシアネート基含有接着剤(A)と木質ボードの原料となる木質材料との反応硬化を促進するための触媒として、三級アミン系触媒、水酸基を有するアミン系触媒、及び金属系触媒等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのウレタン化触媒は、単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0034】
前記三級アミン系触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−シアノイミダゾール、1−シアノメチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、1−メチル−4−エチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−エチル−4−メチルイミダゾール、ピリジン、α−ピコリン等が挙げられる。
【0035】
水酸基を有するアミン系触媒としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N′−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヒドロキシプロピレンジアミン等が挙げられる。
【0036】
金属系触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸カリ、オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛等が挙げられる。
【0037】
本発明においてはまた、必要に応じて、セメント、高炉スラグ、石こう、炭酸カルシウム、粘土、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、生石灰、消石灰、ベントナイト等の無機充填剤や、レベリング剤、老化防止剤、耐熱性付与剤、抗酸化剤等を適宜配合量を調整して配合することができる。
【0038】
本発明における成形温度や成形時間については特に制限されるものではなく、使用する木質ボードの材料、目標とする木質ボードの物性により決定されるが、通常は40〜230℃、10〜600秒の範囲であり、好ましくは、160〜200℃、80〜200秒である。成形圧力についても同様に特に制限されるものではなく、使用する木質ボードの材料、目標とする木質ボードの物性によって決定されるが、通常は無加圧から5MPaの範囲から選ばれる。
【0039】
本発明により得ることのできる木質ボードとしては、合板、軟質繊維板(インシュレーションボード、IB)、半硬質繊維板、MDF、硬質繊維板(ハードボード、HB)、オリエンテッドストランドボード(OSB)等が挙げられる。
【実施例】
【0040】
次に、本発明による熱圧成形木質ボードの製造方法を、実施例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明は、かかる実施例のみに限定して解釈されるものではない。なお、以下において「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味するものとする。
【0041】
イソシアネート基含有接着剤の調整方法
(調整例1)
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコ内部を窒素置換した。これに、PMDIを900部とTMP−Aを100部仕込み、窒素雰囲気下、室温(約25℃)で2時間にわたり混合攪拌することによって、NCO含有量;28.0%、粘度;130mPa・s(25℃)のイソシアネート基含有接着剤「P−1」を得た。
【0042】
(調整例2)
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコ内部を窒素置換した。これに、PMDIを900部とEG−Mを100部仕込み、窒素雰囲気下、室温(約25℃)で2時間にわたり混合攪拌することによって、NCO含有量;28.0%、粘度;100mPa・s(25℃)のイソシアネート基含有接着剤「P−2」を得た。
【0043】
(調整例3)
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、PMDIを873部仕込み、液温が50℃に達したところで、MPEG−700を27部添加し、窒素雰囲気下、75℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。得られたイソシアネート基末端プレポリマーに、TMP−Aを100部仕込み、窒素雰囲気下、室温(約25℃)で2時間にわたり混合攪拌することによって、NCO含有量;26.9%、粘度;mPa・s(25℃)のイソシアネート基含有接着剤「P−3」を得た。
【0044】
(調整例4)
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、PMDIを873部仕込み、液温が50℃に達したところで、MPEG−700を27部添加し、窒素雰囲気下、75℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。得られたイソシアネート基末端プレポリマーに、EG−Mを100部仕込み、窒素雰囲気下、室温(約25℃)で2時間にわたり混合攪拌することによって、NCO含有量;27.0%、粘度;110mPa・s(25℃)のイソシアネート基含有接着剤「P−4」を得た。
【0045】
(調整例5)
PMDIをそのままイソシアネート基含有接着剤「P−5」とした。
【0046】
(調整例6)
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、PMDIを970部仕込み、液温が50℃に達したところで、MPEG−700を30部添加し、窒素雰囲気下、75℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、NCO含有量;30.0%、粘度;190mPa・s(25℃)のイソシアネート基含有接着剤「P−6」を得た。

【0047】
調整例1〜6で得たイソシアネート基含有接着剤P1〜P6を表1に示す。

【0048】
【表1】



【0049】
(使用原料)
PMDI :ポリメリックMDI
イソシアネート含量=31.1%
ポリメリックMDI中のMDI含有量=42%
MDI中の4,4′−MDI含有量=99%
MPEG−700:メトキシポリエチレングリコール
数平均分子量=700
平均官能基数=1
TMP−A :トリメチロールプロパントリアクリレート、製品名:ライトアクリレートTMP−A、共栄社化学社製
EG−M :エチレングリコールジメタクリレート、製品名:ライトエステルEG、共栄社化学社製
【0050】
実施例1〜4、比較例1、2
表1により得られた有機ポリイソシアネート化合物P1〜P6を用いて、木質ボードとしてMDF及びPBを得た。得られた木質ボードの評価結果を表2に示す。
【0051】
【表2】



【0052】
木質ボードの熱圧成形:
(1)成形条件
ボードサイズ:46cm×46cm
ボード厚み:15mm
設定密度:0.700g/cm3
製品含水率:9%
マット含水率:14%
熱盤(プレス)温度:180℃
熱盤(プレス)圧力:30kg/cm2(面圧)
熱盤(プレス)時間:150秒
(2)成形方法
熱圧成形体材料として木質繊維を使用する場合は、表2に記載の量の木質チップ(針葉樹)を加圧リファイナーを用いて、蒸解圧力=0.7MPa、蒸解温度=120℃の条件で解繊(繊維化)した。それを配管に通し、表2に記載の量の有機ポリイソシアネート化合物をスプレー塗布した後、前記マット含水率になるまで乾燥させて木質繊維を得た。
圧成形体材料として木質チップを使用する場合は、表2に記載の量の木質チップに表2に記載の量の有機ポリイソシアネート化合物をスプレー塗布することにより木質チップを得た。その後、塗布された上記木質チップ又は木質繊維を取り出して、成形後の熱圧成形体の密度が設定密度になるように計量し、下記の鉄板上に前記ボードサイズになるようにフォーミング成形装置を用いてフォーミングし、更に同形状の鉄板を上に載せ、前記条件で熱圧成形した。
【0053】
表2の実施例、比較例の木質ボードの各種物性値については、JIS−A5908に準じて測定した。
【0054】
表2に示されるように、本発明により得られるイソシアネート基含有接着剤中に分子内に2つ以上α,β−不飽和カルボニル基を有する接着剤を使用した木質ボードは、導入していない木質ボードと比較して、優れた曲げ強度が得られる結果となった。
【出願人】 【識別番号】000230135
【氏名又は名称】日本ポリウレタン工業株式会社
【出願日】 平成19年3月29日(2007.3.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−238756(P2008−238756A)
【公開日】 平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願番号】 特願2007−86245(P2007−86245)