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複合板 - 特開2008−173836 | j-tokkyo
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【発明の名称】 複合板
【発明者】 【氏名】鈴木 伸一

【氏名】前田 直彦

【氏名】足立 有弘

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水加工された木質繊維板の少なくとも片面に、比重0.75以上の靱皮繊維板または竹繊維板を貼着されていることを特徴とする複合板。
【請求項2】
請求項1記載の複合板の製造方法であって、木質繊維板と靱皮繊維板または竹繊維板とを、水系エマルジョン接着剤を用いてコールドプレスして貼着することを特徴とする複合板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複合板および複合板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大量消費による環境破壊等の問題によって南洋合板が入手難となり、その代替材として、MDF(Medium Density Fiberboard)、PB(Particle Board)等の木質繊維板への置き換えが検討されてきた。しかし、このMDF、PB等の木質繊維板は、リサイクル性が優れる上、表面強度や平滑性が優れているという一方で、曲げ強度が低い上、吸放湿寸法変化が大きいという欠点を有している。
【0003】
このため、木質繊維板の裏面に剛性の強い木質単板や靱皮繊維板等を貼着し、強度の向上を図ったとしても、溶剤系接着剤を用いれば、ホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物によるシックハウス症候群等が問題となり、比較的揮発性有機化合物の含有量が少ない水系エマルジョン接着剤を用いれば、接着剤の水分によって吸放湿寸法変化を生じ、反りが発生してしまう。反りの問題に対しては、例えば特許文献1のように、木質繊維板の表裏面に同一材料よりなる合板等を貼着するような対称構造の複合板とすれば、その寸法差が上下で相殺されることによって改善するが、対称構造に限定されてしまう上、層の数が増える毎に厚さが倍増し、またコストがかかってしまうという問題点を有している。
【特許文献1】特開2000−246709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、非対称構造であっても、木質繊維板に反りが発生せず、かつ曲げ強度が優れた複合板を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の複合板は、上記の課題を解決するために、第1には、防水加工された木質繊維板の少なくとも片面に、比重0.75以上の靱皮繊維板または竹繊維板を貼着されていることを特徴としている。
【0006】
第2には、複合板の製造方法であって、木質繊維板と靱皮繊維板または竹繊維板とを、水系エマルジョン接着剤を用いてコールドプレスして貼着することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
上記第1の発明によれば、吸放湿寸法変化の大きい木質繊維板に防水加工を施して吸水を抑えるとともに、吸水性は大きいが吸放湿寸法変化の小さく、剛性が高い比重0.75以上の靱皮繊維板もしくは竹繊維板を張り合わせることで、反りを発生せずに曲げ強度の向上を図ることができるのである。
【0008】
また、第2の発明によれば、木質繊維板と靱皮繊維板または竹繊維板との間の水性エマルジョン接着剤の水分の大半は、靱皮繊維板または竹繊維板に吸収されることとなり、木質繊維板の寸法変化が抑えられて貼着され、また、わずかな水分を木質繊維板が吸収したとしても剛性の高い靱皮繊維板または竹繊維板が押さえ込むことができるのである。また、ホットプレスではなく、コールドプレスすることで、水性エマルジョン接着剤の水分が蒸気となり、その蒸気が防水加工された木質繊維板へと侵入し、反りが生じてしまうことを防ぐことができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
木質繊維板とは、木質繊維を原料として、接着剤となる合成樹脂を添加して成形・固化された板のことであり、本発明における木質繊維板は、入手可能な木質繊維板であれば特に制限されず、PB、MDF、HDF(High Density Fiberboard)、OSB(Oriented Standard Board)等が例示される。
【0011】
また、靱皮繊維板とは、靱皮繊維を原料として、接着剤となる合成樹脂を添加して成形・固化された板のことであり、竹繊維板とは、竹繊維を原料として、接着剤となる合成樹脂を添加して成形・固化された板のことである。本発明における靱皮繊維板、竹繊維板は、比重0.75以上のものである。これは、比重0.75未満の靱皮繊維板または竹繊維板では、十分な剛性が得られず、曲げあるいは反りが大きくなってしまい、十分な効果が得られないためである。ただし、比重0.75以上であれば、特に制限されず、靱皮繊維板としては、ケナフ繊維樹脂板、ジュート繊維樹脂板等が例示され、竹繊維板についても同様に制限されない。
【0012】
本発明の複合板の構造としては、木質繊維板の少なくとも片面に、比重0.75以上の靱皮繊維板または竹繊維板を有すれば、その厚み、バランス等は、曲げあるいは反りを十分に抑えることができる範囲において特に制限されるところではない。ただし、木質繊維板−靱皮繊維板または竹繊維板−木質繊維板の三層構造とした複合板において、木質繊維板同士の厚みを同一とすることで、反りを小さくし、曲げ強度を向上させることも考慮されるが、本発明においてはこの構成は除外されることは言うまでもなく、本発明は、対称構造以外の構造、つまり非対称構造を可能とするものである。
【0013】
本発明の複合板あるいはその製造方法における接着剤としては、ホルムアルデヒド等揮発性有機化合物を多く含有する溶剤系接着剤ではなく、比較的含有量の少ない水系エマルジョン接着剤を用いることが考慮される。これは、揮発性有機化合物が飛散し、シックハウス症候群等の問題を生じる恐れが水系エマルジョン接着剤と比べて溶剤系接着剤が高いためである。本発明は、水系エマルジョン接着剤を用いても、木質繊維板に防水加工がされているため、木質繊維板と靱皮繊維板または竹繊維板との間の水性エマルジョン接着剤の水分の大半は、靱皮繊維板または竹繊維板に吸収されることとなり、木質繊維板の寸法変化が抑えられて貼着され、また、わずかな水分を木質繊維板が吸収したとしても剛性の高い靱皮繊維板または竹繊維板が押さえ込むことができる。このため、水系エマルジョン接着剤を積極的に使用することができるのである。例えば、水系エマルジョン接着剤の塗布量については、50g/m以上200g/m以下程度を目安とすることができるが、木質繊維板と靱皮繊維板または竹繊維板との接着が強固となればこの範囲に限定されるものではない。
【0014】
また、本発明の複合板の製造方法として、コールドプレスすることが好ましい。ホットプレス等加熱してしまうと、水性エマルジョン接着剤の水分が蒸気となり、その蒸気が防水加工された木質繊維板へと侵入し、反りが生じてしまうためである。例えば、プレス圧力は5kg/cm以上20kg/cm以下程度、プレス時間としては20min以上2hr以下程度を目安とすることができるが、木質繊維板と靱皮繊維板または竹繊維板との接着が強固となればこの範囲に限定されるものではない。
【0015】
なお、本発明の複合板は、様々な用途として用いることができ、木質繊維板が本来有している表面強度や表面平滑性を有効に用いるのであれば、床板等が例示される。
【0016】
そこで以下に実施例を説明する。もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の複合板の一実施形態の側面図である。
【0018】
図1のように、木質繊維板11の片面に靱皮繊維板12または竹繊維板12を貼着されている形態とした複合板1をコールドプレスによって作製し、複合板1についてJAS曲げ、反りを測定した。なお、JAS曲げは、スパン700mm、幅100mmあたり荷重3kgと7kgでのたわみ量差を測定し、複合板の厚みが12mmに達しないものは12mmとする換算値を算出した。反りは、300mm×300mmの複合板の貼着後24時間における対角反りを測定し、その平均値を算出した。評価は、JAS曲げについては、3.5mm以内を○、3.5mm超過を×とし、反りについては0.3mm以内を○、1mm以上を×、その間を△とし、総合評価は、JAS曲げおよび反りがともに○であったものを○とし、それ以外を×とした。
【0019】
材料構成、貼着方法は以下のとおりである。
【0020】
(実施例1)
・木質繊維板11:耐水性PB(ノボパン工業(株)製 耐水性能向上品)、厚さ9.0mm、比重0.81、接着剤としてイソシアネート系樹脂、JAS2類浸漬はくり試験で厚み膨潤率9%。
・靱皮繊維板12:ケナフ繊維フェノール樹脂板、厚さ1.5mm、比重0.990、フェノール含浸率25%。
・貼着方法:接着剤として水性ビニルウレタン(大鹿振興(株)ピーアイボンドNS−5、架橋剤K=100:10)、塗布量120g/m、プレス圧力8kg/cm、プレス時間1時間。
【0021】
(実施例2)
・実施例1において、靱皮繊維板12の代わりに、竹繊維板12としたもの。
・竹繊維板12:竹繊維ウレタン樹脂板(竹繊維10〜25mmカット品をウレタン樹脂バインダーにて熱硬化したもの)、厚さ2.8mm、比重0.88。
【0022】
(実施例3)
・実施例1において、木質繊維板11として耐水性PBの代わりに、耐水性MDFとしたもの。
・木質繊維板11:耐水性MDF(ホクシン(株)製 耐水性能向上品)、厚さ9.0mm(厚さ5.5mmのものを貼り合せて切削して9.0mmとした)、比重0.82、接着剤としてイソシアネート系樹脂、JAS2類浸漬はくり試験で厚み膨潤率11%。
【0023】
また、比較例として、以下のような材料構成として比較例1〜3を作製し、同様にJAS曲げ、反りを測定し、評価を行った。なお、比較例1〜3については、実施例1〜3と同様に、図1に準じる構成とし、後述する比較例1〜3についての記述において、図1に対応する符号を付してあるが、比較例1〜3は本発明に含まれないものであることは言うまでもない。
【0024】
(比較例1)
・実施例1において、靱皮繊維板12として比重0.81のケナフ繊維フェノール樹脂板の代わりに、比重を0.65のケナフ繊維フェノール樹脂板としたもの。
【0025】
(比較例2)
・実施例1において、木質繊維板11として耐水性PBの代わりに、一般のPBとしたもの。
・木質繊維板11:PB(耐水性能を向上させていない)、比重0.75、接着剤としてユリア系樹脂、JAS2類浸漬はくり試験で厚み膨潤率31%。
【0026】
(比較例3)
・実施例1において、靱皮繊維板12の代わりに、厚さ1.5mm、含水率11%のラワンロータリー単板12としたもの。
【0027】
ここで、参考として、実施例で用いた木質繊維板11等の材料の吸湿寸法変化量の結果を表1示す。
【0028】
【表1】


【0029】
以上のような、実施例1〜3および比較例1〜3のJAS曲げおよび反りの結果は表2のとおりであった。なお、表2に記載された凹凸とは、木質繊維板11側を上とした場合の凹凸として、図2に示すような定義とした。
【0030】
【表2】


【0031】
表2より、防水加工された木質繊維板11の片面に、比重0.75以上の靱皮繊維板12または竹繊維板12を貼着されている複合板1は、防水加工されていない木質繊維板や、比重0.75以上の靱皮繊維板または竹繊維板でない材料を用いた場合と比較して、JAS曲げ、反りの結果が優れていた。
【0032】
以上のことより、本発明の複合板は、非対称であっても、曲げ強度が優れ、反りの少ないものであることが示された。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の複合板の一実施形態の側面図である。
【図2】反りの凹凸の定義を示した概略図である。
【符号の説明】
【0034】
1 複合板
11 木質繊維板
12 靱皮繊維板または竹繊維板
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成19年1月17日(2007.1.17)
【代理人】 【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫


【公開番号】 特開2008−173836(P2008−173836A)
【公開日】 平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願番号】 特願2007−8573(P2007−8573)