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【発明の名称】 機能性パーティクルボードの製造方法
【発明者】 【氏名】松永 栄二

【氏名】稲川 治久

【氏名】都丸 安彦

【氏名】苗木 浩史

【要約】 【課題】離型性が良好で、かつ、表面に種々の機能性を付与することが可能な機能性パーティクルボードの製造方法を提供する。

【解決手段】マット層を中にして上に熱可塑性樹脂シート4と、下に該熱可塑性樹脂シート4とは異なる機能を有する機能性シート1とを積層してなるパーティクルボードの製造方法であって、上記機能性シート1の上面に木材チップ3と接着剤2とを混合、散布してマット層を形成し、さらにこのマット層の上に熱可塑性樹脂シート4を載置し、ついで上下のプレス盤6、7で挟んで加熱、加圧し、全体を一体化してなる機能性パーティクルボードの製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マット層を中にして上に熱可塑性樹脂シートと、下に該熱可塑性樹脂シートとは異なる機能を有する機能性シートとを積層してなるパーティクルボードの製造方法であって、上記機能性シートの上面に木材チップと接着剤とを混合、散布してマット層を形成し、さらにこのマット層の上に熱可塑性樹脂シートを載置し、ついで上下のプレス盤で挟んで加熱、加圧し、全体を一体化してなる機能性パーティクルボードの製造方法。
【請求項2】
上記機能性シートの上面に予め接着剤を塗布し、上記熱可塑性樹脂シートの下面に予め接着剤を塗布し、マット層を中にして積層する請求項1に記載の機能性パーティクルボードの製造方法。
【請求項3】
上記機能性シートの上に合板を載置し、該合板上に木材チップと接着剤とを混合、散布してマット層を形成し、該マット層の上に熱可塑性樹脂シートを載置し、加熱、加圧する請求項1に記載の機能性パーティクルボードの製造方法。
【請求項4】
上記合板に実加工を施してなる請求項3に記載の機能性パーティクルボードの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティクルボードに関する。さらに詳しくは、機能性を有するパーティクルボードの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築材料の建具造作材や、家具製造等の分野で広く使用されているパーティクルボードは、木材チップやウエハ、木毛、ストランド、木粉などの木質材料を、通常、熱硬化性樹脂からなる接着剤と混合してマット状とし、加熱、加圧下に上記マット体をコアとするボードに成型して製造されている。このとき、上記木材チップ等の木質材料と接着剤とが混合して形成されたマット体は、上下のプレス盤に挟まれてホットプレスされるが、接着剤がプレス盤に付着したり、成型後のボードがプレス盤に付着して離型しにくいという問題がある。
【0003】
上記問題を解決するため、下記特許文献1には、接着剤と混合した上記木材チップ等の木質床材をフォーミングしてマット状とし、このマット体をホットプレスしてボードに成型する際、上記マット体とプレス盤との間に布、好ましくは、非極性プラスチックを主体とした繊維からなる布を介在させて熱圧成型するパーティクルボード等、木質ボードの製造方法が開示されている。
【特許文献1】特開平7−112411号公報(第1〜4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法を用いて得られた木質ボードは、表面に布目が残り、平滑な表面が求められる場合に適用することは困難である。また、熱圧成型する際に布から接着剤が滲み出し、必ずしも離型性は良好とはいえない。
【0005】
本発明はこのような問題を解決して、離型性が良好で、かつ、表面に種々の機能性を付与することが可能なパーティクルボードの製造方法を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明においては、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、マット層を中にして上に熱可塑性樹脂シートと、下に該熱可塑性樹脂シートとは異なる機能を有する機能性シートとを積層してなるパーティクルボードの製造方法であって、上記機能性シートの上面に木材チップと接着剤とを混合、散布してマット層を形成し、さらにこのマット層の上に熱可塑性樹脂シートを載置し、ついで上下のプレス盤で挟んで加熱、加圧し、全体を一体化してなる機能性パーティクルボードの製造方法が提供される。
【0007】
上記接着剤としては、熱硬化性樹脂からなるものが好ましく用いられ、かかる熱硬化性樹脂は、加熱により硬化して木材チップどうしを接着する。例えば、イソシアナート系、フェノル系、ユリヤ系、メラミン系等の熱硬化性樹脂をあげることができる。また、硬化温度は、上記熱可塑性樹脂シートや機能性シートを構成する樹脂の融点より低いものが好ましく用いられる。すなわち、ホットプレス時の加熱温度は、熱可塑性樹脂シートや機能性シートの融点より低い温度とされる。
【0008】
請求項2に記載の機能性パーティクルボードの製造方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記機能性シートの上面に予め接着剤を塗布し、上記熱可塑性樹脂シートの下面に予め接着剤を塗布し、マット層を中にして積層したものである。このとき、予め、上記機能性シートの上面に塗布する接着剤と、予め、上記熱可塑性樹脂シートの下面に塗布する接着剤と、木材チップに混合される接着剤とが同種であることが好ましい。
【0009】
請求項3に記載の機能性パーティクルボードの製造方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記機能性シートの上に合板を載置し、該合板上に木材チップと接着剤とを混合、散布してマット層を形成し、該マット層の上に熱可塑性樹脂シートを載置し、加熱、加圧したものである。
【0010】
請求項4に記載の機能性パーティクルボードの製造方法は、請求項3に記載の発明に加えて、上記合板に実加工を施したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明にかかる機能性パーティクルボードの製造方法は上記のとおりであり、マット層を中にして上に熱可塑性樹脂シートと、下に該熱可塑性樹脂シートとは異なる機能を有する機能性シートとを積層し、上下のプレス盤により加熱、加圧して全体を一体化して製造するため、例えば、機能性シートとして吸湿性シートを用い、熱可塑性樹脂シートとして撥水性熱可塑性樹脂シートを用いれば、下面は吸湿性を有し、上面は撥水性を有する機能性パーティクルボードを得ることができる。また、上下のプレス盤の加熱温度を熱可塑性樹脂シートおよび撥水性熱可塑性樹脂シートの融点よりも低くすることにより、プレス盤に接着剤が残留したり、マットが付着することを防いで、剥離性よく、機能性パーティクルボードを製造することができる。
【0012】
請求項2に記載の機能性パーティクルボードの製造方法は、請求項1に記載の機能性パーティクルボードの製造方法の有する効果に加えて、上記機能性シートの上面には予め、接着剤を塗布し、その上に木材チップと接着剤とを混合、散布してマット層を形成するため、木材チップを接着するために用いられた接着剤と、予め上記機能性シートの上面に塗布された接着剤とが相乗的に作用し、しっかりとマット層の下面に機能性シートを接着させることができる。
【0013】
また、上記熱可塑性樹脂シートの下面に予め、接着剤を塗布してマット層の上に載置し、接着するため、木材チップを接着するために用いられた接着剤と熱可塑性樹脂シートの下面に予め、塗布された接着剤とが相乗的に作用し、しっかりとマット層の上面に熱可塑性樹脂シートを接着させることができる。
【0014】
請求項3に記載の機能性パーティクルボードの製造方法は上記のとおりであり、請求項1の機能性パーティクルボードの製造方法の有する効果に加え、上記機能性シートの上に合板を載置し、該合板上に木材チップと接着剤とを混合、散布してマット層を形成し、該マット層の上に熱可塑性樹脂シートを載置し、加熱、加圧することにより、例えば、機能性シートとして、木目模様を印刷した塩化ビニル樹脂等を用い、下プレス盤と上プレス盤とで挟んで加熱下に加圧すれば、化粧シートが合板にラミネートされ、1回の工程で化粧されたパーティクルボードを製造することができる。
【0015】
請求項4に記載の機能性パーティクルボードの製造方法は上記のとおりであり、請求項3の機能性パーティクルボードの製造方法の有する効果に加え、上記合板に実加工を施すことにより、例えば、上記化粧されたパーティクルボードの長手方向端部に相じゃくり加工を施し、側端部どうしを接合することにより、本発明の方法で得られた機能性パーティクルボードを建築材料の建具造作材や、家具製造等の分野で広く使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明にかかる機能性パーティクルボードの製造方法の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。上記機能性パーティクルボードは、マット層を中にして上に熱可塑性樹脂シートと下に該熱可塑性樹脂シートとは異なる機能を有する機能性シートとを積層して構成される。図1は、本発明の第1実施形態にかかる機能性パーティクルボードの製造方法の初期の工程を示す説明図である。
【0017】
図1に示すように、まず、下プレス盤6の上に機能性シート1を載置する。このとき、予め、接着剤2を上記機能性シート1の上面に塗布しておく。つぎに、図2に示すように、上記予め、接着剤2を塗布した機能性シート1の上面に木材チップ3と接着剤2とを混合して散布する。このとき、該接着剤2は、予め機能性シート1の上面に塗布した接着剤2と同じ接着剤2を用いれば、同種の接着剤を用いることにより親和性が増して強力な接着効果を得ることができる。
【0018】
ついで、本発明の方法においては、図3に示すように、上記マット層を形成する木材チップ3と接着剤2との混合物の上に熱可塑性樹脂シート4を載置する。このとき、上記熱可塑性樹脂シート4の下面には、前記と同様に予め接着剤2を塗布しておくことが好ましい。図3に示すマット層を中にして、上に熱可塑性樹脂シート4、下に該熱可塑性樹脂シート4とは異なる機能を有する機能性シート1とからなる積層体は、加熱下に上プレス盤7によって白抜き矢印で示すようにプレスされる。
【0019】
図4は、上記熱可塑性樹脂シート4および機能性シート1の融点より低い温度に加熱された下プレス盤6と上プレス盤7とによって加圧され、上記積層体をボードに成型する工程を示す説明図である。図5は、ボードに成形された積層体を冷却後、上プレス盤7、下プレス盤6を取り外して得られた本発明の第1実施形態によって製造された機能性パーティクルボードAを示す側面図である。図5に示すように、木材チップ3と接着剤2とからなるマット層はホットプレスされてコア層Cを形成し、上面には熱可塑性樹脂シート4が下面には機能性シート1がフェイス層として積層されている。
【0020】
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態においては、上記機能性シート1の上に合板5を載置し、合板5の上に木材チップ3と接着剤2との混合物を散布してマット層を形成する。このとき、例えば、機能性シート1として、木目模様を印刷した塩化ビニル樹脂等の化粧シートを用いれば、その上に合板を載置するため、下プレス盤6と上プレス盤7とによって加熱下に加圧することにより上記化粧シートが合板にラミネートされる。その結果、化粧されたパーティクルボードを1回の工程で製造することができる。なお、前記と同様に、第2実施形態においても、合板5の上に木材チップ3の相互の接着に用いられた接着剤2と同種の接着剤2を予め塗布しておくことが好ましい。
【0021】
図6は、図4に示すマット層と機能性シート1と間に合板5を介在させて加熱下に加圧する、本発明にかかる機能性パーティクルボードの製造方法の第2の実施形態を示す説明図である。上記熱可塑性樹脂シート4およびデザインされた機能性シート1の融点より低い温度に加熱した下プレス盤6と上プレス盤7とによってホットプレスすることにより、木目模様を印刷した塩化ビニル樹脂等、化粧シートでラミネートされた機能性パーティクルボードを1回の工程で製造することができる。
【0022】
図7は、上記した本発明の第2の実施形態によって製造された化粧ボードBを機能性シート1を表にして示す斜視図である。図7に示すように、上記化粧ボードBの長手方向端部には相じゃくり加工で隣り合う側端部どうしを接合できるように実構造Sが設けられている。このようにすることによって、本発明の方法で得られた機能性パーティクルボードを建築材料の建具造作材や、家具製造等の分野で広く使用することができる。
【0023】
なお、本実施形態においては、機能性シート1として塩化ビニル樹脂等からなる化粧シートを例として説明したが、デザインされた不織布等のシート体を用いてもよい。このように、本発明は、種々設計変更可能であり、特許請求の範囲を逸脱しない限り、本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる機能性パーティクルボードの製造方法の初期の工程を示す説明図である。
【図2】図1における接着剤を塗布した機能性シートの上面に木材チップと接着剤とを混合して散布した状態を示す説明図である。
【図3】図2に示す木材チップと接着剤との混合物の上に熱可塑性樹脂シートを載置した状態を示す説明図である。
【図4】図3に示す積層体をボードに成型する工程を示す説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態によって製造された機能性パーティクルボードを示す側面図である。
【図6】本発明にかかる機能性パーティクルボードの製造方法の第2の実施形態を示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態によって製造された化粧ボードを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
A 本発明の第1実施形態によって製造された機能性パーティクルボード
B 本発明の第2の実施形態によって製造された化粧ボード
C コア層
S 実構造
1 機能性シート
2 接着剤
3 木材チップ
4 熱可塑性樹脂シート
5 合板
6 下プレス盤
7 上プレス盤
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成19年1月17日(2007.1.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−173810(P2008−173810A)
【公開日】 平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願番号】 特願2007−7867(P2007−7867)