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木質系基材の表面処理方法 - 特開2008−149487 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 木質系基材の表面処理方法
【発明者】 【氏名】福村 直子

【要約】 【課題】簡単かつ容易に、しかも低コストに木質系基材の表面を綺麗な平滑面とし、この平滑面に模様をプリントして高品質な表面処理をする。

【解決手段】木質系基材の表面処理方法は、MDFやパーチクルボード、又は木板のいずれかからなる木質系の基材1の表面に、未硬化で液状ないしペースト状のバインダー6に、天然石を粉末状に粉砕してなる天然石粉末を含む無機粉末5を添加、混合してなるコーティングペーストを、粗面である基材表面の凹凸よりも厚く塗布するコーティング工程と、コーティング工程でコーティングされたコーティングペーストを硬化させてベースコート層3とした後、ベースコート層3の表面を平滑な面に研磨し、研磨されたベースコート層3でもって、基材の表面を平滑面4に修正する表面平滑工程と、ベースコート層3で表面を平滑面4に修正してなる基材の表面に、表面模様をプリントする模様印刷工程とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材が粉砕された木材粉砕片を接着剤で結合して板状にしているMDFやパーチクルボード、又は木板のいずれかからなる表面を粗面とする木質系の基材(1)の表面に、未硬化で液状ないしペースト状のバインダー(6)に、天然石を平均粒径を1μmないし50μmとする粉末状に粉砕してなる天然石粉末を含む無機粉末(5)を50重量%ないし90重量%添加、混合してなるコーティングペーストを粗面である基材表面の凹凸よりも厚く塗布するコーティングペーストのコーティング工程と、
コーティング工程でコーティングされたコーティングペーストを硬化させてベースコート層(3)とした後、ベースコート層(3)の表面を平滑な面に研磨し、研磨されたベースコート層(3)でもって、基材の表面を平滑面(4)に修正する表面平滑工程と、
ベースコート層(3)で表面を平滑面(4)に修正してなる基材の表面に、表面模様をプリントする模様印刷工程とからなる木質系基材の表面処理方法。
【請求項2】
木材が粉砕された木材粉砕片を接着剤で結合して断面形状を同じとする細長い棒状にしてなるMDFやパーチクルボード、又は棒状の木材のいずれからなる表面を粗面とする木質系の基材(1)を、基材の断面形状よりも大きなダイ(9)の押出口(9A)から押し出すと共に、この押出口(9A)と基材との隙間から、未硬化で液状ないしペースト状のバインダー(6)に、天然石を平均粒径を1μmないし50μmとする粉末状に粉砕してなる天然石粉末を含む無機粉末(5)を50重量%ないし90重量%添加、混合してなるコーティングペースト(8)を基材と一緒に押し出して、粗面である基材表面の凹凸よりも厚くコーティングして、コーティングペースト(8)でもって粗面である基材表面の凹凸を吸収するコーティングペースト(8)のコーティング工程と、
コーティング工程でコーティングされたコーティングペースト(8)を硬化させた後、基材の表面に、表面模様をプリントする模様印刷工程とからなる木質系基材の表面処理方法。
【請求項3】
コーティング工程の後、コーティングペースト(8)を硬化させてなるベースコート層(3)の表面を平滑な面に研磨した後、模様印刷工程で平滑な表面に模様を印刷する請求項2に記載される木質系基材の表面処理方法。
【請求項4】
模様印刷工程で模様を印刷した後、表面をエンボス加工する請求項1ないし3のいずれかに記載される木質系基材の表面処理方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、MDFやパーチクルボード、又は木板であって、表面を粗面とする木質系の基材を使用し、この木質系の基材の表面をプリント模様で綺麗に装飾してなる木質系基材の表面処理方法に関し、とくに、木質系の基材の表面にある凹凸を研磨して平滑面とするのに代わって、表面にコーティングするベースコート層で表面の凹凸を吸収して平滑面とし、平滑面に模様をプリントする木質系基材の表面処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
机やベッド等の家具は、木材が粉砕された木材粉砕片を接着剤で結合して板状にしているMDFやパーチクルボード、又は木板からなる木質系の基材の表面に、プリント模様層を設けて綺麗に表面仕上げして、天然木材と同じ木目模様にできる。木質系の基材は、表面が凹凸のある粗面であるから、表面にプリントする前工程として、表面を平滑な面に加工する必要がある。従来は、木質系の基材の表面を平滑面に加工するために、木質系の基材の表面に、下地層として最初にシーラー等の塗料を塗布し、シーラーの上に複数層に塗料を塗布している。また、表面を綺麗な平滑面とするために、塗料を塗布するごとに、表面を研磨する工程を繰り返して、表面を平滑な面に仕上げしている。このため、木質系の基材の表面処理には極めて手間がかかり、製造コストが高くなっている。とくに、表面を綺麗な平滑面とするほど、塗料を塗布する回数とこれを研磨する回数が多くなり、手間ががかかって製造コストが相当に高くなる。
【0003】
この欠点を解消する方法が特許文献1に記載される。この公報に記載される方法は、木質系の基材であるMDFボードやパーチクルボード等の上に、インジェクション成形、プレス成形、異型押出成形などにより別途作成した模様材を接着し、その表面をPVCシート等の仕上げシートで全体を覆い、メンブレンプレスにより一体化して表面処理する。
【特許文献1】特開平6−297572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される方法は、MDFやパーチクルボード等の木質系の基材の表面に模様材を接着し、この模様材で木質系の基材の凹凸を吸収するので、木質系の基材の表面を塗装し、また研磨を繰り返す手間のかかる処理を省略できる。ただ、この方法は、木質系の基材の表面にぴったりと合致する装飾材を別に成形することから、装飾材の成形に手間がかかるばかりでなく、これを成形するために専用の金型を製作する必要があり、製造コストが極めて高くなる。とくに、金型は木質系の基材の外形に合わせて製作するので、この形状が異なるものにあっては専用のものを製作する必要があり、製造装置のコストが極めて高くなる欠点がある。さらに、この方法は、別に成形された装飾材を木質系の基材に剥がれないように接着するのに手間がかかり、また、この装飾材の表面にPVCシート等の仕上げシートで全体を覆うように接着するのにも手間がかかる。さらに、仕上げシートを接着して表面仕上げされた装飾材は、表面を平滑面として、その表面に模様をプリントしたものに匹敵する高級な表面仕上げとするのが難しい。
【0005】
本発明は、さらにこの欠点を解消することを目的として開発されたもので、簡単かつ容易に、しかも低コストに木質系基材の表面を綺麗な平滑面とし、この平滑面に模様をプリントして高品質な表面処理にできる木質系基材の表面処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1の木質系基材の表面処理方法は、木材が粉砕された木材粉砕片を接着剤で結合して板状にしているMDFやパーチクルボード、又は木板のいずれかからなる表面を粗面とする木質系の基材1の表面に、未硬化で液状ないしペースト状のバインダー6に、天然石を平均粒径を1μmないし50μmとする粉末状に粉砕してなる天然石粉末を含む無機粉末5を50重量%ないし90重量%添加、混合してなるコーティングペーストを粗面である基材表面の凹凸よりも厚く塗布するコーティングペーストのコーティング工程と、コーティング工程でコーティングされたコーティングペーストを硬化させてベースコート層3とした後、ベースコート層3の表面を平滑な面に研磨し、研磨されたベースコート層3でもって、基材の表面を平滑面4に修正する表面平滑工程と、ベースコート層3で表面を平滑面4に修正してなる基材の表面に、表面模様をプリントする模様印刷工程とからなる。
【0007】
本発明の請求項2の木質系基材の表面処理方法は、木材が粉砕された木材粉砕片を接着剤で結合して断面形状を同じとする細長い棒状にしてなるMDFやパーチクルボード、又は棒状の木材のいずれからなる表面を粗面とする木質系の基材1を、基材の断面形状よりも大きなダイ9の押出口9Aから押し出すと共に、この押出口9Aと基材との隙間から、未硬化で液状ないしペースト状のバインダー6に、天然石を平均粒径を1μmないし50μmとする粉末状に粉砕してなる天然石粉末を含む無機粉末5を50重量%ないし90重量%添加、混合してなるコーティングペースト8を基材と一緒に押し出して、粗面である基材表面の凹凸よりも厚くコーティングして、コーティングペースト8でもって粗面である基材表面の凹凸を吸収するコーティングペースト8のコーティング工程と、コーティング工程でコーティングされたコーティングペースト8を硬化させた後、基材の表面に、表面模様をプリントする模様印刷工程とからなる。
【0008】
本発明の請求項3の木質系基材の表面処理方法は、請求項3の構成に加えて、コーティング工程の後、コーティングペースト8を硬化させてなるベースコート層3の表面を平滑な面に研磨した後、模様印刷工程で平滑な表面に模様を印刷する。
【0009】
本発明の請求項4の木質系基材の表面処理方法は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、模様印刷工程で模様を印刷した後、表面をエンボス加工する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の表面処理方法によると、簡単かつ容易に、しかも低コストに木質系の基材の表面を綺麗な平滑面とし、この平滑面に模様をプリントして高品質な表面処理を実現できる特徴がある。それは、本発明の表面処理方法が、基材として、木材が粉砕された木材粉砕片を接着剤で結合して板状にしているMDFやパーチクルボード、又は木板や木材からなる表面を粗面とする木質系の基材を使用するにもかかわらず、この基材の表面に独特のベースコート層をコーティングして、ベースコート層でもって粗面である基材表面の凹凸を吸収し、このベースコート層の表面に木目模様等をプリントしているからである。
【0011】
とくに、本発明の請求項1の表面処理方法は、コーティング工程において、未硬化で液状ないしペースト状のバインダーに、天然石を粉砕して平均粒径を1μmないし50μmとする無機粉末を50重量%ないし90重量%添加、混合してなるコーティングペーストを、粗面である板状基材の凹凸よりも厚くコーティングしてベースコート層を設け、その後、基材にコーティングされたコーティングペーストを硬化させた後、表面平滑工程において、ベースコート層の表面を平滑な面に研磨し、研磨されたベースコート層でもって、基材の表面を平滑面に修正し、さらに、模様印刷工程において、ベースコート層で表面を平滑面に修正してなる基材の表面に、表面模様をプリントする。この方法は、板状である基材の表面を、独特のベースコート層でコーティングして、ベースコート層でもって基材の粗面を平滑面として、その表面に装飾をプリントしている。したがって、この方法は板状の基材の表面を簡単かつ綺麗に、しかも高品質な表面処理に仕上げることができる。とくに、木質系の基材の凹凸面にコーティングされるベースコート層は、凹凸に侵入するアンカー効果でしっかりと基材に接着され、さらにこのベースコート層に模様をプリントするので、模様のプリントとベースコート層は剥離することなく、基材と一体構造となって、天然の木材のような、高品質な表面処理を実現できる。
【0012】
また、本発明の請求項2の表面処理方法は、木材が粉砕された木材粉砕片を接着剤で結合してなるMDFやパーチクルボード、又は木材のいずれからなる表面を粗面とする同一断面形状の細長い棒状の木質系の基材を、その断面形状よりも大きな押出口のダイから押し出すと共に、この押出口と基材との隙間から、未硬化で液状ないしペースト状のバインダーに、天然石を粉砕して平均粒径を1μmないし50μmとする無機粉末を50重量%ないし90重量%添加、混合してなるコーティングペーストを基材と一緒に押し出して、粗面である基材表面の凹凸よりも厚くコーティングして、コーティングペーストでもって基材の表面凹凸を吸収するコーティングペーストをコーティングし、その後、コーティングされたコーティングペーストを硬化させて、基材の表面に、表面模様をプリントして基材を表面処理方法する。この方法は、押出口から基材とコーティングペーストを一緒に押して、基材の表面にベースコート層をコーティングするので、ベースコート層が基材の表面に強く結合する。また、押出口と基材の隙間をコントロールして、ベースコート層の厚さを正確に調整でき、さらに、押出口から押し出してベースコート層を設けるので、コーティング工程でベースコート層の表面を平滑に仕上げることができ、その後の研磨工程を省略し、あるいは簡単にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための木質系基材の表面処理方法を例示するものであって、本発明は木質系基材の表面処理方法を以下のものに特定しない。
【0014】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0015】
本発明の方法で表面処理する木質系基材は、机、ベッド、イス、テーブル等の家具、室内の内装用に使用される天井板、壁材、床材等に使用される。表面処理される木質系の基材は、MDFやパーチクルボード、又は木板や木材のいずれかであって、その表面を粗面とし、全体の形状を板状とし、あるいは同一断面の棒状とするものである。表面処理された木質系の基材を使用する机10は、図1に示すように、天板11、側板12、あるいは、図示しないが、机の上に固定される本棚の側板や正面板、天板の下方に設けられる引出しやキャビネ等の側板や正面板に、表面処理された板状の木質系基材を使用する。また、脚13には表面処理された棒状の木質系基材を使用する。ベッド11は、図2に示すように、上面にマット材等が載置される上板21や周囲のフレーム22、頭側に配置される装飾板23等を板状の木質系基材を使用する。また、脚24には表面処理された棒状の木質系基材を使用する。イス30は、図3に示すように、座面31や背もたれ32を板状の木質系基材で製作する。また、脚33や背もたれ32の支柱34には表面処理された棒状の木質系基材を使用する。
【0016】
さらに、図示しないが、ダイニングテーブルやコタツテーブル等の家具は、その天板に、表面処理された板状の木質系基材を使用し、また、これらのテーブルの脚には、表面処理された棒状の木質系基材を使用する。さらにまた、図示しないが、天井材、壁材、床材等は、板状の木質系基材を使用して、その表面を室内側として使用する。とくに、本発明の方法で表面処理される木質系基材は、木質系の基材の表面に、天然石粉末を含む無機粉末を添加、混合してなるコーティングペーストをコーティングして、ベースコート層を設けているので、表面を燃えにくくして難燃性に優れた木質系基材とすることができる。したがって、室内の装飾用として天井板、壁材、床材、ドア等に使用して、優れた耐火性を実現できると共に、ダイニングテーブルやコタツテーブル、あるいは、サウナの室内材等、耐熱性が要求される用途にも好適に使用できる。
【0017】
木質系の基材は、木材が粉砕された木材粉砕片を接着剤で結合して板状にしているMDFやパーチクルボード、又は木板や木材のいずれかである。木板には、天然木あるいは合板が使用できる。基材には、MDFやパーチクルボード、又は木板を単独で、あるいは、これらを積層したものも使用できる。木質系の基材1は、図4の拡大断面図に示すように、独特のベースコート層3を設けて表面を平滑な面とし、このベースコート層3の表面に表面模様をプリントしている。ベースコート層3は、木質系であって表面を粗面とする基材表面の凹凸を吸収して平滑面4に仕上げる。
【0018】
ベースコート層3は、コーティングペーストを基材表面に所定の厚さにコーティングして設けられる。コーティングペーストは、バインダー6に無機粉末5を添加したもので、未硬化な状態ではペースト状、硬化すると硬いベースコート層3となる。バインダー6は、未硬化で液状ないしペースト状であるエマルジョンタイプのものを使用する。バインダー6として、合成樹脂エマルジョンが適している。このバインダー6は、たとえば、酢酸ビニルエマルジョンである。
【0019】
コーティングペーストは、無機粉末5の添加量を50重量%ないし90重量%とする。無機粉末5の添加量が50重量%より少ないと、硬化したベースコート層3の硬度が低下して凹み傷等が付きやすくなる。このため、無機粉末5の添加量は50重量%よりも多く、好ましくは60重量%よりも多くする。ただ、無機粉末の添加量が90重量%よりも多いと、硬化したベースコート層3が硬すぎて衝撃で割れやすくなる。したがって、無機粉末の添加量は、90重量%よりも少なく、好ましくは80重量%よりも少なくする。バインダー6に添加される無機粉末5は、平均粒径が1μmないし50μmとなるように天然石を粉砕した天然石粉末である。
【0020】
ただし、無機粉末には天然石粉末に加えて、炭酸カルシウムや硫酸カルシウム等の無機質材の微粉末を添加することもできる。無機質材の微粉末を添加するコーティングペーストは、炭酸カルシウム等の無機質材の微粉末の添加量を天然石粉末よりも少なくする。炭酸カルシウム等の無機質材の微粉末は、純白の微粉末であるから、この添加量が多くなって天然石粉末が少なくなると、硬化したベースコート層3が白色となるからである。ベースコート層3は、上にプリントされる木目模様などのボディーカラーに近い色が好ましい。プリントされる模様を薄くして、模様のボディーカラーをベースコート層3で薄い色に変色させないためである。好都合なことに、天然石の粉末は純白でなくて、木目模様などのボディーカラーに近い茶色系である。天然石が、白色となるシリカやアルミナ等の主成分に、茶色系の着色成分となる酸化鉄等の不純物を含むからである。本発明の方法で表面処理される木質系基材の用途は、家具や建物の内装などであるが、これらの用途に使用される基材の表面模様はほとんどが木目模様である。木目模様は、天然石に含まれる酸化鉄等の茶色系のものが多い。このため、天然石粉末をバインダー6に添加しているコーティングペーストが硬化したベースコート層3は、模様のボディーカラーに近似する。したがって、ベースコート層3の表面に木目模様等がプリントされる基材は、ベースコート層3による模様のボディーカラーの変色を少なくできる。このことは、ベースコート層3の表面にボディーカラーに着色するベースカラー層を設ける必要がなく、また、このベースカラー層を薄くできる。本発明の木質系基材の表面処理方法は、ベースコート層3の表面にプリントする模様を木目模様に特定するものではない。ただ、家具や室内装飾に使用される基材の着色は、ほとんどが天然石の色彩に近似する茶色系が多い。このため、硬化する状態で、天然石粉末で発色するベースコート層3は、この表面にプリントされる模様のボディーカラーの変色を少なくできる。
【0021】
硬化したベースコート層3の表面に模様を印刷してプリント模様層2を設ける。プリント模様層2は、ベースコート層3の表面に木目模様を印刷して設けられる。木目模様は、表面にインクを付着しているローラーを木質系基材の表面に押圧して印刷される。プリント模様層2の模様は、木目模様とするが、プリント模様層2は、木目模様以外の模様とすることもできる。
【0022】
プリント模様層2を設けた後、ベースコート層3とプリント模様層2にエンボス加工して、より高品質な木目模様にできる。プリント模様層2を乾燥させた後、ベースコート層3の表面に天然木材の導管に近似する木目の凹凸を設ける。エンボス加工は、木目模様を形成する無数の凸部を表面に設けているエンボスローラーを、木質系基材の表面に押し付けて、木目の凹凸模様、正確には木目の凹部を設けて、木目板の表面の質感を向上させる。エンボスローラーは、木質系基材の表面を押圧する状態で転動して、木質系基材の表面に木目の凹部を設ける。エンボス加工の工程は、プリント模様層2を設けた後工程とし、あるいはプリント模様層2を設ける前工程とすることもできる
【0023】
さらに、プリント模様層2の表面には、透明のクリア層7を設けて、より綺麗に表面仕上し、またプリント模様層2を保護することができる。クリア層7は、透明ないし半透明の紫外線硬化塗料である。紫外線硬化塗料は、紫外線を照射して、硬く強靱なクリア層7となる。プリント模様層2をコーティングする紫外線硬化塗料からなるクリア層7は、木質系基材の表面処理の耐久性と耐水性を向上させる。
【実施例1】
【0024】
木質系の基材1は、以下のようにして、表面にベースコート層3とプリント模様層2を設ける。
[コーティングペーストのコーティング工程]
(1)ベースコート層を形成するコーティングペーストの調製
1.無機粉末の調合
無機粉末5として、天然石粉末と炭酸カルシウムの粉末とを、重量比3:1の割合で混合して撹拌する。天然石粉末として、滑石粉を使用する。滑石粉は、滑石を、その平均粒径が10μmないし50μmとなるように粉砕したものを使用する。炭酸カルシウムの粉末として、重質炭酸カルシウムの微粉末を使用する。炭酸カルシウムの微粉末は、天然石粉末よりも微細な粒子であるから、これを添加しているコーティングペーストは、表面を粗面とする木質系基材の微細な凹凸に侵入する。このため、無機粉末5として、天然石粉末に炭酸カルシウムを添加して、塗料の粘度を調整し、タレの防止などの塗装作業性の改良し、さらに木質系基材の粗面にコーティングされた状態で、微細な凹凸に侵入して接着強度を向上しがら粗面を目地止めする効果がある。
2.コーティングペーストの調合
無機粉末5とバインダー6とを、重量比3:1の割合で混合し、撹拌してコーティングペーストとする。バインダー6には、酢酸ビニルエマルジョンを使用する。
以上のようにして、無機粉末5をバインダー6に混合してなるコーティングペーストが調製される。
【0025】
(2)ベースコート層のコーティング
MDFとパーチクルボードは、木材を粉砕して木材粉砕片とし、これを接着剤で結合して板状やブロック状に成形して製造される。MDFは木材を小さく粉砕した木材粉砕片を接着剤で結合し、パーチクルボードはMDFよりも大きく粉砕した木材粉砕片を接着剤で結合して製造される。これらの基材は、板状や棒状に加工された状態で表面を粗面として無数の凹凸がある。本発明の表面処理方法は、粗面で無数の凹凸がある木質系の基材1の表面にコーティングペーストを塗布し、このコーティングペーストでもって表面を平滑面4とする。したがって、コーティングペーストは、粗面であって表面に無数の凹凸がある木質系の基材1の表面に、シーラー等のアンダーコート剤を塗布することなく直接に塗布される。シーラー等の塗布工程を省略して表面処理を簡素化しながら、コーティングペーストを粗面の凹凸に侵入させて、アンカー効果でしっかりと木質系の基材1に結合するためである。ただ、基材には、天然木や合板を所定の形状に加工した木板や棒状の木材も使用できる。
【0026】
コーティングペーストは、フローコーター機を使用して、板状である木質系の基材1の表面に塗布される。フローコーター機で塗布されるコーティングペーストは、基材表面の無数の凹凸に侵入して、粗面の凹凸を吸収する。フローコーター機は、コーティングペーストを、0.3mmないし0.5mmの厚さに塗布する。コーティングペーストは、フローコーター機によらず、たとえばローラを使用して基材表面に塗布することもできる。ローラで塗布されるコーティングペーストの膜厚は、コーティングペーストの粘度でコントロールできる。コーティングペーストは、粘度を高くしてローラで塗布される膜厚を厚く、また粘度を低くして膜厚を薄くできる。また、ローラで基材表面に塗布される回数で膜厚をコントロールすることもできる。塗布回数を多くして、複数に積層する状態として、膜厚を厚くできる。
【0027】
[基材の表面平滑工程]
コーティング工程で基材表面に塗布されたコーティングペーストが硬化した後、ベースコート層3の表面を研磨して平滑面4とする。
【0028】
以上の工程は、木質系の基材1の表面に、フローコーター機またはローラによってコーティングペーストを塗布する状態を示している。ただ、コーティングペーストは、フローコーター機やローラによらず、ダイの押出口から木質系基材を押し出して基材表面にコーティングすることができる。図5は、ダイ9の押出口9Aから木質系の基材1を押し出して、表面をコーティングペーストでコーティングする方法を示している。この方法は、棒状の基材1Aの表面にコーティングペーストをコーティングするのに適している。棒状の基材1Aは、ダイ9の押出口9Aから軸方向、すなわち縦方向に直線状に押し出されるので、断面形状を同じとする棒状としている。この形状の基材は、家具の脚などに使用される。この図の方法は、木質系の基材1を、基材の断面形状よりも大きなダイ9の押出口9Aから押し出すと共に、この押出口9Aと基材との隙間から、コーティングペースト8を基材と一緒に押し出して、基材表面にコーティングペースト8をコーティングする。基材表面にコーティングされるコーティングペースト8の膜厚は、基材と押出口9Aとの隙間で調整できる。この隙間が、コーティングペースト8が塗布される膜厚となるからである。コーティングペースト8は、粗面である基材表面の凹凸をコーティングペースト8で吸収できるように、基材表面の凹凸よりも厚くコーティングされる。基材表面にコーティングされるコーティングペースト8は、基材表面の凹凸を吸収する。この方法で基材表面にコーティングされたコーティングペースト8は、押出口9Aの内面で平滑面4に仕上げることができる。このため、コーティングペースト8を硬化させた後に、表面を平滑に研磨する工程を省略できる。ただ、コーティングペースト8を硬化した状態で、表面を研磨してより綺麗な平滑面4に表面処理することもできるのは言うまでもない。
【0029】
[基材の模様印刷工程]
コーティングペーストが硬化したベースコート層3の平滑な表面に模様を印刷する。表面模様は、表面にインクを付着しているローラをベースコート層3の表面の平滑面4に押圧して印刷される。表面模様を印刷する塗料を乾燥させて、ベースコート層3の表面にプリント模様層2が形成される。
【0030】
以上の方法で、MDFやパーチクルボード、又は木板や木材である木質系の基材1は表面処理されるが、さらに高品質な表面処理とするには、さらに、エンボス加工して木目の凹凸を設け、さらにクリア層7を設けて表面を保護する。
クリア層7は、プリント模様層2の表面に第1のクリア塗料を塗布した後、紫外線硬化塗料からなる第2のクリア塗料を塗布して設けられる。第1のクリア塗料は、ウレタン系あるいはポリエステル系、あるいはアクリル系の透明の塗料をロールコーター機で塗布して設けられる。第2のクリア塗料は、第1のクリア塗料を硬化させた後、ウレタン系の紫外線硬化塗料を塗布して設けられる。塗布した紫外線硬化塗料に紫外線を照射して硬化させて、プリント模様層2の表面をクリア層7で保護する。
【0031】
以上の工程で、木質系の基材1の表面にベースコート層3を形成し、このベースコート層3で基材表面を平滑面4とし、ベースコート層3の表面にプリント模様層2を設けて、木質系基材を表面処理する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例にかかる表面処理方法で表面処理された木質系基材を使用する机を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる表面処理方法で表面処理された木質系基材を使用するベッドを示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施例にかかる表面処理方法で表面処理された木質系基材を使用するイスを示す概略斜視図である。
【図4】本発明の一実施例にかかる表面処理方法で表面処理された木質系基材の表面構造を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施例にかかる表面処理方法で木質系基材を表面処理する状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1…木質系の基材 1A…棒状の基材
2…プリント模様層
3…ベースコート層
4…平滑面
5…無機粉末
6…バインダー
7…クリア層
8…コーティングペースト
9…ダイ 9A…押出口
10…机
11…天板
12…側板
13…脚
20…ベッド
21…上板
22…フレーム
23…装飾板
24…脚
30…イス
31…座面
32…背もたれ
33…脚
34…支柱
【出願人】 【識別番号】304020317
【氏名又は名称】株式会社ジャパンニューファニチァ
【出願日】 平成18年12月14日(2006.12.14)
【代理人】 【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘

【識別番号】100104949
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康司


【公開番号】 特開2008−149487(P2008−149487A)
【公開日】 平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願番号】 特願2006−337314(P2006−337314)