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【発明の名称】 木質系ボード及びその製造方法
【発明者】 【氏名】小島 俊明

【要約】 【課題】薄板化が可能であり、安価に製造でき、環境に優しい生物分解性の木質系ボード及びその製造方法を提供する。

【解決手段】所定サイズに粉砕された木屑と、澱粉を含む食物性粉とを混合し、その混合物11を加熱プレスして平板状のボードを製造する木質系ボードの製造方法を提供する。前記木屑は、0.1乃至1.2mmのサイズに粉砕される。前記混合に於いて、木屑88乃至96重量%と、食物性粉12乃至4重量%とが混合される。前記澱粉を含む食物性粉は、加熱プレスにより溶融し、冷却後に凝固することにより、木屑同士を接着結合する。尚、前記混合前に、木屑を水に浸した後、脱水する。前記加熱プレス前に、木屑と澱粉を含む食物性粉とを強風でブローして混合させる。又、本発明は、前記製造方法によって製造された木質系ボードを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定サイズに粉砕された木屑と、澱粉を含む食物性粉とを混合し、その混合物を加熱プレスして平板状のボードを製造することを特徴とする木質系ボードの製造方法。
【請求項2】
前記混合物の上下面を側面部材で被包して加熱プレスすることを特徴とする請求項1記載の木質系ボードの製造方法。
【請求項3】
前記木屑は、0.1乃至1.2mmのサイズに粉砕されることを特徴とする請求項1又は2記載の木質系ボードの製造方法。
【請求項4】
前記木屑88乃至96重量%と、前記食物性粉12乃至4重量%とを混合することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の木質系ボードの製造方法。
【請求項5】
前記澱粉を含む食物性粉は、前記加熱プレスにより溶融し、冷却後に凝固することにより、前記木屑同士を接着結合することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の木質系ボードの製造方法。
【請求項6】
前記混合前に、前記木屑を水に浸した後、脱水することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の木質系ボードの製造方法。
【請求項7】
前記加熱プレス前に、前記木屑と前記澱粉を含む食物性粉とを強風でブローして混合させることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の木質系ボードの製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか一に記載した製造方法によって製造されたことを特徴とする木質系ボード。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板化が可能であり、安価に製造できる、生物分解性の木質系ボード及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂系接着材を使用して製造した木質系ボードは種々市販されている。
然しながら、樹脂系接着材は、生物分解性ではないため、環境を汚染する問題がある。
【0003】
又、予め、澱粉、米粉、麦、スイートコーンに水と熱等を加え加工糊状にしたものを使用して、鋸屑等の木屑をプレスし、木質系ボードを製造する方法も知られているが、この製造方法に於いては、多くの糊を必要として割高になり、又、製作工程が複雑になり、製造した木質系ボードも重量が重くなる等の問題点がある。
【0004】
更に、木質系ボードは薄いボードが少なく、薄いボードとして、例えば、2.5mmベニヤ、繊維質のMDF(Medium Density
Fiberboard)等があるが、これらも、資源に限りがあり、現在、比較的高値なものとなっている。
【0005】
木質系ボードの製造方法の一例としては、例えば、特許文献1に、木質片の結合剤として、セメントペースト、又は、接着剤を用いた木質系ボードの製造方法が記載されている。
【特許文献1】特開2006−213020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、市販されている木質系ボードは、樹脂系接着材が用いられているため、環境を汚染する問題があり、澱粉、米粉等の加工糊を使用するものは、材料費や、製作費が割高になり、製造した木質系ボードも重量が重くなる等の問題点がある。
【0007】
又、薄いボードも少なく、薄いボードとしての2.5mmベニヤ、繊維質のMDF等は比較的高値であるという問題点がある。
【0008】
以上の現状に鑑み、本発明は、薄板化が可能であり、安価に製造でき、環境に優しい生物分解性の木質系ボード及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、所定サイズに粉砕された木屑と、澱粉を含む食物性粉とを混合し、その混合物を加熱プレスして平板状のボードを製造することを特徴とする木質系ボードの製造方法を提供するものである。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記混合物の上下面を側面部材で被包して加熱プレスすることを特徴とする請求項1記載の木質系ボードの製造方法を提供するものである。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記木屑は、0.1乃至1.2mmのサイズに粉砕されることを特徴とする請求項1又は2記載の木質系ボードの製造方法を提供するものである。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記木屑88乃至96重量%と、前記食物性粉12乃至4重量%とを混合することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の木質系ボードの製造方法を提供するものである。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記澱粉を含む食物性粉は、前記加熱プレスにより溶融し、冷却後に凝固することにより、前記木屑同士を接着結合することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の木質系ボードの製造方法を提供するものである。
【0014】
請求項6に係る発明は、前記混合前に、前記木屑を水に浸した後、脱水することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の木質系ボードの製造方法を提供するものである。
【0015】
請求項7に係る発明は、前記加熱プレス前に、前記木屑と前記澱粉を含む食物性粉とを強風でブローして混合させることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の木質系ボードの製造方法を提供するものである。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のうちいずれか一に記載した製造方法によって製造されたことを特徴とする木質系ボードを提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、所定サイズに粉砕された木屑と、澱粉を含む食物性粉とを混合し、その混合物を加熱プレスして平板状のボードを製造する木質系ボードの製造方法を提供するので、混合物をプレスによって製造し、澱粉の接着力も高いことにより、薄板化が可能であると共に、安価な材料で安価に製造でき、又、木屑、植物性粉を用い、樹脂系接着材を使用しないので、環境に優しい生物分解性の木質系ボードを製造することができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、前記混合物の上下面を側面部材で被包して加熱プレスするので、請求項1記載の発明の効果に加え、両側面を側面部材に保護されて、耐久性が高く、強度上も優れた木質系ボードを製造することができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、前記木屑は、0.1乃至1.2mmのサイズに粉砕されるので、請求項1又は2記載の発明の効果に加え、プレス成型性、接着性の良い木屑を得ることができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、前記木屑88乃至96重量%と、前記食物性粉12乃至4重量%とを混合するので、請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、プレス成型性が良く、且つ、接着強度が高い混合物を得ることができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、前記澱粉を含む食物性粉は、前記加熱プレスにより溶融し、冷却後に凝固することにより、前記木屑同士を接着結合するので、請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、食物性粉が溶融して木屑に付着し、木屑同士を広い面積で強固に接着固定することができる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、前記混合前に、前記木屑を水に浸した後、脱水するので、請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、木屑の表面が適度の水分を保持して接着性が良好となり、接着強度を高めることができる。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、前記加熱プレス前に、前記木屑と前記澱粉を含む食物性粉とを強風でブローして混合させるので、請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、均一な混合が得られると共に、木屑を適度に乾燥させることができる。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、請求項1乃至7のうちいずれか一に記載した製造方法によって製造された木質系ボードを提供するので、請求項1乃至7のうちいずれか一に記載した製造方法による効果を奏する木質系ボードを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図7に従って本発明の木質系ボードの製造方法を説明する。
図1は、木材粉砕機1と木材2を示している。木材2は原木以外に廃材、木皮などであっても良い。
木材2を木材粉砕機1に投入して0.1乃至1.2mm、好適には、0.125mm乃至1mmのサイズに粉砕して、鋸屑のような木屑を生成する。
図2は、生成された木屑3が堆積した状態を示している。
【0026】
次に、図3に示す如く、生成された木屑3を布状又は目の細かい網状の袋4に詰め、袋4ごと容器5に入れた水6内に30秒乃至1分程度浸す。
次に、図4に示す如く、水分を含んだ木屑3を袋4ごと脱水機7に入れて脱水する。
これによって、木屑3の表面に適度な水分(湿気)を保持させる。
【0027】
図5は、木屑3に混ぜる、澱粉を含む食物性粉8を示している。食物性粉8は例えば、澱粉粉、米粉、麦粉、スイートコーン粉等から成る。
次に、図6に示すように、脱水した木屑3を混合機9に入れると共に、食物性粉8を混合機8内に入れる。
この時、木屑88乃至96重量%に対し、食物性粉12乃至4重量%、好適には、木屑90乃至95重量%に対し、食物性粉10乃至5重量%の割合で混合機8に入れる。
そして、混合機9に備えたブロアー10で強風を吹付け、木屑3と食物性粉8を均一に混合して混合物11を生成する。
【0028】
次に、図7に示す如く、木屑3と食物性粉8を均一に混合した混合物11の一定量をプレス用の下盤12上に平らに広げ、混合物11の上方にプレス用の上盤13を臨ませ、混合物11を下盤12及び上盤13の間に挟んで加熱プレスする。下盤12には水分を逃がす小さな孔(図示せず)が開穿されている。又、下盤12及び上盤13表面は、溶融した食物性粉8等が付着しないように、離型性の高い材料でコーティングされている。
熱プレスにより混合物11の食物性粉8が瞬間的に糊になり、適度の水分を保持した木屑3に付着し、食物性粉8は、冷却すると固まって木屑3同士を強固に接着結合する。
【0029】
図8に完成した木質系ボード14を示す。木質系ボード14は、木屑3が食物性粉8の接着作用で接着されたボードであり、接着力が高く、且つ、プレスによって成型することにより、比較的、薄板状のボードが成型可能である。
前記木質系ボード14は、例えば、表面材、或いは、フラッシュ表面材等として使用される。
【0030】
図9は、他の実施例の木質系ボードの製造方法を示し、図7に於いて、前記木質系ボード(図8に於いて14)を製造する場合に、前記混合物11を、直接、下盤12と上盤13とで加熱プレスしたが、これに代えて、前記混合物11の上下面を紙シート、或いは、紙ボードからなる側面部材15,15で被包した後、下盤12と上盤13とで加熱プレスして、平板状のボードを製造する方法である。
側面部材15,15は、食物性粉8による接着によって前記混合物11の上下両側面に接着結合される。
尚、前述の製造方法で、加熱プレス時に、側面部材15,15に皺が出来て綺麗な仕上がりが得られない場合は、混合物11を一度プレス、又は、加熱プレスして仮成型したのち、側面部材15,15で被包しても良い。
【0031】
図10は、図9で説明した製造方法によって製造された木質系ボード16を示している。木質系ボード16は、木屑3が食物性粉8の接着作用で接着されたボードであり、その両側面(図に於いて上下面)に側面部材15,15が混合物11を挟持する如く接着されている。
混合物11が側面部材15,15に挟持されることにより、混合物11の両側面が露出しないため、混合物11の両側面の傷つきや、欠落を防止できるとともに、側面部材15,15によって木質系ボード16の強度を補強することができる。
前記木質系ボード16も、表面材、或いは、フラッシュ表面材等として使用される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に用いる木材粉砕機と木材の斜視図である。
【図2】木屑の堆積状態を示す正面図である。
【図3】本発明による木屑を浸漬した状態を示す正面断面図である。
【図4】本発明による木屑を入れた袋を脱水機に入れた状態を示す正面図である。
【図5】食物性粉を示す正面図である。
【図6】木屑及び食物性粉を混合機に入れて混合する状態を示す正面縦断面図である。
【図7】本発明による加熱プレス状態を示す正面図である。
【図8】本発明による製造方法によって製造された木質系ボードの正面図である。
【図9】本発明による他の実施例の製造方法の加熱プレス状態を示す正面図である。
【図10】本発明による他の実施例の製造方法によって製造された木質系ボードの正面図である。
【符号の説明】
【0033】
3 木屑
8 食物性粉
11 混合物
14 木質系ボード
15 側面部材
16 木質系ボード
【出願人】 【識別番号】506359510
【氏名又は名称】小島 俊明
【出願日】 平成18年10月25日(2006.10.25)
【代理人】 【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎

【識別番号】100069176
【弁理士】
【氏名又は名称】川成 靖夫

【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子

【識別番号】100111604
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 卓也


【公開番号】 特開2008−105246(P2008−105246A)
【公開日】 平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願番号】 特願2006−289612(P2006−289612)