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木質ボード及びその製造方法 - 特開2008−87372 | j-tokkyo
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【発明の名称】 木質ボード及びその製造方法
【発明者】 【氏名】武藤 光

【氏名】高木 厚志

【要約】 【課題】木質ボードから発生するホルムアルデヒドの放散量が十分に低く、熱圧成形時のプレス時間を短くしても、高い曲げ強さを示す木質ボードを提供する。

【解決手段】木質原料の加熱圧縮によって得られる木質ボードにおいて、ホルマリン系接着剤と共に、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)から成る混合物(C)を含有する木質ボード。本発明の好ましい態様においては、ポリオール(A)として水溶性ポリオールが使用され、水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)としてタンニン酸が使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質原料の加熱圧縮によって得られる木質ボードにおいて、ホルマリン系接着剤と共に、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)から成る混合物(C)を含有することを特徴とする木質ボード。
【請求項2】
ポリオール(A)が水溶性ポリオールである請求項1に記載の木質ボード。
【請求項3】
水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)がタンニン酸である請求項1又は2に記載の木質ボード。
【請求項4】
ホルマリン系接着剤と、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)から成る混合物(C)とを木質原料に添加し、得られた混成体を加熱圧縮することを特徴とする木質ボードの製造方法。
【請求項5】
混合物(C)を予めホルマリン系接着剤と混合した後に木質原料に添加する請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
ポリオール(A)が水溶性ポリオールである請求項4又は5に記載の製造方法。
【請求項7】
水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)がタンニン酸である請求項4〜6の何れかに記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木質ボード及びその製造方法に関し、詳しくは、ホルムアルデヒドの放散量が少なく、高い曲げ強さを有し、しかも、生産性に優れる木質ボード及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接着剤として、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などのホルマリン系接着剤を使用し、木質原料を加熱圧縮によって得られる木質ボード(合板、パーティクルボード、MDF、ハードボード等)が知られている。
【0003】
木質ボード、例えば、パーティクルボードは、木材を小片(チップ)化した木質原料にホルマリン系接着剤を添加し、得られた混合物をフォーミング(堆積)してマットに成形した後、加熱条件下で所定の厚さに圧縮成形する方法により製造される(特許文献1)。
【0004】
近年、資源の有効利用、資源リサイクルの観点から、木質ボードの原料として、リサイクル材の利用が求められると共に、木質ボードから発生するホルムアルデヒドの放散量を少なくするために、ホルマリン系接着剤の使用量を少なくすることが求められている。その場合、木質ボードの曲げ強度が低下するため、圧縮成形時のプレス時間を長くすることが必要となり、その結果、生産性が低下するという問題がある。
【0005】
一方、木質ボードから発生するホルムアルデヒドの放散量を少なくするために、木質ボードに尿素水などのホルムアルデヒド捕捉剤を塗布または含浸させる方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、ホルムアルデヒド捕捉剤の塗布または含浸は、コスト高になると共に、作業に手間が掛かり、且つ、木質ボードの二次加工の際に不具合が生じる等の問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2002−18820号公報
【特許文献2】特開2000−117708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の実状に鑑みなされたものであり、その目的は、木質ボードから発生するホルムアルデヒドの放散量が十分に低く、熱圧成形時のプレス時間を短くしても、高い曲げ強さを示す木質ボード及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、次の様な知見を得た。すなわち、木質原料を加熱圧縮する際に、ホルマリン系接着剤と共に、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)から成る混合物(C)とを木質原料に含有させると、熱圧成形時のプレス時間を短くしても、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)との相乗効果により、得られた木質ボードから発生するホルムアルデヒドの放散量が十分に低く、且つ、高い曲げ強さを示す。
【0009】
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、第1の要旨は、木質原料の加熱圧縮によって得られる木質ボードにおいて、ホルマリン系接着剤と共に、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)から成る混合物(C)を含有することを特徴とする木質ボードに存する。
【0010】
そして、本発明の第2の要旨は、ホルマリン系接着剤と、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)から成る混合物(C)とを木質原料に添加し、得られた混成体を加熱圧縮することを特徴とする木質ボードの製造方法に存する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の木質ボードは、熱圧成形時のプレス時間が短くても、ホルムアルデヒドの放散量が十分に低く且つ高い曲げ強さを示し、本発明の製造方法は、熱圧成形時のプレス時間を短くすることが出来て生産性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。
【0013】
本発明の木質ボードは、木質原料と、ホルマリン系接着剤と、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)とから成る混合物(C)との混成体を加熱圧縮して成る成形体である。
【0014】
木質原料としては、特に限定されず、リサイクル材が混合されていない新材、リサイクル材を含む混合材などが挙げられる。リサイクル材としては、建築廃材、合板製造工場やパーティクルボード製造工場、MDF製造工場などから排出される製品廃材、型枠用合板などのホルマリン系接着剤を使用した木質リサイクル材、ホルマリン系接着剤を使用していない木質リサイクル材などが挙げられる。これら、木質原料は、一般的にはパーティクルボード用の削片やMDF用の繊維状に加工されて使用される。
【0015】
ホルマリン系接着剤としては、尿素、チオ尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等の分子内にアミノ基を有する化合物あるいはフェノール類と、ホルムアルデヒドとを付加縮合反応させて得られる樹脂、あるいはこれらの共縮合樹脂が使用できる。付加縮合反応時は、ホルムアルデヒドは工業的にはホルムアルデヒド水溶液であるホルマリンが使用される。これら接着剤は二種以上混合して使用してもよい。
【0016】
本発明の木質ボード中のホルマリン系接着剤の含有量は、固形分として、通常2〜25重量%、好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは4〜18重量%である。上限を上回る場合は、木質原料の水分が多くなり、本発明の効果、すなわち、熱圧成形時のプレス時間を短くしても、高い曲げ強さを示す効果を得ることが困難となる恐れがある。下限を下回る場合は、ホルマリン系接着剤の量が不十分で、十分な接着強度の木質ボードを得ることが困難となる恐れがある。
【0017】
本発明で使用するポリオール(A)としては、特に限定されないが、好ましくは水溶性ポリオールが挙げられる。水溶性ポリオールとしては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール等の2価のポリオール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価のポリオール等が挙げられる。これら水溶性ポリオールは二種以上混合して使用してもよい。
【0018】
本発明で使用する水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)としては、特に限定されないが、例えば、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ピロガロール、没食子酸、タンニン酸、リグニン及びその誘導体などの化合物が挙げられ、これらの中では、比較的安価に入手できることから、タンニン酸が好ましい。
【0019】
上記のポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)との配合割合(重量比)は、通常1:0.01〜10、好ましくは1:0.05〜5、更に好ましくは1:0.1〜2である。
【0020】
一方、ホルマリン系接着剤と上記の混合物(C)との配合割合(重量比)は、通常1:0.001〜1、好ましくは1:0.01〜0.1である。ホルマリン系接着剤に対する混合物(C)の配合割合が上限を上回る場合は、ホルマリン系接着剤の量が不十分で、十分な接着強度の木質ボードを得ることが困難となる恐れがある。ホルマリン系接着剤に対する混合物(C)の配合割合が下限を下回る場合は、添加する量が少なく、本発明の効果を得ることが困難となる恐れがある。
【0021】
本発明の木質ボード中の上記の混合物(C)の含有量は、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。上限を上回る場合は、ホルマリン系接着剤の量が不十分で、十分な接着強度の木質ボードを得ることが困難となる恐れがある。下限を下回る場合は、添加する量が少なく、本発明の効果を得ることが困難となる恐れがある。
【0022】
次に、本発明の木質ボードの製造方法について説明する。本発明の製造方法においては、ホルマリン系接着剤と、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)とから成る混合物(C)とを木質原料に添加し、得られた混成体を加熱圧縮して成形する。
【0023】
上記の混合物(C)の添加方法としては、予め木質原料に添加する方法、予めホルマリン系接着剤に混合する方法、ホルマリン系接着剤と共に木質原料に同時に添加する方法の何れでもよいが、特に、予めホルマリン系接着剤に混合物(C)を混合した後、木質原料に添加する方法、または、混合物(C)とホルマリン系接着剤とを木質原料に同時に添加する方法が好ましい。
【0024】
上記の混合物(C)は、混合物として添加しても、混合物を水に分散または溶解し、水分散液または水溶液として添加してもよい。水溶液として添加する場合、混合物(C)の濃度が余りに薄くて水分量が多くなると、十分な接着強度を有する木質ボードを得ること出来ない恐れがあることから、混合物(C)の濃度通常10重量%以上とするのが好ましい。
【0025】
ホルマリン系接着剤の木質原料に対しての添加量は、前記と同趣旨により、固形分として、通常2〜25重量%、好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは4〜18重量%である。ホルマリン系接着剤と木質原料の混合の際、必要に応じ、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、硬化剤、撥水剤などを添加してもよい。ホルムアルデヒド捕捉剤としては、例えば、尿素、メラミン、亜硫酸ナトリウム、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられ、硬化剤としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、クエン酸などが挙げられ、撥水剤としては、アクリル系ワックス、ポリエチレン系ワックス、パラフィン系ワックス等が挙げられる。ホルマリン系接着剤と混合する際の木質原料の含水量は、通常7重量%以下、好ましくは4重量%以下である。7重量%を超える場合は、十分な接着強度の木質ボードを得ることが困難となる傾向がある。
【0026】
一方、前上記の混合物(C)の木質原料に対しての添加量は、前記と同趣旨により、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0027】
本発明においては、ホルマリン系接着剤と上記の混合物(C)とを木質原料に添加した後、得られた混成体を加熱圧縮する。通常、ボード状にフォーミングしてプリプレスし、次いで、熱プレスで一定時間加熱加圧、すなわち、熱圧成形することにより、木質ボードを製造する。この際、熱プレスの温度は通常120℃〜220℃、圧力は1〜4MPaである。プレス時間は製品板の厚さによって異なり、製品ボード1mm当たり、5秒〜30秒である。また、本発明の木質ボードは、単層ボードでも多層ボードであってもよい。
【0028】
上記の様にして得られた木質ボードは、熱圧成形時のプレス時間が短くても、ホルムアルデヒドの放散量が十分に低く、且つ、高い曲げ強さを示すものであり、熱圧成形時のプレス時間を短くすることが出来、生産性にも優れる。
【0029】
本発明の木質ボードとは、ホルマリン系接着剤を使用して製造された、パーティクルボード、MDFやハードボード等であり、建築用、家具・建具、電気機器類などの居住環境用として使用される。
【実施例】
【0030】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。以下の諸例において、曲げ強さは「JIS A 5908」に準じて、ホルムアルデヒド放散量は「JIS A 1460」に準じて測定した。
【0031】
実施例1〜3及び比較例1〜2:
表1に示す量(単位:重量部)の成分に水を加えて100重量部の水溶液を調製した。木質原料に対し2重量%相当量の上記の水溶液と尿素−メラミン−ホルムアルデヒド系接着剤(日本化成製)とを混合し、表2に記載の条件で3層パーティクルボードを製造した。得られたパーティクルボードの物性値を測定し、結果を表3に示す。
【0032】
【表1】


【0033】
【表2】


【0034】
比較例3:
実施例1において、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)とから成る混合物(C)を添加せず、熱圧時間を250秒とした以外は、実施例1と同様にパーティクルボードを製造した。得られたパーティクルボード物性値を測定し、結果を表3に示す。
【0035】
【表3】


【0036】
表3の実施例と比較例からも明らかな様に、ホルマリン系接着剤と共に、ポリオール(A)と水酸基を有するベンゼン環を一分子内に一つ以上有する環状化合物(B)とから成る混合物(C)を木質原料に含有させることにより、熱圧成形時のプレス時間が短くても、ホルムアルデヒド放散量が十分に低く、且つ高い曲げ強さを示す木質ボードを得ることが出来る。その結果、木質ボードの生産性を向上させることが出来る。
【出願人】 【識別番号】000230652
【氏名又は名称】日本化成株式会社
【出願日】 平成18年10月3日(2006.10.3)
【代理人】 【識別番号】100097928
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 数彦


【公開番号】 特開2008−87372(P2008−87372A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−271926(P2006−271926)