| 【発明の名称】 |
フィルム付き合成板 |
| 【発明者】 |
【氏名】寺沢 勇
【氏名】常岡 和記
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| 【要約】 |
【課題】環境や人体への負担を軽減するとともに、簡単な作業で合成板表面に透明または着色層を形成させることができ、当該合成板の外観や意匠及び耐久性を向上させることのできるフィルム付き合成板を提供すること。
【構成】リグノセルロース系材料に接着剤としてポリブチレンサクシネート系樹脂またはポリ乳酸系樹脂を混合して作製されたプリフォーム(2a)に、透明または着色フィルム(4)を載せ加熱加圧する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リグノセルロース系材料に接着剤としてポリブチレンサクシネート系樹脂及びポリ乳酸系樹脂のいずれか一方または両方を混合して成形された合成板と、 該合成板の表面に加熱加圧されて貼り合わされ、透明または着色されたフィルムとを備えることを特徴とするフィルム付き合成板。 【請求項2】 前記フィルムは、温度が50℃、相対湿度が90%RHの環境下に480時間置かれた後の引っ張り破断伸び率が初期値の80%以上であることを特徴とする請求項1記載のフィルム付き合成板。 【請求項3】 前記フィルムは、ポリブチレンサクシネート系樹脂及びポリ乳酸系樹脂のいずれか一方または両方を混合した混合樹脂に耐加水分解剤としてのポリカルボジイミド樹脂が2wt%以上、10wt%以下の範囲で混合されて形成されることを特徴とする請求項1または2記載のフィルム付き合成板。 【請求項4】 前記フィルムは、ダイマー酸及び1,3プロパンジオールから重合された樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載のフィルム付き合成板。 【請求項5】 前記フィルムは、易接着PETフィルム、易接着PPフィルム、または易接着PA6フィルムであることを特徴とする請求項1または2記載のフィルム付き合成板。 【請求項6】 前記フィルムと前記合成板との間の接着力が180度ピーリング強度7N/25mm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のフィルム付き合成板。 【請求項7】 前記リグノセルロース系材料は、平均繊維長を10mmから90mmの範囲で繊維化した竹であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のフィルム付き合成板。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、表面に透明または着色フィルムを貼り合わせた合成板に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、車両の内装部材や建築部材等に使用される合成板は、木材チップや繊維材料等に、フェノール樹脂等を前記木材チップや繊維材料等を結合させる接着剤として混合して成形していた。 しかし、石油由来の素材を用いて成形された合成板は焼却すると二酸化炭素が発生し地球全体としての二酸化炭素量を増加させ、またフェノール樹脂は遊離フェノールやホルムアルデヒドが含まれるため人体に悪影響を及ぼすおそれがあった。 【0003】 そこで、接着剤を混合せず、蒸煮処理や爆砕処理を行った植物由来のリグノセルロース系材料を、加熱加圧することで合成板を成形する技術が開発されている(特許文献1参照)。 これは、植物由来の材料のみで成形されているため、焼却することで二酸化炭素が排出されても、その排出相当量は植物の成長時に吸収されており、地球全体としてみれば二酸化炭素量は変化しないので環境面で優れており、人体に影響を与えるような物質もほとんど含まれていない。 【特許文献1】特開2001−1318号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、上記特許文献1に開示された技術で成形された合成板は、耐水性、耐湿熱性、臭い、VOC(揮発性有機化合物)の発生、耐光性、耐摩耗性等の耐久性の面で性能が劣っているという欠点がある。 このような合成板の耐久性を向上させるため、また外観及び意匠を向上させるため表面を着色等する場合がある。 【0005】 しかしここで、当該合成板に一般の塗装に使用されているトルエン・キシレン等の溶剤を含む塗料による塗装を施すと、当該塗料にはVOC等が多量に含まれているため環境や人体へ影響が生じるという問題がある。 また、通常このような塗装はスプレー等で塗料を合成板に吹きつけて行うため、飛散による塗料のロスや、当該塗装で必要となる焼付け行程等から作業が煩雑化する等、コストが増大するという問題がある。 【0006】 さらに、例えば合成板の外観及び意匠のため、繊維で形成された合成板の表面の凹凸からなる素材感もそのまま表現しようとした場合、上記のようなスプレーによる塗装を行うと塗料により合成板表面の凹凸を埋めてしまい素材感が良好に表現されないという問題もある。 本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、環境や人体への負担を軽減するとともに、簡単な作業で合成板表面に透明または着色層を形成させることができ、当該合成板の耐久性及び外観や意匠を向上させることのできるフィルム付き合成板を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記した目的を達成するために、請求項1のフィルム付き合成板では、リグノセルロース系材料に接着剤としてポリブチレンサクシネート系樹脂及びポリ乳酸系樹脂のいずれか一方または両方を混合して成形された合成板と、該合成板の表面に加熱加圧されて貼り合わされ、透明または着色されたフィルムとを備えることを特徴としている。 つまり、植物由来であるリグノセルロース系材料と、例えば、さとうきび、とうもろこし、サツマイモ等の植物からグルコースの発酵によって生成可能であるポリブチレンサクシネート系樹脂またはポリ乳酸系樹脂、またはポリブチレンサクシネート系樹脂とポリ乳酸系樹脂とを混合した混合樹脂とを混合させた合成板に透明または着色フィルムを貼り合わせる。 【0008】 なお、フィルムは、ポリブチレンサクシネート系樹脂またはポリ乳酸系樹脂、またはポリブチレンサクシネート系樹脂とポリ乳酸系樹脂とを混合した混合樹脂からなる透明または着色フィルムでもよい。 請求項2のフィルム付き合成板では、請求項1において、前記フィルムは、温度が50℃、相対湿度が90%RHの環境下に480時間置かれた後の引っ張り破断伸び率が初期値の80%以上であることを特徴としている。 【0009】 請求項3のフィルム付き合成板では、請求項1または2において、前記フィルムは、ポリブチレンサクシネート系樹脂及びポリ乳酸系樹脂のいずれか一方または両方を混合した混合樹脂に耐加水分解剤としてのポリカルボジイミド樹脂が2wt%以上、10wt%以下の範囲で混合されて形成されることを特徴としている。 請求項4のフィルム付き合成板では、請求項1または2において、前記フィルムは、ダイマー酸及び1,3プロパンジオールから重合された樹脂であることを特徴としている。 【0010】 請求項5のフィルム付き合成板では、請求項1または2において、前記フィルムは、易接着PETフィルム、易接着PPフィルム、または易接着PA6フィルムであることを特徴としている。 請求項6のフィルム付き合成板では、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記フィルムと前記合成板との間の接着力が180度ピーリング強度7N/25mm以上であることを特徴としている。 【0011】 請求項7のフィルム付き合成板では、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記リグノセルロース系材料は、平均繊維長を10mmから90mmの範囲で繊維化した竹であることを特徴としている。 【発明の効果】 【0012】 上記手段を用いる本発明の請求項1のフィルム付き合成板によれば、合成板表面に透明または着色層を形成させることで、合成板の耐水性、耐湿熱性、臭い、VOCの発生、耐光性、耐磨耗性等の耐久性の向上、並びに合成板の外観及び意匠の向上を図ることができる。 また、透明または着色フィルムは加熱加圧により合成板の表面に貼り合わせるだけの簡単な作業であり、従来のスプレー塗装のような塗料のロスや、焼付け行程等の煩雑な作業もなく、コストを削減させることができる。 【0013】 また、予め作製された透明または着色フィルムを合成板に貼り合わせるので、当該合成板の表面に均一に透明または着色層を形成させることができ、色むら等も生じにくく、例えば合成板表面の凹凸からなる素材感を表現することも容易である。 請求項2のフィルム付き合成板によれば、温度が50℃、相対湿度が90%RHの環境下に480時間置かれた後の引っ張り破断伸び率が初期値の80%以上という加水分解性に優れたフィルムを使用することで、当該フィルム付き合成板の耐湿熱性を確実に向上させることができる。 【0014】 請求項3のフィルム付き合成板によれば、フィルムを合成板に含まれる接着剤と同じ系統の樹脂により形成することで、フィルムを確実に接着させることができる。 また、当該フィルムに耐加水分解剤を混合することで、当該フィルム付き合成板の耐湿熱性を向上させることができる。 請求項4のフィルム付き合成板によれば、合成板に対し接着性に優れたダイマー酸及び1,3プロパンジオールから重合された樹脂からなるフィルムを使用することで、より確実に当該フィルム付き合成板の耐湿熱性、耐光性、耐磨耗性を向上させることができる。 【0015】 請求項5のフィルム付き合成板によれば、合成板に対し耐湿熱性、耐光性、耐磨耗性を有し、且つ接着性に優れた易接着フィルムを使用することで、より確実に当該フィルム付き合成板の耐湿熱性、耐光性、耐磨耗性を向上させることができる。 請求項6のフィルム付き合成板によれば、合成板とフィルムとの接着力が180度ピーリング強度7N/25mm以上とすることで、当該フィルム付き合成板の耐久性を確保することができる。 【0016】 請求項7のフィルム付き合成板によれば、リグノセルロース系材料として、天然系繊維の中でも比較的強度が高い上、抗菌性に優れている竹を使用することで合成板の剛性及び耐久性を向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。 図1を参照すると、本発明に係る合成板の斜視断面図が示されている。 図1に示すように、フィルム付き合成板1は合成板2の表面にフィルム4が貼り合わされて形成されている。 合成板2はリグノセルロース系材料に接着剤としてのポリブチレンサクシネート系樹脂(以下PBS樹脂という)またはポリ乳酸系樹脂(以下PLA樹脂という)若しくはPBS樹脂とPLA樹脂との混合樹脂が混合され、成形されている。 【0018】 リグノセルロース系材料は例えば木材、竹、ケナフ等の木質系や草木系の植物由来の素材の繊維状、粉末状のものが使用されている。または、植物由来の素材をアルカリで処理し繊維にほぐしたもの、若しくは、当該リグノセルロース系材料に蒸煮及び爆砕のいずれか一方の処理を施したものが使用されている。蒸煮・爆砕処理が施されると木質系や草木系の繊維がほぐしやすくなる。さらに、蒸煮・爆砕処理は高温・高圧で施されるため、リグノセルロース系材料に含有される虫やカビ・細菌などを殺虫・殺菌し防腐性、耐久性が向上する。特に竹は抗菌性に優れている上、天然系繊維の中でも比較的強度が高く合成板の剛性及び耐久性を向上させることができる。 【0019】 また、PBS樹脂は、植物由来の原料から製造可能なコハク酸と1,4ブタンジオールを原料として形成されている。 PLA樹脂は、トウモロコシ等から得られた糖を発酵させて得られる乳酸から合成されている。 当該PBS樹脂及びPLA樹脂は繊維、粉末、ペレット、エマルジョン、溶液等のどの形態であっても構わない。ただし、通常PBS樹脂及びPLA樹脂は加水分解性・生分解性を有しており、これをそのまま車両の内装部材や建築部材等に使用すると製品寿命が短いものとなるので、PBS樹脂及びPLA樹脂には耐加水分解剤としてのポリカルボジイミド樹脂を混合し末端封鎖等の処理を行うことで加水分解性・生分解性を抑制する。具体的には、合成板2の耐湿熱性・耐生分解性に関しては、温度50℃、湿度90%RH、の環境下に480時間置かれ、その後の引っ張り破断伸びが初期値の80%以上であることが好ましい。 【0020】 リグノセルロース系材料とPBS樹脂またはPLA樹脂との混合手段としては、ニーダー、ロール、二軸押し出し機等の混合機の利用、またはスプレー等を利用して混合する。あるいは、リグノセルロース系材料と繊維状のPBS樹脂またはPLA樹脂を解繊機・反毛機等で繊維同士を絡み合わせてもよい。また、ニードルパンチ等を利用し、かさ高いマット状のプリフォームにしてもよい。さらに、リグノセルロース系材料をかさ高いマット状にし、その表面にPBS樹脂またはPLA樹脂を散布してもよい。 【0021】 そして、合成板2の成形は、リグノセルロース系材料とPBS樹脂またはPLA樹脂若しくはPBS樹脂とPLA樹脂とを混合した混合樹脂とを混合したものを金型に充填し、加熱加圧することで行う。 一方、フィルム4は、透明または着色されたポリエステル系樹脂からなるもので、例えばPBS樹脂フィルム、PLA樹脂フィルム、PBS樹脂及びPLA樹脂を混合した樹脂フィルム、ダイマー酸と1,3プロパンジオールから重合された樹脂フィルム、片面に接着剤が塗布された易接着PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂フィルム、易接着PP(ポリプロピレン)樹脂フィルム、または易接着PA6(ポリアミド6)樹脂フィルムである。なお、PBS樹脂フィルム及びPLA樹脂フィルムについては耐加水分解剤としてのポリカルボジイミド樹脂を混合し末端封鎖等の処理を行うことで加水分解性とその後の生分解性を抑制する。このポリカルボジイミド樹脂の配合比は2wt%以上、10wt%以下の範囲であり、好ましくは2.5wt%以上、9.0%以下の範囲である。 【0022】 また、当該フィルム4の耐湿熱性・耐生分解性に関しては、温度50℃、90%RH、の環境下に480時間置かれ、その後の引っ張り破断伸びが初期値の80%以上であることが好ましい。 当該フィルム4の合成板2への貼り合わせは、まず合成板2を成形し、当該成形された合成板2の表面にフィルム4を載せて加熱加圧する方法や、金型にリグノセルロース系材料とPBS樹脂またはPLA樹脂若しくはPBS樹脂とPLA樹脂とを混合した混合樹脂とを混合したものを充填し、その上にフィルム4を載せ加熱加圧することで合成板2の成形とフィルムの貼り合わせを同時に行う方法等がある。 【0023】 ここで本発明に係るフィルム付き合成板の具体的な成形方法の一例を挙げる。 図2を参照すると本発明に係るフィルム付き合成板の作製時の構成を示す斜視図が示されている。以下、図2に基づき説明する。 図2に示すように、ステンレス板6の上に、PPからなるシート8を敷き、その上に枠部材(スペーサ)10を置く。 【0024】 リグノセルロース系材料と、PBS樹脂またはPLA樹脂若しくはPBS樹脂とPLA樹脂との混合樹脂を混合したかさ高いマット状のプリフォーム2aを配置し、当該プリフォーム2a上にフィルム4を載せる。 そして、当該フィルム4の上にPPからなるシート12を載せ、さらにその上にステンレス板14を配設する。 【0025】 このスペーサ10及びステンレス板6、14で囲まれた状態のプリフォーム2a及びフィルム4を、予め上型、下型を加熱してある油圧プレス装置に設置し、加圧することで合成板2の表面にフィルムが貼り合わされたフィルム付き合成板1を成形する。 このように、本発明に係るフィルム付き合成板では、PBS樹脂またはPLA樹脂が接着剤の役割を果たし、当該合成板2の成形とフィルム4の貼り合わせとを同一行程で行うことができ、作業を単純化させることができる。 【0026】 したがって、従来のスプレー塗装のような塗料のロスや、焼付け工程等の煩雑な作業がなく、コストを大幅に削減することができる。 そして、このように合成板2の表面に透明または着色層を形成させることで、合成板2の耐光性、耐水性、耐湿熱性、耐磨耗性等の耐久性の向上、並びに外観及び意匠の向上を図ることができる。 【0027】 また、予め作製された透明または着色フィルム4を合成板2に貼り合わせることで合成板2表面に透明または着色層を形成させるので、当該透明または着色層は均一で、色むら等も生じにくく、例えば合成板表面の凹凸からなる素材感を表現することも容易である。 このように、本発明に係るフィルム付き合成板は、環境や人体への負担を軽減するとともに、簡単な作業で合成板表面に透明または着色層を形成させることができ、当該合成板の耐久性や外観や意匠を向上させることができる。 【実施例】 【0028】 実施例1 フィルムとして、PBS樹脂85wt%にシアニンブルー0.70wt%、シアニングリーン1.80wt%、カーボンブラック0.80wt%、チタンホワイト0.16wt%、及び耐加水分解剤としてポリカルボジイミド2.5wt%を混入させた厚さ25ミクロンのグリーン着色フィルム(三菱化学製「GS Pla」、グレードAD92W)を使用した。 【0029】 また、リグノセルロース系材料として、機械加工で竹を粉砕解繊して得た長さ25〜70mmの竹繊維を使用した。 当該竹繊維に、PBS樹脂を解繊機により混合し、かさ高いマット状のプリフォームを作製した。 当該プリフォームを金型に入れ、油圧プレス装置により加熱加圧することで合成板を成形した。 【0030】 そして、当該合成板の上に上記グリーン着色フィルムを載せ、再度油圧プレス装置により加熱加圧を行うことで、表面がグリーン色で竹繊維の凹凸が浮き出たフィルム付き合成板を作製した。 実施例2 フィルムとして、PLA樹脂89wt%にシアニンブルー6.00wt%、キナクリドン系赤0.40wt%、カーボンブラック0.70wt%、アルミ顔料2.00wt%、及び耐加水分解剤としてポリカルボジイミド2.5wt%を混入させた厚さ100ミクロンのディープブルー着色フィルム(ユニチカ製「テラマック」)を使用した。 【0031】 また、リグノセルロース系材料として、機械加工で竹を粉砕解繊して得た平均繊維長10〜90mmの竹繊維を使用した。 当該竹繊維に、PLA樹脂を解繊機により混合し、かさ高いマット状のプリフォームを作製した。 当該プリフォームを金型に入れプリフォーム表面に上記フィルムを載せ、油圧プレス装置により加熱加圧することで合成板の成形とフィルムの貼り合わせを同時に行い、表面がディープブルー色で竹繊維の凹凸が浮き出たフィルム付き合成板を作製した。 実施例3 フィルムとして、厚さ100ミクロンのダイマー酸と1,3プロパンジオールから重合された透明フィルム(東レ製、高柔軟タイプ)を使用した。 【0032】 また、リグノセルロース系材料として、機械加工で竹を粉砕解繊して得た平均繊維長10〜90mmの竹繊維を使用した。 当該竹繊維に、PLA樹脂を解繊機により混合し、かさ高いマット状のプリフォームを作製した。 当該プリフォームを金型に入れプリフォーム表面に上記フィルムを載せ、油圧プレス装置により加熱加圧することで合成板の成形とフィルムの貼り合わせを同時に行い、透明な表層を有し竹繊維の凹凸が浮き出たフィルム付きの合成板を作製した。 実施例4 フィルムとして、厚さ50ミクロンの易接着PET透明フィルム(東洋紡製「ソフトシャイン」、グレードA1535)を使用した。 【0033】 また、リグノセルロース系材料として、機械加工で竹を粉砕解繊して得た平均繊維長10〜90mmの竹繊維を使用した。 当該竹繊維に、PLA樹脂を解繊機により混合し、かさ高いマット状のプリフォームを作製した。 当該プリフォームを金型に入れプリフォーム表面に上記フィルムを載せ、油圧プレス装置により加熱加圧することで合成板の成形とフィルムの貼り合わせを同時に行い、透明な表層を有し竹繊維の凹凸が浮き出たフィルム付きの合成板を作製した。 実施例5 フィルムとして、厚さ30ミクロンの易接着PP透明フィルム(東レ製「トレファン」、グレードNL12)を使用した。 【0034】 また、リグノセルロース系材料として、機械加工で竹を粉砕解繊して得た平均繊維長10〜90mmの竹繊維を使用した。 当該竹繊維に、PBS樹脂を解繊機により混合し、かさ高いマット状のプリフォームを作製した。 当該プリフォームを金型に入れプリフォーム表面に上記フィルムを載せ、油圧プレス装置により加熱加圧することで合成板の成形とフィルムの貼り合わせを同時に行い、透明な表層を有し竹繊維の凹凸が浮き出たフィルム付き合成板を作製した。 実施例6 フィルムとして、厚さ25ミクロンの易接着PA6透明フィルム(東洋紡製「ハーデンフィルム」、グレードNAP02)を使用した。 【0035】 また、リグノセルロース系材料として、機械加工で竹を粉砕解繊して得た平均繊維長10〜90mmの竹繊維を使用した。 当該竹繊維に、PBS樹脂を解繊機により混合し、かさ高いマット状のプリフォームを作製した。 当該プリフォームを金型に入れプリフォーム表面に上記フィルムを載せ、油圧プレス装置により加熱加圧することで合成板の成形とフィルムの貼り合わせを同時に行い、透明な表層を有し竹繊維の凹凸が浮き出たフィルム付き合成板を作製した。 比較例1 リグノセルロース系材料として、機械加工で竹を粉砕解繊して得た平均繊維長10〜90mmの竹繊維を使用した。 【0036】 当該竹繊維に、PBS樹脂を解繊機により混合し、かさ高いマット状のプリフォームを作製した。 当該プリフォームを金型に入れ、油圧プレス装置により加熱加圧することで合成板を成形した。 そして、当該合成板の表面にグリーン色のウレタン塗料をスプレーで吹きつけ、焼付け炉に5分間通過させ、合成板表面の凹凸がグリーン色の塗膜により隠滅された合成板を作製した。 比較例2 フィルムとして、厚さ40ミクロンのPP透明フィルム(東レ製「トレファン」、グレード2500)を使用した。 【0037】 また、リグノセルロース系材料として、機械加工で竹を粉砕解繊して得た平均繊維長10〜90mmの竹繊維を使用した。 当該竹繊維に、PBS樹脂を解繊機により混合し、かさ高いマット状のプリフォームを作製した。 当該プリフォームを金型に入れプリフォーム表面に上記フィルムを載せ、油圧プレス装置により加熱加圧することで合成板の成形とフィルムの貼り合わせを同時に行ったが、合成板にフィルムが接着しなかった。 比較例3 フィルムとして、厚さ38ミクロンのPET透明フィルム(東洋紡製「東洋紡エステルフィルム」、グレードE5000)を使用した。 【0038】 また、リグノセルロース系材料として、機械加工で竹を粉砕解繊して得た平均繊維長10〜90mmの竹繊維を使用した。 当該竹繊維に、PBS樹脂を解繊機により混合し、かさ高いマット状のプリフォームを作製した。 当該プリフォームを金型に入れプリフォーム表面に上記フィルムを載せ、油圧プレス装置により加熱加圧することで合成板の成形とフィルムの貼り合わせを同時に行ったが、合成板にフィルムが接着しなかった。 比較例4 フィルムとして、厚さ50ミクロンのコロナ放電処理PET透明フィルム(東洋紡製「トレファン」、グレードE5100)を使用した。 【0039】 また、リグノセルロース系材料として、機械加工で竹を粉砕解繊して得た平均繊維長10〜90mmの竹繊維を使用した。 当該竹繊維に、PBS樹脂を解繊機により混合し、かさ高いマット状のプリフォームを作製した。 当該プリフォームを金型に入れプリフォーム表面に上記フィルムを載せ、油圧プレス装置により加熱加圧することで合成板の成形とフィルムの貼り合わせを同時に行った。しかし、接着力はあったが弱く合成板とフィルムが容易にはく離するものであった。 【0040】 上記実施例1乃至6及び比較例1乃至4のフィルム付き合成板について、外観・意匠の分析、VOC量の分析、石油由来材料の使用量、耐湿熱性の分析、作業工程の煩雑さ、180度ピーリング試験結果、表面耐光性の分析を行い、その結果を下記表1及び表2に示した。なお、180度ピーリング試験は合成板に貼り合わされたフィルムの端をはがし180度の角度で引っ張ることで接着力を測定する試験である。また、表面耐光性の分析は、耐光性試験機によりフィルム付き合成板に紫外線を200時間照射後の色差を分析した。 【0041】 【表1】
【0042】 【表2】
【0043】 当該表1に示すように、実施例1乃至6の外観・意匠はそれぞれ合成板表面に竹繊維が浮き出ており良好なものであった。 これに対して、表2に示すように比較例1は塗膜により表面の凹凸は隠滅され竹繊維の素材感が表現されなかった。また比較例2乃至4についてはフィルムが合成板に接着せず、外観・意匠の向上を図ることはできなかった。 VOCについては、フィルムがポリエステル系樹脂である実施例1乃至6及び比較例2乃至4はほぼ検出されなかったが、ウレタン塗料を使用している比較例1には多量のVOCが検出された。 【0044】 石油由来材料の使用量については、フィルムに植物由来のPBS樹脂、PLA樹脂を使用している実施例1、2は極少量であり、一部植物由来材料を使用しているダイマー酸及び1,3プロパンジオールから重合された樹脂を使用している実施例3は少量、石油由来のPET系樹脂、PP系樹脂、またはPA6系樹脂を使用している実施例4乃至6及び比較例2乃至4は中量の使用であり、ウレタン塗料を使用している比較例1は多量の溶剤を使うこともあり、多量に石油由来材料を使用しているという結果となった。 【0045】 耐湿熱性については、耐加水分解剤を混合した植物由来のフィルムを使用した実施例1、2はやや良好な耐湿熱性を示し、ダイマー酸及び1,3プロパンジオールから重合された樹脂、易接着PET樹脂からなるフィルムを使用した実施例3,4については良好な耐湿熱性を示した。そして、特に易接着PP樹脂フィルム、易接着PA6樹脂フィルムを使用した実施例5、6及び塗装を行った比較例1については優秀な耐湿熱性を示した。一方、フィルムが完全に接着しなかった比較例2乃至4はフィルムが合成板本体を保護できないため、耐湿熱性が劣った結果となった。 【0046】 工程の煩雑さについては、焼付け工程を必要とする比較例1は煩雑なものであり、その他の実施例1乃至6及び比較例2乃至4は加熱加圧によりフィルムを貼り合わせの簡単な作業であった。 180度ピーリング強度については、フィルムが合成板と同様の素材からなる実施例1、2が優秀であり、塗装による比較例1も優秀なものであった。また、ダイマー酸と1,3プロパンジオールから重合された樹脂や接着剤が片面に塗布された易接着系の樹脂フィルムについては良好からやや良好な接着性を有していた。これに対して接着しなかった比較例2乃至4は劣ったものであった。 【0047】 表面耐光性については、植物由来のPBS樹脂フィルム、PLA樹脂フィルムを使用した実施例1、2、及び易接着PA6フィルムを使用した実施例6はやや良好なものであり、その他の実施例3乃至5及び比較例1乃至4はそれぞれ良好な結果となった。 臭いについては、塗装を行った比較例1は劣っており、フィルムの貼り合わせによる実施例1乃至6や比較例2乃至4は良好な結果となった。 【0048】 このように、実施例1、2のように植物由来のフィルムを使用し、フィルム付き合成板を全て植物由来の素材から形成することで、石油由来材料の使用量を極少量とすることができ、環境面で非常に優れたものとすることができるということがわかった。また、フィルムが合成板と同一の素材であることで接着力を強固なものとすることができるということがわかった。 【0049】 また、実施例3乃至6のように片面に接着剤を塗布した石油由来のフィルムを使用することで、比較的良好な接着性を有しつつ、フィルム付き合成板の耐湿熱性、耐光性を十分に向上させることができることがわかった。 以上で本発明に係るフィルム付き合成板の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。 【0050】 例えば、上記実施形態では加熱加圧成形により合成板の成形を行っているが、この成形手段に限られるものではなく、例えば射出圧縮成形等で成形しても構わない。 また、上記実施例では、リグノセルロース系材料として機械加工で粉砕解繊して得た竹繊維を適用した例を示したが、本発明は何らこれに限定されるものではなく、リグノセルロース系材料として例えば一般のケナフや麻などを適用しても良い。 【図面の簡単な説明】 【0051】 【図1】本発明に係るフィルム付き合成板の斜視図である。 【図2】本発明に係るフィルム付き合成板の合成板の作製時の構成を示す斜視図である。 【符号の説明】 【0052】 1 フィルム付き合成板 2 合成板 2a プリフォーム 4 フィルム 6、14 ステンレス板 8、12 シート 10 スペーサ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006286 【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月31日(2006.7.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090022 【弁理士】 【氏名又は名称】長門 侃二
【識別番号】100116447 【弁理士】 【氏名又は名称】山中 純一
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| 【公開番号】 |
特開2008−30372(P2008−30372A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−208015(P2006−208015) |
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