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【発明の名称】 床材の表面仕上げ方法
【発明者】 【氏名】金井 英樹

【氏名】後藤 高史

【氏名】星野 稔

【氏名】角田 敬

【要約】 【課題】ムクの単板の表面を滑らかにするとともに、寸法安定性に優れた、見栄えのよい床材を得るための床材の表面仕上げ方法を提供する。

【解決手段】ムクの乾燥した単板を予め加圧処理した後、表面処理工程、サンディング工程、着色塗装工程、仕上げ塗装工程を経て表面を仕上げる床材の表面仕上げ方法。好ましくは、上記乾燥単板の厚みが5〜15mmであり、上記加圧処理を0.1〜10kg/cm2 の圧力で行われる。又、上記加圧を上金型と下金型とにより圧縮する金型法により行う床材の表面仕上げ方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムクの乾燥した単板を予め加圧処理した後、表面処理工程、サンディング工程、着色塗装工程、仕上げ塗装工程を経て表面を仕上げる床材の表面仕上げ方法。
【請求項2】
上記乾燥単板の厚みが5〜15mmである請求項1に記載の床材の表面仕上げ方法。
【請求項3】
上記加圧処理を0.1〜10kg/cm2 の圧力で行う請求項1に記載の床材の表面仕上げ方法。
【請求項4】
上記加圧を上金型と下金型とにより圧縮する金型法により行う請求項1に記載の床材の表面仕上げ方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、床材の表面仕上げ方法に関する。さらに詳しくは、ムクの単板からなる床材の表面仕上げ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ムクの床材、すなわち、松、杉、ヒノキ、ラワン、ブナ、カエデ、カツラ、ナラ等の原木を厚手に切断加工して板材とし、その表面を着色して仕上げられたものは、床材として従前より、広く使用されている。
【0003】
すなわち、山から伐り出した原木は、樹木の種類にもよるが40〜300%にわたる含水率を有しているため、通常、自然乾燥によって水分を放出させる。その後、樹皮を剥がし、角材や板材を切り出す作業を行う。床材等、厚手の板材は、板目(年輪の目に沿うように接線方向に切り出した板の表面に現れる不規則な曲線模様)方向に切り出し、板材が吸収する水分と放出する水分とが平衡する平衡含水率に達するまで自然乾燥、または加熱乾燥によって乾燥を行う。
【0004】
上記平衡含水率は、施設や地域、用途によって異なるため、一概にはいえないが、おおむね12〜16%であり、冷暖房施設の整った屋内での使用が基本となる建材、家具用材等では、さらに乾燥させる必要がある。通常、乾燥は乾燥室内で加熱して行うが、乾燥工程終了後は、十分な養生期間を設け、現場で使用の際に寸法に誤差が生じないように、木材内の含水率をできるだけ均一にして出荷される。このようにして出荷されたムクの乾燥単板は、本願図4のブロック図に示すように、表面処理、サンディング、着色塗装、仕上げ塗装等の工程を終えて最終製品、例えば、床材として使用される。
【0005】
一方、上記したように、木材は含水率が高い状態では、寸法安定性に劣るという性質を利用して、木材を成型することも可能である。下記特許文献1には木材に曲面加工を施すためのプレス成形装置、すなわち、下方に対して凸に湾曲した成形面を有する上型と、この上型の成形面形状に対応して上方に対して凹に湾曲した成形面を有する下型と、この下型の成形面上に複数個の並列したクッションスプリングとからなる木材のプレス成形装置が開示されている。そして、木材を水蒸気処理して含水率の高い湿潤状態とし、この木材を上記プレス成形装置でプレスすることによって亀裂、折損等の成型欠陥を少なくし、主として曲面を有する木材に成形できる旨の技術が開示されている。
【特許文献1】実公平07−27126号公報(第1〜3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来、本願図4に示すブロック図にしたがって、乾燥単板1を表面処理工程、サンディング工程、着色塗装工程、仕上げ塗装工程を経て製造した床材の表面塗料を加熱して乾燥するとき、基材である乾燥単板1に内在するヒビや割れ、孔等微細な隙間に内包された空気が熱膨張して気泡となり、塗膜に凹凸が生じるという問題がある。その結果、仕上げ塗装を行った後、表面が粗く、毛羽立ってザラつき、手触り感の悪いものとなる。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、ムクの単板の表面を滑らかにし、寸法安定性に優れた、見栄えのよい床材を得るための床材の表面仕上げ方法を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明においては、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、ムクの乾燥した単板を予め加圧処理した後、表面処理工程、サンディング工程、着色塗装工程、仕上げ塗装工程を経て表面を仕上げる床材の表面仕上げ方法が提供される。上記ムクの単板としては、通常、建材や家具等に用いられる天然木の板材があげられ、松、杉、ヒノキ、ラワン、ブナ、カエデ、カツラ、ナラ等の原木を板材に加工したものがあげられる。
【0009】
請求項2に記載の床材の表面仕上げ方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記乾燥単板の厚みが5〜15mmの単板とされる。
【0010】
請求項3に記載の床材の表面仕上げ方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記加圧処理が0.1〜10kg/cm2 の範囲で加圧される。加圧の方法はとくに限定されず、上金型と下金型を用いて加圧する金型法、重いロールを用いて加圧するロールプレス法等が用いられる。
【0011】
請求項4に記載の床材の表面仕上げ方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記加圧が上金型と下金型とにより圧縮する金型法により行われる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明にかかる床材の表面仕上げ方法は上記のとおりであり、乾燥したムク単板を予め加圧処理し、基材である乾燥単板に内在するヒビや割れ、孔等微細な隙間に内包された空気を圧し出した後、表面処理、サンディング、着色塗装、仕上げ塗装等、通常の工程を経て表面を仕上げることにより、塗料を乾燥するときの加熱によって、上記空気が熱膨張して気泡となり、表面に凹凸が発生することを防ぐ。したがって、毛羽立ちをなくし、滑らかに、床材の表面を仕上げることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明にかかる床材の表面仕上げ方法は上記のとおりであり、請求項1の床材の表面仕上げ方法の有する効果に加え、ムク単板の厚みを5〜15mmの単板とすることにより、床材として作業性よく、床面の施工ができるとともに、デザイン性よく床面を仕上げることができる。
【0014】
請求項3に記載の床材の表面仕上げ方法は上記のとおりであり、請求項1の床材の表面仕上げ方法の有する効果に加え、上記加圧処理を0.1〜10kg/cm2 の圧力で行うことにより、構造破壊が生じない範囲で、乾燥単板に内在するヒビや割れ、孔等、微細な隙間に内包された空気を効率よく圧し出すことができる。
【0015】
請求項4に記載の床材の表面仕上げ方法は上記のとおりであり、請求項1の床材の表面仕上げ方法の有する効果に加え、上記加圧を上金型と下金型とにより圧縮して行うことにより、乾燥単板全体に均等に圧力がかかるため、乾燥単板に内在するヒビや割れ、孔等の微細な隙間に含まれる空気がムラなく圧し出され、乾燥単板の表面を緻密で平滑にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明にかかる床材の表面仕上げ方法の実施形態について、図1にしたがって説明する。図1は、上記床材の表面仕上げ方法の工程を示すブロック図である。松、杉、ヒノキ等から5〜15mm厚に製材されたムク単板は、図外乾燥装置内でおおむね12〜16%の平衡含水率まで乾燥される。この乾燥単板1は、加圧工程において、まず上金型と下金型とからなるプレス装置によって加圧され、加圧乾燥単板1aとされる。
【0017】
図2は上金型2と下金型3とからなるプレス装置Pによって乾燥単板1を加圧する加圧工程を示す説明図である。このとき、加圧は上記乾燥単板1に構造破壊を生じさせない程度の圧力、すなわち、0.1〜10kg/cm2で行い、樹木の種類、気温、湿度等外部環境等も勘案して、適宜最適の圧力を選んで行う。この加圧によって、図3に模式的に示すように、乾燥単板1に内在するヒビや割れ等の微細な隙間11に内包された空気は圧縮され、圧し出されるとともに、加圧された乾燥単板の表面は締まった、緻密なものとなる。このように表面が圧縮処理された加圧乾燥単板1aに対して、通常の塗装処理が施される。
【0018】
すなわち、図1のブロック図に示すように、上記加圧工程を終了した加圧乾燥単板1aの表面に、パテ、ベニヤコート等の表面処理剤を塗布して表面処理を行う。通常、上記表面処理剤の塗布は、ロールコータ法、フローコータ法、カーテンコータ法、スプレー法等により行われ、上記圧縮処理された表面には上記表面処理剤が均一に塗布される。
【0019】
引き続き上記表面処理剤が塗布された加圧乾燥単板1aの表面はサンディング処理される。サンディングは、#180〜#240のサンドペーパによって、人手またはベルトサンダー等、またはロールブラシサンダー等公知の機械的方法によって行われる。サンドペーパの粗さ、ロールブラシの粗さ等は、用いる樹木の種類、加圧乾燥単板1aの厚さ、大きさ等によって適宜選択して用いられる。
【0020】
上記サンディング工程を終了した加圧乾燥単板1aは、ついで、下塗り塗料により着色塗装処理される。下塗り塗料による着色は、通常、ムクの木の持つ暖かさ、柔らかさ、木目の持つ意匠性等の特質を活かすため、中間色あるいは淡色となるように油性塗料または水性塗料によって着色される。
【0021】
通常、図1に示す着色塗装工程において、塗料を乾燥させるために加熱するが、既述の加圧工程において乾燥単板1に内在するヒビや割れ等の微細な隙間11に含まれた空気は既に圧し出されているため、気泡が発生することはなく、表面に凹凸が発生することを防げる。
【0022】
このようにして着色された塗装面は、最終的に仕上げ塗装される。仕上げ塗装は、加圧乾燥単板1aの表面に光沢を与え、また、硬い塗膜を形成して加圧乾燥単板1aの表面を保護し、また、表面に汚れが付着することを防ぐ等、種々の目的で行われる。仕上げ塗装は主として硬化性クリア塗料が用いられ、アクリル系あるいはウレタン系の紫外線硬化型、加熱硬化型のクリア塗料が用いられる。このようにして仕上げられた床材1bの表面は毛羽立ちのない、手触りのよい、滑らかなものであり、本発明の方法を実施することにより、優れた床材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明にかかる床材の表面仕上げ方法の工程を示すブロック図である。
【図2】プレス装置によって乾燥単板を加圧する加圧工程を示す説明図である。
【図3】加圧工程における加圧の効果を示す説明図である。
【図4】公知の床材の表面仕上げ方法の工程を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0024】
1 乾燥単板
1a 加圧乾燥単板
1b 床材
11 隙間
2 上金型
3 下金型
P プレス装置
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成19年4月24日(2007.4.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−265215(P2008−265215A)
【公開日】 平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願番号】 特願2007−113631(P2007−113631)