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【発明の名称】 化粧単板貼り床材の製造方法
【発明者】 【氏名】笛木 浩史

【氏名】山田 司

【氏名】角田 敬

【要約】 【課題】高価な化粧単板を用いて床材を製造するに際し、化粧単板の使用量を少なくすると共に加工作業の効率を向上することを課題とする。

【解決手段】化粧単板1と捨単板2との端面を互いに接着して形成した均一な厚みの単板シート3を、床材基板4表面に貼着一体化した後、該捨単板2の箇所を加工する化粧単板貼り床材の製造方法であって、単板シート3は化粧単板1の周辺が捨単板2で構成され、単板シート3の中央部に捨単板2Aが位置し、捨単板部2Aに溝加工等の切削加工を施し、床材基板4の側面に実部加工を施すものである。又、単板シート3と床材基板4とを一体化した後、捨単板2に沿って切断分離して得られた床材基板4の側面に実部加工を施す化粧単板貼り床材の製造方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧単板と捨単板との端面を互いに接着して形成した均一な厚みの単板シートを、床材基板表面に貼着一体化した後、該捨単板の箇所を加工する化粧単板貼り床材の製造方法。
【請求項2】
上記単板シートは化粧単板の周辺が捨単板で構成されている請求項1記載の化粧単板貼り床材の製造方法。
【請求項3】
上記単板シートは単板シートの中央部に捨単板が位置している請求項1ないし2いずれか記載の化粧単板貼り床材の製造方法。
【請求項4】
上記単板シートと床材基板とを一体化した後、捨単板部に溝加工等の切削加工を施す請求項1ないし3いずれか記載の化粧単板貼り床材の製造方法。
【請求項5】
上記単板シートと床材基板とを一体化した後、床材基板の側面に実部加工を施す請求項1ないし4いずれか記載の化粧単板貼り床材の製造方法。
【請求項6】
上記単板シートと床材基板とを一体化した後、捨単板に沿って切断分離して得られた複数枚の床材基板の側面に実部加工を施す請求項1ないし5いずれか記載の化粧単板貼り床材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は高価な化粧単板を用いて床材を製造するに際し、化粧単板の使用量を少なく且つ加工作業の効率化を図る化粧単板貼り床材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧単板貼り床材は、床材と床材基板に化粧単板を直接貼る方法と、化粧単板に裏打ち材を接着しこれを床板基板に貼る方法とがある。そして化粧単板と床板基板とを一体化した後、溝加工を施しあるいは施すこと無く適宜寸法に切断し、床板基板の周辺に実部が加工形成される。特に近年小さいサイズの床材を並べて豪華な外観に見せるようになっているのが流行しているが、このような小さいサイズの床材も一枚ずつ製造されている。
【特許文献1】特開2000−210909号公報(第3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載されている建築材の製造方法は大きなサイズの基材の表面に化粧単板等の高価な表面材を全面にわたって積層し一体化した原板材の表面側に、建築材の大きさに応じて凹溝を加工し、更に着色や塗装等の表面仕上げを施し、しかる後、凹溝に沿って板材を切断して所定のサイズの建築材を複数枚同時に形成するもので生産性を向上するものである。
【0004】
しかし上記方法では化粧単板のような高価な表面材を床材基板表面の全面に貼るものであり、凹溝を形成しあるいは切断して床材基板の側面に実部を加工する際に、同時に高価な表面材を切断または切削するものである。
【0005】
本発明では切断や切削による化粧単板のロスをなくし、効率的な加工方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る化粧単板貼り床材の製造方法の第一の特徴構成は、請求項1に記載した如く、化粧単板と捨単板との端面を互いに接着して形成した均一な厚みの単板シートを、床材基板表面に貼着一体化した後、該捨単板の箇所を加工する点にある。
【0007】
同第二の特徴構成は、請求項2に記載した如く、第一の特徴構成に加えて、上記単板シートは化粧単板の周辺が捨単板で構成されている点にある。
【0008】
同第三の特徴構成は、請求項3に記載した如く、第一の特徴構成または第二の特徴構成のいずれかに加えて、上記単板シートは単板シートの中央部に捨単板が位置している点にある。
【0009】
同第四の特徴構成は、請求項4に記載した如く第一の特徴構成から第三の特徴構成のいずれかに加えて、上記単板シートと床材基板とを一体化した後、捨単板部に溝加工等の切削加工を施す点にある。
【0010】
同第五の特徴構成は、請求項5に記載した如く第一の特徴構成から第四の特徴構成のいずれかに加えて、上記単板シートと床材基板とを一体化した後、床材基板の側面に実部加工を施す点にある。
【0011】
同第六の特徴構成は、請求項6に記載した如く第一の特徴構成から第五の特徴構成のいずれかに加えて、上記単板シートと床材基板とを一体化した後、捨単板に沿って切断分離して得られた複数枚の床材基板の側面に実部加工を施す点にある。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の化粧単板貼り床材の製造方法は、前記構成であるから、化粧単板と捨単板からなる均一な厚みの単板シートを床材基板表面に貼着する作業が精度よく簡単に行える。又、床材基板の表面の捨単板部を切断または切削加工するから、高価な化粧単板を切断しあるいは切削する必要がなくなり、化粧単板の使用量を少なくでき床材を安価に製造できる。又、化粧単板の反りや変形が化粧単板の周辺部に捨単板あるために防止される。
【0013】
請求項2に記載の化粧単板貼り床材の製造方法は、前記構成であるから、請求項1の化粧単板貼り床材の製造方法が有する効果に加え、床材基板に実加工する場合でも、捨単板を有する部分に加工を加えるものであるから、高価な化粧単板を切断しあるいは切削する必要がなくなる。又、化粧単板の反りや変形が化粧単板の周辺部に捨単板があるために防止される。
【0014】
請求項3に記載の化粧単板貼り床材の製造方法は、前記構成であるから、請求項1または請求項2のいずれかの化粧単板貼り床材の製造方法が有する効果に加え、この捨単板部を利用して溝加工や切断加工を行い、単板シートの化粧単板部分を加工することが無く、捨単板部が加工部になり加工作業の目安を付け易く加工作業の効率が向上する。更に化粧単板の使用量が少なくてすむために高価な化粧単板を有効に活用できる。
【0015】
請求項4に記載の化粧単板貼り床材の製造方法は、前記構成であるから、請求項1から請求項3のいずれかの化粧単板貼り床材の製造方法が有する効果に加え、捨単板部を目安にして溝加工を行うことができ、溝加工が容易にでき且つ化粧単板を無駄にすることがない。
【0016】
請求項5に記載の化粧単板貼り床材の製造方法は、前記構成であるから、請求項1から請求項4のいずれかの化粧単板貼り床材の製造方法が有する効果に加え、床材基板の側面に実加工を施すもので、実加工される床材基板の表面部には捨単板が位置しており、捨単板の部分を加工すればよいものであり化粧単板が切断、切削されることがなく、大きなサイズの床材でも容易に製造できる。
【0017】
請求項6に記載の化粧単板貼り床材の製造方法は、前記構成であるから、請求項1から請求項5のいずれかの化粧単板貼り床材の製造方法が有する効果に加え、捨単板に沿って切断、分離して標準サイズの床材基板を複数枚同時に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について本実施例のひとつである床材8の製造方法について図面を参照して、詳細に説明する。図1ないし図2は本発明に係る標準サイズの単板シート3及び大きなサイズの単板シート3の夫々を示す平面図であり、図3は図2に示す大きなザイズの単板シート3のAーA線での断面図である。
【0019】
図1から図3に示す図面において1は化粧単板であり、2及び2Aは化粧単板1の周辺に配される捨単板である。通常化粧単板1は、フリッチと称される美麗な表面を有する木材片を煮沸軟化し、それをスライサーで一定の厚みで切断していく。かくして複数枚の化粧単板1を得る。しかしこの化粧単板1は煮沸されることで高含水率であり、含水率の変動を受けやすく反り、変形あるいは割れが生じやすい。
【0020】
この反り等を防ぐ為に通常は得られた化粧単板1は直ちに床材基板4に直接接着されるか、またはフィルム等で含水率の変動を防ぎ保管、移動した後床材基板4に接着される。
【0021】
本発明においては図1、図2、図3に示すような単板シート3、即ち、化粧単板1と捨単板2、2Aとを予め一枚の単板シート3として製造し、該単板シート3を床材基板4の表面に貼着するものである。図1に示す標準サイズの単板シート3が貼着された床材基板4は捨単板2A部の表面に凹溝5加工が施され、着色や塗装された後、捨単板2に沿って切断され、更に床材基板4の側面に実部7が加工されて標準サイズの床材8となる。捨単板2の部分は実部7加工され、捨単板2A部分は凹溝5加工が行われるので捨単板2と2Aとはその幅が異なる。
【0022】
本発明では化粧単板1を得るフリッチの周辺に捨単板2または2Aを得る木片を接着一体化した後、これをスライサーで切断して化粧単板1と捨単板2、2Aからなる均一な厚みを有する単板シート3を得る。単板シート3の大きさは床材基板4の大きさに合わせて形成される。単板シート3の厚みはスライサーを用いる場合通常0.5mm〜1.5mm程度である。
【0023】
上記単板シートの製造方法は、他の製造方法に比べ、即ち、化粧単板1と捨単板2、2Aを夫々独立して形成した後に、化粧単板1と捨単板2、2Aとを突き合わせ接着することにより単板シート3を得る製造方法に比べ、単板シート3の製造が容易となる。特に捨単板2Aは凹溝5の幅であり、細いものであり且つ薄い単板であるから取り扱いが難しい、という問題点を本発明は解決している。本発明に係る単板シート3は、上記単板シートの製造方法で製造することにより、化粧単板1と捨単板2、2Aの間に段差が生じるのを防いだ均一な厚みの単板シート3となる。
【0024】
図1、図2及び図3に示すように単板シート3は化粧単板1と捨単板2と必要に応じて採用される捨単板2Aとからなり、図1に示した単板シート3は表面溝加工と実加工を行った床材8を得るための標準サイズの単板シート3であり、該標準サイズの単板シート3の大きさは、一枚の床材に用いられる標準サイズの床材基板4の大きさに対応している。一枚の大きな床材基板4を切断して複数枚の標準サイズの床材を得るために、図2に示した大きなサイズの単板シート3の大きさは、図1に示した1枚用の標準サイズの単板シート3の大きさの複数倍の大きさにしている。大きなサイズの単板シート3を大きなサイズの床材基板4に貼着した後に、該大きなサイズの単板シート3の捨単板2の夫々の箇所に沿って該大きな床材基板4を切断し、切断された複数の標準サイズの床材基板4の側面に必要に応じて実加工を施す。化粧単板1と捨単板2、2Aとは最終的に得られる床材8の形状により化粧単板1と捨単板2、2Aの大きさと位置が決定される。
【0025】
化粧単板1はその周辺に捨単板2または2Aが位置して固定されている為に化粧単板1の含水率が変動しても化粧単板1の反りや変形あるいは割れが生じにくい。したがって単板シート3を形成後、単板シート3を床材基板4に接着するまでにある程度の時間を要する場合にも容易に保管でき、あるいは移動することも可能となる。またこの単板シート3の裏面に裏打ち材(図示せず)を配置一体化しておくと、単板シート3の反り、変形を効果的に防止できる。
【0026】
単板シート3を床材基板4に接着一体化するとき、該単板シート3は上記製造方法により段差のない均一な厚みに形成されているから、当該接着一体化作業を体裁よく且つ効率よく行うことができる。
【0027】
床材基板4は多くの場合、合板、PB、MDF等の木質材からなる板状体である。単板シート3と床材基板4は一体化された後、その表面部である単板シート3の捨単板2Aの部分に必要に応じてV型、U型等の凹溝5が形成される。この凹溝5は単板シート3の捨単板2A部分を利用して形成されるために、化粧単板1が切削されることはない。
【0028】
図4は標準サイズの床材8を示した一部切欠断面図であり、標準サイズの単板シート3を貼着した標準サイズの床材基板4の側面に切削加工を施して実部7を形成した床材8が同図に示されている。単板シート3の捨単板板2A部分には凹溝5が形成されている。該凹溝5及び実部7には面取部6が形成されている。
【0029】
図5に示された標準サイズの床材8は、一枚の大きな床材基板4に図2に示した一枚の大きな単板シート3を貼着した後、該大きなサイズの単板シート3の捨単板2に沿って切断して複数枚の標準サイズの床材基板4を作り、該標準サイズの床材基板4の端面周囲に実加工を施して得られた標準サイズの床材8を示す断面図である。床材8の表面周縁部には面取部6が形成されている。
【0030】
以上、説明したように化粧単板1の周囲には捨単板2または捨単板2Aが位置する。化粧単板1の含水率が変化して化粧単板1が反り、変形及び割れを生じようとしても捨単板2が化粧単板1と接着されているから化粧単板1の反り、変形及び割れが生じにくい。
【0031】
そして単板シート3の捨単板2または2Aに沿って切断や切削が行われるため、高価な化粧単板1の有効利用が行われ、化粧単板1の使用量が減少する。又、床材基板4を切断、切削加工するとき、単板シート3の捨単板2あるいは捨単板2Aに沿って切断、切削すれば良いから加工が容易となり、作業の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に用いられる標準サイズの単板シートの平面図である。
【図2】本発明に用いられる大きなサイズの単板シートの平面図である。
【図3】図2に示す単板シートのAーA線での断面図である。
【図4】標準サイズの単板シートを用いて製造した標準サイズの床材を示した一部切欠断面図。
【図5】大きなサイズの単板シートを貼着した大きな床材基板を分割して製造した標準サイズの床材を示した断面図。
【符号の説明】
【0033】
1 化粧単板
2 捨単板
2A 凹溝形成部に用いられる捨単板
3 単板シート
4 床材基板
5 凹溝
6 面取部
7 実部
8 床材
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成19年4月10日(2007.4.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−260136(P2008−260136A)
【公開日】 平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願番号】 特願2007−102413(P2007−102413)