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木質床材の溝加工方法 - 特開2008−230156 | j-tokkyo
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【発明の名称】 木質床材の溝加工方法
【発明者】 【氏名】栗田 享

【要約】 【課題】木質床材の表面に切削加工された溝部に毛羽立ちが生じることを防ぎ、溝着色面の色とともに、床材表面の色のバラツキを抑えることのできる木質床材の溝加工方法を提供する。

【解決手段】木質床材の表面に溝加工を行う方法であって、表面と共に切削加工により形成された溝加工面を着色する予備着色工程と、着色に用いた塗料を乾燥させる予備乾燥工程と、溝研磨工程とからなる予備処理を行った後、着色工程、乾燥工程、仕上げ塗装工程からなる本処理工程を行う木質床材の溝加工方法。好ましくは、上記予備着色工程が水性塗料により行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質床材の表面に溝加工を行う方法であって、表面と共に切削加工により形成された溝加工面を着色する予備着色工程と、着色に用いた塗料を乾燥させる予備乾燥工程と、溝研磨工程とからなる予備処理を行った後、着色工程、乾燥工程、仕上げ塗装工程からなる本処理工程を行う木質床材の溝加工方法。
【請求項2】
上記予備着色工程を水性塗料により行う請求項1に記載の木質床材の溝加工方法。
【請求項3】
上記溝研磨工程を研磨ブラシにより行う請求項1に記載の木質床材の溝加工方法。
【請求項4】
上記溝加工がV字型に切削する切削加工である請求項1に記載の木質床材の溝加工方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、床材の溝加工方法に関する。さらに詳しくは、木質床材の表面にV字溝等の溝加工を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、木材資源が枯渇しつつあり、ムクの木材の入手が困難となっているため、種々の木質床材、例えば、合板、集成材、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード等が、価格的にも入手し易く、強度的にも優れていることから、床材として一般的に使用されている。
【0003】
上記木質床材には、通常、疑似目地を設けるとともに、意匠性を向上させる目的で切削加工等によりV字溝等の化粧溝加工が施される。しかしながら、溝加工を施したとき、溝加工面に毛羽立ちが生じ、靴下やストッキング等の繊維が引っ掛かり、伝線等が生じる等の問題や、拭き掃除の際に布の繊維の一部が溝部に残る等の問題がある。このような問題を解決するため、従来、種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、木質系基材の一方の面に少なくとも一条の溝部を設け、該一条の溝部を設けた上記一方の面に化粧シートを貼着した床材において、上記化粧シートが溝部の上記一方の面の角部を被覆するように貼着され、かつ、上記化粧シートで被覆されない上記溝部に塗工層が形成されていることを特徴とする床材が開示されている。
【特許文献1】特開2002−339557号公報(第1〜3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、一方の面に化粧シートを貼着した床材についての技術であるため、例えば、合板の表面を突板で化粧した木質床材に直ちに適用できるものとはいえない。
【0006】
本発明は、このような状況のもとで考え出されたものであり、木質床材の表面に切削加工により溝加工を施した際、溝部に毛羽立ちが生じることを防いで溝加工面を滑らかなものとし、溝着色面の色のバラツキを抑えるとともに、床材表面の色差をも軽減させることのできる木質床材の溝加工方法を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明においては、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、木質床材の表面に溝加工を行う方法であって、表面と共に切削加工により形成された溝加工面を着色する予備着色工程と、着色に用いた塗料を乾燥させる予備乾燥工程と、溝研磨工程とからなる予備処理を行った後、着色工程、乾燥工程、仕上げ塗装工程からなる本処理工程を行う木質床材の溝加工方法が提供される。
【0008】
通常、木質床材の表面に切削加工で溝が形成された場合、溝加工面は、露出し毛羽の立った木質繊維を着色する着色工程、着色された溝加工面を乾燥する乾燥工程、溝加工面と木質床材の表面とを塗装する仕上げ塗装工程からなる方法により加工処理される。
【0009】
しかしながら、上記従来法においては、着色工程で塗料により湿潤して滑らかな加工面を形成した木質繊維は、仕上げ塗装後、乾燥するにつれて反ったり、返ったりするため、再び毛羽立ちが生じる。そして毛羽を核にして塗料が固まってバリとなり、溝加工面は粗面となる。そこで、本発明の方法においては、予備処理工程を設け、予備着色と予備乾燥とを終了後、毛羽立った木質繊維を溝研磨工程によって除く。しかる後、着色工程、乾燥工程、仕上げ塗装工程からなる本処理工程によって、木質床材の溝加工が行われる。
【0010】
上記木質繊維としては、とくに限定されず、合板、集成材、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード等をあげることができる。
【0011】
請求項2に記載の木質床材の溝加工方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記予備着色工程が水性塗料により行われる。
【0012】
請求項3に記載の木質床材の溝加工方法は、請求項1に記載の発明に加えて、
上記溝研磨工程は研磨ブラシにより行われる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、上記溝加工がV字型に切削する切削加工とされる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明にかかる木質床材の溝加工方法は上記のとおりであり、第1工程としての予備着色工程と、第2工程としての予備乾燥工程と、第3工程としての溝研磨工程とからなる予備処理を行った後、着色工程、乾燥工程、仕上げ塗装工程からなる本処理工程を行うことにより、予備処理工程において、着色後乾燥することによって生じる毛羽が、予め除かれているため溝加工面は滑らかとなり、溝部内の色のバラツキを抑えることができる。また、予備処理工程と本処理工程とによって、重ね塗りされているため、1枚の木質床材表面の色差を小さくすることができる。
【0015】
請求項2に記載の木質床材の溝加工方法は上記のとおりであり、請求項1の木質床材の溝加工方法の有する効果に加え、予備着色工程を水性塗料で行うことにより、木質繊維に十分水分を吸収させ、乾燥するにつれて反ったり、返ったりする木質繊維のかなりの部分を毛羽立たせるため、本処理工程における毛羽立ち部分を予め、除いて、滑らかな溝加工面とすることができる。
【0016】
請求項3に記載の木質床材の溝加工方法は上記のとおりであり、請求項1の木質床材の溝加工方法の有する効果に加え、上記溝研磨工程を研磨ブラシにより行うため、毛羽を効率的に除去することができる。
【0017】
請求項4に記載の木質床は材の溝加工方法上記のとおりであり、請求項1の木質床材の溝加工方法の有する効果に加え、上記溝加工がV字型に切削する溝加工であるため、合板の生地にデザイン性よく化粧溝を設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明にかかる木質床材の溝加工方法の実施形態について、木質床材として合板を用いた例について説明する。図1は上記木質床材の溝加工方法を示す工程図である。図1に示すように、合板の表面には、まず、断面略V字状の溝部が切削加工により設けられる。
【0019】
上記工程でV字溝を表面に形成された木質床材は、本処理工程を行う前に、予備処理を行う。すなわち、第1工程として、V字溝の木質繊維の露出面に水性塗料により予備着色を行う。この予備着色は、スポンジロールまたはスプレー塗装することによって行われ、溝部と共に床材の表面も着色される。上記のようにして、水性塗料により着色されたV字溝の加工面の毛羽立った木質繊維は湿潤して腰が柔らかくなり、溝加工面に沿って滑らかな木質繊維着色層を形成する。
【0020】
予備着色後、第2工程として、70〜130℃の温風で溝部内を乾燥させる乾燥工程を行う。この乾燥工程により、水分を飛ばされた木質繊維のうち、かなりの部分は、反ったり、返ったりして木質繊維着色層に再び、毛羽が生じる。その結果、溝加工面は粗面となり、また、塗料が毛羽を核として固まり、バリを生じる。
【0021】
そこで、本予備処理では第3工程として、研磨を行い、上記のようにして生じた毛羽やバリを取り除く。研磨は従来公知の方法、例えば、研磨ブラシで研磨することによりで行われ、生じた毛羽は取り除かれて溝加工面は滑らかとなる。なお、予備着色工程において着色された木質繊維着色層は、その内部まで水性塗料が染みこんでいるため、乾燥、研磨工程終了後も溝加工面の着色は保たれている。
【0022】
このような予備処理を行った後、本処理工程を行う。本処理工程において、まず、溝部と床材表面の再着色を行うが、本着色工程において用いる塗料は予備着色工程と同系統の色調の塗料が用いられる。このようにすることにより重ね塗りの効果が現れ、木質床材の表面と溝部とを色むらなく、均一に着色することができる。
【0023】
ついで、予備乾燥工程における場合と同じく、70〜130℃の温風で乾燥させ、本乾燥工程を行う。上記予備処理により反ったり、返ったりする木質繊維は研磨工程で既に除去されているため、本乾燥工程終了後、溝加工面は毛羽立つことはなく、滑らかな面とすることができる。最終工程としてクリア系の塗料で仕上げ塗装を行い、本発明の木質床材の溝加工方法にかかる全行程を終了する。
【0024】
以下、本発明の実施例について説明する。まず、対象として、木質床材として用いた合板生地(無着色)の表面を切削加工してV字溝を設け、測定直径3mmのHunter Lab製分光測色機ハンディScanXEを用いて溝部内の7点をランダムに選んで測色し、平均値から溝部内の色のバラツキを求めた。L値範囲は14.3、a値範囲は8.5、b値範囲は12.4であった。
【0025】
ついで、合板生地(無着色)表面の10カ所をランダムに選んで測色し、平均値から表面の色のバラツキを求めた。L値範囲は6.86、a値範囲は3.18、b値範囲は4.97であった。
[比較例1]
【0026】
つぎに、予備処理を行わずに、上記合板に着色工程、乾燥工程、仕上げ塗装工程の順で本処理工程を施す従来の方法により木質床材の溝加工を行い、比較例1とした。まず、V字溝の加工面について視覚と触覚による官能検査を行った。その結果、上記従来例による方法では、溝加工面には毛羽が立ち、バリが目視され、また、手触りもざらざらとしたものであった。
【0027】
ついで、合板生地(無着色)の場合と同様にして溝部内の7点をランダムに選んで測色し、平均値から溝部内の色のバラツキを求めた。L値範囲は1.1、a値範囲は0.4、b値範囲は0.7であった。また、表面の10カ所をランダムに選んで測色し、平均値から表面の色のバラツキを求めた。L値範囲は3.76、a値範囲は1.33、b値範囲は1.15であった。
【実施例1】
【0028】
上記合板に本発明の方法を実施した。すなわち、合板の表面に複数のV字溝を切削加工により設け、上記した予備処理の後、着色工程、乾燥工程、仕上げ塗装工程の順で本処理工程を行う本発明の方法を実施し、実施例1とした。V字溝の加工面を視覚と触覚によって官能検査したところ、実施例1によって得られた溝加工面は、視覚では、毛羽やバリは認められず、また、手触りも比較例1と比べて滑らかであった。
【0029】
ついで、上記と同様にして溝部内の7点をランダムに選んで測色し、平均値から溝部内の色のバラツキを求めた。L値範囲は1.0、a値範囲は0.3、b値範囲は0.6であった。また、目視でも溝部内の色のバラツキは小さくなっていた。また、表面の10カ所をランダムに選んで測色し、平均値から表面の色のバラツキを求めた。L値範囲は2.32、a値範囲は0.93、b値範囲は1.03であった。また目視でも製品1枚の表面内の色差は小さくなっていた。
【0030】
上記した対象である、比較例1、実施例1の溝部内の分光測色機による測色結果の7点平均値を表1に示す。表1、表2に示されるように、本発明の方法を実施することにより、溝部と表面共に、色のバラツキや色差が小さくなっていることが明らかである。
【0031】
【表1】


【0032】
【表2】


【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明にかかる木質床材の溝加工方法の工程を示す説明図である。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成19年3月23日(2007.3.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−230156(P2008−230156A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−76021(P2007−76021)