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積層木材 - 特開2008−194896 | j-tokkyo
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【発明の名称】 積層木材
【発明者】 【氏名】秋元 紀幸

【要約】 【課題】積層木材の一方向への旋回木理の抑制。

【解決手段】隣り合う木製単板2,3同士を、その旋回木理方向を逆向きとして積層接着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の木製単板を繊維方向側の面で対向させて積層接着してなる積層木材において、
隣り合う木製単板同士が、その旋回木理方向を逆向きとして積層接着されていることを特徴とする積層木材。
【請求項2】
前記木製単板が、木口の中心に芯部分が位置する芯持ち角材を、繊維方向に沿って芯部分で2分割してなるものであり、該単板同士が互いに旋回木理方向を逆向きとして積層接着されてなることを特徴とする請求項1に記載の積層木材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、積層木材に関し、詳しくは、旋回木理を防ぐのに好適な積層木材に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明の積層木材に関連する先行技術文献情報として、例えば、次の特許文献1がある。
【特許文献1】特開2002−86415号公報
【0003】
前記特許文献1に記載の発明は、丸太から製材した芯を含む芯持ち角材を、芯を含む面で分割して2本の分割材とし、この分割材同士を、分割面で対向させて積層接着して一体化した積層木材に関するものであり、従来の細い丸太から芯持ち角材を製材して乾燥させた場合に、表面や内部に割れが生じる等の不具合を防ぐようにしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、樹木の性質として、成長の過程で「旋回木理(せんかいもくり)」が生じていることが知られており、この旋回木理が角材の「割れ」、「反り」、「狂い」を生じさている。
旋回木理とは、樹木がその周方向の一方向に旋回して捻じれながら成長する現象であり、この旋回木理は、角材として製材された後も生じるため、この旋回木理による捻じれが角材の「割れ」、「反り」、「狂い」等を生じさせる要因となっている。
【0005】
前記特許文献1に記載の積層木材は、乾燥による表面や内部の割れを防ぐということができるものの、2本の分割材を分割面(芯を含む面)で対向させて積層接着しているため、木口に年輪がそのままの形で現れる積層木材である。
すなわち、特許文献1に記載のような積層木材は、一方向への旋回木理が生じる木材となるため、「割れ」、「反り」、「狂い」等が生じる虞を有している。
【0006】
本発明は、積層木材の一方向への旋回木理を抑制し、該旋回木理による「割れ」、「反り」、「狂い」等を低減することを課題とし、この課題を解決した積層木材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明が採用した技術的手段は、複数の木製単板を繊維方向側面で対向させて積層接着してなる積層木材において、隣り合う木製単板同士が、その旋回木理方向を逆向きとして積層接着されていることを特徴とする積層木材にしたことである。
すなわち、本発明の積層木材は、積層接着面を境として一方の木製単板に作用する旋回木理の方向に対して、他方の木製単板に作用する旋回木理方向が逆向きとなることで、互いの旋回木理の力が拮抗して相殺されるため、積層木材に対する一方向への旋回木理の発生を抑制できる。
【0008】
本発明でいう木製単板とは、木口面を正方形又は長方形とした芯持ち角材や芯無し角材を含み、更には、該芯持ち角材や芯無し角材を繊維方向に沿って分割してなるものを含む。
前記木製単板の枚数は、複数枚であればその枚数を限定するものではないが、各木製単板に生じる旋回木理の力を拮抗させるという点で偶数枚が好ましい。
本発明でいう繊維方向とは、樹木の高さ方向に沿う方向であり、年輪と直交する方向である。
【0009】
前記木製単板が芯持ち角材を繊維方向に沿って分割してなるものである場合、例えば、木口の中心に芯部分が位置する芯持ち角材を、繊維方向に沿って芯部分で2分割してなる木製単板とし、該木製単板の積層接着面を分割面とは逆側の面とすることが、各木製単板に生じる旋回木理の力を拮抗させるという点で好ましい。
【0010】
本発明において積層木材の素材となる樹木は、針葉樹や広葉樹のいずれも含むが、比較的旋回木理が大きい針葉樹を用いた積層木材に対して効果的であり、更に、針葉樹の中でも旋回木理が大きいカラマツを用いた積層木材に対して効果的である。
前記カラマツを含む針葉樹は、古くから人工的に植林されている樹木であり、広葉樹に比べて人手による再生産が容易にできる樹木であって、且つ日本国内で入手が容易なものであるため、大量生産が可能であるし、この大量生産のため各種コストが削減でき、安価な
特に、カラマツは、強度的には大きいものであるものの、旋回木理が大きいために「割れ」、「反り」、「狂い」等が大きく影響する家屋の建築用資材や構造用資材等で使用するのが困難なものであって、大半が梱包材や運搬用パレット等の産業資材に使用されており、その利用価値が低いものであったが、本発明の構造とする積層木材とすることにより、建築用資材や構造用資材を含み幅広い分野での利用が可能となり、よって、積層木材の利用価値が高まることが期待できる。
又、本発明は、通常、各種資材として利用し難く、産業廃棄物とされる間伐材を積層木材の素材として用いることにより、資源の有効利用という点で効果的である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、積層木材の一方向への旋回木理が抑制され、該旋回木理による「割れ」、「反り」、「狂い」等の発生が低減した積層木材を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る積層木材を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)は、本発明に係る積層木材の積層構造の一例を示し、図1(b)は、従来の積層木材の積層構造を示している。
図2(a)は、図1(a)に示す積層木材を構成する2枚の木製単板を示し、図2(b)は、図2(a)の2枚の木製単板を互いに積層方向に反転させた状態を示す。
図3は、本発明に係る積層木材の積層構造の他の例を示している。
【0013】
尚、本形態で例示する積層木材を構成する素材として、広葉樹に比べて旋回木理が大きい針葉樹の中でも、最も旋回木理が大きいアカマツやアカマツの間伐材が挙げられるが、この素材に限るものではなく、アカマツ以外の針葉樹及び間伐材を使用することができ、更に、広葉樹を使用することもできる。
【0014】
図1(a)に示す本形態の積層木材1は、木口面を正方形とし、且つ年輪の芯部分を中心に位置させて繊維方向を長手方向となるように製材された芯持ち角材(図示せず)を、繊維方向に沿って芯部分で2分割してなる2本の木製単板2,3同士を、互いに旋回木理方向(矢印で示す)が逆向きとなるように、長手方向側面(以下、積層接着面という)21,31を積層接着して構成されたものである。
尚、以下では、前記積層接着面21,31とは反対側の面を分割面22,23という。
【0015】
本形態の木製単板2,3は、図2(a)に示すように、木口面2A,3Aが、2(積層接着面側及び分割面側の辺):1(積層接着面側及び分割面側以外の辺)の長方形に形成されており、両木製単板2,3をその積層接着面21,31で積層接着すると、木口面11が正方形となる積層木材1が形成されるようにしている。
又、木製単板2,3は、図2(b)に示すように、積層接着面21,31で積層接着したときに、積層木材1の木口面11に現れる年輪が円形にならず、積層接着面21,31を境に芯部分12を含む分割面22,23が外側に位置し、年輪の円弧13側が積層接着面21,31側に位置した略対称形の半円形状となるように形成されている(図1(a)参照)。
【0016】
このような木製単板2,3を図2(b)の状態で、積層接着することにより、図1(a)に示すような、積層接着面21,31を境に芯部分12を含む分割面22,23が外側に位置し、年輪の円弧13側が積層接着面21,31側に位置した略対称形の半円形状が現れた積層木材1が構成される。
そして、図1(a)に示す本形態積層木材1は、積層接着面21,31を境にして、図面上、左半部には、矢印で示す反時計回り方向への旋回木理の力が作用し、右半部には矢印で示す時計回り方向への旋回木理による力が作用することになり、これら旋回木理による力が拮抗することで相殺されることによって、積層木材1に対する旋回木理が抑制され、「割れ」、「反り」、「狂い」等の発生が低減される。
この図1(a)に示す本形態の積層木材1に対して、図1(b)に示す従来の積層木材100では、旋回木理による力が矢印で示す一方向にのみ作用するため、該旋回木理による「割れ」、「反り」、「狂い」等が発生してしまうものである。
又、図1(a)に示す本形態の積層木材1は、木製単板2,3を図2(b)に示すように旋回木理の方向が逆向きとなるように反転させれば、図1(b)に示す従来の積層木材100と同様に、2枚の木製単板2,3を積層接着することにより形成できるので、従来の積層木材100と比べて、製造工程が極端に増えるものでもなく、より高いコストを要するものでもない。
したがって、本形態の積層木材1は、従来の積層木材100と略同様の価格でありながら、「割れ」、「反り」、「狂い」等の発生が低減されたものであるので、安価な家屋の建築用資材や構造用資材等としても幅広い範囲で利用することができる。
【0017】
本発明の積層木材1は、隣り合う木製単板の旋回木理の方向が相反する方向であれば、
図3に示すように、4枚の木製単板2,3,4,5を積層接着してなるもの、あるいは、6枚以上の偶数枚の木製単板を積層接着してなるもの(図示せず)とすることができる。
この図3に示す形態の積層木材1においても、各木製単板2,3,4,5に作用する旋回木理による力が拮抗することで相殺されることによって、積層木材1に対する旋回木理が抑制され、「割れ」、「反り」、「狂い」等の発生が低減される。
【0018】
尚、本発明は、例示した実施の形態に限定するものでは無く、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
例えば、例示した積層木材は、2枚以上の偶数枚とする木製単板を積層接着してなるものであるが、本発明では、3枚以上の奇数枚とする木製単板を積層接着してなる積層木材も含む。
又、例示した積層木材は、木口面を正方形としたものであるが、本発明では木口面を長方形とした積層木材も含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)は、本発明に係る積層木材の積層構造の一例を示し、(b)は、従来の積層木材の積層構造を示す。
【図2】(a)は、図1(a)に示す積層木材を構成する2枚の木製単板を示し、(b)は、(a)の2枚の木製単板を互いに積層方向に反転させた状態を示す。
【図3】本発明に係る積層木材の積層構造の他の例を示す。
【符号の説明】
【0020】
1:積層木材
2:木製単板
3:木製単板
4:木製単板
5;木製単板
11:木口面
12:芯部分
21:積層接着面
31:積層接着面
22:分割面
32:分割面
【出願人】 【識別番号】593138621
【氏名又は名称】株式会社サトウ
【出願日】 平成19年2月9日(2007.2.9)
【代理人】 【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所

【識別番号】100109955
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 貞行

【識別番号】100140154
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 孝治


【公開番号】 特開2008−194896(P2008−194896A)
【公開日】 平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願番号】 特願2007−30841(P2007−30841)