トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 木質基材の化粧方法および化粧された木質基材
【発明者】 【氏名】石木 茂

【氏名】中本 彰一

【氏名】春名 基全

【氏名】井口 雅之

【氏名】伊藤 毅

【要約】 【課題】木質基材の表面に立体感や凹凸感等の材質感を付与することのできる木質基材の化粧方法、それによって得られる化粧された木質基材を提供する。

【解決手段】木質基材1に硬化性の主剤2を塗布し、該主剤2が木質基材1に吸収される前に硬化剤3をインクジェットノズル5より略玉状の液滴として上記塗布された主剤2の上に絵柄模様を形成するようにインクジェットし、上記主剤2を硬化剤3によって硬化させ、表面に凹凸模様が形成された木質基材の化粧方法およびそれによって得られた化粧された木質基材、上記絵柄模様が木目模様とされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質基材に硬化性の主剤を塗布し、該主剤が木質基材に吸収される前に硬化剤をインクジェットノズルより略玉状の液滴として上記塗布された主剤の上に絵柄模様を形成するようにインクジェットし、上記主剤を硬化剤によって硬化させ、表面に凹凸模様が形成された木質基材の化粧方法。
【請求項2】
上記絵柄模様が木目模様である請求項1に記載の木質基材の化粧方法。
【請求項3】
上記主剤がウレタン樹脂であり、硬化剤がイソシアネートである請求項1に記載の木質基材の化粧方法。
【請求項4】
木質基材に硬化性の主剤を塗布し、該主剤が木質基材に吸収される前に硬化剤をインクジェットノズルより略玉状の液滴として塗布された主剤の上に絵柄模様を形成するようにインクジェットし、上記主剤を硬化剤によって硬化させ、表面に凹凸模様を形成した化粧された木質基材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木質基材の化粧方法に関する。さらに詳しくは、ボード体等の木質基材の表面に木目等の絵柄をデザインする木質基材の化粧方法、およびそれによって得られる化粧された木質基材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築用造作材や家具製造等の材料に用いられる化粧材は、木目等、絵柄が印刷された紙または熱可塑性樹脂フィルム等からなる化粧シートを合板等の木質基材に貼着して製造されていた。しかしながら、上記化粧シートは通常の印刷による絵柄のみで基本的に平面的な意匠であるため、立体感や材質感に欠け、人工的な感じが拭えないという問題がある。
【0003】
そこで、上記絵柄に凹凸感や立体感を付与するためにエンボス加工を施す技術が提案されているが、エンボス板の製作に手間がかかり、コストが高く付くという問題がある。そこで、エンボスによる凹凸の付与によらずに、印刷後の艶状態の異なる印刷インクまたは塗料等を使用して、化粧シートの表面の艶状態を場所により変化させることによって、視覚的な立体感や材質感を簡便、安価に付与する方法も用いられている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には絵柄模様が施された基材シートの表面上に、トップコート層と、該トップコート層より低光沢の艶消し模様とを順次具備してなる化粧シートあって、前記艶消し模様が離型剤を含有することを特徴とする化粧シートが提案されている。そして、前記艶消し模様が硬化性樹脂を主成分とし、前記離型剤が該硬化性樹脂と反応して化学的に結合する反応型離型剤であることを特徴とする旨記載されている。
【特許文献1】特開2001−157872号公報(第1〜4頁、第1図、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記公知技術においては、絵柄模様が施された基材シートの絵柄の艶状態を部分的に艶消しして、光沢のあるトップコートと低光沢の艶消し模様とによって艶状態の変化により立体感や材質感を視覚的に付与する方法であり、現実に立体感や材質感を基材に与えるものではない。
【0006】
本発明はこのような問題を解決して、木質基材の上に硬化性の主剤と硬化剤とからなる2液性硬化型樹脂を用いて直接模様付けを行い、木質基材の表面に現実に立体感や凹凸感等の材質感を付与することのできる木質基材の化粧方法、およびそれによって得られる化粧された木質基材を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明においては、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、木質基材に硬化性の主剤を塗布し、該主剤が木質基材に吸収される前に硬化剤をインクジェットノズルより略玉状の液滴として上記塗布された主剤の上に絵柄模様を形成するようにインクジェットし、上記主剤を硬化剤によって硬化させ、表面に凹凸模様が形成された木質基材の化粧方法が提供される。上記木質基材としては、MDF(中密度繊維板)、パーティクルボード、集積材等をあげることができる。また、予め上記主剤に着色剤を加えて用いてもよい。
【0008】
請求項2に記載の木質基材の化粧方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記絵柄模様が木目模様とされる。
【0009】
請求項3に記載の木質基材の化粧方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記主剤がウレタン樹脂であり、硬化剤がイソシアネートとされる。
【0010】
請求項4に記載の発明によれば、木質基材に硬化性の主剤を塗布し、該主剤が木質基材に吸収される前に硬化剤をインクジェットノズルより略玉状の液滴として塗布された主剤の上に絵柄模様を形成するようにインクジェットし、上記主剤を硬化剤によって硬化させ、表面に凹凸模様を形成した化粧された木質基材が提供される。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明にかかる木質基材の化粧方法は上記のとおりであり、木質基材に塗布された主剤が木質基材に吸収される前に、硬化剤を該主剤に絵柄模様を形成するようにインクジェットして、硬化させるため、現実に表面に凹凸感があり、立体感や材質感のある模様を形成することができる。
【0012】
請求項2に記載の木質基材の化粧方法は上記のとおりであり、請求項1の木質基材の化粧方法の有する効果に加え、上記絵柄模様を木目模様とすることにより、立体的に木目を表現できるため、意匠性にも優れ、また、凹凸があるため、滑り止めとしての効果を発揮し、床板としても好適に用いることができる。
【0013】
請求項3に記載の木質基材の化粧方法は上記のとおりであり、請求項1の木質基材の化粧方法の有する効果に加え、硬化性の主剤をウレタン樹脂とし、硬化剤をイソシアネートとすることにより、ポットライフが長くなり、硬化反応を十分に行うことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明にかかる化粧された木質基材は上記のとおりであり、木質基材に塗布された硬化性の主剤が木質基材に吸収される前に、絵柄模様を形成するようにインクジェットし、主剤を硬化剤によって硬化させ、表面に凹凸模様が形成されているため、現実に立体感や材質感のある模様が付けられた化粧された木質基材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明にかかる木質基材の化粧方法の概略構成を示す説明図である。図1に示すように、予め硬化性の主剤2を表面に塗布された木質基材1をコンベヤで移動しながら、硬化剤貯留槽4に貯留された硬化剤3を、インクジェットコントローラ6の指令によりインクジェットノズル5から略玉状の液滴として上記主剤2の上に噴射する。上記液滴硬化剤31は、主剤2が木質基材1に吸収される前に噴射され、液滴硬化剤31と接触した主剤2は硬化するとともに、硬化した部分は凸状となり、模様を形成する。
【0016】
一方、インクジェットコントローラ6は、予めイメージ記憶手段7に入力された図柄模様等のイメージに従ってピエゾ素子に電圧を加える。すなわち、模様が濃色の場合は、出力を大きくして硬化剤3のインクジェット量も大となり、淡色の場合は、出力を小さくして硬化剤3のインクジェット量が小となるようにピエゾ電圧をコントロールする。このように、インクジェットノズル5は入力されたピエゾ電圧に応じて略玉状の種々の大きさ、量の液滴硬化剤31を噴射するため、噴射された液滴硬化剤31は上記木質基板1の上の未硬化の主剤2と反応して硬化し、模様、例えば、木目等の模様を描く。なお、上記イメージ記憶手段7には、図示しないイメージセンサで認識したイメージをオンラインで入力することも可能である。
【0017】
[実施例]
本実施例においては木質基材1としてMDFを用い、主剤2としてウレタン樹脂を、硬化剤3としてイソシアネートを用いた。まず、MDFの表面にウレタン樹脂をロールコータ8で塗布し、コンベヤで移動させた。一方、木目模様が予め入力されたイメージ記憶手段7からはインクジェットコントローラ6に画像信号が送られ、インクジェットノズル5は、上記信号に基づいて、硬化剤貯留槽4からのイソシアネートを大きさ、量の異なる略玉状の液滴イソシアネートとして噴射した。インクジェット終了後、図2に平面図で示すように、濃色部分9を有する木目で模様付けをされたMDFが得られた。図3は、図2に示すインクジェット終了後の濃色部分9を有する木目で模様付けされたMDFを示す断面図である。
【0018】
上記のようにして木目模様が付けられたMDFは、加熱または室温で放置してウレタン樹脂とイソシアネートとの反応を完結させた。上記硬化反応が行われている間に主剤2であるウレタン樹脂の未硬化部分はMDFに吸収され、最終的にMDFの表面には、ウレタン樹脂とイソシアネートとの反応生成物が残り、凹凸感のある木目模様が形成された。図4は、上記硬化反応が終了し、表面に木目模様が付けられた本発明にかかる化粧された木質基材Aを示す断面図である。
【0019】
図4に示されているように、木目の濃色部分9はイソシアネートのインクジェット量が多いため、ウレタン樹脂との反応量も多く、MDFの表面に硬化生成物が凸状に盛り上がって形成されている。このように、凹凸感があるため、木目の質感を立体的に表現することが可能であり、意匠性にも優れた化粧された木質基材Aを得ることができた。
【0020】
上記化粧された木質基材Aは表面に凹凸があるため、床板として用いたとき、滑り止めとしての効果も有する。なお、上記実施形態は絵柄模様が木目模様の場合について述べたが、木目模様に限定されず、格子模様、花柄等種々のデザインを木質基材に施すことが可能である。このように本発明は種々設計変更可能であり、特許請求の範囲を逸脱しない限り、本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の木質基材の化粧方法の概略構成を示す説明図である。
【図2】濃色部分を有する木目で模様付けをされたMDFを示す平面図である。
【図3】図2に示す濃色部分を有する木目で模様付けされたMDFを示す断面図である。
【図4】本発明にかかる化粧された木質基材を示す断面図である。
【符号の説明】
【0022】
A 本発明にかかる化粧された木質基材
1 木質基材
2 主剤
3 硬化剤
31 液滴硬化剤
4 硬化剤貯留槽
5 インクジェットノズル
6 インクジェットコントローラ
7 イメージ記憶手段
8 ロールコータ
9 濃色部分
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成19年1月25日(2007.1.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−179072(P2008−179072A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−14677(P2007−14677)