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【発明の名称】 化粧パーティクルボードの製造方法及び化粧パーティクルボード
【発明者】 【氏名】都丸 安彦

【氏名】星野 欣也

【氏名】松永 栄二

【氏名】苗木 浩史

【要約】 【課題】パーティクルボードを着色することにより、簡単に、コルク材やチーク材等の柄、木質感等を表すことのできる化粧パーティクルボードの製造方法およびそれによって得られる化粧パーティクルボードを提供する。

【解決手段】パーティクルボード1を予熱し、加熱したエンボスロール5によって該パーティクルボード1の表面に多数の形状の異なる微少な凹部2を設け、その後透明ないしは半透明の着色塗料3により透かし塗装を行い、さらに透明塗料4により表面全体の仕上げ塗装を行う化粧パーティクルボードの製造方法およびそれによって得られる化粧パーティクルボード。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーティクルボードを予熱し、加熱したエンボスロールによって該パーティクルボードの表面に多数の形状の異なる微少な凹部を設け、その後透明ないしは半透明の着色塗料により透かし塗装を行い、さらに透明塗料により表面全体の仕上げ塗装を行う化粧パーティクルボードの製造方法。
【請求項2】
上記透明ないしは半透明の着色塗料により透かし塗装を行った後、上記凹部以外の表面部の着色塗料を乾燥前に除去し、その後透明塗料により表面全体の仕上げ塗装を行う請求項1に記載の化粧パーティクルボードの製造方法。
【請求項3】
パーティクルボードを予熱し、加熱したエンボスロールによって該パーティクルボードの表面に多数の形状の異なる微少な凹部を設け、その後透明ないしは半透明の着色塗料により透かし塗装を行い、さらに透明塗料により表面全体の仕上げ塗装を行って得られた化粧パーティクルボード。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧パーティクルボードに関する。さらに詳しくは、表面にコルク材やチーク材の木質柄を有する化粧されたパーティクルボードの製造方法およびそれによって得られる化粧パーティクルボードに関する。
【背景技術】
【0002】
建築材料の建具造作材や、家具製造等の分野で広く使用されているパーティクルボードは、木材チップやウエハ、木毛、ストランド、木粉などの木質材料を、熱硬化性樹脂からなる接着剤と混合してマット状とし、加熱、加圧下にマット体をボードに成型して製造される。通常、このボード体の表面には、突板や木目模様が印刷されたビニルシート等の化粧材が貼着され、上記した種々の用途に利用されている。
【0003】
一方、下記特許文献1には、比較的低級な木材を芯材として用い、その表面に単板、合板、MDF等の薄板状の化粧板を貼着して板状の表面化粧造作材とする技術が開示されている。そして、上記表面化粧造作材の化粧板には、濃色塗料を塗布して多数の木目状にデザインするためのエンボス溝が設けられ、該エンボス溝を深さの異なる2種類の溝から構成することによって、コーナー部における亀裂の発生、接着剤の漏出等の損傷がなく見栄えのよい表面化粧造作材が得られるとの効果が記載されている。
【特許文献1】特許第3252693号公報(第1〜3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の表面化粧造作材の化粧板は、その第1図に示されているように、溝部を着色することによって、柾目、板目等の木目を表面に設けることは可能であるが、コルク材やチーク材等の木質柄をデザインするには必ずしも適当とはいえない。
【0005】
本発明は、このような問題を解決して、パーティクルボードを着色することにより、簡単に、コルク材やチーク材、とくにコルク材の柄、木質感等を表すことのできる化粧パーティクルボードの製造方法およびそれによって得られる化粧パーティクルボードを提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明においては、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、パーティクルボードを予熱し、加熱したエンボスロールによって該パーティクルボードの表面に多数の形状の異なる微少な凹部を設け、その後透明ないしは半透明の着色塗料により透かし塗装を行い、さらに透明塗料により表面全体の仕上げ塗装を行う化粧パーティクルボードの製造方法が提供される。
【0007】
上記パーティクルボードは、ラワンその他の木材チップどうしを、イソシアナート系、フェノル系、ユリヤ系、メラミン系等の熱硬化性樹脂と混合加熱し、加熱下に圧縮してボード体に成型したものが用いられる。
【0008】
上記透明ないしは半透明の着色塗料としては、パーティクルボードの表面に形成される圧締された木材チップの地柄が透かして見える程度の透明度を有するエナメル系、インク系の塗料が用いられる。また、上記着色塗料の塗布は、通常の塗布手段、例えば、ロールコート、スプレイコート等によって行われ、塗布された着色塗料の乾燥は、加熱乾燥、自然乾燥、赤外線乾燥等、公知の乾燥手段によって行われる。
【0009】
請求項2に記載の化粧パーティクルボードの製造方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記透明ないしは半透明の着色塗料により透かし塗装を行った後、上記凹部以外の表面部の着色塗料を乾燥前に除去し、その後透明塗料により表面全体の仕上げ塗装が行われる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、パーティクルボードを予熱し、加熱したエンボスロールによって該パーティクルボードの表面に多数の形状の異なる微少な凹部を設け、その後透明ないしは半透明の着色塗料により透かし塗装を行い、さらに透明塗料により表面全体の仕上げ塗装を行って得られた化粧パーティクルボードが提供される。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明にかかる化粧パーティクルボードの製造方法は上記のとおりであり、加熱下にパーティクルボードの表面に多数の形状の異なる微少な凹部を設け、その後透明ないしは半透明の着色塗料により透かし塗装を行うため、形状や大きさの異なる微少な凹部を設けることにより、コルクの木質感を立体的に表すことが可能であり、木材チップの色をバックにした濃淡のコルク調の模様をデザインすることができる。
【0012】
さらに、透明塗料により表面全体の仕上げ塗装を行うため、例えば、紫外線硬化型UV塗料を用いることにより、硬い皮膜を形成することが可能で、着色塗料の塗膜の割れを防止できるとともに、耐キャスター性に優れ、耐傷性の向上した化粧パーティクルボードとすることができる。したがって、従来のコルク材と合板とを複合させて床材等を製造する方法に比べて、簡単に、低コストで品質の優れた化粧パーティクルボードを得ることができる。
【0013】
請求項2に記載の化粧パーティクルボードの製造方法は、請求項1に記載の化粧パーティクルボードの製造方法の有する効果に加えて、着色塗料により透かし塗装を行った後、上記形状や大きさの異なる微少な凹部以外の表面部の着色塗料を乾燥前に除去し、その後透明塗料により表面全体の仕上げ塗装を行うため、表面に形成された着色塗料表面層が取り除かれて木材チップが本来有しているコルクの木質感が活かされ、さらに、上記凹部に溜まって形成された濃色の着色塗料滞留層がコントラストをなし、鮮明なコルク調の柄を有する化粧されたパーティクルボードを製造することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明にかかる化粧パーティクルボードは上記のとおりであり、加熱下にエンボスロールによって該パーティクルボードの表面に多数の形状の異なる微少な凹部を設け、その後透明ないしは半透明の着色塗料により透かし塗装を行い、さらに透明塗料により表面全体の仕上げ塗装を行って得られるため、
形状や大きさの異なる微少な凹部を設けることにより、コルクの木質感を立体的に表すことができるとともに、木材チップの色をバックにした濃淡のコルク調の模様を付けることができる。
【0015】
加えて、透明塗料により表面全体の仕上げ塗装を行うため、例えば、紫外線硬化型UV塗料を用いることにより、硬い皮膜を形成することが可能で、着色塗料の塗膜の割れを防止できるとともに、耐キャスター性に優れ、耐傷性の向上した化粧パーティクルボードを低コストで提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明にかかる化粧パーティクルボードの製造方法の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、予熱されたパーティクルボード1を、図示しない加熱手段によって加熱されたエンボスロール5によってエンボス加工する状態を模式的に示す斜視図である。予熱され、表面が柔らかい状態のパーティクルボード1をエンボスロール5のローラ面に植設された多数の形状や大きさの異なる微少な突起部51によってエンボス加工することにより、パーティクルボード1の表面には多数の微少な凹部2が刻設される。
【0017】
図2は、圧締された木材チップ11から形成されたパーティクルボード1を上記突起部51でエンボス加工した状態を拡大して示す部分断面図である。図2に示すように、上記パーティクルボード1の表面には幅、深さが異なり、また大きさや形状の異なる多数の微少な凹部2が多数設けられている。つぎに、上記のようにして表面にエンボス加工されたパーティクルボード1は薄く着色される。
【0018】
すなわち、本来コルク調の木質感を有する木材チップ11の色を活かせる程度に着色した透明ないしは半透明のエナメル系、インク系の塗料をスポンジロールまたはスプレイ等の公知の方法により上記多数の凹部2を有するパーティクルボード1の表面に塗布する。
【0019】
図3は、着色、乾燥工程を終了した後の上記パーティクルボード1を拡大して示す部分断面図である。図3に示すように、パーティクルボード1の表面に薄く塗布された着色塗料3は、上記凹部2の内部にも入り込み、凹部2では着色塗料3が溜まった状態となり、パーティクルボード1の表面に木材チップの色をバックにした濃淡の模様が付けられる。
【0020】
すなわち、上記着色塗料3はパーティクルボード1の表面部に塗布された着色塗料表面層31と凹部2の内部に溜まった着色塗料滞留層32とを形成し、両者は塗膜の厚みが異なるとともに、着色塗料滞留層32の中でも塗膜の厚みに差異があるため、微妙な色合いの濃淡模様が生じる。さらに、木材チップ11は、本来コルク材に類似した木質感を有し、この木材チップ11が着色塗料3から透けて見えるため、パーティクルボード1の表面にコルク調の模様をデザインすることができる。
【0021】
上記着色塗料3を塗布した後、紫外線硬化型の透明塗料4を上記着色塗料表面層31の上に塗布し、仕上げ塗装を行う。図4は、上記のようにして仕上げ塗装された本発明にかかる化粧パーティクルボードを拡大して示す部分断面図である。図4に示されているように、着色塗料表面層31の上には透明塗料4による透明塗料層が形成されているため、光線が透明塗料層を通過する間に屈折してコルク調の模様に立体感を与え、コルクの木質感を表すことができる。また、上記紫外線硬化型UV塗料は硬化して硬い皮膜を形成するため、着色塗料3の塗膜の割れを防止するとともに、耐キャスター性に優れ、耐傷性の向上した化粧パーティクルボードを得ることができる。
【0022】
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態においては、図3に示すパーティクルボード1の表面に形成された着色塗料表面層31を、乾燥前にスクレーパ等により表面を掻き取って取り除き、その後、紫外線硬化型の透明塗料4によって仕上げ塗装を行う。図5は、上記着色塗料表面層31を取り除いた後のパーティクルボード1を示す拡大部分断面図である。図6は、図5に示すパーティクルボード1の上に紫外線硬化型の透明塗料4を塗布し、仕上げ塗装した状態を示す拡大部分断面図である。
【0023】
第2実施形態においては、着色塗料3の着色塗料表面層31が取り除かれているため、木材チップ11の本来有しているコルクの木質感が活かされ、さらに、凹部2に溜まって形成された濃色の着色塗料滞留層32がコントラストをなし、鮮明なコルク調の柄を有する化粧されたパーティクルボード1を得ることができる。
【0024】
なお、第1、第2実施形態ともに、木質チップ11の大きさや材質を変化させてコルク材やチーク材等、種々の木質柄を表現し、木質感を出すことも可能であり、建築用の造作材、とくに床材として好適に用いられる。このように、本発明は、種々設計変更可能であり、特許請求の範囲を逸脱しない限り、いずれも、本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるパーティクルボードを加熱下にエンボス加工する状態を模式的に示す斜視図である。
【図2】上記エンボス加工したパーティクルボードを示す拡大部分断面図である。
【図3】着色、乾燥工程終了後のパーティクルボードを示す拡大部分断面図である。
【図4】仕上げ塗装された本発明にかかる化粧パーティクルボードを示す拡大部分断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態において、着色塗料表面層を取り除いた後のパーティクルボードを示す拡大部分断面図である。
【図6】図5に示すパーティクルボードの表面に透明仕上げ塗装を施した状態を示す拡大部分断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 パーティクルボード
11 木材チップ
2 凹部
3 着色塗料
31 着色塗料表面層
32 着色塗料滞留層
4 透明塗料
5 エンボスロール
51 突起部
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成19年1月17日(2007.1.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−173807(P2008−173807A)
【公開日】 平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願番号】 特願2007−7863(P2007−7863)