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【発明の名称】 突板の貼付け方法及び装置
【発明者】 【氏名】津田 浩司

【要約】 【課題】3次元形状部品へ複数枚の突板を、1回の工程で同時に貼付ける。

【解決手段】少なくとも2つの互いに平行でない表面を有する基材の第1の表面上に接着剤を介して第1の突板を配置し、基材の第2の表面上に接着剤を介して第2の突板を配置し、第1と第2の突板を配置後、第1の表面と第1の突板とをプレス上型とプレス下型との間に挟み、第1の表面に略直角な方向に押圧しつつ加熱して接着剤を硬化させ、第1の表面と第1の突板とをプレスで押圧、加熱する工程中に、基材の第2の表面と第2の突板とをスライド部材を用いて第2の表面に略直角な方向にプレス上型もしくはプレス下型の少なくとも何れか一方に押圧しつつ加熱して接着剤を硬化させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの互いに平行でない表面を有する基材のそれぞれの表面上に同時に突板を接着する方法であって、
前記基材の第1の表面上に接着剤を介して第1の突板を配置する工程と、
前記基材の第2の表面上に接着剤を介して第2の突板を配置する工程と、
前記第1と第2の突板を配置後、前記第1の表面と前記第1の突板とをプレス上型とプレス下型との間に挟み、前記第1の表面に略直角な方向に押圧しつつ加熱して接着剤を硬化させる工程と、
前記第1の表面と前記第1の突板とを前記プレスで押圧、加熱する前記工程中に、前記基材の第2の表面と前記第2の突板とをスライド部材を用いて前記第2の表面に略直角な方向に前記プレス上型もしくは前記プレス下型の少なくとも何れか一方に押圧しつつ加熱して接着剤を硬化させる工程とを備えたことを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも2つの互いに平行でない表面を有する基材のそれぞれの表面上に同時に突板を接着する装置であって、
前記基材の第1の表面と第1の突板とを間に挟んで前記第1の表面に略直角な方向に押圧するためのプレス上型及びプレス下型と、
前記基材の第2の表面と第2の突板とを前記第2の表面に略直角な方向に前記プレス上型もしくは前記プレス下型の少なくとも何れか一方に押圧するためのスライド部材と、
前記第1と第2の突板を前記プレス上型、プレス下型、及びスライド部材で押圧しつつ加熱するためのヒーターと、
前記ヒーターの熱を保持し安定した加熱を行うための断熱材とを備えたことを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、突板の貼付け方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元形状部品へ突板を貼付ける方法については、例えば特許文献1に、曲面に突板シートを貼付ける技術が紹介されている。しかし、特許文献1の技術は、曲面化可能な突板シートを製造するために複雑な工程を必要とする。また、突板を樹脂製基材に密着させる方法には、従来より、インサート成形法、真空圧空成形法等が存在する。しかし、インサート成形法、真空圧空成形法では、3次元形状部品へ1枚の突板を貼付けることが困難であり、突板を複数枚に分けて貼付けることが必要であるが、互いに平行でない複数枚の突板を同時に貼付けることは困難である。
【0003】
すなわち、インサート成形法では、図4に示すように、木質層又はホットメルト層を備える突板を射出成形金型の固定側の凹部分にセットし、射出成形を行い、突板と射出樹脂によるアンカー効果又はホットメルトによる接着を行うが、互いに平行でない2枚以上の突板を貼付ける場合、射出成形時の樹脂流動又は圧力で、互いに平行でない2枚以上の突板がずれないように貼付けることは困難である。
【0004】
また、真空圧空成形法では、図5に示すように、樹脂製基材に接着剤を塗布後、基材を基材固定用治具にセットし、接着剤塗布面に化粧突板と不織布とからなる突板をセットし、その後に真空圧空装置により突板を樹脂製基材に貼付ける工程が必要であるが、互いに平行でない2枚以上の突板を貼付ける場合、プレス時の圧力調整が困難であり、ウレタンゴムが成形品形状になじもうとするときに、突板の表面に沿って動き、突板をずらせてしまうため、突板を1枚ずつ貼付けることが必要である。
【0005】
【特許文献1】特開2005−280116号公報
【特許文献2】実開平5−7442号公報
【特許文献3】特開平4−216001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の、曲面に突板シートを貼付ける技術では、曲面化可能な突板シートを製造するために複雑な工程を必要とし、コストが大幅に増大する問題がある。また、例えば、従来のインサート成形法では、互いに平行でない複数の突板を貼付けることは困難であり、従来の真空圧空成形法では、互いに平行でない複数の突板を貼付ける場合には、突板の貼付け工程を、貼付ける突板の枚数分繰り返すことが必要であるため、やはり製造コストが増大する問題がある。
【0007】
本発明は、3次元形状部品へ複数枚の突板を、1回の工程で同時に貼付ける方法を提供することにより、作業性向上を図り、突板貼付け工程の低減によるコスト低減を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、少なくとも2つの互いに平行でない表面を有する基材のそれぞれの表面上に同時に突板を接着する方法であって、基材の第1の表面上に接着剤を介して第1の突板を配置する工程と、基材の第2の表面上に接着剤を介して第2の突板を配置する工程と、第1と第2の突板を配置後、第1の表面と第1の突板とをプレス上型とプレス下型との間に挟み、第1の表面に略直角な方向に押圧しつつ加熱して接着剤を硬化させる工程と、第1の表面と第1の突板とをプレスで押圧、加熱する工程中に、基材の第2の表面と第2の突板とをスライド部材を用いて第2の表面に略直角な方向にプレス上型もしくはプレス下型の少なくとも何れか一方に押圧しつつ加熱して接着剤を硬化させる工程とを備えたことを特徴とする方法が提供される。
【0009】
すなわち、請求項1の発明では、少なくとも2つの互いに平行でない表面を有する基材の1つの面に対してプレス上型及び下型で突板を押圧し接着すると同時に、他の面に対してプレス上型及び下型の少なくとも一方とスライド部材により突板を押圧し接着することにより、1回の工程で、3次元形状からなる基材の少なくとも2つの面に対して突板を接着する方法が提供される。この接着の間、接着剤を加熱し硬化させる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、少なくとも2つの互いに平行でない表面を有する基材のそれぞれの表面上に同時に突板を接着する装置であって、基材の第1の表面と第1の突板とを間に挟んで第1の表面に略直角な方向に押圧するためのプレス上型及びプレス下型と、基材の第2の表面と第2の突板とを第2の表面に略直角な方向にプレス上型もしくはプレス下型の少なくとも何れか一方に押圧するためのスライド部材と、第1と第2の突板をプレス上型、プレス下型、及びスライド部材で押圧しつつ加熱するためのヒーターと、ヒーターの熱を保持し安定した加熱を行うための断熱材とを備えたことを特徴とする装置が提供される。
【0011】
すなわち、請求項2の発明では、1回の工程で、3次元形状からなる基材の少なくとも2つの面に対して突板を接着する装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
各請求項に記載の発明によれば、3次元形状部品へ複数枚の突板を、1回の工程で同時に貼付ける方法を提供することにより、作業性向上を図り、突板貼付け工程の低減によるコスト低減を図ることができるという共通の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図2は、貼付け部材を切り出す工程を示し、符号1は突板(化粧突板と接着剤と不織布)であり、車両の内装等に使用される加飾(本木)である。符号2は、符号1から部品サイズにトリミングしたもので、製品形状すなわち貼付け直前の部材である。符号3も、符号2と同様に、貼付け直前の部材であるが、3次元形状部品に貼付ける場合、符号2とは異なる貼付け面に貼付ける部材である。
【0015】
図3は、3次元形状部品に突板を貼付けた完成品を示し、符号4は、一般成形樹脂製品であり、符号2と符号3とを貼付ける基材である。符号5は、接着剤であり、符号2と符号3を基材4に接着させるための層である。
【0016】
図1は、本発明による、3次元形状部品に突板を貼付ける場合の1実施例の装置構成を示し、符号6は、プレス上型、符号7は、プレス下型であり、符号2、4、及び5を押圧し圧着するための金型である。符号10は、油圧スライドであり、符号3、4、及び5をプレス上型6及び下型7に対して押圧し圧着するためのスライドである。符号8は、プレス金型6、7、及びスライド10を全体的に加熱するためのラバーヒーターであり、接着剤5を加熱硬化させ、符号2、3、及び4を接着させるための熱源である。符号9は、断熱材であり、プレス金型6、7、及びスライド10の熱を安定させるものである。
【0017】
本発明の1実施例により、3次元形状部品に複数の突板を貼付ける場合には、まず、突板の大板素材1から部品サイズの突板2と3をトリミングする。次に、樹脂製基材4に接着剤5を塗布し、接着剤を塗布した基材をプレス下型7にセットし、突板2と3を手で仮接着させる。次に、プレス起動を行い、プレス上型6とプレス下型7によって突板2を基材4に押圧し圧着すると同時に、油圧スライド10を作動させ、突板3をプレス上型6とプレス下型7の少なくとも何れか一方に対して押圧し、基材4に圧着する。図1の実施例ではプレス下型7に対して押圧している。これらの押圧圧着の間、ラバーヒーターによりプレス上型、プレス下型、及びスライド10を加熱する。この熱は断熱材9により、プレス上型、プレス下型、及びスライド10の全体に、略同一の温度に安定保持され、接着剤5に伝達し、接着剤5を加熱硬化させる。押圧及び加熱により突板2、3と樹脂製基材4との間の接着剤5が硬化接着した後、プレス金型から突板を貼付けた製品を取出すことにより、突板の貼付けは完了する。
【0018】
本発明の他の実施例では、図1におけるプレス金型の加熱に使用するラバーヒーターの代わりに、ヒーター管が使用される。更に他の実施例では、ラバーヒーターやヒーター管以外にも、一般的に金型の加熱に用いられるのと同様に配管を用いて温水や温油により加熱してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を3次元形状部品の樹脂製基材に適用する場合の、実施形態の概略構成を説明する図である。
【図2】本発明を3次元形状部品の樹脂製基材に適用する場合の、貼付け部材(突板)を切り出す工程を説明する図である。
【図3】本発明を3次元形状部品の樹脂製基材に適用する場合の、完成品の概略構成を説明する図である。
【図4】従来のインサート成形法の工程の概略構成を説明する図である。
【図5】従来の真空圧空成形法の工程の概略構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0020】
1 突板(大板素材)
2 貼付け部材(突板)
3 貼付け部材(突板)
4 樹脂製基材
5 接着剤
6 プレス上型
7 プレス下型
8 ラバーヒーター
9 断熱材
10 油圧スライド
40 突板
41 化粧突板
42 不織布
43 木質層又はホットメルト層
44 凹型金型
45 凸型金型
46 樹脂
50 突板
54 ウレタンゴム
55 真空口
【出願人】 【識別番号】000185617
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
【出願日】 平成18年12月18日(2006.12.18)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良


【公開番号】 特開2008−149568(P2008−149568A)
【公開日】 平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願番号】 特願2006−339984(P2006−339984)