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圧縮木製品、楽器、および木材の加工方法 - 特開2008−143100 | j-tokkyo
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【発明の名称】 圧縮木製品、楽器、および木材の加工方法
【発明者】 【氏名】鈴木 達哉

【要約】 【課題】木材表面の不均一さに起因する強度や性能の場所ごとのばらつきが少ない圧縮木製品、当該圧縮木製品を用いて構成される楽器、および木材の加工方法を提供する。

【解決手段】少なくとも一つの表面に木目が露出していない木材を原木から形取り、高温高圧の水蒸気雰囲気中で軟化させた後、この軟化した木材に対して所定の圧縮力を加える。この圧縮力を加える際には、一対の金型によって木材を挟持する。その後、前記水蒸気雰囲気を解いて木材を乾燥させ、形状を固定化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木目を有する原木から形取られた木材を異なる形状に圧縮成形して得られる圧縮木製品であって、
前記木材の少なくとも一つの表面には木目および節が露出していないことを特徴とする圧縮木製品。
【請求項2】
前記木目および節が露出していない表面と略直交する方向に圧縮力が加えられたことを特徴とする請求項1記載の圧縮木製品。
【請求項3】
長手方向が前記木材の繊維方向と略平行であることを特徴とする請求項1または2記載の圧縮木製品。
【請求項4】
前記木目および節が露出していない表面は平面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の圧縮木製品。
【請求項5】
板状をなすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の圧縮木製品。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項記載の圧縮木製品を備えたことを特徴とする楽器。
【請求項7】
木材を異なる形状に加工する木材の加工方法であって、
木目を有する原木から少なくとも一つの表面に木目および節が露出していない木材を形取る形取工程と、
前記形取工程で形取った木材の前記木目および節が露出していない表面と略直交する方向に圧縮力を加える圧縮工程と、
を有することを特徴とする木材の加工方法。
【請求項8】
前記形取工程で形取られた木材は、長手方向が当該木材の繊維方向と略平行であることを特徴とする請求項7記載の木材の加工方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木材を圧縮成形した圧縮木製品、当該圧縮木製品を用いて形成された楽器、および木材の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自然素材である木材が注目されている。木材はさまざまな木目を有するため、原木から形取る箇所に応じて個体差が生じ、その個体差が製品ごとの個性となる。また、長期の使用によって生じる傷や色合いの変化自体も、独特の風合いとなって使用者に親しみを生じさせることがある。これらの理由により、合成樹脂や軽金属を用いた製品にはない、個性的で味わい深い製品を生み出すことのできる素材として木材が注目されており、その加工技術も飛躍的に進歩しつつある。
【0003】
従来、かかる木材の加工技術として、吸水軟化した1枚の木材を圧縮し、その木材を圧縮方向と略平行にスライスして板状の一次固定品を得た後、この一次固定品を加熱吸水させながら所定の3次元形状に成形する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、軟化処理した状態で圧縮した1枚の木材を仮固定し、この木材を型に入れて回復させることによって型成形する技術も知られている(例えば、特許文献2を参照)。これらの技術では、木材の個体差や種類、加工後の木材の強度やその用途などを含むさまざまな点を考慮して、木材の肉厚や圧縮率が決められる。
【0004】
【特許文献1】特許第3078452号公報
【特許文献2】特開平11−77619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、木材には木目や節があるため、加工後の木材には、木材表面の不均一さに起因する強度や性能の場所ごとのばらつきが生じやすいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、木材表面の不均一さに起因する強度や性能の場所ごとのばらつきが少ない圧縮木製品、当該圧縮木製品を用いて構成される楽器、および木材の加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、木目を有する原木から形取られた木材を異なる形状に圧縮成形して得られる圧縮木製品であって、前記木材の少なくとも一つの表面には木目が露出していないことを特徴とする。
【0008】
また、上記発明において、前記木目および節が露出していない表面と略直交する方向に圧縮力が加えられたとしてもよい。
【0009】
また、上記発明において、長手方向が前記木材の繊維方向と略平行であるとしてもよい。
【0010】
また、上記発明において、前記木目が露出していない表面は平面であるとしてもよい。
【0011】
また、上記発明において、板状をなすとしてもよい。
【0012】
本発明の別な態様に係る楽器は、上記いずれかの発明に記載した圧縮木製品を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明のさらに別な態様は、木材を異なる形状に加工する木材の加工方法であって、木目を有する原木から少なくとも一つの表面に木目が露出していない木材を形取る形取工程と、前記形取工程で形取った木材の前記木目が露出していない表面と略直交する方向に圧縮力を加える圧縮工程と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、上記発明において、前記形取工程で形取られた木材は、長手方向が当該木材の繊維方向と略平行であるとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、少なくとも一つの表面に木目が露出していない木材を形取り、この木材の木目が露出していない表面と略直交する方向に圧縮力を加えることにより、木材表面の不均一さに起因する強度や性能の場所ごとのばらつきを少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。なお、以下の説明で参照する図面はあくまでも模式的なものであって、同じ物体を異なる図面で示す場合には、寸法や縮尺等が異なる場合もある。
【0017】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る木材の加工方法においては、まず、所定の形状をなす木材を原木から形取る(形取工程)。図1は、この形取工程の概要を模式的に示す図である。図1では、原木である無圧縮状態の無垢材10(木目Gを有する)から、略円弧状に湾曲した断面形状を有し、長手方向が無垢材10の繊維方向Lと略平行な木材1を切削等によって形取る場合を模式的に示している。なお、図1では、木材1の湾曲する外周側の外側面1aが上方に位置する状態を図示している。
【0018】
形取工程では、木材1の少なくとも一方の表面に木目Gおよび節(図示せず)が露出しないように形取りを行う。この結果、木材1には、その端面にのみ木目Gが現れることとなり、導管の露出が少なくなり、木材繊維が連続した状態がより多く含まれる。このように形取られた木材1は、後述する圧縮工程によって減少する分の容積を予め加えた容積を有している。
【0019】
木材1の原材料である無垢材10は、ヒノキ、ヒバ、桐、杉、松、桜、欅、黒檀、紫檀、竹、チーク、マホガニー、ローズウッドなどの中から、加工した木材の用途等に応じて最適なものを選択すればよい。
【0020】
次に、木材1を大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中で所定時間放置し、水分を過剰に吸収させることによって十分に軟化させる(軟化工程)。ここでいう高温高圧とは、温度が100〜230℃、より好ましくは180〜230℃、さらに好ましくは180〜200℃程度であり、圧力が0.1〜3.0MPa(メガパスカル)、より好ましくは0.45〜2.5MPa、さらに好ましくは1.0〜1.6MPa程度の状態を指す。なお、上述した水蒸気雰囲気中で木材1を放置して軟化させる代わりに、例えばマイクロウェーブの如き高周波の電磁波によって木材1を加熱して軟化させてもよい。
【0021】
続いて、上述した軟化工程で十分に軟化した木材1を圧縮する(圧縮工程)、図2は、圧縮工程の概要を示す図である。図2では、木材1の上下が図1と逆転しており、湾曲している内周側の内側面1bが外側面1aよりも上方に位置している。木材1を圧縮する際には、木材1を一対の金型51および61によって挟持し、所定の圧縮力を加える。図2で木材1の上方から圧縮力を加える金型51は、木材1の内側面1bに当接する凸部52を備えたコア金型である。これに対し、図2で木材1の下方から圧縮力を加える金型61は、木材1の外側面1aを嵌入する凹部62を備えたキャビティ金型である。
【0022】
この圧縮工程では、軟化工程と同じ水蒸気雰囲気中で木材1を圧縮する。具体的には、金型51および61の少なくとも一方を他方に対して移動することによって木材1を挟持し、木材1を徐々に所定の3次元形状へ変形させる。以下では、説明の便宜上、金型51を下降させて金型61へ近づけていく場合を説明する。
【0023】
図3は、金型51の凸部52が木材1に当接し、木材1に金型51および61からの圧縮力が加わり始めた状態を示す図であり、図1に示す木材1、金型51および61のA−A線断面に相当する縦断面を示す図である。図3に示す状態から金型51を下降させていくと、木材1は、金型51および61から圧縮力を受けることによって徐々に変形していく。その結果、木材1の内側面1bは、金型51の凸部52の底面と密着した状態になる一方、木材1の外側面1aは、金型61の凹部62の底面と密着した状態になる。
【0024】
図4は、圧縮力が加わることによって木材1が金型51および61と密着した状態を示す図であり、圧縮工程における木材1の変形がほぼ完了した状態を示す図である。図4に示すように、木材1は、圧縮工程によって金型51と金型61との隙間に相当する平板状に変形する。図4に示す状態で木材1に所定時間(1〜数十分、より好ましくは5〜10分程度)圧縮力を加える。この圧縮力は、木材1の外側面1aおよび内側面1b(木目Gおよび節が露出していない表面)と直交する方向に加えられる。その後、上記水蒸気雰囲気を解いて木材1を乾燥させ、金型51と金型61を離間させて圧縮を解除する。この結果、木材1は、その形状が固定される。
【0025】
圧縮工程後の木材1の肉厚は、圧縮前の肉厚の30〜50%程度となる。換言すると、この圧縮工程における木材1の圧縮率(圧縮による木材の肉厚の減少分ΔRとその木材の圧縮前の肉厚Rの比の値ΔR/R)は、0.50〜0.70程度である。
【0026】
なお、金型51および61の少なくとも一方を他方に対して移動する際には、適当な駆動手段を用いて金型51および/または61を電気的に移動させることにより、木材1に加わる圧縮力を調整するようにすればよい。また、金型51と金型61とをねじで連結し、このねじを手動または自動で締めることによって金型51を金型61に対して上下動させるようにしてもよい。
【0027】
以上説明した圧縮工程の後、木材1に切削、研磨、つや出し等の処理を施すことにより、木材1を所定の3次元形状に整形する(整形工程)。
【0028】
図5は、以上説明した木材の加工方法によって形成された圧縮木製品の構成を模式的に示す図である。同図に示す圧縮木製品2は、楽器用部材であり、具体的にはエレキギターのボディの基材である。
【0029】
図6は、図5に示す圧縮木製品2を用いて形成されたボディを備えたエレキギターの構成を模式的に示す図である。図6に示すエレキギター30は、圧縮木製品2を用いて形成されたボディ31と、ボディ31から延出するように取り付けられ、弦Strを張るためのネック32と、ネック32の弦Strと面する表面に設けられ、演奏者が弦Strを指で押さえるためのフィンガーボード33と、ネック32の一端に設けられ、弦Strの端部を巻きつけるヘッド34と、を備える。ボディ31の表面には、弦Strの振動を電気信号に変えるピックアップ35、ピックガード36、弦Strの一端を取り付けるブリッジ37、プラグを接続し、コードを介して電気信号をアンプへ伝達するためのジャック38等の各種部品が取り付けられている。また、ヘッド34には、弦Strの数だけ糸巻39が取り付けられている。
【0030】
エレキギター30は、ボディ31の内部に空洞がないソリッドギターであり、ボディ31は圧縮木製品2の単板で形成されている。本実施の形態1では、圧縮木製品2が、その表面(側面を除く)から木目Gおよび節が露出していない構成を有するため、均一な振動特性を有しており、ピックアップ35によって弦Strの振動を的確に拾うことができる。
【0031】
なお、本実施の形態1に係る圧縮木製品を、2ピースタイプのエレキギターのボディとして適用することも可能である。この場合には、例えば図7の縦断面図(図で上方に弦Strが張られる)に示すように、表板41と裏板42とで圧縮木製品の素材や板厚を適宜変更し、最適な組み合わせによってボディを形成することができる。
【0032】
さらに、本実施の形態1に係る圧縮木製品を、ボディの内部に空洞があるフルアコースティックギターやセミアコースティックギターのボディに適用してもよい。この場合には、本実施の形態1に係る圧縮木製品を、ボディの表板や裏板に加えて、ボディの側板として適用することも可能である。
【0033】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、端面を除く表面に木目が露出していない木材を形取り、この木材の木目が露出していない表面と略直交する方向に圧縮力を加えることにより、木目を有する木材表面の不均一さに起因する強度や性能の場所ごとのばらつきを少なくすることができる。
【0034】
また、本実施の形態1によれば、木材でありながら、その表面に木目が露出していないため、意匠的に見ても斬新な製品を製造することができる。特に、平板状をなしつつ木目が露出していない圧縮木製品は、従来手法によって単一の木材から構成するのは困難であり、本実施の形態1において異なる形状への圧縮成形を行うことによって初めて実現されるものである。
【0035】
さらに、本実施の形態1によれば、長手方向が木材の繊維方向と略平行なため、高い強度を有する圧縮木製品を得ることができる。
【0036】
これらに加えて、本実施の形態1によれば、平板状をなす圧縮木製品を製造することにより、音の振動特性が良好なものとなる。したがって、楽器用の部材としても好適な圧縮木製品を提供することができる。
【0037】
楽器用の部材としては、従来より、マホガニー、メープル、黒檀等の比較的高比重で良好な振動特性を有する木材が用いられてきたが、そのような木材は、楽器その他の木材製品用として伐採が進んだ現在では入手が困難となっており、楽器の高コスト化の一因ともなっていた。本実施の形態1においては、それらの良質な木材と同等の強度、機能を有する圧縮木製品を、比較的比重が小さいヒノキ、ヒバ、スギ、キリ、マツ等の木材から構成することが可能となる。したがって、原木のコストを抑えることが可能となり、高品質の楽器を低価格で提供することができ、資源の節約や間伐材の有効利用といった環境問題にも寄与することができる。
【0038】
また、本実施の形態1に係る圧縮木製品は、他の楽器にも適用可能である。例えば、図8に示すバイオリン70の表板71やフィンガーボード72として、本実施の形態1に係る圧縮木製品を適用することができる。さらに、バイオリン70の裏板、側板、ネック(図示せず)に適用することも可能である。このように、本実施の形態1に係る圧縮木製品は、様々な弦楽器のボディやフィンガーボード等に好適である。
【0039】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る圧縮木製品の別な適用例を示す図であり、具体的には、皿状をなす圧縮木製品から形成されるカバー部材によって外装されたデジタルカメラの外観構成を示す斜視図である。同図に示すデジタルカメラ100は、撮像レンズを含む撮像部101と、フラッシュ102と、シャッターボタン103とを備え、2つのカバー部材3および4によって外装されて成る。デジタルカメラ100の内部には、撮像処理等に関する駆動制御を行う制御回路、CCDやCMOS等の固体撮像素子、音声の入出力を行うマイクロフォンやスピーカ、および制御回路の制御のもと各機能部材を駆動する駆動回路を含み、デジタルカメラ100の機能を実現する各種電子的部材および光学的部材が収納されている(図示せず)。
【0040】
図10は、デジタルカメラ100の外装体をなすカバー部材3および4(圧縮木製品)の概略構成を示す斜視図である。このうち、デジタルカメラ100の前面側を外装するカバー部材3は、略長方形状の表面をなす主板部3aと、主板部3a表面の長手方向に略平行な2辺の各々から主板部3aに対して立ち上がるように延出する二つの側板部3bと、主板部3a表面の短手方向に略平行な2辺の各々から主板部3aに対して立ち上がるように延出する二つの側板部3cと、を備える。主板部3aには、撮像部101を表出する円筒形状の開口部301およびフラッシュ102を表出する直方体形状の開口部302が形成されている。また、このカバー部材3の側板部3bには、半円筒形状の切り欠き303が形成されている。
【0041】
他方、デジタルカメラ100の背面側を外装するカバー部材4は、カバー部材3と同じ皿状をなし、主板部4a、側板部4bおよび4cを備える。主板部4aには、画像情報や文字情報を表示するために液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、または有機ELディスプレイ等を用いて実現される表示部(図示せず)を表出する直方体形状の開口部401が形成されている。また、カバー部材4の側板部4bには、カバー部材3の切り欠き303と組み合わさってシャッターボタン103を表出する開口部341をなす半円筒形状の切り欠き402が形成されている。
【0042】
カバー部材3および4は、上記実施の形態1に係る木材の加工方法と同様に圧縮成形される。すなわち、原木からカバー部材3および4となる木材を形取る際には、少なくとも一つの表面が木目を露出していないような形取りを行う。その後、上記実施の形態1と同様に圧縮を行った後、整形工程の一環として開口部や切り欠きを形成する。この整形工程では、ファインダ取付用の開口部、操作指示入力ボタン表出用の開口部、外部機器との接続用インタフェース(DC入力端子やUSB接続端子等を含む)を表出する開口部をさらに形成してもよい。また、デジタルカメラ100の内部に設けられるスピーカが発生する音声を外部に出力するために複数の小さい孔部から成る音声出力用孔部を設けてもよい。
【0043】
本実施の形態2においては、上記実施の形態1で説明した楽器のような振動特性は必ずしも要求されないため、デジタルカメラ100の利用者は、カバー部材3または4の表面の一部を自ら削ることによって、自分の好みの模様を出したりすることも可能となる。
【0044】
なお、本実施の形態2に係る圧縮木製品は、デジタルカメラ100以外の携帯用小型電子機器の外装体としても適用可能である。具体的には、携帯電話、PHSまたはPDA等の携帯型通信端末、携帯型オーディオ装置、ICレコーダ、携帯型テレビ、携帯型ラジオ、各種家電製品のリモコン、デジタルビデオなどの外装体としても適用可能である。これらの電子機器に適用する場合の圧縮木製品の肉厚としては、1.6〜2.0mm程度が好適である。
【0045】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、端面を除く表面に木目が露出していない木材を形取り、この木材の木目が露出していない表面と略直交する方向に圧縮力を加えることにより、上述した実施の形態1と同様、木目を有する木材表面の不均一さに起因する強度や性能の場所ごとのばらつきを少なくすることができる。
【0046】
また、本実施の形態2によれば、木材でありながら、その表面に木目が露出していないため、意匠的に見ても斬新な製品を製造することができる。
【0047】
ここまで、本発明を実施するための最良の形態を説明してきたが、本発明は、上述した2つの実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。例えば、以上の説明では、原木から形取る木材の肉厚および最終形状の肉厚がほぼ均一である場合を説明したが、原木から形取る木材の形状や金型の形状を調整することによって、部分的に圧縮率を変えるような調整を行ってもよい。これにより、楽器などに適用する場合には、より精密な振動特性を実現することができる。
【0048】
また、上述した2つの実施の形態においては、木材の両面に木目および節が露出しないような形取りを行ったが、木材の少なくとも一つの表面に木目および節が露出しないような形取りを行ってもよい。例えば、木材の強度や性能の場所ごとのばらつきが、木材の一方の表面に露出した木目および節にのみ起因して生じるような場合には、その表面に木目および節が露出しないようにすればよい。
【0049】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1に係る木材の加工方法における形取工程の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る木材の加工方法の圧縮工程の概要を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る木材の加工方法の圧縮工程において圧縮を開始した時点の状態を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る木材の加工方法の圧縮工程において木材の変形がほぼ完了した状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る圧縮木製品の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る圧縮木製品の適用例であるエレキギターの外観構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る圧縮木製品の別な適用例であるエレキギターのボディの構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る圧縮木製品のさらに別な適用例であるバイオリンの構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る圧縮木製品によって外装されたデジタルカメラの外観構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る圧縮木製品であるデジタルカメラの外装体の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 木材
1a 外側面
1b 内側面
2 圧縮木製品
3,4 カバー部材
3a,4a 主板部
3b,3c,4b,4c 側板部
10 無垢材
30 エレキギター
31 ボディ
32 ネック
33,72 フィンガーボード
34 ヘッド
35 ピックアップ
36 ピックガード
37 ブリッジ
38 ジャック
39 糸巻
41,71 表板
42 裏板
51,61 金型
52 凸部
62 凹部
70 バイオリン
100 デジタルカメラ
101 撮像部
102 フラッシュ
103 シャッターボタン
301,302,341,401 開口部
303,402 切り欠き
G 木目
L 繊維方向
Str 弦
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
【出願日】 平成18年12月12日(2006.12.12)
【代理人】 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明


【公開番号】 特開2008−143100(P2008−143100A)
【公開日】 平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願番号】 特願2006−334826(P2006−334826)