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【発明の名称】 建築用板材の製造装置および製造方法
【発明者】 【氏名】丸山 徹

【要約】 【課題】基材と化粧シートとを貼り合わせた建築用板材において、基材に対する化粧シートの貼り合わせ位置を正確に一定にする。

【解決手段】基材と化粧シートとを貼り合わせるラミネート装置14と、ラミネート装置に基材を所定送り速度で供給する基材供給装置10と、ラミネート装置に化粧シートを所定送り速度で供給する化粧シート供給装置12と、ラミネート装置に供給される基材の所定箇所を検知する基材検知手段40と、ラミネート装置に供給される化粧シートに設けられたマークを検知する化粧シート検知手段42と、基材検知手段および化粧シート検知手段の検知結果に基づいて化粧シートおよび基材の一方または両方の送り速度を制御することにより、ラミネート装置の基材と化粧シートとの貼り合わせ箇所における基材に対する化粧シートの位置を調整する制御部とを具備する製造装置を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と化粧シートとを貼り合わせた建築用板材の製造装置であって、
基材と化粧シートとを貼り合わせるラミネート装置と、
ラミネート装置に基材を所定送り速度で供給する基材供給装置と、
ラミネート装置に化粧シートを所定送り速度で供給する化粧シート供給装置と、
ラミネート装置に供給される基材の所定箇所を検知する基材検知手段と、
ラミネート装置に供給される化粧シートに設けられたマークを検知する化粧シート検知手段と、
基材検知手段および化粧シート検知手段の検知結果に基づいて化粧シートおよび基材の一方または両方の送り速度を制御することにより、ラミネート装置の基材と化粧シートとの貼り合わせ箇所における基材に対する化粧シートの位置を調整する制御部と
を具備することを特徴とする建築用板材の製造装置。
【請求項2】
基材検知手段は、ラミネート装置に供給される基材の先端を光学センサにより検知して検知信号を制御部に送信するものであり、
化粧シート検知手段は、ラミネート装置に供給される化粧シートのマークを光学センサにより検知して検知信号を制御部に送信するものであり、
制御部は、基材検知手段の光学センサが基材の先端を検知した時間と、化粧シート検知手段が化粧シートのマークを検知した時間との時間差を基材と化粧シートとの距離差として読み替え、その距離差をゼロにするように化粧シートおよび基材の一方または両方の送り速度の加速または減速行うものであることを特徴とする請求項1に記載の建築用板材の製造装置。
【請求項3】
化粧シート供給装置は、化粧シートを所定送り速度で搬送するインフィードロールと、化粧シートの搬送路に設置されたダンサーロールと、ダンサーロールに所定圧力を加える加圧手段と、ダンサーロールの位置を検出するダンサーロール位置検出手段とを備え、
制御部は、ダンサーロール位置検出手段の検出信号に基づいて、ダンサーロールが定位置に保持されるようにインフィードロールの回転速度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の建築用板材の製造装置。
【請求項4】
所定箇所にマークが設けられた化粧シートを用い、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造装置を用いて基材と化粧シートとを貼り合わせることを特徴とする建築用板材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、合板等からなる基材に化粧シートを貼り合わせた建築用板材の製造装置および製造方法に関する。本発明の製造装置および製造方法は、例えばフローリング用床材、天井材、壁材の製造などに好適に使用される。
【背景技術】
【0002】
住宅や店舗のフローリング用床材としては、合板等からなる基材の表面に化粧シートを接着し、さらにその表面に塗装を施したものが多用されている(例えば、特許文献1参照)。このようなフローリング用床材として、従来、図3に示す床材100のように、化粧シートの表面に色あるいは模様が異なる複数の四角形の領域102を設けたものがある。
【0003】
上記床材100を用いて床を形成する場合、図4に示すように、隣接する床材100の四角形の領域102の位置が合っていること(ずれていないこと)、すなわち隣接する床材100の四角形の領域102の境界104が一直線となることが必要である。
【0004】
また、上記のように隣接する床材100の四角形の領域102の位置を合わせるためには、床を形成する全ての床材100において領域102の位置が同じであること、すなわち全ての床材100において基材に対する化粧シートの所定領域の貼り合わせ位置が一定であることが必要である。
【0005】
一方、合板等からなる基材に化粧シートを貼り合わせた床材の製造装置としては、従来、基材と化粧シートとを貼り合わせるラミネート装置と、ラミネート装置に基材を供給する基材供給装置と、ラミネート装置に化粧シートを供給する化粧シート供給装置とを備え、ラミネート装置において、基材供給装置より一定間隔で供給される基材に化粧シート供給装置より供給される化粧シートを連続的に貼り合わせるものがある。この床材製造装置では、基材の送り速度(ピッチ)とシートの送り速度とを合わせることで、基材に対する化粧シートの貼り合わせ位置が一定になるようにしている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−184287号公報
【特許文献2】特開2005−104051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前述した従来の床材製造装置では、基材の送り速度(ピッチ)とシートの送り速度とを合わせることにより、基材に対する化粧シートの貼り合わせ位置を大体一定にすることはできるが、全ての床材において基材に対する化粧シートの貼り合わせ位置を正確に一定にすることはできなかった。
【0008】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、基材と化粧シートとを貼り合わせた建築用板材の製造装置および製造方法であって、全ての建築用板材において基材に対する化粧シートの貼り合わせ位置を正確に一定にすることが可能な建築用板材の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するため、基材と化粧シートとを貼り合わせた建築用板材の製造装置であって、基材と化粧シートとを貼り合わせるラミネート装置と、ラミネート装置に基材を所定送り速度で供給する基材供給装置と、ラミネート装置に化粧シートを所定送り速度で供給する化粧シート供給装置と、ラミネート装置に供給される基材の所定箇所を検知する基材検知手段と、ラミネート装置に供給される化粧シートに設けられたマークを検知する化粧シート検知手段と、基材検知手段および化粧シート検知手段の検知結果に基づいて化粧シートおよび基材の一方または両方の送り速度を制御することにより、ラミネート装置の基材と化粧シートとの貼り合わせ箇所における基材に対する化粧シートの位置を調整する制御部とを具備することを特徴とする建築用板材の製造装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、所定箇所にマークが設けられた化粧シートを用い、上記本発明の製造装置を用いて基材と化粧シートとを貼り合わせることを特徴とする建築用板材の製造方法を提供する。
【0011】
本発明では、基材検知手段による基材の所定箇所の検知結果、および化粧シート検知手段による化粧シートのマークの検知結果に基づいて化粧シートおよび基材の一方または両方の送り速度を制御することにより、ラミネート装置の基材と化粧シートとの貼り合わせ箇所における基材に対する化粧シートの位置を調整するので、全ての建築用板材において基材に対する化粧シートの貼り合わせ位置を正確に一定にすることが可能である。
【0012】
本発明において、基材検知手段、化粧シート検知手段および制御部の構成に限定はないが、基材検知手段は、ラミネート装置に供給される基材の先端を光学センサにより検知して検知信号を制御部に送信するものであり、化粧シート検知手段は、ラミネート装置に供給される化粧シートのマークを光学センサにより検知して検知信号を制御部に送信するものであり、制御部は、基材検知手段の光学センサが基材の先端を検知した時間と、化粧シート検知手段が化粧シートのマークを検知した時間との時間差を基材と化粧シートとの距離差として読み替え、その距離差をゼロにするように化粧シートおよび基材の一方または両方の送り速度の加速または減速を行うものであることが好ましい。
【0013】
本発明おいて、化粧シート供給装置は、化粧シートを所定送り速度で搬送するインフィードロールと、化粧シートの搬送路に設置されたダンサーロールと、ダンサーロールに所定圧力を加える加圧手段と、ダンサーロールの位置を検出するダンサーロール位置検出手段とを備え、制御部は、ダンサーロール位置検出手段の検出信号に基づいて、ダンサーロールが定位置に保持されるようにインフィードロールの回転速度を制御することが好ましい。このようにした場合、後述するように、化粧シート供給装置における化粧シートのテンションの変動を抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基材に対する化粧シートの貼り合わせ位置を正確に一定にすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図1は本発明に係る建築用板材の製造装置の一実施形態を示す概略正面図である。
【0016】
本例の製造装置において、10は基材供給装置、12は化粧シート供給装置、14はラミネート装置、16は化粧シートカット装置、18は搬送コンベア、20は再プレス装置を示す。
【0017】
基材供給装置10は、ラミネート装置14に基材を所定送り速度で供給するためのコンベア装置である。
【0018】
化粧シート供給装置12は、化粧シートロール22に巻かれた化粧シート24をラミネート装置14に所定送り速度で供給するものである。化粧シート供給装置12は、駆動モータにより回転駆動されて化粧シート24を所定送り速度で搬送するインフィードロール26と、化粧シート24の搬送路に設置され、揺動変位することにより化粧シート24の弛みや伸びを吸収するダンサーロール28とを備えている。ダンサーロール28は、ダンサーロール28を揺動自在に支持する支持アーム30に取り付けられており、この支持アーム30にはダンサーロール28に所定圧力を加える加圧手段として低摩擦シリンダ(エアシリンダ)32が取り付けられている。また、化粧シート供給装置12には、ダンサーロール28の位置を正確に検出するダンサーロール位置検出手段として精密ポジショナ(図示せず)が設置されている。
【0019】
基材供給装置10および化粧シート供給装置12においては、駆動系をサーボモータ駆動としており、これにより基材送り速度および化粧シート送り速度は約1/10000秒の誤差で正確に同期している(このときの速度を「同期速度」と呼ぶ)。
【0020】
ラミネート装置14は、接着剤塗工装置(図示せず)により表面に接着剤を塗工した基材に化粧シート24を重ね合わせるとともに、この重ね合わせた基材および化粧シート24をプレスロール36間に通すことにより、基材と化粧シート24とを貼り合わせるものである。基材と化粧シート24との貼り合わせポイントは符号38で示す箇所である。
【0021】
また、本例の装置は、基材検知手段、化粧シート検知手段および制御部としてのCPUを備えている。基材検知手段は、ラミネート装置14に供給される基材の先端を光学センサ40により検知して検知信号を制御部に送信する。化粧シート検知手段は、ラミネート装置14に供給される化粧シート24のマークを光学センサ42により検知して検知信号を制御部に送信する。制御部は、基材検知手段および化粧シート検知手段の検知結果に基づいて化粧シートおよび基材の一方または両方の送り速度を制御することにより、ラミネート装置の基材と化粧シートとの貼り合わせ箇所における基材に対する化粧シートの位置を調整する。
【0022】
なお、本例の装置は、基材の厚み、幅および長さの変更(ロット毎のサイズ変更)に対応することができる。
【0023】
本例の装置を用いて建築用板材(床材)を製造する場合、例えば図2に示す化粧シートを用いる。図2は連続する化粧シートの一部を示す平面図である。本例の化粧シート24は、柄が印刷された部分50の両側に余白52、54を有し、一方の余白52に四角形の定位置検出用マーク56が印刷されている。定位置検出用マーク56は、化粧シート24の1ピッチ(1枚の基材に貼り合わせるシート長さにシート長手方向のカット代の長さを加えた長さ)毎に1つ印刷されている。また、定位置検出用マーク56の先端とその後方の定位置検出用マーク56の先端との間の距離は上記1ピッチの長さと等しい。なお、上記余白の定位置検出用マーク56の内側には、基材と化粧シート24とを幅方向のズレ(蛇行)なく貼り合わせるためのガイドライン58が全長にわたって印刷されている。
【0024】
本例の装置を用い、図2の化粧シート24を用いて床材を製造する場合、基材供給装置10によりラミネート装置14に基材を所定送り速度で供給するとともに、化粧シート供給装置12によってラミネート装置14に化粧シート24を所定送り速度で供給する。基材としては、例えばJAS規格に基づく一般的な合板を用いることができる。
【0025】
上記のようにラミネート装置14に基材および化粧シート24が供給されると、基材検知手段は、ラミネート装置14に供給される基材の先端を光学センサ40により検知して検知信号を制御部に送信する。また、化粧シート検知手段は、ラミネート装置14に供給される化粧シート24の定位置検出用マーク56を光学センサ42により検知して検知信号を制御部に送信する。
【0026】
そして、制御部は、基材検知手段の光学センサ40が基材の先端を検知した時間と、化粧シート検知手段の光学センサ42が化粧シート24のマーク56を検知した時間との時間差を基材と化粧シートとの距離差として読み替え、その距離差をゼロにするように化粧シート24および基材の送り速度の加速または減速を行うことにより、図2に示す定位置検出用マーク56の先端60と基材の先端とが一致するように基材と化粧シートとを貼り合わせる。
【0027】
より具体的には、位置合わせを行う基材と化粧シート24との最初の接触箇所は、3つのプレスロール36のうちの1番目のプレスロール入口付近であり、この箇所での接触で貼り合わせの決定されるものであるため、基材が3つのプレスロール36間を進む間に次の基材の先端位置と化粧シート24のマーク56の位置とを検出してそれらの距離差を計算し、プレスロール36でプレス中の基材および化粧シート24ならびにダンサーロール28が存在する経路の化粧シート24の全体の送り速度を加速または減速させて次に貼り合わせる基材と化粧シート24との位置合わせに備える。これにより、全ての床材において基材に対する化粧シート24の貼り合わせ位置を正確に一定にすることができる。
【0028】
すなわち、本例の装置では、基材先頭をセンサが検知してから化粧シートのマークをセンサが検知するまでの時間差、あるいは化粧シートのマークをセンサが検知してから基材先頭をセンサが検知するまでの時間差を、お互いの距離差として読み替え、その距離差を追いつく(あるいは遅らせる)ように化粧シートおよび基材の送り速度の加速あるいは減速を行うものであり、そのために必要な計算をCPUの演算機能を用いて瞬時にかつ正確に行い、機械制御にフィードバックするものである。ただし、化粧シートおよび基材の一方の送り速度の加速あるいは減速を行うことにより基材と化粧シートとの位置合わせを行ってもよい。
【0029】
本例の装置では、上述したように、基材と化粧シートの従来の機械的方法による大雑把な位置合わせ(前操作)に、新技術であるCPU演算制御による電気的方法による位置合わせ(本操作)を付加することにより、従来では不可能であった、基材と化粧シートの貼り合わせにおける柄の正確な一致と、その連続再現性を実現可能としている。
【0030】
本例の装置では、上述した時間差に、化粧シートが任意の距離差(補正距離)を同期速度で移動するのに要する時間(補正時間)を加算する(あるいは除する)ことで、基材と化粧シートとの貼り合わせ位置を、補正距離分だけ前後にずらすこともできる。
【0031】
また、従来の床材製造装置では、ダンサーロールは、一定速度で流れる化粧シートに発生する軽微なテンション変動に対して、金属バネ等により一定のテンションを加えることで、貼り合わせ時における化粧シートのしわの発生を防いでいた。しかし、本例の装置では、化粧シートの急激な加減速に伴う頻繁で激しいテンション変動が生じるため、上述した従来の方法ではダンサーロールがテンション変動に追従することができない。
【0032】
そこで、本例の装置では、前述したようにダンサーロール28の加圧手段である低摩擦シリンダ32およびダンサーロール位置検出手段である精密ポジショナを設け、ダンサーロール28に低摩擦シリンダ32による一定圧力を付加することで、化粧シート24に正確なテンションを与えるとともに、ダンサーロール28の位置を精密ポジショナにより検知し、精密ポジショナの検出信号に基づいて制御部によりインフィードロール26の回転速度を制御することで、シートテンションの変動を抑制している。すなわち、ダンサーロール28の位置の微妙な変動をインフィードロール26の駆動制御にフィードバックし、ダンサーロール28の位置を定位置に保つように化粧シートおよび基材の一方または両方の送り速度を加速あるいは減速することで、シートテンションの変動を無くすようにしている。上記のシートテンションは、シートロール軸受部に取り付けられたロードセルにより検知され、管理値として表示される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る建築用板材の製造装置の一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】連続する化粧シートの一部を示す平面図である。
【図3】床材の一例を示す平面図である。
【図4】図3の床材で床を形成する状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0034】
10 基材供給装置
12 化粧シート供給装置
14 ラミネート装置
24 化粧シート
26 インフィードロール
28 ダンサーロール
32 低摩擦シリンダ
40 光学センサ
42 光学センサ
56 定位置検出用マーク
【出願人】 【識別番号】591059685
【氏名又は名称】南海プライウッド株式会社
【出願日】 平成18年12月12日(2006.12.12)
【代理人】 【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔

【識別番号】100085084
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高英

【識別番号】100095326
【弁理士】
【氏名又は名称】畑中 芳実

【識別番号】100115314
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 奈緒子

【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 房枝

【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之

【識別番号】100123858
【弁理士】
【氏名又は名称】磯田 志郎


【公開番号】 特開2008−143083(P2008−143083A)
【公開日】 平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願番号】 特願2006−334575(P2006−334575)