トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 複合基材及び該複合基材を用いた床材。
【発明者】 【氏名】蓑田 哲宏

【要約】 【課題】床材その他の用途に用いられる木質系の基材として、表面平滑性に優れており、表面硬さにも優れ、基材が吸湿したり、また、逆に乾燥して放湿したり、これらを繰り返しても、基材の反りや、床材として使用した場合、施工後、隣接する床材どうしの間での目隙が発生しにくく、寸法安定性に優れた木質の基材を安価に安定して提供することにある。

【構成】中比重繊維板をその厚さ方向に刃物で分割して得られた薄板を合板等からなる木質板の表面側と裏面側の両面に積層接着して得られた複合基材であって、該複合基材の表面側の中比重繊維板の薄板は、その硬質層を外側にして、また、中比重繊維板の軟質層を木質板の側にして積層接着され、複合基材の裏面側の中比重繊維板の薄板は、その両面を軟質層として積層接着され、得られた複合基材の表面側が中比重繊維板の硬質層で構成され、複合基材の裏面側が中比重繊維板の軟質層で構成されるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中比重繊維板を厚さ方向に分割した薄板を木質板の表面側と裏面側の両面に積層接着して得られた複合基材であって、該複合基材の表面側の薄板は硬質層を外側に軟質層を木質板側に、複合基材の裏面側の薄板は両面を軟質層として構成されていることを特徴とする複合基材。
【請求項2】
前記中比重繊維板の厚さ方向の分割が四分割であり、該四分割によって、四分割の外側二層の薄板は片面を硬質層とし他方の面を軟質層とする外側薄板が得られ、内側二層の薄板は両面とも軟質層とする内側薄板が得られ、木質板の表面側に前記外側薄板が硬質層を外側にし軟質層を木質板側にして積層接着され、木質板の裏面側に両面とも軟質層からなる前記内側薄板が積層接着されてなることを特徴とする請求項1に記載の複合基材。
【請求項3】
所定の長さ、幅、厚さを有する矩形体からなる請求項1又は請求項2に記載の複合基材の前記硬質層の表面に化粧材が貼着され、前記矩形体からなる複合基材の側面の対向する二側面又は四側面のいずれかに凸部とそれに嵌合する凹部が形成されていることを特徴とする床材。
【請求項4】
前記化粧材が熱可塑性合成樹脂シートからなる化粧材であり、前記木質板が奇数枚の木質単板の繊維方向を互いに略直交するように積層接着して得られた合板であることを特徴とする請求項3に記載の床材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は木質の複合基材及び該複合基材を用いた床材に関するものであって、詳しくは、木質板表面に中比重繊維板の薄板を積層接着して得られる複合基材及び該複合基材を用いた床材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床材等の基材として合板等の木質板を基材としたものが一般的によく用いられてきた。また、基材の表面平滑性等を考慮して中比重繊維板を基材とすることも多々あった。中比重繊維板は合板等の木質板に比べて表面平滑性及び表面硬さに優れ、その反面、まわりの湿気や水分を吸湿したり、放湿することによる寸法変化が大きく、そのことによって反りが発生したり、例えば床板として使用された場合、隣接床板との間に目隙が発生するといった問題点もあった。
【0003】
そこで、中比重繊維板と木質板とを積層接着し複合基材を得ることが従来から種々試みられ、木質板と中比重繊維板との複合基材として、例えば、図4に示すように、厚み約3mm程度の中比重繊維板12の片面を接着適性を考慮して研磨紙で研磨し表面を適度に粗くし、研磨した面を木質板13の表面と接するようにして積層接着し複合基材11を製造していた。この場合の中比重繊維板12は木質板13の表面側に片面貼りであった。
【0004】
上記従来型の複合基材11の場合、合板等の木質板13と中比重繊維板12とでは、乾燥収縮率、吸湿膨張率が異なり、しかも中比重繊維板12を片面貼りしているので、例えば、住宅内の床材の基材として用いた場合、床下地や床上からの吸湿、乾燥を長期間繰り返していると、上反り(基材の中央部が上に凸となる向きの反り)、又は逆反り(基材の中央部が下に凸となる向きの反り)が発生するといった問題点があった。
【0005】
また、中比重繊維板12の表裏面に近い層は高密度となっており、所謂、硬質層が形成されている。また、厚み方向の中心部の層は比較的低密度の層となっており、所謂、軟質層が形成されている。中比重繊維板12の高密度の硬質層は、積層接着時の接着剤が浸透しにくく、ややもすれば、接着不良の原因となる。そこで、中比重繊維板12の接着適性を考慮すると、中比重繊維板12の片面を研磨して比較的密度が低く、粗い層(軟質層)を露出させて接着性を良くすることが必要とされる。このため、中比重繊維板12の研磨した面を木質板13の表面と接するようにして積層接着することが行われてきたのである。
【0006】
しかし、このように、厚み約3mm程度の中比重繊維板12の片面を研磨することは、そのための専用機械として、薄物専用サンダーが必要となり、しかも薄物板の研磨は製造技術的に高度な技術水準を要するものであった。また、床暖房用床材の基材として使用した場合、中比重繊維板12は加熱によって乾燥収縮が激しく、表面の中比重繊維板12の箇所で目隙が生じ易いといった問題点があった。
【0007】
上記問題点のうち、複合基材の反りを解決するために、中比重繊維板を木質板の両面に貼着した複合基材が用いられたが、中比重繊維板は合板等の木質板に比べてコストが高く、また、中比重繊維板は薄くても約3mm程度の厚みがあり、約3mm程度の厚みのものを木質板の両面に使用するとコスト的にも不利なものとなっていた。また、厚み約3mmの中比重繊維板は厚みが大きすぎて、床暖房用床材の基材として用いられた場合、中比重繊維板表面の目隙が大きくなるといった問題点についても、解消し難かった。そこで、中比重繊維板を表面に平行に厚み方向に二つ割りにし厚み約1.5mm程度の中比重繊維板を製造し、中比重繊維板の接着性の良い分割面(粗い面)を木質芯材と接着一体化した木質材の記載がある。(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】特開平10−193309号公報(第1−3頁、第1、2図)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記、従来からある合板等の木質板を基材としたものは、表面の平滑性に乏しく、また、表面固さに劣り、特に床材としての適性が今一歩であった。また、基材の表面平滑性や表面硬さを考慮して中比重繊維板そのものを基材とすることもあったが、中比重繊維板は湿気等による含水率変動によって寸法変化が比較的大きく、床材の厚み変動、反り、目隙等が生じ易く、又、床材等に使用した場合、曲げ強度が不足するといった問題点があった。さらに、通常の合板に比べるとコスト高につくといった問題点もあった。
【0010】
そこで、それを解消するために中比重繊維板と木質板との複合についても、種々考えられたが、中比重繊維板の片面貼りのものは複合基材とした場合の反りが生じ易く、両面貼りのものはコストアップが大きくなり、経済性に乏しく、また、床暖房用床材として使用した場合、特に中比重繊維板の熱による収縮が原因で寸法安定性に劣り、床暖房用床材の基材として目隙の問題点が解決されなかった。また、木質板と接着する側の中比重繊維板の表面が硬質層であると、接着不良の原因ともなっていた。
【0011】
また、上記特開平10−193309号公報に記載の複合基材の場合、中比重繊維板の接着性の良い分割面(粗い面、すなわち、低密度層である面)を木質芯材と接着した構成ゆえ、木質芯材との接着性は良好である。しかし、複合基材の表面裏面の外面側は中比重繊維板の非分割面が現れ、この面は硬質層で構成されている。この場合、複合基材の表面側は硬質層ゆえ硬く、例えば床材として好適であり、基材として負荷のかからない軽薄な表面化粧材等の貼着のみであれば、硬質層であっても、接着剤と表面化粧材の相性を適度に選定すれば、表面化粧材の接着にとって特に問題はない。しかし、裏面側は床下地材等へ接着剤等で張り付けることになるが、床下地材との接着箇所は負荷が大きくかかる場合が多く、中比重繊維板の硬質層は接着剤の浸透を妨げ、接着不良の原因となる恐れがある。それを回避するために複合基材の裏面側をサンダーで研磨する必要が生じるが、そのためのコストアップは免れない。
【0012】
また、上記、厚み約1.5mm程度の二つ割りの中比重繊維板のうち木質芯材の裏面側に貼着するものについて、木質芯材に張り合わせる前に硬質層側の面を研磨することも考えられるが、約1.5mm程度の中比重繊維板を研磨するには、それ専用のサンダーと高度な技術水準が必要となるといった問題点もあった。
【0013】
また、木質板の両面に厚み約1.5mm程度の中比重繊維板を積層接着することになるが、もとの木質板そのものに反りが発生していなければ、複合基材としたのち、反りが発生する恐れは、それほど大きくない。しかし、木質板そのものに反りが発生していた場合、複合基材としたのち、複合基材に反りが発生する恐れがあり、このことが大きな問題点であった。前記複合基材の芯材となる合板等の木質板そのものに反りがあると、中比重繊維板を積層接着した後の複合基材の反りが発生し易くなるばかりでなく、中比重繊維板との接着作業工程において、木質板の反りは製造作業性の低下と品質の低下と製造歩留まりの低下(製品不良率の増加)をきたす恐れが生じていた。
【0014】
また、複合基材表面側の目隙については、中比重繊維板を約1.5mm程度にしても、中比重繊維板の薄板とまではいえず、なかなか解消し難いものであった。中比重繊維板の厚みは厚くても約1mm程度以下の、中比重繊維板の薄板でないと床暖房用床材の基材とした場合の目隙解消には、なかなかつながらないのが現状であった。
【0015】
本発明の目的とするところは、基材として表面平滑性に優れ、表面硬さにも優れ、反り、目隙が発生しにくく、寸法安定性に優れた基材を安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の複合基材は、中比重繊維板を厚さ方向に分割した薄板を木質板の表面側と裏面側の両面に積層接着して得られた複合基材であって、該複合基材の表面側の薄板は硬質層を外側に軟質層を木質板側に、複合基材の裏面側の薄板は両面を軟質層として構成されていることを特徴としている。
【0017】
このような構成を有する請求項1に記載の複合基材によれば、中比重繊維板を木質板の表裏両面に積層接着した構成の複合基材であり、中比重繊維板の硬質層が外側面として積層接着されているので、複合基材として、その表面平滑性及び表面硬さに優れる。また、中比重繊維板が片面貼りでなく表裏両面貼りとされているので、複合基材としての厚み方向の層構成の対称性が保持され、複合基材の表裏面のバランスがとれるので、吸湿や放湿に対して反りにくいものとなる。また、中比重繊維板を厚さ方向に分割した薄板を用いているので、中比重繊維板としての厚みが薄く、従って、床暖房用床材の基材として用いても寸法安定性に優れ、従って、目隙の発生を防止できる。また、中比重繊維板の軟質層が前記木質板と接するので、中比重繊維板と木質板との間で接着不良の恐れがない。また、複合基材としての裏面側が中比重繊維板の軟質層で構成されているので、下地材との接着適性にとっても好適である。
【0018】
請求項2に記載の複合基材は、請求項1に記載の複合基材において、前記中比重繊維板の厚さ方向の分割が四分割であり、該四分割によって、四分割の外側二層の薄板は片面を硬質層とし他方の面を軟質層とする外側薄板が得られ、内側二層の薄板は両面とも軟質層とする内側薄板が得られ、木質板の表面側に前記外側薄板が硬質層を外側にし軟質層を木質板側にして積層接着され、木質板の裏面側に両面とも軟質層からなる前記内側薄板が積層接着されてなることを特徴としている。
【0019】
このような構成を有する請求項2に記載の複合基材によれば、前記中比重繊維板の厚さ方向の分割が四分割であるので、中比重繊維板の厚みが極めて薄くなり、このことによって、合板等の木質板の厚みに比べると中比重繊維板の厚みが極めて薄く、従って、中比重繊維板と合板等の木質板の吸放湿時の膨張収縮率の違いによるさまざまな悪影響、すなわち、複合基材の反り等の悪影響の防止にとって、ずいぶんと好適である。また、床暖房用床材の基材として用いた際の寸法安定性と目隙防止にとってよりいっそう好適であり、さらにはコストにとっても、よりいっそう好適なものとなる。
【0020】
さらに、中比重繊維板を四分割して得られた2枚の外側薄板と2枚の内側薄板を木質板の両面にそれぞれ各1枚づつ用いるので、中比重繊維板の使用量が少なくて済み、材料コスト的にも有利なものとなる。また、木質板の表面側に前記外側薄板が硬質層を外側にし軟質層を木質板側にして積層接着され、木質板の裏面側に両面とも軟質層からなる前記内側薄板が積層接着されてなるので、中比重繊維板の軟質層と木質板が積層接着されることになり、中比重繊維板と合板等の木質板との接着適性に優れる。さらに、複合基材の表面側が中比重繊維板の硬質層となるので複合基材としての表面硬さ、表面平滑性に優れる。また、複合基材の裏面側が中比重繊維板の軟質層となるので複合基材としての、下地材への接着適性にとっても好適なものとなる。
【0021】
請求項3に記載の発明の床材は、所定の長さ、幅、厚さを有する矩形体からなる請求項1又は請求項2に記載の複合基材の前記硬質層の表面に化粧材が貼着され、前記矩形体からなる複合基材の側面の対向する二側面又は四側面のいずれかに凸部とそれに嵌合する凹部が形成されていることを特徴としている。
【0022】
このような構成を有する請求項3に記載の床材によれば、表面平滑性及び表面硬さに優れ、反りにも強く、床暖房用床材として用いても寸法安定性に優れ、従って、目隙の発生を有効に防止可能で、しかも、床下地材への接着適性に優れた床材が可能となる。
【0023】
請求項4に記載の発明の床材は、請求項3に記載の床材において、前記化粧材が熱可塑性合成樹脂シートからなる化粧材であり、前記木質板が奇数枚の木質単板の繊維方向を互いに略直交するように積層接着して得られた合板であることを特徴としている。
【0024】
このような構成を有する請求項4に記載の床材によれば、化粧材が熱可塑性合成樹脂シートからなる化粧材であるので、複合基材表面(中比重繊維板表面)になじみ易く、中比重繊維板との接着適性に優れ、しかも、複合基材表面の中比重繊維板の表面平滑性と表面硬さを最大限に生かすことが可能で、表面平滑性と表面硬さに優れた床材となる。また、木質板が奇数枚の木質単板の繊維方向を互いに略直交するように積層接着して得られた合板であるので、木質板そのものが反りにくくなり、従って、複合基材製造工程で、製造作業性が向上し、品質の低下を防止することが可能となり、製造歩留まりの向上(製品不良率の低減)、製造コストの低減といった効果が発揮できる。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に記載の発明によれば、中比重繊維板を木質板の表裏両面に積層接着した構成の複合基材であり、中比重繊維板の硬質層が外側面として積層接着されているので、複合基材として、その表面平滑性及び表面硬さに優れる。また、中比重繊維板が片面貼りでなく表裏両面貼りとされているので、複合基材としての厚み方向の層構成の対称性が保持され、複合基材の表裏面のバランスがとれるので、吸湿放湿に対して反りにくいものとなる。また、中比重繊維板を厚さ方向に分割した薄板を用いているので、中比重繊維板としての厚みが薄く、従って、床暖房用床材の基材として用いても寸法安定性に優れ、従って、目隙の発生を防止できる。また、中比重繊維板の軟質層が前記木質板と接するので、中比重繊維板と木質板との間で接着不良の恐れがない。また、複合基材としての裏面側が中比重繊維板の軟質層で構成されているので、下地材との接着性にとっても好適である。
【0026】
請求項2に記載の発明によれば、前記中比重繊維板の厚さ方向の分割が四分割であるので、中比重繊維板の厚みが極めて薄くなり、このことによって、合板等の木質板の厚みに比べると中比重繊維板の厚みが極めて薄く、従って、中比重繊維板と合板等の木質板との吸放湿時の膨張収縮率の違いによるさまざまな悪影響、すなわち、複合基材の反り等の悪影響の防止にとって、ずいぶんと好適である。また、床暖房用床材の基材として用いた際の寸法安定性と目隙防止にとってよりいっそう好適なものとなる。さらにはコストにとっても、よりいっそう好適なものとなる。
【0027】
さらに、中比重繊維板を四分割して得られた2枚の外側薄板と2枚の内側薄板を木質板の両面にそれぞれ各1枚づつ用いるので、中比重繊維板の使用量が少なくて済み、材料コスト的にも有利なものとなる。また、木質板の表面側に前記外側薄板が硬質層を外側にし軟質層を木質板側にして積層接着され、木質板の裏面側に両面とも軟質層からなる前記内側薄板が積層接着されてなるので、中比重繊維板の軟質層と木質板が積層接着されることになり、中比重繊維板と合板等の木質板との接着適性に優れる。さらに、複合基材の表面側が中比重繊維板の硬質層となるので複合基材としての表面硬さ、表面平滑性に優れる。また、複合基材の裏面側が中比重繊維板の軟質層となるので複合基材としての、下地材への接着適性にとっても好適なものとなる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、表面平滑性及び表面硬さに優れ、反りにも強く、床暖房用床材として用いても寸法安定性に優れ、従って、目隙の発生を有効に防止可能で、しかも、床下地材への接着適性にも優れた床材が可能となる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、化粧材が熱可塑性合成樹脂シートからなる化粧材であるので、複合基材表面(中比重繊維板表面)になじみ易く、中比重繊維板との接着適性に優れ、しかも、複合基材表面の中比重繊維板の表面平滑性と表面硬さを最大限に生かすことが可能で、表面平滑性と表面硬さに優れた床材となる。また、木質板が奇数枚の木質単板の繊維方向を互いに略直交するように積層接着して得られた合板であるので、木質板そのものが反りにくくなり、従って、複合基材製造工程で、製造作業性が向上し、品質の低下を防止することが可能となり、製造歩留まりの向上(製品不良率の低減)、製造コストの低減といった効果が発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の詳細を図面に従って説明する。図1は本発明の複合基材の一実施形態を示す断面図、図2は本発明の中比重繊維板を四分割した各層を表す模式図、図3は本発明の複合基材を用いて作製された床材を示す断面図である。
【0031】
図1、図2において、本発明の複合基材1の一実施形態の詳細を述べる。本発明の複合基材1は中比重繊維板の薄板2を木質板3の表面裏面の両面に積層接着して構成されている。中比重繊維板Mはその表裏両面に密度が高い硬質層Kが形成されており、厚み方向の略中央部が密度の低い軟質層Nが形成され、表面側から、硬質層K、軟質層N、硬質層Kがこの順で形成されて構成されている。
【0032】
前記中比重繊維板の薄板2は本例では中比重繊維板Mの例えば約3mm程度の厚さのものを厚み方向に四分割した極薄のもので厚み約0.5mm〜1.0mm程度の中比重繊維板の薄板2を用いている。前記中比重繊維板の薄板2は、例えば四分割の場合、外側2層は片面に硬質層Kを有し他方の面は軟質層Nを有する外側薄板2aである。また、四分割の内側2層は両面とも軟質層Nを有する内側薄板2bである。前記木質板3は例えば合板、LVL等の木質材料が使用できるが、吸湿時や乾燥時の反りや寸法安定性を考慮すれば合板が好適な材料である。この木質板3の例としては、前記合板、LVLの他、木削片板、ハードボード、木質集成材等を好適なものとして例示できる。これらの中では、床材に加工した際の強度、寸法安定性、反り、目隙、コスト等を考慮すれば合板が最も好適である。
【0033】
中比重繊維板Mを厚み方向に分割(本例では厚み方向に四分割)する方法としては、一例として、スライサーの刃物(図示せず)を水平方向に設置し、分割前の中比重繊維板Mを水平にして送りロール(図示せず)等で挟持し、その長手方向に強制的に前進送りさせ、前記スライサーの刃物で厚み方向に切削し分割する。この時、分割面に多少の凹凸が生じ易くなるが、刃物の先端角度、刃物のバイアス角を好適に設定すれば切削抵抗が小さくて済み、分割面の大きな凹凸(図示せず)が軽減し、せいぜい微細な凹凸(図示せず)が生じる程度になる。この微細な凹凸は、複合基材1となった場合の表面としては適さないが、中比重繊維板の薄板2と合板等の木質板3との接着面としては好適であり、また、複合基材1の裏面としても好適である。すなわち、中比重繊維板の薄板2を合板等の木質板3の上に接着剤で張り付ける場合や、また、複合基材1を下地材(図示せず)の上に接着剤で張り付ける場合、前記微細な凹凸が有った方が接着剤が浸透し易く接着適性に優れたものとなる。
【0034】
本例では、中比重繊維板Mの四分割の薄板2のうち、外側薄板2aを木質板3の表面側に積層接着する。この時、前記外側薄板2aの硬質層Kを複合基材1の外側にし軟質層Nを木質板3側にして積層接着する。また、中比重繊維板Mの四分割の薄板2のうち、内側薄板2bが木質板3の裏面側に積層接着されている。この内側薄板2bは両面が軟質層Nで構成されており、内側薄板2bの木質板3側も、内側薄板2bの他方の面(複合基材となった場合の裏面)も前記軟質層Nで構成されている。
【0035】
しかし、中比重繊維板Mの分割は、本例で示す四分割に限定されるものではない。例えば、二分割、三分割、五分割、六分割でもよい。しかし、七分割以上となると、厚さ約3mmの中比重繊維板Mの場合、七分割以上すると、分割後の中比重繊維板の薄板2が薄くなりすぎて、強度的に弱くなり、薄板製造が極めて困難になる。製造時の安定性を考慮すれば、本例で示す四分割が好適である。四分割の場合、中比重繊維板Mを四分割し外側薄板2aを2枚、内側薄板2bを2枚得ることが可能となる。このようにすることで、中比重繊維板の薄板2の歩留まりを好適なものとすることができる。外側薄板2aと内側薄板2bが2枚づつ得られる。すなわち、同数量得ることができる。1つの複合基材1に対して外側薄板2aを1枚、内側薄板2bを1枚使用するので製造歩留まり上好適である。このようにすることで、安価な複合基材1が可能となる。
【0036】
上記のような構成を有するので、すなわち、中比重繊維板の分割薄板2を木質板3の表裏両面に積層接着した構成であり、複合基材1の表面側でみると、中比重繊維板の分割薄板2の硬質層Kが外側面として積層接着されているので、複合基材1として、その表面平滑性及び表面硬さに優れる。また、中比重繊維板の分割薄板2が片面貼りでなく表裏両面貼りとしているので、表裏のバランスがとれ、吸湿放湿に対して反りにくいものとなる。また、中比重繊維板Mを厚さ方向に分割した薄板2を用いているので、中比重繊維板としての厚みが薄く、従って、床暖房用床材の基材として用いても寸法安定性に優れ、目隙の発生を有効に防止できる。また、中比重繊維板の分割薄板2の外側薄板2a及び内側薄板2bとも軟質層Nが前記木質板3と接するように積層接着されるので、接着不良の恐れがない。また、複合基材1としての裏面側が中比重繊維板の分割薄板2の軟質層N(内側薄板2bの外側面)で構成されているので、下地材(図示せず)との接着性にとっても好適である。
【0037】
また、積層接着の際の接着剤として、いずれも、常温硬化型の、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル変性ウレタン樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、ユリアメラミン共縮合樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、レゾルシノール樹脂系接着剤等が好適なものとして例示できる。また、積層接着条件は、一例として、接着剤塗布量はウエットで約150〜300g/m程度、圧締作業はコールドプレスを用い、圧締圧力は約8.0〜12.0kg/cm程度、圧締温度は常温で、圧締時間は接着剤にもよるが、通常約12〜24時間程度である。圧締完了後、常温で約24時間以上養生し積層接着作業が完了する。しかし、上記の接着剤及び接着条件に限定されるものではない。また、上記のような常温圧締でなく、加熱圧締であっても、勿論よいものとする。例えば熱硬化性合成樹脂等からなる接着剤を適切に選定しそれに合った接着条件を設定すればよい。
【0038】
図3において、本発明の複合基材1を用いて作製された床材4を示す。床材としての所定の寸法として、一例として、長さ1818mm、幅303mm、厚み12.0mmのものを例示できる。この場合、平面の形状で長方形を有する複合基材1の寸法は、加工しろを見て、長さ、幅寸法は若干大きめとし、厚み寸法は化粧材を貼着後12.0mmとなるように設定すればよい。床材の寸法例として上記寸法に限定されるものではない。上記寸法の他、長さ909mm、幅151.5mm、厚み9.0mmの例もある。また、長さ1818mm、幅101mm、厚み15.0mmの例もある。また、長さ909mm、幅75mm、厚さ6.0mmの例もある。しかし、これらの寸法に限定されるものではない。
【0039】
本発明の複合基材1の木質板3は一実施例として合板5で構成されている。前記合板5は木質単板5aが奇数枚(本例では5枚)その繊維方向を略直交させて積層接着されて作製された合板である。木質単板5aの枚数が奇数枚で、その繊維方向が互いに略直交しているので、吸湿時、乾燥時、寸法変化が極めて小さく、又、反りの発生が抑制される。このようにして作製された合板5の表面側に中比重繊維板の前記外側薄板2aが硬質層Kを外側にし軟質層Nを合板5側にして積層接着されている。また、合板5の裏面側に中比重繊維板の前記内側薄板2bが軟質層Nを合板5側及び複合基材1の裏面側になるように積層接着されている。積層接着の際の接着剤及び接着条件は前記したような接着剤及び接着条件でよい。しかし、これらの接着剤や接着条件に限定されるものではない。
【0040】
前記木質単板5aは本例で示す5枚の他、3枚又は7枚の場合が好適である。9枚以上と多くなりすぎると接着剤使用量が多くなり、また、積層接着作業の手間が多くかかり、コストアップにつながる。また、前記木質単板5aの材質は、ラワン、カポール、セラヤ、メラピ、ジョンコン等の広葉樹材からなる南洋材の他、ラジアータパイン等の針葉樹材が好適なものとして例示できる。しかし、これらの樹種に限定されるものではない。
【0041】
複合基材1が完成した後、その表面側の中比重繊維板の薄板2aの外側面の硬質層Kの面に化粧材6が貼着され、さらに、複合基材1の四側面のうち対向する二側面又は四側面のいずれかに凸部T及びそれに嵌合する凹部Uが形成され本発明の床材4が構成されている。
【0042】
本例では前記化粧材6が熱可塑性合成樹脂シートからなる化粧材である。例えば、軟質の塩ビ樹脂シート、オレフィン樹脂シート等を好適なものとして例示できる。化粧材6の厚みは約0.1〜0.3mm程度のものが好適である。熱可塑性合成樹脂シートと中比重繊維板の外側薄板2aの硬質層Kを接着する場合、接着剤として酢酸ビニル樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤等を好適なものとして例示できる。ラミネーター等を用いて貼着すればよい。接着条件は、それぞれの接着剤に合った接着条件を適宜選定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の複合基材の一実施形態を示す断面図。
【図2】本発明の中比重繊維板を四分割した各層を表す模式図。
【図3】本発明の複合基材を用いて作製された床材を示す断面図。
【図4】従来の複合基材を示す断面図。
【符号の説明】
【0044】
1 複合基材
M 中比重繊維板
2 中比重繊維板の薄板
2a 外側薄板
2b 内側薄板
K 硬質層
N 軟質層
3 木質板
4 床材
5 合板
5a 木質単板
6 化粧材
T 凸部
U 凹部
11 従来の複合基材
12 中比重繊維板
13 木質板
【出願人】 【識別番号】398051497
【氏名又は名称】株式会社パル
【出願日】 平成18年9月11日(2006.9.11)
【代理人】 【識別番号】100074572
【弁理士】
【氏名又は名称】河澄 和夫

【識別番号】100126169
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 淳子


【公開番号】 特開2008−62593(P2008−62593A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−244990(P2006−244990)