| 【発明の名称】 |
床材用化粧木質板 |
| 【発明者】 |
【氏名】野口 克弘
【氏名】天野 詠一
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| 【要約】 |
【課題】物の落下やキャスターの走行による化粧木質板の凹みの発生が低減化され、また反りや変形が発生することがなく、さらには化粧材が木質板から剥離することがない床材用化粧木質板を提供すること。
【構成】木質板と化粧材、及び木質板と化粧材の間に位置する総厚みが250〜500μmのバッカーからなる化粧木質板であって、前記バッカーが、Tダイ式押出成形法によって得られ、JIS K 7121に準拠して測定した融点が220〜228℃のポリブチレンテレフタレート層を構成層として有することを特徴とする床材用化粧木質板。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 木質板と化粧材、及び木質板と化粧材の間に位置する総厚みが250〜500μmのバッカーからなる化粧木質板であって、前記バッカーが、Tダイ式押出成形法によって得られ、JIS K 7121に準拠して測定した融点が220〜228℃のポリブチレンテレフタレート層を構成層として有することを特徴とする床材用化粧木質板。 【請求項2】 前記バッカーが多層構造であり、ポリブチレンテレフタレート層が前記バッカーの両表層として配されていることを特徴とする請求項1に記載の床材用化粧木質板。 【請求項3】 前記バッカーが三層構造であり、該バッカーの両表層に挟まれた中間層がポリエチレンテレフタレートからなっていることを特徴とする請求項2に記載の床材用化粧木質板。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、住宅等に用いられる木質板と化粧材、及び木質板と化粧材の間に位置するバッカーからなる床材用化粧木質板に係わる。より詳しくは、床材用化粧木質板に衝撃が加わった際、床材用化粧木質板に生じる凹みを最小限に抑制でき、さらに化粧材が木質板から剥離することがない床材用化粧木質板に係わる。 【背景技術】 【0002】 住宅等の床材として用いられる化粧木質板として、合板等の木質板の表面に接着層を介し、突き板、化粧シート等の化粧材を積層したものがある。このような化粧木質板は高級感があり意匠的にも優れたものである。しかしながらこのようにして得られる化粧木質板は物の落下やキャスターの走行により凹みを生じ、年月の経過とともに住環境の美観が損なわれるという問題があった。これは突き板や化粧シートの厚みが薄くまた、基材となる合板等の木質板も表面硬度に劣るためである。 このような問題を解決するために、合板と化粧材との間に、合板よりも表面硬度に優れる中密度木質繊維板(MDF)を位置するようにして貼り合わせた化粧木質板も知られている。このような構成となっていることにより、物の落下やキャスターの走行による凹みの発生は低減化できる。しかしながら中密度木質繊維板は温度や湿度の変化により容易に伸縮し、化粧木質板に反りや変形が発生し易い、また化粧材が中密度木質繊維板から剥離しやすいというという問題があった。この問題はとりわけ床暖房システムを取り入れた場合においては際だって深刻なものであった。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明はこのような化粧木質板の状況に鑑みなされたもので、物の落下やキャスターの走行による化粧木質板の凹みの発生が低減化され、また反りや変形が発生することがなく、さらには化粧材が木質板から剥離することがない床材用化粧木質板を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明者らは鋭意研究を重ねた。この結果、Tダイ式押出成形法によって得られ、JIS K 7121に準拠して測定した融点が220〜228℃のポリブチレンテレフタレート層を有し、総厚みが250〜500μmであるシートが、この目的に用いられるバッカーとして好適であり、これを用いた床材用化粧木質板が前記課題を解決するものであることを見いだし本発明に至った。 即ち本発明は、 (1)木質板と化粧材、及び木質板と化粧材の間に位置する総厚みが250〜500μmのバッカーからなる化粧木質板であって、前記バッカーが、Tダイ式押出成形法によって得られ、JIS K 7121に準拠して測定した融点が220〜228℃のポリブチレンテレフタレート層を構成層として有することを特徴とする床材用化粧木質板、 【0005】 (2)バッカーが多層構造であり、ポリブチレンテレフタレート層が前記バッカーの両表層として配されていることを特徴とする(1)に記載の床材用化粧木質板、 【0006】 (3)バッカーが三層構造であり、前記バッカーの両表層に挟まれた中間層がポリエチレンテレフタレートからなっていることを特徴とする(2)に記載の床材用化粧木質板である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明は、Tダイ式押出成形法によって得られ、JIS K 7121に準拠して測定した融点が220〜228℃のポリブチレンテレフタレート層を構成層として有するバッカーが物の落下やキャスターの移動等による衝撃を効率的に吸収でき、また温度変化による伸縮が小さいために、化粧材とともに木質板から剥離してしまうことを防止できることを見いだしなされたものである。以下本発明を詳細に説明する。 【0008】 本発明において用いられるポリブチレンテレフタレートはJIS K 7121に準拠して測定した融点が220〜228℃の範囲にあるもので基本的には、テレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールを出発原料とするテレフタル−ジメチル法(エステル交換反応)、あるいはテレフタル酸と1,4−ブタンジオールを出発原料とする直接重合法(直接エステル化法)によって得られるものである。なお、JIS K 7121に準拠して測定した融点が220〜228℃の範囲にあるのであればテレフタル酸ジメチルやテレフタル酸以外のテレフタル酸系化合物や、1,4−ブタンジオール以外のジオール成分を少量使用したものであってもよい。JIS K 7121に準拠して測定した融点がこの範囲外にあるポリブチレンテレフタレートを用いたバッカーを使用した化粧木質板は、温度の変化により化粧材とバッカーが木質板から剥離しやすくなるため好ましくない。 【0009】 そして本発明の床材用化粧木質板に用いられるバッカーは、このようなポリブチレンテレフタレートからなる層を構成層として有し、総厚みが250〜500μmに設定されている。厚みが250μm未満であると物の落下やキャスターの走行による凹みの発生を低減化する効果が不十分となり好ましくない。一方500μmを超えると化粧材や木質板との貼り合わせ加工性が低下するとともに、コストの上昇を招き好ましくない。 【0010】 また本発明の床材用化粧木質板に用いられるバッカーはポリブチレンテレフタレート以外の合成樹脂からなる層との多層構造をとっていてもよい。その場合、ポリブチレンテレフタレートからなる層が配される位置は特に限定されないが、より好ましくは表層に、さらに好ましくは両表層に配するようにする。 また、バッカーが三層構造でポリブチレンテレフタレートからなる層が両表層に配される場合、両表層に挟まれた中間層を形成する合成樹脂はポリエチレンテレフタレートであることが望ましい。そしてこの場合の厚み構成は表層1/中間層/表層2=5/90/5〜25/50/25の比率とするのが望ましい。 【0011】 本発明の床材用化粧木質板に用いられるバッカーを得るにはTダイ式押出成形法が用いられる。インフレーション押出成形法ではバッカーの熱による伸縮が大きくなり、化粧材の木質板からの剥離を防止できず好ましくない。バッカーを多層とする場合にはTダイ式共押出成形法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等が適用可能である。 【実施例】 【0012】 以下に詳述するように、実験例、比較実験例によりバッカーを作成し、このバッカーを用いて得られたシート1〜4、及び木質材にシート1〜4が貼り合わされた床材用化粧木質板の特性を評価した。ここにおいて本発明は、その趣旨を超えない限り、以下の記載により限定されるものではない。 【0013】 [実験例1] JIS K 7121に準拠して測定した融点が223℃のポリブチレンテレフタレート(IV値:1.14)をTダイ法にて押出成形し、厚み350μmのバッカーを作成した。 【0014】 [実験例2] JIS K 7121に準拠して測定した融点が223℃のポリブチレンテレフタレート(IV値:1.14)を両表層、その間にJIS K 7121に準拠して測定した融点が245℃のポリエチレンテレフタレート(IV値:0.811)を中間層として各層の厚さ比率が10/80/10となるようTダイ式共押出成形法にて成形し、総厚み350μmのバッカーを作成した。 【0015】 [比較実験例1] JIS K 7121に準拠して測定した融点が245℃のポリエチレンテレフタレート(IV値:0.811)をTダイ法にて成形し、厚み350μmのバッカーを作成した。 【0016】 [比較実験例2] JIS K 7121に準拠して測定した融点が223℃のポリブチレンテレフタレートを両表層、その間にJIS K 7121に準拠して測定した融点が245℃のポリエチレンテレフタレート(IV値:0.811)を中間層として各層の厚さ比率が10/80/10となるようTダイ式共押出成形法にて成形し、総厚み200μmのバッカーを作成した。 【0017】 実験例1、2と比較実験例1、2で成形したバッカーに、それぞれ厚み100μmのポリプロピレン製の化粧シートをドライラミネート法により積層し、化粧シートにバッカーが積層されたシート1、2、3、4を得た。そして下記の特性を評価した。そしてその結果を表1に示す。 <耐熱寸法安定性> 化粧材を高温の状態で長時間経時させた場合(例えば床暖房を備えた住宅の床材に使用する場合など)を想定し、シート1〜4を1辺が100mmの正方形に切り出し、雰囲気温度80℃の恒温槽内に30分間放置した後、室温23℃の恒温室内に30分間放置し、ノギスを用いて寸法変化を測定し加熱収縮率(%)を算出する。また、その際、加熱することにより発生する化粧材の変形を目視により下記基準で評価する。 ◎:シートに変形は全く認められない。 ○:シートにかすかなカールが認められる。 ×:シートが不均一な波状にうねる。 【0018】 <凹み変形性> 床材用化粧木質板に瞬間的に衝撃が加わった場合を想定し、シート1〜4を厚さ12mmの合板に接着剤を用いて貼り合せて、コンクリート製の床上に水平に載置する。そして、その表面に総重量が500gで先端が半径6.3mmの半球状の黄銅製の重りを高さ300mmの位置から自由落下させる。次いで落下の衝撃により変形した落球凹み量(μm)をマイクロゲージにて測定する。また、凹み箇所の目立ちやすさを目視により下記基準で評価する。 ○:シート表面に微少な凹みが認められる。 △:シート表面に若干の凹みが認められる。 ×:シート表面に明確な凹みが認められる。 【0019】 【表1】
【0020】 実験例1、2で得られたバッカーが積層されたシート1、2は加熱収縮率が小さく、また加熱によるシートの変形も全く見られなかった。さらにシート1、2が用いられた床材用化粧木質板は落球凹み量が小さく、また目視によっても凹みはあまり目立たなかった。一方、比較実験例1で得られたバッカーが積層されたシート3を用いた床材用化粧木質板は落球凹み量が小さく、また目視によっても凹みはあまり目立たなかったものの、バッカーの加熱収縮率が大きくこの用途には不向きである。また実験例2と同様の構成ではあるが厚みが200μmと本発明で示された範囲を外れる比較実験例2で得られたバッカーが積層されたシート4は、加熱収縮率については良好な結果を示したものの、シート4を用いた床材用化粧木質板は落球凹み量が大きく、また目視によってもその凹みは目立ったものであった。 【産業上の利用可能性】 【0021】 以上説明したように、本発明によれば、物の落下やキャスターの走行による化粧木質板の凹みの発生が低減化され、また化粧木質板に反りや変形が発生しにくい床材用化粧木質板が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000206473 【氏名又は名称】大倉工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成19年10月17日(2007.10.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−30496(P2008−30496A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2007−269615(P2007−269615) |
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