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【発明の名称】 化粧ボード
【発明者】 【氏名】内藤 茂樹

【氏名】奥平 有三

【氏名】梅岡 一哲

【氏名】足立 有弘

【氏名】劉 文海

【要約】 【課題】耐吸湿性に優れるとともに低価格で生産性の高い、フラッシュパネル等に用いる化粧ボードを提供する。

【構成】ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ジュート等の麻系植物繊維を、全体に占める重量比が10重量%以上30重量%以下の樹脂で固めてなる繊維ボードの表面を表面粗さが80μm以下になるように、サンディング加工、紙貼り加工又は目止め処理により平滑処理した後に、化粧シートを前記繊維ボードの表面に接着してなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ジュート等の麻系植物繊維を、全体に占める重量比が10重量%以上30重量%以下の樹脂で固めてなる繊維ボードの表面を表面粗さが80μm以下に平滑処理した後に、化粧シートを前記繊維ボードの表面に接着してなることを特徴とする化粧ボード。
【請求項2】
前記繊維ボードの表面に前記麻系植物繊維が露出するようにサンディング加工することにより平滑処理してなることを特徴とする請求項1記載の化粧ボード。
【請求項3】
前記繊維ボードの表面に、30g/m2以上100g/m2以下の紙を、酢酸ビニルエマルジョン系、アクリルエマルジョン系、ユリア系、メラミン系、フェノール系のいずれかの接着剤を用いて、紙貼り加工をすることにより表面を平滑処理してなることを特徴とする請求項1記載の化粧ボード。
【請求項4】
前記繊維ボードの表面に、酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂のいずれかを目止め材として100g/m2以上200g/m2以下塗布することにより、目止め処理をすることで、平滑処理してなることを特徴とする請求項1記載の化粧ボード。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ジュート等の麻系植物繊維を、樹脂で固めてなる繊維ボードの表面に、化粧シートを接着してなる化粧ボードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ドアパネル、引き戸や間仕切り壁等の建具に使用されるフラッシュパネルは、特開平5−16106号公報(特許文献1)に開示されているように、2枚の板材の中間をハニカム構造や木枠の芯材として成形されている。このフラッシュパネルの表面に用いられる板材としては、意匠製に優れるMDF(中質繊維板)が使用されることが多い。このMDFは、性質上吸湿しやすく、吸湿したときに、建具に反りを生じるという問題があった。
【0003】
この耐吸湿性を向上させるために、MDFの表面と裏面にプラスチックシートのような防湿シートを貼ることが、特開平9−235954号公報(特許文献2)や特開平5−16107号公報(特許文献3)に開示されている。このフラッシュパネルは、断面図を図3に示したように、MDF1の両面に防湿シート5を貼り合わせた、2枚の板材の中間に芯材として木枠4を取り付けた構造をしている。
【特許文献1】特開平5−16106号公報
【特許文献2】特開平9−235954号公報
【特許文献3】特開平5−16107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や特許文献2に開示されているMDFを用いたフラッシュパネルを作成すれば、吸湿性は改善されるものの、表面と裏面に防湿シートを貼ることが必要となるために、生産性が低下し、価格が高くなるという問題点を生じていた。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、耐吸湿性に優れるとともに低価格で生産性の高い、フラッシュパネル等に用いる化粧ボードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の化粧ボードは、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ジュート等の麻系植物繊維を、全体に占める重量比が10重量%以上30重量%以下の樹脂で固めてなる繊維ボードの表面を表面粗さが80μm以下に平滑処理した後に、化粧シートを前記繊維ボードの表面に接着してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の化粧ボードは、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ジュート等の麻系植物繊維を、全体に占める重量比が10重量%以上30重量%以下の樹脂で固めてなる繊維ボードを用いているので、高湿の雰囲気にあっても反り等の変形を生じることが少ない。また、化粧シートを繊維ボードの表面の片面に接着してなるので、防湿シートを両面に貼るという工程が不要となり、生産性が向上して、低価格とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
発明を実施するための最良の形態の化粧シートを図1に基づいて説明する。本発明の化粧シートは、図1に示すように、MDF(中質繊維板)である繊維ボード1の表面2に化粧シート3を貼り合わせた構成となっている。
【0009】
ここで、繊維ボード1は、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ジュート等の麻系植物繊維を10〜200mmの長さに裁断したものに樹脂を分散させて、プレス成形等によって板状に固めたものである。ここで、使用する樹脂としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて、繊維ボード1全体に樹脂が占める重量比が10重量%以上30重量%以下、好ましくは15重量%以上25重量%以下となるように配合する。こうすることにより、軽量で機械的強度が良好な繊維ボードを製造することができる。この後、繊維ボード1の表面2を表面粗さが80μm以下になるように平滑処理した後に、化粧シート3を繊維ボード1の表面に接着して化粧ボードを得る。
【0010】
ここで、繊維ボード1の表面2を平滑処理する方法としては、まず、麻系植物繊維が露出するようにサンディング加工することがあげられる。このとき、表面2を表面粗さは、80μm以下、好ましくは60μm以下に平滑処理することが望ましい。具体的な実施方法としては、繊維ボード1の表面2を♯100以上、好ましくは♯180以上のサンディングペーパーを用いて平滑処理をすることによって、当該表面粗さとすることができる。
【0011】
また、表面2を平滑処理する他の方法としては、接着剤を用いて、紙貼り加工をすることがあげられる。このときの使用する紙の目付重量は、小さすぎると必要な平滑性を得ることができず、大きすぎると剥離強度が低くなるので、30g/m2以上100g/m2以下、好ましくは30g/m2以上60g/m2以下とすることが望ましい。また、接着剤としては、酢酸ビニルエマルジョン系、アクリルエマルジョン系、ユリア系、メラミン系、フェノール系のいずれかを用いることができ、このときの接着剤の塗布量は、50g/m2以上100g/m2以下とすることが望ましい。
【0012】
さらに、表面2を平滑処理する別の方法としては、目止め材を塗布することにより、目止め処理をすることがあげられる。このときに、使用する目止め材としては、酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂のいずれかが有功であり、塗布量としては、100 g/m2以上200g/m2以下とすることが望ましい。
【0013】
このようにして得られた化粧ボードを用いて、断面図を図2に示すように、フラッシュパネルを作成することができる。具体的には、繊維ボード1に貼りあわせた化粧シート3が外部から見えるように、2枚の化粧ボードを配設して、中間に芯材として木枠4を固定することにより、フラッシュパネルを得る。
(実施例1)
ケナフ繊維を10〜200mmの長さに裁断したものに、全体に占める重量比20重量%となるようにフェノール樹脂を分散させて、プレス成形によって板状に固めて厚さ1.5mmの繊維ボードとした。この繊維ボードの表面を♯180のベルトサンダーで、サンディング加工をすることによって、表面粗さが80μm以下に平滑処理した後に、厚さが70μmのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)製の化粧シートを繊維ボードの表面に貼りあわせることにより化粧ボードを得た。このとき、貼りあわせに用いた接着剤は、湿気硬化型ウレタン接着剤で、表面への塗布量は、60g/m2であった。得られた化粧ボードの特性を表1に示す。
【0014】
ここで、表1において、化粧シート表面製は、表面粗さ計で測定したときの、表面の粗さが10μm以下であるものを○で示している。また、寸法安定性は、24時間水中浸漬後の吸水長さ変化率が、0.5%以上となったものを×で、0.5%未満0.1%以上であったものを○で、0.1%未満であったものを◎で示している。さらに、剥離強度は、0.5MPa以上1.0MPa未満であったものを○で、1.0MPa以上であったものを◎で示している。加えて、表面高度は、剛球圧縮試験で、凹み量が0.05mm以上0.1mm未満のものを○で、凹み量が0.05mm未満のものを◎で示している。
【0015】
本実施例では、ケナフ繊維に分散させる樹脂の中で、フェノール樹脂を用いているので、本実施例の化粧ボードで、特に曲げ強度に優れたものとすることができる。
【0016】
また、繊維ボードの表面に麻系植物繊維が露出するようにサンディング加工することにより平滑処理しているので、化粧シートを接着するときに、接着剤と繊維となじみやすくなり、化粧シートと繊維ボードの密着性が良好となる。この結果として、化粧シートが剥離しにくい化粧ボードを提供することができる。
【0017】
【表1】


【0018】
(実施例2)
ケナフ繊維を10〜200mmの長さに裁断したものに、全体に占める重量比20重量%となるようにフェノール樹脂を分散させて、プレス成形によって板状に固めて厚さ1.5mmの繊維ボードとした。この繊維ボードの表面に、目付重量30g/m2の紙をメラミン系接着剤で貼りあわせた。このときの接着剤の表面への塗布量は、50g/m2であった。得られた化粧ボードの表面に、厚さが70μmのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)製の化粧シートを繊維ボードの表面に貼りあわせることにより化粧ボードを得た。このとき、貼りあわせに用いた接着剤は、湿気硬化型ウレタン接着剤で、表面への塗布量は、60g/m2であった。得られた化粧ボードの特性を表1に示す。
【0019】
本実施例では、繊維ボードの表面に、30g/m2以上100g/m2以下の紙を、酢酸ビニルエマルジョン系、アクリルエマルジョン系、ユリア系、メラミン系、フェノール系という紙との密着性の良好な接着剤を用いて、紙貼り加工をすることにより表面を平滑処理しているので、化粧シートと繊維ボードの密着性が良好となる。この結果として、化粧シートが剥離しにくい化粧ボードを提供することができる。
【0020】
また、前記接着剤の中で、フェノール系のものを使用することにより、化粧シートがさらに剥離しにくい化粧ボードを提供することができる。
(実施例3)
ケナフ繊維を10〜200mmの長さに裁断したものに、全体に占める重量比20重量%となるようにフェノール樹脂を分散させて、プレス成形によって板状に固めて厚さ1.5mmの繊維ボードとした。この繊維ボードの表面に、酢酸ビニルに酸化チタンを配合した目止め材(株式会社オーシカ製、品番VX−59N)を100g/m2を塗布した。得られた化粧ボードの表面に、厚さが70μmのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)製の化粧シートを繊維ボードの表面に貼りあわせることにより化粧ボードを得た。このとき、貼りあわせに用いた接着剤は、湿気硬化型ウレタン接着剤で、表面への塗布量は、60g/m2であった。得られた化粧ボードの特性を表1に示す。
【0021】
本実施例では、繊維ボードの表面に、酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂のいずれかを目止め材として100g/m2以上200g/m2以下を塗布することにより、目止め処理をすることで、平滑処理しているので、化粧シートと繊維ボードの密着性が良好となる。この結果として、化粧シートが剥離しにくい化粧ボードを提供することができる。
【0022】
また、前記樹脂に酸化チタンを含有したものを目止め材として使用することにより、密着性がより良好となり、化粧シートがさらに剥離しにくい化粧ボードを提供することができる。
(比較例1)
厚さ2.5mmのMDF(中質繊維板)の表面の片側に、厚さが50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)製の化粧シートを繊維ボードの表面に貼りあわせることにより化粧ボードを得た。このとき、貼りあわせに用いた接着剤は、湿気硬化型ウレタン接着剤で、表面への塗布量は、60g/m2であった。得られた化粧ボードの特性を表1に示す。
(比較例2)
厚さ2.5mmのMDF(中質繊維板)の表面の片側に厚さ50μmのポリエチレン防湿シートを貼りあわせ、他の側に厚さが70μmのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)製の化粧シートを繊維ボードの表面に貼りあわせることにより化粧ボードを得た。このとき、貼りあわせに用いた接着剤は、湿気硬化型ウレタン接着剤で、表面への塗布量は、いずれもそれぞれ60g/m2であった。得られた化粧ボードの特性を表1に示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態の繊維ボードの構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態の繊維ボードを用いて作成したフラッシュパネルの断面図である。
【図3】従来の繊維ボードを用いて作成したフラッシュパネルの断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 繊維ボード(MDF)
3 化粧シート
4 木枠
5 防湿シート
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−1058(P2008−1058A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175248(P2006−175248)