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【発明の名称】 皮剥き装置
【発明者】 【氏名】▲松▼原 弘典

【氏名】川口 利満

【氏名】篠原 隆夫

【氏名】鮫島 眞則

【氏名】山元 隆二

【要約】 【課題】コア部を極力破砕せずに靭皮部より分離することにある。

【解決手段】予め茎の延伸方向に伸びる一方側の面よりコア部10aを露出状態とした靭皮植物10を、茎の延伸方向を搬送方向として搬送する第一搬送手段70と、靭皮植物10の搬送途中において、靭皮植物10の一方側の面から切断刃46を接触させてコア部10aを切断する切断手段と、切断箇所10cよりも搬送方向上流側のコア部10aを切断刃46の一方の面側に案内するとともに、切断箇所10cよりも搬送方向上流側の靭皮部10bを切断刃46の一方の面側とは異なる他方の面側に案内することで両者を分離する分離手段と、上流側の靭皮部10bを他方の面側に搬送する第二搬送手段3とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靭皮植物の茎を構成するコア部から前記コア部を包囲する靭皮部を分離する皮剥き装置であって、
予め前記茎の延伸方向に伸びる一方側の面より前記コア部を露出状態とした靭皮植物を、前記茎の延伸方向を搬送方向として搬送する第一搬送手段と、
前記靭皮植物の搬送途中において、前記靭皮植物の一方側の面から切断刃を接触させて前記コア部を切断する切断手段と、
前記切断箇所よりも搬送方向上流側のコア部を前記切断刃の一方の面側に案内するとともに、前記切断箇所よりも搬送方向上流側の靭皮部を前記切断刃の前記一方の面側とは異なる他方の面側に案内することで両者を分離する分離手段と、
前記上流側の靭皮部を他方の面側に搬送する第二搬送手段とを有することを特徴とする皮剥き装置。
【請求項2】
請求項1に記載の皮剥き装置であって、
前記皮剥き装置は、前記分離手段と前記切断手段とが一体の構成であって、
前記分離手段と前記切断手段とでもって、前記靭皮植物を一方側とは異なる他方側に曲げつつ前記露出状態のコア部を切断して前記上流側のコア部から上流側の靭皮部を分離し、前記分離手段にて前記上流側のコア部を他方側に撓らないように前記切断刃の一方の面側に案内する一方、前記上流側の靭皮部を他方側に撓らせて前記切断刃の他方の面側に案内する構成であることを特徴とする靭皮植物の皮剥き装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の皮剥き装置であって、
前記皮剥き装置は、前記分離手段と前記切断手段とが一体の構成であって、
前記分離手段と前記切断手段は、前記搬送状態の前記靭皮植物が接触することで回転又はスライド移動する構成であるとともに、前記回転又はスライド移動によって、前記靭皮植物を他方側に曲げて前記露出状態のコア部を前記切断するとともに、前記上流側の靭皮部を前記切断刃の他方の面側に案内する靭皮案内部とを有することを特徴とする皮剥き装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の皮剥き装置であって、
前記分離手段は、前記搬送状態の靭皮植物の接触によって回転する回転体を有し、
前記回転体の回転によって、前記回転体に設けた前記切断手段が前記露出状態のコア部を切断し、前記回転体の他方側に設けた靭皮案内部が前記上流側の靭皮部を案内する構成であることを特徴とする皮剥き装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の皮剥き装置であって、
前記靭皮植物より前記コア部を露出状態とする露出手段を備え、
前記露出手段は、前記靭皮植物の搬送方向に沿って前記靭皮植物に切目を入れる刃部と、前記靭皮植物を前記切目に沿って拡開する拡開部とを有することを特徴とする皮剥き装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の皮剥き装置であって、
前記靭皮部の表皮を除去する表皮除去手段を、前記露出手段よりも搬送方向下流に設けたことを特徴とする皮剥き装置。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、靭皮部がコア部を包囲する靭皮植物の皮剥き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
苧麻(別名:ラミー、カラムシ)やケナフなどの靭皮植物において、木質化したコア部(繊維を含まない)を繊維質の靭皮部より分離する皮剥き装置として、例えば、互いに対向した一対の凹凸ローラを備える皮剥き装置がある(特許文献1を参照)。この一対の凹凸ローラ間に靭皮植物を挿入して押圧すると、木質化したコア部は破砕して粉々となるが、繊維質で撓る靭皮部は破砕せずに繊維状のまま残るので、粉々のコア部を靭皮部から分離して除去することができる。そしてコア破砕物を除去した靭皮部に、微生物による分解処理(レッティング処理)や化学的な処理を施して繊維以外の他成分(例えば表皮)を柔軟化し、さらにこの柔軟化した他成分を洗い流すことで、靭皮部から繊維を採取する。
【特許文献1】特開平7−164410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上述の皮剥き装置では、粉々のコア部(コア破砕物)が繊維質の靭皮部にめり込み又は絡み合うなどして、両者をうまく分離できないことがあった。そして、このコア破砕物は微生物分解が困難な木質であるので、レッティング処理等で柔軟化できず、手作業で絡み合い等を解いて除去する必要があった。そして、コア破砕物が絡み合う等した靭皮部をレッティング処理しても、この絡み合った靭皮部部分への微生物の寄り付きが悪化する。このため靭皮部の柔軟化が進まず硬い部分が残り、レッティング処理の効率をも低下せしめるものであった。
また、収穫後の靭皮植物は乾燥によって硬くなるものなので、一般に破砕前の靭皮植物を湿らせて若干柔らかくしたのち破砕するのであるが、湿った靭皮部にはより多くのコア破砕物が絡み合うこととなり、コア破砕物の除去作業がさらに面倒であった。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、コア部を極力破砕せずに靭皮部より分離することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の皮剥き装置は、靭皮植物の茎を構成するコア部からコア部を包囲する靭皮部を分離する皮剥き装置であって、予め茎の延伸方向に伸びる一方側の面よりコア部を露出状態とした靭皮植物を、茎の延伸方向を搬送方向として搬送する第一搬送手段と、靭皮植物の搬送途中において、靭皮植物の一方側の面から切断刃を接触させてコア部を切断する切断手段と、切断箇所よりも搬送方向上流側のコア部を切断刃の一方の面側に案内するとともに、切断箇所よりも搬送方向上流側の靭皮部を切断刃の一方の面側とは異なる他方の面側に案内することで両者を分離する分離手段と、上流側の靭皮部を他方の面側に搬送する第二搬送手段とを有する。
第1発明では、靭皮植物を、予めその茎の延伸方向に伸びる一方側の面より(好ましくは、靭皮植物延伸方向全長にわたって)コア部を靭皮部より露出したのち、第一搬送手段により茎の延伸方向を搬送方向として搬送する。そして、搬途途中の靭皮植物に対して、その一方側の面から切断手段の切断刃を接触させてコア部を切断し、この切断箇所よりも搬送方向上流側のコア部を(極力破砕することなく)切断刃の一方の面側に案内するとともに、切断箇所よりも搬送方向上流側の靭皮部を切断刃の一方の面側とは異なる他方の面側に案内する。そして、上流側の靭皮部を第二搬送手段にて他方側に搬送するとともに、上流側のコア部を第一搬送手段にて搬送することで、靭皮部をコア部から逐次分離することができる。
【0005】
そして第2発明の皮剥き装置は、第1発明の皮剥き装置であって、皮剥き装置は、分離手段と切断手段とが一体の構成であって、分離手段と切断手段とでもって、靭皮植物を一方側とは異なる他方側に曲げつつ露出状態のコア部を切断して上流側のコア部から上流側の靭皮部を分離し、分離手段にて上流側のコア部を他方側に撓らないように切断刃の一方の面側に案内する一方、上流側の靭皮部を他方側に撓らせて切断刃の他方の面側に案内する構成である。
第2発明は、一体に構成の分離手段と切断手段とでもって、靭皮植物を一方側とは異なる他方側に曲げつつ露出状態のコア部を切断する。そうすると、この切断箇所よりも搬送方向上流側の靭皮部(繊維質)は他方に撓るが、切断箇所よりも搬送方向上流側のコア部(木質)は靭皮部よりも可撓性がないので、靭皮部より分離して元の直線状に戻る。そして、この上流側の靭皮部(繊維質)を一方側とは異なる他方側に撓らせて切断刃の他方の面側に案内して搬送する一方、上流側のコア部を切断刃の一方の面側に案内して搬送することで、コア部を破砕しなくとも、コア部から靭皮部を分離することができる。
【0006】
そして第3発明の皮剥き装置は、第1発明又は第2発明の皮剥き装置であって、皮剥き装置は、分離手段と切断手段とが一体の構成であって、分離手段と切断手段は、搬送状態の靭皮植物が接触することで回転又はスライド移動する構成であるとともに、回転又はスライド移動によって、靭皮植物を他方側に曲げて露出状態のコア部を切断するとともに、上流側の靭皮部を切断刃の他方の面側に案内する靭皮案内部とを有する。
第3発明では、一体に構成の分離手段と切断手段は、搬送状態の靭皮植物が接触することで回転又はスライド移動する。そして、靭皮植物を他方側に曲げつつコア部を適切な切断位置(靭皮植物の先端近傍)にて切断し、分離手段の靭皮案内部でもって上流側の靭皮部を切断刃の他方の面側に案内する。
【0007】
そして第4発明の皮剥き装置は、第1発明〜第3発明のいずれかの皮剥き装置であって、分離手段は、搬送状態の靭皮植物の接触によって回転する回転体を有し、回転体の回転によって、回転体に設けた切断手段が露出状態のコア部を切断し、回転体の他方側に設けた靭皮案内部が上流側の靭皮部を案内する構成である。
第3発明では、靭皮植物の接触によって(靭皮植物の搬送力を利用して)分離手段の回転体が回転し、この回転体の回転により、回転体に設けた切断手段でもって靭皮植物を他方側に曲げつつコア部を切断し、回転体の他方側に設けた靭皮案内部によって上流側の靭皮部を切断刃の他方の面側に案内する。
【0008】
そして第5発明の皮剥き装置は、第1発明〜第4発明のいずれかの皮剥き装置であって、靭皮植物よりコア部を露出状態とする露出手段を備え、露出手段は、靭皮植物の搬送方向に沿って靭皮植物に切目を入れる刃部と、靭皮植物を切目に沿って拡開する拡開部とを有する。
第5発明では、露出手段の刃部でもって、搬送方向に沿って(好ましくは、靭皮植物の延伸方向全長にわたって)靭皮植物に切目を入れる。さらに露出手段の拡開部でもって切目に沿って靭皮植物を拡開することにより、靭皮植物の一方側からコア部を露出状態とし、このようにして得たコア部露出の靭皮植物を分離手段に供給する。
【0009】
そして第6発明の皮剥き装置は、第5発明の皮剥き装置であって、露出手段よりも搬送方向下流に設けた表皮除去手段によって靭皮部の表皮を除去する。
第6発明では、表皮除去装置が露出手段の下流に位置するので、表皮除去手段に供給される靭皮植物は、コア部が一方側から露出した状態であって、その靭皮部(表皮)は、靭皮植物の他方側にはあるがコア部露出の一方側にはない。このため表皮除去装置は、少なくとも靭皮植物の他方側から靭皮部の表皮を除去する構成であればよい。
【発明の効果】
【0010】
第1発明によれば、コア部を極力破砕せずに靭皮部より分離することができる。また第2発明によれば、靭皮植物の特性を利用することで、コア部を極力破砕せずに靭皮部より分離することができる。第3発明では、コア部を適切な位置で切断することができる。第4発明では、靭皮植物の搬送力でもって、靭皮部とコア部を分離することができる。第5発明では、コア部を露出するための前処理を省くことができる。第6発明では、簡単な構成で靭皮部の表皮を除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図11を用いて説明する。
本実施例の皮剥き装置8(80)は、後述の通り、第一搬送手段70により搬送状態の靭皮植物10に対してそのコア部10aを露出状態とする露出手段6と、コア部を切断する切断刃(切断手段)46(46a〜46c)と、この露出状態のコア部10aから靭皮部10bを分離する分離手段4と、分離した靭皮部10bを強制搬送する第二搬送手段3と、靭皮部10bの表皮を除去する表皮除去手段2を備える。そして皮剥き装置8(80)は、分離手段4等でもって、コア部10aを極力破砕せずに靭皮部10bより分離するものである。
【0012】
[実施例1]
図1は、皮剥き装置の内部を示した側面図であり、図2は、部材の一部を取り外した皮剥き装置の斜視図である。以下、図1のように配置の皮剥き装置を基準として上下方向を定めることとする。
皮剥き装置8に、延伸方向に直線状の靭皮植物10を太径側から供給して、第一搬送手段70でもって搬送方向A(延伸方向と同じ向き)に搬送する。この第一搬送手段70を構成する下側横ローラ70a及び上側横ローラ70bの少なくとも1つはモータ73にて積極的に正回転するものであり、各横ローラ70a,70bには、靭皮植物10を後述の露出手段6に導くための案内溝が設けてある。
【0013】
ここで、以下「横ローラ」というときは、搬送方向Aに水平に直交配置した軸心回りに回転するローラを意味するものとし、横ローラの軸心は、皮剥き装置8の外形を構成する2つの壁体(各図では、1つの壁体8aのみを表す)に橋渡し状態とされている。そして横ローラは、特に断りのない限り、皮剥き装置8下部に配置のモータ73にて積極回転する構成でもよく、靭皮植物10の搬送力にて従動回転する構成でもよい。
そして一対の横ローラが対向配置するときは、一対の横ローラ間に靭皮植物10を通過可能なクリアランス(例えば案内溝)を設けた構成であってもよいが、一対の横ローラのうち少なくとも1つがスポンジ状であって両横ローラ間にクリアランスを設ける必要のない構成であることが好ましい。一対の横ローラの一方をスポンジ状とし他方を樹脂製とした場合、スポンジ状の横ローラが、靭皮植物10が通過可能となるよう弾性変形するので、一対の横ローラでもって、コア部10aが破砕しない程度に靭皮植物10を押圧して、より好適な搬送力を靭皮植物10に付与することができる。
【0014】
図3は、拡開部(露出手段の構成部材)の斜視図であり、図4は、外枠を取り外して舟型部を露出の拡開部と刃部(露出手段の構成部材)の斜視図であって、靭皮植物10のコア部10aが露出する様子を示す図である。
露出手段6は、図4に示すとおり、靭皮植物10に切目を入れる刃部65と、切目を入れた靭皮植物10を割り開く拡開部60が靭皮植物10の搬送方向Aに順に配置してなる。そして露出手段6の刃部65は、搬送方向Aに直交配置した軸心回りに回転する円板状であり、下方配置の横ローラ65a(案内溝)上を通過する靭皮植物10に対して、靭皮植物10延伸(長尺)方向全長にわたって上側より切目を入れる。
【0015】
そして露出手段6の拡開部60は、図3及び図4の通り、搬送方向A下流に向かって幅広となる船底状の舟型部62が外枠64に配置してなり、舟型部62の船首側は外枠64より突出して尖細状である。一方、外枠64は、屋根64bの上下高さが搬送方向A下流に向けて低くなる傾斜状であって、入口64aは、靭皮植物10が筒状のまま通過可能であるが、出口64cは、上述のように切目を入れた靭皮植物10を左右に割り割いて寝かせた状態(茎の延伸方向に伸びる一方側の面よりコア部が露出した状態、以下単に「半割状態」と呼ぶ)でなければ通過不能である。
そして、外枠入口64aより突出の舟型部62の船首側(尖細状)でもって靭皮植物10の切目に割り込み、外枠64内に配置の舟型部62の船側面で靭皮植物10を切目から左右に拡開する。このように拡開した靭皮植物10は、さらに搬送方向A下流に向かって低く傾斜した外枠屋根64bに押し当たることで上述の半割状態となり、外枠出口64cを通過する。そして半割状態の靭皮植物10を、中間搬送手段72(一対の横ローラ72a,72bを対向配置してなる)にて上方から適度に押圧し、第一案内板74上を搬送して後述の分離手段4に供給する。
【0016】
図5は、回転体(一例)の側面図であって、(A)〜(D)の順に靭皮部を分離する手順を図示し、同図(A)を回転体の正位置とする。図6は、別の回転体(一例)の側面図である。なお図5及び6では、靭皮植物を縦断面で図示することとする。
本実施例の分離手段4は、搬送方向Aに水平に直交配置した軸心回りに回転可能な回転体40を備える。この回転体40は、図5及び図6にて例示する通り、搬送状態の靭皮植物10が接触することで回転する構成(カム機構)である。そして、この回転体40の回転によって、回転体40に設けた切断刃46が接触して靭皮植物10を下側に曲げつつ(曲げ応力を加えつつ)コア部10aを靭皮植物10の先端近傍の適切な位置で切断する。そうすると、上流側の靭皮部は、切断刃46の他面側に連なる回転体40下側の靭皮案内部44に沿って下側(切断刃46の他方の面側)に撓なり、切断刃46の他方の面側に案内される。一方、上流側のコア部10a(木質)は靭皮部10bよりも可撓性がないので、靭皮部10bより分離して元の直線状となって切断刃46の一面側に連なる回転体40前面(曲面状)を上滑りして、切断刃46の一方の面側に案内される。
【0017】
ここで上述の回転体40の形状は、靭皮植物10を下側に曲げる(曲げ応力を加える)とともに、上流側の靭皮部10bを下側に案内可能な形状であることが好ましい。例えば回転体40の縦断面は、下部を凹状とした半円形状、同じく下部凹状の三角や四角などの多角形状、星形、月形、十字、逆L字及びT字などの各種形状である。そして回転体40は、その上部にコア案内部42を設けて上流側のコア部10aを下側に撓らせずに搬送することが好ましく、例えば回転体40の上部縦断面が搬送方向Aに沿った直線状であることが好ましい。
そして搬送状態の靭皮植物10が、回転体40の中心軸(軸心)に対して搬送方向下流側の回転体40の一部に接触することによって、回転体40の中心軸に対して搬送方向上流側の他部に固定された切断刃46がコア部10aに接触してコア部10aを切断する。
【0018】
上述の回転体40の一例を説明すると、図5の縦断面略半円の第1回転体40aは、その正位置において、下部が凹状の靭皮案内部44aであって、上部が、搬送方向Aに平行な直線状のコア案内部42aである。そして回転体40aは、その下部前端下方に突出した切刃状の切断刃46aを一体に備える。
そして第1回転体40aは、半割状態の靭皮植物10の接触(特に木質化したコア部10aの搬送力)により軸心回りに正回転する。この第1回転体40aの回転によって、回転体40a下部前端の切断刃46aが、靭皮植物10を下側に曲げつつコア部10aを切断する。そうすると、上流側の靭皮部10bは、切断刃46aの他面に連なる回転体40下側の靭皮案内部44aに沿って下側(切断刃46の他方の面側)に案内される。一方、上流側のコア部10aは、靭皮部10bより分離して元の直線状となり、切断刃46aの一面側に連なる第1回転体40a前面(曲面状)を上滑りして、上側(切断刃の一方の面側)に案内される。
そして第1回転体40aが、コア部10aの搬送力を受けなくなることにより正位置に戻り、そのコア案内部42aでもって、上流側のコア部10aが極力下側に撓らないように上側に向けて搬送する。さらに上流側のコア部10aは、無端ベルト78を通過してコア用出口(図示しない)へと搬送される(図7を参照)。一方、上流側の靭皮部10b(繊維質)は、靭皮案内部44aの凹状に沿って撓なりながら下側に配置の後述の第二搬送手段3へと案内されることとなる。
なお、上述のコア部10a切断時に若干のコア破砕物が発生することがあるが、このコア破砕物は、第1回転体40a上方に配置の第一散水管75から散水によって洗い流されるので、上流側の靭皮部10bに極力混入しないものである。
【0019】
そして回転体40は、図6の縦断面逆L字状(上部片43aと下部片43bとで構成)の第2回転体40bであってもよい。第2回転体40bの回転によって、上部片43aの前端に設けた切断刃46bが靭皮植物10を下側に曲げつつコア部10aを切断し、下側に垂下の靭皮案内部44b(切断刃46aの他面側に連なる下部片43b内面)が上流側の靭皮部10bを撓らせて下側(切断刃46の他方の面側)に案内する。そしてコア案内部42b(切断刃46bの一面側に連なる上部片43a上面)でもって、上流側のコア部10aを下側に撓らないように上側(切断刃46bの一方の面側に案内)する。
ところで第2回転体40bでは、その靭皮案内部44bが下側に長く垂下した形状であるので、靭皮植物10接触箇所の上下方向における調節幅が大きいものである。このため第2回転体40bの配置位置をさらに上側とし、靭皮案内部44bにおける靭皮植物10の接触位置を軸心より遠くして切断刃46bの突当力を強くすることもできる。
【0020】
図7は、第二搬送手段及び表皮除去手段の側面図であり、同図の靭皮植物は、便宜上靭皮部表皮を細い斜線で示し、コア部を太い斜線で示すこととする。
本実施例の第二搬送手段3は、径寸法の大きい順に大径横ローラ34、中径横ローラ32及び小径横ローラ36よりなり、各横ローラの少なくとも一つがモータ73によって積極的に正回転する。そして大径横ローラ34に小径横ローラ36が対向配置し、さらに小径横ローラ36下方に配置の中径横ローラ32が大径横ローラ34に対向状態で配置してなる。
そして、上述のように分離した上流側の靭皮部10bが、第1回転体40a下方に配置の小径横ローラ36と大径横ローラ34間を通過し、さらに、中径横ローラ32と大径横ローラ34間を通過して、搬送途中で中折れして滞留することなく斜め下側に向かって強制的に搬送される。そして、このように強制搬送された上流側の靭皮部10bは、さらに第二案内板76上を通過して表皮除去手段2へと搬送される。
【0021】
そして表皮除去手段2は、露出手段6により半割状態となった靭皮部10b表面の表皮を除去可能なように、横ローラ20に対向配置の凹凸状横ローラ22(樹脂製)を有する。この凹凸状横ローラ22は、上流側の靭皮部10bの表皮を臨む位置に配置の構成である。
そして、凹凸状横ローラ22と横ローラ20間を上流側の靭皮部10bが通過することで、下側に配置の凹凸状横ローラ22が靭皮部10b表面の表皮を擦り取る。そして、擦り取った表皮を、第二案内板76の対面に設けた第二散水管77によって洗い流し、表皮を除去の靭皮部10bを、皮剥き装置8の下方に設けた(上述のコア用出口とは異なる)靭皮用出口(図示しない)に搬送する。
【0022】
そして、このようにして得られた靭皮部10bにレッティング処理又は化学的な処理を施した後、繊維柔軟化した繊維以外の成分を洗い流して繊維を採取する。
このとき、本実施例の皮剥き装置8により得られる靭皮部10bは、その製造工程において、コア破砕物がほとんど発生していないので、コア破砕物が極力混入しないものである。また靭皮部10bが半割状態で直線状のまま搬送されるので、靭皮部10b同士の絡み合いや靭皮部10bのねじれがほとんどない。このため、靭皮部10bを柔軟化するレッティング処理や化学的処理を極めて好適に行うことが可能であり、同処理後にコア部10aを除去する必要もほとんどない。
また本実施例のように、表皮除去手段2によって靭皮部から表皮を除去しておくことで、レッティング処理後の洗い流し作業を短縮することができ、また表皮腐蝕による悪臭も防止又は低減することが可能である。
【0023】
[実施例2]
図8は、実施例2の分離手段の側面図であって、(A)〜(C)の順に靭皮部10bを分離する手順を図示するものであり、図9は、別の分離手段の側面図である。なお図8及び9では、靭皮植物を縦断面で図示することとする。
実施例2の皮剥き装置80は、図1を参照して、第一搬送手段70、露出手段6、第二搬送手段3及び表皮除去手段2を有し、これらの部材は実施例1の皮剥き装置8と同じであるので全体図は省略することとし、後述の皮剥き装置80の特徴(分離手段及び切断手段)部分だけを図示することとする。
すなわち皮剥き装置80では、図8及び図9で例示するように、分離手段4及び切断手段(切断刃46c,46d)が、靭皮植物10の搬送力とは異なる別の駆動力(例えばモータ73)によって回転又はスライド移動する構成である。このため、靭皮植物10の搬送力に関わりなく靭皮部10bとコア部10aをより確実に分離することができる。
【0024】
上述の分離手段4の一例を説明すると、図8の分離手段4は、平板状の切断刃(切断手段)46cと一体であり、その前部に案内横ローラ44c(靭皮案内部)を有する。そして第一案内板74上の靭皮植物10が案内横ローラ44cに接触したことを切断刃46cに内蔵のセンサ48でもって感知する。そうすると、図示しない駆動装置でもって切断刃46cがその他端の軸心47c周りに回転し、靭皮植物10を下側に曲げつつコア部10aを切断する。そして切断刃46c下面側(他方の面側)に配置の案内横ローラ44cが上流側の靭皮部10bを撓らせて下側(切断刃46cの他方の面側)に案内し、その下方に配置の小径横ローラ36(第二搬送手段3)でもって靭皮植物10を挟みつけて下側に搬送する(図7を参照)。一方、上流側のコア部10aは、切断刃上側面42c(コア案内部)でもって、下側に撓らないように切断刃46の一方の面側に案内され、更に上述の無端ベルト78にてコア用出口へと案内される。
【0025】
また分離手段4は、図9のように、その案内横ローラ44d(靭皮案内部)と一体の平板状の切断刃46dが上下にスライド移動する構成でもよく、このような構成では、切断刃上側面42d(コア案内部)が下方にスライドすることで第一案内板74と水平に面一となり、無理なく上流側のコア部10aを搬送方向Aに沿って切断刃46の一方の面側に案内することができる。なおこの場合、コア部10aを搬送する無端ベルト78上面も、第一案内板74上側面及び切断刃上側面42dを面一とすることが好ましい。
【0026】
本実施例に係る皮剥き装置8,80は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他各種の実施の形態を取り得る。
すなわち、本実施例においては靭皮植物10aを下側に撓らせることでコア部10aから靭皮部10bを分離する例を説明した。これとは異なり、コア部10aを(折損しない程度に)撓らせる一方、靭皮部10bは撓らせることなく搬送方向Aに搬送することで両者を分離することも可能である。
【0027】
また本実施例においては露出手段6を一体に備える皮剥き装置8の例を説明したが、露出手段6は、皮剥き装置8に必ずしも一体で設ける必要はなく、図10及び図11のように、皮剥き装置8とは別体として構成してもよい。
例えば図10の露出手段6は、上述の露出手段6と第一搬送手段71とを有する。ここで第一搬送手段71は、搬送方向Aに垂直に直交配置した軸心回りにモータ73にて回転する一対の縦ローラ71a,71bを有しておればよく、好ましくは、後述する弾性バネ付勢の一対の縦ローラ71c,71dを備える。そして一対の縦ローラ71a,71bは、その間に靭皮植物が通過可能なクリアランスを設けて配置しており、一対の縦ローラ71c,71dは、弾性バネ(図示しない)で互いに接する方向へ付勢の構成である。弾性バネにて付勢の縦ローラ71c,71dは、その間を通過の靭皮植物を破砕しない程度に挟持するので、靭皮植物10が搬送方向Aに対してブレなく搬送可能である。そして露出手段6の拡開部60は、四方に配置の調整ネジ63にて高さ調節が可能である。
【0028】
そして、露出手段6を別装置として構成した場合には、図10のように固定した露出手段6に靭皮植物10を挿入して搬送方向Aに搬送する構成であってもよく、図11のように固定した靭皮植物10に対して露出手段6が方向Aに移動する構成であってもよい。
図11の露出手段6aは、一対の縦ローラ71a,71bと、刃部65及び拡開部60を備えるとともに、内蔵のモータにて自走可能とした(モジュール化した)構成である。この露出手段6aが固定した靭皮植物10上を図示しないレールに沿って自走しつつ靭皮植物10を半割状態とする。
【0029】
また本実施例においては、靭皮案内部44としての回転体40に切断刃(切断手段)46を設けた例を説明したが、これとは異なり、靭皮案内部44のみを回転体に設けて、切断刃46を回転体40とは異なる部材(別体)として構成してもよい。例えば、回転体40の回転とは無関係に油圧等の他の動力でもって駆動する平板状切断刃を、回転体40よりも搬送方向A上流側に設けてもよい。
また本実施例においては、切断手段が切断刃46である例を説明した。これとは異なり、例えば、第一案内板74に設けた切刃状ではない切断刃と、回転体40に設けた切断刃とは異なる凸部(切刃状ではない)とで切断手段を構成してもよく、この場合は、凸部と切断刃とで靭皮植物10を挟み付けてコア部10aを切断することとなる。
なお本実施例においては、露出のコア部を切断する例を説明したが、この切断という概念には、靭皮植物を過度に曲げてコア部を折損することも含まれる。
【0030】
また本実施例においては、専ら横ローラによって構成の皮剥き装置を説明したが、これとは異なり縦ローラによって皮剥き装置を構成してもよく、縦ローラと横ローラを適宜組み合わせて皮剥き装置を構成してもよい。この場合、図5及び図6に示した回転体を、搬送方向Aに垂直に直交配置した軸心回りに回転可能な構成としてもよく、図9に示した分離手段の切断手段を、左右(水平方向)にスライド移動する構成としてもよい。
【0031】
また本実施例においては、一本の靭皮植物を処理(露出及び分離)する例を説明したが、分離手段4及び露出手段6は、複数本並列して並べた靭皮植物を同時に処理可能なように複数の構成要素を並列して備える構成であってもよい。
【0032】
また本実施例においては、靭皮植物10を半割した例を説明したが、少なくとも靭皮植物10の一方側からコア部10aが露出しておればよい。例えば、半割状態の靭皮植物10が2つに分かれることなく切目箇所でつながっていてもよく、靭皮植物10の一方側及び他方側の双方からコア部10aが露出していてもよい。
また本実施例においては、専ら分離した靭皮部の利用方法について説明したが、分離したコア部(木質)はリグニンを多く含むので、炭化することにより活性炭としての使用用途がある。すなわち、本実施例の皮剥き装置によれば、長尺な状態のコア部を得ることができるので、活性炭の原材料として好適なコア部をも得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】皮剥き装置の側面図である。
【図2】部材の一部を取り外した皮剥き装置の斜視図である。
【図3】拡開部(露出手段の構成部材)の斜視図である。
【図4】外枠を取り外して舟型部を露出した露出手段の斜視図であって、靭皮植物のコア部を露出する様子を示す図である。
【図5】回転体の側面図であって、(A)〜(D)の順に靭皮部を分離する手順を示す図である。
【図6】別の例の回転体の側面図であって、(A)〜(D)の順に靭皮部を分離する手順を示す図である。
【図7】第二搬送手段及び表皮除去手段の側面図である。
【図8】実施例2の回転体の側面図であって、(A)〜(C)の順に靭皮部を分離する手順を図示する。
【図9】実施例2の別の回転体の側面図であって、(A)〜(C)の順に靭皮部を分離する手順を図示する。
【図10】(A)は、別の露出手段の正面図であり、(B)は、当該露出手段の側面図である。
【図11】(A)は、さらに別の露出手段の正面図であり、(B)は、当該露出手段の側面図である。
【符号の説明】
【0034】
2 表皮除去手段
3 第二搬送手段
4 分離手段
6 露出手段
8 実施例1の皮剥き装置
10 靭皮植物
10a 靭皮植物のコア部
10b 靭皮植物の靭皮部
10c コア部の切断箇所
40 回転体
42 コア案内部
44 靭皮案内部
46 切断刃(切断手段)
70 第一搬送手段
73 モータ
80 実施例2の皮剥き装置

【出願人】 【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
【出願日】 平成19年3月23日(2007.3.23)
【代理人】 【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−230173(P2008−230173A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−76358(P2007−76358)