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原木の処理方法 - 特開2008−142978 | j-tokkyo
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【発明の名称】 原木の処理方法
【発明者】 【氏名】緒方 清貴

【氏名】小池 優

【要約】 【課題】原木を旋削処理する際に、原木の硬さの差異に起因する諸問題(例えば単板の剥き肌の悪化、旋削用刃物の損傷など)の解消を図る。

【解決手段】本剥き用ベニヤレース(2a、2b)の前位(工程的な前位であって、位置的な前位とは限らない)に備えた荒剥き用ベニヤレース1を用いて、順次供給される原木Aの不定形な外形が略円柱状となるまで荒剥き処理すると共に、適宜の硬さ判別手段(例えば荒剥き原木A1の最終期の旋回に要する電力量の多寡に基づいて、各荒剥き原木A1の硬さを判別する硬さ判別手段)を用いて、各荒剥き原木A1の硬さを順次判別して、荒剥き原木A1を、二種類以上の硬さに区分し、該区分した各硬さに適応する切削条件を具備する本剥き用ベニヤレース2a、2bに供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本剥き用ベニヤレースの前位に備えた荒剥き用ベニヤレースを用いて、順次供給される原木の不定形な外形が略円柱状となるまで荒剥き処理すると共に、適宜の硬さ判別手段を用いて、各原木又は各荒剥き原木の硬さを順次判別して、荒剥き原木を、二種類以上の硬さに区分し、該区分した各硬さに適応する切削条件を具備する本剥き用ベニヤレースに供給することを特徴とする原木の処理方法。
【請求項2】
荒剥き用ベニヤレースに於て、荒剥き原木の最終期の旋回に要する電力量の多寡に基づいて、各荒剥き原木の硬さを判別する硬さ判別手段を用いて成る請求項1記載の原木の処理方法。
【請求項3】
本剥き用ベニヤレースの前位に於て、適宜形状の突刺体を、各原木又は各荒剥き原木に突刺し、該突刺体の突刺量の多寡に基づいて、各原木又は各荒剥き原木の硬さを判別する硬さ判別手段を用いて成る請求項1記載の原木の処理方法。
【請求項4】
本剥き用ベニヤレースの前位に於て、各原木又は各荒剥き原木の容積と重量とを計測して、各原木又は各荒剥き原木の比重を概算し、概算した比重に基づいて、各原木又は各荒剥き原木の硬さを判別する硬さ判別手段を用いて成る請求項1記載の原木の処理方法。
【請求項5】
区分した荒剥き原木の各硬さに適応する個別の切削条件を、夫々が単一的に具備する複数基の本剥き用ベニヤレースを配置し、荒剥き原木を、区分した硬さに適応する切削条件を具備する本剥き用ベニヤレース毎に弁別して、各本剥き用ベニヤレースに供給して成る請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の原木の処理方法。
【請求項6】
区分した荒剥き原木の各硬さに適応する個々の切削条件を、所望の時期に選択的に設定することが可能な一基の本剥き用ベニヤレースを配置し、荒剥き原木を、区分した硬さ毎に分けて暫定的に貯蔵すると共に、本剥き用ベニヤレースの切削条件を、所望の時期に、所望の種類の硬さに適応する切削条件に設定し、荒剥き原木を、区分した硬さ毎に纏めて、本剥き用ベニヤレースに供給して成る請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の原木の処理方法。
【請求項7】
本剥き用ベニヤレースに於て現に使用している旋削用刃物の切削性が劣化し、別の旋削用刃物と交換する時期に、本剥き用ベニヤレースの切削条件を、所望の種類の硬さに適応する切削条件に設定し、荒剥き原木を、区分した硬さ毎に纏めて、本剥き用ベニヤレースに供給して成る請求項6に記載の原木の処理方法。
【請求項8】
任意の種類の硬さを有する荒剥き原木の貯蔵量が所定限度に至った時期に、本剥き用ベニヤレースの切削条件を、所望の種類の硬さに適応する切削条件に設定し、荒剥き原木を、区分した硬さ毎に纏めて、本剥き用ベニヤレースに供給して成る請求項6に記載の原木の処理方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、原木の処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、合板・単板積層材等の主資材となるベニヤ単板(以下、単に単板と称す)の削成に供する原木を、ベニヤレースによって旋削する場合の、原木の処理形態としては、本剥き用ベニヤレースに原木を直に供給する処理形態が一般的であるが、斯様な処理形態によると、例えば原木の外周部に石・金属片等の異物が混在していた場合に、本剥き用ベニヤレースの旋削用刃物が損壊するので、該旋削用刃物を都度交換する必要が生じ、生産性・収益性等を低下させる不具合があった。
【0003】
そこで、例えば特許文献1に開示される如く、本剥き用ベニヤレースの前位(工程的な前位であって、位置的な前位とは限らない)に荒剥き用ベニヤレースを備え、該荒剥き用ベニヤレースによって、原木の不定形な外形が略円柱状(真円柱状を含む)となるまで荒剥き処理して、本剥き用ベニヤレースには、常に荒剥き原木を供給する改良式の処理形態が提案され、現に少なからず実用化されている。
【0004】
前記改良式の処理形態によれば、原木の不定形な外形から削成されるのは、所要の広さに満たずに捨てられる屑単板であったり、専ら合板・単板積層材等の内層に入れられる低級単板であったりするので、たとえ異物の混在に起因して、荒剥き用ベニヤレースの旋削用刃物が少々損壊したとしても、必ずしも都度旋削用刃物を交換する必要はなく、当然ながら、荒剥き処理の実施に伴って、本剥き用ベニヤレースの旋削用刃物の損壊が回避されるので、総じて生産性・収益性等を向上させる効果が得られた。
【特許文献1】実公昭51−15197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、従前に於て使用されていた原木は、選ばれた少数種の優良材(合板適用材と称される)であって、仮に種類が異なっても、被削性のばらつきが比較的少ないことから、本剥き用ベニヤレースの切削条件を一様に設定しておいても、格別問題が発生する虞はなかったが、近時、この種の優良材が枯渇化するのに伴って、次第に多くの樹種が混在するように原木事情が変化したことによって、それら原木の被削性のばらつきが比較的多くなっており、本剥き用ベニヤレースの切削条件を一様に設定しておいて、それら多くの樹種が混在する原木を区別せずに旋削すると、少なくとも一部の原木については、必ずしも良好な旋削が成し得なくなる問題が発生することとなった。
【0006】
因に、原木の被削性について言及すると、例えば湿潤状態の原木に比べて、乾燥状態の原木の被削性が劣る(単板の剥き肌が悪くなる)など、原木の乾湿に係わる被削性の良否や、或は例えば常温の原木に比べて、加熱処理した高温の原木の被削性は著しく良好である(単板の裏割れ・肌荒れ等が減少する)など、原木の材温に係わる被削性の良否なども別途に実在はするが、本発明が採り上げるのは、専ら硬さに拘わる被削性であって、後述する如き諸問題と密接に関連する被削性である。
【0007】
即ち、例えば原木が軟らかければ、旋削用刃物の刃先を鋭利に形成しても、旋削には格別支障なく、剥き肌の良い単板を削成することができる反面、同じ旋削用刃物で硬い原木を旋削すると、鋭利な刃先が撓み易いので、例えば単板の厚さが不揃いとなったり、或は刃先が折損したりするなどの不都合が発生し、逆に、旋削用刃物の刃先を鋭利に形成しなければ、硬い原木を旋削しても、刃先が撓み難く、前記不都合の発生が抑制される反面、同じ旋削用刃物で軟らかい原木を旋削すると、単板の剥き肌が良くならない不具合が発生するなど、原木の硬さは、単板の品質に大きな影響を及ぼすのは勿論のこと、それ以外にも、例えば軟らかい原木の把持に支障のない細いスピンドルで、硬い原木を把持すると、旋削時にスピンドルが撓んだり把持がズレたりして、適切な旋回が成し得なくなる、或は例えば硬い原木の把持に適した高圧力を以って、軟らかい原木にスピンドルを圧入すると、原木の芯部が損傷して、適切な把持が成し得なくなる、或は例えば外周駆動式のベニヤレースに於て、外周駆動部材と原木との係止度合いを、軟らかい原木の駆動に支障のない軽微な係止度合いに設定すると、硬い原木の駆動時に外周駆動部材が上滑りして空回りする、更には例えば外周駆動併用式のベニヤレースに於て、外周駆動とスピンドル駆動との併用割合を、軟らかい原木の駆動に支障のない併用割合(外周駆動を零割、スピンドル駆動を十割とする場合を含む)に設定すると、硬い原木の駆動が不能化する等々、原木の硬さの差異が大きくなると様々な問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、斯様な原木の硬さの差異に起因する諸問題の解消を図るべく開発したものであって、具体的には、基本技術として、本剥き用ベニヤレースの前位に備えた荒剥き用ベニヤレースを用いて、順次供給される原木の不定形な外形が略円柱状となるまで荒剥き処理すると共に、適宜の硬さ判別手段を用いて、各原木又は各荒剥き原木の硬さを順次判別して、荒剥き原木を、二種類以上の硬さに区分し、該区分した各硬さに適応する切削条件を具備する本剥き用ベニヤレースに供給することを特徴とする原木の処理方法(請求項1)を提案する。
【0009】
また、前記硬さ判別手段の具体的な態様につては、種々の態様が採用し得るが、代表的な態様として、荒剥き用ベニヤレースに於て、荒剥き原木の最終期の旋回に要する電力量の多寡に基づいて、各荒剥き原木の硬さを判別する硬さ判別手段を用いて成る請求項1記載の原木の処理方法(請求項2)と、本剥き用ベニヤレースの前位に於て、適宜形状の突刺体を、各原木又は各荒剥き原木に突刺し、該突刺体の突刺量の多寡に基づいて、各原木又は各荒剥き原木の硬さを判別する硬さ判別手段を用いて成る請求項1記載の原木の処理方法(請求項3)と、本剥き用ベニヤレースの前位に於て、各原木又は各荒剥き原木の容積と重量とを計測して、各原木又は各荒剥き原木の比重を概算し、概算した比重に基づいて、各原木又は各荒剥き原木の硬さを判別する硬さ判別手段を用いて成る請求項1記載の原木の処理方法(請求項4)とを提案する。
【0010】
また、荒剥き原木を受給する側の具体的な態様については、区分した荒剥き原木の各硬さに適応する個別の切削条件を、夫々が単一的に具備する複数基の本剥き用ベニヤレースを配置し、荒剥き原木を、区分した硬さに適応する切削条件を具備する本剥き用ベニヤレース毎に弁別して、各本剥き用ベニヤレースに供給して成る請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の原木の処理方法(請求項5)と、区分した荒剥き原木の各硬さに適応する個々の切削条件を、所望の時期に選択的に設定することが可能な一基の本剥き用ベニヤレースを配置し、荒剥き原木を、区分した硬さ毎に分けて暫定的に貯蔵すると共に、本剥き用ベニヤレースの切削条件を、所望の時期に、所望の種類の硬さに適応する切削条件に設定し、荒剥き原木を、区分した硬さ毎に纏めて、本剥き用ベニヤレースに供給して成る請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の原木の処理方法(請求項6)とを提案する。
【0011】
更に、請求項6に係る発明に於ける本剥き用ベニヤレースの切削条件を設定する時期の具体的な態様については、本剥き用ベニヤレースに於て現に使用している旋削用刃物の切削性が劣化し、別の旋削用刃物と交換する時期に、本剥き用ベニヤレースの切削条件を、所望の種類の硬さに適応する切削条件に設定し、荒剥き原木を、区分した硬さ毎に纏めて、本剥き用ベニヤレースに供給して成る請求項6に記載の原木の処理方法(請求項7)と、任意の種類の硬さを有する荒剥き原木の貯蔵量が所定限度に至った時期に、本剥き用ベニヤレースの切削条件を、所望の種類の硬さに適応する切削条件に設定し、荒剥き原木を、区分した硬さ毎に纏めて、本剥き用ベニヤレースに供給して成る請求項6に記載の原木の処理方法(請求項6)とを提案する。
【発明の効果】
【0012】
前記請求項1に係る発明によれば、荒剥き原木を、二種類以上の硬さに区分し、該区分した各硬さに適応する切削条件を具備する本剥き用ベニヤレースに供給するものであるから、原木の硬さの差異に起因する諸問題の発生が解消乃至は大幅に軽減されることになる。因に、区分する硬さの種類としては、例えば硬いと軟らかいとの二種類でも有用であるが、必要に応じて、硬いと普通(中間)と軟らかいとの三種類にするのも相応に有用である。勿論、四種類以上に区分しても差支えなく、被削性と切削条件との適応度は一層良化するが、反面、多様化した切削条件毎の稼動効率が不揃いとなって、一部の切削条件下の稼動効率が低くなる虞があり、更に旋削用刃物の交換用予備品の所要在庫量が増加する難点もあるなど、全原木の被削性の差異が然程大きくない場合には不向きである。
【0013】
また、原木の硬さと原木の旋削し難さとは略比例的な関係(硬いほど旋削し難い)にあるから、前記請求項2に係る発明の如く、荒剥き原木の最終期の旋回に要する電力量の多寡に基づいて、各荒剥き原木の硬さを判別する硬さ判別手段を用いる構成によれば、各荒剥き原木の硬さを実体に即して判別することができ、甚だ適切であるが、請求項3に係る発明の如く、各原木又は各荒剥き原木に突刺する突刺体の突刺量の多寡に基づいて、各原木又は各荒剥き原木の硬さを判別する硬さ判別手段を用いる構成によっても、概ね実体に即した硬さの判別が可能であり、更に原木の比重と原木の硬さも概ね比例的な関係(比重が大きいほど硬い)にあるから、前記請求項4に係る発明の如く、各原木又は各荒剥き原木の比重を概算し、概算した比重に基づいて、各原木又は各荒剥き原木の硬さを判別する硬さ判別手段を用いる構成によっても、実体と然程相違しない硬さの判別が可能である。
【0014】
また、空間的に支障がなければ、前記請求項5に係る発明の如く、区分した荒剥き原木の各硬さに適応する個別の切削条件を、夫々が単一的に具備する複数基の本剥き用ベニヤレースを配置し、荒剥き原木を、区分した硬さに適応する切削条件を具備する本剥き用ベニヤレース毎に弁別して、各本剥き用ベニヤレースに供給する構成を採るのが好ましく、荒剥き原木の流通経路が比較的短く明確に分離されるので、切削条件の設定ミスや荒剥き原木の供給ミス、荒剥き原木の不良在庫や変質等が生じ難く有効であり、必要に応じては、複数基の荒剥き用ベニヤレースを配置することにより、本剥き用ベニヤレースへの原木供給の充実化を図ることも可能であるが、いずれにしても、既述した如く、区分する種類が多くなると、区分される原木の絶対量が少ない本剥き用ベニヤレースの稼動効率が低くなる虞があるので、過度の多数種に区分するのは不適切である。
【0015】
また、空間的に制約がある場合には、前記請求項6に係る発明の如く、区分した荒剥き原木の各硬さに適応する個々の切削条件を、所望の時期に選択的に設定することが可能な一基の本剥き用ベニヤレースを配置し、荒剥き原木を、区分した硬さ毎に分けて暫定的に貯蔵すると共に、本剥き用ベニヤレースの切削条件を、所望の時期に、所望の種類の硬さに適応する切削条件に設定し、荒剥き原木を、区分した硬さ毎に纏めて、本剥き用ベニヤレースに供給する構成を採るのが好ましく、この場合も、配送設備の簡易性や貯蔵場所の狭小性からして、区分の種類を可及的に少なくするのが好ましい。また、該請求項6に係る発明に於て、切削条件の設定の切り替えを行う具体的な時期としては、例えば前記請求項7に係る発明の如く、本剥き用ベニヤレースに於て現に使用している旋削用刃物の切削性が劣化し、別の旋削用刃物と交換する時期、或は例えば前記請求項8に係る発明の如く、任意の種類の硬さを有する荒剥き原木の貯蔵量が所定限度に至った時期などが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を図面に例示した実施の一例と共に更に詳述するが、本発明の実施に用いる複数基のベニヤレース、原木の芯出し供給機構、各種コンベヤ類等の装置・機器類については、その形態について特段の制約はなく、図示した形態の装置・機器類の外に、従来公知の異なる形態の装置・機器類も用いることが可能であり、要は所要の機能を奏し得る装置・機器類であれば足りる。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の実施に用いる一連の処理ラインの概略平面説明図であり、図2は、図1に例示した処理ラインの概略正面説明図であり、図3は、図1に例示した処理ラインの概略側面説明図である。図中、1は、荒剥き用ベニヤレースであって、後述する原木の芯出し供給機構3・無端状のチェーンを備えた供給コンベヤ4等を介して供給される不定形な外形の原木Aの荒剥き処理を行って、略円柱状の荒剥き原木A1(B1・B2)を形成する。
【0018】
2a、2bは、本剥き用ベニヤレースであって、各々が異なる硬さの原木の旋削に適した切削条件を各別に具備するように、例えば一方の本剥き用ベニヤレース2aは、後述する芯出し供給機構3a、無端状のチェーンを備えた供給コンベヤ4a等を介して供給される所定限度以下の軟らかい原木B1を旋削するのに適した切削条件を具備し、他方の本剥き用ベニヤレース2bは、後述する芯出し供給機構3b、無端状のチェーンを備えた供給コンベヤ4b等を介して供給される所定限度を超える硬い原木B2を旋削するのに適した切削条件を具備するように、異なる切削条件の設定を以って並設されており、略円柱状の荒剥き原木B1、B2の本剥き処理を行って、所望厚さの単板を削成する。
【0019】
3、3a、3bは、原木の芯出し供給機構であって、不定形な外形の原木Aや略円柱状の荒剥き原木B1、B2の芯出し処理を行って、荒剥き用ベニヤレース1と本剥き用ベニヤレース2a、2bとに供給する。
【0020】
5、10は、鼓型ロールを備えた搬送コンベヤであって、不定形な外形の原木Aや略円柱状の荒剥き原木B1、B2を、供給コンベヤ4、4a、4bの前方位置まで搬送する。
【0021】
6、6a、6bは、流体シリンダ、押し板等を備えた押出し機構であって、前記搬送コンベヤ5、10を介して、供給コンベヤ4、4a、4b(後述する図4に例示した実施例に於ては、水槽14a、14b)の前方位置に、不定形な外形の原木Aや略円柱状の荒剥き原木B1、B2が搬送される都度、搬送コンベヤ5、10から供給コンベヤ4、4a、4bに向けて、前記各原木A、B1、B2を押出して移乗させる。
【0022】
7は、無端状のチェーンを備えた移送コンベヤであって、無端状のチェーン、支持爪等を備えた回収コンベヤ12を介して、荒剥き用ベニヤレース1から回収される略円柱状の荒剥き原木A1(B1・B2)を、後述する転送コンベヤ8の位置まで移送する。
【0023】
8は、鼓型ロールを備えた転送コンベヤであって、前記移送コンベヤ7から移送される略円柱状の荒剥き原木A1(B1・B2)を、鼓型ロールを備えた傾斜コンベヤ9を介して、搬送コンベヤ10に向けて転送する。
【0024】
11は、ストッパであって、前記移送コンベヤ7から転送コンベヤ8へ移乗される略円柱状の荒剥き原木A1(B1・B2)が、転送コンベヤ8の外側へ落下するのを防止する。
【0025】
本発明は、例えば述上の如き構成で成る一連の処理ラインを用いて実施することが可能である。即ち、本発明は、先ず、搬送コンベヤ5、押出し機構6、供給コンベヤ4等を介して、芯出し供給機構3に不定形な外形の原木Aが搬入され、該芯出し供給機構3によって芯出し処理された原木Aが荒剥き用ベニヤレース1に供給される都度、該原木Aの不定形な外形を荒剥き処理して、外形が略円柱状の荒剥き原木A1を形成すると共に、適宜の硬さ判別手段を用いて、各原木A又は各荒剥き原木A1の硬さを順次判別するものであり、前記硬さ判別手段の実例としては、例えば荒剥き用ベニヤレース1に於て、荒剥き原木A1の最終期の旋回に要する電力量の多寡に基づいて、各荒剥き原木A1の硬さを判別する手段が挙げられ、実体に即した硬さが判別できるので、甚だ適切であり、より具体的には、原木Aを回転させるのに用いる電動機の消費電流を計測して自動的に測定するか、或は計測値を目測することによって、硬いと軟らかいの二種類に区分することができる。
【0026】
そして、例えば各荒剥き原木A1を、所定限度以下の軟らかい原木B1と所定限度を超える硬い原木B2との二種類に区分したら、次は、回収コンベヤ12、移送コンベヤ7、転送コンベヤ8、及び傾斜コンベヤ9を介して、搬送コンベヤ10に各原木B1、B2を順次転送すると共に、所定限度以下の軟らかい原木B1は、都度、押出し機構6aを介して供給コンベヤ4a側に押出し、芯出し供給機構3aを介して、所定限度以下の軟らかい原木に適応する切削条件を具備した本剥き用ベニヤレース2aに供給し、また所定限度を超える硬い原木B2は、都度、押出し機構6bを介して供給コンベヤ4b側に押出し、芯出し供給機構3bを介して、所定限度を超える硬い原木に適応する切削条件を具備した本剥き用ベニヤレース2bに供給するものである。
【0027】
斯様な処理方法によれば、原木の硬さの差異に起因する諸問題の発生が解消乃至は大幅に軽減されることになるので有益であり、また、前記実施例の如く、荒剥き原木を、区分した硬さに適応する切削条件を具備する本剥き用ベニヤレース毎に弁別して、各本剥き用ベニヤレースに供給する構成によれば、荒剥き原木の流通経路が比較的短く明確に分離されるので、切削条件の設定ミスや荒剥き原木の供給ミス、荒剥き原木の不良在庫や変質等が生じ難く有効である。
【0028】
尚、先記荒剥き原木の最終期の旋回とは、原則的には、原木が全長に亘って略円柱状に旋削成形された時期の旋回を指し、斯様な時期には、旋回に要する電力量が概ね一定化して、正に原木の実体に即した硬さが判別できるので、最も適切であるが、例外的に、本剥き用ベニヤレースに於て、長尺原木の中央部にセンターケビキを入れ、全長の半分の短尺単板を収得する処理を行う場合については、原木の何れか片側の木口面からセンターケビキの位置までが略円柱状に旋削成形され、而も原木の一部が全長に亘って旋削されるようになった時期の旋回を、最終期の旋回と看做し、原木の一部が全長に亘って旋削される際(旋回途上に於て消費電力量が最大となる時)の電力量の多寡に基づいて、各荒剥き原木の硬さを判別するようにしても、実用的には格別支障なく、斯かる例外的な時期の旋回も、本発明に於ける最終期の旋回に包含される。
【0029】
また、前記最終期の旋回に要する電力量の多寡は、原木の硬さの差異による主要因の外に、旋削用刃物の刃先の形状、該刃先の切れ味、プレッシャーバー(ノーズバー)による原木外周部の圧縮率(所謂絞り量)、単板の旋削速度等々の副次的な要因によっても増減するので、実際の原木の硬さと電力量の多寡との相関関係については、それら副次的な要因を含めた累積的な実験結果に基づいて定めるのが望ましい。
【0030】
次に、図4は、本発明の実施に用いる別異な一連の処理ラインの概略平面説明図であって、図中、13は、区分した荒剥き原木B1、B2の各硬さに適応する個々の切削条件を、所望の時期に選択的に設定することが可能な本剥き用ベニヤレースであって、略円柱状の荒剥き原木B1、B2の本剥き処理を行って、所望厚さの単板を削成する。
【0031】
14a、14bは、搬送コンベヤ10の側方に並設された水槽であって、14aは所定限度以下の軟らかい原木B1を、14bは所定限度を超える硬い原木B2を夫々貯留する。
【0032】
本発明は、例えば述上の如き構成で成る別異な一連の処理ラインを用いても実施することが可能であり、搬送コンベヤ5、押出し機構6、供給コンベヤ4等を介して、芯出し供給機構3に不定形な外形の原木Aが搬入され、該芯出し供給機構3によって芯出し処理された原木Aが荒剥き用ベニヤレース1に供給される都度、該原木Aの不定形な外形を荒剥き処理して、外形が略円柱状の荒剥き原木A1を形成すると共に、適宜の硬さ判別手段を用いて、各原木A又は各荒剥き原木A1の硬さを順次判別し、更に、各荒剥き原木A1を、所定限度以下の軟らかい原木B1と所定限度を超える硬い原木B2との二種類に区分したら、次は、回収コンベヤ12、移送コンベヤ7、転送コンベヤ8、及び傾斜コンベヤ9を介して、搬送コンベヤ10に各原木B1、B2を順次転送すると共に、所定限度以下の軟らかい原木B1は、都度、押出し機構6aを介して水槽14a側に押出して、該水槽14aに貯留し、また所定限度を超える硬い原木B2は、都度、押出し機構6bを介して水槽14b側に押出して、該水槽14bに夫々貯留する。
【0033】
次いで、所望の時期、例えば本剥き用ベニヤレース13に於て現に使用している旋削用刃物の切削性が劣化し、別の旋削用刃物と交換する時期、或は例えば任意の種類の硬さを有する荒剥き原木(B1又はB2)の貯蔵量が所定限度に至った時期等に、本剥き用ベニヤレース13の切削条件を、所望の種類の硬さに適応する切削条件に設定すると共に、ログローダ等を用いて、荒剥き原木B1又は荒剥き原木B2を、区分した硬さ毎に纏めて、水槽14a又は水槽14bから取出し、供給コンベヤ4a、芯出し供給機構3a等を介して、本剥き用ベニヤレース13に供給するものである。
【0034】
斯様な処理方法によっても、原木の硬さの差異に起因する諸問題の発生が解消乃至は大幅に軽減されることになるので有益であり、必要に応じては、本剥き用ベニヤレースに於て現に使用している旋削用刃物の切削性が劣化し、別の旋削用刃物と交換する際に、前と同じ切削条件の設定のままとして、同じ種類の原木を繰返し旋削するようにしても差支えなく、区分した硬さ毎の原木の分量に偏りが有る場合(何れかの種類の分量と、他の種類の分量とが著しく相違する場合)であっても、本剥き用ベニヤレースの稼働率を低下させる虞がなく有益である。
【0035】
尚、区分した荒剥き原木の貯蔵形態としては、前記実施例の如き水槽を用いた貯留に限るものではなく、図示は省略したが、入口側と両側方の三方を壁に、残りの出口側を開放状と成した貯蔵箱に集積貯蔵してから、ログフォークローダ・ヒンジドフォークリフト等を用いて各別に取出す形態であっても、或は例えば前記供給コンベヤと同様の構成で成る複数条の貯蔵コンベヤに集約貯蔵してから、ログフォークローダ・ヒンジドフォークリフト等を用いて各別に取出す形態であっても差支えなく、必要に応じては、前記複数条の貯蔵コンベヤと供給コンベヤとを、適数条の連結コンベヤ、切替コンベヤ等を介して交互に連結可能に接続して、所望の時期に、切替コンベヤの連結先を切替えることにより、各コンベヤのみで各別に搬送する形態を採ることも可能である。
【0036】
次に、硬さ判別手段について言及すると、先述の如く、荒剥き用ベニヤレースに於て、荒剥き原木の最終期の旋回に要する電力量の多寡に基づいて、各荒剥き原木の硬さを判別する手段は、実体に即した被削性が判別できるので、甚だ適切であるが、硬さ判別手段としては、斯様な手段に限定するものではなく、以下に述べるような手段によっても、荒剥き原木或は原木の硬さを判別することが可能である。
【0037】
即ち、例えば図5(イ)に例示する如く、先端がL字状を成す可動部材18の先端部に、先端を些か鈍角にした高さHの円錐状の突刺体15を突設すると共に、光電式の距離計測器16の光線16aが、前記突刺体15と略平行状に照射されるように、距離計測器16と透過孔17とを、可動部材18のL字状を成す先端部に併設し、而も該可動部材18を図示矢印の如く荒剥き原木A1の求芯方向及び遠芯方向へ移動自在に備えるか、或は例えば図6(イ)に例示する如く、先端が棒状を成す可動部材19の先端部に、前記同様の突刺体15を交差状に付設すると共に、光電式の距離計測器16の光線16aが、突刺体15と略平行状に照射されるように、距離計測器16と透過孔17とを、可動部材19の先端部に併設し、而も該可動部材19を図示矢印の如く荒剥き原木A1の木口面と垂直方向へ移動自在に備え、常に一定の力を以って、前記可動部材18又は可動部材19を、荒剥き原木A1に押圧することによって、図5(ロ)又は図6(ロ)に例示する如く、突刺体15を荒剥き原木A1に突刺し、突刺体15の高さHと、距離計測器16によって計測した可動部材18又は可動部材19の最先端部と荒剥き原木A1との間隔hとの差異から、突刺体15の突刺量の多寡を算定して、荒剥き原木A1の硬さを判別する手段によっても、概ね実体に即した硬さの判別が可能である。
【0038】
勿論、荒剥き原木A1に代えて、不定形な外形の原木Aに、前記可動部材18又は可動部材19を押圧するようにしても差支えないが、前記間隔hを計測する精度からすると、図5(イ)、(ロ)に例示する如く、荒剥き原木A1の外周部に突刺体15を突刺する形態が好ましい。但し、この場合には、突刺体の突刺傷が単板の品質に悪影響を及ぼさないよう、ケビキ位置20の近辺を突刺するのが望ましい。尚、突刺体の形状としては、図示実施例の如き円錐状に限るものではなく、図示は省略したが、他にも例えば角錐状、楔状、丸杭状、角杭状等々、種々の形状が挙げられ、要は常に一定の力で原木に押圧した場合に、原木の硬さに応じて、突刺深さが変わり得る形状であれば足りる。
【0039】
また更に別の硬さ判別手段としては、図示は省略したが、例えば前記各実施例に用いた転送コンベヤを、台秤の上に設置するよう構成し、荒剥き用ベニヤレースの荒剥き処理の最終段階に於ける鉋台の位置に基づいて、各荒剥き原木の容積を算定する(長さは略一定であるから、荒剥き処理に伴って半径が定まれば、容積は簡単に算定できる)と共に、前記台秤によって、各荒剥き原木の重量を計測し、該重量と容積とから、各荒剥き原木の比重を概算し、概算した比重に基づいて、各荒剥き原木の硬さを判別する手段によっても、実体と然程相違しない硬さの判別が可能である。
【0040】
勿論、荒剥き原木に代えて、不定形な外形の原木の容積と重量とを計測し、該容積と重量とから概算した比重に基づいて、各原木の硬さを判別しても差支えないが、容積を計測する精度からすると、荒剥き原木を対象とする方が好ましい。但し、いずれにしても、比重の算定に用いる重量には、荒剥き原木(或は原木)の含水率が関係しており、含水率のムラが算定の誤差となる弱点はあるが、該弱点が実用的に格別障害となる虞はない。
【0041】
尚、本発明の実施に用いる複数基のベニヤレース、原木の芯出し供給機構、各種コンベヤ類等の装置・機器類の形態について、特段の制約はないことは既述した通りであって、例えば荒剥き用ベニヤレースを例に採ると、一般的なベニヤレースは、原木を把持するスピンドルが、所定の位置へ回転可能に定置されており、旋削用刃物を備えた鉋台が、前記スピンドルに対して接近・離隔するように往復移動する形態であるが、それとは逆に、旋削用刃物を備えた鉋台が所定の位置に定置されており、原木を把持するスピンドルが、前記鉋台に対して接近・離隔するように往復移動する形態であっても差支えなく、要は所要の機能を奏し得る装置・機器類であれば足りる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上明らかな如く、本発明によれば、原木の硬さの差異に起因する諸問題の発生が解消乃至は大幅に軽減されることになるので有益であり、原木の樹種が多様化する傾向がある実情に照らして、斯界に於ける本発明の利用可能性は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施に用いる一連の処理ラインの概略平面説明図である。
【図2】図1に例示した処理ラインの概略正面説明図である。
【図3】図1に例示した処理ラインの概略側面説明図である。
【図4】本発明の実施に用いる別異な一連の処理ラインの概略平面説明図である。
【図5】硬さ判別手段の異なる実例を説明する為の概略正面説明図である。
【図6】硬さ判別手段の更に別の実例を説明する為の概略正面説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 :荒剥き用ベニヤレース
2a、2b :本剥き用ベニヤレース
3、3a、3b :原木の芯出し供給機構
4、4a、4b :供給コンベヤ
5、10 :搬送コンベヤ
6、6a、6b :押出し機構
7 :移送コンベヤ
8 :転送コンベヤ
12 :回収コンベヤ
14a,14b :水槽
15 :円錐状の突刺体
16 :距離計測器
18、19 :可動部材
A :不定形な外形の原木
A1 :荒剥き原木
B1 :所定限度以下の軟らかい原木
B2 :所定限度を超える硬い原木
【出願人】 【識別番号】000155182
【氏名又は名称】株式会社名南製作所
【出願日】 平成18年12月8日(2006.12.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−142978(P2008−142978A)
【公開日】 平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願番号】 特願2006−331263(P2006−331263)