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硬化性および硬化した木材粒子複合体ならびにその製造法 - 特開2008−279760 | j-tokkyo
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【発明の名称】 硬化性および硬化した木材粒子複合体ならびにその製造法
【発明者】 【氏名】エリック・グスタフ・ランドキスト

【氏名】アレン・フィリップ・マークス

【要約】 【課題】硬化性および硬化した木材粒子複合体ならびにその製造法の提供。

【解決手段】弱塩基触媒の存在下でのマイケル付加反応により硬化可能な硬化性木材粒子複合体が、硬化性木材粒子複合体の製造法とともに開示されている。硬化した木材粒子複合体も、硬化した木材粒子複合体の製造法とともに開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)複数の未処理木材粒子の少なくとも1つの集団を提供する行程;
(b)少なくとも1つのマイケル官能成分を提供する行程;
(c)複数の未処理木材粒子の集団をマイケル官能成分と接触させて、複数のマイケル反応性木材粒子を形成する行程;
(d)任意の残りの複数の未処理木材粒子および任意の複数のマイケル反応性木材粒子をブレンドして、反応性木材粒子ブレンドを形成する行程;および、
(e)反応性木材粒子ブレンドを成形して、硬化性木材粒子複合体を形成する行程
を含む方法であって:
接触の行程が、ブレンドの行程の前;ブレンドの行程中;またはブレンド行程の前およびブレンド行程中の両方で行われ;
各マイケル官能成分が:
(i)多官能性マイケルドナー;
(ii)多官能性マイケルアクセプター;および
(iii)少なくとも3かつ12.5以下のpKaを有する共役酸を有する弱塩基触媒;
から選択される少なくとも1つのマイケル成分を含み;
マイケル官能成分は、一緒になると:
少なくとも1つの多官能性マイケルドナー;
少なくとも1つの多官能性マイケルアクセプター;および
少なくとも1つの弱塩基触媒を含む、方法。
【請求項2】
硬化性木材粒子複合体を硬化させて、硬化した木材粒子複合体を形成する行程をさらに含み、硬化が、多官能性マイケルドナーを多官能性マイケルアクセプターと反応させることを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
多官能性ドナーおよび多官能性アクセプターの少なくとも1つが、2000g/モル以下の重量平均分子量を有する請求項1記載の方法。
【請求項4】
多官能性ドナーが2000g/モル以下の重量平均分子量を有し;
多官能性アクセプターが2000g/モル以下の重量平均分子量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの多官能性マイケルドナーが、3以上のマイケルドナー官能性を有するか、または少なくとも1つの多官能性マイケルアクセプターが3以上のマイケルアクセプター官能性を有する請求項1記載の組成物。
【請求項6】
多官能性マイケルドナーが:
少なくとも1つのマイケルドナー官能基(マイケルドナー官能基は、少なくとも1つのマイケル活性水素原子であって、2つの電子求引基間に位置する炭素原子に結合した水素原子を含有する);および
少なくとも2のマイケルドナー官能性を有する化合物であり;並びに、
多官能性マイケルアクセプターが:
構造(I)RC=C−C(O)R
(式中:R、R、およびRは、独立して、水素および有機基から選択される;
有機基は:直鎖アルキル、分岐アルキル、環状アルキル、アリール、アルカリール、およびその誘導体および置換体から選択される;および、
、R、およびRは、独立して:エーテル結合、カルボキシル基、カルボニル基、およびそのチオ類似体;窒素含有基;またはその組み合わせを任意に含有する)
を有する2以上のマイケルアクセプター官能基を有する化合物である;
請求項1記載の方法。
【請求項7】
複数の未処理木材粒子の集団の1つの少なくとも60重量%が通過し、および複数の木材粒子の他の集団の少なくとも60重量%が通過しない篩い目の開きのサイズが存在するような、粒子サイズが異なる、複数の未処理木材粒子の少なくとも2つの集団が存在する請求項1記載の方法。
【請求項8】
(a)複数マイケル反応性木材粒子の少なくとも1つの集団;および
(b)少なくとも1つのマイケル官能成分
を含み:
各マイケル官能成分が:
(i)多官能性マイケルドナー;
(ii)多官能性マイケルアクセプター;および
(iii)少なくとも3、かつ12.5以下のpKaを有する共役酸を有する弱塩基触媒;
から選択される少なくとも1つのマイケル成分を含み;
マイケル官能成分は、一緒になると:
少なくとも1つの多官能性マイケルドナー;
少なくとも1つの多官能性マイケルアクセプター;および
少なくとも1つの弱塩基触媒を含む、硬化性木材粒子複合体。
【請求項9】
(a)複数の木材粒子の少なくとも1つの集団;および
(b)複数のマイケル結合を含むマイケルポリマーであって、マイケル結合は、多官能性マイケルドナーの多官能性マイケルアクセプターとの反応により形成される、ポリマー;
を含む硬化した木材粒子複合体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性木材粒子複合体を形成し、さらに前記硬化性木材粒子複合体を硬化させて、硬化した木材粒子複合体を形成するために官能成分を用いる方法、並びにこのようにして形成された硬化性木材粒子複合体および硬化した木材粒子複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
木材複合体を形成するために有用な多くの組成物は、木材複合体の形成の間に硬化行程を経る。すなわち、これらは分子量を増加させる有用な化学反応を受ける。硬化反応は、典型的には、次の役割の1以上を有する:重合、ポリマーの分岐;ポリマーの架橋、および架橋網目構造の形成。現在のところ商業用木材粒子複合体の形成において用いられる重合反応は、メラミン−ホルムアルデヒド重合が木材粒子複合体の形成中および形成後に環境上有害である可能性を示すこれらの方法のうちのひとつである状態ので、特に有害である傾向にある。硬化反応として潜在的に有用である1つの化学反応は、マイケル付加である。例えば、米国特許第5,084,536号は、コーティングの一種である硬化ラッカーの形成におけるマイケル付加の使用を開示している。しかしながら、その硬化反応がマイケル付加を含む木材粒子複合体を形成することが望ましい。米国特許出願公開第2005/0081994A1は、木材の層のコーティングにおいて、強塩基により触媒されるマイケル付加を使用して、これに別の木材の層を積層することができる硬化性接着剤表面を提供することを開示している。
【特許文献1】米国特許第5,084,536号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0081994号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
強塩基触媒マイケル反応は、典型的には、室温または室温付近で容易であり、このことにより、室温および圧力でのその隣接する木材層への施用、および接着についてのその使用は魅力的になる。熱および圧力を加えることによる反応の促進は必要ではない。このようなシステムは、周囲条件下での木材層の積層に有用であるが、木材粒子から木材粒子複合体を形成及び成形するために利用される比較的極端な条件は、一般に、強塩基触媒の使用を不可能にする。このような強塩基触媒システムにおいて、木材粒子の集団を圧縮し、物理的に絡ませ、あるいは他の方法で網目に絡ませて、所望の密度を有する所望の形状にするために熱および圧力の組み合わせを用いることは、所望の圧縮と同時に緻密化が行われる前にマイケル重合が起こるように、マイケル付加を促進する。また、マイケルポリマーの早熟形成を起こすこと以上に、高められた熱および圧力は、強塩基のマイケル反応物質以外のものとの副反応のために望ましくない副生成物の形成量増加を助長し得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、驚くべきことに、多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒を含む官能成分が、複数の木材粒子と組み合わされた場合に、室温で数日間安定であり、硬化性木材粒子複合体に成形することができ、実際の硬化温度および圧力で容易に反応して、有用な性能特性を有する硬化した木材粒子複合体を形成する、反応性木材粒子ブレンドを形成することを見出した。
【0005】
本発明の一つの態様は:
(a)複数の未処理木材粒子の少なくとも1つの集団を提供する行程;
(b)少なくとも1つのマイケル官能成分を提供する行程;
(c)複数の未処理木材粒子の集団をマイケル官能成分と接触させて、複数のマイケル反応性木材粒子を形成する行程;
(d)任意の残りの複数の未処理木材粒子および任意の複数のマイケル反応性木材粒子をブレンドして、反応性木材粒子ブレンドを形成する行程;および、
(e)反応性木材粒子ブレンドを成形して、硬化性木材粒子複合体を形成する行程;
を含む方法であって:
接触の行程が、ブレンドの行程の前;ブレンドの行程中;またはブレンド行程の前およびブレンドの行程中の両方で行われ;
各マイケル官能成分が:
(i)多官能性マイケルドナー;
(ii)多官能性マイケルアクセプター;および
(iii)少なくとも3かつ12.5以下のpKaを有する共役酸を有する弱塩基触媒;
から選択される少なくとも1つのマイケル成分を含み;
マイケル官能成分は、一緒になると:
少なくとも1つの多官能性マイケルドナー;
少なくとも1つの多官能性マイケルアクセプター;および
少なくとも1つの弱塩基触媒を含む、方法に関する。
【0006】
本発明の第二の態様は:
(a)複数マイケル反応性木材粒子の少なくとも1つの集団;および
(b)少なくともマイケル官能成分を含み:
各マイケル官能成分が:
(i)多官能性マイケルドナー;
(ii)多官能性マイケルアクセプター;および
(iii)少なくとも3、かつ12.5以下のpKaを有する共役酸を有する弱塩基触媒;
から選択される少なくとも1つのマイケル成分を含み;
マイケル官能成分が、一緒になると:
少なくとも1つの多官能性マイケルドナー;
少なくとも1つの多官能性マイケルアクセプター;および
少なくとも1つの弱塩基触媒を含む、硬化性木材粒子複合体に関する。
【0007】
本発明の第三の態様は:
(a)複数の木材粒子の少なくとも1つの集団;および
(b)複数のマイケル結合を含むマイケルポリマーであって、マイケル結合が、多官能性マイケルドナーの多官能性マイケルアクセプターとの反応により形成される、ポリマー;
を含む硬化した木材粒子複合体に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書において用いられる場合、次の用語はこれらの定義を有する:
【0009】
「範囲」。本明細書における範囲の開示は、下限と上限の形態をとる。1以上の下限と、独立して1以上の上限が存在し得る。所定の範囲は、1つの下限と1つの上限を選択することにより規定される。選択された下限および上限は次に特定の範囲の境界を規定する。このようにして定義できる全ての範囲は両端を含み、組み合わせ可能であり、このことは、任意の下限を任意の上限と組み合わせて、範囲を線引きできることを意味する。例えば、ある特定のパラメータについて、60〜120および80〜110の範囲が記載されている場合、60〜110および80〜120の範囲も意図されていると理解される。さらに、1および2の最小範囲値が記載され、かつ3、4、および5の最大範囲値が記載されているならば、次の範囲は全て意図されている:1〜3、1〜4、1〜5、2〜3、2〜4、および2〜5。
【0010】
広範囲の本発明の概念から逸脱することなく、本明細書において具体的に記載された好適な方法および組成物に対して変更をなし得ることは、当業者には理解される。従って、本発明は開示された特定の好適な方法および組成物に限定されず、かつその詳説は、添付の請求の範囲により定義されるような本発明の精神および範囲内の修正をさらに網羅することを意図すると理解される。
【0011】
本明細書において用いられる場合、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを意味する。
【0012】
本発明は、マイケル付加反応を受けることができる官能基を有する化合物の使用を含む。マイケル付加は、たとえば、R.T.MorrisonおよびR.N.BoydによるOrganic Chemistry、第三版、Allyn and Bacon、1973年において教示されている。反応は、塩基性触媒の存在下において、マイケルドナーとマイケルアクセプターとの間で起こるものと考えられる。
【0013】
本明細書で使用する場合、「マイケルドナー」は少なくとも1つの「マイケルドナー官能基」を有する化合物であり、マイケルドナー官能基は少なくとも1つの「マイケル活性水素原子」(マイケル活性水素)を有する官能基であり、マイケル活性水素原子は、2つの電子求引性基、たとえばC=Oおよび/またはC≡Nの間に位置する炭素原子に結合された水素原子である。マイケルドナー官能基の例は、マロン酸エステル、アセト酢酸エステル、マロンアミド、およびアセトアセトアミド(ここにおいて、マイケル活性水素は2つのカルボニル基の間の炭素原子に結合している);ならびにシアノ酢酸エステルおよびシアノアセトアミド(ここにおいて、マイケル活性水素はカルボニル基とシアノ基との間の炭素原子に結合している)である。マイケルドナー官能基を含有する化合物の他の例は、ベータ−ジケトン、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトン)である。2以上のマイケル活性水素原子を有する化合物は、本明細書において「多官能性マイケルドナー」と呼ばれる。「マイケルドナー」は、それぞれが1以上のマイケル活性水素原子を含有する1、2、3以上の別々の官能基を有することができる。分子上のマイケル活性水素原子の合計数が「マイケルドナーの官能性」である。本明細書で使用する場合、マイケルドナーの「骨格」は、マイケル活性水素原子を含有する官能基以外のドナー分子部分である。
【0014】
本明細書で使用する場合、「マイケルアクセプター」は、構造(I):RC=C−C(O)Rを有する少なくとも1つの官能基を有する化合物であり、式中、R、RおよびRは、独立して、水素、または有機基、たとえばアルキル(直鎖状、分枝状または環状)、アリール、アルカリール(その誘導体および置換体を含む)である。R、RおよびRは、独立して、エーテル結合、カルボキシル基、更なるカルボニル基、これらのチオ類似体、窒素含有基、またはこれらの組合せを含むことができ、または含まなくてもよい。それぞれが構造(I)を有する2以上の官能基を有する化合物は、ここでは「多官能性マイケルアクセプター」と呼ばれる。分子上の構造(I)を有する官能基の数が「マイケルアクセプターの官能性」(「マイケルアクセプター官能性」)である。本明細書で使用する場合、マイケルアクセプターの「骨格」は、構造(I)以外のドナー分子部分である。任意の構造(I)が別の(I)基または骨格に直接に結合されていてよい。
【0015】
本発明の「マイケルポリマー」は、多官能性マイケルドナーが多官能性マイケルアクセプターと弱塩基触媒の存在下で反応して、1以上のの「マイケル結合」を形成する場合に形成されるポリマーである。
【0016】
本発明の実施において、多官能性マイケルアクセプターの骨格は、多官能性マイケルドナーの骨格と同一であっても、異なっていてもよい。1以上の多価アルコールを少なくとも1つの好適な骨格として使用することができる。多官能性マイケルアクセプターまたは多官能性マイケルドナーのいずれかの骨格として好適ないくつかの多価アルコールとしては、例えば、アルカンジオール、アルキレングリコール、グリセロール、糖、ペンタエリスリトール、その多価(polyhydric)誘導体、またはその混合物が挙げられる。骨格として好適ないくつかの多価アルコールとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、ひまし油、トリメチロールプロパン、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、同様の多価アルコール、その置換体、およびその混合物が挙げられる。
【0017】
本発明における骨格として好適な多価アルコールのさらなる例は、例えば、150以上の分子量を有する多価アルコール(本明細書の上記において名前を挙げるものに加えて)を包含する。150以上の分子量を有する一つの好適な多価アルコールは、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、Chemical Abstracts Service(CAS)登録番号26896−48−0であり;その任意の異性体または混合物が好適である。150以上の分子量を有するもう一つ別の好適な多価アルコールはPolysorbate80、CAS登録番号9005−65−6である。さらに、広範囲の脂肪酸および関連する油は多価アルコールであるか、様々な方法によりヒドロキシル化して、多価アルコールを形成できるかのいずれかであり、かかる多価アルコール類も好適である。本発明において骨格として好適な脂肪酸および関連する油のいくつかの例は、ひまし油、ヒドロキシル化油脂および油、油脂および油のヒドロキシル化誘導体、およびその混合物である。前記で名前を挙げたものと類似の多価アルコール類も骨格として好適である。さらに、好適な多価アルコールの混合物も好適である。
【0018】
多官能性マイケルドナーもしくは多官能性マイケルアクセプターまたは両方の、好適な骨格には、オリゴマーまたはポリマーが含まれ得る。本明細書で使用され、かつFW Billmeyer,JRにより、Textbook of Polymer Science、第二版、1971年(「Billmeyer」)において定義されているポリマーは、より小さな化学的繰返し単位の反応生成物からなる比較的大きな分子である。通常、ポリマーは11以上の繰返し単位を有する。ポリマーは直鎖状構造、分枝状構造、星形構造、ループ状構造、超分岐構造、または架橋構造を有することができる。ポリマーは単一のタイプの繰返し単位を有することができ(「ホモポリマー」)、または1つより多くのタイプの繰返し単位を有することができる(「コポリマー」)。本明細書において用いられる場合、「樹脂」はポリマーと同じ意味である。
【0019】
ポリマーは比較的大きな分子量を有する。ポリマーの分子量は、標準的な方法(以下のゲル透過クロマトグラフィー参照)により測定することができる。一般的に、ポリマーは、1,000以上の重量平均分子量(M)を有する。ポリマーは極めて高いMを有することができ;いくつかのポリマーは1,000,000を越えるMを有しており;典型的なポリマーは1,000,000以下のMを有する。
【0020】
本明細書で使用する場合、「オリゴマー」は、ポリマーよりも少ない数の繰返し単位を有し、ポリマーよりも小さな分子量を有する点を除き、ポリマーと同様の構造物である。通常、オリゴマーは2〜10の繰返し単位を有する。一般的に、オリゴマーは400〜1,000のMを有する。
【0021】
「マイケル成分」は、「マイケル反応」において反応物質または触媒として関与できる成分である。本発明のマイケル成分は、多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒の、3つの種類の成分から選択される。本発明の「マイケル反応混合物」は、少なくとも1つの多官能性マイケルドナー、少なくとも1つの多官能性マイケルアクセプター、および少なくとも1つの弱塩基触媒を含む反応混合物である。もちろん、マイケル反応混合物は、任意に、1官能性マイケルドナーおよび/または1官能性マイケルアクセプターも包含し得る。
【0022】
「官能成分」は、3つの種類のマイケル成分(すなわち、多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒)の少なくとも1つを包含する。本発明のマイケル反応混合物は、官能成分が多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒を含むならば、1官能成分から形成することができる。あるいは、官能成分の組み合わせが、結果として得られる反応混合物に少なくとも1つの多官能性マイケルドナー、少なくとも1つの多官能性マイケルアクセプター、および少なくとも1つの弱塩基触媒を提供し、従ってマイケル反応混合物を含む硬化性木材粒子複合体に提供するならば、マイケル反応混合物は、2以上の官能成分を組み合わせることにより形成できる。例えば、好適なマイケル反応混合物は:多官能性マイケルドナーを含む官能成分;多官能性マイケルアクセプターを含むもう一つ別の官能成分;および弱塩基触媒を含むさらに別の官能成分を組み合わせることにより形成できる。もう一つ別の例において、1つの官能成分は、多官能性マイケルドナーおよび多官能性マイケルアクセプターの両方を含み、別の官能成分は弱塩基触媒を含む。あるいは、多官能性マイケルドナーおよび弱塩基触媒を含む官能成分を多官能性マイケルアクセプターを含む別の官能成分と組み合わせて、マイケル反応混合物を形成する。さらに別の好適な代替法において、多官能性マイケルドナーを含む官能成分を、多官能性マイケルアクセプターおよび弱塩基触媒を含む官能成分と組み合わせて、マイケル反応混合物を形成する。
【0023】
実施者は、1以上の多官能性マイケルドナー、1以上の多官能性マイケルアクセプター、および1以上の弱塩基触媒を、マイケル反応混合物、よって本発明の硬化性および硬化した木材粒子複合体の調製法において有用に使用できることを認識する。実施者はさらに、好適な多官能性マイケルドナーおよびアクセプターは独立して、1つの構造および1つの分子量を有する独立した分子であり得るか、または多くのオリゴマーおよびポリマーにおける場合と同様に、独立して、様々な分子量を有する大分子(すなわち、オリゴマーまたはポリマー鎖)の分布を含み得る。
【0024】
分子量。合成ポリマーはほとんど常に分子量が異なる鎖の混合物である。すなわち、「MWD」と略記される「分子量分布」が存在する。ホモポリマーに関して、分布の構成要素は、これらが含有するモノマー単位の数が異なる。このようなポリマー鎖の分布の説明法は、コポリマーにも拡張される。分子量の分布が存在することを考慮すると、所定のサンプルの分子量の最も完全な特性解析は、全分子量分布の決定である。この特性解析は、分布の要素を分離し、次いで存在するそれぞれの量を定量化することにより得られる。一度この分布を取得すると、いくつかの要約統計量、またはモーメントが存在し、これらはポリマーの分子量を特徴づけるためにそれから生成させることができる。
【0025】
分布の2つの最も一般的なモーメントは、「重量平均分子量」、「M」、および「数平均分子量」、「M」である。これらは次のように定義される。
【0026】
【数1】


【0027】
上記式中:
=分布のi番目の成分のモル量
=分布のi番目の成分の重量
=i番目の鎖の数
および、合計は分布の全ての成分に及ぶ。MおよびMは典型的には、ゲル透過クロマトグラフィーにより測定されるMWDから計算される(実験の項を参照)。
【0028】
本発明の好適な多官能性マイケルドナーは:少なくとも66g/モル、少なくとも100g/モル、少なくとも150g/モル;2000以下、1000g/モル以下、400g/モル以下、または200g/モル以下の重量平均分子量Mを有する。好適な多官能性マイケルドナーはさらに、これらのマイケルドナーが:2000g/モル以上、少なくとも5000g/モル、または少なくとも10000g/モル;1000000g/モル以下、100000g/モル以下、50000g/モル以下、または20000g/モル以下のMを有するような高次ポリマーである骨格を含み得る。
【0029】
本発明の好適な多官能性マイケルアクセプターは:少なくとも82、少なくとも110、少なくとも120、または少なくとも150g/モル;2000g/モル以下、1000g/モル以下、400g/モル以下、または200g/モル以下の重量平均分子量Mを有する。好適な多官能性マイケルアクセプターは:2000g/モル以上、少なくとも5000g/モル、または少なくとも10000g/モル;1000000g/モル以下、100000g/モル以下、50000g/モル以下、または20000g/モル以下のMを有する。
【0030】
いかなる特定の理論に拘束されることを望まないが、多官能性マイケルドナーとアクセプター間の反応により形成される架橋が硬化した木材粒子複合体全体にわたって十分に分布されている場合に、特に望ましい性能特性が、好適な硬化した木材粒子複合体について実現され得ると考えられる。架橋のこのような分布を達成するために、多官能性マイケルドナーおよび多官能性マイケルアクセプターは有利には硬化性木材粒子複合体の調製および硬化中のある時点で硬化性木材粒子複合体全体にわたって十分に分布されるようになると考えられる。好適な方法例において、このような分布は、多官能性マイケルドナーおよび多官能性マイケルアクセプターがそれぞれ硬化前および/または硬化中に経験する温度および圧力条件下で可動性である場合に達成され得る。これらのドナーおよびアクセプター分子が硬化行程のはじめで十分に分布されていなくても、これらは型(mold)中で温度および圧力が上昇するにつれ十分に分布されるようになる。このような分布は、例えば、多官能性マイケルドナーが硬化の条件下で可動性であり、かつ多官能性マイケルアクセプターが木材粒子中にすでに十分に分布されているけれども比較的不動である場合(例えば、複数の反応性木材粒子の集団の形成中および/または反応性木材粒子ブレンドの形成中)に代替的に達成され得る。このような場合、移動性多官能性マイケルドナーの分子は、硬化の開始時に不十分に分布されている場合でも、硬化性木材粒子複合体内で、拡散または他の手段により、動けなくなるまで移動することができるが、すでに十分に分布された多官能性マイケルドナーは、接触して、マイケル反応が起こる。あるいは、多官能性マイケルドナーは可動性で、一方、多官能性マイケルアクセプターは動けないが、十分に分布されていてもよい。さらに別の好適な方法において、多官能性マイケルドナーおよび多官能性マイケルアクセプターはどちらも動けないか、または限定された可動性であるが、木材粒子の表面近接性(例えば、接触)が、ドナーまたはアクセプターのいずれかの長距離拡散なしに、付随する架橋を伴うマイケル反応へ導くように、多官能性マイケルドナーおよび多官能性マイケルアクセプターはそれぞれ同じ木材粒子または隣接する木材粒子上に十分に分布される。このような場合において、高分子量、1000000〜5000000グラム/モル以上ものM値を有する多官能性マイケルドナーおよびアクセプターを通常用いることができる。前記例は、多官能性マイケルドナーおよびアクセプターの可動性および分布が、結果として得られる硬化した木材粒子複合体の性能特性に影響を及ぼし得る程度が可能な多くの実例のごく一部である。当業者であれば、400g/モル以下のMを有する低分子量多官能性マイケルドナーおよびアクセプター分子は、典型的には、硬化条件下で可動性であり、400g/モルより高く、2000g/モル以下のMを有する高分子量マイケルドナーおよびアクセプター分子は、典型的には幾分可動性が低いことを認識する。2000より高く、50000g/モル以下のMを有するマイケルドナーおよびアクセプターは、典型的には、硬化条件下で減少した移動度を示し、50000より高いMを有するマイケルドナーおよびアクセプターは、典型的には、硬化条件下で低移動度から極めて低い移動度を示す。従って、多官能性マイケルドナーまたはアクセプターの不十分な分布が硬化性木材粒子複合体の形成中に見込まれるならば、比較的低いMを有し、従って、硬化条件下で比較的高い可動性を有するドナーまたはアクセプターを選択することが望ましくあり得る。
【0031】
ポリマー骨格を有する多官能性マイケルドナーまたはアクセプターのMが増加する際に重要になり得るさらなる因子は、ドナーまたはアクセプターのガラス転移温度(Tg)である。典型的には、ポリマー骨格を有する所定のマイケルドナーまたはアクセプターは、硬化温度がドナーまたはアクセプターのTgを超えるならば、可動性がより高くなり、それをより柔軟にし、硬度が低くする。硬化行程中のオリゴマーまたはポリマー骨格を有するマイケルドナーまたはアクセプターの可動性に影響を及ぼすさらに別の因子は、これらのドナーまたはアクセプター分子の官能基の密度およびこれらの官能基が反応した程度である。その官能基の1以上が反応したら、所定の多官能性マイケルドナーまたはアクセプターはより大きな分子の一部となり、程なくポリマー網目構造の一部になり、この網目構造においては、これは硬化する木材粒子複合体内の特定の場所(すなわち、位置)に結合され、実質的にその可動性が減少するかまたはなくなる。
【0032】
「Tg」は、ポリマー相の「ガラス転移温度」である。ポリマーのガラス転移温度は、ポリマーがTgより低い温度での硬質、ガラス状態から、Tgより高い温度での流体またはゴム状態へと転移する温度である。ポリマーのTgは、典型的には、熱流量対温度変化の中点をTg値として用いて、示差走査熱量分析(DSC)により測定される。DSC測定に関して典型的な加熱速度は、1分につき20摂氏度である。様々なホモポリマーのTgが、例えば、Polymer Handbook、J.BrandrupおよびE.H.Immergut編、Interscience Publishersにおいて見出すことができる。ポリマーのTgは、Fox式(T.G.Fox、Bull.Am.Physics Soc.、第1巻、第3号、123ページ(1956))を用いることにより見積もられる。実施者は、例えば、50000g/モルのMを有する所定の組成のポリマーについて測定されたTgは、より低いM(例えば、2000〜20000g/モルのM)および同じ組成を有するポリマーについて測定されたものよりも高くなりえる得るいことを認識する。ここで、分子量の減少(約50000g/モルより少ない分子量)に伴うTgの減少は、ポリマー鎖の絡み合いの減少および鎖可動性の増加に由来すると考えられる。
【0033】
「弱塩基触媒」は、その共役酸のpKaが少なくとも3で、12.5以下であり、マイケル活性水素原子を多官能性マイケルドナーから、本発明の硬化性木材粒子複合体の調製および硬化中に遭遇する少なくとも1つの条件下で除去できるという特徴を有する塩基性化合物である。
【0034】
「木材物質」なる用語は、木材組成またはリグノセルロース材料の別の供給源を包含する。「リグノセルロース材料」は、リグニンを含む。「リグニン」は一般に、植物材料に対して強度および剛さを付与するフェノール系ポリマー群である。リグニンは、多くのランダムなカップリングを有する非常に複雑なポリマーであり、従ってこれらはさらに一般的な名称で呼ばれる傾向がある。リグニンは、例えば、分析的リグニン調製物、例えば、Braunsリグニン、セルロース分解酵素リグニン、ジオキサン酸分解リグニン、粉砕木材リグニン、Klasonリグニン、および過ヨウ素酸塩リグニン、および工業用リグニン調製物、例えば、ドラフトリグニンおよびリグノスルホネートを包含する。「木材物質」なる用語は、天然の有機炭水化物およびタンパク質、例えば、小麦粉および大豆粉、例えば、大豆タンパク質分離物および脱脂大豆粉非スルホン酸化ドラフトリグニンをさらに含む。「木材物質」なる用語は、亜麻および麻をさらに包含する。「木材物質」なる用語は、セルロース系物質もさらに包含する。
【0035】
任意の特定の理論に拘束されることを望まないが、本発明の弱塩基触媒は、多官能性マイケルドナーの1以上のマイケル活性水素原子(以下で定義)と、本発明の硬化した木材粒子複合体の調製中のある時点で、例えば、官能成分の調整;複数の反応性木材粒子の調製、反応性木材粒子ブレンドの調製;および硬化行程のいずれかまたは全部で接触するようにすべきであると考えられる。本発明の官能成分のマイケル成分となるように選択される弱塩基触媒の性質に応じて、弱塩基触媒は、純粋な形態において、周囲条件下で、固体、液体、または気体であり、各物質の状態はマイケル活性水素原子との接触を達成するための課題、または機会を内包している。弱塩基触媒が純粋な形態において液体であり、液状多官能性マイケルドナー中に可溶性である場合、2つを組み合わせて、それ自体が液体である官能成分を形成することができる。この結果として得られる液体官能成分を次に噴霧、霧化、または他の方法で複数の木材粒子と効果的にに接触させて、複数の反応性木材粒子を形成することができる。別法として、弱塩基は固体または気体であってよく、これは、液状多官能性マイケルアクセプターとの組み合わせにより、このドナー中に溶解する。官能成分を希釈しつつ可溶性多官能性マイケルアクセプターをさらに添加することも、マイケルドナーのマイケルアクセプターとの反応がその後の貯蔵および硬化行程につながるブレンド中に最小であるとするならば許容される。
【0036】
硬化性木材粒子複合体の硬化中に水が存在することが望ましいことが多く、その理由は、高温および圧力での硬化中に、例えば、液状または蒸気形態の水(過熱されていても、されていなくてもよい)は、型表面から硬化性木材粒子複合体の内部中への熱の非常に優れた導体であるためである。熱湯および蒸気は、硬化性木材粒子複合体中に存在するマイケル反応物質のいずれかまたは全てをさらに溶解または同伴して、その均一な分布をさらに向上させることができる。弱塩基触媒が水溶性固体(例えば、炭酸カリウム)である場合、水をさらに利用して、弱塩基触媒を水溶液中に送達し、分布させることができる。ここで、弱塩基触媒の水溶液は、官能成分であると見なされる。水溶液が非常に薄いので、望ましくないほど高レベルの水が硬化性木材粒子複合体に添加されるか、または非常に濃厚なので、硬化性木材粒子複合体内で望ましい分布が達成される前に、弱塩基触媒の沈殿が起こることを回避するために注意が払われるならば、望ましい分布を達成するために、その水溶液中の弱塩基触媒の濃度を選択できる。もう一つ別の好適な方法において、固体粒子形態中の弱塩基触媒は、もしその後の硬化状態が、弱塩基触媒を溶融または溶解させることができるならば、複数の木材粒子の集団内または反応性木材粒子ブレンド内に官能成分として分布することができるので、多官能性マイケルドナーと効率よく接触する。マイケル成分を分布させるためのさらに好適な方法において、少なくとも1つの水不溶性マイケル成分を水および分散安定剤、例えば、界面活性剤または懸濁剤と組み合わせ、結果として得られる混合物を撹拌して、それぞれ水性エマルジョンまたは懸濁液を形成し、続いて複数の木材粒子を結果として得られる水性分散液を接触させる。有用な界面活性剤は、例えば、Porter、M.R.、Handbook of Surfactants,ChapmanおよびHall、New York 1991において見出すことができる。好適な界面活性剤の例としては:アニオン性界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;非イオン性界面活性剤、例えば、グリセロール脂肪族エステルおよびポリオキシエチレン脂肪族エステル;および両性界面活性剤、例えば、アミノカルボン酸、イミダゾリン誘導体、およびベタインが挙げられる。懸濁剤は典型的には水溶性ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(N−ビニルピロリドン)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリル酸のポリアクリル酸コポリマー、およびポリエチレングリコールである。
【0037】
ここでも、水性分散液は、官能成分として見なされる。もちろん、水性分散液は、これらのマイケル成分の少なくとも1つが官能成分の形成条件下で水不溶性であるならば、1より多いマイケル成分を含むことができる。本明細書において、「水不溶性」とは、単に、水性分散液として官能成分を形成する条件下で、少なくとも1つのマイケル成分の少なくとも一部が水性相中に完全に溶解しないが、界面活性剤および/または懸濁化剤の存在下で水分散性であることを意味する。
【0038】
本発明の好適な官能成分は、性質を改善するために選択された1以上のアジュバント、たとえば、溶媒、ワックス、撥水性疎水性物質、粘着付与剤、乳化剤、ポリマー、可塑剤、または増粘剤も含有し得る。アジュバントは、好ましくは、官能成分と適合性であるように選択され、本発明の実施を妨害しない方法で使用される(例えば、アジュバントは、好ましくは、成分の混合、複数の反応性木材粒子を形成するための官能成分の複数の木材粒子との混合、硬化性木材粒子複合体の形成、硬化した木材粒子複合体の形成、または硬化した木材粒子複合体の最終特性を妨害しないように選択される)。別法として、アジュバントは、複数の木材粒子の1以上の集団に別々に、または反応性木材粒子ブレンドに添加することができる。
【0039】
官能成分、従ってマイケル反応混合物中に含めるための特定の多官能性マイケルドナーおよび特定の多官能性マイケルアクセプターの選択において、その「マイケルドナー官能性」および「マイケルアクセプター官能性」をそれぞれ考慮することが望ましい。2のマイケルドナー官能性を有する多官能性マイケルドナーを、2のマイケルアクセプター官能性を有する多官能性マイケルアクセプターと反応させることにより、直線状分子構造を有するマイケルポリマーが得られると一般に考えられている。分岐および/または架橋した分子構造を形成することが望ましいことが多く、これは3以上のマイケル官能性を有する少なくとも1つのマイケルドナーまたはアクセプターを使用することを必要とすると考えられる。従って、好適なマイケル反応混合物はしばしば3以上のマイケル官能性を有する多官能性マイケルドナー、または多官能性マイケルアクセプター、または両者を含む。架橋するマイケルポリマーはさらに、「マイケル網状ポリマー」と称する。
【0040】
本発明の好適なマイケルドナーは、同じ炭素原子と結合した2つのマイケル活性水素原子(本明細書において「マイケルツイン」水素原子と呼ばれる)を有するマイケルドナー官能基を有する多官能性マイケルドナーを包含する。特定の理論に拘束されることを望まないが、かかるマイケルツイン水素原子は、典型的には、「連続水素引き抜き反応」に利用可能である。マイケルツイン水素原子に関して、第一マイケルツイン水素原子が引き抜かれた後、第二のマイケルツイン水素原子を引き抜くかわりに、異なるマイケルドナー官能基から水素原子を1番目に引き抜くことにより硬化が正常に進行する。順次水素引き抜き反応において、マイケルツイン水素原子を有する官能基のほとんどまたは全部がマイケルツイン水素原子の1つを引き抜かれた後、さらなるマイケル付加反応が起こるならば、第二のマイケルツイン水素原子をかかる官能基から引き抜くことができる。ある順次水素引き抜き反応において、すでに1つのマイケルツイン水素原子が引き抜かれたマイケルドナー官能基から、第二のマイケルツイン水素原子がほとんどまたは全く引き抜かれない場合、硬化は停止する。「非順次始祖引き抜き反応」も存在し、この反応においては、マイケルツイン水素原子を有する官能基のほとんどまたは全てが1つの水素原子を引き抜かれる前に、両マイケルツイン水素原子を単一マイケルドナー官能基から引き抜くことができる。本発明の実施において、順次または非順次水素引き抜き反応は任意の組み合わせにおいても想定される。
【0041】
本発明のマイケル反応混合物において、多官能性マイケルアクセプターの多官能性マイケルドナーに対する相対比は、「反応性当量比」(マイケル反応混合物中の全ての官能基(I)数の、マイケル反応混合物中のマイケル活性水素原子数に対する比)により特徴づけることができる。いくつかの好適なマイケル反応混合物において、反応性当量比は、少なくとも0.1:1、少なくとも0.2:1、少なくとも0.3:1、少なくとも0.4:1、または少なくとも0.45:1;3:1以下、1.75:1以下、1.5:1以下、または1.25:1以下である。
【0042】
本発明の実施は、少なくとも1つの多官能性マイケルアクセプターの使用を含む。好適な多官能性マイケルアクセプターは、たとえば、前述のような多価アルコールの残基である骨格を有するものを包含する。他の好適な多官能性マイケルアクセプターは、ポリマー、例えば、ポリアルキレンオキシド、ポリウレタン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリジエン、水素化ポリジエン、アルキド、アルキドポリエステル、(メタ)アクリルポリマー、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリエステル、ハロゲン化ポリエステル、そのコポリマー、またはその混合物である骨格を有するものを包含する。さらなる好適な多官能性マイケルアクセプターにおいて、多官能性マイケルアクセプターの骨格はオリゴマーであり得る。
【0043】
本発明におけるいくつかの好適な多官能性マイケルアクセプターは、例えば、構造(I)の一部または全てが(メタ)アクリル酸、フマル酸、またはマレイン酸の残基、その置換体、あるいはその組み合わせであって、エステル結合により多官能性マイケルアクセプター分子に結合するものを包含する。エステル結合で化合物に結合した(メタ)アクリル酸の2以上の残基を含む構造(I)を有する化合物は、本明細書においては、「多官能性(メタ)アクリレート」と呼ばれる。マイケル付加においてアクセプターとして作用できる少なくとも2つの二重結合を有する多官能性(メタ)アクリレートは、本発明における好適な多官能性マイケルアクセプターである。好ましい多官能性(メタ)アクリレートは、多官能性アクリレート(エステル結合で結合したアクリル酸の2以上の残基を有する化合物)である。
【0044】
多官能性アクリレートである好適な多官能性マイケルアクセプターの例は、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、グリセラールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、イソソルビドジアクリレート、アクリル化ポリエステルオリゴマー、ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、アクリル化エポキシ化大豆油、アクリル化脂肪族ウレタンオリゴマー、アクリル化芳香族ウレタンオリゴマーなど、およびその混合物を包含する。1以上のアクリレート基がメタクリレートにより置換された、これらの多官能性マイケルアクセプターの類似体も本発明により想定される。
【0045】
多官能性(メタ)アクリレートであって、その骨格がポリマーであるものも多官能性マイケルアクセプターとして好適である。(メタ)アクリレート基は、様々な方法のいずれかにおいてポリマー骨格に結合させることができる。例えば、(メタ)アクリレートエステルモノマーは、重合性官能基にエステル結合により結合させることができ、この重合性官能基は、(メタ)アクリレート基の二重結合が反応しないままで残されるような方法で他のモノマーと重合させることができる。別の例として、(メタ)アクリレートエステルと反応できる(例えば、エステル交換反応により)官能基を有するポリマー(例えば、残存ヒドロキシルを有するポリエステル)を調製して、ペンダント(メタ)アクリレート基を有するポリマーを得ることができる。さらに別の例として、多官能性アクリレートモノマー(例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート)を含むホモポリマーまたはコポリマーを、全てのアクリレート基が反応するわけではない方法で調製することができる。多官能性マイケルアクセプターの好適な骨格がポリマーである場合、官能基(I)はポリマー鎖から分岐するか、またはポリマー鎖中に組み入れることができるか、またはその組み合わせであってよい。ポリマー鎖中に組み入れられる官能基(I)を有するポリマーの例は、マレイン酸または無水マレイン酸をモノマーとして使用して形成されたポリエステルである。
【0046】
1より多い好適な多官能性マイケルアクセプターを、本発明の硬化性木材粒子複合体の調製において利用できる。1より多い多官能性マイケルアクセプターがこのように用いられる場合、このような多官能性マイケルアクセプターの全てを1つの官能成分中に組み入れることができるか、または複数の官能成分間で分割することができる。例えば、2つの異なる多官能性マイケルアクセプターを送達して、硬化性木材粒子複合体を形成するための好適な方法は、第一官能成分中に多官能性マイケルアクセプターの1つを含み、第二官能成分中に他の多官能性マイケルアクセプターを含むことである。別法として、多官能性マイケルアクセプターの全てまたは1つは、他の多官能性マイケルアクセプターの一部とともに、第一官能成分中に含めることができ、一方、他の多官能性マイケルアクセプターの残りの部分を第二官能成分中に含めることができる。前記方法は、多官能性マイケルアクセプターだけでなく、本発明の多官能性マイケルドナーおよび弱塩基触媒が官能成分に分布され、硬化性木材粒子複合体に送達される、広範囲の方法を例示するものである。従って、本発明の方法は、多官能性マイケルアクセプター、多官能性マイケルドナー、および弱塩基触媒のいずれかの1以上を想定し、さらに、硬化させて、所望の特性を有する硬化した木材粒子複合体を形成することができる、硬化性木材粒子複合体の形成を達成するその送達法もさらに想定する。
【0047】
本発明の実施は、多官能性マイケルドナーの使用を含む。好適な多官能性マイケルドナーは、例えば、前述のような多価アルコールの残基である骨格を有するものを包含する。あるいは、好適な多官能性マイケルドナーは、ポリマー、例えば、ポリアルキレンオキシド、ポリウレタン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリジエン、水素化ポリジエン、アルキド、アルキドポリエステル、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリエステル、ハロゲン化ポリエステル、(メタ)アクリレートポリマー、そのコポリマー、またはその混合物である骨格を有するものを包含する。さらなる好適な多官能性マイケルドナーにおいて、多官能性マイケルドナーの骨格はオリゴマーであってよい。他の好適な多官能性マイケルトナーは、ポリマーである骨格を有するもの、例えば、前述のものを包含する。ただし、ポリマーは、アセトアセトキシル化されたそのヒドロキシ基の一部を有するポリビニルアルコールでないか、または重合単位として、不飽和アセトアセトキシモノマーを含むビニルアセテートのコポリマーでないとする。多官能性マイケルドナーの好適な骨格がポリマーである場合、マイケルドナー官能基はポリマー鎖から分岐するか、またはポリマー鎖中に組み入れることができるか、またはその組み合わせである。
【0048】
好適な多官能性マイケルドナーにおいて、マイケル活性水素原子を有する官能基は、様々な配置のいずれかにおいて骨格に結合することができる。いくつかの好適な配列において、多官能性マイケルドナーは、下記構造を有する。
【0049】
【化1】


【0050】
式中、Nは少なくとも2であり;Rは下記式であり;
【0051】
【化2】


【0052】
は下記式であり;
【0053】
【化3】


【0054】
およびRは、独立して、H、アルキル(直鎖、環状、または分岐)、アリール、アルカリール、またはその置換体である;Rは多官能性マイケルドナーの骨格として好適であるとして前述された多価アルコールまたはポリマーのいずれかの残基である。いくつかの好適な配列において、Rはマイケルアクセプターの残基である。いくつかの好適な配列において、RまたはRはマイケル活性水素原子を有するさらなる官能基に結合する。
【0055】
いくつかの好適な多官能性マイケルドナーは、例えば、マロン酸、アセト酢酸、マロン酸のアミド、アセト酢酸のアミド、マロン酸のアルキルエステル、およびアセト酢酸のアルキルエステルを包含し、ここで、アルキル基は、直鎖、分岐酸、環状、またはその組み合わせであってよい。他の好適な多官能性マイケルドナーは、多価アルコールであって、1以上のヒドロキシル基がアセトアセテート基とエステル結合により結合しているものを包含する。いくつかの好適な多官能性マイケルドナーは、例えば、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテート、他のアルキルアセトアセテート、イソソルビドアセトアセテート、イソソルビドジアセトアセテート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールジアセトアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセトアセテート、他のジオールジアセトアセテート、トリメチロールプロパントリアセトアセテート、グリセロールトリアセトアセテート、ペンタエリスリトールトリアセトアセテート、他のトリオールトリアセトアセテート、マロネートエステルの類似体などである。
【0056】
追加の好適な多官能性マイケルドナーは、次の官能基の1以上を有する化合物を包含する:アセトアセテート、アセトアセトアミド、シアノアセテート、およびシアノアセトアミド(官能基が次の骨格の1以上と結合しているもの:ひまし油、ポリエステルポリマー、ポリエーテルポリマー、(メタ)アクリルポリマー、ポリジエンポリマー)。いくつかの好適な多官能性マイケルドナーは、例えば、アセトアセテート官能性ヒマシ油、アセトアセテート官能性ポリエステルポリマー、アセトアセテート官能性ポリエステルアミドポリマー、アセトアセトアミド官能性ポリエーテルポリマー、アセトアセテート官能性(メタ)アクリルポリマー、シアノアセトアミド官能性(メタ)アクリルポリマー、シアノアセテート官能性(メタ)アクリルポリマー、アセトアセテート官能性ポリブタジエンポリマーである。
【0057】
いくつかの好ましい多官能性マイケルドナーは、多官能性アセトアセテート官能性ポリエステルポリマーおよびアセトアセテート官能性ポリエステルアミドポリマーである。アセトアセテート官能性ポリエステルポリマーは、任意の利用可能な方法により調製することができ;一つの方法は、例えば、二段階プロセスである。第一段階において、1以上の多価アルコール、例えば、ジオ−ルまたはトリオールを1以上のジまたはトリカルボン酸と縮合して、ヒドロキシラジカルを末端とするポリエステルを形成する。第2段階において、ポリエステルをアセトアセトネート化合物、例えば、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキルアセトアセトネートと反応させる。同様に、アセトアセテート官能性ポリエステルアミドポリマーは、任意の利用可能な方法により調製することができ;一つの方法は、例えば、二段階プロセスである。第一段階において、1以上の多価アルコール、例えば、ジオールまたはトリオール、例えば、少なくとも1つのアミノアルコールを1以上のジまたはトリカルボン酸と縮合して、ヒドロキシラジカルを末端とするポリエステルアミドを形成する。第2段階において、ポリエステルアミドをアセトアセトネート化合物、例えば、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキルアセトアセトネートと反応させる。
【0058】
本発明の好適な官能成分において、構造(I)はマイケルドナー官能基が結合する分子から離れた分子と結合する。「二重マイケルドナー/アクセプター成分」(構造(I)およびマイケルドナー官能基は同じ分子と結合している;すなわち、分子は、少なくとも1つの構造(I)および少なくとも1つのマイケルドナー官能基を有するならば、マイケルドナーおよびマイケルアクセプターの両方として機能できる)を含む他の好適な官能成分も想定される。二重マイケルドナー/アクセプター成分の一例において、マロネート分子は、ポリエステルポリマーの骨格中に組み入れられ、ポリマーの末端はアクリル官能基を有する。二重マイケルドナー/アクセプター成分の第二の例において、マレイン酸および/または無水マレイン酸はポリエステルポリマーの骨格中に組み入れられ、このポリマーの末端はアセトアセトネート官能基を有する。架橋または分岐の形成に有効であるために、二重マイケルドナー/アクセプター成分は、最低条件として、少なくとも2つのマイケルドナー官能基、または少なくとも2つのマイケルアクセプター官能基を含まなければならない。1種より多い多官能性マイケルドナー官能基を含む多官能性マイケルドナー;1種より多いマイケルアクセプター官能基を含む多官能性マイケルアクセプター;および1種より多いマイケルドナー官能基、マイケルアクセプター官能基、または両方を含む二重マイケルドナー/アクセプター成分もさらに想定される。
【0059】
本発明の「弱塩基触媒」は、その共役酸のpKaが:少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5であり;12.5以下、12以下、11以下、または10以下である塩基性化合物である。塩基の共役酸のpKa値は周知の特性であり、多くの塩基の共役酸のpKaの値は、例えば、Handbook of Chemistry and Physics、第82版、CRC Press、2001において公開されている。pKaの値は時々、水溶液中で測定されるが、pKaそれ自体は化合物が実際に水溶液、純粋な状態、または任意の他の形態で使用されるかどうかにかかわらず、化合物の特性である。
【0060】
本発明の実施は、弱塩基触媒の使用を含む。本明細書において使用される「触媒」は、炭素−マイケル付加反応を触媒する化合物である。任意の特定の理論により拘束されることを望まないが、弱塩基触媒はマイケルドナーから水素を引き抜くと考えられる。塩基触媒が弱すぎるならば(上述のように、すなわち、その共役酸についてのpKaが3未満)、非常に弱い塩基はマイケルドナーから水素イオンを引き抜くことができず、反応は進行しない。塩基「触媒」が強すぎるならば(すなわち、その共役酸についてのpKaが12.5を超える)、多官能性マイケルドナーとの強塩基触媒の非常に強い反応性(活性水素を除去してアニオンを形成する)は、活性化多官能性マイケルドナーの多官能性マイケルアクセプターとの超高速反応を促進して、その結果、硬化性木材粒子複合体の形成前または形成中に時期尚早にマイケルポリマーが形成される。かかる時期尚早のマイケルポリマー形成は、典型的には、結果として得られる硬化した木材粒子複合体の不十分な性能として発現する。
【0061】
弱塩基触媒の共役酸が多官能性カルボキシカルボン酸であるならば、触媒は、第一pKa(すなわち、第一水素イオンの解離定数を表すpKa)が:少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5であり;12.5以下、12以下、11以下、または10以下であるならば弱塩基性であると見なされる。追加の水素イオンの次の除去についての次の解離定数は、任意の値を有し得る。「弱塩基触媒」のこの定義は、アルカリ金属炭酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸エステル、およびピロリン酸塩;ならびにアルカリ土類金属炭酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸エステル、およびピロリン酸塩にも当てはまる。
【0062】
本発明の弱塩基触媒は:カルボン酸のアルカリ金属塩、例えば、酢酸カリウム、オクタン酸ナトリウム、およびカプリル酸カリウム;カルボン酸のアルカリ土類金属塩、例えば、酢酸カルシウム;アルミニウムおよびクロムなどの他の金属のカルボン酸塩、例えば、酢酸クロムから選択される。前記塩が誘導されるカルボン酸は、モノカルボン酸または多カルボン酸であり、1〜22個の炭素原子を有するアルキルまたは芳香族カルボン酸であり得る。本発明の弱塩基触媒は:炭酸塩、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カルシウム;リン酸塩、例えば、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウム;および弱酸の他の塩からさらに選択される。弱塩基アミン触媒、例えば、2−アミノ−2−メチルプロパニルおよびポリアミノアミド(CAS番号68410−23−1)も弱塩基触媒として適している。もちろん、1より多い弱塩基触媒を本発明の硬化性木材粒子複合体の形成において使用できる。実施者は、好適な弱塩基触媒の選択が、典型的には、本発明の硬化性木材粒子複合体の調製および硬化法の間の様々な時点でのその可動性および反応性の程度に関して予想されることをさらに認めるであろう。その結果、この調製および硬化手順の間に望ましい反応性および分布特性を示す弱塩基は、弱塩基触媒候補として適切である。
【0063】
本発明の官能成分は、新たに調製される場合、有用な粘度を有するべきである。粘度の正しい値は、成分を混合し(官能成分が1より多い成分を含む場合)、これらを複数の木材粒子または複数の木材粒子のブレンドと接触させるために使用される手段により決定される。粘度は、好ましくは、官能成分が複数の木材粒子複合体または複数の木材粒子のブレンドに適用される温度で測定される。典型的には、官能成分の粘度は、少なくとも0.1Pa・s(100cps)、少なくとも0.2Pa・s(200cps)、または少なくとも0.4Pa・s(400cps);10Pa・s(10000cps)以下、6Pa・s(6000cps)以下、または3Pa・s(3000cps)以下である。
【0064】
官能成分は、好ましくは、有用な可使時間を有する。可使時間を測定するための一つの便利な方法は、官能成分の形成から、粘度が非常に高くなって、官能成分がもはや複数の木材粒子またはそのブレンドに適用できなくなるまでの時間を測定することである。任意の特定の好適な方法について、新たに調製された官能成分の粘度は、任意の標準的方法により測定することができる。粘度測定は、官能成分が複数の木材粒子またはそのブレンドと接触し、反応性木材ブレンドがさらに混合され、硬化性木材粒子複合体に成形される温度に特徴的な温度で行われる。可使時間の一つの有用な目安は、その温度で、粘度が5倍上昇するために必要な時間である。典型的には、官能成分の可使時間は少なくとも5分、少なくとも10分、少なくとも25分、少なくとも1時間、または少なくとも2時間である。可使時間に特定の上限はないが、マイケル成分の3つの種類全てが一つの官能成分中に存在する場合、可使時間の上限は、しばしば12ヶ月以下、1ヶ月以下、7日以下、または24時間以下である。複数の木材粒子またはそのブレンドが官能成分と接触する温度および反応性木材粒子ブレンドのさらなる混合および硬化性木材粒子複合体の形成に関連する温度に応じて、ある好適な官能成分は25℃で決定される有用な可使時間を有し、一方、他のものは、例えば、50℃で決定される有用な可使時間を有する。
【0065】
「木材粒子」は、木材物質を含む粒子である。木材粒子は、規則的な形状であるか、または不規則的な形状である。典型的には、木材粒子の最長アスペクト(最長寸法)は、形成される木材粒子複合体の最長寸法以下である。木材粒子の最長アスペクトが、木材粒子を含む木材粒子複合体の最長寸法より長い場合は、木材粒子の全てまたは一部が柔軟性繊維または薄片である場合である。「複数の木材粒子」なる用語は:少なくとも5、少なくとも10、または少なくとも100の木材粒子の集団を意味する。実施者は、複数の木材粒子の数について特に上限はないが、上限は、本発明の方法の行程を行うために使用される装置の総容量、木材粒子のサイズ、ならびに本発明の硬化した木材粒子複合体の調製法における様々なプロセス行程中の複数の木材粒子、複数の反応性木材粒子、硬化性複合体、および硬化した複合体の嵩密度などの因子により決定されることを認識するであろう。従って、複数の木材粒子の集団における木材粒子の数についての好適な上限は:1×1012、1×10、1×10、1×10、または2×10以下である。ある好適な場合において、複数の木材粒子の集団における木材粒子の数の上限は、1×1012よりも実質的に高く、さらには桁違いに高い可能性がある。複数の木材粒子は、サイズおよび/または形状ならびにサイズおよび形状の分布が類似しているか、またはサイズおよび/または形状、ならびにサイズおよび形状の分布が実質的に様々である。複数の木材粒子の種類のサイズおよび形状に基づく記載の例は:ウッドスライバー、ウッドチップ、ウッドフレーク、木粉、および木繊維を包含するが、これに限定されない。
【0066】
本発明の方法および組成物は、複数の木材粒子の集団を含む硬化性および硬化した木材粒子複合体の形成に関し、比較的大きな木片(例えば、ボード、スラブ、およびストリップ)であって、典型的には、必ずしもそうである必要はないが、類似した均一な寸法を有するものが一連の平行、または実質的に平行な層として互いに接着されている層状構造には関連しない。このような層状構造は、本発明の硬化性複合体または硬化した複合体のいずれかとして想定されない。本発明の複数の木材粒子は、これらが転動および撹拌(以下参照)などの方法により混合でき、個々の隣接する粒子について特定の整列処理を使用せずに硬化性木材粒子複合体を形成するために成形できるようなサイズ、形状、および数を有するものである。典型的には、複数の木材粒子の集団における木材粒子の平均重量は、これらの複数の木材粒子の合計重量基準で、10重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下、または0.01重量パーセント以下である。
【0067】
複数の木材粒子の集団についての粒子サイズ分布を特徴づける、簡単で、一般的に使用される方法は、篩分析である。木材粒子を開口部サイズが減少する一連の篩(すなわち、篩の積み重ね)を通過させる。開口部サイズは、メッシュ用語を用いて米国標準的篩について表示されている。メッシュは、線インチあたりの開口部の数および開口部の小数部分を示す。メッシュは、任意のワイヤの中心から、1インチ(25.4mm)離れた平行なワイヤの中心までの開口部の数をカウントすることにより決定される。例えば、ASTM明細書E−11−95から導かれる100メッシュの表示は、0.150mm(150μm;0.0059in)の開口部を有する線インチあたり100開口部(100開口部/25.4mm;4開口部/mm)を含有する直径0.110mm(110μm、0.0043in)のワイヤを有するスクリーンからなる。所定の木材粒子は、さらなる通過が妨害されるために十分小さな開口部を有する篩に遭遇するまで、連続する篩を通って落下する。この粒子が十分小さいならば、これは一連の篩の最後の篩さえも通過することができ、「バランスパン」と呼ばれるパン中で止まる。篩を次に分離し、各篩上にトラップされた粒子の亜母集団を秤量する。木材粒子の全集団の重量に基づいて各亜母集団について重量パーセントを計算し、亜母集団をトラップした篩のメッシュサイズおよび亜母集団が通過した最後の篩のメッシュサイズをまとめたメッシュサイズの範囲の関数として記載する。木材粒子の亜母集団がバランスパン上で見られるならば、この亜母集団の重量パーセントはバランスパンフラクション、または前記亜母集団が通過した最小のメッシュサイズの重量パーセントとして単に表示される。例えば、100gの全集団からの5グラムの亜母集団がバランスパン上に見出され、バランスパン上およびそのすぐ上にある篩は75μm(ミクロン;200メッシュ)の開口サイズを有するならば、亜母集団の量は、「75μmを通過する5重量パーセント」と表示によるその粒子サイズと組み合わせられる。米国標準スケール用語において、この表示は、「5重量パーセントが200メッシュを通過」(“5 wieght percent through 200 Mesh”または“5 weight percent ‘Thru 200 Mesh”)である。表Aは、木粉粒子のいくつかの典型的な集団(複数木材粒子I−VII)が標準化(米国標準)篩別技術を用いてどのように分類されるかを示す。
【0068】
【表1】


【0069】
本発明の複数の木材粒子の集団中に含まれる木材粒子の組成は、全て同じであっても、異なっていてもよい。たとえば、複数の木材粒子の好適な集団の全ての木材粒子は、単一組成を有してもよく、この組成は、1つの木材物質を含む。別の例において、複数の木材粒子の好適な集団の木材粒子の一部は、1つの木材物質を含む1つの組成を有し、木材粒子の別の部分は、1以上の木材物質を含む別の組成を有し得る。
【0070】
「複数の未処理木材粒子」は、「複数のマイケル反応性木材粒子」(「複数の反応性木材粒子」)を形成するために「マイケル官能成分」(「官能成分」)「で処理」(と「接触」)させることができる。複数のマイケル反応性木材粒子は、複数の木材粒子(反応性または未処理)または別の官能成分の他の集団をさらに添加することなく、ブレンドして、反応性木材粒子ブレンドを形成し、これは、本発明の硬化性木材粒子を形成するために成形できる。このような場合、複数のマイケル反応性木材粒子は、本質的にマイケル成分の3つの種類:多官能性マイケルドナー;多官能性マイケルアクセプター;および弱塩基触媒のそれぞれの少なくとも1つを含むマイケル反応混合物中に含まれなければならない。ここで、「ブレンドする」とは、複数の木材粒子中のマイケル成分のいずれかの分布を多少とも変更する、および/または他の木材粒子に関して木材粒子のいずれかの配向を変更する任意のプロセスを意味する。「ブレンドする」とは、従って、転動および撹拌技術を包含するが、処理済み木材粒子、未処理木材粒子、任意のマイケル官能成分、またはその任意の組み合わせを、互いに再配列させる任意の動きも包含する。ブレンドは、高速混合においてなど、激しくてもよい。あるいは、ブレンドはコンベヤベルト上での振動程度の穏やかなものであるか、または型の充填を伴う木材粒子およびマイケル官能成分の再配列であってよい。さらに、接触行程は:ブレンド行程の前;ブレンド行程中;またはブレンド行程前およびブレンド行程中の両方で行うことができる。
【0071】
本発明の方法はさらに一般的には:(a)複数の未処理木材粒子の少なくとも1つの集団を提供し;(b)少なくとも1つのマイケル官能成分を提供し;(c)複数の未処理木材粒子をマイケル官能成分と接触させて、複数のマイケル反応性木材粒子を形成し;(d)残存する複数の未処理木材粒子を複数のマイケル反応性木材粒子とブレンドして、反応性木材粒子ブレンドを形成し;(e)反応性木材粒子ブレンドを成形して、硬化性木材粒子複合体を形成することを含む。接触行程は:ブレンド行程前;ブレンド行程中;またはブレンド行程前およびブレンド行程中の両方で行われる。各マイケル官能成分は:(i)多官能性マイケルドナー;(ii)多官能性マイケルアクセプター;および(iii)少なくとも3、12.5以下のpKaを有する共役酸を有する弱塩基触媒から選択される少なくとも1種のマイケル成分を含む。さらに、マイケル官能成分は、一緒になって:少なくとも1つの多官能性マイケルドナー;少なくとも1つの多官能性マイケルアクセプター;および少なくとも1つの弱塩基触媒を含む。
【0072】
接触行程は、当該分野において公知の任意の手段、例えば、スプレー、ローラーコーティング、フローコーティング、カーテンコーティング、浸漬、スラリー化および濾過、ならびにその組み合わせにより行うことができる。官能成分は、複数の未処理木材粒子の集団、複数の木材粒子の集団、または反応性木材粒子ブレンド中に、当該分野において公知の任意の手段、例えば、転動、振盪、撹拌(例えば、パドルブレード、またはインペラー)、押出、共押出、オージェ輸送、振動、およびその組み合わせにより、さらに分配することができる。振動は、輸送または他の移動形態、例えば、反応性木材粒子ブレンドの硬化性木材粒子複合体への成形などの単なる結果である。
【0073】
硬化性木材粒子複合体を調製する方法、硬化性木材粒子複合組成物、硬化性木材粒子複合体を硬化させて、硬化した木材粒子複合体を形成する方法、および本発明の硬化した木材粒子複合組成物はすべて:複数の反応性木材粒子の1以上の集団;および複数の未処理木材粒子(0、1、または複数)を包含する反応性木材粒子ブレンドの形成を想定する。複数の反応性木材粒子の集団は、木材粒子の組成、サイズ分布、および形状分布、および組み入れらたれたマイケル官能成分の組成および量などの特性のいずれかまたは全部が同じであっても、異なっていてもよい。複数の未処理木材粒子の集団は、例えば、組成、サイズ分布、および形状分布などの特性のいずれかまたは全部が同じであるか、または異なっていてもよい。
【0074】
本発明の反応性木材粒子ブレンドを形成するための好適な方法において、マイケル官能成分は、未処理木材粒子ブレンドにさらに添加することができるか、または反応性木材粒子ブレンドに添加することができる。
【0075】
本発明のマイケル官能成分中に含まれる3つの「マイケル成分の種類」、すなわち、多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、または弱塩基触媒のいずれかは、官能成分の「マイケル成分」であると見なされる。1つの官能成分が硬化性木材粒子複合体の調製において用いられるならば、一官能成分はマイケル成分の3つの必要な種類のそれぞれの少なくとも1つを含まなければならないことが本発明の最低要件である。1以上の官能成分が使用されるならば、一緒になって、これらの官能成分は、マイケル成分の3種のそれぞれの少なくとも1つを含まなければならない。官能成分中に存在し得る他の成分、例えば、水、任意の溶媒、およびアジュバントは、官能成分の「非マイケル成分」と称する。
【0076】
「反応性木材粒子ブレンド」は、硬化性木材粒子複合体の形成前、または形成中に形成することができる。反応性木材粒子ブレンドは、複数の木材粒子の1つだけの集団(例えば、複数の第一反応性粒子)または複数の木材粒子の複数の集団を含むことができる。反応性木材粒子ブレンドが複数の木材粒子の複数の集団を含有する場合、少なくとも1つの集団は複数の反応性木材粒子である。
【0077】
反応性木材粒子ブレンドは、「硬化性木材粒子複合体」に成形される。「硬化性木材粒子複合体」は、「複数の反応性木材粒子」を含む。硬化性木材粒子複合体を「硬化」に付して、「硬化した木材粒子複合体」を形成することができる。ここで、「硬化する」とは、多官能性マイケルドナーの多官能性マイケルアクセプターとの、弱塩基触媒および複数の木材粒子の存在下でのマイケル反応を含む。本発明の硬化行程中、マイケルポリマーが形成され、ここで、マイケルポリマーは、マイケルドナーのマイケルドナー官能基の、マイケルアクセプターのマイケルアクセプター官能基との反応により形成されるマイケル結合を含む。本発明の硬化性木材粒子複合体の寸法に関して特に制限はない。最小寸法は、例えば:少なくとも0.01mm、少なくとも1mm、または少なくとも1cmである。最大寸法は、例えば:100m以下、10m以下、5m以下、または1m以下である。本発明はさらに、最大寸法についてさらに大きな長さを想定する。例えば、ロールとして貯蔵できる、比較的柔軟な硬化した木材粒子複合体(例えば、紙、またはフィルム)を調製する連続プロセスは、数百メートルの最大寸法を有し得る。
【0078】
本発明の硬化性木材粒子複合体を調製し、硬化させる方法の例において、第一官能成分は、多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒を混合することにより調製される。複数の第一未処理木材粒子が提供され、第一官能成分と接触させて、複数の第一反応性木材粒子を形成する。ブレンド行程は、第一官能成分を複数の第一木材粒子全体にわたって分散させることを目的として接触行程の後および/または同時に行われる。複数の第一反応性木材粒子(ここでは、反応性木材粒子ブレンド)を、反応性粒子ブレンドを成形して、硬化性木材粒子複合体を形成する行程において圧縮型中に導入する。圧縮型は、硬化性木材粒子複合体を高温および高圧に付すことができる。硬化性木材粒子複合体が圧縮型中で経験する温度および圧力が、多官能性マイケルドナーの多官能性マイケルアクセプターとの弱塩基により触媒された反応を行うために十分高い硬化行程を次に行い、これにより硬化した木材粒子複合体を形成する。硬化性木材粒子複合体を硬化させる行程の結果、硬化した木材粒子複合体を形成するためにさらに成形することができる。硬化した木材粒子複合体を次に圧縮型から取り出す。
【0079】
本発明の硬化性木材粒子複合体を調製し、硬化させる方法を、第一官能成分が多官能性マイケルドナーを含む好適な方法においてさらに説明する。複数の第一未処理木材粒子を提供し、第一官能成分と接触させて、複数の第一反応性木材粒子を形成する。複数の第二未処理木材粒子を提供し、多官能性マイケルアクセプターを含む第二官能成分と接触させて、複数の第二反応性木材粒子を形成する。複数の第三未処理木材粒子を提供し、弱塩基触媒を含む第三官能成分と接触させて、複数の第三反応性木材粒子を形成する。硬化性木材粒子複合体が次に形成され、ここで、硬化性木材粒子複合体は、複数の第一、複数の第二、および複数の第三反応性木材粒子を含む。複数の第一、複数の第二、および複数の第三反応性木材粒子の集団をブレンドして、個々の木材粒子、およびこれらが含むマイケル成分を混ぜ合わせ、反応性木材粒子ブレンドを形成する。反応性木材粒子ブレンドを硬化性木材粒子複合体の形成行程において圧縮型中に導入する。適切に選択された温度および圧力条件を圧縮型内に適用して、硬化した木材粒子複合体を形成し、続いて硬化した木材粒子複合体を型から取り出す。
【0080】
典型的には、複数の木材粒子(反応性または未処理)の集団は、反応性木材粒子ブレンド中、反応性木材粒子ブレンド中に存在する全ての複数の木材粒子の合計重量基準で:少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、または少なくとも5重量パーセント;100重量パーセント以下、99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、または95重量パーセント以下の量で存在する。
【0081】
本発明の硬化性木材粒子複合体の調製および硬化法を例示する他の好適な方法は、複数の第一未処理木材粒子を第一官能成分と接触させて、複数の第一反応性木材粒子を形成し、複数の第二未処理木材粒子を第二官能成分と接触させて、複数の第二反応性木材粒子を形成するものを包含する。第一官能成分は:多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒の群から選択される2種のマイケル成分を含む。第二官能成分は、第一官能成分に含まれないマイケル成分の1種である群のメンバーを包含する。このように、第一官能成分は:多官能性マイケルドナーおよび多官能性マイケルアクセプター;多官能性マイケルドナーおよび弱塩基触媒;または多官能性マイケルアクセプターおよび弱塩基触媒を包含し得る。対応する第二官能成分は、それぞれ:弱塩基触媒;多官能性マイケルアクセプター;または多官能性マイケルドナーを含む。硬化性木材粒子複合体が形成され、ここで、硬化性木材粒子複合体は、複数の第一および複数の第二反応性木材粒子を含む。複数の第一および複数の第二反応性木材粒子の集団をブレンドして、反応性木材粒子ブレンドを形成する行程は、ブレンドを型に導入して、硬化性木材粒子複合体を形成する前または同時に行われる。圧縮成形を次に行って、硬化した木材粒子複合体を形成する。この方法の変法において、第一官能成分は:多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒の群から選択される1種だけのマイケル成分を含有する。第二官能成分はこの群のマイケル成分の他の1種のみを含有し、従って、複数の第一および複数の第二反応性木材粒子をブレンドすることにより最初に形成された反応性木材粒子ブレンドは、マイケル成分の1種がない。このようにして形成された反応性木材粒子ブレンドを次にあらかじめ欠乏したマイケル官能成分と接触させる。例えば、複数の第一反応性木材粒子は、マイケルドナーを含む第一官能成分を含み、複数の第二反応性木材粒子は、マイケルアクセプターを含む第二官能成分を含み得る。反応性木材粒子の2つの集団をブレンドすることにより形成される反応性木材粒子ブレンドを次に、複数の第三反応性木材粒子がない弱塩基触媒(例えば、水溶液)を含む第三官能成分と接触させる。
【0082】
別の好適な例示的方法において、複数の未処理木材粒子の少なくとも1つの集団を複数の反応性木材粒子の少なくとも1つの集団とブレンドして、3種のマイケル成分の全てを含む反応性木材粒子ブレンドを形成する。反応性木材粒子ブレンドの形成中に未処理木材粒子の1以上の集団を組み入れることは、例えば、処理しなければならない木材粒子の体積を減少させるか、または所定の反応性木材粒子ブレンド内で、官能成分、従って、マイケル成分の特定の限局的な配置を促進するために行われる。
【0083】
もう一つ別の好適な例示的方法において、50重量パーセントを超える複数の木材粒子の1つの集団(反応性または未処理)は選択された篩い目の開きを通過し、複数の木材粒子(反応性または未処理)の少なくとも1つの他の集団の50重量%以上は、同じ篩いの開口部サイズを通過しない。典型的には、この好適な例示的方法において、集団の合計重量基準で:少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、または少なくとも90重量パーセントの木材粒子の1つの集団が選択された篩いの開口部サイズを通過し、一方、この集団の合計重量基準で少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、または少なくとも90重量パーセントの複数の木材粒子の別の集団は同じ開口部サイズを通過しない。例えば、複数の未処理木材粒子であって、その95重量パーセントが250μmの篩い開口部を有する篩いを通過しないものを、複数の第一反応性木材粒子であって、その75重量パーセントが250μmの篩い開口部を有する篩いを通過するものとブレンドする。小さい方の複数の反応性木材粒子は、それ自体が多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒を含む第一官能成分を含む。複数の第一反応性木材粒子は、複数の第一反応性木材粒子および複数の未処理木材粒子の合計重量基準で、5重量パーセントの量で存在する。ブレンド行程は、複数の第一反応性木材粒子を反応性木材粒子ブレンドの形成中に複数の未処理木材全体にわたって分布する。この例において、比較的小さなサイズで、高表面積の複数の第一反応性木材粒子は、大きな複数の未処理木材粒子中の間質腔全体にわたるその分布と合わせて、反応性木材粒子ブレンドからその後、または同時に形成される硬化性木材粒子複合体の均一な硬化を促進する。
【0084】
別の好適な例示的方法において、硬化性木材粒子複合体内の複数の木材粒子の少なくとも1つの集団の分布は不均一である。このような不均一分布を形成する好適な方法の一例は、比較的小さな木材粒子を含む第一反応性木材粒子ブレンドが圧縮型中に積層され、続いて比較的大きな木材粒子を含む第二反応木材粒子ブレンド、続いて第一反応性木材粒子ブレンドの別の層が積層されるものである。このようにして形成される硬化した木材粒子複合体(例えば、パーティクルボード)は、密集した小さな粒子を含む表面および大きな粒子を含む内部(すなわち、コア)を有するので、表面は、第一反応性木材粒子ブレンドが硬化性木材粒子複合体、従って硬化した木材粒子複合体全体にわたって均一に分布する場合よりも滑らかで、見た目およびさわった感じがより魅力的である。勾配(連続、独立、または両方)を含む複数の木材粒子(反応性または未処理)の不均一分布も、本発明により想定される。
【0085】
硬化性および硬化した複合体を調製するための前記の好適な方法の多くは、型中に反応性木材ブレンドを入れることを必要とし、本発明の方法は、現在使用中かまたは想定される木材粒子複合体形成技術のいずれかにおいて使いやすい。典型的には、硬化は:少なくとも75、少なくとも90、または少なくとも105℃;210以下、190以下、または165℃以下の温度で行われる。湿分(例えば、複数の木材粒子の合計重量基準で2〜8重量%)は成分の伝熱および拡散を促進し、この範囲内で温度が上昇する効果を伴う。実施者は、硬化が50℃またはさらには30℃もの低い温度で開始することができ、ある条件下で、本発明の弱塩基触媒(すなわち、少なくとも9で12.5以下のpMaを有する共役酸を有する弱塩基触媒)は硬化が少なくとも40℃〜75℃の温度で行われるために十分活性であることを認識するであろう。典型的な硬化圧力は:少なくとも1.0、または少なくとも2.0MPa;100以下、50以下、10以下、または5MPa以下である。
【0086】
本発明の2以上の硬化した木材粒子を互いに接着することも本発明の範囲内に含まれる。本発明の官能成分は、複合体間接着を達成するための接着剤として使用できるか、または任意の他の好適な接着剤を使用できる。典型的には、本発明の硬化した木材粒子複合体パネルがこのようにして接着される場合、積層品が形成される。本発明の硬化した木材粒子複合体はさらに、他の基体とも有用に接着することができる。これらの他の基体としては、これに限定されないが:プラスチック、金属化プラスチック、ガラス繊維、ガラス、金属、天然の木(すなわち、木材粒子複合体でない)、本発明のマイケル反応混合物以外の物質を用いて内部で接着された木材粒子複合体が挙げられ、そのいずれかは任意に滑らかな、または構造化された表面を有する。
【0087】
本発明の実施において、複数のフィラー粒子も反応性木材粒子ブレンド中に含めることができる。フィラー粒子の例としては、これに限定されないが:シリカ、ガラス、例えば、ガラス粉末、ガラスビーズ、およびガラス繊維;バージプラスチックおよびリサイクルプラスチック;炭素繊維;およびゴムが挙げられる。さらに、例えば、有機および無機木材保存料、有機および無機殺虫剤、ならびに有機および無機難燃剤などのアジュバントを反応性木材粒子ブレンド、したがって、本発明の硬化性および硬化した木材粒子複合体中に組み入れることができる。
【0088】
硬化プロセスは、圧縮成形に関して記載されているが、実施者は、反応性木材粒子ブレンドを硬化性木材粒子複合体の成形する間または成形後に、マイケル成分を反応させ、所望の寸法および形状を与え、硬化した木材粒子複合体にするために適切な条件を提供する任意の硬化法が適していることを理解するであろう。実験の項に含まれる実施例はバッチプロセスに関するが、連続プロセスも本発明により想定される。木材粒子複合体の調製および硬化のための連続法の非制限的例は、反応性押出およびカレンダー加工を包含する。
【0089】
実施者は、前記の好適な方法が、実際に、本発明の硬化性木材粒子複合体の調製および硬化法の実例となり、多くの好適な方法が明確に記載された方法により示唆され、本発明の範囲および精神内に含まれることを理解するであろう。
【0090】
本発明の硬化した木材粒子複合体は、様々な物品の形態において調製することができ、その非網羅的リストは:構造用および非構造用ボード、トラス、梁および結合部、キャビネットおよびキャビネット部品、家具および家具部品、パネル用材、羽目板、棚材料、くり形、床張り材、下張り、デッキ材、カウンタートップ、外壁、包装材、および紙を包含する。
【実施例】
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を以下の実施例において詳細に記載する。表Aにおいて示される次の略号を実施例において使用する。
【0092】
【表2】


【0093】
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いた分子量測定
このGPC法は、ポリマーまたはオリゴマーである、多官能性マイケルドナーおよび多官能性マイケルアクセプターの分子量特性を決定するために適している。ゲル透過クロマトグラフィーは、サイズ排除クロマトグラフィーとも呼ばれ、そのモル量ではなく、溶液中のその流体力学的サイズに従ってポリマー鎖の分布のメンバーを実際に分離する。この系を次に既知分子量の標準で較正して、溶出時間と分子量を相関させる。GPCの技術は、Modern Size Exclusion Chromatography、W.W.Yau、J.J.Kirkland、D.D.Bly;Wiley−Interscience、1979、およびA Guide to Materials Characterizatino and Chemical Analysis、J.P.Sibilia;VCH、1988、p81−84において詳細に記載されている。
【0094】
例えば、低分子量サンプル(例えば、10000)についての分子量情報は、次のようにして決定することができる:サンプル(低分子量粒子を含有する水性エマルジョン)をTHF中に、THF1体積あたり約0.1重量%サンプルの濃度で溶解させ、6時間振盪し、続いて0.45μmPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)メンブランフィルターを通して濾過する。分析は、100μlの前記溶液を、順々に連結され、40℃に保持されたに3カラムに注入することにより行われる。3つのカラムは:PL Gel5 100、PL Gel 5 1000 PL Gel 5 10000のそれぞれであり、全てPolymer Labs,Amherst,Massachusettsから入手可能である。使用される移動相は、1ml/分で流動するTHFである。検出は、示差屈折率による。系を狭いポリスチレン標準で修正する。サンプルについてのPMMA−等モル量は、Mark−Houwink相関により、ポリスチレン標準については、K=14.1×10−3ml/gおよびa=0.70、サンプルについては、K=10.4×10ml/gおよびa=0.697を用いて計算される。
【0095】
複数の木材粒子の特性化
複数の未処理木材粒子(すなわち、マイケル官能成分でまだ処理されていない)は広範囲の木材組成および粒子サイズ分布(すなわち、メッシュサイズ)にわたって商業的に入手可能である。本発明の方法において、広範囲におよぶ組成タイプおよびサイズの複数の木材粒子を使用できる。次の実施例において、3つの異なる種類の複数の木材粒子(すなわち、以下に記載されるタイプ1、タイプ2、およびタイプ3)が、硬化性および硬化した木材粒子複合体の形成において利用される。
【0096】
タイプ1 複数の木材粒子
混合硬材から調製されるこれらの複数の木材粒子は、Forintek Canada Corp.(319 rue Franquet,Quebec,QC,Canada G1P 4R4)から入手した。これらの粒子は、パーティクルボードを製造するために用いられる木材粒子の典型である。篩別により、タイプ1の複数の木材粒子のおよその重量パーセント分布(wt%)は次のとおりである:8wt%1400μm以上、80wt%300μm以上および1400μm以下、4wt%200μ以上、300μm以下、3wt%200μ以上100μm以上、200μm以下、約2%微粒子(100μm以下)。顕微鏡画像分析により、粒子の平均アスペクト比は2から3の範囲内であり、平均直径は700〜1500ミクロンの範囲内であることが明らかになった。「平均直径」なる用語は、最長軸(長さ)および2番目に長い軸を含む粒子の面に適用される。粒子の大部分はプレート状であり;従って、第三の寸法(厚さ)は最小であり、幅と実質的に異なる可能性が高い。ウッドチップの水分量は、これらを105℃で一定重量まで加熱することにより測定した。水分量は4〜6%の範囲であった。
【0097】
顕微鏡画像分析は、木材粒子をMicrotek8700フラットベッドスキャナー上で、側面の長さが約5センチメートルの正方形である部分上に広げることから行われた。粒子をプローブで広げて、微粒子よりも大きな粒子のほとんどが分離され、互いに接触しないようにした。グレースケールスキャンを1200dpiで行った。粒子測定値を見出すために、Media Cyberneticsから入手したImage−Pro Plus画像分析ソフトウェアを用いた。3×3ピクセルメジアンフィルターを適用して、粒子を選択するための閾値化前に画像中のノイズを減少させた。自動カウント/サイズルーチンを実施して、粒子測定値を見出した。見出された重要な測定値は、アスペクト比および平均直径であった。Image−Pro Plusマニュアルは、アスペクト比を「物体に等しい楕円形(同じ面積、一次および二次モーメントを有する楕円)の主軸と短軸間」の比として記載している。平均直径の定義は、「2つの輪郭点をつなぎ、中心を通る、2度間隔で測定された直径の平均長さ」である。
【0098】
タイプ2 複数の木材粒子
混合硬材から製造された、これらの複数の木材粒子(製品コードAWF2037)は、American Wood Fibers(100 Alderson Street,Schofield,WI54476)から入手した。複数の木材粒子は、ある範囲のサイズおよび形状を示す。篩別により、タイプ2の複数の木材粒子のおよその重量パーセント(wt%)分布は次のとおりであった:10wt%200μ以上850μm以上、60wt%425μm以上、850μm以下、20wt%250μm以上、425μm以下、および約10wt%微粒子(75μm以下)。ウッドチップの水分量は4〜8%であった。
【0099】
タイプ3 複数の木材粒子
混合硬材から製造された、これらの複数の木材粒子はForintek Canada Corp.から入手した。これらの粒子は、配向性ストランドボード(OSB)を調製するために使用される木材ストランドの典型である。複数の木材粒子は、ある範囲のサイズおよび形状を示す。顕微鏡画像分析により、粒子の平均アスペクト比が4〜5の範囲内であり、平均直径が1500〜2500ミクロンの範囲内であることが明らかになった。「平均直径」なる用語は、前記と同じ意味を有する。ウッドチップの水分量は、これらを105℃で一定体積まで加熱することにより測定した。水分量は4〜6%の範囲であった。
【0100】
硬化した複合体の試験法。密度の測定:
各パネル(硬化した複合体)のその4辺のそれぞれに関して、カリパスを用いて0.01mmの最小単位まで2回測定した。各パネルを実験室用天秤で最小単位0.01グラムまで測定した。密度をパネルの体積および重量から計算した。さらに、3つの3.81cm×3.81cm片を各パネルから切り出した。これらの3.81cm×3.81cm片のそれぞれの厚さを4片のそれぞれに関して1回、カリパスを用いて最小単位0.01mmまで測定した。各3.81cm×3.81cm片を最小単位0.01グラムまで実験室用天秤で秤量した。使用された物質の重量およびパネルの厚さを調節することにより密度を目標とした。ほとんどの実験調製物は0.75g/ccのパネル密度を目標とした。
【0101】
耐水性の測定
浸水試験(ASTM D1037−99 100−107項、方法Bに記載)を用いて、パネル(硬化複合体)の耐水性を測定した。3つの3.81cm×3.81cm試験片をパネルから帯のこを用いて切り出した。各試験片の重量を最小単位0.01gまで測定し、厚さを0.01mmまで測定した。4つの厚さ測定値の平均を使用した。試験片をDI水を含むトラフに入れ、スクリーンボックスで覆って、これらを水中に浸した。浸漬の24時間後に、試験片を再秤量し、その厚さを再測定した。膨潤後の試験片の平均厚さをその膨潤前の平均厚さで割り、次に1を引いて、100%かけることにより、「厚さ膨潤率」を測定した。最高100%までの厚さ膨潤値は「良好」と見なされ;50%溶液より低い値は「優秀」と見なされ;10%より低い値は「非常に優秀」と見なされる。
【0102】
柔軟性の測定:
ASTM D 1037−99 11−20項について記載されるような弾性率(MoE)および破壊応力(MoR)の測定を、ASTM D1037において特製される3点曲げ装置を備えたTinius Olsen引っ張り試験機で、10.16cmのスパンを用い、0.635cm/分のクロスヘッド速度で行った。少なくとも2重複試験を各サンプルについて実施し、MPaの平均を記録した。MoEについて、1034MPa(150000psi)を超える値を「良好」と見なし、1724MPa(250000psi)を超える値を「優秀」と見なし、2413MPa(350000psi)を超える値を「非常に優秀」と見なす。MoRについて、4.14MPa(600psi)を超える値を良好と見なし;6.89MPa(1000psi)を超える値を優秀と見なし;10.34MPa(1500psi)を超える値を非常に優秀と見なす。
【0103】
〔実施例1−13〕
反応性木材粒子ブレンドの調製
1.3gのTMP(AcAc)および1.9gのTMPTAを予備混合して、ドナー/アクセプター混合物(多官能性マイケルドナーおよび多官能性マイケルアクセプター)を形成した。このドナー/アクセプター混合物は室温で数週間安定であった。表1に表示されるような25%水性KCOの量を、ドナー/アクセプター混合物に添加し、約10秒間激しく混合して、ドナー/アクセプター/弱塩基混合物を第一(および唯一の)木材粒子成分として形成した。この第一官能成分を次に107.4gのタイプ1と表示される複数の木材粒子に添加し、約1分間振盪して、複数の第一反応性木材粒子(この場合、反応性木材ブレンドも)形成した。反応性木材ブレンド(すなわち、複数の第一反応性木材粒子)をジャーローラー(US Stoneware Jar Mill Model755)に約15分間、最大速度の約75%で1.92リットルガラスジャー中に入れた。結果として得られた反応性木材ブレンドを使用前に表1に表示される時間貯蔵した。
【0104】
パネル調製
反応性木材ブレンドを、15.24cm×15.24cmカットアウトを有するアルミニウムブロック(すなわち、ブロック全体にわたって全方向に広がる開口部)からなる型中に入れる。第一ブロックの15.24cm×15.24cmの開口部と適合する寸法を有する別の15.24cm×15.24cmアルミニウムブロックをカットアウトブロックの上部に置いて、硬化性木材粒子複合体を形成する。第一ブロックを、38cm×83cm×0.10cmの寸法を有し、それ自体38cm×38cm×0.64cmの寸法を有するステンレス鋼プレート上に置かれたクロムメッキしたステンレス鋼プレート上に置いた。秤量された反応性木材粒子ブレンドを第一ブロックの開口部内に置き、プラスチックレベリングブレードでならした。第二ブロックを第一ブロック中の開口部上に置き、38cm×38cm×0.64cmの寸法を有する第二ステンレス鋼プレートを上部に置いた。硬化性木材粒子複合体を含有するプレートおよびブロック(すなわち、型)の集合を次にプレス(Reliable Rubber and Plastics Machine Companyから入手)のプラテン間に設置し、約2.76MPa(400psi)、約160℃のプラテン温度で表1において表示された時間プレスした(注:硬化性木材粒子複合体が140℃の温度に達するのに約3分かかった。表1に表示された時間はヒートアップ時間を含む全時間である)。物質を次に2.76MPa(400psi)で約50℃まで冷却した。次に、硬化した木材粒子複合体をパネルの形態において型から取り出した。これらの硬化した木材粒子複合体は、15.24cm×15.24cm×0.64cmの寸法を有する空洞を有する型の表面から容易にはずれた。
【0105】
パネル(実施例1−12)の試験
硬化した木材粒子複合体パネルを帯のこで切り出し、15.24cm×15.24cm×0.64cmの寸法を有する少なくとも2片および3.81cm×3.81cm×0.64cmの寸法を有する少なくとも3片を得た。前記の試験法を用いて、以下の値を得た:
【0106】
【表3】


【0107】
これらの実施例は、優れた硬度および耐水性(低い厚さ膨潤率)は、炭素−マイケル化学反応を用いて、硬化性木材粒子複合体で調製されたパーティクルボードから達成できることを示す。実施例はさらに:反応性木材ブレンドは2週間にわたって貯蔵することができ、依然として許容できるパーティクルボードを製造でき;プロセスは広範囲に及ぶベーク時間およびプラテン温度にわたって完全に強固であり;パネルは熱いかまたは冷たいかのいずれかで型からはずすことができ;触媒の種類および量は硬化した木材粒子複合体パネルに影響を及ぼすが、広範囲にわたって許容できる値をもたらすことも示す。
【0108】
〔比較例1−4および実施例14−15〕
次の実施例は、表2に示すように、多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒の群の1つのメンバーが複数の第一反応性木材粒子の調製物中に含まれない(この場合、複数の第一反応性木材粒子は、反応性木材粒子ブレンドでもある)以外は、実施例2においてと同様に行った。使用した炭素−マイケル成分の量を表2に表示する。表2における全ての実施例について、使用した木材粒子の量は、188.0g、ベーク時間は8分、貯蔵時間は4時間であった。加えて、最終パネル厚さが1.11cm」になるように異なる型を使用した。
【0109】
【表4】


【0110】
これらの実施例は、多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒が、パーティクルボードパネルにおいて良好な熱硬化および最適の特性を得るために必要であることを示す。多官能性マイケルアクセプターまたは多官能性マイケル触媒が存在しない場合、結果は完全に許容できない。ドナーが存在しない場合、若干の硬化がアクセプターにおいて以前といして起こり得るが、これは、半分の量であっても存在する3つの成分全てに関して起こる硬化よりも劣る。良好な結果は、マイケル成分が存在する場合、さらに厚いボードにおいても観察されることに注意すべきである。
【0111】
〔実施例16−22〕
複数の反応性木材粒子、硬化性木材粒子複合体、および硬化した木材粒子複合体の調製
次の実施例は、マイケルアクセプター対ドナー反応性当量比および量を表3において表示するように替える以外は、実施例2の方法により行った。実施例16−22のそれぞれにおいて使用した25wt%水性KCOの量は25.8グラムであった。(注:実施例1〜15のマイケルドナー対アクセプター反応性当量比は0.9:1であり、ドナー+アクセプターの量は複数の木材粒子の重量基準で3%であった。表3における全ての実施例について、多官能性マイケルドナーはG(AcAc)であり、多官能性アクセプターはTMPTAAであり、使用した木材粒子の量は107.3gであり、ベーク時間は8分であり、貯蔵時間は4時間であり、パネル厚さは0.64cmであった。
【0112】
【表5】


【0113】
これらの実施例は、良好な性能特性を有する、硬化した木材粒子複合体パネル(すなわち、パーティクルボード)は、広範囲に及ぶ多官能性マイケルドナー対多官能性マイケルアクセプター比にわたって、また広範囲の合計ドナー/アクセプター装填量にわたって得ることができる。
【0114】
〔実施例23−26〕
次の実施例は、マイケルドナーおよびアクセプター量が、木材/プラスチック複合体を実質的にシミュレートするために増加させ、表4に表示されるように変更される以外は、実施例1〜13と同様にして行った。表4における実施例の全てについて、ドナーはTMP(AcAC)であり、アクセプターはTMPTAAであり、ベーク時間は8分であり、貯蔵時間は4時間であり、パネル厚さは0.635cmであった。
【0115】
【表6】


【0116】
これらの実施例は、良好な特性を有するパネルは、広範囲の密度にわたって木材/プラスチック複合体を形成するために有用な条件および組成下でさえも得られることを示す。
【0117】
〔実施例27−29〕
複数の第二反応性木材粒子の調製
1.3gのTMP(AcAc)および1.9gのTMPTAを予備混合する。25.8gの25%水性KCOの量を、この混合物に添加し、約10秒間激しく混合し、次に全混合物を107.4gの前記のタイプ2と表示される複数の木材粒子に1分間添加して、複数の第二反応性木材粒子を形成する。全混合物をジャーローラー(US Stoneware Jar Mill Model755)上に約15分間、最大速度の約75%で1.92リットルガラスジャー中に入れる。別の容器注で、表5において表示されるような複数の反応性木材粒子および複数の第二反応性木材粒子をブレンドし、ジャーローラー上でさらに15分間置き、これにより、反応性木材粒子ブレンドを製造し、これは反応性木材粒子の2つの集団を含む。
【0118】
硬化性木材粒子複合体の調製および硬化した木材粒子複合体を形成するための硬化
反応性木材粒子ブレンドを、15.24cm×15.24cmカットアウトを有するアルミニウムブロック(すなわち、ブロック全体にわたって全方向に広がる開口部)からなる型中に入れる。第一ブロックの15.24cm×15.24cmの開口部と適合する寸法を有する別の15.24cm×15.24cmアルミニウムブロックをカットアウトブロックの上部に置いて、硬化性木材粒子複合体を形成する。第一ブロックを、38cm×83cm×0.10cmの寸法を有し、それ自体38cm×38cm×0.64cmの寸法を有するステンレス鋼プレート上に置かれたクロムメッキしたステンレス鋼プレート上に置く。秤量された反応性木材粒子ブレンドを第一ブロックの開口部内に置き、プラスチックレベリングブレードでならす。第二ブロックを第一ブロック中の開口部上に置き、38cm×38cm×0.64cmの寸法を有する第二ステンレス鋼プレートを上部に置く。硬化性木材粒子複合体を含有するプレートおよびブロック(すなわち、型)の集合を次にプレス(Reliable Rubber and Plastics Machine Companyから入手)のプラテン間に設置し、約2.76MPa(400psi)、約160℃のプラテン温度で8分間プレスする。物質を次に50℃に冷却し、型から取り出す。それぞれの結果として得られる硬化した木材粒子複合体は15.24cm×15.24cm×0.64cmの寸法を有するハードパネルである。パネルを帯のこで切断し、15.24cm×2.54cm×0.64cmの寸法の少なくとも2片および3.81cm×3.81cm×0.64cmの寸法の3片を得る。前述の試験法を用いて、表5の値が観察される。
【0119】
【表7】


【0120】
表5の実施例の性能特性は、複数の反応性木材粒子の2つの集団であって、異なる粒子サイズの木材から調製されたものをブレンドして、得られる硬化した木材粒子服装パネルの強度を向上させることができる反応性木材粒子ブレンドを形成できることを示す。
【0121】
〔実施例30−35〕
追加の複数の反応性木材粒子の調製および使用
表6に記載される1または2の炭素−マイケル成分のいずれかを含有する官能成分を前記のタイプ3として表示されるを複数の木材粒子に添加し、約1分間振盪する。全混合物をジャーローラー上(US Stoneware Jar Mill Modesl755)上に約15分間、1.92リットルガラスジャー中、最大速度の約75%で置く。
【0122】
【表8】


【0123】
硬化性木材粒子複合体の調製および硬化した木材粒子複合体を形成するための硬化
別の容器中で、表7に表示される複数の反応性木材粒子(PRWP)の量をブレンドし、ジャーローラー上にさらに15分間置く。このようにして形成された反応性木材粒子ブレンドを、15.24cm×15.24cmカットアウトを有するアルミニウムブロック(すなわち、ブロック全体にわたって全方向に広がる開口部)からなる型中に入れる。第一ブロックの15.24cm×15.24cmの開口部と適合する寸法を有する別の15.24cm×15.24cmアルミニウムブロックをカットアウトブロックの上部に置いて、硬化性木材粒子複合体を形成する。第一ブロックを、38cm×83cm×0.10cmの寸法を有し、それ自体38cm×38cm×0.64cmの寸法を有するステンレス鋼プレート上に置かれたクロムメッキしたステンレス鋼プレート上に置く。秤量された反応性木材粒子ブレンドを第一ブロックの開口部内に置き、プラスチックレベリングブレードでならす。第二ブロックを第一ブロック中の開口部上に置き、38cm×38cm×0.64cmの寸法を有する第二ステンレス鋼プレートを上部に置く。硬化性木材粒子複合体を含有するプレートおよびブロック(すなわち、型)の集合を次にプレス(Reliable Rubber and Plastics Machine Companyから入手)のプラテン間に設置し、約2.76MPa(400psi)、約160℃のプラテン温度で8分間プレスする。物質を次に50℃に冷却し、型から取り出す。それぞれの結果として得られる硬化した木材粒子複合体は15.24cm×15.24cm×0.64cmの寸法を有するハードパネルである。パネルを帯のこで切断し、15.24cm×2.54cm×0.64cmの寸法の少なくとも2片および3.81cm×3.81cm×0.64cmの寸法の3片を得る。前述の試験法を用いて、表7の値が観察される。
【0124】
【表9】


【0125】
これらの実施例は、異なる炭素−マイケル成分を用いて調製された複数の反応性木材粒子の集団のブレンドは、多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、および弱塩基触媒のそれぞれからの少なくとも1つの炭素−マイケル成分が存在するならば、良好な特性を有するパネルを製造することが予想される。この群の少なくとも1つのメンバーが存在しない場合、結果として得られる硬化した木材粒子複合パネルは不十分な特性を示す。
【0126】
〔実施例36−43〕
交互マイケルアクセプターおよび弱塩基触媒を使用した、複数の反応性木材粒子、硬化性木材粒子複合体、および硬化した木材粒子複合体の調製
次の実施例は、マイケルアクセプター、弱塩基触媒として使用する化合物を表8に表示するように替える以外は、実施例2と同様にして行う。これらの実施例について、マイケルアクセプター対ドナー反応性当量比は0.9:1であり、ドナー+アクセプターのレベルは、実施例2において使用される反応性当量比である。表8のける全ての実施例について、使用される複数の木材粒子はタイプ1であり、ドナーはG(AcAc)であり、使用される複数の木材粒子の量は107.3gであり、触媒量は実施例2におけるものに対する当量(モル)(注:NaPOについて、HPOの第三水素イオン解離のpKaは3より低いので、1モルあたりの当量は2であると考えられる。)であり、ベーク時間は8分であり、貯蔵時間は4時間であり、パネル厚さは0.64cmである。触媒を、水のレベルが実施例2におけるものと同じであるようにその濃度が調節された溶液中に供給する。実施例36−43について観察される性能結果を表8に記載する。
【0127】
【表10】


【0128】
これらの実施例は、弱塩基触媒の全てが反応について利用可能であるならば、異なる弱塩基触媒を用いて調製されたパネルが良好な特性を有するパネルを製造することが予想されることを示す。CaCOの場合において、限定された溶解度は、減少した耐水性をもたらす。しかしながら、この効果は、使用される固体物質の粒子サイズに依存すると予想され、さらに小さな粒子サイズに粉砕することにより軽減することができる。パネルを調製するために異なるCMアクセプターが使用される場合、パネルは実施例2のものと類似の特性を有することが予想される。しかしながら、官能基および骨格構造はパネル特性にある影響を及ぼすことが予想される。より低い官能性およびより長い鎖長を有するアクセプターは、より高い柔軟性をもたらし、ある程度低い強度および不十分な耐水性を伴うことが予想される。
【出願人】 【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【出願日】 平成20年4月7日(2008.4.7)
【代理人】 【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−279760(P2008−279760A)
【公開日】 平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願番号】 特願2008−99126(P2008−99126)