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木材防腐剤組成物 - 特開2008−265264 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 木材防腐剤組成物
【発明者】 【氏名】篠田 克己

【氏名】中村 大介

【氏名】冨本 絵美

【要約】 【課題】本発明の課題は、木材を防腐処理する際の泡立ちや泡かみが少なく、金属腐食性が少なく、かつ、防腐効果の耐水持続性に優れた、第4級アンモニウム塩型の木材防腐剤組成物、並びに防蟻剤を含有する木材防腐防蟻剤組成物を提供することにある。

【解決手段】第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A)および30℃での水への溶解度が1g以下/水100gである数平均分子量150〜4,000のポリオール(B)を含有し、重量比(B)/(A)が0.01〜1である水溶性もしくは水分散性の木材防腐剤組成物、並びにさらに防腐防蟻剤を含有する木材防腐防蟻剤組成物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A)および30℃での水への溶解度が1g以下/水100gである数平均分子量150〜4,000のポリオール(B)を含有し、重量比(B)/(A)が0.01〜1である水溶性もしくは水分散性の木材防腐剤組成物。
【化1】


(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一もしくは異なる炭素数1〜24のアルキル基
または炭素数2〜24のアルケニル基;R4は炭素数6〜24のアルキル基もしくはアル
ケニル基または炭素数7〜24のアリールアルキル基もしくはアリールアルケニル基;fは1〜10の整数、Xf-はf価の対イオンであり、ハロゲンイオン、ヒドロキシイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸エステルイオン、リン酸エステルイオンおよび超強酸イオンからなる群から選ばれる1種以上である。)
【請求項2】
一般式(1)におけるXf-が、脂肪族2価カルボン酸イオンである請求項1記載の木材防腐剤組成物。
【請求項3】
ポリオール(B)が、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールである請求項1または2記載の木材防腐剤組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか記載の木材防腐剤組成物に、さらに防腐防蟻剤(C)を含有してなる木材防腐防蟻剤組成物。
【請求項5】
防腐防蟻剤(C)が、有機リン化合物、ピレスロイド化合物、カーバメイト化合物、トリアゾール化合物、ナフタリン化合物、タール化合物、塩素化ジアルキルエーテル化合物、クロルニコチニル化合物、有機ヨード化合物、ヒドロキシルアミン化合物、アニリド化合物、ハロアルキルチオ化合物およびニトリル化合物から選ばれた防腐防蟻剤の少なくとも1種である請求項4記載の木材用防腐防蟻剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の木材防腐剤組成物または木材防腐防蟻剤組成物を含有させてなる木材または木質系装材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は木材用防腐剤組成物および木材防腐防蟻剤組成物に関する。さらに詳しくは、第4級アンモニウム塩を含む木材用防腐剤組成物および木材防腐防蟻剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、木材防腐剤組成物としては銅−クロム−ヒ素剤(CCA剤)、ナフテン酸銅(特許文献1)有機ヨード系防腐剤(4−クロルフェニル−3−ヨードプロパギルフォルマール、3−ヨード−2−プロペニルブチルカーバメートなど)、有機窒素硫黄系防腐剤(ベンゾチアゾール、2,4−チアゾリルベンズイミダゾールなど)(特許文献2)第4級アンモニウム塩(ジデシルジメチルアンモニウムクロライドなど)(特許文献3)などを主成分としたものが使用されている。また、木材に防腐剤組成物を含有させる方法としては、加圧注入法、浸せき法、塗布法などが知られている。
しかしながら、CCA剤、ナフテン酸銅は重金属を含んでいるため環境を汚染し、人畜に対する安全性に問題がある。有機ヨード系防腐剤、有機窒素硫黄系防腐剤は防腐処理浴がアルカリ性になると分解して防腐性が低下する問題があり、また、分解の際アルデヒドが発生するため安全性にも問題がある。
第4級アンモニウム塩は安全性は高いが、以下のような問題点があった。
(i)防腐処理する際、泡立ちが激しく防腐処理に時間がかかるのみならず、泡かみのために所定量の防腐処理がされないことがある。
(ii)対イオンがハロゲンの場合は、木材防腐処理用設備(加圧注入釜など)を錆びさせることがある。(特許文献4)
(iii)第4級アンモニウム塩は、比較的水に溶けやすいので、防腐処理された木材が水に浸かったり、雨水にさらされたりすると、その後の防腐効果、いわゆる防腐効果の耐水持続性が大きく低下し易い。
【特許文献1】特開2005−254598号公報
【特許文献2】特開平08−039514号公報
【特許文献3】特開平11−322507号公報
【特許文献4】特開平05−085905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、木材を防腐処理する際の泡立ちや泡かみが少なく、対イオンがハロゲンであっても金属腐食性が少なく、かつ、防腐効果の耐水持続性に優れた、第4級アンモニウム塩型の木材防腐剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A)および30℃での水への溶解度が1g以下/水100gである数平均分子量150〜4,000のポリオール(B)を含有し、重量比(B)/(A)が0.01〜1である水溶性もしくは水分散性の木材防腐剤組成物;該木材防腐剤組成物に、さらに防腐防蟻剤(C)を含有してなる木材防腐防蟻剤組成物;並びに該木材防腐剤組成物または木材防腐防蟻剤組成物を含有させてなる木材または木質系装材;である。
【0005】
【化2】


【0006】
式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一もしくは異なる炭素数1〜24のアルキル基または炭素数2〜24のアルケニル基;R4は炭素数6〜24のアルキル基もしくはアルケニル基または炭素数7〜24のアリールアルキル基もしくはアリールアルケニル基;fは1〜10の整数、Xf-はf価の対イオンであり、ハロゲンイオン、ヒドロキシイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸エステルイオン、リン酸エステルイオンおよび超強酸イオンからなる群から選ばれる1種以上である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の木材防腐剤組成物は、泡立ちが少なく、かつ泡切れがよく、金属腐食性が改善され、しかも処理された木材の防腐効果は耐水持続性に優れているという効果を奏する。また、本発明の木材防腐防蟻剤組成物は、従来の防蟻剤のみからなる防蟻剤組成物に比べて防蟻効果がさらに優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の木材防腐剤組成物は特定の界面活性剤と特定のポリオールを特定の割合で含有することにより、界面活性剤が単独もしくは他のポリオールと組み合わされた場合に比較して、界面活性剤とポリオールが相乗的に作用して、上記のような効果を奏する。
本発明における第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(A)(以下において、単に(A)と表記する場合がある)は、一般式(1)で示される。
一般式(1)中、R1、R2およびR3は炭素数1〜24、好ましくは炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数2〜24、好ましくは炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐のアルケニル基である。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基およびステアリル基など、アルケニル基としてはアリル基、メタリル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基およびオレイル基などが挙げられる。
1、R2およびR3は同一でも異なっていてもよい。
1、R2およびR3のうち好ましい組み合わせは、全てが炭素数1〜2、特にメチル基である組み合わせ、並びにR1およびR2が炭素数1〜2、特にメチル基で、R3が炭素数8〜18、特に炭素数12〜16のアルキル基である組み合わせである。
【0009】
4は炭素数6〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはアルケニル基、または炭素数7〜24のアリールアルキル基もしくはアリールアルケニル基である。
炭素数6〜24のアルキル基およびアルケニル基としては前述のアルキル基およびアルケニル基のうちの炭素数6〜24のものが挙げられる。
炭素数7〜24のアリールアルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基およびフェニルブチル基などの炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニルアルキル基が挙げられる。
炭素数7〜24のアリールアルケニル基としては、フェニルエテニル基およびフェニル
プロペニル基などが挙げられる。
4のうち好ましいのはアルキル基またはアリールアルキル基であり、R1〜R3が全て炭素数1〜2の場合はR4は炭素数10〜24のアルキル基がさらに好ましく、R1およびR2が炭素数1〜2でR3が炭素数8〜18のアルキル基の場合はR4は炭素数8〜18のアルキル基およびアリールアルキル基、特にベンジル基が好ましい。
【0010】
(A)を構成する第4級アンモニウムカチオンの具体例としては、
(1)R1〜R3が全て炭素数1〜2で、R4は炭素数10〜24のアルキル基のもの;トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエチルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエチルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアンモニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウムおよびメチルジエチル−2−エチルヘキシルアンモニウムカチオン;
(2)R1およびR2が炭素数1〜2のアルキル基、R3が炭素数8〜18のアルキル基、R4がベンジル基のもの;
ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムカチオン;
(3)R1およびR2が炭素数1〜2のアルキル基、R3およびR4が炭素数8〜14のアルキル基のもの;
ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルオクチルデシルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルデシルドデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、メチルエチルジデシルアンモニウムおよびジエチルジデシルアンモニウムカチオン;
が挙げられる。
これらのうち木材防腐効果の観点から好ましいのは、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムカチオンである。
【0011】
一般式(1)におけるfは1〜10、好ましくは1〜3の整数であり、Xf-はf価の対イオンである。
f-としては、ハロゲンイオン(X-)ヒドロキシイオン(OH-)、硫酸イオン(SO42-)、リン酸イオン(PO43-)、硝酸イオン(NO3-)、カルボン酸イオン(RCOO-、−OCO−R−COO-など)、スルホン酸イオン(R−SO3-)、硫酸エステルイオン(R−SO4-)、リン酸エステルイオンおよび超強酸イオンから選ばれる1種以上が挙げられる。なお、本発明においては、硫酸イオンとして硫酸水素イオン(HSO4-)、並びにリン酸イオンとしてHPO42-およびH2PO4-も含まれる。
【0012】
カルボン酸イオンを形成するカルボン酸としては、1価または2価〜10価のカルボン酸が挙げられる。
【0013】
1価カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸およびオレイン酸等の炭素数1〜18の脂肪族1価カルボン酸、並びに安息香酸、エチル安息香酸、桂皮酸、t−ブチル安息香酸などの炭素数7〜18の芳香族1価カルボン酸が挙げられる。
【0014】
2価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸などの炭素数2〜8の脂肪族2価飽和カルボン酸、マレイン酸およびイタコン酸などの炭素数4〜18の脂肪族2価不飽和カルボン酸、並びにフタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸などの炭素数8〜20の芳香族2価カルボン酸が挙げられる。
【0015】
3価〜10価のカルボン酸としては、ブタンテトラカルボン酸などの脂肪族4価カルボン酸、トリメリット酸およびピロメリット酸などの芳香族3価もしくは4価カルボン酸が挙げられる。
【0016】
スルホン酸イオンを形成するスルホン酸としてはp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸およびp−フェノールスルホン酸などの芳香族1価スルホン酸などが挙げられる。
硫酸エステルイオンを形成する硫酸エステルとしては、メチル硫酸エステル、エチル硫酸エステル、プロピル硫酸エステル、オクチル硫酸エステル、2−エチルヘキシル硫酸エステル、デシル硫酸エステル、ドデシル硫酸エステル、テトラデシル硫酸エステル、ステアリル硫酸エステルおよびオレイル硫酸エステル等の炭素数1〜24のアルキルもしくはアルケニル硫酸エステルが挙げられる。
リン酸エステルイオンを形成するリン酸エステルとしては、オクチル燐酸エステル、2−エチルヘキシル燐酸エステル、デシル燐酸エステル、ドデシル燐酸エステル、ステアリル燐酸エステルおよびオレイル燐酸エステル等の炭素数1〜24のアルキルもしくはアルケニル燐酸エステル挙げられる。
【0017】
超強酸イオンを形成する超強酸としては、Hammettの酸度関数(H0)が100%硫酸の−11.93未満のものであり、プロトン酸、およびプロトン酸とルイス酸の組み合わせからなる酸が挙げられる。
プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸(H0=−14.10)、ペンタフルオロエタンスルホン酸(H0=−14.00)などが挙げられる。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素および五フッ化タウリンなどが挙げられる。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素および六フッ化タウリンなどが挙げられる。
上記の超強酸のうち、木材防腐効果の持続性の観点から好ましいのはHammettの酸度関数(H0)が−12.00以下のもの(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素および六フッ化タウリンなど)である。
【0018】
なお、f価の対イオンには、f価の酸のf価のイオン、およびf価より高い[(f+α)価の]酸のf価の対イオン(部分塩)が含まれる。例えば、酸が多価塩基酸(炭素数2〜18のシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸などの2塩基酸など)の場合、(A1)にはモノ塩および多価塩が含まれる。
【0019】
f価の対イオンのうち好ましいのは、金属腐食性の観点から好ましいのは、カルボン酸イオンおよび超強酸イオンであり、カルボン酸イオンのうち、さらに好ましいのは2〜10価のカルボン酸イオン、特に好ましいのは脂肪族2価カルボン酸イオン、とりわけアジピン酸イオンである。
【0020】
第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A)のうち、木材防腐効果の持続性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムカチオンから選ばれる1種以上、並びにアジピン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素および六フッ化タウリンから選ばれる1種以上の酸のアニオン、から形成される第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤、並びにこれらの併用である。
【0021】
本発明に用いられる、30℃での水への溶解度が1g以下/水100gである数平均分子量150〜4,000のポリオール(B)(以下において、単に(B)と略記する場合がある)としては、1分子中に2個以上の水酸基を有し、上記の溶解度と数平均分子量を満たす化合物であれば特に限定されない。
【0022】
(B)のうち、泡立ちの少なさ、泡切れのよさ、および(A)と組み合わせた場合の木材防腐効果の耐水持続性の向上という観点から、好ましいのは30℃での水への溶解度が0.8g以下/水100g、さらに好ましいのは0.3g以下/水100g、特に0.01g以下/水100gであるポリオールである。なお、本発明における30℃での水への溶解度は、30℃のイオン交換水100gに試料が完全透明に溶解するg数である。
【0023】
(B)のうち、(A)との混和性、泡立ちの少なさ、泡切れのよさ、(A)と組み合わせた場合の木材防腐効果の耐水持続性の向上という観点から、(B)の数平均分子量(以下において、Mnと略記する)は、好ましくは200〜4,000、さらに好ましくは400〜4,000、特に1,000〜4,000である。
Mnが4,000を超えると(A)との混和性が不十分であり、木材防腐剤組成物としての保存安定性に欠け、経時的に分離が起こりやすい。
また、Mnが150未満であると、木材防腐効果の耐水持続性に欠ける。
なお、本発明における(B)の数平均分子量は(B)の水酸基価から計算される分子量であって、水酸基価はJIS K0070の方法によって測定できる。
【0024】
(B)としては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールひまし油およびアルカンポリオールなどがあげられる。
これらのうち、好ましいのはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびこれらの併用であり、これらは(A)と共存することによって木材防腐効果の耐水持続性向上と、第4級アンモニウム塩の対イオンがハロゲンである場合の金属腐食性の低減効果が特に効果的に発揮できる。
【0025】
ポリエーテルポリオールとしては、2個以上の活性水素原子含有化合物のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
2個以上の活性水素原子含有化合物としては、多価アルコール、多価フェノール、アミンおよびポリカルボン酸等が挙げられる。
【0026】
多価アルコールとしては、2価アルコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールおよびネオペンチルグリコール等];炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);並びに、炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどの、アルカンポリオールもしくはアルカントリオールの分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フルク
トース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)が挙げられる。
【0027】
多価フェノールとしては、単環多価フェノール(06〜20 例えばビロガロール、ハイドロキノンおよびフロログリシン)および多環多価フェノール(C12〜40 [例えばビスフェノールAおよびビスフェノールS)、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合
物(ノボラック)およびポリフェノール]が挙げられる。
【0028】
アミンとしては、アンモニア;アルカノールアミン(モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアミン、イソプロパノールアミンおよびアミノエチルエタノールアミン等);炭素数1〜20のアルキルアミン(トリメチルアミンおよびトリエチルアミン等);炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン等);ポリアルキレンポリアミン(ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン等);芳香族アミン(アニリン、フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、キシリレンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン等);脂環式アミン(イソホロンジアミンおよびシクロヘキシレンジアミン等);アミノエチルピペラジン並びに特公昭55−21044号公報記載の複素環式アミンが挙げられる。
【0029】
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸およびフマル酸等);炭素数8〜24の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸およびトリメリト酸等)が挙げられる。
【0030】
付加されるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−、1,4−、2,3−ブチレンオキサイド等およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものは、POおよびPOとEOの併用(EO含量が25%以下)であり、併用の場合の付加形式はブロックもしくはランダムいずれでもよい。
【0031】
ポリエーテルポリオールの製造は、触媒の存在下もしくは非存在下に、上記の2個以上の活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを開環付加することによって得られる。触媒としては公知のアルカリ性触媒(水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムなど)および酸触媒(BF3など)が使用でき、反応温度は付加されるアルキレンオキサイドの種類によって異なるが通常50〜180℃である。
【0032】
ポリエーテルポリオールにおいて、30℃での水への溶解度が1g以下/水100gであるポリエーテルポリオールを製造するためには、疎水性の強いアルキレンオキサイド(例えば、ブチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドなど)の割合を多くする、および/またはMnを大きくする等の方策を講じることが好ましい。
【0033】
本発明におけるポリエーテルポリオールの具体例としては、1,2−プロピレングリコールのPO17モル付加物(Mn=1,000:30℃での水への溶解度=0.01g以下/水100g)、1,2−プロピレングリコールのPO34モル付加物(Mn=2,000:30℃での水への溶解度=0.01g以下/水100g)、エチレングリコールのPO30モルとEO5モルのランダム付加物(Mn=2,000:30℃での水への溶解度=1.0g/水100g)、エチレングリコールのPO20モルとBO1モルのランダム付加物(Mn=1,200:30℃での水への溶解度=0.01g以下/水100g)、
1,4−ブチレングリコールのBO16モル付加物(Mn=1,000:30℃での水への溶解度=0.01g以下/水100g)、などが挙げられる。
【0034】
(B)のうちのポリエステルポリオールとしては、多価アルコール(前記の2価アルコ
ールおよび/または3価アルコール等)と前記のポリカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオール、ラクトン(ε−カプロラクタム等)の開環重合により得られるポリエステルポリオールおよびポリエステル成形品をグリコール分解して得られる回収ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0035】
縮合ポリエステルポリオールの製造に使用される多価アルコールのうち好ましいのは2価アルコールおよび3価アルコールであり、ポリカルボン酸のうち好ましいのはグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸およびセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸並びにフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
縮合ポリエステルポリオールにおいて、30℃での水への溶解度が1g以下/水100gである縮合ポリエステルポリオールを製造するためには、疎水性の強い多価アルコール(例えば、1,6−ヘキサンジオールなど)および/または疎水性の強いポリカルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸およびドデカン二酸など)の割合を多くするという方策、さらにはMnを大きくするなどの方策を講じることが好ましい。
縮合ポリエステルポリオールの具体例としては、ネオペンチルグリコール/アジピン酸縮合物(Mn=1,000;30℃での水への溶解度=0.01g以下/水100g)、1,6ーヘキサンジオール/ドデカン二酸(Mn=2,500;30℃での水への溶解度=0.01g以下/水100g)などが挙げられる。
【0036】
ラクトンの開環重合により得られるポリエステルポリオールの具体例としては、カプロラクトンモノマーの開環重合により得られるポリカプロラクトンポリオール(Mn=512;30℃での水への溶解度=0.2g/水100g)などが挙げられる。
【0037】
ポリオール(B)のうちのひまし油は30℃での水への溶解度が0.01g以下/水100gである。
【0038】
(B)のうちのアルカンポリオールとしては、炭素数12〜32の2〜8価のポリオール、例えば1,2−ドデカンジオールなどが挙げられる。
【0039】
本発明の木材防腐剤組成物は、通常、(A)と、(B)のみからなる混合物、またはさらに水を含有する水溶液もしくは水分散液である。
本発明の木材防腐剤組成物における、(A)に対する(B)の重量比、即ち、重量比(B)/(A)は、通常0.01〜1である。(B)/(A)が1を超えると、木材防腐剤組成物が水溶液または水分散液である場合の外観の経時安定性が悪くなり、分離し易くなる。また、(B)/(A)が0.01未満であると、(B)を含有する効果がほとんど発揮できない。
本発明の木材防腐剤組成物が、さらに水を含有する水溶液もしくは水分散液である場合の(A)と(B)の合計の含有量は、木材防腐剤組成物の重量に基づいて、通常0.5重量%以上、好ましくは1〜60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。
【0040】
本発明の木材防腐剤組成物[(A)および(B)からなる、もしくは、さらに水を含有する組成物]は、水溶性または水分散性であり、水に均一透明に溶解させることができるか、または水に安定に分散した分散液状にすることができる。
【0041】
本発明の木材防腐剤組成物は(A)および(B)以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに他の成分を含有してもよい。
他の成分としては、(A)以外の他の界面活性剤および従来から公知の木材防腐剤組成物が挙げられる。
他の界面活性剤としては、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および(A)以外のカチオン性界面活性剤が挙げられる。これらは単独もしくは2種
以上の混合物となっていてもよい。
【0042】
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[高級アルキルアミン(炭素数12〜18)のプロピオン酸ナトリウムなど];ベタイン型両性界面活性剤[アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数12〜18)ジヒドロキシエチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなど];硫酸エステル塩型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステルナトリウム塩、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリウム塩など];スルホン酸塩型両性界面活性剤(ペンタデシルスルフォタウリン、イミダゾリンスルホン酸など);リン酸エステル塩型両性界面活性剤[グリセリン高級脂肪酸(炭素数8〜22)エステル化物のリン酸エステルアミン塩]などが挙げられる。
【0043】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコール−モノ−アルキル(炭素数10〜18)エーテル{例えば、ポリエチレングリコール−モノ−ラウリルエーテル、ポリエチレングリコール−モノ−ミリスチルエーテル、ポリエチレングリコール−モノ−セチルエーテル、ポリエチレングリコール−モノ−ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール−モノ−オレイルエーテルなど}、ポリエチレングリコール−モノ−アルキル(炭素数8〜18)フェニルエーテル{例えば、ポリエチレングリコール−モノ−オクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール−モノ−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール−モノ−p−イソオクチルフェニルエーテル(商品名「Triton X−100」:和光純薬工業(株)社製)など}など]、および30℃での水への溶解度が1g/水100gを超える多価アルコール型ノニオン性界面活性剤[例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルおよびアルカノールアミンの脂肪酸アミドなど]が挙げられる。
【0044】
アニオン性界面活性剤としては、たとえば、カルボン酸(炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)またはその塩、カルボキシメチル化物の塩[炭素数8〜16の脂肪族アルコールおよび/またはそのエチレンオキシド(以下EOと略記)(1〜10モル)付加物などのカルボキシメチル化物の塩など]、硫酸エステル塩[高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩など)など]、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和した塩)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和した塩)、硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和した塩)、スルホン酸塩[アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型、α−オレフィン(炭素数12〜18)スルホン酸塩、イゲポンT型など]およびリン酸エステル塩[高級アルコール(炭素数8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)EO付加物リン酸エステル塩、アルキル(炭素数4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩など]が挙げられる。上記の塩としてはアルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(炭素数1〜20)塩およびアルカノールアミン(炭素数2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩などが挙げられる。
【0045】
(A)以外のカチオン性界面活性剤としては、高級アルキルアミンから得られるアミン塩型[炭素数8〜24の1級高級アミン(ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンアミンなど)を無機酸(塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸など)または有機酸(酢酸、ギ酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、アルキル燐酸)で中和することにより得られる高級アルキルアミン塩、並びに上記高級アルキルアミンのEO付加物(付加モル数2〜40)などが挙げられる。
【0046】
これらの他の界面活性剤を含有する場合の割合は、泡立ちを少なくするという観点から、(A)100重量部に対して10重量部以下が好ましく、アニオン性界面活性剤はさらに1重量部以下、とりわけ、使用しないことが好ましい。
【0047】
従来から公知の木材防腐剤としては、銅−クロムーヒ素剤、ナフテン酸銅、有機ヨード系防腐剤(4−クロルフェニル−3−ヨードプロパギルフォルマール、3−ヨード−2−プロペニルブチルカーバメートなど)、有機窒素硫黄系防腐剤(ベンゾチアゾール、2,4−チアゾリルベンズイミタゾールなど)、4級アンモニウム塩(ジデシルジメチルアンモニウムクロライドなどが)が挙げられる。
これらの公知の木材防腐剤を含有する場合の割合は、泡立ち、泡切れ、金属腐食性および木材防腐効果の持続性の観点から、(A)100重量部に対して50重量部以下、特に40重量部以下が好ましい。
【0048】
本発明の木材防腐剤組成物は、泡立ちが少なく、泡切れも優れているので、木材への含浸速度に優れているが、さらに木材に浸透し易くするためにさらに水で稀釈して使用してもよい。稀釈倍率は、好ましくは10〜100倍、さらに好ましくは20〜50倍である。
希釈された後の(A)と(B)の合計の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0049】
本発明の木材防腐防蟻剤組成物は、上記の木材防腐剤組成物に、さらに防腐防蟻剤(C)を含有してなる。
【0050】
防腐防蟻剤(C)としては、有機リン化合物、ピレスロイド化合物、カーバメイト化合物、トリアゾール化合物、ナフタリン化合物、タール化合物、塩素化ジアルキルエーテル化合物、クロルニコチニル化合物、有機ヨード化合物、ヒドロキシルアミン化合物、アニリド化合物、ハロアルキルチオ化合物およびニトリル化合物が挙げられる。
【0051】
有機リン化合物としては、ホキシム、クロルピリホス、ピリダフェンチオン、テトラクロロビンホス、フェニトロチオンおよびプロペンタンホス等が挙げられる。
【0052】
ピレスロイド化合物としては、ペルメトリン、トラロメトリン、アレスリン、シラフルオフェン、ビフェントリンおよびエトフェンプロックス等が挙げられる。
【0053】
カーバメイト化合物としては、プロポクスル、バッサおよびフェノブカルブ等が挙げられる。
【0054】
トリアゾール化合物としては、シプロコナゾール、ヘキサコナゾール、プロピコナゾール、テブコナゾール、イプコナゾールおよびエポキシコナゾール等が挙げられる。
【0055】
ナフタリン化合物としては、モノクロロナフタリン等が挙げられる。
【0056】
タール化合物としては、クレオソート油等が挙げられる。
【0057】
塩素化ジアルキルエーテル化合物としては、オクタクロロジプロピルエーテル等が挙げられる。
【0058】
クロロニコチニル化合物としては、イミダクロプリド等が挙げられる。
【0059】
有機ヨード化合物としては、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルフォルマール、3−エトキシカルビニルオキシ−1−ブロモ−1,2−ヨードプロペンおよび3−ヨード−2−ユーピロペニルブチルカーバメート等が挙げられる。
【0060】
ヒドロキシルアミン化合物としては、N−ニトロン−シクロヘキシルヒドロキシルアミンアルミニウム等が挙げられる。
【0061】
アニリド化合物としては、N−メトキシ−N−シクロヘキシル−4−(2,5−ジメイルフラン)カルバリニド等が挙げられる。
【0062】
ハロアルキルチオ化合物としては、N,N−ジメチル−N’−フェニル−N’(シクロフルオロメチルチオ)スルファミド等が挙げられる。
【0063】
ニトリル化合物としては、テトラクロロイソフタロニトリル等が挙げられる。
【0064】
本発明の木材防腐防蟻剤組成物における、(A)と(B)の合計に対する(C)の重量比、即ち、重量比(C)/{(A)+(B)}は、通常0.01〜3である。(C)/{(A)+(B)}が3を超えると、木材防腐効果が低下する。また、(C)/{(A)+(B)}が0.01未満であると、(C)を含有する効果がほとんど発揮できない。
【0065】
本発明の木材または木質系装材は、上記の木材防腐剤組成物または木材防腐防蟻剤組成物を木材または木質系装材に上記の組成物を含浸または塗装し、その内部および/または表面の少なくとも一部に木材防腐剤組成物または木材防腐防蟻剤組成物を含有させてなる木材もしくは木質系装材である。
【0066】
木材としては杉、檜、松、米松などの柱、板、合板、チップなどが挙げられる。木質系装材としては、化粧合板、集成材、インシュレーションボード、ウッドチップ舗装材などが挙げられる。
【0067】
木材へ本発明の組成物を含浸させる方法としては、加圧注入法および浸漬法および塗布法などが挙げられる。
本発明の組成物の木材または木質系装材に対する処理量は対象物の表面積に基づき(A)および(B)、必要により(C)の合計の重量(有効成分)として通常0.005〜10g/m2、防腐性、防蟻性および経済性の観点から好ましくは0.01〜1g/m2である。
【0068】
本発明の木材防腐剤組成物を含有させてなる木材または木質系装材は、防腐性、耐水性および防錆性に優れているので、支柱や木材施設などの外溝部材などに使用できる。
また、本発明の木材防腐防蟻剤組成物を含有させてなる木材または木質系装材は、従来の防蟻剤組成物に比べて、さらに防蟻性の効果に優れているので、支柱や木材施設などの外溝部材などに好適に使用できる。
【0069】
[実施例]
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《木材防腐剤組成物の調製と評価》
実施例及び比較例において使用した成分について以下に示す。
DA−50:ビス(ジデシルジメチルアンモニウム)アジピン酸塩(「オスモリンDA−50」三洋化成工業株式会社製)(有効成分=50重量%)
DDAC:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(有効成分=50重量%)
PP2000:ポリプロピレングリコール「サンニックス PP−2000」(三洋化成工業株式会社製、Mn=2,000、30℃での水への溶解度=0.01g以下/水100g)
PP1000:ポリプロピレングリコール「サンニックス PP−1000」(三洋化成工業株式会社製、Mn=1,000、30℃での水への溶解度=0.01g以下/水100g)
DPG:ジ1,2−プロピレングリコール(Mn=134、30℃での水への溶解度=水にいかなる割合でも溶解する)
PP5000:ポリプロピレングリコール「サンニックス PP−5000」(三洋化成工業株式会社製、(Mn=5,000、30℃での水への溶解度=0.01g以下/水100g)
【0070】
実施例1〜6、比較例1〜7
表1に示すg数(有効成分換算)の各配合成分を常温で混合したのち、水195gを加えて攪拌して希釈し、本発明の木材防腐剤組成物(実施例1〜6)および比較例の木材防腐剤組成物(比較例1〜7)を作製した。
得られた木材防腐剤組成物の外観の評価は、作製30分後の外観が均一液状(透明でも分散状でもかまわない)のものを○、わずかでも分離があるものを×とした。
【0071】
【表1】


【0072】
性能評価:
以下の方法で、泡立ち性、泡切れ性、木材防腐効果の持続性および金属腐食性を評価した。
なお、比較例4〜7の木材防腐剤組成物は、外観が分離しているため均一な試料が得られないので性能評価しなかった。
【0073】
<泡立ち性および泡切れ性の評価>
泡立ち性および泡切れ性はロス・マイルス試験(20℃)[JIS K3362(1998)]にて測定した。
水以外の成分の濃度が0.02重量%となるように木材防腐剤組成物をイオン交換水で稀釈し、試験液とした。
全ての試験液が流出した直後の泡の高さを目視にて測定した値を泡立ち性(mm)とした。
また、試験後に全ての試験液が流出した直後から5分後の泡の高さを目視にて測定した値を泡切れ性(mm)とした。
具体的には、以下のように試験した。
1)ロス・マイルス試験用起泡力測定装置の内筒を垂直に立て、所定の水をポンプによって外筒に循環させて一定温度(20℃)に保った。
2)20℃に保った試験液50mlを内筒の管壁に沿って静かに側面全体を潤すように流し込んだ。
3)ピペットに試験液200mlを入れ、ロス・マイルス試験用起泡力測定装置の上端のコックを開き、試験液が約30秒間で流出するようにし、かつ、液滴が内筒液面の中心に落ちるようにして流下させた。
4)全ての試験液が流出した後、直ちに、目視によって泡の高さ(mm)(泡立ち性)を測定した。
5)さらに、5分後に、目視によって泡の高さ(mm)(泡切れ性)を測定した。
6)この操作を5回行い、それぞれの測定値の平均を整数位まで求めて、泡立ち性および泡切れ性とした。
これらの結果を表2に示す。
【0074】
【表2】


【0075】
<木材防腐効果およびその耐水持続性の評価>
JIS A 1571(木材用防腐剤の性能基準)に基づいて、木材防腐効力試験を行った。
(1)試験液の作製
実施例1〜6および比較例1〜3の木材防腐剤組成物を、イオン交換水を用いて有効成分0.5重量%に希釈し、試験液を調製した。
(2)防腐処理
スギ木材片(2cm×2cm×1cm)を試験片とし、減圧・常圧注入法(試験片を試験液中に浸し、減圧10cmHgで試験片中の空気を脱気した後、常圧に戻して5分間試験液に含浸させ試験片に試験液を注入する方法)により、試験液を含浸させた。その後、20日間風乾させた後、60±2℃の循風乾燥機で48時間乾燥させ、デシケーターにて冷却後、化学天秤にて質量(W0)を測定した。ブランクとしてはスギ木材片を処理無しで用いた。
(3)木材防腐効果の評価
木材防腐剤を上記の方法にて含浸させた木片をJIS K 1571に基づいて評価を行った。木材腐朽菌としては、オオウズラタケまたはカワラタケを用いた。菌糸が充分繁殖した試験基上に試験体試料(木片)を無菌的に3検体ずつ置くが、オオウズラタケの成育した試験基には湿熱滅菌した、耐熱プラスチック網を無菌的に置く。その上に試験体試料を3検体無菌的に並べ、カワラタケの成育した試験基には、耐熱プラスチック網は置かず、そのまま試験体試料を3検体無菌的に並べる。その後、26℃で3ヶ月間(12週間)培養する。木片を取り出し、表面の菌糸、その他の付着物を充分に取り除く。その後、24時間風乾した後、60±2℃の循風乾燥機で48時間乾燥させ、デシケーターにて冷却後、化学天秤にて質量(W1)を測定した。試験前後の試験片の重量減少率(%)を示し、次式で計算されるものである。重量減少率が小さいほど防腐効果が高い。結果を表3に示す。
重量減少率(%)=(W0−W1)/W0×100
(4)木材防腐効果の耐水持続性の評価
上記(2)の方法で試験片に木材防腐剤組成物を含浸および乾燥させ、木材防腐効果の耐水持続性のため、この試験片を1ヶ月水浸漬した。この後、上記(2)と同様に、20日間風乾させた後、60±2℃の循風乾燥機で48時間乾燥させ、デシケーターにて冷却後、化学天秤にて質量(W0)を測定した。ブランクとしてはスギ木材片を処理無しで用いた。その後、上記の(3)と同様の木材防腐効果の評価を行った。結果を表3に示す。この結果、本発明の木材防腐剤組成物は、高い木材防腐効果があり、さらに防腐効果の耐水持続性が高いことが分かる。
【0076】
【表3】


【0077】
<金属腐食性>
上記の実施例および比較例で得られた木材防腐剤について、金属腐食性を試験した。腐
食性試験は有効成分1重量%の木材防腐剤組成物を作製し、鋼板を半ば浸漬させガラス容器に密閉し、室温で48時間後に鋼板の錆の発現を目視で判定した。金属腐食性の評価基準は以下の通りである。結果を表4に示す。
0:全く腐食なし
1:鋼板表面5%以下の範囲で腐食あり
2:鋼板表面5〜10%の範囲で腐食あり
3:鋼板表面10〜30%の範囲で腐食あり
4:鋼板表面30〜50%の範囲で腐食あり
5:鋼板表面50〜70%の範囲で腐食あり
6:鋼板表面全体的に腐食あり
【0078】
【表4】


【0079】
表4の結果から、対イオンがハロゲンである第4級アンモニウム塩に関しては、本発明におけるポリエーテル(B)を含有することによって、鋼板に対する腐食性が大きく改善されていることがわかる。
【0080】
《木材防腐防蟻剤組成物の調製と評価》
(社)日本木材保存協会規格第11号(1)室内試験方法「4.3総合試験」に基づいて、シロアリに対する防犠牲評価を行った。
(1)試験液の作成
上記の実施例1〜6で得られた木材防腐剤組成物に、表5に示した各種の防腐防蟻剤(C)の0.05%水分散液を、表5に示した{(A)+(B)}/(C)の重量比になるように添加して、試験液を調製した。
(2)防蟻処理
クロマツ木材片(2×1×1cm)を試験片とし、試験液を110±10g/m2木材
片に塗布し室温にて20日以上乾燥し、静水に30秒浸漬した後、底部に水を張ったデシケータに入れ26±2℃にて4時間放置する。その後直ちに40±2℃の循環式熱風恒温器中に20時間放置する。更に60±2℃にて48時間乾燥し約30分間デシケータ中に放置した後その木片の質量を測り試験体とする。
(3)防蟻効果の評価
直径8cm、長さ6cmのアクリル製円筒の一端に硬石膏を厚さ約5mmに固めたものを用い、これをあらかじめ約2cmの厚さに湿潤綿を敷き詰めた蓋付き容器中に置く。
試験飼育容器中の硬石膏の上に試験体を1個ずつ水平におきシロアリの巣から取り出した職蟻150頭と兵蟻15頭を投入する。蓋付き容器は28±2℃の暗所に21日間静置して飼育する。21日経過したら試験体を取り出し、表面の付着物を丁寧に取り除き60±2℃で48時間乾燥し、約30分間デシケータ中に放置した後質量を測る。シロアリの職蟻の死亡頭数も記録する。試験前後の木片の質量から質量減少率の平均を算出し表5に記した。
【0081】
【表5】


【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の木材防腐剤組成物および木材防腐防蟻剤組成物は、柱、板、合板およびチップなどの木材、並びに化粧合板、集成材、インシュレーションボードおよびウッドチップ舗装材などの木質系装材に含浸もしくは塗装されて、防腐または防腐防蟻処理された木材および木質系装材を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
【出願日】 平成19年6月22日(2007.6.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−265264(P2008−265264A)
【公開日】 平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願番号】 特願2007−165209(P2007−165209)