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【発明の名称】 木質板の製造方法
【発明者】 【氏名】池田 誉司

【要約】 【課題】ホルムアルデヒド系接着剤を使用して木質材料から木質板を製造する方法において、アルデヒド類放散量の少ない木質板を製造できる方法を提供すること。

【解決手段】木質板の原料である木質材料において、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩類または亜二チオン酸塩の常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物を、酸と反応させて亜硫酸ガスを発生させることによってホルムアルデヒド系接着剤から発生するアルデヒド類を低減させる工程を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルムアルデヒド系接着剤を使用して、木質材料から木質板を製造する方法であって、
前記木質材料に酸を含有させ、
亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩及び亜二チオン酸塩の群から選ばれる1または2以上の常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物を、前記酸を含有する木質材料に添加することで、亜硫酸ガスを発生させて、前記ホルムアルデヒド系接着剤から発生するアルデヒド類を低減させる工程を少なくとも有する木質板の製造方法。
【請求項2】
無機酸または有機酸を木質材料に添加して、前記木質材料に酸を含有させる請求項1記載の木質板の製造方法。
【請求項3】
酸性化合物を木質材料に添加して、前記酸性化合物が、前記木質材料または前記ホルムアルデヒド系接着剤に含まれる水によって加水分解されて発生する酸によって、前記木質材料に酸を含有させる請求項1記載の木質板の製造方法。
【請求項4】
ホルムアルデヒドとの反応で酸を発生する化合物を木質材料に添加して、前記酸性化合物が、前記ホルムアルデヒド系接着剤に含まれるホルムアルデヒドとの反応により発生する酸によって、前記木質材料に酸を含有させる請求項1記載の木質板の製造方法
【請求項5】
ホルムアルデヒド系接着剤を使用して、木質材料から木質板を製造する方法であって、
亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩及び亜二チオン酸塩の群から選ばれる1或いは2以上の常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物と
常温で固体の酸性化合物或いはホルムアルデヒドとの反応で酸を発生する常温で固体の化合物とを混合し、
前記混合物を前記木質材料に添加して、亜硫酸ガスを発生させて、前記ホルムアルデヒド系接着剤から発生するアルデヒド類を低減させる工程を少なくとも有する木質板の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか項に記載された製造方法によって製造された木質板。
【請求項7】
亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩及び亜二チオン酸塩の群から選ばれる1または2以上の常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物と、常温で固体の酸性化合物或いはホルムアルデヒドとの反応で酸を発生する常温で固体の化合物とを少なくとも含有する、常温で粉末の木質板製造用アルデヒド類捕集剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルムアルデヒド系接着剤を使用して、木質材料から木質板を製造する方法において、ホルムアルデヒド系接着剤から発生するホルムアルデヒド等のアルデヒド類を捕集するための工程を有する木質板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーティクルボード、合板、木質繊維板等の木質板の製造には、ホルムアルデヒド系接着剤を接着剤として使用することが一般的に行われている。この場合、木質板から、前記ホルムアルデヒド系接着剤に起因する遊離したホルムアルデヒドが大気中に放出され、環境や健康に害を与える問題がある。
【0003】
従来、この問題の解決手段として、ホルムアルデヒドと反応してこれを捕集するいわゆるホルムアルデヒド捕集剤として、尿素、亜硫酸塩、ヒドラジド類を木質材料表面に塗布することが行われている(特許文献1、特許文献2参照)。この場合、ホルムアルデヒド捕集剤は通常水等に希釈して、スプレー塗工、ロール塗工等で塗布される。木質板は、ホルムアルデヒド捕集剤を塗布後、積み重ねて保管され、出荷される。
【特許文献1】特開平11−240002号公報
【特許文献2】特開2002−331504号公報
【0004】
ところで、木質板は、アルデヒド類捕集剤を塗布後、表面美観を向上する為及び所要の寸法とする為に表面を薄く研磨して出荷されるのが通常であるが、表面研磨を行った場合、特に研磨厚が大きい場合には木質板表面に存在するアルデヒド類捕集剤も少なくなり、その結果、上記手段ではホルムアルデヒド補捉能が低下或いはなくなってしまうという問題が生じる。この問題を解決する手段として、木質材料中に亜硫酸ナトリウムや尿素をホルムアルデヒド捕集成分として添加してホルムアルデヒド放散量を低減する方法が提案されている(特許文献3)。
【特許文献3】特開平10−119010号公報
【0005】
しかしながら、特許文献3記載の方法では、ホルムアルデヒドとの反応は、固体−気体反応となり、液体を塗付した場合に比べ、アルデヒド類の捕集効果が劣る。特に、近年JIS法が改正され、ホルムアルデヒド放出量の制限が厳しくなったことを鑑みれば、上記手段では、使用制限を受けないF☆☆☆☆評価の木質板とするにはホルムアルデヒド捕集能が不十分である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明では、熱圧工程前に木質材料に添加できる固体状態のアルデヒド類捕集剤を添加する工程を有する製造方法であって、アルデヒド類放散量の少ない木質板を製造できる方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明である木質板の製造方法では、木質板の原料である木質材料において、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩類及び亜二チオン酸塩の群から選ばれる1または2以上の常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物と酸とを反応させ、亜硫酸ガスを発生させて、ホルムアルデヒド系接着剤から発生するアルデヒド類を低減させる工程を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の木質板製造方法によれば、熱圧工程に先立ち、木質板の原料である木質材料にアルデヒド類捕集用化合物を添加することで、アルデヒド類捕集効果を発揮させることができる。このため、その後熱圧工程を経て製造された木質板は、その内部からアルデヒド類捕集効果を発揮し、その後の表面研磨工程の有無に拘らず、高いアルデヒド類捕集効果を発揮する。しかもアルデヒド類の捕集は、固体であるアルデヒド類捕集用化合物ではなく、酸との反応により発生する気体である亜硫酸ガスによって行われるので、ガス状反応によって効果的にアルデヒド類の除去がなされる。
【0009】
なかでも、木質材料に直接無機酸または有機酸を添加して、前記木質材料に酸を含有させる方法や、木質材料に添加した酸性化合物が、前記木質材料または前記ホルムアルデヒド系接着剤に含まれる水によって加水分解されて発生する酸によって、前記木質材料に酸を含有させる方法であれば、ホルムアルデヒド系の接着剤成分を消費することなく高い接着能力を維持したまま、効率的なアルデヒド類捕集効果を発揮して木質板を製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(ホルムアルデヒド系接着剤)
本発明のアルデヒド類捕集剤は、木質板の作製において、使用時にアルデヒド類を放出しながら接着が行われるホルムアルデヒド系接着剤を使用する場合に、前記接着剤とともに用いると好適なアルデヒド類捕集効果を奏するものである。
ホルムアルデヒド系接着剤とはホルムアルデヒドを成分として含有する接着剤全般を指し、代表的なホルムアルデヒド系接着剤としては、尿素とホルムアルデヒドを主成分とする尿素系接着剤(U系接着剤)、メラミン、尿素及びホルムアルデヒドを主成分とするメラミン系接着剤(M系接着剤)、フェノールとホルムアルデヒドを主成分とするフェノール系接着剤(P系接着剤)を挙げることができる。これらのホルムアルデヒド系接着剤は、木質板の製造に好んで用いられる。また、これらホルムアルデヒド系接着剤とホルムアルデヒド系以外の接着剤(例えばイソシアネート系接着剤)と併用して使用することもある。
【0011】
(アルデヒド類捕集用化合物)
本発明の製造方法に用いることのできるアルデヒド類捕集用化合物は、常温では安定であるが、酸と反応して分解することにより亜硫酸ガスを発生する性質を有する化合物である。なお、常温の語は、一般的な意味あいで用いるものあるが、厳密に定義すれば、25℃を指す。具体的には、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜二チオン酸塩であり、これら化合物は単独でも混合しても使用できる。このうち好ましい塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が好適に使用できる。具体的な金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩を挙げることができ、具体的な有機アミン塩としては、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)を挙げることができる。
【0012】
前記アルデヒド類捕集用化合物は、酸との反応で亜硫酸ガスを放出する化合物であり、その反応経路としては例えば次のような経路を例示することができる。なおいずれの反応も酸の例としては塩酸である。
【0013】
〔酸との直接反応〕
例)亜硫酸ナトリウムと塩酸の接触による分解反応
Na2SO3 + HCl → NaHSO3 + NaCl
NaHSO3 + HCl → SO2↑ + H2O + NaCl
【0014】
〔熱分解反応を伴う反応〕
例)亜硫酸ナトリウムの熱分解
Na2SO3 + HCl → NaHSO3 + NaCl
2NaHSO3 →(heat)→ Na2SO3 + SO2↑ + H2O
【0015】
〔加水分解を伴う場合〕
例)ピロ亜硫酸ナトリウムの加水分解反応
Na2S2O5 + H2O → 2NaHSO3
NaHSO3 + HCl → SO2↑ + H2O + NaCl
【0016】
〔酸化分解を伴う場合〕
例)亜二チオン酸ナトリウムの酸化分解反応
Na2S2O4 + O2+ H2O → NaHSO3 + NaHSO4
NaHSO3 + HCl → SO2↑ + H2O + NaCl
ただし、上記例示した反応経路は、全体の反応経路の一部であり、実際にはさらに多くの反応経路を辿って亜硫酸ガスを発生するものと考えられる。
【0017】
前記アルデヒド類捕集用化合物の中でも、特に亜硫酸塩が好ましい。また亜硫酸塩としては金属塩が好ましく、なかでも亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウムが特に好ましい。これらの化合物は熱に対して比較的安定であり、且つ、酸と反応し易い化合物である。
【0018】
また本発明の木質板の製造法においては、前記アルデヒド類捕集用化合物とともに、尿素類、ヒドラジド類など他の公知のアルデヒド類捕集能を有する化合物と併用して使用することもできる。
【0019】
尿素類としては、尿素及び尿素結合を有する化合物が例示され、例えば、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、グアニル尿素、アセチル尿素、チオ尿素の他、エチレン尿素、アラントイン等の環状尿素縮合体や、ビウレットなどの尿素二量体などの非環状尿素縮合体などが挙げられる。
【0020】
ヒドラジド類としては、分子中に1個のヒドラジド基を有するモノヒドラジド化合物、分子中に2個のヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物、分子中に3個以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物を挙げることができる。モノヒドラジド化合物の具体例としては、ラウリル酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド等のアルキルヒドラジド化合物が挙げられる。ジヒドラジド化合物の具体例としては、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン2酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ダイマー酸ジヒドラジド等の2塩基酸ジヒドラジドが挙げられる。ポリヒドラジド化合物の具体例としては、ポリアクリル酸ヒドラジド等を例示できる。
【0021】
〔平均粒子径〕
前記アルデヒド類捕集用化合物の好ましい平均粒子径は3mm以下、更に好ましくは2mm以下、最適には1mm以下とする。粒子径が大きいと酸性物質と接触する表面積が少なくなり、目的とする反応が少なくなる。また、木質材料中に均一に分散しにくくなり、木質板の表面に粒子が存在した場合は、白斑となって木質板の外観を損ねるので好ましくない。
【0022】
本発明のアルデヒド類捕集用化合物の平均粒子径は、分級操作とレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置とによって測定するものとする。
まず分級操作で平均粒子径を測定し、その平均粒子径が250μm以上の粉末の場合、当該粉末の平均粒子径の値は、その分級操作での測定値を採用し、一方、分級操作による平均粒子径が250μm未満粉末の場合は、更にレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で平均粒子径を測定し、そのレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置の測定値を採用する。
【0023】
具体的には、分級操作は、被測定物について、目開き4000μm、2830μm、2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、250μm、及び150μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行う。この分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の4000μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定することにより行う。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、次式(数1)により被測定物の平均粒子径(重量50%)が求められる。
【0024】
【数1】




【0025】
一方、レーザー回折/散乱式粒度分布測定は、被測定物を東日コンピューターアプリケーションズ(株)製の粒度分布測定装置「LDSA−1400A」を用いて測定するものとする。具体的には、焦点距離300mmで乾式分散装置を用いて、レーザー電源をオンにして、レーザー光が安定した後、自動焦点合わせを行う。平均粒子径は、乾式分散装置でサンプル粉末を連続的に吸引させながら、バックグラウンドと測定時との透過率比が0.5〜0.9の領域に調整しながら測定する。測定結果を体積基準で多重散乱補正処理して得られた平均粒子径を、本発明において、分級操作における平均粒子径が250μm未満の場合の平均粒子径とする。
【0026】
(亜硫酸ガスを発生させる手段)
木質材料において、前記アルデヒド類捕集用化合物と酸とを反応させて亜硫酸ガスを発生させる手段としては下記の手段(1)及び(2)がある。
手段(1)は、予め、前記木質材料に酸を含有させておき、前記アルデヒド類捕集用化合物が前記木質材料に添加された際に、前記木質材料に含有された酸と前記アルデヒド類捕集用化合物を反応させ、亜硫酸ガスを発生させる方法である。
手段(2)は、予め前記アルデヒド類捕集用化合物と常温で固体の酸性化合物或いはホルムアルデヒドとの反応で酸を発生する常温で固体の化合物とを混合し、これを木質材料の添加する手段である。
【0027】
手段(1)において、予め木質材料に酸を含有させる手段としては、更に
[1-1] 無機酸または有機酸を木質材料に添加して、前記木質材料に酸を含有させる方法
[1-2] 酸性化合物を木質材料に添加して、前記酸性化合物が、前記木質材料または前記ホルムアルデヒド系接着剤に含まれる水によって加水分解されて発生する酸によって、前記木質材料に酸を含有させる方法
[1-3] ホルムアルデヒドとの反応で酸を発生する化合物を木質材料に添加して、前記酸性化合物が、前記ホルムアルデヒド系接着剤に含まれるホルムアルデヒドとの反応により発生する酸によって、前記木質材料に酸を含有させる方法
を挙げることができる。
【0028】
前記手段[1-1]に用いられる無機酸または有機酸としては、公知の酸であれば制限なく用いることができる。
好適な酸の具体的例としては、無機酸として、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などを挙げることができ、有機酸として、酢酸や脂肪酸等のカルボキシル基含有化合物、メチルリン酸モノエスエル、メチルリン酸ジエスエル、オレイルリン酸モノエステル、オレイルリン酸ジエステル等のアルキルリン酸のモノエステルまたはジエステル、アルキルベンゼンスルホン酸等のアルキル硫酸などを挙げることができる。
【0029】
前記手段[1-2]に用いられる酸性化合物としては、酸性塩など水に溶解すると、一部が加水分解して酸性を示す公知の化合物であれば制限なく用いることができる。これらのなかでも、加水分解すると塩酸やリン酸、硫酸を生成あるいは副生する化合物が好ましい。
好適な酸性化合物の具体的例としては、第一リン酸塩、塩化アルミニウム、塩化鉄などを挙げることができる。
【0030】
前記手段[1-3]に用いられるホルムアルデヒドとの反応で酸を発生する化合物の具体例としては、塩化アンモニウムなどの強酸のアンモニウム塩などを挙げることができる。その反応式は次のとおりである。
〔低温での反応〕
NH4Cl+ 4HCHO(aq.) → (CH3) 2NH・HCl + 2HCOOH
〔高温での反応〕
4NH4Cl+ 6HCHO → C6H12NH4+ 2HCl + 6H2O
注)C6H12NH4はヘキサメチレンテトラミン
【0031】
手段(2)の場合、酸性化合物又はホルムアルデヒドとの反応で酸を発生する化合物は、予め前記アルデヒド類捕集用化合物と混合するので、この混合段階では亜硫酸ガスを発生させないために、常温で固体であることが必要とされる。
かかる化合物であると、木質材料に添加した際に、或いは更にホルムアルデヒド系接着剤を添加した際に、木質材料や接着剤に含まれる水に一部が加水分解して、或いは接着剤のホルムアルデヒドと反応して酸を発生し、次いで該酸と前記アルデヒド類捕集用化合物が反応し、亜硫酸ガスが発生する。
【0032】
常温で固体の酸性化合物の具体例としては、上記手段[1-2]に示した化合物のうち、第一リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、塩化アルミニウム(水和物を含む)、塩化鉄(水和物を含む)を挙げることができる。
【0033】
常温で固体のホルムアルデヒドとの反応で酸を発生する化合物の具体例としては、上記手段[1-3]に示した化合物のうち、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウムを挙げることができる。
【0034】
〔当量値、pH〕
無機酸、有機酸、酸性化合物又はホルムアルデヒドとの反応で酸を発生する化合物(以下、これらを「酸性物質」と表記する。)は、結局前記アルデヒド類捕集用化合物と反応する酸として働くために用いる化合物であるから、これらの好ましい含有量は、前記アルデヒド類捕集用化合物との当量比によって規定することができる。
前記アルデヒド類捕集用化合物と前記酸性物質の好ましい当量比(アルデヒド類捕集用化合物/酸性物質)は、1/0.1〜1.2であり、1/0.2〜1.0がさらに好ましい。酸性物質の比率が少なすぎると目的とする反応が十分でなくホルムアルデヒド捕集能が低下する。逆に必要以上に多くても余剰分が目的とする反応に寄与するわけではない。なお、前記アルデヒド類捕集用化合物と前記酸性物質とを木質材料に添加する場合であっても、予め両者を混合する場合であっても前記好ましい当量比は同じである。
【0035】
また、前記アルデヒド類捕集用化合物と接触する段階において、好ましい酸のpHとしては、5以下であり、更に4以下が好ましく、最適には3以下が最適である。pHの値が高すぎると(すなわち、弱酸であると)、前記アルデヒド類捕集用化合物と反応しにくく、亜硫酸ガスの放出量が減少するので、アルデヒド類捕集効果に劣る場合がある。
【0036】
(亜硫酸ガスによるアルデヒド類除去)
上記反応によってアルデヒド類捕集用化合物から発生した亜硫酸ガスが、アルデヒド類を捕集する機構は、次のような化学反応を辿ることによるものと推測される。アルデヒド類としてホルムアルデヒドの場合を例にとって説明する。
HCHO+SO+HO → HOCHSOH・・・不安定な酸を生成
HOCHSOH+NaSO → HOCHSONa+NaHSO
なお、前記酸性物質と接触により亜硫酸ガスを発生させる場合、亜硫酸ガスの発生量は何れの場合も、木質材料に添加したアルデヒド類捕集剤からホルムアルデヒドを低減するのに必要な量を発生すればよく、前記アルデヒド類捕集剤に含まれるアルデヒド類捕集用化合物の全量について、上記のような分解反応が行われる必要はない。
【0037】
(木質板、木質材料)
本発明の製造方法によって、製造可能な木質板としては、例えばパーティクルボード(PB)、OSB、木質繊維板(例えばMDF)、合板などがある。パーティクルボード(PB)の場合、木質原料を一般的にはチップ状にし、粉砕後、篩い分けして使用する。OSBの場合、木質材料を切削し、ストランドにして使用する。MDFの場合、木質材料を一般的にはチップ状にし、解繊して使用する。合板の場合は、木材を薄く切削した板(単板、ベニヤ)を使用する。
【0038】
木質材料の原料としては、針葉樹、広葉樹、木質廃材(建築解体材、家具・製材端材、廃棄パレット、梱包廃材、コンクリート型枠、鋸屑等)や、サトウキビ、ヤシ殻等を解繊して得られるバガス、一年草のケナフ、綿の茎等を使用することができる。また前記木質材料に、ガラス繊維、有機高分子繊維を混合してもよい。
【0039】
(木質板の製造方法)
ホルムアルデヒド系接着剤を用いて木質板を製造するには、一般に木質材料にホルムアルデヒド系接着剤を添加した上(接着剤添加工程)、圧力を与えながら加熱することにより木質材料を接着する工程(熱圧工程)を経る。
本発明の製造方法では、前記熱圧工程に先立って、前記アルデヒド類捕集用化合物と前記酸性物質を木質材料に添加する。ただし、接着剤添加工程の前後は問わない。接着剤添付前若しくは後或いは同時に、接着される木質材料側に添加させて使用することもできる。
【0040】
具体的な製造例を挙げると、例えばパーティクルボード(以下PBと略す)を製造する場合、比較的細かく粉砕した木質材料を表裏層用として使用し、比較的粗く粉砕した木質材料を芯層用として使用する。表裏層用木質材料中にホルムアルデヒド系接着剤をスプレー添加した後、前記アルデヒド類捕集用化合物を添加し、ブレンダーで5秒〜10分程度混合して、木質材料中に均一分散させる。芯層用も同様に接着剤、前記アルデヒド類捕集用化合物を添加する。表裏層に添加するアルデヒド類捕集用化合物と芯層に添加するアルデヒド類捕集用化合物のうち、少なくとも一方が、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩及び亜二チオン酸塩の群から選ばれる1または2以上のアルデヒド類捕集用化合物であれば、相当なアルデヒド捕集能を得ることができるが、両方の層に前記アルデヒド類捕集用化合物を添加することがより好ましい。
前記アルデヒド類捕集用化合物の添加は、ホルムアルデヒド系接着剤の添加前でも後でも或いは同時でも特に限定されないが、ホルムアルデヒド系接着剤添加直前直後に、或いは同時に木質材料中に前記アルデヒド類捕集用化合物を添加する方が工程上望ましい。
【0041】
前記酸性物質は、予め木質材料に添加或いは含有させるか、或いは酸性物質が常温で固体である場合は、予め前記アルデヒド類捕集用化合物と混合しておき、該混合物を上記の方法で木質材料に添加することもできる。
【0042】
その後、表層−芯層−裏層に積層して加熱する。加熱の際には一般的に圧力を与えながらの加熱(熱圧)を行う。熱圧により木質材料は接着され、木質板となる。
【0043】
前記アルデヒド類捕集用化合物と酸との反応は、この熱圧工程で活発になる。熱圧工程の温度や時間は、一般的には作成する木質板の品質と生産性により適宜決定されるものであるが、本発明の製造方法の場合、前記効果を活発に発揮させるために、熱圧成型温度を100~300℃とすることが好ましく、140〜250℃とすることがより好ましい。温度が低すぎると亜硫酸ガスの発生量が少なく、ホルムアルデヒド等を十分に捕集できなくなる。逆に温度が高すぎると木質板表面が焦げる等して品質が低下してしまう。また熱圧成型時間は60秒以上とすることが好ましく、90秒以上とすることがより好ましい。成型時間が短かすぎると木質板内部の温度が上昇しにくく、アルデヒド類捕集の効果も低減してしまう。熱圧成型時の木質板内部温度は厚さ方向の中心部分で60℃以上とすることが好ましく、80℃以上がより好ましい。また100℃以上とすることがさらに好ましい。
なお木質繊維板(MDF)や他の木質板を製造する場合も、同様にして前記アルデヒド類捕集用化合物と前記酸性物質を添加して木質板を製造することができる。
【0044】
木質板製造における前記アルデヒド類捕集用化合物の木質材料中への添加量は0.1〜20.0重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1.0〜7.0重量%である。添加量が0.1重量%より少ないと、目的とする捕集能が得られず、20.0重量%より多いと、木質板の表面美観が低下し、製品としての価値が損なわれ、生産コストのアップにも繋がる為である。
【0045】
なお、本発明の木質板製造方法によれば、アルデヒド類放出が抑制された木質板を得ることができるが、上記工程を経て得られた木質板に対し、更にアルデヒド類捕集能力のある化合物を水溶液として塗布することもできる
【0046】
(添加物)
本発明の木質板の製造方法では、前記アルデヒド類捕集用化合物と酸を発生させるための成分である前記酸性物質の添加が必須となるが、その他有用な化合物を更に添加することもできる。なかでも、前記アルデヒド類捕集用化合物は、後述の撥水性化合物、流動性改善剤とともに用いることが好ましい。
【0047】
〔撥水性化合物〕
アルデヒド類捕集用化合物の中でも、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムのような比較的吸湿性の大きい化合物を添加した木質材料で作製した木質板は、吸水膨張しやすいという欠点がある。前記のような比較的吸湿性の大きいアルデヒド類捕集用化合物を木質材料に添加する場合は、前記木質材料に、更に撥水性化合物を添加して木質板の作製を行うことが好ましい。撥水性化合物は、前記アルデヒド類捕集用化合物とは別に木質材料に添加してもよいし、まず、前記アルデヒド類捕集用化合物と混合して、該混合物を木質材料に添加してもよい。更に前記アルデヒド類捕集用化合物の粒子表面に撥水性化合物を被覆させた上で、該被覆されたアルデヒド類捕集用化合物を木質材料に添加してもよい。
一方、亜硫酸カルシウムなど吸湿性の比較提起低い化合物をアルデヒド類捕集用化合物として用いる場合は、積極的に撥水性化合物を添加する必要はない。
【0048】
本発明で用いることのできる撥水性化合物は、撥水性を有する化合物のうち、常温で固体状であれば公知のものが使用できる。好ましい撥水性化合物の具体例としては、ワックス類やシリコーン類、ろう等が挙げられる。
【0049】
ワックス類としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスに代表される天然ワックスや、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、α―オレフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、合成脂肪酸エステルに代表される合成ワックスが挙げられる。またこれら天然ワックスや合成ワックスを酸化した酸化ワックス、水添化した硬化油脂(例えば牛脂硬化油やカスターワックスなど)及び変性したワックス誘導体なども挙げられる。更にはオレフィンと無水マレイン酸からなるワックス、オレフィンとアクリル酸からなるワックス、酢酸ビニルからなるワックスまたは高級アルコール、脂肪酸アマイド、ポリエーテルなどのワックスも使用できる。シリコーン類としては、例えばジメチルシリコーンオイルの変性体が挙げられる。
【0050】
これらの中でも、融点が40℃〜140℃の撥水性化合物が好ましく、融点が50℃〜120℃の撥水性化合物がより好ましい。木質板製造時の熱圧により溶融して木質材料全体に分散した後に固化するため、防水効果が得やすい為である。好ましい具体例としては、カルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスの天然ワックスや、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、牛脂硬化油、パーム硬化油、カスターワックス等などの硬化油脂が挙げられる。これらは、単独でも使用できるが2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0051】
〔流動性改善剤〕
前記アルデヒド類捕集剤は、粉末としての流動性が悪い場合がある。粉末の流動性が悪いと生産時、製品保管時、製品使用時に取り扱いが困難である。このような場合には前記アルデヒド類捕集剤粉末に、更に流動性改善剤を添加することが好ましい。
【0052】
具体的な流動性改善剤としては、炭酸化合物、ケイ酸化合物、金属石鹸類がある。炭酸化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩が挙げられる。ケイ酸化合物としては、非晶質シリカ(ホワイトカーボン)を挙げることができ、またケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩が挙げることができ、更に天然或いは合成ゼオライト、またはベントナイト、モンモリロナイトやタルク等のアルミノケイ酸塩も挙げることができる。金属石鹸類としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
なかでもホワイトカーボン、ゼオライト、ステアリン酸カルシウム、タルク或いはベントナイトが好ましい。より効果的に流動性向上効果が得られるからである。これら化合物は、単独でも使用できるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0053】
〔その他の添加物〕
本発明の木質板の製造法では、上記添加物の他にも、必要に応じて、更に酸化防止剤、防腐剤、着色剤、防錆剤の他、製造工程上必要な薬剤を添加することもできる。例えば、残存した亜硫酸ガスを消去させるため、尿素のような加温により塩基性ガスを発生する性質を有する化合物を含有させることもできるし、また酸化カルシウムや水酸化アルミニウムのような塩基性化合物を添加することもできる。
【0054】
(アルデヒド類捕集剤)
本発明の木質板製造方法において、前記酸性物質が常温で固体である場合は、前記アルデヒド類捕集用化合物と予め混合しておくことができる。そこで該混合物を本発明のアルデヒド類捕集剤とする。本発明のアルデヒド類捕集剤によれば、木質材料に添加するだけでアルデヒド類捕集効果を発揮することができる。本発明のアルデヒド類捕集剤の性状は常温で粉末である。
【0055】
〔平均粒子径〕
また本発明のアルデヒド類捕集剤粉末においては、効率のよいアルデヒド類捕集能を付与し、また本発明のアルデヒド類捕集剤粉末を用いて製造した木質板の外観を向上させるため、前記粉末の平均粒子径は3mm以下であることが好ましい。更に好ましくは2mm以下、最適には1mm以下である。一方、平均粒子径があまりに小さすぎると、粉末として取り扱いづらくなるだけでなく、アルデヒド捕集能が却って悪くなったり、凝集が発生し却って外観上の問題を発生させたりする可能性があるため、20μm以上、更には50μm以上であることが好ましい。なお平均粒子径の測定法方法は、上記アルデヒド類捕集用化合物における方法に準ずるものとする。
【0056】
本発明のアルデヒド類捕集剤粉末は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩及び亜二チオン酸塩の群から選ばれる1または2以上の常温で固体のアルデヒド類捕集用化合物と、常温で固体の酸性化合物或いはホルムアルデヒドとの反応で酸を発生する常温で固体の化合物とを必須成分とするが、前記撥水性化合物や流動性改善剤など有用な添加剤を添加することもできる。
【0057】
本発明のアルデヒド類捕集剤粉末における好ましい当量比や木質材料に添加した際の好ましいpH値は、木質材料に添加して使用する際の上記好ましい範囲と同じである。
【実施例】
【0058】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。各例中、特に言及しない限り、部および%は質量基準である。
【0059】
(実施例1)
〔接着剤の調製〕
尿素樹脂(不揮発分65%、尿素:ホルムアルデヒド=1:1.2mol)を接着成分して用い、これに55%ワックスエマルション、硬化剤として塩化アンモニウム、及び水をそれぞれ20部、1部、0.5部、2部の割合で混合し、実施例、比較例で用いる接着剤を得た。
【0060】
〔木質板の作製〕
木片等の木質原料をフレーカーで粉砕し、目開き寸法1.7mmの篩で篩い分けをして、篩下の木質材料を表裏層用木質材料、篩上の木質材料を芯層用木質材料とした。篩い分けした木質材料は90℃の熱風乾燥機中で乾燥し、水分を3%以下とした。
【0061】
前記操作によって乾燥された木質材料100部に対して前記接着剤を25部スプレー塗工し、均一混合した。その後、アルデヒド類捕集化合物として亜硫酸ナトリウム粉末を3部、更に前記酸性物質としてポリ塩化アルミニウム液(PAC:酸化アルミニウム10.0〜11.0%)を3部添加して混合し、表裏層用材料とした。同様にして芯層用木質材料100部に対し、前記接着剤を15部、亜硫酸ナトリウムを3部とポリ塩化アルミニウム液3部加えて芯層用材料とした。
次に、30cm角の型枠に裏層用材料250部、芯層用材料650部、表層用材料250部を順次敷き詰め、200℃の熱板に挟み40kgf/cmの圧力で120秒間熱圧して実施例1の木質板を得た。
【0062】
〔評価:放散量〕
前記で得られた実施例1の木質板のホルムアルデヒド放散量は、パーティクルボード(JIS A 5908:2003)及び建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法(JIS A 1460:2001)に準じてデシケーター法により捕集し測定した。評価基準は次のとおりである。
◎ 0.3mg/L未満
○ 0.3mg/L以上,0.6mg/L未満
△ 0.6mg/L以上,1.0mg/L未満
× 1.0mg/L以上,1.5mg/L未満
×× 1.5mg/L以上
【0063】
(実施例2〜7)
アルデヒド類捕集用化合物及び酸性物質の種類、添加量を表2のように変更した以外は実施例1と同様にして実施例2〜7の木質板を作製し、実施例1と同じくアルデヒド類放散量の測定を行った。
なお、実施例2で酸性物質として用いた第一リン酸ナトリウム(粉末)は目開き0.5mmの篩いで篩い分け、篩を通過した部分を使用した。
【0064】
(実施例8)
アルデヒド類捕集用化合物として亜硫酸ナトリウム粉末を70%、前記酸性物質として第一リン酸ナトリウム粉末30%を目開き0.5mmの篩で篩い分けた後に混合してアルデヒド類捕集剤とした。
実施例1のアルデヒド類捕集化合物を上記で調製したアルデヒド類捕集剤に代え、その添加量を表裏層用木質材料及び芯層用木質材料100部に対して5部添加に代え、更にポリ塩化アルミニウム液を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の木質板を作製した。
【0065】
(比較例1)
酸性物質(ポリ塩化アルミニウム液)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例1の木質板を作製した。
【0066】
(比較例2〜3)
アルデヒド類捕集用化合物の種類を表2の様に変更した以外は、比較例1と同様にして比較例2及び3の木質板を作製した。
【0067】
(比較例4)
アルデヒド類捕集用化合物を添加しなかったこと以外は、比較例1と同様にして比較例4の木質板を作製した。
【0068】
以上、実施例1〜8及び比較例1〜4の木質材料へ添加した配合と、得られた木質材料からのアルデヒド放散量の評価についてまとめて表1、2に示す。
【0069】
【表1】



【0070】
【表2】



【0071】
(参考例)
次に、参考として液状のアルデヒド類捕集剤について同様の試験を行った。実施例4記載の亜硫酸ナトリウム粉末を7.5%、及び12.5%の水溶液に変更し、木質材料(表裏層及び芯層それぞれ)100部に対して固形分で3部となるように添加した以外は実施例4と同様にして木質板の作製を試みた。しかし、参考例の手法では何れも木質材料が接着せず、木質板は作製できなかった。
【0072】
(実施例9〜13;粒子径の効果)
亜硫酸カルシウム2水和物(固体状)を粉砕した後、分級操作によって、それぞれ平均粒子径が表3記載されたものに分けられた実施例9〜13のアルデヒド類捕集用化合物を得た。前記各実施例9〜13のアルデヒド類捕集用化合物を用いた以外は、実施例5と同様にして実施例9〜13の木質板を作製した。
実施例9〜13の木質材料へ添加した配合、アルデヒド類捕集用化合物の平均粒子径、得られた木質材料からのアルデヒド放散量の評価についてまとめて表3に示す。
【0073】
【表3】



【0074】
(実施例14〜18;アルデヒド類捕集用化合物と酸性物質の当量比の効果)
アルデヒド類捕集用化合物として粒子径0.5mm以下の亜硫酸ナトリウム(粉末)を使用し、木質材料(表裏層及び芯層それぞれ)100部に対して3部添加し、前記酸性物質の添加量を表4のように変更した以外は実施例4と同様にして木質板を作製した。実施例14〜18の木質材料へ添加した配合、アルデヒド類捕集用化合物と前記酸性物質との当量比、得られた木質材料からのアルデヒド放散量の評価についてまとめて表4に示す。
【0075】
【表4】



【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の木質板の製造方法及びアルデヒド類捕集剤は、木質材料からホルムアルデヒド系接着剤を用いてパーティクルボード、合板、木質繊維板などの木質板を製造する方法において、前記接着剤からのアルデヒド類の放散を低減することのできる製造方法として高い産業上の利用性がある。
【出願人】 【識別番号】390029458
【氏名又は名称】一方社油脂工業株式会社
【出願日】 平成19年1月5日(2007.1.5)
【代理人】 【識別番号】100104581
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 伊章

【識別番号】100136412
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 照久


【公開番号】 特開2008−162237(P2008−162237A)
【公開日】 平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願番号】 特願2007−297(P2007−297)