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【発明の名称】 アルデヒドを捕捉分解する繊維板
【発明者】 【氏名】西尾 勉

【氏名】波多野 明

【氏名】九鬼 学

【要約】 【課題】ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの双方を効果的に捕捉分解することのできるアルデヒドを捕捉分解する繊維板を提供する。

【解決手段】アルデヒドを捕捉分解する繊維板20は、植物繊維を少なくとも30質量%以上含む木質繊維板1と、繊維板1の両側面の側面内部に浸透固化したカルボジヒドラジド2を少なくとも含むアルデヒド捕捉剤と、からなる繊維板である。アルデヒド捕捉剤は木質繊維板1の一側面の内部にのみ浸透固化されていてもよい。また、木質繊維板以外にも樹脂繊維と植物繊維の混合板を使用することができる。カルボジヒドラジドは、界面活性剤とともに水溶液の状態で木質繊維板等にスプレー塗布等される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物繊維を少なくとも30質量%以上含む繊維板と、
前記繊維板の一側面または両側面の側面内部に浸透固化したカルボジヒドラジドを少なくとも含むアルデヒド捕捉剤と、からなることを特徴とするアルデヒドを捕捉分解する繊維板。
【請求項2】
前記繊維板は、該繊維板のうち少なくとも90質量%以上が木質繊維からなる木質繊維板であることを特徴とする請求項1に記載のアルデヒドを捕捉分解する繊維板。
【請求項3】
前記繊維板は、該繊維板の少なくとも30質量%以上を占める樹脂繊維と、植物繊維と、の混合材料からなる板材であることを特徴とする請求項1に記載のアルデヒドを捕捉分解する繊維板。
【請求項4】
前記樹脂繊維が、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタートを含む熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項3に記載のアルデヒドを捕捉分解する繊維板。
【請求項5】
前記カルボジヒドラジドと、水をはじめとする溶媒と、界面活性剤と、からなる溶液が前記繊維板に浸透固化されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルデヒドを捕捉分解する繊維板。
【請求項6】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤のいずれか一種からなることを特徴とする請求項5に記載のアルデヒドを捕捉分解する繊維板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建物の内装材、型板材、養生材、内装保護材、自動車の内装材等に使用される繊維板に係り、特に、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの双方を効果的に捕捉分解することのできるアルデヒドを捕捉分解する繊維板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の内装材や家具の材料である木質板には、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドからなるアルデヒド類を含む接着剤やバインダーが使用されており、これが原因で室内にアルデヒド類が放出される結果、シックハウス症候群という大きな問題が引き起こされている。国土交通省は、シックハウス対策の強化を目的として平成15年7月1日に建築基準法の改正を施行し、上記するアルデヒド類のうち、ホルムアルデヒドの基準値は設定したもののアセトアルデヒドの基準値は設定していない。また、自動車の車内に配設される内装材の材料やその接着剤にもアルデヒド類を含む接着剤やバインダーが使用されており、夏の停車中の車内の高温雰囲気下では、車内にアルデヒド類が大量に放出される、いわゆるシックカーが大きな問題となっている。この問題を解決するために、日本自動車工業会は2007年4月以降の新型車から該アルデヒド類を含むVOCの低減を公表している。ここで、自動車のVOCに関する要求基準は上記建築基準法に比して極めて厳しいものであり、該アルデヒド類については、要求基準を満たすべく鋭意研究が進められている一方で、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの双方をともに効果的に捕捉分解できる内装材等の開発には未だ至っていないのが現状である。
【0003】
ところで、上記するアルデヒド類のうち、ホルムアルデヒドを吸着可能な内装材等に関する公知技術として、特許文献1〜4を挙げることができる。特許文献1に開示の技術は、湿式抄造法によって木質繊維板を製造する際に、ウェットマットをプレス乾燥した直後の木質繊維板の表面にホルムアルデヒド吸着剤を含むパラフィンワックスエマルジョンを塗布し、木質繊維板の余熱によってパラフィンワックスエマルジョンを結晶化させることにより、ホルムアルデヒド吸着剤をワックス塗布層とともに木質繊維に固着させる方法である。
【0004】
また、特許文献2には、繊維マットをホットプレスして繊維板とし、該繊維板の一面または両面に水を散布または塗布して調湿を行なう際に、ホルマリンキャッチャー剤を水に添加して繊維板にホルムアルデヒド捕捉性を付与する方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、ホルムアルデヒド吸着剤を含有する基材表面にホルムアルデヒドを化学的に吸着する吸着剤を含有する塗料を塗布することにより、基材にホルムアルデヒド捕捉性を付与する方法が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献4には、インシュレーションボードの裏面にホルムアルデヒドを化学的に吸着する吸着剤水溶液をロール塗布することによって吸着剤塗布層を設け、ホルムアルデヒド捕捉性をボードに付与する方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2005−28797号公報
【特許文献2】特開昭62−1501号公報
【特許文献3】特開2000−356022号公報
【特許文献4】特開2005−111701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記する特許文献1〜4にかかる技術では、ホルムアルデヒドを捕捉して分解できる内装材等を得ることができるが、上記する自動車にかかる要求基準を満足するところまでアセトアルデヒドを捕捉分解することはできない。これらの従来技術がアセトアルデヒドをその捕捉分解対象としていない理由の一つに、上記するようにアセトアルデヒドに関する基準値が建築基準法等に明確に規定されていないこと、他の一つに、ホルムアルデヒドの反応性はアセトアルデヒドのそれに比して大きく、さらにホルムアルデヒドの沸点が−19℃であるに対してアセトアルデヒドの沸点が21℃であるため、同一温度条件での揮発量はホルムアルデヒドの方が圧倒的に多くなる結果、アミノ基を有する一般の捕捉剤(キャッチャー剤)の該アミノ基が同一温度条件でアセトアルデヒドに比してホルムアルデヒドとより多く反応する機会があること、などを挙げることができる。しかし、実際にはホルムアルデヒドのみを捕捉分解できるのみでは不十分であり、アセトアルデヒドをも効果的に捕捉分解してはじめてシックハウスやシックカーといった問題を完全に解消できることになる。
【0009】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの双方を効果的に捕捉分解することのできるアルデヒドを捕捉分解する繊維板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成すべく、本発明によるアルデヒドを捕捉分解する繊維板は、植物繊維を少なくとも30質量%以上含む繊維板と、前記繊維板の一側面または両側面の側面内部に浸透固化したカルボジヒドラジドを少なくとも含むアルデヒド捕捉剤と、からなることを特徴とするものである。
【0011】
ここで、植物繊維とは、木質繊維や麻繊維、ケナフ繊維などの各種植物の繊維体を意味している。この植物繊維を少なくとも30質量%以上含んだ繊維板とすることにより、この繊維板はpHが4〜6程度の弱酸性を呈することになる。さらに、この弱酸性雰囲気における繊維板内にアルデヒド捕捉剤の構成材料であるカルボジヒドラジドが浸透していることにより、カルボジヒドラジドによるアルデヒド類の捕捉分解効果(または消臭効果)、特にホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの双方を捕捉分解できる効果を高めることができることも実証されている。なお、このカルボジヒドラジドと、アジピン酸ジヒドラジドやコハク酸ジヒドラジドなどの有機酸ジヒドラジド化合物との組成物をアルデヒド捕捉剤として使用すること、さらにはカルボジヒドラジドまたはこの組成物とグアニジン塩との組成物をアルデヒド捕捉剤として使用することにより、アルデヒド類の捕捉分解促進効果をより一層高めることができる。
【0012】
pHが4〜6という弱酸性の繊維板では、アミノ基の求核作用によってカルボニル基が活性化し、アルデヒド類との反応性がさらに大きくなる。カルボジヒドラジドは、このような反応性とアミノ基を2つ有することにより、ホルムアルデヒドは勿論、アセトアルデヒドにも即効的に反応して双方を捕捉し、捕捉したホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを解離させない。従来のアミノ基を有するアルデヒド捕捉剤のアミノ基は、同一温度では、アセトアルデヒドに比べてホルムアルデヒドとより多く反応する機会があることになり、ホルムアルデヒドに比べて、緩慢な反応性及び揮発挙動を示すアセトアルデヒドとの反応はどうしても遅れがちになる。このため、従来のアミノ基を有するアルデヒド類捕捉剤のアミノ基は、その大半がホルムアルデヒドとの反応に消費される結果、アセトアルデヒドとの反応が遅れがちになり、アセトアルデヒドの捕捉分解に対しては十分な効果が得られなかった。
【0013】
アルデヒド捕捉剤としてはカルボジヒドラジドを用い、これを水に溶解させて水溶液として使用する。なお、ここでいうアルデヒドとは、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの双方を包含するものである。カルボジヒドラジドは、NH2NH−CO−NHNH2で表される化合物であり、両末端にアミノ基(−NH)を有している。ここで、カルボジヒドラジドとホルムアルデヒドとの反応を化学式1に、カルボジヒドラジドとアセトアルデヒドとの反応を化学式2にそれぞれ示す。
【0014】
[化1]
〜NHNH2(末端アミノ基)+HCHO(ホルムアルデヒド) → 〜NHN=CH2+H2
【0015】
[化2]
〜NHNH2(末端アミノ基)+CH3CHO(アセトアルデヒド) → NHN=CHCH3+H2
上式に示すように、カルボジヒドラジドはメチロールを経由しないで直接反応するが、通常のアミド系化合物は、以下の化学式3,4に示すようにメチロール等を経由する。
【0016】
[化3]
(ステップ1)
〜NH(アミノ基)+HCHO(ホルムアルデヒド)→ 〜NHCHOH(メチロール化合物)
(ステップ2)
〜NHCHOH+HOHCHN〜 → 〜NHCHOHCHN〜(メチレンエーテル化合物)〜+H
(ステップ3)
〜NHCHOH+HN〜 → 〜NHCHHN〜(メチレン結合化合物)+H
【0017】
[化4]
〜NH(アミノ基)+CHCHO(アセトアルデヒド)→ 〜N=CH−CH+H
【0018】
また、植物繊維を少なくとも30質量%以上含んだ繊維板としてその表面を粗面に成形することにより、繊維板表面がポーラスであることから毛細管現象によってアルデヒド類の吸収性能も高くなり、さらには、アルデヒド捕捉剤を含有した溶液の繊維板内への浸透を促進することができる。
【0019】
上記するアルデヒド捕捉剤は、繊維板の一側面または両側面から浸透させることにより、繊維板の一側面の内部のみにアルデヒド捕捉剤が浸透固化した繊維板であってもよいし、両側面の内部にアルデヒド捕捉剤が浸透固化した繊維板であってもよい。発明者等の実験によれば、いずれの形態であってもアルデヒド類の捕捉分解作用に優れていることが実証されている。尤も、製造コストの観点からは一側面の内部のみに捕捉剤が浸透固化した繊維板を製造するのがよく、より高い捕捉分解作用を得るためには両側面の内部にアルデヒド捕捉剤が浸透固化した繊維板を製造するのがよい。
【0020】
本発明の繊維板によれば、ホルムアルデヒドは勿論のこと、アセトアルデヒドをも効果的に捕捉分解することが可能となり、この繊維板が建物の内装材や自動車の内装材等に使用されることで、シックハウスやシックカーといった問題を効果的に解消することができる。また、本発明の繊維板では、そのポーラスな表面からアルデヒド捕捉剤が浸透し、繊維板の表面から一定の深さまで浸透したアルデヒド捕捉剤が立体的な層を形成しながら固化していることにより、単に表面だけの塗布に比してアルデヒド捕捉剤を確実に保持することができ、さらには、アルデヒド類の分解効果をも高めることができる。
【0021】
また、本発明によるアルデヒドを捕捉分解する繊維板の他の実施の形態において、前記繊維板は、該繊維板のうち少なくとも90質量%以上が木質繊維からなる木質繊維板であることを特徴とするものである。
【0022】
少なくとも90質量%以上が木質繊維からなる木質繊維板は、一般に硬質繊維板またはハードボード(H.B)、インシュレーションボードのことであり、アルデヒド類を含む接着剤を大量に使用する合板やMDF(乾式中密度繊維板)を除外するものである。これは、カルボジヒドラジドが、木材が本来含有している程度のアルデヒド類の捕捉に対して有効であり、従って微量な接着剤しか添加しないハードボードやアルデヒド類含有量が少ないデンプンをメインの接着剤として添加するインシュレーションボードには有効である一方で、アルデヒド類を含む接着剤を大量に使用する合板やMDFは一度に揮発するアルデヒド類の量が多すぎるため、カルボジヒドラジドを適切に浸透固化させても、なかなか基準を満足するレベルにまでアルデヒド類を捕捉することが難しい。
【0023】
また、本発明によるアルデヒドを捕捉分解する繊維板の他の実施の形態において、前記繊維板は、該繊維板の少なくとも30質量%以上を占める樹脂繊維と、植物繊維と、の混合材料からなる板材であることを特徴とするものである。
【0024】
この混合材料からなる板材は、例えば、アルデヒド類を含まない樹脂であるポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタートを含む熱可塑性樹脂からなる樹脂繊維と、上記する木材や麻などからなる植物性繊維を混合した板である。この板材に関し、本出願人によって開発され、市販されている板材として、商品名:ウッドプラスチックシート(WPS)(ニチハ株式会社製)を挙げることができる。なお、ケナフや綿がさらに混合されていてもよい。ここで、以下に、AHMT法(4−アミノ−3ヒドラジノ−5−メルカプト−1.2.4.−トリアゾール法)により分析した、ハードボード、インシュレーションボード、WPS、合板、MDFの各板材のホルムアルデヒド含有量を示しておく。
【0025】
【表1】


【0026】
アルデヒド類を含まない樹脂からなる繊維材と適宜の植物繊維との混合材料から繊維板を製造することにより、上記するように繊維板の弱酸性雰囲気を保持しながら、繊維板の剛性や強度を任意に調整することが可能となる。
【0027】
さらに、本発明によるアルデヒドを捕捉分解する繊維板の他の実施の形態は、前記カルボジヒドラジドと、水をはじめとする溶媒と、界面活性剤と、からなる溶液が前記繊維板に浸透固化されていることを特徴とするものである。
【0028】
既述するようにカルボジヒドラジドは水に溶解した状態で繊維板の側面内部に浸透される。本発明の繊維板では、この水溶液に界面活性剤を添加することによってカルボジヒドラジドの浸透促進効果を高めるものである。ここで、界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤のいずれか一種を使用するのがよい。
【0029】
ここで、アニオン性界面活性剤には、高級アルコールサルフェート(Na塩またはアミン塩)、アルキルアリルスルフォン酸塩(Na塩またはアミン塩)、アルキルナフタレンスルフォン酸塩(Na塩またはアミン塩)、アルキルナフタレンスルフォン酸塩縮合物、アルキルフォスフェート、ジアルキルスルフォサクシネート、ロジン石鹸、脂肪酸塩(Na塩またはアミン塩)等がある。また、ノニオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキロールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアマイド、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等がある。さらに、カチオン性界面活性剤には、オクタデシルアミンアセテート、イミダゾリン誘導体アセテート、ポリアルキレンポリアミン誘導体またはその塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルアミノエチルアルキルアミドハロゲニド、アルキルピリジニウム硫酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムハロゲニド等がある。特に、木質繊維板と相性のよいノニオン性界面活性剤が好適である。
【0030】
また、アルデヒド捕捉剤として通常5〜30質量%程度の濃度の水溶液が使用されるが、溶媒としては水のほか、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等の水溶性有機溶媒が水とともに、あるいは水に代えて使用されてもよい。
【発明の効果】
【0031】
以上の説明から理解できるように、本発明によるアルデヒドを捕捉分解する繊維板によれば、pHが4〜6という弱酸性の繊維板の一側面または両側面の側面内部にカルボジヒドラジドを少なくとも含むアルデヒド捕捉剤が浸透固化していることにより、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの双方を効果的に捕捉分解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら、本発明によるアルデヒドを捕捉分解する繊維板の実施の形態を説明する。図1は、平板状の繊維板の一実施の形態を示した斜視図であり、図2は、図1のII部の拡大図であり、図3は、平板状の繊維板の他の実施の形態を示した斜視図である。なお、本発明の繊維板は、自動車の内装材等をはじめとして、その用途に応じて任意の形状に成形されることは勿論のことである。
【0033】
(実施の形態1)
図1には、木質繊維板1を使用し、その一側面の内部にカルボジヒドラジド2が浸透固化してできる板状の繊維板10を、図3には、木質繊維板1の両側面の内部にカルボジヒドラジド2が浸透固化してできる板状の繊維板20を示している。図1の一部を拡大した図2に示すように、木質繊維板1の裏面(後述する抄造工程にて金網に面する側面)は、カルボジヒドラジドが溶解された水溶液が内部に浸透しやすいようにポーラスな状態に成形されている。以下、この繊維板10または繊維板20の製造方法について詳述する。
【0034】
(スラリー調整)
使用するパルプは木材を原料とし、該木材のチップを機械的処理することによってパルプ化するメカニカルパルプや、化学的処理することによってパルプ化するケミカルパルプ、機械的処理と化学的処理を併用してパルプ化するセミグラウンドパルプのいずれも使用可能である。このパルプは通常3質量%程度の濃度で水に分散され、スラリーとされる。さらに、通常はフェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂バインダーをスラリーに対して0.5〜1.5質量%程度、パラフィンワックス、シリコン化合物、ジルコニウム化合物等の撥水剤をスラリーに対して0.5〜1.5質量%、そのほか必要に応じて防腐剤や老化防止剤等を添加してスラリー調整がおこなわれる。
【0035】
(抄造)
上記するスラリーは通常パルプ濃度として1〜1.5質量%程度に希釈して抄造に使用される。抄造には丸網法、長網法、チャップマン法等の公知の方法が適用される。いずれの方法においても、金網上に該スラリーを流し出し、金網裏面から真空吸引脱水を行なってウェットマットをフォーミングする。このウェットマットにあっては、表面側ではパルプは長手方向が略水平方向になるように配向され、裏面側(金網側)では真空吸引力によって長手方向が略垂直になるように配向され、かつパルプ密度は表面側では比較的高く、裏面側では比較的低くなっており、さらに、裏面は金網の網目が転写されることによって粗面になっている。このウェットマットは、所望なれば冷間プレスによってドライネスが約30〜40%になるまで脱水される。
【0036】
(加熱プレス)
上記するウェットマットは次いで加熱プレスされる。加熱プレスは通常180℃〜220℃程度の温度で行なわれるが、プレス圧力は例えば40kg/cm2 で50〜60秒、8〜10kg/cm2 で60〜90秒、20〜25kg/cm2 で60〜90秒の三段階のプレス方式によって行なわれる。この三段階のプレス方式では、二段階目で圧力を下げてウェットマットに含まれている水蒸気を抜け易くすることで(息抜き工程)、ウェットマットのパンク現象が防止される。なお、プレス装置は上型と下型とを備えるが、下型型面に金網や多孔板をスペーサーとして敷設することでウェットマットから搾出される水の排水が図られる。上記するように、ウェットマットの裏面側においてはパルプが長手方向を略垂直にして配向され、比較的低密度となっているために、ウェットマットからの水の搾出はパルプ間にガイドされて円滑に行なわれる。
【0037】
ところで、ウェットマットにはホルムアルデヒドを含む熱硬化性樹脂バインダーが若干含まれているが、加熱プレスによって該樹脂中のホルムアルデヒドは遊離し、その殆どが揮発されてしまう。
【0038】
プレス成形された木質繊維板は裏面側を上向きにするために裏返しにされ、まだ木質繊維板が加熱状態にあるうちにアルデヒド捕捉剤溶液が木質繊維板の裏面に上方からスプレーされる。上方からスプレーする方法は、下方からスプレーする方法に比べて、アルデヒド捕捉剤の歩留まりを格段に向上することができ、捕捉剤の殆どが繊維板に留まることになるという大きな効果を有している。さらに、捕捉剤の殆どが繊維板に留まることによって設備も汚れ難くなり、アルデヒド捕捉剤を回収するための設備も不要となる。
【0039】
(アルデヒド捕捉剤)
ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドからなるアルデヒド類を捕捉するアルデヒド捕捉剤としてはカルボジヒドラジドを使用する。カルボジヒドラジドの含有量が20重量%以上では木質繊維板に吹き付けた際にその表面が白化する現象が起こり、その後の他の基材との接着性能等を悪化させる可能性がある。また、低温期の安定性、特に結晶の析出等も懸念される。そこで、カルボジヒドラジドの含有量は20重量%未満が望ましく、アルデヒド類の捕捉効果としてはその含有量が15重量%以下で十分である。
【0040】
捕捉剤の成分として、カルボジヒドラジド単独でもホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの捕捉性能(消臭性能)は充分であるが、有機酸ジヒドラジドを加えることによりその捕捉性能はさらに向上する。有機酸ジヒドラジドとしては、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジドなどを挙げることができる。
【0041】
これらのうち、水に対する溶解性の高いものは限られており、アジピン酸ジヒドラジドを消臭剤成分として用いた場合には、DNPH化してHPLC分析した場合、ホルムアルデヒドガスに対する消臭効果は非常に優れているもののアセトアルデヒドガスに対する消臭効果は全く無く、むしろその放散量が増える傾向にある。しかし、カルボジヒドラジドとアジピン酸ジヒドラジドとを併用すると相乗効果がみられ、ホルムアルデヒドガスおよびアセトアルデヒドガスの双方に対する消臭効果が向上する。このとき、アジピン酸ジヒドラジドの含有量が10重量%以上の場合には、基材によってはアセトアルデヒドガスの放散量が増える傾向にあるため、その含有量は10重量%未満が望ましい。
【0042】
また、コハク酸ジヒドラジドを消臭剤成分として用いた場合には、DNPH化してHPLC分析した場合、アジピン酸ジヒドラジドと同様にホルムアルデヒドガスに対する消臭効果は非常に優れているもののアセトアルデヒドガスに対する消臭効果は全く無く、むしろその放散量が増える傾向にある。しかし、カルボジヒドラジドとコハク酸ジヒドラジドとを併用すると相乗効果がみられ、ホルムアルデヒドガスおよびアセトアルデヒドガスの双方に対する消臭効果が向上する。このとき、コハク酸ジヒドラジドの含有量が10重量%以上の場合には、基材によってはアセトアルデヒドガスの放散量が増える傾向にあるため、その含有量は10重量%未満が望ましい。
【0043】
そのほかの有機酸ジヒドラジド等を用いた場合、水に対する溶解性は低く、また、アルデヒドガスに対する消臭効果は弱い。
【0044】
以上の理由より、カルボジヒドラジドと併用する有機酸ジヒドラジドとしては、アジピン酸ジヒドラジドまたはコハク酸ジヒドラジドを使用することが好ましく、さらには、その含有量を10重量%未満に調整するのが望ましいと結論付けることができる。
【0045】
また、カルボジヒドラジド、有機酸ジヒドラジドにグアニジン塩をさらに加えて捕捉剤(消臭剤)を生成してもよい。グアニジン塩としては、塩酸グアニジン、塩酸アミノグアニジン、重炭酸アミノグアニジン、スルファミン酸グアニジン、炭酸グアニジン、リン酸グアニジン、硝酸グアニジン等を挙げることができる。
【0046】
これらのうち、スルファミン酸グアニジンを単独で使用した場合、ホルムアルデヒドガスおよびアセトアルデヒドガスに対する消臭効果は弱いものの、カルボジヒドラジドおよびアジピン酸ジヒドラジドまたはコハク酸ジヒドラジドと併用することにより、その効果は大きく向上する。また、スルファミン酸グアニジンの含有量が10重量%以上の場合には基材にべたつきが生じたりするため、その含有量は10重量%未満が望ましい。
【0047】
そのほかのグアニジン塩を併用した場合、スルファミン酸グアニジンに比べてホルムアルデヒドガスおよびアセトアルデヒドガスに対する消臭効果が極端に低下したり、基材が変色したり、べたつきが生じたりする。そこで、アルデヒドに対する消臭性能、特にアセトアルデヒドに対する消臭性能を勘案した場合、スルファミン酸グアニジンを使用するのが好ましい。
【0048】
(溶媒)
上記ホルムアルデヒド捕捉剤は、通常5〜30質量%程度の濃度の水溶液とされるが、溶媒としては水のほか、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等の水溶性有機溶媒が水と共にあるいは水に代えて使用されてもよい。
【0049】
(界面活性剤)
さらに、上記溶液には例えばアニオン性、ノニオン性、カチオン性の界面活性剤が浸透剤として添加されてもよい。この界面活性剤としては、例えばアニオン性界面活性剤は高級アルコールサルフェート(Na塩またはアミン塩)、アルキルアリルスルフォン酸塩(Na塩またはアミン塩)、アルキルナフタレンスルフォン酸塩(Na塩またはアミン塩)、アルキルナフタレンスルフォン酸塩縮合物、アルキルフォスフェート、ジアルキルスルフォサクシネート、ロジン石鹸、脂肪酸塩(Na塩またはアミン塩)等があり、ノニオン性界面活性剤はポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキロールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアマイド、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等があり、カチオン性界面活性剤はオクタデシルアミンアセテート、イミダゾリン誘導体アセテート、ポリアルキレンポリアミン誘導体またはその塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルアミノエチルアルキルアミドハロゲニド、アルキルピリジニウム硫酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムハロゲニド等がある。
【0050】
(アルデヒド捕捉剤溶液のスプレー塗布)
上記するアルデヒド捕捉剤溶液を上記する板状の木質繊維板の裏面にスプレーする場合、木質繊維板を加熱状態としておく。この温度は80℃〜180℃で、望ましくは100℃〜160℃の範囲に設定される。また、スプレー量は1.5〜3.0g/m(固形分換算)程度に設定される。
【0051】
このアルデヒド捕捉剤溶液をスプレーすると、ミストになって木質繊維板の裏面に塗布されるが、該木質繊維板の裏面は網目の転写によって粗面になっており、さらに該木質繊維板中のパルプは裏面付近では略垂直方向に配向され、比較的低密度になっている。したがって、この溶液は木質繊維板の裏面から該木質繊維板内部に効率的に浸透することができる。しかし、この溶液はミスト状で該木質繊維板の裏面に塗布されるため、溶液中の溶媒は急速に蒸発し、その蒸気圧によってもアルデヒド捕捉剤は木質繊維板の内部に押し込まれる。しかし溶媒は急速に蒸発するから、この溶液は木質繊維板の深部までは到達せず、木質繊維板の溶媒含浸による歪の発生の問題は生じ得ない。このようにして、アルデヒド捕捉剤は木質繊維板の裏面よりある程度内部に浸透した状態でとどまって固着するようになるから、木質繊維板の裏面近傍のアルデヒド捕捉剤の濃度は高い状態となる。溶液をスプレー塗布した後、木質繊維板は室温にまで冷却される。
【0052】
(調湿)
木質繊維板を冷却後、裏面に水を散布して木質繊維板の全体的な含水量を調節する。この際、アルデヒド捕捉剤は裏面からある程度内部に浸透した状態で、しかも固着しているから水に殆ど溶出しない。この調湿と同時に所望なれば木質繊維板の表面にもアルデヒド捕捉剤溶液を塗布する。溶液の塗布はスプレー塗布が一般的であるが、ロールコーティングやナイフコーティング、カーテンフローコーティング等が適用されてもよい。この調湿後は木質繊維板を1〜2日間養生し、その後に所定の寸法に切断する。
上記するアルデヒド類捕捉剤溶液は、調湿養生後塗布されてもよい。ただし、この場合には適切な乾燥処理が必要である。
【0053】
(硬質木質繊維板を使用した場合の繊維板の実施例)
メカニカルパルプ(平均長1cm)を100質量部、フェノール樹脂を1質量部、パラフィンワックスを1質量部、それぞれ水に分散させ、パルプ濃度として3質量%のスラリーを調製した。このスラリーはさらにパルプ濃度として1.2質量%に希釈され、金網上に流し出し、裏面から真空脱水してウェットマットをフォーミングした。このウェットマットは冷間プレスによってドライネスを35質量%に調節し、その後200℃の加熱プレスが行なわれた。加熱プレス条件は40kg/cm2 圧で50秒、9kg/cm2 圧で70秒、23kg/cm2 圧で80秒に設定した。なお、このドライネスは下式による。
【0054】
[式]
(ドライネス)=(ウェットマット乾燥後の質量/ウェットマット乾燥前の質量)×100(%)
【0055】
加熱プレス後得られた繊維板は裏面を上側にしてセットされ、有機アミド系アルデヒド類捕捉剤(カルボジヒドラジドが成分のFAC−2)(三木理研工業株式会社製)を原液(濃度12.5wt%)にて該繊維板の裏面に3g/m(固形分換算) の量でスプレー塗布した。この溶液スプレー塗布時の繊維板の温度は130℃である。溶液スプレー後、繊維板を冷却し、裏面に水を散布して繊維板の含水率調整を行ったのち、繊維板の表面にも該捕捉剤を原液(濃度12.5wt%)にて3g/m(固形分換算)スプレー塗布した。その後、12日間養生期間を置いた。
【0056】
(実施の形態2)
図示を省略するが、樹脂繊維と植物繊維との混合材料から基材となる板材を製造し、その一側面また両側面の内部に図1,2と同様に上記するカルボジヒドラジドを浸透固化させることにより、本発明の繊維板を製造することができる。
【0057】
(ウッドプラスチックシートを使用した場合の繊維板の実施例)
ウッドプラスチックシート(ニチハ株式会社製)は、木質繊維(含水率30%以下)を37質量部、麻繊維を10質量部、ポリプロピレン繊維(融点170℃)を50質量部、芯鞘ポリプロピレン繊維(ポリプロピレン繊維の周囲を融点110℃のポリエチレン樹脂でコートしたもの)を3質量部、から生成される。
【0058】
まず、上記の材料をブレンダーにて均一に混合し、フリース(均一に混合したもの)を得る。次いで、このフリースを130℃セットのオーブン(熱風の通気装置)に通すことによって芯鞘ポリプロピレン繊維の外周を構成するポリエチレン樹脂が溶解し、フリース内の繊維が結合して保形される。この保形体は、厚さ規制ロールを通過することによってさらに堅固なものとなる。なお、オーブン方式のかわりに、ニードルパンチ(針で上下する)方式でニードルパンチ棒を用いて繊維を物理的に結合させてもよい。この場合は、芯鞘ポリプロピレン繊維は不要である。次いで、上記の方法で、嵩密度0.1g/cm3、目付量2.0kg/m3、厚さ20mmの嵩高なマット状の成型用素材を得た。この成型用素材を、熱盤温度220〜230℃、圧力490,000Pa(=5kg/cm2)で30秒間熱圧縮した。このとき、シートベルトは、ガラス繊維織布にフッ素樹脂をコーティングしたものを用いた。このようにして、材料温度200〜210℃、厚さ2.5〜3.0mmの熱可塑性材料を得た。この熱可塑性材料を金型温度50℃以下、圧縮面圧力980,000Pa(=10kg/cm)、圧縮時間20秒の条件下で冷圧縮して所望のウッドプラスチックシートを得た。このウッドプラスチックシートの両面に、上記する硬質木質繊維板を使用した場合の繊維板の実施例と同様の捕捉剤を所定量スプレー塗布し、所定の養生期間を置いた。
【0059】
(アルデヒドガスの揮発量に関する試験とその結果)
上記する硬質木質繊維板を使用した場合の繊維板の実施例にて製造した2.5mm厚のハードボードの試片(80cm)を複数用意し、各試片に浸透固化させる捕捉剤の仕様や塗布面の形態(裏のみ、表のみ、裏表)、および塗布量を変化させて試片を製作し、純窒素ガス4Lを入れた10Lのテドラーバッグに、各試片を入れ、65℃で2時間加熱後、DNPHカートリッジで4L全量採気し、高速液体クロマトグラフにてアルデヒド類の揮発量を測定し、その合否を判定した。試片において捕捉剤:FC−478Tは、有機アミド系アルデヒド補足剤であり(三木理研工業株式会社製)、アミノ基は末端に1つで、しかもカルボニル基を有しない。ここで、ホルムアルデヒドの揮発量に関しては、その合格基準を0.3μg/試片とし、アセトアルデヒドの揮発量に関しては、その合格基準を0.4μg/試片とし、それぞれの合格基準を1に正規化し、この合格基準に対する倍数で各試片の結果を示した。その結果は、下表である。
【0060】
【表2】


【0061】
【表3】


【0062】
表2,3より、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの双方の揮発量が基準値を満足する条件として、基材としてハードボードを使用し、捕捉剤としてFAC−2を使用した場合であり、この場合は捕捉剤の塗装面が片面、両面いずれの場合も基準値を満足する結果となった。
【0063】
同様に、ウッドプラスチックシートを使用した場合の繊維板の実施例に関し、アルデヒドガスの揮発量を測定した。その結果を表4,5に示す。
【0064】
【表4】


【0065】
【表5】


【0066】
表4,5より、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの双方の揮発量が基準値を満足する条件は捕捉剤としてFAC−2を使用した場合であり、この場合は捕捉剤の塗装面が片面、両面いずれの場合も基準値を満足する結果となった。
【0067】
以上の実験結果より、基材がハードボードの場合もウッドプラスチックシートの場合も、カルボジヒドラジドをその成分とする有機アミド系アルデヒド類捕捉剤(FAC−2)を使用した場合に、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの双方の揮発量を基準値未満に抑える効果が得られることが実証された。
【0068】
次に、カルボジヒドラジドと他の添加物とから捕捉剤を生成し、各捕捉剤におけるホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの双方の揮発量を測定した。その結果を表6に示す。
【0069】
【表6】


* ホルムアルデヒドの揮発量に関しては、その合格基準を0.3μg/試片とし、アセトアルデヒドの揮発量に関しては、その合格基準を0.4μg/試片とし、それぞれの合格基準を1に正規化し、この合格基準に対する倍数で各試片の結果を示す。
【0070】
表6より、カルボジヒドラジドのみからなる捕捉剤(記号A)の場合にその捕捉効果があることは勿論であるが、それ以外にも、カルボジヒドラジドにアジピン酸ジヒドラジドが添加された捕捉剤(記号B,D)、カルボジヒドラジドにコハク酸ジヒドラジドが添加された捕捉剤(記号C)、カルボジヒドラジドにスルファミン酸グアニジンが添加された捕捉剤(記号G)を使用した場合はより高い捕捉効果が得られるという結果が実証された。さらに、本実験においては、カルボジヒドラジドにアジピン酸ジヒドラジドおよびスルファミン酸グアニジンを添加してなる捕捉剤(記号H)が最も捕捉性能に優れているという結果が得られた。なお、上記する記号A,B,C,D,Hの捕捉剤では、基材表面の変色もなく、べたつきもないという効果が併せて得られた。
【0071】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明による繊維板の一実施の形態を示した斜視図である。
【図2】図1のII部の拡大図である。
【図3】本発明による繊維板の他の実施の形態を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0073】
1…木質繊維板、2…カルボジヒドラジド、10,20…繊維板
【出願人】 【識別番号】000110860
【氏名又は名称】ニチハ株式会社
【識別番号】000177014
【氏名又は名称】三木理研工業株式会社
【出願日】 平成18年9月28日(2006.9.28)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔

【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男

【識別番号】100099128
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康

【識別番号】100129861
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 滝治


【公開番号】 特開2008−80714(P2008−80714A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−264960(P2006−264960)