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【発明の名称】 着色木材の製造方法
【発明者】 【氏名】伊藤 健

【要約】 【課題】染色された木材から余分な染液成分を確実に除去できる着色木材の製造方法を提供する。

【構成】本発明は、木材1を染液によって染色する染色加工工程と、染色された木材1を洗浄液Sにより洗浄して余分な染液成分を除去する洗浄工程と、を含む。洗浄工程においては、染色加工済木材1の一方側木口1aから洗浄液Sを木材内部に強制的に導入しつつ、他方側木口1bから木材内部の洗浄液Sを吸引排出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材を染液によって染色する染色加工工程と、
染色された木材を洗浄液により洗浄して余分な染液成分を除去する洗浄工程と、を含み、
前記洗浄工程においては、染色加工済木材の一方側木口から洗浄液を木材内部に強制的に導入しつつ、他方側木口から木材内部の洗浄液を吸引排出するようにしたことを特徴とする着色木材の製造方法。
【請求項2】
前記洗浄工程は、処理液槽内に貯留された処理液に染色加工済木材を浸漬した状態で行うようにした請求項1に記載の着色木材の製造方法。
【請求項3】
洗浄液として、酢酸が0.5〜3%配合された水溶液、蟻酸が2〜4%配合された水溶液、硫酸アンモニアが1〜5%配合された水溶液、硫酸ナトリウムが5〜10%配合された水溶液の中から選択されたものが用いられる請求項1または2に記載の着色木材の製造方法。
【請求項4】
前記洗浄工程は、木材の一方側木口から洗浄液を導入して他方側木口から排出する一方向洗浄処理と、木材の他方側木口から洗浄液を導入して一方側木口から排出する他方向洗浄処理とが行われる請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色木材の製造方法。
【請求項5】
染色前の木材として、含水率が5〜20%のものが用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色木材の製造方法。
【請求項6】
洗浄された木材を乾燥させる乾燥工程をさらに含み、
前記乾燥工程は、木材の一方側木口から空気を木材内部に強制的に導入しつつ、他方側木口から木材内部の空気を吸引排出するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色木材の製造方法。
【請求項7】
乾燥済木材の含水率が40〜80%に調整される請求項6に記載の着色木材の製造方法。
【請求項8】
染色前の木材として、厚さが10〜100mmのものが使用される請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色木材の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載された製造方法によって製造されたことを特徴とする着色木材。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載された製造方法によって着色木材を得る工程と、
着色木材を切削して着色単板を得る工程と、を含む着色単板の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載された製造方法によって製造されたことを特徴とする着色単板。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか1項に記載された製造方法によって着色木材を得る工程と、
着色木材を切削して着色単板を得る工程と、
着色単板を化粧層として基材に貼り付けて化粧板材を得る工程と、を含む化粧板材の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載された製造方法によって製造されたことを特徴とする化粧板材。
【請求項14】
染液によって染色された木材を洗浄液により洗浄して余分な染液成分を除去するための染色加工済木材の洗浄装置であって、
染色加工済木材の一方側木口を弾性パッキンを介して密封状態に接続する一方側接続部材と、
染色加工済木材の他方側木口を弾性パッキンを介して密封状態に接続する他方側接続部材と、
前記一方側接続部材内に洗浄液を加圧供給して、一方側木口から洗浄液を木材内部に強制的に導入する洗浄液加圧供給手段と、
前記他方側接続部材を介して、他方側木口から木材内部の洗浄液を吸引排出する洗浄液吸引排出手段と、を備えた染色加工済木材の洗浄装置。
【請求項15】
染色加工済木材を収容する処理液槽をさらに備え、
前記処理液槽内に貯留された処理液に染色加工済木材が浸漬された状態で、染色加工済木材が洗浄されるようにした請求項14に記載の染色加工済木材の洗浄装置。
【請求項16】
前記一方側接続部材内に洗浄液を加圧供給しつつ、前記他方側接続部材から洗浄液を吸引排出する一方向洗浄手段と、
前記他方側接続部材内に洗浄液を加圧供給しつつ、前記一方側接続部材から洗浄液を吸引排出する他方向洗浄手段と、
前記一方向洗浄手段と前記他方向洗浄手段との間の切り換えを行うための切換手段と、をさらに備える請求項14または15に記載の染色加工済木材の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、木材を染液によって染色して着色するようにした着色木材の製造方法およびその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
合板などの基材に突板が貼り付けられた化粧床材や化粧壁材の化粧面を着色する方法としては、突板を基材に貼付した後、顔料を直接突板表面に付着させてアミノやウレタンなどの樹脂を塗布する方法や、突板を先に染色しておいてその着色された突板を基材に貼り付ける方法などが周知である。
【0003】
さらに後者の着色方法において、突板を着色する方法としては、下記特許文献1に示すように木材を切削して単板(突板)を作製した後、その単板を染色する方法や、下記特許文献2,3に示すように木材を染色した後、その木材を切削して着色単板を得る方法が一般に採用されている。
【特許文献1】特開昭58−28303号
【特許文献2】特開平8−244006号
【特許文献3】特開平8−57804号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示す従来の着色単板の製造方法においては、単板を1枚ずつ染色するものであるため、多数の単板を染色するのに膨大な時間が必要となり、生産効率の低下を来すという問題があった。
【0005】
一方、特許文献2,3に示す従来の着色木材の製造方法においては、木材を染色した後、その着色木材を切削して着色単板を得るものであるため、染色を切削前の木材の状態で行うことができ、単板を1枚ずつ染色するなどの低能率な作業が必要なく、生産性を向上させることができる。
【0006】
しかしながら、両特許文献2,3に示す着色木材の製造方法においては、染液によって木材を染色する場合、細胞壁や壁内を確実に染色するには、細胞内や細胞間の空隙を染液で十分に満たす必要がある。その状態は含水率10%の木材に染液を110〜150%含浸させた状態に相当するが、細胞壁や壁内を染色した後の染液と未反応の染液(未定着染料)は、余分な染液成分として木材内に残存してしまう。この余分な染液成分が残存した状態で木材を切削すると、余分な染液成分が切削単板の表面に、汚らしい斑模様のようになって表出し、いわゆる染色ムラが発生して品質の低下を来すという問題があった。
【0007】
さらに余分な染液成分が残存した状態の染色加工後木材は、切削可能な含水率まで乾燥させてから切削したとしても、上記と同様に染色ムラが発生してしまう。
【0008】
染色ムラを防止するには、木材を染色した後、洗浄して未定着染料などの余分な染液成分を十分に洗い出す必要がある。しかしながら通常の洗浄方法では、木材内部全域に洗浄液を十分に浸透させることができず、余分な染液成分を確実に除去することが困難であるという問題が発生する。
【0009】
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、染色された木材から余分な染液成分を確実に除去することができる着色木材の製造方法およびその関連技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、以下の構成を要旨としている。
【0011】
[1] 木材を染液によって染色する染色加工工程と、
染色された木材を洗浄液により洗浄して余分な染液成分を除去する洗浄工程と、を含み、
前記洗浄工程においては、染色加工済木材の一方側木口から洗浄液を木材内部に強制的に導入しつつ、他方側木口から木材内部の洗浄液を吸引排出するようにしたことを特徴とする着色木材の製造方法。
【0012】
[2] 前記洗浄工程は、処理液槽内に貯留された処理液に染色加工済木材を浸漬した状態で行うようにした前項1に記載の着色木材の製造方法。
【0013】
[2a] 処理液として洗浄液と同種のものが用いられる前項2に記載の着色木材の製造方法。
【0014】
[3] 洗浄液として、酢酸が0.5〜3%配合された水溶液、蟻酸が2〜4%配合された水溶液、硫酸アンモニアが1〜5%配合された水溶液、硫酸ナトリウムが5〜10%配合された水溶液の中から選択されたものが用いられる前項1または2に記載の着色木材の製造方法。
【0015】
[4] 前記洗浄工程は、木材の一方側木口から洗浄液を導入して他方側木口から排出する一方向洗浄処理と、木材の他方側木口から洗浄液を導入して一方側木口から排出する他方向洗浄処理とが行われる前項1〜3のいずれか1項に記載の着色木材の製造方法。
【0016】
[5] 染色前の木材として、含水率が5〜20%のものが用いられる前項1〜4のいずれか1項に記載の着色木材の製造方法。
【0017】
[6] 洗浄された木材を乾燥させる乾燥工程をさらに含み、
前記乾燥工程は、木材の一方側木口から空気を木材内部に強制的に導入しつつ、他方側木口から木材内部の空気を吸引排出するようにした前項1〜5のいずれか1項に記載の着色木材の製造方法。
【0018】
[7] 乾燥済木材の含水率が40〜80%に調整される前項6に記載の着色木材の製造方法。
【0019】
[8] 染色前の木材として、厚さが10〜100mmのものが使用される前項1〜7のいずれか1項に記載の着色木材の製造方法。
【0020】
[9] 前項1〜8のいずれか1項に記載された製造方法によって製造されたことを特徴とする着色木材。
【0021】
[10] 前項1〜8のいずれか1項に記載された製造方法によって着色木材を得る工程と、
着色木材を切削して着色単板を得る工程と、を含む着色単板の製造方法。
【0022】
[11] 前項10に記載された製造方法によって製造されたことを特徴とする着色単板。
【0023】
[12] 前項1〜8のいずれか1項に記載された製造方法によって着色木材を得る工程と、
着色木材を切削して着色単板を得る工程と、
着色単板を化粧層として基材に貼り付けて化粧板材を得る工程と、を含む化粧板材の製造方法。
【0024】
[13] 前項12に記載された製造方法によって製造されたことを特徴とする化粧板材。
【0025】
[14] 染液によって染色された木材を洗浄液により洗浄して余分な染液成分を除去するための染色加工済木材の洗浄装置であって、
染色加工済木材の一方側木口を弾性パッキンを介して密封状態に接続する一方側接続部材と、
染色加工済木材の他方側木口を弾性パッキンを介して密封状態に接続する他方側接続部材と、
前記一方側接続部材内に洗浄液を加圧供給して、一方側木口から洗浄液を木材内部に強制的に導入する洗浄液加圧供給手段と、
前記他方側接続部材を介して、他方側木口から木材内部の洗浄液を吸引排出する洗浄液吸引排出手段と、を備えた染色加工済木材の洗浄装置。
【0026】
[15] 染色加工済木材を収容する処理液槽をさらに備え、
前記処理液槽内に貯留された処理液に染色加工済木材が浸漬された状態で、染色加工済木材が洗浄されるようにした前項14に記載の染色加工済木材の洗浄装置。
【0027】
[16] 前記一方側接続部材内に洗浄液を加圧供給しつつ、前記他方側接続部材から洗浄液を吸引排出する一方向洗浄手段と、
前記他方側接続部材内に洗浄液を加圧供給しつつ、前記一方側接続部材から洗浄液を吸引排出する他方向洗浄手段と、
前記一方向洗浄手段と前記他方向洗浄手段との間の切り換えを行うための切換手段と、をさらに備える前項14または15に記載の染色加工済木材の洗浄装置。
【発明の効果】
【0028】
上記発明[1]における着色木材の製造方法によれば、切削前の木材の状態で染色を行うものであるため、その着色木材を切削して化粧用単板を作製する場合には、たとえば切削後の単板の状態で染色を行うものと比較して、効率良く化粧用単板を生産することができる。
【0029】
また本発明においては、染色加工済木材を洗浄する際に、一方側木口から木材内部に強制的に洗浄液を導入するとともに、他方側木口から木材内部の洗浄液を吸引排出するようにしているため、洗浄液が木材内部に十分浸透して隅々まで行き渡り、未定着染料などの余分な染液成分を確実に洗い流すことができる。従って、洗浄後に細胞腔内などに余分な染液成分が残存するのを確実に防止することができ、染液の残留による染色ムラの発生を確実に防止することができる。
【0030】
上記発明[2]における着色木材の製造方法によれば、染色加工済木材を洗浄液などの処理液に浸漬した状態で、洗浄を行うものであるため、一層効果的に洗浄することができる。すなわち洗浄する木材における所定の導管の一端が、板面などに開口し、他端が他方側木口に開口している場合であっても、所定の導管にはその一端から処理液が導入されて他端から排出されることにより、当該導管内の余分な染液成分を確実に洗い出すことができる。
【0031】
上記発明[3]における着色木材の製造方法によれば、洗浄液として特定のものを使用しているため、特定の洗浄液の作用によって、木材内部の染料を確実に定着させて色を鮮やかにすることができる。
【0032】
上記発明[4]における着色木材の製造方法によれば、洗浄液の導入方向を切り換えるものであるため、一層確実に洗浄液を木材内部全域に行き渡らせることができる。
【0033】
上記発明[5]における着色木材の製造方法によれば、洗浄処理によって木材の含水率を高めた後、乾燥処理によって含水率を低下させるものであるため、木材の含水率を自在に調整することができる。このため、出発材(染色前の木材)として、含水率が5〜20%の汎用で取扱い易い乾燥材を用いることができる。
【0034】
上記発明[6]における着色木材の製造方法によれば、木材を乾燥させる際に、一方側木口から空気を木材内部に強制的に導入しつつ、他方側木口から木材内部の空気を吸引排出するものであるため、乾燥用の空気を木材内部に隅々まで十分に流通させることができ、効率良く乾燥させることができる。
【0035】
上記発明[7]における着色木材の製造方法によれば、乾燥済木材の含水率を40〜80%に調整しているため、木材の切削や切削単板の貼着などの次工程での木材加工を適切な湿潤状態で行うことができる。
【0036】
上記発明[8]における着色木材の製造方法によれば、染色前の木材として、厚さが10〜100mmのものを使用しているため、上記の効果をより確実に得ることができる。
【0037】
上記発明[9]は、上記の製造方法によって製造された着色木材を特定するものであるため、上記と同様に、同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
上記発明[10][11]は、上記の製造方法によって製造された着色木材を切削して単板を得るものであるため、上記と同様に、同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
上記発明[12][13]は、上記の製造方法によって製造された着色木材を利用して、化粧板材を得るものであるため、上記と同様に、同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
上記発明[14]は、上記の製造方法の洗浄工程を実施可能な洗浄装置の一形態を特定するものであるため、上記と同様に、同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
また本発明においては、接続部材に弾性パッキンを介して木材の両端部を密封状態に接続するものであるため、所定の圧力で洗浄液を接続部材を介して木材内部に対し導入排出することができ、より一層効率良く洗浄することができる。その上さらに木材が洗浄液により膨潤したとしても、その膨張分が弾性パッキンの弾性収縮によって吸収されるため、密封性が良好に維持されて、高い洗浄効果を確実に維持することができる。
【0042】
上記発明[15]における染色加工済木材の洗浄装置によれば、処理槽に貯留された処理液に染色加工済木材を浸漬した状態で洗浄するものであるため、上記発明[2]と同様に、一層効果的に洗浄することができる。
【0043】
上記発明[16]における染色加工済木材の洗浄装置によれば、洗浄液の導入方向を適宜切り換えることができるため、上記発明[3]と同様に、より一層確実に洗浄液を木材内部全域に行き渡らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の第1実施形態である製造方法を用いて、板材から化粧床材を製造する場合を例に挙げて説明する。
【0045】
図1に示すように、この第1実施形態の製法は、板材に染液を含浸させて染色する染色加工工程(染液含浸工程)と、染色加工された染色加工済板材(染液含浸済板材)を洗浄する洗浄工程と、洗浄された洗浄済板材を乾燥する乾燥工程と、乾燥された乾燥済板材からフリッチを製作するフリッチ作製工程と、フリッチを切削して単板(着色単板)を製作する切削工程と、着色単板を基材に貼り付けて化粧床材を製作する単板貼着工程と、を含むものである。
【0046】
本実施形態で使用される板材(出発材)は、特に限定されるものではないが、たとえばナラ(オーク)、ブナ(ビーチ)、カバ(バーチ)、メイプル、シカモアなどの木材を一般的に使用することができる。
【0047】
この板材としては、カビの発生や腐朽菌等による腐蝕を防止するため気乾状態(含水率およそ8〜15%)に調整したものなどがあるが、本実施形態では後に詳述するように、含水率をコントロールできるため、どのような含水率の板材であっても不具合なく使用することができる。
【0048】
さらに板材の形状は、特に限定されることはないが、たとえば丸太形状、平板形状(板材形状)などのものを好適に用いることができる。なお本発明においては、木口から洗浄液を強制導入できる板材であれば、薄板形状(単板形状)のものであっても使用することができる。
【0049】
また板材のサイズも、特に限定されるものではないが、厚さが10〜100mm、幅が50〜150mm、長さが100〜1000mmのものを好適に用いることができる。
【0050】
染色加工工程で用いられる染液に含まれる着色材料としては、染料、顔料、染料および顔料の双方からなるものが用いられるが、均一に木材の内部まで着色するには、染料を用いるのが好ましい。
【0051】
また染料の種類も特に限定されることはないが、たとえば酸性染料、酸性媒染染料、金属錯塩酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料を用いることができ、中でも、定着性(固定性)に優れた酸性染料は好適に用いることができる。
【0052】
さらに染液には染料以外にも、必要に応じて適宜、添加剤を配合するようにしても良い。たとえば染料を木材の内部全域に均等にバランス良く浸透させるために、分散剤、緩染剤を混合しても良い。
【0053】
本実施形態において、染色加工工程を行うための染色加工装置(染液含浸装置)は、木材の染色用として一般に使用されるものであって、ワークとしての木材を収容可能な真空加圧タンクと、そのタンク内に染液を供給するための染液供給手段と、を備えている。
【0054】
そして真空加圧タンク内に木材をセットして、染液を加熱した状態でタンク内に供給して、染液内に木材を浸漬する。その後、タンク内の圧力および染液温度を適宜コントロールして、染液を木材内部に十分に染み込ませて染色する。
【0055】
こうして染色した木材(染色加工済木材)において、木材内部に染み込んで定着固定した染料以外の染液は、余分な染液成分として導管内や細胞腔内に残存している。この残留する余分な染液成分は、既述したように色ムラの要因となるため、洗浄処理を行って余分な染液成分を除去する必要がある。
【0056】
本実施形態において、この洗浄処理に用いられる洗浄装置として図2〜4に示す装置が用いられる。この洗浄装置は、染色加工済木材(1)の両端部に密封状態に接続される接続部材(20a)(20b)と、接続部材(20a)(20b)に洗浄液を加圧状態に供給する洗浄液加圧供給手段と、接続部材(20a)(20b)内から洗浄液を吸引排出する洗浄液吸引排出手段と、を基本的な構成要素として備えている。
【0057】
処理液槽(10)は、洗浄液や水などの処理液を貯留できるよう構成されており、後述するように貯留された処理液内に、染色加工済木材(1)が浸漬された状態で洗浄処理されるよう構成されている。
【0058】
処理液槽(10)内には、基台(11)が設けられ、その基台(11)上に、染色加工済木材(1)の繊維方向両端部に対応して、接続部材(20a)(20b)が設けられている。
【0059】
接続部材(20a)(20b)は、支持部材(21)(21)と、カバー部材(31)(31)と、弾性パッキン(15)(15)とを有している。
【0060】
支持部材(21)(21)は、基台(11)上において染色加工済木材(1)の長さ方向(繊維方法)にスライド自在に取り付けられ、そのスライド移動によって、支持部材(21)(21)を、染色加工済木材(1)に対して所定位置に精度良く配置できるよう構成されている。
【0061】
両支持部材(21)(21)は、接続口(22)(22)が設けられ、その接続口(22)(22)内に染色加工済木材(1)の両端部を挿入配置できるよう構成されている。
【0062】
また両支持部材(21)(21)の外面側における接続口(22)(22)の外周縁部には、後述する弾性パッキン(15)を圧縮変形するためのパッキン設置凹部(23)(23)が形成されている。
【0063】
弾性パッキン(15)は、環形状に形成されるものであり、染色加工済木材(1)の両端部外周に外嵌できるよう構成されている。この弾性パッキン(15)は、合成樹脂や合成ゴムなどの弾力性を有する材料によって構成されている。
【0064】
カバー部材(31)(31)は、染色加工済木材(1)の両木口(1a)(1b)を両側から収容する木口収容凹部(33)(33)が形成されるとともに、その凹部(33)(33)の外周部が、取付フランジ(34)(34)として形成されている。
【0065】
さらにカバー部材(31)(31)における凹部(33)(33)の中央部には、流体出入口(35)(35)が形成されている。
【0066】
本実施形態においては、カバー部材(31)(31)の取付フランジ(34)(34)と、支持部材(21)(21)の外周縁部とは、図示しないボルトおよびナットなどの固着手段によって、互いに接合した状態に固定できるよう構成されている。
【0067】
この構成の接続部材(20a)(20b)において、染色加工済木材(1)をセットするには、染色加工済木材(1)の両端部に弾性パッキン(15)(15)を外嵌するとともに、そのパッキン(15)(15)の両側に支持部材(21)(21)およびカバー部材(31)(31)を配置した状態で、支持部材(21)(21)の外周縁部と取付フランジ(34)(34)とを固着手段によって互いに接合固定する。これにより弾性パッキン(15)(15)を両部材(21)(21)(31)(31)により挟圧して圧縮変形させて、弾性パッキン(15)(15)を、染色加工済木材(1)および支持部材(21)(21)間の隙間、染色加工済木材(1)およびカバー部材(31)(31)間の隙間、支持部材(21)(21)およびカバー部材(31)(31)間の隙間に密封状態に充填させる。
【0068】
この密封状態においては、染色加工済木材(1)における一方側木口(1a)が一方側接続部材(20a)によって密封状態に覆われるとともに、他方側木口(1b)が他方側接続部材(20b)によって密封状態に覆われる。
【0069】
一方側接続部材(20a)の出入口(35)には、一方側接続管(40)が密封状態に連通接続されている。さらにこの一方側接続管(40)には、供給側第1配管(41)の一端が連通接続されるとともに、その供給側第1配管(41)の他端が加圧タンク(43)に連通接続されている。また加圧タンク(43)の上流側には、加圧ポンプ(44)、供給側洗浄液タンク(45)が配管接続されている。
【0070】
なお供給側洗浄液タンク(45)には、排出管(46)が設けられており、その管(46)上に設けられた排出バルブ(46a)を開放することにより、供給側洗浄液タンク(45)内の洗浄液(S)が、排水管(46)を介して所定箇所に排出されるよう構成されている。
【0071】
他方側接続部材(20b)の出入口(35)には、他方側接続管(50)が密封状態に連通接続されている。さらにこの他方側接続管(50)には、排出側第1配管(51)の一端が連通接続されるとともに、その排出側第1配管(51)の他端が排出側洗浄液タンク(55)に連通接続されている。また排出側洗浄液タンク(55)の下流側には真空ポンプ(吸引ポンプ54)が連通接続されている。
【0072】
なお排出側洗浄液タンク(55)には、排出管(56)が設けられており、その管(56)上に設けられた排水バルブ(56a)を開放することにより、排出側洗浄液タンク(55)内の処理済洗浄液(S)が、排出管(56)を介して排出されるよう構成されている。さらに排出管(56)における排水バルブ(56a)の上流側には、戻し管(57)の一端が連通接続されるとともに、その戻し管(57)の他端が、上記供給側洗浄液タンク(45)に連通接続されている。そして排水バルブ(56a)を閉じた状態では、排水側処理液タンク(55)内に回収された洗浄液(S)が、戻り管(57)を通って供給側洗浄液タンク(45)内に戻されるよう構成されている。
【0073】
また供給側第1配管(41)の途中には、供給側第2配管(42)の一端が連通接続されるとともに、その供給側第2配管(42)の他端が、上記他方側接続管(50)に連通接続されている。さらに排出側第1配管(51)の途中には、排出側第2配管(52)の一端が連通接続されるとともに、その排出側第2配管(52)の他端が、上記一方側接続管(50)に連通接続されている。
【0074】
また供給側第1配管(41)における供給側第2配管(42)の接続部よりも下流側には、供給側第1バルブ(41a)が設けられるとともに、供給側第2配管(42)における排出側第1配管(51)との接続部近傍には、供給側第2バルブ(42a)が設けられている。
【0075】
さらに排出側第1配管(51)における排出側第2配管(52)の接続部よりも上流側には、排出側第1バルブ(51a)が設けられるとともに、排出側第2配管(52)における供給側第1配管(41)との接続部近傍には、排出側第2バルブ(52a)が設けられている。
【0076】
なお本実施形態においては、一方側接続管(40)、供給側第1配管(41)、供給側第2配管(42)、加圧タンク(43)、加圧ポンプ(44)、供給側洗浄液タンク(45)などによって、洗浄液加圧供給手段が構成されている。さらに他方側接続管(50)、排出側第1配管(51)、排出側第2配管(52)、真空ポンプ(54)、排出側洗浄液タンク(55)などによって洗浄液吸引排出手段が構成されている。
【0077】
また一方側接続管(40)、供給側第1配管(41)、他方側接続管(50)、排出側第1配管(51)などによって一方向洗浄手段が構成されるとともに、一方側接続管(40)、供給側第1配管(41)の一部、供給側第2配管(42)、他方側接続管(50)、排出側第1配管(51)の一部、排出側第2配管(52)などによって他方向洗浄手段が構成されている。
【0078】
さらに供給側第1および第2バルブ(41a)(42a)、排出側第1および第2バルブ(51a)(52a)などによって切換手段が構成されている。
【0079】
以上のように構成された洗浄装置において、染色加工済木材(1)を洗浄処理する場合には、既述したように染色加工済木材(1)の両端部に、両木口(1a)(1b)を密封状態に覆うように一方側および他方側接続部材(20a)(20b)を取り付けて、その状態で処理液槽(10)内に配置して、処理液槽(10)に貯留された洗浄液(S)などの処理液に染色加工済木材(1)を浸漬する。
【0080】
なお本実施形態においては、染色加工済木材(1)における弾性パッキン(15)(15)との密着領域にあらかじめ、防水テープを貼着しておくことにより、密封性能をより一層向上させることができる。
【0081】
ここで本発明において、洗浄液(S)は、限定されるものではないが、酢酸が0.5〜3%配合された水溶液(PH4〜5)、蟻酸が2〜4%配合された水溶液(PH2〜3)、硫酸アンモニアが1〜5%配合された水溶液(PH6〜7)、硫酸ナトリウムが5〜10%配合された水溶液(PH7)の中から選択されたものを、洗浄液(S)として好適に用いることができる。すなわちこれらの特有の洗浄液(S)酢酸は、木材内部の染料を定着させて色を鮮やかにする作用があるからである。もっとも本発明においては、洗浄液として上水などの水を用いるようにしても良い。さらに処理液としては、洗浄効果を向上させるために、洗浄液(S)と同種のものを用いるのが好ましい。
【0082】
染色加工済木材(1)を洗浄装置にセットした後、洗浄液(S)の供給を開始する。すなわち図3に示すように、供給側第1バルブ(41a)および排出側第1バルブ(51a)を開放するとともに、供給側第2バルブ(42a)および排出側第2バルブ(52a)を閉塞した状態で、加圧ポンプ(44)および真空ポンプ(54)を駆動する。そうすると、加圧ポンプ(44)によって、供給側洗浄液タンク(45)内の洗浄液(S)が加圧タンク(43)に送り込まれて、そこから供給側第1配管(41)および一方側接続管(40)を通って、一方側接続部材(20a)内に加圧状態に導入される。こうして一方側接続部材(20a)内に加圧状態で導入された洗浄液(S)は、染色加工済木材(1)の一方側木口(1a)から木材内部に強制的に導入される。
【0083】
また、排出側経路においては、真空ポンプ(54)によって、他方側接続部材(20b)内が負圧に設定されているため、一方側木口(1a)から木材内部に導入された洗浄液(S)が他方側木口(1b)から他方側接続部材(20b)内に吸引排出されて、さらに他方側接続管(50)および排出側第1配管(51)を通って排出側洗浄液タンク(55)に導かれる。
【0084】
こうして洗浄液(S)を一方側木口(1a)から木材内部に強制的に導入して他方側木口(1b)から吸引排出することによって、導管内や細胞腔内などの木材内部に残留した未定着の染料などの余分な染液成分を、洗浄液(S)と共に木材外部に排出除去する。
【0085】
また洗浄処理においては、染色加工済木材(1)に対する洗浄液(S)の供給方向を適宜切り換えるものである。すなわち図4に示すように供給方向を切り換える場合には、供給側および排出側第1バルブ(41a)(51a)を閉塞するとともに、供給側および排出側第2バルブ(42a)(52a)を開放して、ポンプ(44)(54)を駆動する。これにより供給側洗浄液タンク(45)内の洗浄液(S)が供給側第1配管(41)の途中から第2配管(42)に導かれてその配管(42)および他方側接続管(50)を通って、他方側接続部材(20b)内に加圧状態に導入されて、他方側木口(1b)から木材内部に強制的に洗浄液(S)が導入される。
【0086】
また、排出側経路においては、排出側第2配管(52)および一方側接続管(40)を介して、一方側接続部材(20a)内が負圧に設定されるため、他方側木口(1b)から木材内部に導入された洗浄液(S)が一方側木口(1a)から一方側接続部材(20a)内に吸引排出され、さらに一方側接続管(40)および排出側第2配管(52)を通って排出側洗浄液タンク(55)へと導かれる。
【0087】
こうして洗浄液(S)を他方側木口(1b)から木材内部に強制的に導入して一方側木口(1a)から吸引排出することによって、導管内や細胞腔内などの木材内部に残留した余分な染液成分を、洗浄液(S)と共に木材外部に排出除去する。
【0088】
このように洗浄処理においては、木材(1)の一方側木口(1a)から洗浄液(S)を導入する一方向洗浄処理と、他方側木口(1b)から洗浄液(S)を導入する他方向洗浄処理とが行われる。なお本実施形態においては、一方向洗浄処理と他方向洗浄処理とを何回も切り換えて行うことによって、各処理を複数回ずつ行うようにしても良い。
【0089】
また上記の洗浄処理中において、排出側経路における排出管(56)の排水バルブ(56a)を閉じておくと、排水側処理タンク(55)内に回収された洗浄液(S)が、戻り管(57)を通って、供給側洗浄液タンク(45)に戻される。従って洗浄液(S)を循環させて再利用することができ、洗浄液(S)の有効利用、ひいてはコストの削減を図ることができる。
【0090】
ここで本実施形態において、木口(1a)(1b)から洗浄液(S)を加圧導入する際の圧力は、200〜1500kPa、より好ましくは300〜500kPaに設定するのが良い。さらに吸引排出する際の圧力(吸引力)は、1.3kPa(10torr)〜13kPa(100torr)、より好ましくは2.6kPa(20torr)〜6.6kPa(50torr)に設定するのが良い。すなわち導入圧力や吸引力が低過ぎる場合には、洗浄液(S)を木材内部に確実に浸透させつつ流通させることができず、未定着の染料を確実に除去することが困難になるおそれがある。逆に導入圧力や吸引力が高過ぎる場合には、接続部材(20a)(20b)における弾性パッキン(15)(15)などの密封部分が、高圧に耐えきれずに水密性が破壊されて、確実に洗浄できないおそれがあり、好ましくない。
【0091】
一方、上記の洗浄処理が完了した後、続いて乾燥(水切り)処理が行われる。この乾燥処理は、上記図2〜4に示す洗浄装置を用いて行われる。
【0092】
すなわち洗浄済木材(1)を処理槽(10)から取り出して、木材(1)の両端部に接続部材(20a)(20b)を上記と同様に密封状態に接続する。そして供給側第1バルブ(41a)および排出側第1バルブ(51a)を開放するとともに、供給側第2バルブ(42a)および排出側第2バルブ(52a)を閉塞し、さらに供給側洗浄液タンク(45)を供給側経路(回路)から切り離した状態で、ポンプ(44)(54)を駆動して、加圧ポンプ(44)から供給側第1配管(41)内に圧縮空気を送り込む。これにより、圧縮空気を一方側接続管(40)を介して一方側接続部材(20a)内に導入してその圧縮空気を洗浄済木材(1)の一方側木口(1a)から木材内部に強制的に導入する。また排水側経路においては、真空ポンプ(54)によって他方側接続部材(20b)内が負圧に設定されているため、他方側木口(1b)から木材内部の空気が吸引排出され、さらにその空気が他方側接続管(50)および排出側第1配管(51)を通って外部に排出される。
【0093】
なお本実施形態においては、木材内部に導入する空気として加熱空気を使用することも可能である。この場合、加熱空気としての熱風を木材内部に流通させることによって、木材(1)の乾燥処理を効率良く行うことができる。
【0094】
またこの乾燥処理においても、上記洗浄処理と同様に、空気の流通方向を切り換えるのが良い。すなわち供給側第1バルブ(41a)および排出側第1バルブ(51a)を閉塞するとともに、供給側第2バルブ(42a)および排出側第2バルブ(52a)を開放し、その状態でポンプ(44)(54)を駆動する。これにより圧縮空気を供給側第2配管(42)および他方側接続管(50)を介して、他方側接続部材(20b)内に導入し、その圧縮空気を他方側木口(1b)から木材内部に強制的に導入する。さらに真空ポンプ(54)によって木材内部の空気を、一方側木口(1a)から吸引排出し、その空気を一方側接続管(50)および排出側第2配管(52)を介して外部に排出する。このように空気の流通方向を切り換えることにより、空気を木材内部全域にバランス良く均等に導入することができ、より一層効率良く乾燥処理を行うことができる。
【0095】
ここで本実施形態において、木口(1a)(1b)から空気を導入する際の圧力は、200〜1500kPa、好ましくは300〜500kPaに設定するのが良い。さらに吸引排出する際の圧力(吸引力)は、1.3kPa(10torr)〜13kPa(100torr)、より好ましくは2.6kPa(20torr)〜6.6kPa(50torr)に設定するのが良い。すなわち導入圧力や吸引力が低過ぎる場合には、空気を木材内部全域に確実に流通させることができず、効率良く乾燥できないおそれがある。逆に導入圧力や吸引力が高過ぎる場合には、接続部材(20a)(20b)における弾性パッキン(15)(15)などの密封部分が、高圧に耐えきれずに気密性が破壊されて、確実に乾燥できないおそれがあり、好ましくない。
【0096】
また本実施形態においては、木材(1)は洗浄処理によって、含水率が100〜140%となっているが、この含水率を乾燥処理によって40〜80%程度に調整するのが好ましい。すなわち木材の切削や貼付などの木材加工に適した含水率は40〜80%であり、この木材加工に適した含水率に調整することによって、以降の処置、すなわち切削工程や、貼着工程を効率良くスムーズに行うことができる。換言すれば、洗浄工程および乾燥工程によって木材の含水率を調整することができるため、木材含水率の調整を、別工程で行う必要がなく、その分、工程数を削減できて、生産効率の向上およびコストの削減を図ることができる。
【0097】
なお本実施形態においては、圧縮空気を木材内部に強制的に導入排出することによって、木材(1)を乾燥させるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、自然に乾燥させるようにした天然乾燥、高温の加熱容器内に木材を配置して乾燥させるようにした温風乾燥などの乾燥処理を行っても良い。
【0098】
こうして乾燥させた木材(着色木材)は、次工程において複数組み合わせて接着することにより、木材フリッチを作製する(フリッチ作製工程)。
【0099】
その後、上記木材フリッチをスライサーにより切削して、単板や突板(着色単板)を作製する(切削工程)。
【0100】
こうして得られた着色単板(突板を含む)を化粧層として基材に貼り付けて化粧床材を作製する(単板貼着工程)。
【0101】
ここで化粧床材の基材としては、合板、パーチクルボード、木質繊維板、集成材などの木質製のものの他に、合成樹脂製のもの、ゴム製のものも使用することができる。さらにこれらの材料は、単独で用いて基材を形成するようにしても良いし、複数のものを複合して用いて基材を形成するようにしても良い。複合して用いる場合にはたとえば、合板と木質繊維板とを組み合わせて基材を形成したり、あるいは高比重シート(エチレン・プロピレン・ラバー)と木質繊維板とを組み合わせて基材を形成することができる。また基材上に貼り付けた単板に塗装を施して、化粧層とするようにしても良い。
【0102】
以上のように、本実施形態においては、染色を切削前の木材の状態で行って、その着色木材を切削して多数の単板を形成するものであるため、たとえば切削後に多数の単板を一枚ずつ染色する場合と比較して、効率良く化粧用単板を生産することができる。
【0103】
さらに本実施形態においては、染色加工後(染液含浸後)の木材(1)を洗浄するにあたって、木材(1)の一方側木口(1a)から木材内部に強制的に洗浄液(S)を導入するとともに、他方側木口(1b)から木材内部の洗浄液(S)を吸引排出するようにしているため、洗浄液(S)が木材内部に十分浸透して隅々まで行き渡り、未定着染料などの余分な染液成分を確実に洗い流すことができる。従って洗浄後に細胞腔内などに余分な染液成分が残存するのを確実に防止することができ、染液の残留による染色ムラの発生を確実に防止できて、仕上がり具合が良好な高品質の着色木材を製造でき、ひいては高品質の着色単板を製造することができる。
【0104】
特に本実施形態においては、染色加工済木材(1)を洗浄液(S)に浸漬した状態で、たとえば一方側木口(1a)から洗浄液(S)を強制導入するとともに、他方側木口(1b)から吸引排出するようにしているため、以下に説明するように、より一層効果的に洗浄することができる。すなわち木材(1)は、その導管が成長方向(長さ方向)に正確に一致するものではなく、緩やかに曲成したりしているため、一部の導管の端部が、木口ではなく、両側面や、板面などに開口している場合がある。たとえば所定の導管の一端が、板面に開口し、他端が他方側木口(1b)に開口している場合において仮に、その木材(1)を洗浄液(S)に浸漬せずに空気中で洗浄処理を行うと、上記所定の導管内にはその一端から空気が導入されて、当該導管内に洗浄液(S)が導入されなくなってしまう。そうすると、当該導管内やその導管周辺における余分な染液成分を確実に洗い出すことができず、余分な染液成分が残留して、不本意にも色ムラが発生するおそれがある。
【0105】
これに対し、本実施形態では、木材(1)を処理槽(10)内の洗浄液(S)に浸漬した状態で洗浄を行うようにしているため、木材における所定の導管の一端が板面に開口していたとしても、当該導管にはその一端から処理層(10)内の洗浄液(S)が導入されて他端から排出されることにより、当該導管内の余分な染液成分を確実に洗い出すことができ、当該導管も確実に洗浄することができる。
【0106】
このように本実施形態では、染色加工済木材(1)を洗浄液(S)に浸漬した状態で洗浄するものであるため、木材内部全域に確実に洗浄液(S)を導入できて、余分な染液成分をより一層確実に除去でき、より一層洗浄効果を向上させることができる。
【0107】
また本実施形態の洗浄処理においては、木材(1)の一方側木口(1a)から洗浄液(S)を導入する一方向洗浄処理を行った後、洗浄液(S)の導入方向を切り換えて、他方側木口(1b)から洗浄液(S)を導入する他方向洗浄処理を行うようにしているため、より一層確実に洗浄液(S)を木材内部全域に行き渡らせることができ、より一層確実に余分な染液成分を除去することができる。
【0108】
また本実施形態においては、洗浄処理によって木材(1)の含水率が100〜140%に高められた後、乾燥処理によって含水率を低下させるものであるため、木材の含水率を自在に調整することができる。このためたとえば、出発材(染色前の木材)として、含水率が5〜20%程度の気候状態の乾燥材を用いたとしても、乾燥処理後においては、含水率40〜80%の切削や貼付に適した状態に調整することができる。つまり出発材として汎用で取扱い易い乾燥材を用いたとしても、含水率を調整する工程を別途行う必要がなく、その分、工程数を削減できて、生産効率をより一層向上させることができる。
【0109】
さらに本実施形態においては、洗浄処理を行う洗浄装置によって、乾燥処理を行うものであるため、乾燥装置を別途設置する必要がなく、その分、生産設備の小型簡素化を図ることができる。
【0110】
また本実施形態においては、洗浄済木材(1)を乾燥させる際に、一方側木口(1a)から空気を木材内部に強制的に導入しつつ、他方側木口(1b)から木材内部の空気を吸引排出するものであるため、乾燥用の空気を木材内部に隅々まで十分に流通させることができ、効率良く乾燥させることができる。
【0111】
その上さらに、本実施形態においては、一方側木口(1a)から乾燥用空気を導入する一方向乾燥処理と、他方側木口(1b)から乾燥用空気を導入する他方向乾燥処理とを順次切り換えて行うものであるため、より一層確実に乾燥用空気を木材内部全域に行き渡らせることができ、乾燥効率を一層向上させることができる。
【0112】
また本実施形態の洗浄装置においては、接続部材(20a)(20b)の接続口(22)(22)に弾性パッキン(15)(15)を介して木材(1)の両端部を密封状態に接続するものであるため、所定の圧力で洗浄液(S)を接続部材(20a)(20b)を介して木材内部に対し導入排出することができ、より一層効率良く洗浄することができる。
【0113】
その上さらに、木材(1)が洗浄液(S)により膨潤したとしても、その膨張分が弾性パッキン(15)の弾性収縮によって吸収されるため、密封性が良好に維持されて、高い洗浄効果を確実に維持することができる。
【0114】
図5〜7はこの発明に適用可能な第2実施形態として洗浄装置を示す図である。これらの図に示すようにこの洗浄装置は、洗浄済木材(1)の両端部に接続される接続部材(120a)(120b)を有している。
【0115】
接続部材(120a)(120b)は、木材(1)の端部を収容可能な木材収容凹部(133)(133)が設けられるとともに、その凹部(133)(133)の開口端部が接続口(122)(122)として構成されている。
【0116】
木材収容凹部(133)(133)の内周面には、周方向に連続してパッキン設置溝(123)(123)が設けられている。
【0117】
パッキン設置溝(123)(123)には、中空構造のチューブ状弾性パッキン(115)(115)が収容されている。
【0118】
接続部材(120a)(120b)の上壁には、チューブ状弾性パッキン(115)(115)に連通接続する空気導入パイプ(126)(126)が設けられている。さらにこの空気導入パイプ(126)(126)には、圧縮空気を導入するための圧縮空気導入手段(図示省略)が接続されており、その圧縮空気導入手段から空気導入パイプ(126)(126)を介して、チューブ状弾性パッキン(115)(115)の内部に圧縮空気を導入できるとともに、その導入によって、弾性パッキン(115)(115)が膨張するよう構成されている。
【0119】
また接続部材(120a)(120b)の外壁中央には、流体出入口(135)(135)が設けられている。そして一方側接続部材(120a)の出入口(135)には、上記と同様に、一方側接続管(40)を介して供給側第1配管(41)が密封状態に連通接続されるとともに、他方側接続部材(120b)の出入口(135)には、他方側接続管(50)を介して排出側第1配管(51)が密封状態に連通接続されている。
【0120】
この第2実施形態の洗浄装置において、その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるため、同一または相当部分に同一または相当符号を付して、重複説明は省略する。
【0121】
この洗浄装置において、上記と同様に染色処理が施された染色加工済木材(1)に対し、洗浄する場合には図6に示すように、染色加工済木材(1)の両端部を接続部材(120a)(120b)の接続口(122)(122)に通して木材設置凹部(133)(133)内に配置する。
【0122】
続いてチューブ状弾性パッキン(115)(115)の内部に空気導入パイプ(126)(126)を介して圧縮空気を導入して、図7に示すように弾性パッキン(115)(115)を膨張させる。これにより弾性パッキン(115)(115)を染色加工済木材(1)の両端部外周面に弾性密着させて、染色加工済木材(1)の両木口(1a)(1b)を接続部材(120a)(120b)の各凹部(133)(133)内に収容した状態で、染色加工済木材(1)の両端部を接続部材(120a)(120b)に密封状態に接続する。
【0123】
なおこの第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、染色加工済木材(1)における弾性パッキン(115)(115)との密着領域にあらかじめ、防水テープを貼着しておくことにより、密封性能をより一層向上させることができる。
【0124】
こうして染色加工済木材(1)をセットした後、上記第1実施形態と同様に洗浄液(S)の供給を開始する。すなわち一方側接続部材(120a)内に洗浄液(S)を加圧状態に導入して、その洗浄液(S)を一方側木口(1a)から木材内部に強制的に導入する。一方、他方側接続部材(120b)内を負圧に設定して、木材内部の洗浄液(S)を他方側木口(1b)から吸引排出する。
【0125】
また必要に応じて、上記第1実施形態と同様に、洗浄液(S)の供給方向を切り換える。すなわち他方側接続部材(120b)内に洗浄液(S)を加圧供給してその洗浄液(S)を他方側木口(1b)から木材内部に導入するとともに、一方側接続部材(120a)内を負圧に設定して木材内部の洗浄液(S)を一方側木口(1a)から吸引排出するものである。
【0126】
こうして洗浄液(S)を木材内部に十分浸透させるように流通させて、木材内部の余分な染液成分を洗浄液(S)と共に木材外部に排出除去する。
【0127】
洗浄処理が完了した後は、上記第1実施形態と同様に、乾燥(水切り)処理、フリッチ作製処理、切削処理、単板貼着処理を順次行って、化粧床材を作製するものである。
【0128】
この第2実施形態の洗浄装置においても、上記第1実施形態と同様に、同様の作用効果を得ることができる。
【0129】
その上さらに、この洗浄装置においては、弾性パッキン(115)として、中空チューブ形状のものを用いて、内部に圧縮空気を導入することにより、弾性パッキン(115)を膨張させて木材(1)に密着させるようにしているため、弾性パッキン(115)への圧縮空気の導入量(導入圧力)によって、パッキン(115)の木材(1)に対する密着度合を調整することができる。このように圧縮空気の導入量によって、パッキン(115)の密着度合を簡単に調整できるため、密封度合を自在に調整できて、密封性能をなお一層向上させることができる。
【0130】
なお上記実施形態等においては、化粧床材を作製する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、化粧壁材などの他の化粧木材を作製する場合にも、上記と同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0131】
この発明は、木材を染液によって染色して着色するようにした着色木材の製造方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】この発明の第1実施形態である化粧床材の製造方法を説明するための工程図である。
【図2】第1実施形態の製造方法に適用された洗浄装置の主要部を概略的に示す平面図である。
【図3】第1実施形態の洗浄装置において一方向洗浄処理中の状態で示す回路図である。
【図4】第1実施形態の洗浄装置において他方向洗浄処理中の状態を示す回路図である。
【図5】この発明の第2実施形態である化粧床材の製造方法に適用された洗浄装置の主要部を示す図であって、同図(a)は水平断面図、同図(b)は同図(a)のD1−D1線断面図である。
【図6】第2実施形態である洗浄装置の主要部を板材非密封状態で示す図であって、同図(a)は水平断面図、同図(b)は同図(a)のD2−D2線断面図である。
【図7】第2実施形態である洗浄装置の主要部を板材密封状態で示す図であって、同図(a)は水平断面図、同図(b)は同図(a)のD3−D3線断面図である。
【符号の説明】
【0133】
1 木材
1a 一方側木口
1b 他方側木口
10 処理液槽
20a,120a 一方側接続部材
20b,120b 他方側接続部材
S 洗浄液
【出願人】 【識別番号】000213769
【氏名又は名称】朝日ウッドテック株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義

【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市

【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁


【公開番号】 特開2008−942(P2008−942A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171164(P2006−171164)