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【発明の名称】 回転切削工具
【発明者】 【氏名】小笠原 誠

【要約】 【課題】回転胴に軸方向に対して捩れの位置に設けた取付溝に替刃を装着することにより、切削騒音を小さくすると共に切削面の平滑度を良好にでき、しかも替刃の取り替えが容易な回転切削工具を提供する。

【解決手段】回転切削工具10は、円筒形で外周面の周方向複数個所にて軸方向に対して捩れて両端間に延びた取付溝25を有する回転胴と、取付溝25にスライド可能に装着された平板状の替刃とを有する複数の単位切削工具11A〜11Cが、互いに同軸的に重ね合わされると共に、互いに隣接する単位切削工具の取付溝25同士が取付溝25の延長方向で重ならないように配置される。互いに隣接する一対の単位切削工具の内の少なくとも一方の単位切削工具の外周面の軸方向両端間には、他方の単位切削工具に設けた取付溝25の延長方向に延びた替刃を受け入れ可能な交換溝51を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形でその外周面の周方向複数個所には軸方向に対して捩れて両端間に延びた取付溝を有する回転胴と、該取付溝に装着された平板状の替刃とを有する複数の単位切削工具が、互いに同軸的に重ね合わされると共に、互いに隣接する該単位切削工具の前記取付溝同士が該取付溝の延長方向で重ならないように配置された回転切削工具であり、互いに隣接する一対の前記単位切削工具の内の少なくとも一方の単位切削工具の外周面の軸方向両端間には、他方の単位切削工具に設けた前記取付溝の延長方向に延びた前記替刃を受け入れ可能な交換溝を設けたことを特徴とする回転切削工具。
【請求項2】
前記回転胴の軸方向端部は、前記取付溝を挟んだ周方向の所定範囲が軸方向にわずかに突出した突出部となっており、該突出部同士の間が相対的に凹んだ凹み部となっていることを特徴とする請求項1に記載の回転切削工具。
【請求項3】
前記替刃の端部は、他の部分より切削半径がわずかに小さくなるように切削刃が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の回転切削工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木材、木質系材料、プラスチックあるいは金属等の加工に使用される替刃タイプの回転切削工具に係り、特に回転駆動装置の回転主軸に対して捩れの位置に替刃が装着されている回転切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の回転切削工具としては、特許文献1に示すように、円筒形の回転胴の外周面にて周方向複数個所に軸方向に対して捩れた取付溝を有し、取付溝に板状の替刃が取付溝に沿ってスライド可能に装着されたものが開示されている。このように、替刃を回転胴の軸方向に対して捩れた方向に配置することにより、切削時の切削抵抗や切削騒音を低減でき、さらに切削面の平滑度を向上させる効果が得られる。この回転切削工具は、替刃の取付溝への装着の容易性と取付精度を高めるため、替刃に長手方向の溝を設け、刃体押さえ金に設けた取付溝の長手方向に伸びた凸条を嵌め合わせることにより、回転に伴う遠心力によって外方に飛び出さないように回転胴に取り付ける構造になっている。そのために、替刃の交換は、遠心力によって固定された替刃の固定を解除し、替刃を取付溝に沿ってスライドさせることにより、回転胴の側面側から取り外されるようになっている。
【特許文献1】特許第2515196号公報
【0003】
しかし、上記従来の技術によれば、一度の切削で広い範囲の切削を行うために回転胴の長さを長くすると、板状の替刃の捩れ角を小さくしなければならず、それでは、切削時の切削抵抗や切削騒音を低減させ、切削面の平滑度を向上させる効果が得られなくなる。それに対して、替刃の捩れ角を大きくすると、回転胴の長さを短くしなければならず、一度の切削で広い範囲の切削を行いたいという要求に応えることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題を解決しようとするもので、回転胴に軸方向に対して捩れの位置に設けた取付溝に替刃を装着することにより、切削騒音を小さくすると共に切削面の平滑度を良好にでき、しかも替刃の取り替えが容易な回転切削工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明の構成上の特徴は、円筒形でその外周面の周方向複数個所には軸方向に対して捩れて両端間に延びた取付溝を有する回転胴と、取付溝に装着された平板状の替刃とを有する複数の単位切削工具が、互いに同軸的に重ね合わされると共に、互いに隣接する単位切削工具の取付溝同士が取付溝の延長方向で重ならないように配置された回転切削工具であり、互いに隣接する一対の単位切削工具の内の少なくとも一方の単位切削工具の外周面の軸方向両端間には、他方の単位切削工具に設けた取付溝の延長方向に延びた替刃を受け入れ可能な交換溝を設けたことにある。
【0006】
上記のように構成した発明においては、回転切削工具は複数の単位切削工具を互いに同軸的に重ね合わせて形成されるものであり、そのために単位切削工具の軸方向長さを短くしても、回転切削工具の全長を長くすることができる。その結果、本発明においては、長さの短い平板状の替刃を用いても各単位切削工具の取付溝の捩れを大きくとることができるので、全長の長い回転切削工具でも、切削の際の切削抵抗や切削騒音を小さくできると共に切削面の平滑度を良好にすることができる。また、複数の単位切削工具を軸方向に重ね合わせることにより回転切削工具が形成されるので、1回の切削による切削面積の大きさに応じて単位切削工具の数を変えることにより、回転切削工具の全長を自由に調節することができる。また、替刃は、長さが短いほど簡易に製造でき、安価に提供されるので、全長の長い回転切削工具に複数の替刃を用いても、一本の長い替刃を用いる場合に比べて替刃の価格を相対的に安価にすることができる。
【0007】
さらに、本発明においては、互いに隣接する一対の単位切削工具の内の少なくとも一方の単位切削工具の外周面の軸方向両端間には、他方の単位切削工具に設けた取付溝の延長方向に延びた替刃を受け入れ可能な交換溝を設けたことにより、替刃の交換時に、回転駆動装置の回転主軸から複数の単位切削工具を一々取り外すことなく、回転駆動装置に回転切削工具を取り付けたままで替刃の交換を行うことができる。すなわち、替刃を取付溝に沿ってスライドさせて、取付溝に続く交換溝に移動させることにより、替刃を交換溝にて径方向外側から簡単に取り外すことができる。その結果、本発明においては、替刃の交換を単位切削工具を一々取り外して行う必要がないので、替刃交換の手間が大幅に低減する。
【0008】
また、本発明において、回転胴の軸方向端部は、取付溝を挟んだ周方向の所定範囲が軸方向にわずかに突出した突出部となっており、突出部同士の間が相対的に凹んだ凹み部となっていてもよい。これにより、隣接する各単位切削工具は、突出部と凹み部を組み合わせて重ね合わせることができ、そのため、軸方向端部で両単位切削工具の替刃の端部の重なり部分を設けることができるので、切削の連続性を確保することができる。
【0009】
さらに、本発明において、替刃の端部は、他の部分より切削半径がわずかに小さくなるように切削刃が形成されていてもよい。これにより、隣接する各単位切削工具の替刃同士の境界がスムーズに繋げられ、被削材の切削面に無用の筋が生じる不具合が避けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、回転切削工具は複数の単位切削工具を互いに同軸的に重ね合わせて形成されるもので単位切削工具の軸方向長さを短くできるので、長さの短い平板状の替刃を用いても取付溝の捩れを大きくとることができ、全長の長い回転切削工具でも、切削の際の切削抵抗や切削騒音を小さくできると共に切削面の平滑度を良好にすることができ、また、1回の切削による切削面積の大きさに応じて回転切削工具の長さを自由に調節することができる。また、本発明においては、替刃は、長さが短いほど簡易に製造でき、安価に提供されるので、全長の長い回転切削工具に複数の替刃を用いても替刃の価格を相対的に安価にすることができる。さらに、本発明においては、互いに隣接する一対の単位切削工具の内の少なくとも一方の単位切削工具の外周面の軸方向両端間に、他方の単位切削工具に設けた取付溝の延長方向に延びた交換溝を設けたことにより、替刃の交換時に回転切削工具の各単位切削工具を一々取り外すことなく回転駆動装置の回転主軸に取り付けたままで替刃の交換を行うことができるので、替刃交換の手間が大幅に低減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1、図2は、実施例に係る回転切削工具を斜視図及び正面図により示したものである。図3〜図7は、回転切削工具を構成する一端側の基準となる単位切削工具(以下、基準切削工具と記す)を正面図、左側面図、右側面図、左側から見た斜視図及び右側から見た斜視図により示し、図8は単位切削工具の替刃の取付部分を拡大した側面図により示したものである。図9〜図13は、替刃を正面図、平面図、斜視図及び断面図により示したものである。図14〜図18は、中間に配置される単位切削工具(以下、中間切削工具と記す)を正面図、左側面図、右側面図、左側から見た斜視図及び右側から見た斜視図により示したものである。図19〜図23は、他端側に配置される単位切削工具(以下、他端切削工具と記す)を正面図、左側面図、右側面図、左側から見た斜視図及び右側から見た斜視図により示したものである。
【0012】
回転切削工具10は、3種類の異なる単位切削工具である基準切削工具11Aと、2つの中間切削工具11Bと、他端切削工具11Cとを順次互いに同軸的に重ね合わせて構成されている。基準切削工具11Aは、円筒形状で中心軸孔13を有する回転胴12Aを設けており、回転胴12Aの外周の周方向に等間隔な3箇所に軸方向に対して略30°傾斜して捩れた替刃31が装着される径方向に凹んだ3本の取付溝25を設けている。また、回転胴12Aの軸方向一端面14(図3の左側)は平坦面であり、軸孔13を囲んだ近傍領域に端面からわずかに突出した円環状のボス部15を設けている。
【0013】
ボス部15には環状の薄板である止め板16が回動可能に嵌め合わされている。止め板16は、外径が取付溝25の後述する底壁28位置より大きくなっており、取付溝25に挿嵌された後述する替刃31、裏座36及び遠心固定板41の回転胴12Aからの抜け止めとして設けられたものである。また、止め板16の外周には、周方向の等間隔な3箇所に円弧状に切りかかれた凹み17を設けている。凹み17は、取付溝25の底壁28より軸心側に凹んでおり、替刃31の回転胴12A一端面14側から取付溝25への挿入の妨げにならないようになっている。さらに、止め板16には、凹み17より外径の小さい円環状の薄板である押え板18が重ね合わされている。押え板18を重ねた状態で止め板16は軸心を中心に回動可能であり、押え板18をボルト19で止めることにより、止め板16と押え板18は一体で回転胴12Aに固定される。
【0014】
また、回転胴12Aの軸方向他端面21(図3の右側)は平坦面であり、軸孔13を囲んでわずかに突出した円環状のボス部22が設けられている。さらに、他端面21には、3本の取付溝25を挟んで周方向両側に中心角60°の範囲でかつボス部22から径方向にわずかに離間した位置と外周縁との間の領域において、わずかに突出した扇形の突出部23がそれぞれ設けられている。突出部23の突出高さはボス部22よりわずかに高くなっており、各突出部23の間は、突出部23に対して相対的に凹んだ扇形の凹み部24になっている。
【0015】
取付溝25は、図8に示すように、軸直角断面が概略四角形で、互いに対向する第1側壁26及び第2側壁27と、第1及び第2側壁26,27を軸心側で繋ぐ底壁28とを備えている。取付溝25の回転胴12Aの軸方向に対する捩れ角度については、45°程度までの大きな角度にすることができる。第1側壁26は、取付溝25の径方向外方に開く開口29が狭くなる方向に傾斜しており、替刃31が当接する当接面26aとなり、底壁28近傍部分が周方向に凹んで後述する裏座36の嵌合凸部39が挿嵌される挿嵌凹部26bとなっている。第2側壁27は、開口29が狭くなる方向に傾斜しており、後述する遠心固定板41の反対面43が当接するようになっている。なお、回転胴12Aの外周面には、各取付溝25に対して回転方向に略40°離れて取付溝25に略平行に両端間を延びた3本の交換溝51を設けているが、これについては溝加工の都合で設けたものであり、本実施例では替刃31の交換には用いられないので、省くことができる。
【0016】
替刃31は、図9〜図13に示すように、取付溝25と長さが等しく、幅方向両側の稜線がそれぞれ幅方向外方に緩やかな円弧状に膨らんだ一対の切刃32になっており、方向を変えて両側の切刃32を使用可能である。切刃32の逃げ面32aは、回転胴12Aの外周に沿って逃げ角が一定もしくは一定に近くなるように、長手方向に滑らかに連続して傾斜角が変わる傾斜面になるように研削して形成されている。替刃31の正面側は、各切刃32の近傍位置に、切刃32に沿って長手方向両端間に延びた一対の線状突起33が設けられている。線状突起33は、幅方向外側縁が切刃32に沿って円弧状曲線で、幅方向内側縁が直線になっており、内側縁間がストレートな係合溝34になっている。また、替刃31の裏面35は平坦面になっている。
【0017】
裏座36は、取付溝25と同一長さの棒状の部材であり、底壁28に載置され、片面36aが遠心固定板41の一側面42に密着し、反対面側36bは凹凸形状であって取付溝25の開口29側から順に係合凸部37、中間凸部38、嵌合凸部39を設けている。裏座36は、第1側壁26に押し付けられた状態で、係合凸部37が替刃31の係合溝34に嵌合され、中間凸部38が第1側壁26に当接し、嵌合凸部39は挿嵌凹部26b内に嵌め合わされる。遠心固定板41は、取付溝25と同一長さの四角形状棒状の部材であり、一側面42が裏座36の片面36aに密着し、反対面43が取付溝25の第2側壁27に密着し、底面44が取付溝25の底壁28との間に隙間を設けて配置されており、底壁28に配設されたバネ材46により径方向外方に向けて付勢されている。
【0018】
中間切削工具11Bは、基準切削工具11Aと略同一構造で外周面に3本の取付溝25を有する回転胴12Bを設けている。回転胴12Bは、軸方向の両端面14b,21bが共に基準切削工具11Aの他端面21と同様に3本の取付溝25を挟んで周方向両側に中心角60°の範囲でわずかに突出した扇形の突出部23を設けている。そして、回転胴12Bの外周面には、各取付溝25に対して回転方向に略40°離れて取付溝25に略平行に両端間を延びた3本の交換溝51を設けている。交換溝51は、替刃31の交換のために設けられたものであり、替刃31を収容できる周方法の幅と径方向の深さを有する断面円弧形状の溝であり、軸方向一端から他端にかけて幅、深さ共に連続して小さくなるようにされている。また、各取付溝25に対して逆回転方向に略40°離れて軸方向一端から取付溝25に略平行にわずかに延びた3本の延長交換溝52を設けている。
【0019】
他端切削工具11Cは、基準切削工具11Aと同一構造の回転胴12Cを設けており、軸方の一端面14cが基準切削工具11Aの他端面と同様に3本の取付溝25を挟んで周方向両側に中心角60°の範囲でわずかに突出した扇形の突出部23を設けており、軸方向の他端面21cが基準切削工具11Aの一端面側と同様に止め板16と押え板18が取り付けられている。さらに回転胴12Cには、上記中間切削工具11Bと同様に、各取付溝25に対して回転方向に略40°離れて取付溝25に略平行に両端間を延びた3本の交換溝51を設け、各取付溝25に対して逆回転方向に略40°離れて一端から取付溝25に略平行にわずかに延びた3本の補助となる延長交換溝52を設けている。
【0020】
回転切削工具10の組み立てについては、基準切削工具11Aの他端と中間切削工具11Bの一端とを、それぞれの突出部23と凹み部24を合わせて嵌め合わせることにより、両者が位置合せされた状態で連結される。さらに、中間切削工具11B同士を連結させ、2つ目の中間切削工具11Bに他端切削工具11Cを連結させることにより、回転切削工具10が得られる。回転切削工具10の軸穴13には連結軸部材55が挿嵌されており、4つの単位切削工具11A〜11Cが離れないように両端から締め付けられている。回転切削工具10は、基準切削工具11Aを回転駆動装置(図示しない)側に配置して、軸穴13を回転駆動装置の回転主軸に挿嵌させることにより取り付けられる。回転切削工具10を回転駆動装置の回転主軸に取り付けた状態で回転させることにより、取付溝25に装着された遠心固定板41が、回転の遠心力を受けて径方向外方に移動して、その両面により裏座36と取付溝25の第2側壁27の間に食い込んだ状態で固定される。それに伴い、遠心固定板41の側面から押圧力を受けて、裏座36を介して替刃31が取付溝25の第1側壁26に押し付けられて位置決めされた状態で取付溝25に強固に固定される。その結果、本実施例においては、替刃31は、簡易にかつ精度良く取付溝25内に取り付けられる。
【0021】
上記のように構成した実施例においては、回転切削工具10は複数の単位切削工具11A〜11Cを互いに同軸的に重ね合わせて形成されるものであり、そのために単位切削工具11A〜11Cの軸方向長さを短くしても、工具10の全長を長くできる。その結果、本実施例によれば、長さの短い平板状の替刃31を用いても取付溝25の捩れを大きくとることができるので、全長の長い回転切削工具10でも、切削の際の切削抵抗や切削騒音を小さくできると共に切削面の平滑度を良好にすることができる。また、複数の単位切削工具11A〜11Cを軸方向に重ね合わせることにより回転切削工具10が形成されるので、1回の切削による切削面積の大きさに応じて単位切削工具11A〜11Cの数を変えることにより、回転切削工具10の長さを自由に調節することができる。また、替刃31は、取付溝25の捩れを大きくとった場合には、長さが短いほど簡易に製造でき安価に提供されるので、長さの長い回転切削工具10に複数の替刃31を用いても、一つの長い替刃を用いる場合に比べて替刃の価格を相対的に安価にすることができる。
【0022】
さらに、本実施例においては、回転切削工具10の軸方向一端側に配置された基準切削工具11A以外の中間切削工具11B及び他端切削工具11Cについては、その外周面に隣接する単位切削工具の取付溝25の延長方向に伸びて替刃31を受け入れ可能とする交換溝51を設けたことにより、替刃31の交換時に単位切削工具11A〜11Cを一々取り外すことなく、回転駆動装置の回転主軸に回転切削工具10を取り付けたままで替刃31の交換を行うことができる。すなわち、遠心力によって取付溝25に固定された替刃31の遠心固定板41による固定を解除し、替刃31を取付溝25に沿ってスライドさせて取付溝25に続く交換溝51に移動させることにより、交換溝51にて替刃31を径方向外側から簡単に取り外すことができる。その結果、本実施例においては、替刃31の交換の手間が大幅に低減する。
【0023】
また、本実施例においては、回転胴12A〜12Cの軸方向端部は、取付溝25を挟んだ周方向の所定範囲が軸方向にわずかに突出した突出部23となっており、突出部23同士の間が相対的に凹んだ凹み部24となっている。これにより、隣接する各単位切削工具11A〜11Cは、突出部23と凹み部24を組み合わせて重ね合わせることができ、そのため、軸方向端部で両単位切削工具の替刃31の端部の重なり部分を設けることができるので、切削の連続性を確保することができる。さらに、本実施例において、替刃31の切刃32は長手方向両端間で幅方向外方に円弧状に膨らんで形成されており、替刃31の端部が他の部分より切削半径がわずかに小さくなるようにされているので、隣接する各単位切削工具の替刃31同士の境界がスムーズに繋げられ、被削材の切削面に無用の筋が生じる不具合が避けられる。
【0024】
なお、上記実施例においては、中間切削工具と他端切削工具について、その軸方向一端側(基準切削工具側の端部)と隣接する単位切削工具に設けた取付溝の延長方向に延びた交換溝を設けているが、これに代えて、基準切削工具と中間切削工具に、その軸方向他端側(他端切削工具側の端部)と隣接する単位切削工具に設けた取付溝の延長方向に延びた交換溝を設けることもできる。さらに、上記両方向に延びた交換溝を併せて設けることもできる。また、上記実施例においては、回転切削工具は、4個の単位切削工具を繋ぎ合わせたものであるが、これに限らず、2個以上の必要個数の単位切削工具を選んで繋ぎ合わせることができる。また、各単位切削工具についても、取付溝は3本に限らず2本以上の任意の数とすることができる。その他、上記実施例に示した回転切削工具については一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、回転切削工具は複数の単位切削工具を互いに同軸的に重ね合わせて形成されるもので、全長を長くしても切削の際の切削抵抗や切削騒音を小さくできると共に切削面の平滑度を良好にすることができ、また、基準となる単位切削工具以外の他の単位切削工具に取換え溝を設けたことにより、替刃の交換時に単位切削工具を一々取り外すことなく回転駆動装置の回転主軸に回転切削工具を取り付けたままで替刃の交換を行うことができるので、替刃交換の手間が大幅に低減するので、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例である回転切削工具を示す斜視図である。
【図2】回転切削工具を示す正面図である。
【図3】回転切削工具を構成する基準切削工具を示す正面図である。
【図4】回転切削工具を構成する基準切削工具を示す左側面図である。
【図5】回転切削工具を構成する基準切削工具を示す右側面図である。
【図6】回転切削工具を構成する基準切削工具を示す左側から見た斜視図である。
【図7】回転切削工具を構成する基準切削工具を示す右側から見た斜視図である。
【図8】回転切削工具の取付溝を詳細に示す拡大正面図である。
【図9】回転切削工具の取付溝に装着される替刃を詳細に示す正面図である。
【図10】替刃を示す背面図である。
【図11】替刃を示す平面図である。
【図12】替刃を示す図9のM−M線方向の断面図である。
【図13】替刃を示す斜視図である。
【図14】回転切削工具を構成する中間切削工具を示す正面図である。
【図15】中間切削工具を示す左側面図である。
【図16】中間切削工具を示す右側面図である。
【図17】中間切削工具を示す左側から見た斜視図である。
【図18】中間切削工具を示す右側から見た斜視図である。
【図19】回転切削工具を構成する他端切削工具を示す正面図である。
【図20】他端切削工具を示す左側面図である。
【図21】他端切削工具を示す右側面図である。
【図22】他端切削工具を示す左側から見た斜視図である。
【図23】他端切削工具を示す右側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
10…回転切削工具、11A…基準切削工具、11B…中間切削工具、11C…他端切削工具、12A〜12C…回転胴、25…取付溝、26…第1側壁、27…第2側壁、28…底壁、31…替刃、32…切刃、36…裏座、41…遠心固定板、51…交換溝。
【出願人】 【識別番号】000165398
【氏名又は名称】兼房株式会社
【出願日】 平成19年5月18日(2007.5.18)
【代理人】 【識別番号】100097353
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 功二


【公開番号】 特開2008−284791(P2008−284791A)
【公開日】 平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願番号】 特願2007−132389(P2007−132389)