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錐 - 特開2008−279682 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】
【発明者】 【氏名】武田 直也

【要約】 【課題】捻れを無くして加工精度を維持するとともに、コストを抑えて汎用性を持たせた錐を提供する。

【解決手段】錐10は、フルート部40の先端部に形成したフルートネジ穴と、刃物部30の中心部を貫通する貫通穴を通じてフルートネジ穴と締結するボルトと、刃物部30とフルート部40とが対向して接する接触面のうち一方または双方に備えられてフルート部40に対して刃物部30を廻り止めする廻止部(凹部33および凸部41)と、刃物部30の直径よりも小さな直径からなり先端を刃物部30の先端よりも突出させて刃物部30の貫通穴に交換可能に取り付ける中心錐20とを有する。フルート部40にフルートネジ穴を形成しているので、捻れを無くして加工精度を維持することができる。刃物部30とは別個にボルトを用いて締結するので、コストを抑えて汎用性を持たせることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切屑を排出するフルート部と、当該フルート部の先端に交換可能に取り付ける刃物部とを有する錐であって、
前記フルート部の先端部に形成したフルートネジ穴と、
前記刃物部の中心部を貫通する貫通孔を通じて前記フルートネジ穴と締結するボルトと、
前記刃物部と前記フルート部とが対向して接し得る面のうち一方または双方に備えられ、前記フルート部に対して前記刃物部を廻り止めする廻止部と、
前記刃物部の直径よりも小さな直径からなり、先端を前記刃物部の先端よりも突出させて前記刃物部の貫通孔に交換可能に取り付ける中心錐とを有する錐。
【請求項2】
請求項1に記載した錐であって、
フルートネジ穴の中心軸をフルート部の中心軸に対して偏心させた錐。
【請求項3】
請求項1または2に記載した錐であって、
ボルトの頭部と中心錐のシャンク端部とが対向する面のうち、一方の面に形成され平面形状を多角形とした凹部と、他方の面に形成された凸部とが嵌合可能に構成した錐。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載した錐であって、
ボルトは、中心錐の回転方向とは逆方向に回転させてフルートネジ穴と締結するように構成した錐。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木工および木工に類する加工に用いられる錐に関するもので、切屑を排出するフルート部と、当該フルート部の先端に交換可能に取り付ける刃物部とを有する錐に関する。
【背景技術】
【0002】
フルート部と刃物部とを備えた従来の錐は、例えば下記の特許文献1,2に開示されている。特許文献1に記載された錐(1)は、フルート部(2)の先端に柱状の二股部位(27,28)を形成し、二股部位の相互間に刃物部(3)のシャンク(10)を差し込み、二股部位の両側面からネジ(16,17)で固定している。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1358979号明細書
【0003】
特許文献2に記載された錐(10)は、フルート部(20)の先端にフルートネジ穴(26)を形成し、刃物部(30)にボルト(36)を形成し、ボルト(36)をフルートネジ穴(26)にねじ込むことで固定している。
【特許文献2】米国特許出願公開第2001/0031178号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された錐(1)は、刃物部(3)を二股部位(27,28)に固定している。当該二股部位は、フルート部(2)よりも細い柱状であるので剛性が大きく低下する。そのため、切削負荷が大きな工作物(ワーク)を切削する場合には、二股部位が捻れやすくなる。二股部位に捻れが生じると、当該二股部位に疲労が生じるだけでなく、刃物部(3)の位置がずれるために加工精度が劣化する。
【0005】
特許文献2に記載された錐(10)は、フルート部(20)の先端にフルートネジ穴(26)を形成しているため、上述した捻れの問題は生じない。ところが、刃物部(30)は、ボルト(36)を一体形成しなければならないためにコスト高になるだけでなく、フルートネジ穴(26)が形成されたフルート部(20)以外のフルート部には固定することができない。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、捻れを無くして加工精度を維持するとともに、コストを抑えて汎用性を持たせた錐を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)課題を解決するための手段(以下では単に「解決手段」と呼ぶ。)1は、切屑を排出するフルート部と、当該フルート部の先端に交換可能に取り付ける刃物部とを有する回転切削工具であって、前記フルート部の先端部に形成したフルートネジ穴と、前記刃物部の中心部を貫通する貫通穴を通じて前記フルートネジ穴と締結するボルトと、前記刃物部と前記フルート部とが対向して接し得る面のうち一方または双方に備えられ、前記フルート部に対して前記刃物部を廻り止めする廻止部と、前記刃物部の直径よりも小さな直径からなり、先端を前記刃物部の先端よりも突出させて前記刃物部の貫通穴に交換可能に取り付ける中心錐とを有することを要旨とする。
【0008】
解決手段1によれば、刃物部をフルート部に取り付けるにあたっては、ボルトを用いてフルート部の先端部に形成したフルートネジ穴と締結する。このようにフルート部にフルートネジ穴を形成しているので、廻止部がフルート部に対して刃物部を廻り止めする点と合わせて、捻れを無くして加工精度を維持することができる。また、刃物部とは別個にボルトを用いて締結するので、刃物部にボルトを一体形成する必要がない。ボルトを通すための貫通穴を刃物部に形成する必要があるものの、刃物部自体にボルトを形成するに比べるとコストを安く抑えることができる。フルート部に形成したフルートネジ穴の直径に対応したボルトを用いればよいので、一のフルート部に対して様々の直径からなる刃物部を取り付けることができ、汎用性を持たせることができる。
【0009】
(2)解決手段2は、解決手段1に記載した錐であって、フルートネジ穴の中心軸をフルート部の中心軸に対して偏心させたことを要旨とする。
【0010】
解決手段2によれば、フルート部の中心軸は錐全体の中心軸と一致しているが、フルートネジ穴の中心軸は偏心させているので錐全体の中心軸とは一致していない。切削等を行う際に錐を回転させても、ボルトは回転穿孔工具の回転変動時の慣性の影響を受けにくくなるので、フルートネジ穴との締結力が低下しにくくなる。したがって、ボルトがフルートネジ穴から緩むのを防止することができる。
【0011】
(3)解決手段3は、解決手段1または2に記載した錐であって、ボルトの頭部と中心錐のシャンク端部とが対向する面のうち、一方の面に形成され平面形状を多角形とした凹部と、他方の面に形成された凸部とが嵌合可能に構成したことを要旨とする。
【0012】
解決手段3によれば、第1形態としてボルトの頭部に凹部を形成し、中心錐のシャンク端部に凸部を形成する。また第2形態としてボルトの頭部に凸部を形成し、中心錐のシャンク端部に凹部を形成する。いずれの形態にせよ、凹部と凸部が嵌合するので、切削時に生じる切削抵抗によって中心錐が刃物部に対して回転するのを防止することができる。したがって、フルート部と中心錐とをより一体化させて切削を行うことができる。
【0013】
(4)解決手段4は、解決手段1から3のいずれか一項に記載した錐であって、解決手段4に記載した錐であって、ボルトは中心錐の回転方向とは逆方向に回転させてフルートネジ穴と締結するように構成したことを要旨とする。
【0014】
中心錐が工作物を切削する際には、中心錐の回転方向とは逆方向に切削抵抗が生じる。解決手段4によれば、切削抵抗に伴う回転力をボルトに伝達することによってフルートネジ穴との締結力を増加させ(言い換えれば緩み難くして)、刃物部とフルート部とをより一体化させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フルート部の先端にフルートネジ穴を形成しているので、捻れを無くして加工精度を維持することができる。また刃物部とは別個にボルトを用いて締結を行うので、コストを抑えて汎用性を持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1には、錐の構成例を斜視図で表す。錐10は、直進性を向上させるための中心錐20、切屑を排出するフルート部40、当該フルート部40の先端(図面左下側)に交換可能に取り付ける刃物部30などを有する。中心錐20は、例えば鉄工ドリルや木工用錐等を用いる。刃物部30は切削刃31によって工作物を切削する役割を果たし、切削によって生じた切屑は接続排出溝32およびフルート部40の切屑排出溝42を通じて排出される。フルート部40は上記切屑排出溝42の他に、廻止部の一方側に相当する凸部41や、工作機械等に取り付けるためのシャンク43などを有する。刃物部30およびフルート部40の直径は任意であって、例えば32φである。中心錐20は刃物部30等の直径よりも小さな直径からなる。
【0018】
中心錐20とフルート部40の構成例は後述することにして、先に刃物部30の構成例について図2〜図6を参照しながら説明する。図2には刃物部30の構成例を斜視図で表す。図3には中心錐側から見た刃物部30の平面図を表し、図4にはフルート部側から見た刃物部30の平面図を表す。図5には刃物部30の側面図を表し、当該図5のVI−VI線断面図を図6に表す。
【0019】
刃物部30には、複数枚(本例では二枚)の切削刃31を個別かつ交換可能に、先端側(図面左下側)の所定位置に装着する。この所定位置には、切削刃31の外形に合わせた窪みが形成されている。刃物部30には二箇所に刃物装着用ネジ穴34(具体的には雌ネジ穴)が設けられ、切削刃31のほぼ中心には小穴31cがあけられている。小穴31cおよび刃物装着用ネジ穴34の組についてそれぞれ雄ネジ39をねじ込むことで、二枚の切削刃31をそれぞれ刃物部30に装着する。切削刃31は多角形状(本例では四角形状)に形成され、当該四角形状のうちで対向する二辺に刃部31a,31bが形成されている。工作物を切削してゆくにつれて一方の刃部(例えば刃部31a)に磨耗や損傷等が生じても、いったん雄ネジ39を緩めて切削刃31を180度回転させ、再び雄ネジ39をねじ込んで締結すれば他方の刃部(例えば刃部31b)で切削することができる。
【0020】
刃物部30は、上述した刃物装着用ネジ穴34の他に、接続排出溝32、凹部33、貫通穴35(図3,図4,図6を参照)、段部36(図6を参照)、筒部37(図4,図5,図6を参照)、中心錐固定用ネジ穴38などを有する。上述したように、接続排出溝32は切屑を排出するための溝である。図1に表すように接続排出溝32はフルート部40の切屑排出溝42に接続されるため、切屑排出溝42と同様に螺線状の溝が二条に形成されている。廻止部の他方側に相当する凹部33は、設置数を任意に設定でき(本例では二つ設定している)、フルート部40に対向する対向面3Aに設けられている。この凹部33は、廻止部の一方側であるフルート部40の凸部41と嵌合する(図1を参照)。凹部33は例えばキー溝加工によって形成される。
【0021】
ボルト50(例えばキャップボルト;図7を参照)を通すための貫通穴35は、刃物部30の中心軸に沿って形成されている。段部36は貫通穴35の一部に形成され、ボルト50の頭部52を係止する役割を果たす。筒部37は刃物部30のフルート部側(図面右側)に設けられている(図8を参照)。中心錐固定用ネジ穴38は、貫通穴35に通した中心錐20を雄ネジ23で固定するための雌ネジ穴である(図9を参照)。
【0022】
フルート部40の構成例と、切削刃31を装着した刃物部30をフルート部40に取り付ける工程とについて、図7を参照しながら説明する。まず、フルート部40の構成例について説明する。フルート部40は上述した切屑排出溝42,シャンク43の他に、凸部41やフルートネジ穴44を有する。廻止部の一方側に相当する凸部41は、上述した凹部33に対応した設置数であり、刃物部30に対向する対向面4Aに設けられている。対向面4Aは上述した対向面3Aと接し得る。凸部41は、上述した凹部33と同様にキー溝加工によって形成される。
【0023】
フルートネジ穴44は、フルート部40の先端部(図面左下部位)に形成され、対向面4Aからフルート部40の中心軸Cに沿って形成された雌ネジ穴である。具体的には、例えばタップ穴加工によって形成され、段部44a(図8を参照)を有する。上述した筒部37の直径は、段部44aにちょうど入る大きさである。
なお、切屑の排出性を向上させるため、フルート部40は特殊コーティング(例えばフッ素樹脂加工等)を施すのが望ましい。
【0024】
切削刃31を装着した刃物部30をフルート部40に取り付ける工程について説明する。刃物部30の筒部37をフルートネジ穴44の段部44aに差し込み、ボルト50を刃物部30の貫通穴35を通してからフルートネジ穴44にねじ込んで締結すればよい。本例のボルト50は、レンチ(例えば六角レンチ)を用いて締結するため、平面形状が多角形(例えば六角形)の凹部51が頭部52に形成されている。こうしてボルト50を用いて刃物部30をフルート部40に取り付けた後の状態を断面図で図8に表す。
なお、本例ではフルート部40の中心軸Cに沿ってフルートネジ穴44を形成したが、当該中心軸Cから偏心させた位置にフルートネジ穴44を形成してもよい。この場合には、フルートネジ穴44の中心軸に沿って、貫通穴35およびボルト50の各中心軸を一致させる必要がある。
【0025】
最後に中心錐20を取り付ける工程について、図9を参照しながら説明する。図9に表すように、中心錐20を刃物部30の貫通穴35に差し込むと、ボルト50の頭部52に当たるまで進む。そして、二本の雄ネジ23をそれぞれ中心錐固定用ネジ穴38にねじ込んだ後、さらに中心錐固定用ネジ穴38が中心錐20に当たって押圧するまで締結作業を行う。雄ネジ23を用いて中心錐20を取り付けた後の状態を図10に表す。図10で明らかなように、中心錐本体21の先端が刃物部30の先端よりも突出するように取り付けられる。
【0026】
こうして錐10の全体が組み立てられると、図1に表すような状態になる。錐10で工作物(例えば木材)を切削してゆくにつれて磨耗や損傷等が生じた部材については、次のようにして交換することができる。まず切削刃31を交換する場合には、雄ネジ39を緩めて切削刃31を取り外し、新しい切削刃31を所定位置に配置して再び雄ネジ39をねじ込んで締結すればよい。切削刃31だけでなく刃物部30の全体を交換する場合には、ボルト50を緩めて刃物部30を取り外し、新しい刃物部30の筒部37をフルートネジ穴44の段部44aに差し込み、再びボルト50を刃物部30の貫通穴35を通してからフルートネジ穴44にねじ込んで締結すればよい。中心錐20を交換する場合には、雄ネジ23を緩めて中心錐20を取り出し、新しい中心錐20を差し込んでから再び雄ネジ23をねじ込んで締結すればよい。
【0027】
上述した実施の形態によれば、以下に表す各効果を得ることができる。
(1)ボルト50を用いてフルート部40の先端部に形成したフルートネジ穴44と締結することにより、刃物部30をフルート部40に取り付けた(図7を参照)。このようにフルート部40にフルートネジ穴44を形成しているので、捻れを無くして加工精度を維持することができる。また、刃物部30とは別個にボルト50を用いて締結するので、刃物部30にボルト50を一体形成する必要がない。ボルト50を通すための貫通穴35を刃物部30に形成する必要があるものの、刃物部30自体にボルトを形成するに比べるとコストを抑えることができる。フルート部40に形成したフルートネジ穴44の直径に対応したボルト50を用いればよいので、一のフルート部40に対して様々の直径からなる刃物部30を取り付けることができ、汎用性を持たせることができる。
【0028】
(2)小穴31cおよび刃物装着用ネジ穴34に雄ネジ39をねじ込むことで切削刃31を刃物部30に装着した(図2を参照)。切削刃31は工作物を切削してゆくにつれて磨耗や損傷等が生じるが、いつでも刃物部30に対して交換できるので所望の加工精度で切削を行うことができる。また、切削刃31を多角形状(本例では四角形状)に形成し、二辺に刃部31a,31bを設けたので、刃部31a,31bの全てに磨耗や損傷等を生じるまで使用することができるので、切削刃31の寿命を延ばすことができる。
本例では、四角形状の切削刃31における二辺に刃部31a,31bを設けたが、三辺または全辺に刃部を設ける構成としてもよい。刃部の数が多くなるにつれて、切削刃31の寿命を延ばすことができる。
【0029】
(3)フルートネジ穴44の中心軸をフルート部40の中心軸Cに対して偏心させる構成とした場合には、フルートネジ穴44の中心軸は偏心させているので錐10全体の中心軸とは一致していない。切削等を行う際に錐10を回転させても、ボルト50は回転穿孔工具の回転変動時の慣性の影響を受けにくくなるので、フルートネジ穴44との締結力が低下しにくくなる。したがって、ボルト50がフルートネジ穴44から緩むのを防止することができる。
【0030】
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
【0031】
(1)上述した実施の形態では、中心錐20のシャンク22はその端部を平面で形成した(図8を参照)。この形態に代えて、ボルト50の頭部52に設けた凹部51と嵌合するような凸部をシャンク22の端部に設ける構成としてもよい。例えば図11に表すように、シャンク22の端部に凸部24(平面形状は例えば六角形)を設ける。このように構成すれば、中心錐20を取り付けて固定した後は凹部51と凸部24が嵌合するので、切削時に生じる切削抵抗によって中心錐20が刃物部30に対して回転するのを防止することができる。したがって、フルート部40と中心錐20とをより一体化させて切削を行うことができる。なお上述した構成とは逆に、頭部52に凸部を設け、シャンク22の端部に凹部を設ける構成としても同様の作用効果を得ることができる。さらには、中心錐20とボルト50とを一体化させた部材(すなわちシャンク22の端部を延ばしてボルト50と同様のネジ山を形成する)を用いても同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
ボルト50とフルートネジ穴44についての各ネジ山は、中心錐20の回転方向とは逆方向にボルト50を回転させたときにフルートネジ穴44と締結してゆくように形成するのが望ましい。この構成によれば、中心錐20が工作物を切削する際には、中心錐20の回転方向とは逆方向に切削抵抗が生じるが、切削抵抗に伴う回転力が中心錐20からボルト50に伝達されてフルートネジ穴44との締結力を増加させる。したがって、ボルト50とフルートネジ穴44は緩み難くなり、切削中でも刃物部30とフルート部40とをより一体化させることができる。
【0033】
(2)上述した実施の形態では、中心錐20を構成するシャンク22は丸棒形状(すなわち断面が円形状)に形成した(図11を参照)。この形態に代えて、図12に表すようにシャンク22の一部に平面部25(本例では対向する二面)を設けてもよい。この構成によれば、中心錐固定用ネジ穴38にねじ込まれた雄ネジ23の先端が平面部25を押圧して締結するので、シャンク22が刃物部30に対して回転するのを阻止することができる。このようにシャンク22の回転(言い換えればガタつき)が阻止されるので、錐10による加工精度を維持することができる。
また、シャンク22を角棒形状(すなわち断面が多角形状)に形成してもよい。この場合でも雄ネジ23の締結による回転阻止が行える。当該角棒形状に対応して刃物部30の貫通穴35を形成した場合には、雄ネジ23の有無にかかわらず回転阻止が行える。
【0034】
(3)上述した実施の形態では、刃物部30に対して切削刃31を交換可能に装着する構成とした(図2を参照)。この形態に代えて、刃物部30に対して切削刃31を交換不能に固定する構成としてもよい。例えば、切削刃を刃物部30にろう付する構成や、切削刃を含めて刃物部30に一体に形成する構成が該当する。切削刃は交換できなくなるものの、捻れを無くして加工精度を維持し、コストを抑えて汎用性を持たせることができる。
【0035】
(4)上述した実施の形態では、刃物部30側の対向面3Aに設けた凹部33と、フルート部40側の対向面4Aに設けた凸部41とによって廻止部を構成した(図1,図7を参照)。この形態に代えて、凹凸を逆の対向面に設けたり、刃物部30側またはフルート部40側のいずれか一方に廻止部を設ける構成としてもよい。後者については、例えば刃物部30側に設ける場合には、凸部41が無い対向面4Aの外形に嵌合するように対向面3Aを形成する。あるいは凹部33が無い対向面3Aの外形に嵌合するように対向面4Aを形成する。いずれの形態で構成するにせよ、フルート部40に対して刃物部30を廻り止めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】錐の構成例を表す斜視図である。
【図2】刃物部の構成例を表す斜視図である。
【図3】刃物部の構成例を表す平面図(中心錐側)である。
【図4】刃物部の構成例を表す平面図(フルート部側)である。
【図5】刃物部の構成例を表す側面図である。
【図6】図5に表すVI−VI線の断面図である。
【図7】フルート部の構成例および刃物部をフルート部に取り付ける工程を説明する斜視図である。
【図8】刃物部をフルート部に取り付けた状態を表す断面図である。
【図9】中心錐を取り付ける工程を説明する斜視図である。
【図10】中心錐を取り付けた状態を表す断面図である。
【図11】中心錐の第2構成例を表す斜視図である。
【図12】中心錐の第3構成例を表す斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
10 錐
20 中心錐
21 中心錐本体
22 シャンク
23 雄ネジ
24 凸部
25 平面部
30 刃物部
31 切削刃
31a,31b 刃部
32 接続排出溝
33 凹部
34 刃物装着用ネジ穴
35 貫通穴
36 段部
37 筒部
38 中心錐固定用ネジ穴
39 雄ネジ
3A 対向面
40 フルート部
41 凸部
42 切屑排出溝
43 シャンク
44 フルートネジ穴
44a 段部
4A 対向面
50 ボルト
51 凹部
52 頭部
53 ボルト本体
【出願人】 【識別番号】000165398
【氏名又は名称】兼房株式会社
【出願日】 平成19年5月11日(2007.5.11)
【代理人】 【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−279682(P2008−279682A)
【公開日】 平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願番号】 特願2007−126652(P2007−126652)