トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 切断機
【発明者】 【氏名】田中 孝治

【要約】 【課題】切断材をテーブル上に載置して切断作業を行うテーブルソーにおいて、鋸刃の後ろ側には、いわゆる割り刃が配置され、この割り刃に鋸刃の両側を覆うサイドカバーが支持されている場合に、従来鋸刃交換等の便宜を図るためにこのサイドカバーを割り刃から取り外す場合に手間がかかっていたのを、簡単な操作でサイドカバーを取り外すことができるようにする。

【解決手段】取り付け装置の操作レバー31を第3操作ポジションP3に傾動操作すると、サイドカバー55,55を支持するカバー軸56を支持溝部42から抜き出してトップカバーひいては割り刃20から取り外し可能な構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断材を載置するテーブルと、該テーブルの上面から突き出された鋸刃と、該鋸刃の切断進行方向前側において該鋸刃と面一に配置された割り刃と、前記鋸刃を覆うカバー装置を備えた切断機であって、
前記カバー装置は、前記割り刃に取り付けられて前記鋸刃の上方を覆うトップカバーと、該トップカバーに取り付けられて前記鋸刃の側方を覆うサイドカバーと、前記トップカバーを前記割り刃に対して取り付け、かつ前記サイドカバーを前記トップカバーに対して取り付ける取り付け装置を備え、
前記取り付け装置は、前記トップカバーに傾動操作可能に支持されて、少なくとも三つの操作ポジションが設定された操作レバーを備え、
該操作レバーを第1操作ポジションに操作すると、前記割り刃に対して前記トップカバーと前記サイドカバーの双方が取り付けられ、
前記操作レバーを第2操作ポジションに操作すると、前記割り刃から前記トップカバーと前記サイドカバーを一体で取り外し可能となり、
前記操作レバーを第3操作ポジションに操作すると、前記トップカバーから前記サイドカバーを取り外し可能となる構成とした切断機。
【請求項2】
請求項1記載の切断機であって、前記取り付け装置は、三つの軸部と二つの係合部を備え、第1軸部を介して前記操作レバーが前記トップカバーに上下に傾動操作可能に支持され、第2軸部を介して作動アームの一端側が前記操作レバーに上下に回動可能に支持され、該作動アームの他端側に第3軸部が支持され、前記第1軸部を中心とする前記操作レバーの前記三つの操作ポジション間の傾動操作により前記第3軸部が前記第1軸部との間隔について三つの位置に移動操作され、
前記操作レバーを前記第1操作ポジションに操作すると、前記第3軸部が前記第1軸部から最も離間した第1位置に移動することにより前記トップカバーが前記割り刃に対して固定され、前記第1係合部によって前記サイドカバーの前記トップカバーからの取り外しが規制され、
前記操作レバーを前記第2操作ポジションに操作すると、前記第3軸部が前記第1軸部に接近して第2位置に移動することにより前記トップカバーが前記割り刃から取り外し可能となる一方、前記第2係合部によって前記サイドカバーの前記トップカバーからの取り外しが規制され、
前記操作レバーを前記第3操作ポジションに操作すると、前記第3軸部が前記第1軸部に最も接近した第3位置に移動することにより前記トップカバーから前記サイドカバーを取り外し可能となる構成とした切断機。
【請求項3】
請求項2記載の切断機であって、前記割り刃の上部に開口部が切り込み形成され、該開口部に連続して該開口部の開口幅よりも長い長溝孔形状の取り付け孔が形成されており、
前記操作レバーを前記第1操作ポジションに傾動操作すると、前記第1軸部と前記第3軸部が前記取り付け孔の前後両端部に係合されて、前記開口部を通過不能となることにより前記トップカバーが前記割り刃に対して取り付けられる一方、
前記操作レバーを前記第2操作ポジションに傾動操作すると、前記第1軸と前記第3軸部が前記開口部を通過可能となって前記トップカバーを前記割り刃から取り外し可能となる構成とした切断機。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、切断材を載置するテーブルの上面から鋸刃の上部が突き出されたテーブルソーと称される切断機であって、鋸刃の周囲を覆うカバー装置を備えた切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるテーブルソーは、切断材を載置するテーブルの上面から円形の鋸刃の上部を突き出した状態に配置したもので、テーブルに載置した切断材を鋸刃に向けて面方向に移動させて切断加工が行われる。このようなテーブルソーにおいて、テーブル上面に突き出された鋸刃の両側方には、当該鋸刃に対して切断材以外の他物品が干渉しないようにし、あるいは切り粉の飛散防止を目的として従来よりサイドカバーが設けられている。このサイドカバーは、上下に回動可能に支持されており、切断材の切断進行方向への移動によって上方へ持ち上げられるようにして開かれる。通常、このサイドカバーは、切断材のいわゆるキックバックを防止するために鋸刃の後ろ側に面一に配置された割り刃(ライビングナイフ)の上部に上下に回動可能に支持されている。
このように鋸刃の両側方に配置されたサイドカバーは鋸刃の交換時には邪魔になるため、従来は上方へ開いた状態に保持し、若しくは割り刃から取り外すことが行われている。
【特許文献1】特開2006−68940号公報
【特許文献2】実開平6−46901号公報
【特許文献3】米国特許公報第6405624号明細書
【特許文献4】欧州特許第1491304号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、サイドカバーを単に上方へ回動させて鋸刃の側方から退避させた状態に保持しただけでは、依然として当該サイドカバーが邪魔になって例えばスパナ等の工具を使いづらく、結果的に鋸刃の交換作業に手間がかかっていた。
また、サイドカバーを割り刃から取り外す作業では、当該サイドカバーを割り刃に対して回動支持する支持軸を取り外す等、ほぼ分解に近い作業を行う必要があったため手間がかかり、この場合も鋸刃の交換作業を迅速に行うことが困難であった。
そこで、本発明では、鋸刃の側方を覆うサイドカバーを割り刃に対して簡単に脱着することができ、これにより鋸刃の交換作業等を迅速に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このため、本発明は特許請求の範囲に記載した構成の切断機とした。
請求項1記載の切断機によれば、サイドカバーをトップカバーにセットし、かつトップカバーを割り刃に対してセットした状態で操作レバーを第1操作ポジションに傾動操作すると、トップカバーが割り刃に固定され、サイドカバーがトップカバーに固定され、従ってサイドカバーが割り刃に対して固定される。割り刃に固定されたサイドカバーによって鋸刃の側方が覆われる。
操作レバーを第3操作ポジションに傾動操作すると、トップカバーからサイドカバーを取り外すことができ、従ってサイドカバーのみを割り刃から取り外し、若しくはトップカバーとサイドカバーの双方を別々に割り刃から取り外すことができる。サイドカバーは割り刃から取り外すことにより、鋸刃の周辺から取り除くことができ、これにより鋸刃の交換作業等を迅速に行うことができる。
操作レバーを第2操作ポジションに傾動操作すると、トップカバーとサイドカバーを一体で割り刃から取り外すことができる。トップカバーとサイドカバーの双方を割り刃から取り外すことにより、鋸刃の上方及び側方に邪魔になる部材がなくなるので、鋸刃の交換作業等を一層迅速に行うことができるとともに、いわゆる溝入れ加工の準備作業を迅速に行うことができる。
このようにトップカバーに設けた操作レバーを各操作ポジションに傾動操作することにより、トップカバーとサイドカバーの双方を割り刃に取り付けた状態(当該切断機の使用状態等)と、サイドカバーを割り刃から取り外した状態と、トップカバーとサイドカバーの双方を割り刃から取り外した状態とすることができ、切断機の使用あるいは鋸刃の交換等の各種作業に合わせてサイドカバーを割り刃に対して簡単に脱着することができる。割り刃に対してサイドカバーを簡単に脱着することができるので、鋸刃の交換作業等を従来よりも迅速に行うことができる。
【0005】
請求項2記載の切断機によれば、操作レバーを第1操作ポジションに傾動操作すると、第3軸部が第1位置に移動する。この状態では、第1軸部と第3軸部の間隔が最大になって、トップカバーが割り刃に対して固定される。また、この状態では、第1係合部によってサイドカバーがトップカバーに対して取り付けられた状態に固定されている。このことから、操作レバーを第1操作ポジションに傾動操作すると、トップカバーとサイドカバーの双方が割り刃に対して取り付けられた状態に固定される。
操作レバーを第2操作ポジションに傾動操作すると、第3軸部が第2位置に移動して第1軸部との間隔が小さくなる。この状態では、トップカバーを割り刃から取り外し可能な状態となる。また、この状態では、第2係合部によってサイドカバーがトップカバーに対して取り付けられた状態に固定されている。このことから、操作レバーを第2操作ポジションに傾動操作すると、トップカバーとサイドカバーを一体で割り刃から取り外すことができる。
操作レバーを第3操作ポジションに傾動操作すると、第3軸部が第3位置に移動して第1軸部との間隔が最小になる。この状態では、トップカバーからサイドカバーを取り外すことができ、従って当該サイドカバーを割り刃から取り外すことができる。この場合、トップカバーも割り刃から取り外すことができ、従って割り刃とトップカバーとサイドカバーが相互にばらばらに取り外される構成、若しくはトップカバーが割り刃に固定され、サイドカバーのみを割り刃から取り外し可能となる構成とすることができる。
請求項3記載の切断機によれば、操作レバーを傾動操作することにより、第3軸部が移動して第1軸部との間の間隔が変化する。操作レバーを第1操作ポジションに傾動操作すると、第3軸部が第1位置に移動して第3軸部との間隔が最大になる。このため、トップカバーを割り刃にセットした状態で操作レバーを第1操作ポジションに傾動操作すると、第1軸部と第3軸部がそれぞれ割り刃の取り付け孔の前後両端部に係合され、その結果開口部を通過不能な間隔に固定されることにより当該トップカバーを割り刃に対して固定することができる。
これに対して、操作レバーを第2操作ポジションに傾動操作すると第3軸部が第1軸部に接近して両者間の間隔が小さくなる。この状態では、両軸部の取り付け孔の前後両端部に対する係合状態が解除され、かつ開口部を通過可能な状態となることからトップカバーを割り刃から取り外し可能な状態となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施形態を図1〜図7に基づいて具体的に説明する。図1は、以下説明する本実施形態に係る切断機1の全体を示している。以下説明する実施形態では、切断機の一例としていわゆるテーブルソーを例示する。本実施形態は、割り刃20に対するカバー装置50の取り付け構造に特徴を有するものであり、その他当該テーブルソーの基本的構成については従来と同様で足り、本実施形態において特に変更を要しない。従って、切断機1の全体構成については簡単に説明する。
図1中、符号2は、切断材Wが載置されるテーブルを示している。このテーブル2は、機台10によって水平に支持されている。このテーブル2のほぼ中央に円形の鋸刃3の上部が突き出されている。この鋸刃3は、テーブル2の下面側に設置した昇降ベース5に支持されており、電動モータ7により回転する。昇降ベース5は、基台10に上下方向に沿って設けたスライド軸6〜6を介して上限に平行に昇降動可能に支持されている。この昇降ベース5を昇降動させることにより、鋸刃3のテーブル2の上面からの突き出し寸法(切断材Wに対する切り込み深さ)を変更することができる。
鋸刃3に対して切断材Wを図中白抜きの矢印で示す方向(切断進行方向)に移動させることによりこの切断材Wが切断加工される。鋸刃3に対して切断進行方向前側(図1では左側)に、いわゆる割り刃20(ライビングナイフ)が配置されている。
この割り刃20は、鋸刃3とほぼ同等の板厚を有する平板であり、鋸刃3と面一に支持されている。この割り刃20は、上記昇降ベース5に設けた台座部5a上に取り付け台25を介して取り付けられており、その上端側はテーブル2の上面に突き出されている。この割り刃20は、切断直後の切断材Wの切り口に挟み込まれて当該切り口の幅を一定に保持し、これにより鋸刃3に対する切り口の接触を回避してそのキックバックを防止する機能を有している。
【0007】
テーブル2の上面側に突き出された割り刃20の上端部に、本実施形態に係るカバー装置50が取り付けられている。このカバー装置50は、主として鋸刃3の上方を覆うトップカバー40と、鋸刃の3のテーブル2の上方に突き出した部分の左右側方を覆う左右一対のサイドカバー55,55と、これらを割り刃20に対して取り付けるための取り付け装置30を備えている。
先ず、図2に示すようにトップカバー40は、鋸刃20の上方を中心にして切断進行方向前側及び後ろ側に長く延びている。このトップカバー40は、左右の側面部41,41を備えている。左右側面部41,41の上端部間であって鋸刃3の上方となる範囲には上面部43が掛け渡し状に設けられている。上面部43よりも切断進行方向前側であってその長手方向ほぼ中央部において、左右側面部41,41間に左右のサイドカバー55,55が支持され、また取り付け装置30が組み込まれている。なお、図2中、符号3aは、鋸刃3の回転中心を示している。
このトップカバー40の切断進行方向前側であって割り刃20よりも前側(図2において左側)には、切断直後の切断材の跳ね上げを防止するためのキックバック防止爪60,60を上下に回動可能に支持するための支持孔41a,41aが配置されている。なお、キックバック防止爪60,60は図1に示されており、図2では省略されている。左右一対のキックバック防止爪60,60は、この支持孔41a,41a間に支持された支軸62を介して上下に傾動可能に支持され、かつ下向きにばね付勢されている。
トップカバー40の切断進行方向前端部には、キックバック防止爪60,60を退避位置に保持するための保持部61が設けられている。左右のキックバック防止爪60,60をそのばね付勢力に抗して上方へ回動させ、その先端部をそれぞれ保持部61に載せ掛けておくことにより両キックバック防止爪60,60をトップカバー40の両側面部41,41間に沿わせた退避位置に保持しておくことができる。このキックバック防止爪60,60自体の機能については従来公知の技術であるので詳細な説明を省略する。
【0008】
左右のサイドカバー55,55は、左右対称の平板形状を有する半透明の樹脂板で、その切断進行方向前端部がカバー軸56を介して上下に回動可能に支持されている。この両サイドカバー55,55によってテーブル2から突き出した鋸刃20の主として刃先の側方が覆われる。この左右のサイドカバー55,55の切断進行方向後ろ側(図2において右端部側)は、上方へせり上がる円弧形状の案内部55a,55aが設けられている。この案内部55a,55aに切断材Wの前端部が当接され、この当接状態のまま切断材Wが図2中白抜きの矢印で示す切断進行方向に押されることにより左右のサイドカバー55,55が上方へ持ち上げられるようにして回動して上方へ開かれる。
この左右のサイドカバー55,55は、トップカバー40から取り外すことができる。トップカバー40の左右側壁部41,41には上記カバー軸56を挿通可能な幅の支持溝部42,42が設けられている。両支持溝部42,42は、相互に左右対称に形成されており、それぞれ縦部42aと横部42bを有する概ねL字形に形成されている。両支持溝部42,42間にカバー軸56を掛け渡した状態で当該カバー軸56がトップカバー40に支持され、従って左右のサイドカバー55,55が上下に回動可能に支持される。カバー軸56を横部42bから縦部42aに沿って上側へ平行移動させると、当該カバー軸56を両側壁部41,41間から外すことができ、これにより左右のサイドカバー55,55をトップカバー40から取り外すことができる。但し、左右のサイドカバー55,55のトップカバー40からの取り外しは、後述する取り付け装置30によって一定条件下で規制される。これについては後述する。
図3は取り付け装置30の詳細を示している。この取り付け装置30は、操作レバー31を備えている。この操作レバー31は、第1軸部32を介してトップカバー40の左右側面部41,41間に上下に傾動操作可能に支持されている。第1軸部32には第1係合ローラ32aが取り付けられている。
この操作レバー31には、使用者が指で操作するつまみ部31aが設けられている。操作レバー31には、図3及び図5に示す第1操作ポジションP1と、図6に示す第2操作ポジションP2と、図7に示す第3操作ポジションP3の三つの操作ポジションP1,P2,P3が設定されている。図3及び図5に示すように第1操作ポジションP1は、つまみ部31aをトップカバー40の上面部43にほぼ平行に沿わせた位置に設定されている。図6に示すようにこの第1操作ポジションP1からつまみ部31aを持ち上げて図示時計回り方向に約45°だけ傾動させた位置に第2操作ポジションP2が設定されている。また、図7に示すように第2操作ポジションP2からさらに図示時計回り方向に約45°傾動させた位置(第1操作ポジションP1から約90°傾動させた位置)に第3操作ポジションP3が設定されている。各操作ポジションP1,P2,P3の機能については後述する。
【0009】
操作レバー31の下部には、第2軸部33が設けられている。この第2軸部33を介して作動アーム34の一端側が回動可能に支持されている。この作動アーム34の先端側には第3軸部35が設けられている。この第3軸部35の両端部は、トップカバー40の左右側面部41,41に設けた案内溝44,44に挿入されている。両案内溝44,44は相互に左右対称に形成されており、それぞれほぼ切断進行方向に沿った横部44aと、この横部44aの後端部から約45°の角度で斜め上方へ延びる傾斜部44bを備えている。このため、第3軸部35は、この左右の案内溝44,44に沿ってのみ平行移動する。第3軸部35の軸方向中央には第3係合ローラ35aが設けられている。
操作レバー31を上記第1〜第3操作ポジションP1〜P3の間で上下に傾動操作すると、第2軸部33が第1軸部32を中心に公転するため、作動アーム34の回動支点(第2軸部33)が円弧軌跡に沿って変位する。第2軸部33が変位すると、作動アーム34が上下に回動しつつ、第3軸部35が案内溝44,44に沿って平行移動する。
図3及び図5に示すように操作レバー31が第1操作ポジションP1に位置する状態では、第3軸部35は案内溝44,44の前端部間(横部44a,44aの前端部間)に位置する。以下、この位置を第1位置という。図6に示すように操作レバー31が第2操作ポジションP2に位置する状態では、第3軸部35は案内溝44,44の横部44a,44aと傾斜部44b,44bとの境界付近に位置する。以下、この位置を第2位置という。また、図7に示すように操作レバー31が第3操作ポジションP3に位置する状態では、第3軸部35は案内溝44,44の傾斜部44b,44bの上端部に位置する。以下、この位置を第3位置という。このように操作レバー31の傾動操作により、第3軸部35が案内溝44,44に沿って変位することにより、当該第3軸部35と第1軸部32との軸間距離が変化し、従って第3係合ローラ35aと第1係合ローラ32aの間隔L(第3係合ローラ35aの前端と第1係合ローラ32aの後端との間隔)が変化する。
【0010】
図3及び図5に示すように第3係合ローラ35aと第1係合ローラ32aの間隔Lは、第3軸部35が第1位置に位置する時(操作レバー31の第1操作ポジション)に最大となり、第3軸部35が第3位置に位置する時(操作レバー31の第3操作ポジション)に最小となる。操作レバー31を第2操作ポジションに傾動操作して第3軸部35を第2位置に位置させた状態では、第3係合ローラ35aと第1係合ローラ32aの間隔Lは、前者の第1位置に位置させた場合よりも小さく、後者の第3位置に位置させた場合よりも大きくなる。このことから、操作レバー31を第1操作ポジションP1(図5)から切断進行方向後ろ側へ起立させる方向に傾動操作して、第2操作ポジションP2(図6)、第3操作ポジションP3(図7)に操作すると、第3係合ローラ35aと第1係合ローラ32aの間隔Lが徐々に小さくなっていく。このように操作レバー31の傾動操作に伴って第3係合ローラ35aと第1係合ローラ32aの間隔Lを変化させることにより、トップカバー40を割り刃20に対して脱着することができる。これについてはさらに後述する。
操作レバー31には、第1係合部45と第2係合部46が設けられている。図3及び図5に示すように操作レバー31を第1操作ポジションP1に位置させた状態では、第1係合部45によって左右サイドカバー55,55のカバー軸56の支持溝部42から抜け出る方向の移動が規制される。また、図6に示すように操作レバー31を第2操作ポジションP2に位置させた状態では、第2係合部46によって左右サイドカバー55,55のカバー軸56の支持溝部42から抜け出る方向の移動が規制される。この第1及び第2係合部45,46によって、操作レバー31を第1操作ポジションP1と第2操作ポジションP2に位置させた状態では、左右のサイドカバー55,55がトップカバー40に対して取り付けられた状態に固定される。
図7に示すように操作レバー31を第3操作ポジションP3に傾動操作すると、カバー軸56の後ろ側(図7において右側)から第1及び第2係合部45,46が後方へ退避する。このため、当該カバー軸56は、支持溝部42の横部42bから縦部42aを経て当該支持溝部42から抜け出し可能となり、従って左右のサイドカバー55,55をトップカバー40から取り外し可能な状態となる。
【0011】
このように構成された取り付け装置30に対して、割り刃20の上端部には、前後方向に幅L1で切り込み形成された開口部20aが形成されている。この開口部20aの奥側(下側)には、前後に長い長溝孔形状の取り付け孔20bが形成されている。取り付け孔20bは前後方向の幅L2で形成されている。取り付け孔20bの幅L2は、開口部20aの幅L1よりも大きく設定されている(L1<L2)。
取り付け孔20bの幅L2は、第3軸部35を第1位置に位置させた時の第3係合ローラ35aと第1係合ローラ32aの間隔Lに設定されている。このため、図5に示すように操作レバー31を第1操作ポジションP1に位置させると、第3係合ローラ35aが取り付け孔20bの前端部に押圧され、第1係合ローラ32aが取り付け孔20bの後端部に押圧されて、両係合ローラ35a,32aが開口部20aを経て当該取り付け孔20bから抜け出し不能に係合され、これによりトップカバー40が割り刃20に対して固定される。
これに対して、図6及び図7に示すように操作レバー31を第2操作ポジションP2又は第3操作ポジションP3に傾動操作すると、第3係合ローラ35aと第1係合ローラ32aの間隔Lが開口部20aの幅L1よりも小さくなる。このため、両係合ローラ35a,32aは開口部20aを経て取り付け孔20bから抜け出し可能となり、これによりトップカバー40は割り刃20から取り外し可能な状態となる。
このように第1係合ローラ32aと第3係合ローラ35aをともに取り付け孔20b内に位置させた状態(取り付け装置30を割り刃20に対してセットした状態)で操作レバー31を第1操作ポジションP1に傾動操作すると、両係合ローラ32a,35aの間隔Lが最大になって取り付け孔20bに係合され、これによりトップカバー40が割り刃20に対して取り付けられた状態(図5に示す状態)となる。この取り付け状態において、操作レバー31を第2操作ポジションP2若しくは第3操作ポジションP3に傾動操作すると、第1係合ローラ2aと第3係合ローラ35aの間隔Lが小さくなっていずれの場合も取り付け孔20bから抜け出し可能となり、従ってトップカバー40を割り刃20から取り外し可能な状態(図6,7に示す状態)となる。
【0012】
上記したように操作レバー31を第1操作ポジションP1に位置させると第1係合部45により、また操作レバー31を第2操作ポジションP2に位置させると第2係合部46により、いずれもカバー軸56の移動が規制されるため当該カバー軸56が支持溝部42から抜け出し不能となり、その結果左右のサイドカバー55,55がトップカバー40に取り付けられた状態に固定される。その結果、操作レバー31を第1操作ポジションP1に傾動操作すると、トップカバー40とサイドカバー55,55の双方が割り刃20に対して取り付けられた状態となる。
これに対して図6に示すように操作レバー31を第2操作ポジションP2に傾動操作すると、第2係合部46によってカバー軸56の移動が規制される一方、第1係合ローラ32aと第3係合ローラ35aの間隔Lが小さくなって取り付け孔20bから抜け出し可能となるため、トップカバー40と左右のサイドカバー55,55をカバー装置50として一体で割り刃20から取り外すことができる。
さらに、図7に示すように操作レバー31を第3操作ポジションP3に傾動操作すると、カバー軸56が支持溝部42から抜け出し可能となり、かつ第1係合ローラ32a及び第3係合ローラ35aが取り付け孔20b内から抜け出し可能な状態となる。このため、トップカバー40を割り刃20から取り外し可能となり、かつ左右のサイドカバー55,55をトップカバー40から取り外し可能な状態となる。すなわち、この場合には、トップカバー40と左右のサイドカバー55,55をばらばらの状態で割り刃20から取り外すことができる。
【0013】
以上のように構成した本実施形態の取り付け装置30を備えた切断機1によれば、操作レバー31を第3操作ポジションP3に傾動操作すれば、サイドカバー55,55を割り刃20から取り外すことができ、これにより鋸刃3の交換作業等を迅速に行うことができる。
また、操作レバー31を第2操作ポジションP2に傾動操作すると、トップカバー40とサイドカバー55,55を含むカバー装置50として一体で割り刃20から取り外すことができるので、鋸刃3の交換作業をより一層迅速に行うことができるようになるとともに、いわゆる溝入れ加工の準備作業を迅速に行うことができるようになる。
さらに、本実施形態の場合、操作レバー31を第3操作ポジションP3に傾動操作すると、トップカバー40とサイドカバー55,55をばらばらの状態で割り刃20から取り外すことができるので、当該取り付け装置30のメンテナンス作業等を迅速に行うことができる。
逆に、第1係合ローラ32aと第3係合ローラ35aを取り付け孔20b内に位置され、かつカバー軸56を支持溝部42の横部42bに位置させた状態で操作レバー31を第1操作ポジションP1に傾動操作すると、トップカバー40が割り刃20に固定され、サイドカバー55,55がトップカバー40を介して割り刃20に固定される。このことから、本実施形態に係る取り付け装置30によれば、トップカバー40と左右のサイドカバー55,55をワンタッチで割り刃20に取り付けることができ、またワンタッチで取り外すことができ、それぞれを個別に脱着する場合に比してその作業性を大幅に改善することができる。
また、キックバック防止爪60,60がトップカバー40に支持されているため、当該キックバック防止爪60,60をトップカバー40と一体で割り刃20に対して脱着することができ、これによりいわゆる溝入れ加工及びその他のメンテナンス作業を一層効率よく行うことができる。
これらの脱着作業は、操作レバー31の傾動操作のみで行うことができ、特別の工具を必要としないことから、この点でも各種の作業を簡単かつ迅速に行うことができる。
また、キックバック防止爪60,60は、そのばね付勢力に抗して上方へ回動させてその退避位置に移動させるとトップカバー40の両側面部41,41間に沿って保持されるので、当該キックバック防止爪60,60に手持ち工具等の他物品が干渉することが防止される。
【0014】
以上説明した実施形態には、種々変更を加えることができる。例えば、操作レバー31を第3操作ポジションP3に傾動操作した場合、割り刃20からトップカバー40を取り外し可能、かつトップカバー40からサイドカバー55,55を取り外し可能となる構成(ばらばらで取り外し可能な構成)を例示したが、案内溝44の形状を適切に変更して操作レバー31の傾動操作に伴う作動アーム34の動作を変更し、あるいは第2係合部46の位置を適切に変更することにより、操作レバー31を第3操作ポジションP3に傾動操作した場合に、サイドカバー55,55はトップカバー40から取り外し可能であるが、トップカバー40は割り刃20に対して取り外し不能に固定された状態とすることができる。すなわち、第3操作ポジションP3では、サイドカバー55,55のみを割り刃20から取り外し可能となる構成としてもよい。この場合であっても、サイドカバー55,55をトップカバー40から取り外した後に、操作レバー31を第2操作ポジションP2に戻すことによりトップカバー40を割り刃20から取り外すことができ、結果的にトップカバー40とサイドカバー55,55の双方を割り刃20から取り外した状態とすることができる。
また、操作レバー31の傾動操作範囲中に三つの操作ポジションP1,P2,P3を設定する構成を例示したが、4つ以上の操作ポジションを設定して例えば第4操作ポジションに傾動操作すると、キックバック防止爪をトップカバーひいては割り刃から取り外せる構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るテーブルソーの正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るカバー装置の正面図である。
【図3】取り付け装置及びその周辺の正面図である。本図は、割り刃からトップカバーとサイドカバーがばらばらに取り外された状態を示している。本図では、操作レバーが第1操作ポジションに戻された状態が示されているが、トップカバーは操作レバーを第2若しくは第3操作ポジションに傾動操作した状態で割り刃に対して取り付け、取り外しでき、またサイドカバーは操作レバーを第3操作ポジションに位置させた状態でのみ、トップカバーに対して取り付け、取り外しできる。
【図4】図3中(4)-(4)線断面矢視図であって、取り付け装置の横断面図である。
【図5】取り付け装置の動作状態を示す正面図である。本図は、操作レバーを第1操作ポジションに位置させた状態であって、トップカバーとサイドカバーがともに割り刃に取り付けられた状態を示している。
【図6】取り付け装置の動作状態を示す正面図である。本図は、操作レバーを第2操作ポジションに位置させた状態であって、トップカバーとサイドカバーを一体で割り刃から取り外し可能な状態を示している。
【図7】取り付け装置の動作状態を示す正面図である。本図は、操作レバーを第3操作ポジションに位置させた状態であって、トップカバーとサイドカバーをばらばらの状態で割り刃から取り外し可能な状態を示している。
【符号の説明】
【0016】
W…切断材
1…切断機(テーブルソー)
2…テーブル
3…鋸刃
5…昇降ベース
7…電動モータ
10…機台
20…割り刃(ライビングナイフ)
20a…開口部、20b…取り付け孔
L1…開口部20aの開口幅、L2…取り付け孔20bの幅
30…取り付け装置
31…操作レバー、31a…つまみ部
32…第1軸部、32a…第1係合ローラ
34…作動アーム
35…第3軸部、35a…第3係合ローラ
L…第1係合ローラと第3係合ローラとの間隔
P1…第1操作ポジション、P2…第2操作ポジション、P3…第3操作ポジション
40…トップカバー
41…側面部
42…支持溝部、42a…縦部、42b…横部
44…案内溝、44a…横部、44b…傾斜部
45…第1係合部
46…第2係合部
50…カバー装置
55…サイドカバー、55a…案内部
56…カバー軸
60…キックバック防止爪


【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成19年3月15日(2007.3.15)
【代理人】 【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−221767(P2008−221767A)
【公開日】 平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願番号】 特願2007−66712(P2007−66712)