トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 製材方法と、その装置
【発明者】 【氏名】今村 博史

【氏名】秋山 孝史

【要約】 【課題】多様な木取り計画に好適に対応させる製材方法と装置を提供する。

【解決手段】左右に対向する一対の第1切削刃11、11と、上下に対向し、左右に並設する各一対の第2切削刃12、12…と、左右に対向する各二軸の丸鋸刃13、13…とを設け、各丸鋸刃13、13は、共通のベースフレーム25上の第1可動フレーム21のコラム21aの前面に搭載し、各第1切削刃11は、第1可動フレーム21上の第2可動フレーム22に搭載し、各上下の第2切削刃12、12は、それぞれコラム21aの後面の第3可動フレーム23に搭載する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材の左右をチップ化しながら切削して鉛直面を形成する第1工程と、木材の上下左右をチップ化しながら切削して鉛直面、水平面を含む切欠きを形成する第2工程と、木材の左右を挽き割る第3工程とを実行する製材装置に対し、1台の送材車を使用して少なくとも1回の90°回転動作を介在させながら芯出し済の木材を整数回往復送材し、往路において、前記第1〜第3工程の少なくともいずれかを選択的に実行し、復路において、前記第1〜第3工程のいずれをも実行せず、または前記第1〜第3工程の少なくともいずれかを選択的に実行することを特徴とする製材方法。
【請求項2】
左右に配置する一対の第1切削刃と、上下に対向し、左右に並設する各一対の第2切削刃と、左右に対向する一対の鋸刃とを備えてなり、前記鋸刃は、それぞれ左右に移動可能な左右のコラムの前面に搭載し、前記第1切削刃は、それぞれ左右に移動可能な左右の第2可動フレームに搭載し、上下の前記第2切削刃は、それぞれ前記各コラムの後面の上部、下部に上下に移動可能に設置する上下の第3可動フレームに搭載することを特徴とする製材装置。
【請求項3】
前記各コラム、各第2可動フレームは、左右に移動可能な第1可動フレームを介して共通のベースフレーム上に設置することを特徴とする請求項2記載の製材装置。
【請求項4】
上下の前記第3可動フレームは、それぞれ上下に移動可能な上下の補助フレーム上に左右に移動可能に設置することを特徴とする請求項2または請求項3記載の製材装置。
【請求項5】
前記各鋸刃は、二軸の丸鋸刃とすることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか記載の製材装置。
【請求項6】
左右の前記コラム上には、それぞれ前方に突出して水平に開閉する揺動アームを介して下向きの送りローラを付設することを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか記載の製材装置。
【請求項7】
左右の前記第2可動フレームの後面には、それぞれ左右に移動可能な第4可動フレームを介し、水平回転する丸鋸刃を搭載することを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれか記載の製材装置。
【請求項8】
前記各第1切削刃には、同軸のチップソーを組み合わせることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか記載の製材装置。
【請求項9】
前記各第1切削刃は、二軸の横軸形とすることを特徴とする請求項2ないし請求項8のいずれか記載の製材装置。
【請求項10】
前記各第1切削刃は、縦軸形とすることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか記載の製材装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、木取り計画に従って丸太材の木材から所定寸法の板材、角材を能率良く製材することができる製材方法と、その装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディメンションランバーと呼ばれる規格材を能率よく製材するために、さまざまな製材機械が開発され、実用されている(非特許文献1)。
【0003】
たとえばクォードバンドソーは、帯鋸盤4基で構成され、チッピングスラバーヘッドは、従来背板となっていた部分をカッターで削り、直接チップにしながら平滑面を作る。また、チッパーキャンターは、互いに平行な対向する切削ヘッドを有し、丸太から直接チップを得ながら太鼓材を作り、ツイン帯鋸盤と組み合わせてキャンターツインとし、クォードバンドソーと組み合わせることも可能である。さらに、チッピングエッジャは、2つの対向する切削ヘッドを有し、耳付き板の丸身を削ってチップを作る。
【0004】
なお、このような高能率の製材機械の一部は、国内でも開発が進んでいる(たとえば特許文献1)。
【非特許文献1】山崎亨史、カナダ林業機械展と製材工場、林産試だより(北海道立林産試験場)、1993年2月号、16〜23頁
【特許文献1】特開平11−170213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来技術によるときは、各製材機械は、径級が揃った大量の原木を極めて高能率に処理するために、シャープチェーンによる一方向の送材方式を採用するのが普通であり、そのために、広大な工場敷地を必要とするという問題があった。また、国産材のように、径級が揃わない場合には、原木ごとに最適の木取り計画を立て、それに従って製材することが必要であるが、各製材機械が単能機または2機能機に留まるため、原木ごとの細かい木取り計画に対応できず、却って生産効率が低くなりがちであるという問題もあった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、木材の左右をチップ化しながら切削する第1工程、木材の上下左右をチップ化しながら木端取りする第2工程、木材の左右を挽き割る第3工程を備える製材装置に木材を複数回往復送材することによって、多様な木取り計画に対して好適に対応可能であり、全体として容易に高い生産効率を実現することができる製材方法と、その装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明(請求項1に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、木材の左右をチップ化しながら切削して鉛直面を形成する第1工程と、木材の上下左右をチップ化しながら切削して鉛直面、水平面を含む切欠きを形成する第2工程と、木材の左右を挽き割る第3工程とを実行する製材装置に対し、1台の送材車を使用して少なくとも1回の90°回転動作を介在させながら芯出し済の木材を整数回往復送材し、往路において、第1〜第3工程の少なくともいずれかを選択的に実行し、復路において、第1〜第3工程のいずれをも実行せず、または第1〜第3工程の少なくともいずれかを選択的に実行することをその要旨とする。
【0008】
第2発明(請求項2に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、左右に配置する一対の第1切削刃と、上下に対向し、左右に並設する各一対の第2切削刃と、左右に対向する一対の鋸刃とを備えてなり、鋸刃は、それぞれ左右に移動可能な左右のコラムの前面に搭載し、第1切削刃は、それぞれ左右に移動可能な左右の第2可動フレームに搭載し、上下の第2切削刃は、それぞれ各コラムの後面の上部、下部に上下に移動可能に設置する上下の第3可動フレームに搭載することをその要旨とする。ただし、左右とは、木材の送材経路の左右をいい、前後とは、木材の送材方向の前後をいうものとする。
【0009】
なお、各コラム、各第2可動フレームは、左右に移動可能な第1可動フレームを介して共通のベースフレーム上に設置することができ、上下の第3可動フレームは、それぞれ上下に移動可能な上下の補助フレーム上に左右に移動可能に設置することができる。
【0010】
また、各鋸刃は、二軸の丸鋸刃としてもよく、左右のコラム上には、それぞれ前方に突出して水平に開閉する揺動アームを介して下向きの送りローラを付設してもよく、左右の第2可動フレームの後面には、それぞれ左右に移動可能な第4可動フレームを介し、水平回転する丸鋸刃を搭載してもよい。
【0011】
なお、各第1切削刃には、同軸のチップソーを組み合わせてもよく、各第1切削刃は、二軸の横軸形としてもよく、縦軸形としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
かかる第1発明の構成によるときは、製材装置の第1工程は、木材の左右をチップ化しながら切削して鉛直面を形成し、丸太材の木材から太鼓材を作り、太鼓材から角材を作ることができる。第2工程は、木材の上下左右をチップ化しながら切削して鉛直面、水平面を含む切欠きを形成し、上下左右の木端取りをすることができる。また、第3工程は、木材の左右を挽き割ることにより、木端取り後の太鼓材から板材を作り、角材から板材、角材を作ることができる。
【0013】
ただし、第1〜第3工程は、送材車を介して芯出し済の木材を製材装置に前進送材する往路において、その少なくともいずれかを実行することができ、第1、第2工程は、送材車を介して木材を製材装置の後方に戻す復路において、その少なくともいずれかを実行することができる。ただし、復路において、第3工程のみを実行してもよい。また、往路と復路の間、復路と往路の間には、必要に応じて木材の90°回転動作を介在させ、左右の加工面と上下の加工面とを入れ換えるものとする。
【0014】
なお、製材装置には、1台の送材車を使用して木材を整数回往復送材するので、加工途中で木材を再芯出しする必要がなく、加工途中の板材、角材は、製材装置の前方に排出され、最終の芯材は、製材前の木材を供給する製材装置の後方に排出される。ただし、最終の復路において第3工程のみを実行すれば、芯材と、挽き割られた角材または板材との双方が製材装置の後方に排出される。また、第1〜第3工程は、製材装置の後方から前方にかけてこの順に配置するものとする。ただし、第1、第2工程は、逆順序に入れ換えて配置してもよい。
【0015】
第2発明の構成によるときは、左右の第1切削刃は、丸太材の木材から太鼓材を作り、太鼓材から角材を作り、第1発明の第1工程を実行する。また、上下左右の第2切削刃は、木材の上下左右の木端取りをし、第1発明の第2工程を実行する。さらに、左右の鋸刃は、木材の左右を挽き割り、第1発明の第3工程を実行する。なお、各鋸刃は、左右に移動可能なコラムの前面に搭載することにより、挽割り位置を任意に設定可能であり、各第1切削刃は、左右に移動可能な第2可動フレームに搭載することにより、左右の鉛直面の形成位置を任意に設定可能であり、各上下の第2切削刃は、コラムの後面の第3可動フレームに搭載することにより、木端取りの鉛直方向の位置、深さを任意に設定可能である。ただし、各第1切削刃は、左右に対向する横軸形であってもよく、左右に並設する縦軸形であってもよい。また、各第2切削刃は、基本的に、外周の刃先面を各鋸刃による挽割り位置に合わせて配置すればよい。
【0016】
第1可動フレームを介して各コラム、各第2可動フレームをベースフレーム上に設置すれば、第1切削刃は、第2可動フレームを介して第1可動フレームに間接的に搭載されるから、各鋸刃による挽割り位置を設定する第1可動フレームの設定位置を基準にして第2可動フレームを微調整すればよく、左右の設定移動量を必要最少に小さく抑えることができる。
【0017】
各第3可動フレームは、上下に移動可能な補助フレーム上に左右に移動可能に設置することにより、第2切削刃を上下左右に移動設定し、木端取りの鉛直方向、水平方向の位置、深さを任意に設定することができる。
【0018】
各鋸刃は、二軸の丸鋸刃とすることにより、大径材に対して十分滑らかな切断面を実現することができる。また、左右のコラム上の揺動アームを介して支持する左右の送りローラは、左右の鋸刃によって挽き割られる板材を把持して積極的に送材し、製材中の木材から板材が分離して姿勢が乱れたり、それによって板材が挑ねたりする事故を未然に防止する。ただし、各送りローラの周速は、送材車による木材の送材速度に同期させるものとする。
【0019】
水平回転する丸鋸刃を各第2可動フレームの後面に搭載すれば、送材の往路または復路において、木材の左右に形成されている板材や角材を水平に挽き割り、さらに細分化することができる。なお、このときの丸鋸刃は、1枚であってもよく、間隔を調節設定可能な複数枚であってもよい。
【0020】
各第1切削刃に組み合わせる同軸のチップソーは、第1切削刃によってチップ化しながら切削される鉛直面を美麗に仕上げることができる。一般に、第1切削刃は、木材チップのサイズによって送材速度に最適な回転数が設定されるから、切削面が粗く、切削面に欠け(逆目ぼれ)を生じることも稀ではないが、チップソーは、そのような切削面の欠点を効率よく修正することができる。なお、チップソーは、第1切削刃を駆動する中空の駆動軸と同心の2重軸形の駆動軸を介し、第1切削刃より十分高速に回転駆動するものとする。たとえば、第1切削刃の回転数900〜1200rpmのとき、チップソーの回転数2700〜3200rpm程度に設定することが好ましい。ただし、このときの第1切削刃は、横軸形とし、チップソーは、第1切削刃用の駆動軸と2重軸を形成する別の駆動軸の先端に装着する。
【0021】
各第1切削刃は、二軸の横軸形とすることにより、大径材であっても、切削中の木材にかかる切削力を小さく抑え、木材を安全に送材することができる。なお、二軸の各第1切削刃は、先端の刃先面を揃え、二軸の丸鋸刃と同様に、外周が上下に僅かに重なるように配置するものとする。
【0022】
縦軸形の左右の第1切削刃は、送材中に左右に連動して移動させることにより、木材の左右に形成する鉛直面を木材の長さ方向に湾曲させ、曲りを生じている木材の芯を外すことなく均等厚さの角材に切削することができる。このような角材は、たとえば湾曲面に沿って製材可能なギャングソーによって板材に加工し、曲りを修正して乾燥することにより、正規の板材として有効利用することができる。なお、このときの第1切削刃は、たとえば回転胴の外周に切削刃を埋め込む縦軸の鉋胴形式とし、切削深さを調整する前後の定盤と組み合わせて使用することが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0024】
製材装置は、左右に対向する一対の横軸形の第1切削刃11、11、上下に対向し、左右に並設する各一対の縦軸形の第2切削刃12、12…、左右に対向する二軸の横軸形の丸鋸刃13、13…を備えてなる(図1、図2)。ただし、各二軸の丸鋸刃13、13は、左右に対向する一対の鋸刃の一方を形成している。また、図1、図2の各矢印Kは、図示しない送材車によって往復送材される木材の往路方向を示す。
【0025】
各二軸の丸鋸刃13、13は、第1可動フレーム21の前部に立設するコラム21aの前面に搭載されている。丸鋸刃13、13は、同一平面内においてそれぞれの外周が上下に僅かに重なるようにして、上の丸鋸刃13が下の丸鋸刃13よりやや後方に配置されており、コラム21aの前面には、各丸鋸刃13をベルト駆動するモータ13a、13aが併せて搭載されている。
【0026】
左右の第1可動フレーム21、21は、共通のベースフレーム25上に設置されている。各第1可動フレーム21は、スライドレール21b、21b…を介してベースフレーム25上に左右に移動可能に設置されており、位置決めモータ21dによって回転駆動するボールねじ軸21cを介して左右に移動設定することができる。なお、各スライドレール21bには、第1可動フレーム21の下面のスライダ21b1 、21b1 …が係合しており(図2、図3)、ボールねじ軸21cは、ベースフレーム25上の固定ブラケット21c2 を介して支持するねじ部材21c1 に螺合している。ただし、図3には、送材車50を介して丸鋸刃13、13…の間に送材され、左右の板材W1 、W1 に挽き割られる木材Wが併せて図示されている。
【0027】
各第1切削刃11は、第1可動フレーム21の後部に設置する第2可動フレーム22に搭載されている(図1、図2)。第2可動フレーム22上には、第1切削刃11をベルト駆動するモータ11aが併せて段違いに搭載されている。第2可動フレーム22は、第1可動フレーム21上のスライドレール22a、22aを介して左右に移動可能であり(図2、図4)、各スライドレール22aには、第2可動フレーム22の下面のスライダ22a1 、22a1 …が係合している。また、第2可動フレーム22は、位置決めモータ22cによって回転駆動するボールねじ軸22bを介して左右に移動設定することができ、ボールねじ軸22bは、第1可動フレーム21上の固定ブラケット22b2 を介して支持するねじ部材22b1 に螺合している。
【0028】
そこで、第1切削刃11、11を適位置にまで接近させ、送材車50を介して木材Wを第1切削刃11、11の間に送材すると、第1切削刃11、11は、木材Wの左右をチップ化しながら切削して鉛直面W2 、W2 を形成し、たとえば丸太材の木材Wから太鼓材を作ることができる。
【0029】
各上下の第2切削刃12、12は、それぞれ第3可動フレーム23を介し、コラム21aの後面に上下左右に移動可能に搭載されている(図1、図2)。ただし、各第3可動フレーム23は、上下に移動可能な補助フレーム24上に左右に移動可能に設置されている。また、第3可動フレーム23上には、第2切削刃12をベルト駆動するモータ12aが併せて搭載されている。
【0030】
コラム21aの後面には、上下各一対の上下方向のスライドレール24a、24a…が配設されており(図5、図6)、各スライドレール24aには、補助フレーム24の裏面のスライダ24a1 、24a1 が係合している。また、各補助フレーム24上には、水平方向のスライドレール23a、23aが配設され、各スライドレール23aには、第3可動フレーム23の裏面のスライダ23a1 、23a1 が係合している(図1、図5)。なお、上下の補助フレーム24、24は、シリンダ24bを介して連結され(図2、図6)、下の補助フレーム24は、シリンダ24cを介して第1可動フレーム21に連結されている。また、第3可動フレーム23は、補助フレーム24上の水平方向のシリンダ23bを介して補助フレーム24に連結されている(図1、図6)。
【0031】
そこで、各第2切削刃12は、シリンダ23bを伸縮させて左右に移動設定可能であり、上下に対向する第2切削刃12、12の間隔、高さは、それぞれシリンダ24bを伸縮させて設定可能であり、シリンダ24cを伸縮させて一括設定可能である。なお、図6には、送材車50によって上下左右の第2切削刃12、12…の間に送材される木材Wが、右側の上下の第2切削刃12、12によって木端取りされる状況が模式的に図示されている。すなわち、各第2切削刃12は、木材Wの上下左右をチップ化しながら切削し、鉛直面W3 、水平面W4 を含む切欠きを木材Wの上下左右に形成することができる。
【0032】
左右のコラム21a、21a上には、それぞれ前方に突出する揺動アーム31を介して下向きの送りローラ32が設置されている(図1、図2)。
【0033】
各揺動アーム31の先端は、下向きに屈曲するとともに、シリンダ33を介して連結されている。すなわち、揺動アーム31、31は、シリンダ33を伸縮させることにより、水平に開閉することができる。また、各送りローラ32は、モータ32aに連結され、下端にフランジ32bを有する。送りローラ32、32は、丸鋸刃13、13…によって木材Wの左右を挽き割って板材W1 、W1 を作るとき(図7)、木材W、板材W1 、W1 を左右から挟み付けながら、送材車50による木材Wの送材速度と同期させて木材W、板材W1 、W1 を積極的に前方に送材し、木材Wの後端に至るまで、挽き割られた板材W1 、W1 が木材Wから不用意に分離してしまうことを防止する。
【0034】
製材装置に木材Wを送材する送材車50は、連結フレーム51を介して前後の台車52、53を連結して構成されている(図8)。前後の台車52、53は、それぞれ前後のテーブル56、57上を前後に移動走行可能である。なお、連結フレーム51の前部、後部には、それぞれ芯出しされた木材Wの両木口を支持するために、前後の移動台54a、55aを介して、相対向するチャック54、55が搭載されている。ただし、図3、図4、図6、図7の送材車50は、製材装置を前後に貫通する連結フレーム51のみを代表的に図示している。
【0035】
前のチャック54用の移動台54aは、連結フレーム51上のスライドレール54bと、スライドレール54bに係合するスライダ54c、54c…とを介して連結フレーム51上を前後に相対移動可能である(図8、図9)。ただし、図9(A)は、図8の要部拡大図、図9(B)は、同図(A)のX−X線矢視相当図である。移動台54aは、製材装置を前後に貫通する長さを有し、移動台54aの前端は、連結フレーム51の前端に搭載するシリンダ54dに連結されている。また、チャック54は、移動台54aと同長のシャフト54eを介してロータリアクチュエータ54fに連結されている。ロータリアクチュエータ54fは、移動台54aの前端に搭載され、シャフト54eを介し、チャック54を90°ごとに回転駆動することができる。
【0036】
後のチャック55用の移動台55aは、前の移動台54aと同様にして連結フレーム51の後部に前後に相対移動可能に積載されている。なお、移動台55aは、移動台54aより短く、シリンダ54dより長ストロークの連結フレーム51上のシリンダ55dに連結されている。また、移動台55a上には、ロータリアクチュエータ54fの作動時を除いてチャック55の回転を阻止するロック55fが搭載されている。
【0037】
前のテーブル56上には、台車52用のガイドレール52a、52aが敷設されている。テーブル56には、ガイドレール52a、52aに沿うようにして、無端のチェーン58が前後のスプロケット58a、58a間に掛け渡されている。チェーン58は、連結金具52bを介して台車52の前端に連結されており、チェーン58用の前のスプロケット58aは、減速機58bを介して駆動モータ58cに連結されている。なお、前のテーブル56の前端には、台車52用のストッパ52cが配設されている。後のテーブル57上には、台車53用のガイドレール53a、53aが敷設されている。また、後のテーブル57の後端には、台車53用のストッパ53cが配設されている。
【0038】
そこで、前後のチャック54、55間には、あらかじめ芯出しされた木材Wの両木口を支持して木材Wをクランプすることができる。ただし、後のチャック55は、木材Wの長さに応じて、シリンダ55d、移動台55aを介して適位置に移動させるものとし、木材Wのクランプ、アンクランプは、シリンダ54d、移動台54aを介して前のチャック54を後のチャック55に向けて前進させ、後退させることによる。また、クランプ中の木材Wは、必要に応じて、ロータリアクチュエータ54fを介して90°ごとに回転駆動することができ、木材Wの回転中は、ロック55fを解放するものとする。
【0039】
駆動モータ58cを正逆に駆動すると、チェーン58を介して前の台車52を前後に駆動し、チャック54、55を介して送材車50上にクランプする木材Wを製材装置内に往復送材することができる。ただし、図8は、送材車50の後退限を示し、製材前の木材Wは、芯出し後、製材装置の後方の後退限の送材車50上にチャック54、55を介してクランプされる。また、製材加工後の芯材も、後退限の送材車50上からアンクランプされ、製材装置の後方に排出される。一方、送材車50は、ストッパ52cによって規制される前進限において、製材途中に発生する板材W1 などを製材装置の前方に排出する。
【0040】
いま、丸太材の木材Wから段付きの板材W1 、W1 と平板状の板材W1 、W1 とを取り(図10(A))、芯材として角材W5 を取るときの製材手順は、たとえば図11(A)〜(D)のとおりである。ただし、以下の説明では、木材Wをクランプして送材車50を前進させる往路、送材車50を後退させて戻す復路において、第1切削刃11、11により木材Wの左右に鉛直面W2 、W2 を形成する工程(図4)を第1工程といい、第2切削刃12、12…により木材Wの上下左右に鉛直面W3 、水平面W4 を含む切欠きを形成する工程(図6)を第2工程といい、丸鋸刃13、13…により木材Wの左右を挽き割る工程(図3)を第3工程ということにする。
【0041】
また、以下の説明において、第3工程用の各二軸の丸鋸刃13、13は、位置決めモータ21dを介して所定位置にセットし、第1工程用の各第1切削刃11は、位置決めモータ21dに加えて、位置決めモータ22cを介して所定位置にセットするものとする。さらに、第2工程用の各上下の第2切削刃12、12は、位置決めモータ21dに加えてシリンダ23bを介して水平方向の所定位置にセットし、シリンダ24b、24cを介してそれぞれの間隔、高さを所定位置にセットするものとする。一方、送材車50の往路、復路において、第3工程を実行しないときの各丸鋸刃13、13、第1工程を実行しないときの各第1切削刃11、第2工程を実行しないときの各第2切削刃12、12は、それぞれ対応する位置決めモータ21d、22c、シリンダ23b、24b、24cを介し、送材車50上の木材Wから退避させるものとする。
【0042】
図10(A)の木取り計画のときは、まず、芯出しされた木材Wを送材車50上にクランプして製材装置に向けて送材し、1回目の往路において、第1工程、第2工程を実行する(図11(A)の(1)、(2))。つづいて、送材車50を一旦製材装置の後方にまで戻した上、2回目の往路において、第2工程、第3工程を実行し(同図(B)の(1)、(2))、製材装置の前方に段付きの板材W1 、W1 を排出する。次いで、送材車50を戻した上、3回目の往路において、第2工程、第3工程を実行して(同図(C)の(1)、(2))、平板状の板材W1 、W1 を排出する。次に、ロータリアクチュエータ54fを介して送材車50上の木材Wを90°回転させた上(同図(D)の(1))、送材車50を戻す復路において第1工程を実行すると(同図(D)の(2))、芯材の角材W5 を製材装置の後方にアンクランプして排出することができる(同図(D)の(3))。
【0043】
なお、図11(D)において、木材Wを90°回転させてそのまま送材車50を戻し(図11(D)の(1))、4回目の往路において第1工程、第3工程を実行すると(同図(D)の(2)、(3)の一点鎖線)、角材W5 の長辺方向の両端に平板状の板材W1 、W1 を追加して取ることができる(図10(B))。このとき、最後の板材W1 、W1 を製材装置の前方に排出したら、送材車50を戻し、角材W5 を製材装置の後方に排出する。
【0044】
丸太材の木材Wから、芯材の角材W5 の左右に各一対の平板状の板材W1 、W1 …を取るときは(図10(C)、(D))、たとえば図12の手順による。
【0045】
まず、1回目の往路において第1〜第3工程を実行し(図12(A)の(1)〜(3))、最初の板材W1 、W1 を製材装置の前方に排出する。その後、送材車50を戻して、2回目の往路において、第2、第3工程を実行して次の板材W1 、W1 を排出し(同図(B)の(1)、(2))、木材Wを90°回転させ(同図(C)の(1))、復路において第1工程を実行し(同図(C)の(2))、角材W5 を製材装置の後方に排出する(同図(C)の(3))。
【0046】
芯材の角材W5 の四周に板材W1 、W1 …を取るときは(図10(E)、(F))、たとえば図13の手順による。
【0047】
まず、1回目の往路において第1〜第3工程を実行して左右の板材W1 、W1 を作って排出する(図13(A)の(1)〜(3))。つづいて、木材Wを90°回転させ(図13(B)の(1))、送材車50を戻し、2回目の往路において第1、第3工程を実行し、次の板材W1 、W1 を排出する(図13(B)の(2)、(3))。次いで、送材車50を戻して角材W5 を排出する(図13(B)の(4))。
【0048】
芯材の角材W5 の四周に小幅の板材W1 、W1 …を取るときは(図10(G)〜(J))、たとえば図14の手順によればよい。
【0049】
まず、1回目の往路において第1〜第3工程を実行して最初の板材W1 、W1 を排出する(図14(A)の(1)〜(3))。つづいて、木材Wを90°回転し(図14(B)の(1))、送材車50を戻した上、2回目の往路において第1〜第3工程を実行して次の板材W1 、W1 を排出する(図14(B)の(2)〜(4))。その後、送材車50を戻して角材W5 を排出すればよい(図14(B)の(5))。
【0050】
なお、図10の木取り計画と、それに対応する図11〜図14の製材手順は、単なる一例であって、種々の変形が可能である。すなわち、製材装置は、少なくとも1回の90°回転動作を介在させながら芯出し済の木材Wを1回または2回以上の整数回往復送材し、往路において、第1〜第3工程の少なくともいずれかを選択的に実行し、復路において、第1〜第3工程のいずれをも実行せず、または第1〜第3工程の少なくともいずれかを選択的に実行することにより、たとえば図15(A)〜(G)に示すような複雑な木取り計画であっても、十分実用的に効率よく製材することができる。ただし、図15(B)〜(G)のように、角材W5 の左右の板材をさらに細分して細かい板材や角材の最終製品を作る場合、この製材装置によって製材される左右の板材を乾燥処理した後、別の挽割工程を通して細分加工するものとし、このようにして一層安定な最終製品を得ることができる。なお、芯材の角材W5 は、角部を丸太材の木材Wの外周に一致させるに代えて、各面を第1工程または第3工程によって追加微修正し、規格材の規格寸法に適合させることも可能である。
【0051】
以上の説明において、第3工程用の各二軸の丸鋸刃13、13は、1枚の丸鋸刃としてもよく、帯鋸刃としてもよい。また、左右の鋸刃は、木材Wの左右各1箇所を挽き割るに代えて、左右各複数箇所を挽割り可能とするために、互いに独立に位置設定可能な複数枚を左右にそれぞれ配置してもよい。なお、第1工程用の左右の第1切削刃11、11、第2工程用の上下左右の第2切削刃12、12…は、その配設位置を入れ換えてもよいものとする。
【0052】
第1切削刃11、11は、木材Wの元口、末口の径d1 、d2 がd1 ≫d2 であるとき、送材の途中において、相互の間隔Dを変化させることにより、木材Wの全長より短い板材W1a、W1aを作ることができる(図16)。ただし、図16において、矢印は、木材Wの送材方向を示し、一点鎖線は、送材中の木材Wに対する第1切削刃11、11の相対移動経路を模式的に示す。また、同図のハッチング部分は、第1切削刃11、11によりチップ化して切削される部分を示し、板材W1a、W1aは、丸鋸刃13、13…による第3工程により木材Wから分離させるものとする。
【0053】
左右の第2可動フレーム22、22は、それぞれ左右の第1可動フレーム21、21を介することなく、ベースフレーム25の後部に左右に移動可能に設置してもよい。このとき、左右の第1切削刃11、11は、それぞれねじ部材22b1 用の固定ブラケット22b2 をベースフレーム25上に立設することにより、位置決めモータ22cを介して所定位置にセットすることができる。また、このときの第1可動フレーム21、21は、それぞれコラム21a、21aの一部とし、これを省略してもよい。
【0054】
なお、製材装置は、第2工程用の上下左右の第2切削刃12、12…を省略し、第1工程用の第1切削刃11、11と第3工程用の左右の鋸刃とを備える構成としてもよい。すなわち、第2工程の木端取りは、別装置による別工程に分離してもよい。また、第1工程用の第1切削刃11、11と、ベースフレーム25上の左右の第2可動フレーム22、22とを独立のキャンター装置として構成することも可能である。
【他の実施の形態】
【0055】
各第1切削刃11には、同軸のチップソー14を組み合わせることができる(図17、図18)。
【0056】
第1切削刃11は、中空の駆動軸11bの先端に固定されており、駆動軸11bは、プーリ11c、ベルト11dを介してモータ11aの軸端のプーリ11eに連結されている。なお、駆動軸11bは、ベアリング11f、11fを介して第2可動フレーム22の上部に回転自在に装着されている。一方、チップソー14は、駆動軸11bとともに同心の2重軸を形成する駆動軸14aの先端に固定されており、プーリ14b、ベルト14cを介して、第1切削刃11と共通のプーリ11eに連結されている。なお、駆動軸14aは、ベアリング14d、14dを介して駆動軸11bに相対回転自在に内装されており、プーリ14bは、プーリ11cより小径である。また、ベルト14cには、テンションプーリ14eが付設されており、テンションプーリ14eは、揺動ブラケット14fを介してベルト14cのテンションを適切に設定することができる。
【0057】
チップソー14は、第1切削刃11より高速に回転駆動することにより、第1切削刃11による切削面を美麗に仕上げることができる。ただし、第1切削刃11は、図示しない切削用のナイフが円錐面上に付設されており、チップソー14の刃先は、第1切削刃11の最小径より僅かに小径であり、第1切削刃11の先端面から軸方向に僅かに突出することにより、第1切削刃11による切削面をはつり取ることができる。チップソー14は、第1切削刃11より高速回転するから、第1切削刃11との間に木屑が入り込んだり、それによって焼き付いたりしないように、十分な配慮をすることが好ましい。なお、図18において、チップソー14は、第1切削刃11の先端面に形成する段付きの収納部11g内に保持され、円板状のブラケット14gを介して駆動軸14aの先端に交換自在に装着されている。
【0058】
第1切削刃11、11用の第2可動フレーム22、22の後面には、それぞれ第4可動フレーム26を介して、水平回転する丸鋸刃15を搭載することができる(図19、図20)。
【0059】
第2可動フレーム22の後面には、スライドレール26a、26aが上下2段に付設されており、各スライドレール26aには、第4可動フレーム26の裏面のスライダ26a1 、26a1 …が係合している。また、第4可動フレーム26は、シリンダ26bを介して第2可動フレーム22に連結されており、シリンダ26bを伸縮させることにより左右に移動可能である。一方、丸鋸刃15は、軸受15cを介して第4可動フレーム26上に上向きに支持する長い駆動軸15bに装着されており、丸鋸刃15、駆動軸15bは、モータ15aによりベルト駆動されている。丸鋸刃15の高さ位置は、駆動軸15bに装着するスペーサカラー15d、15d…を介して調節設定することができる。
【0060】
丸鋸刃15、15は、木材Wの往路または復路において、左右の板材W1 、W1 を上下に挽き割って板材W1b、W1bを作ることができる(図21)。ただし、各丸鋸刃15は、各駆動軸15bごとに複数枚を装着することにより、たとえば図15(B)〜(G)のように左右の板材をさらに細分して細かい板材や角材を作ることも可能である。また、丸鋸刃15は、左右の各第2切削刃12、12に倣って、上下左右に移動可能な2組を第2可動フレーム22の後面に装着することにより、相互間隔を自動設定可能としてもよい。
【0061】
左右に対向する一対の第1切削刃11、11は、それぞれ二軸の横軸形に代えることができる(図22、図23)。
【0062】
各二軸の第1切削刃11、11は、第2可動フレーム22の前面側において、先端の刃先面を揃え、それぞれの外周が上下に僅かに重なるように配置するとともに、上の第1切削刃11は、下の第1切削刃11よりやや後方に配置されている。また、第2可動フレーム22には、上下の第1切削刃11、11を個別にベルト駆動するモータ11a、11aが併せて搭載されている。上下の第1切削刃11、11は、互いに反対方向に回転駆動することにより、大径の木材Wの左右を切削して共通の鉛直面W2 、W2 を形成しても(図24)、切削中の木材Wに過大な切削力を及ぼすおそれがない。ただし、各第1切削刃11は、図17、図18に倣って、同軸のチップソー14を組み合わせてもよい。
【0063】
なお、図22〜図24において、共通のベースフレーム25は、前後のベースフレーム25a、25bに分割されており、左右の第1可動フレーム21、21は、省略されている。すなわち、丸鋸刃13、13…用の左右のコラム21a、21aは、それぞれスライドレール21b、21b、スライダ21b1 、21b1 …を介して前のベースフレーム25a上に左右に移動可能に搭載されており、第1切削刃11、11…用の左右の第2可動フレーム22、22は、それぞれスライドレール22a、22a、スライダ22a1 、22a1 …を介して後のベースフレーム25b上に左右に移動可能に搭載されている。
【0064】
また、図22〜図24において、各上下の第2切削刃12、12は、それぞれ第3可動フレーム23を介してコラム21aの後面に上下に移動可能に搭載され、補助フレーム24が省略されている。ただし、上下の第2切削刃12、12は、外周の刃先面を対応する丸鋸刃13、13による挽割り位置に合致させている。一般に、第2切削刃12、12…による水平方向の木端取りの位置、深さは、直後の丸鋸刃13、13…による挽割り位置に一致するから、各上下の第2切削刃12、12は、共通のコラム21aを介して対応する丸鋸刃13、13と連動して左右に移動させれば十分である(たとえば図11(B)、(C)の各(1)、(2)、図12(A)の(2)、(3)、同図(B)の(1)、(2)、図13(A)の(2)、(3)、図14(A)の(2)、(3)、同図(B)の(3)、(4))。
【0065】
なお、各第3可動フレーム23は、上下方向のスライドレール24a、24a、スライダ24a1 、24a1 …を介してコラム21aの後面に上下2段に搭載されている(図22、図23)。また、第3可動フレーム23には、位置決めモータ23dに連結する上下方向のボールねじ軸23cが搭載されている。そこで、第3可動フレーム23は、ブラケット23c2 を介してコラム21aに固定するねじ部材23c1 にボールねじ軸23cを螺合させることにより、位置決めモータ23dを介して第2切削刃12を上下に移動設定することができる。
【0066】
第1切削刃11、11は、左右に並設する縦軸形としてもよい(図25、図26)。
【0067】
各第1切削刃11は、第2可動フレーム22に突設する上下の軸受11h、11hを介して支持されており、第2可動フレーム22上のモータ11aによってベルト駆動されている。また、第1切削刃11は、縦軸の回転胴の外周に図示しない切削刃を埋設して構成されている。
【0068】
各第1切削刃11の前後には、第1切削刃11による切削深さを設定するために、左右に移動可能な定盤16、16が配設されている。第2可動フレーム22の前面、後面には、水平方向のスライドレール16a、16aが上下2段に取り付けられており、各定盤16は、裏面のスライダ16a1 、16a1 …をスライドレール16a、16aに係合させることにより、第2可動フレーム22の前面、後面に左右に移動可能に装着されている。また、定盤16は、シリンダ16bを介して第2可動フレーム22に連結されている。なお、各定盤16の先端部16cは、第1切削刃11に向けて、内側を斜めに切り欠いて突出している。
【0069】
定盤16、16は、シリンダ16bを介して駆動し、その先端部16c、16cと第1切削刃11の外周の刃先面との相対位置を任意に変更設定することができる。ただし、前後の定盤16、16は、木材Wを図25の矢印K方向に前進送材するとき、第1切削刃11の後方側(木材Wの進行方向手前側)を第1切削刃11の外周から十分に離れるように退避させ、前方側(木材Wの進行方向奥側)の先端部16cを第1切削刃11の外周の刃先面とほぼ同一位置にセットして、木材Wをガイドし、振れ止めする。木材Wを矢印K方向と逆方向に後退送材するとき、定盤16、16は、第1切削刃11の前方側(木材Wの進行方向手前側)を退避させ、後方側(木材Wの進行方向奥側)を所定位置にセットする。
【0070】
縦軸形の第1切削刃11、11は、木材Wの送材中に、切削深さを設定する側を含む定盤16、16とともに第2可動フレーム22、22を介して左右に連動して移動させることにより、太鼓材の木材Wの左右に形成する鉛直面W2 、W2 を木材Wの曲りに合わせて湾曲させ、曲りを生じている木材Wの芯を外すことなく、均等厚さtの角材W5 を作ることができる(図27)。そこで、このような湾曲する鉛直面W2 、W2 を有する角材W5 は、たとえば湾曲面に沿って製材可能なギャングソーによって板材に追加工し(同図の二点鎖線)、各板材の曲りを修正して乾燥することにより、正規の板材として有効利用することができる。なお、図27の角材W5 は、曲りを生じている丸太材の木材Wから、曲りを上下方向にして太鼓材を作り、それを90°回転させ、湾曲する鉛直面W2 、W2 を左右に有する角材W5 を形成すればよい。
【0071】
なお、揺動アーム31、31を介して支持する送りローラ32、32、第4可動フレーム26を介して第2可動フレーム22、22に搭載する丸鋸刃15、15は、それぞれ図22〜図24、図25〜図26の各実施の形態においても適用可能である。また、図22〜図24の第1切削刃11、11…であっても、ベースフレーム25b上の第2可動フレーム22、22をそれぞれ図示しない垂直軸のまわりに回転させることにより、湾曲する鉛直面W2 、W2 を角材W5 の左右に形成することができる。なお、図22〜図24の第1切削刃11、11…、第2可動フレーム22、22、ベースフレーム25b、図25〜図26の第1切削刃11、11、定盤16、16付きの第2可動フレーム22、22、ベースフレーム25も、それぞれ独立のキャンター装置として構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】全体平面図
【図2】図1のA−A線矢視相当断面模式図
【図3】図1のB矢視相当模式図
【図4】図1のC矢視相当模式図
【図5】図2の要部構成模式図
【図6】図1のD−D線矢視相当断面模式図
【図7】図1のB矢視相当動作説明模式図
【図8】使用状態説明図
【図9】図8の要部拡大説明図
【図10】木取り計画説明図(1)
【図11】製材手順説明図(1)
【図12】製材手順説明図(2)
【図13】製材手順説明図(3)
【図14】製材手順説明図(4)
【図15】木取り計画説明図(2)
【図16】他の実施の形態を示す動作説明図
【図17】他の実施の形態を示す図2相当要部拡大図
【図18】図17の縦断面相当拡大図
【図19】他の実施の形態を示す図1相当要部拡大図
【図20】図19のE矢視相当拡大図
【図21】木取り計画図
【図22】他の実施の形態を示す図1相当図(1)
【図23】他の実施の形態を示す図2相当図
【図24】他の実施の形態を示す図4相当図(1)
【図25】他の実施の形態を示す図1相当図(2)
【図26】他の実施の形態を示す図4相当図(2)
【図27】追加工図
【符号の説明】
【0073】
W…木材
W2 、W3 …鉛直面
W4 …水平面
11…第1切削刃
12…第2切削刃
13…丸鋸刃
14…チップソー
15…丸鋸刃
21…第1可動フレーム
21a…コラム
22…第2可動フレーム
23…第3可動フレーム
25…ベースフレーム
26…第4可動フレーム
31…揺動アーム
32…送りローラ

特許出願人 株式会社 共和キカイ
株式会社 富士製作所
代理人 弁理士 松 田 忠 秋
【出願人】 【識別番号】591030385
【氏名又は名称】株式会社共和キカイ
【識別番号】391019979
【氏名又は名称】株式会社富士製作所
【出願日】 平成19年1月25日(2007.1.25)
【代理人】 【識別番号】100090712
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 忠秋


【公開番号】 特開2008−149697(P2008−149697A)
【公開日】 平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願番号】 特願2007−15420(P2007−15420)