トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 木工用錐及びその先端加工方法
【発明者】 【氏名】宮島 誠

【要約】 【課題】孔あけ加工材が表皮化粧を施してあるもので特に孔あけ加工のしにくいものであっても、綺麗な孔あけ加工ができる木工用錐及びその先端加工方法を提供する。

【解決手段】木工用錐1は、軸中心の案内錐3と軸周辺の毛引刃4との間に底刃5を形成してある。底刃5の形状は、軸中心の案内錐3から軸周辺の毛引刃4に向かって傾斜面6をなしているとともに周辺部が平坦面8をなしている。木工用錐1の先端加工方法は、案内錐3と毛引刃4となる部分が予め加工されている錐の先端面に砥石を当てて案内錐3側から底刃5の傾斜面7を形成する。次いで砥石を毛引4刃の方向に移動させながら底刃5の平坦面6を形成する。底刃の傾斜面と平坦面との境に段差を形成する場合には、砥石を毛引刃方向に移動させながら底刃の平坦面を形成する過程で、平坦面が傾斜面より深くなるように研削して段差を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸中心の案内錐と軸周辺の毛引刃との間に底刃を形成してある木工用錐において、
底刃の形状が、軸中心の案内錐から軸周辺の毛引刃に向かって傾斜面をなしているとともに周辺部が平坦面をなしている
ことを特徴とする木工用錐。
【請求項2】
底刃の傾斜面と平坦面との境に、平坦面が傾斜面より深くなるように段差が形成されていることを特徴とする請求項1記載の木工用錐。
【請求項3】
軸中心の案内錐と軸周辺の毛引刃との間に底刃を形成してある木工用錐の先端加工方法であって、案内錐と毛引刃となる部分が予め加工されている錐の先端面に砥石を当てて案内錐側から底刃の傾斜面を形成し、次いで砥石を毛引刃方向に移動させながら底刃の平坦面を形成することを特徴とする木工用錐の先端加工方法。
【請求項4】
砥石を毛引刃方向に移動させながら底刃の平坦面を形成する過程で、平坦面が傾斜面より深くなるように段差を形成することを特徴とする請求項3記載の木工用錐の先端加工方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木質系又は樹脂系材料及びこれに類する複合材料等の孔あけに用いる木工用錐及びその先端加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
軸中心の案内錐と軸周辺の毛引刃との間に底刃を形成してある木工用錐は、特開平10−151604号公報、特開平9−141616号公報、特開平9−131706号公報、実願平5−75468号(実開平7−40105号)のCD−ROMにそれぞれ記載されている。
【0003】
これら前掲の公開公報に記載されている従来の木工用錐において、特開平10−151604号公報及び特開平9−141616号公報に記載されているものにあっては、軸中心の案内錐と軸周辺の毛引刃との間の底刃を案内錐側から毛引刃側に傾斜する形状に形成して、案内錐を中心にして毛引刃により切削された切り屑の排出を良くしようとする工夫が施されている。
【特許文献1】 特開平10−151604号公報
【特許文献2】 特開平9−141616号公報
【特許文献3】 特開平9−131706号公報
【特許文献4】 実願平5−75468号(実開平7−40105号)のCD−ROM
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、軸中心に案内錐が、軸周辺に毛引刃があるため、毛引刃で切削された切り屑は中心部が案内錐に突き刺さった円盤状になって底刃部分に詰まった状態で残留することが多く、底刃を傾斜状にしたことにより円盤状になる切り屑の周辺部が深く底刃に噛み込んだ現象を呈し、かえって切り屑の排出が妨げられることが指摘されるに至っている。
【0005】
そこで本発明は、このような問題点を解消しようとするものであって、底刃の形状を、軸中心の案内錐から軸周辺の毛引刃に向かって傾斜面とするとともに周辺部を平坦面とした形状、さらには底刃の傾斜面と平坦面との境に、平坦面を傾斜面より深くするように段差を有する形状とすることにより、毛引刃で切削されて案内錐に突き刺さった円盤状になる切り屑を底刃によって破砕してその排出を良好にし、孔あけ加工材が表皮化粧が施されていて特に孔あけ加工のしにくいものであっても、綺麗な孔あけ加工ができる木工用錐、及びそのような木工用錐を容易に加工することができる先端加工方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の請求項1に係る木工用錐は、軸中心の案内錐と軸周辺の毛引刃との間に底刃を形成してある木工用錐において、底刃の形状が、軸中心の案内錐から軸周辺の毛引刃に向かって傾斜面をなしているとともに周辺部が平坦面をなしていることを特徴とするものである。
【0007】
そして、上記目的を達成する本発明の請求項2に係る木工用錐は、請求項1の構成において、底刃の傾斜面と平坦面との境に、平坦面が傾斜面より深くなるように段差が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に係る木工用錐の先端加工方法は、軸中心の案内錐と軸周辺の毛引刃との間に底刃を形成してある木工用錐の先端加工方法であって、案内錐と毛引刃となる部分が予め加工されている錐の先端面に砥石を当てて案内錐側から底刃の傾斜面を形成し、次いで砥石を毛引刃方向に移動させながら底刃の平坦面を形成することを特徴とするものである。
【0009】
そして、本発明の請求項4に係る木工用錐の先端加工方法は、請求項3の手段において、砥石を毛引刃方向に移動させながら底刃の平坦面を形成する過程で、平坦面が傾斜面より深くなるように段差を形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る木工用錐によれば、底刃の形状を、軸中心の案内錐から軸周辺の毛引刃に向かって傾斜面とするとともに周辺部を平坦面とした形状、さらには底刃の傾斜面と平坦面との境に、平坦面を傾斜面より深くするように段差を有する形状とすることにより、毛引刃で切削されて案内錐に突き刺さった円盤状になる切り屑を底刃によって破砕してその排出を良好にし、孔あけ加工材が表皮化粧が施されていて特に孔あけ加工のしにくいものであっても、綺麗な孔あけ加工ができる。そして、本発明に係る木工用錐の先端加工方法によれば、そのような木工用錐を高い精度をもって容易に加工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の一実施の形態に係る木工用錐の正面図、図2は同上端面図、図3は同上先端部の断面図、図4は本発明の他の実施の形態に係る木工用錐の正面図、図5は同上先端部の断面図、図6は図1ないし図3に示す木工用錐の先端加工態様を示す断面図、図7は図6の状態から砥石を毛引刃方向に移動させた工程を示す断面図である。
【0012】
図1ないし図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る木工用錐1は、錐軸部2の先端部に、軸中心の案内錐3と軸周辺の毛引刃4が形成されており、かつその間に底刃5が形成されている。底刃5の形状は、軸中心の案内錐3から軸周辺の毛引刃4に向かって傾斜面6をなしているとともに周辺部が平坦面7をなしている。
【0013】
図4及び図5に示すように、本発明の他の実施の形態に係る木工用錐11は、錐軸部12の先端部に、軸中心の案内錐13と軸周辺の毛引刃14が形成されており、かつその間に底刃15が形成されているが、底刃15の傾斜面16と平坦面17との境に、平坦面17が傾斜面16より深くなるように段差18が形成されているものである。
【0014】
図1ないし図3に示した本発明の一実施の形態に係る木工用錐1は、図6及び図7に示すように先端加工が施される。すなわち、図6に示すように、案内錐3と毛引刃4となる部分が予め加工されている錐軸部2の先端面に、砥石10を当てて案内錐3側から底刃5の傾斜面6を形成する。次いで図7に示すように、砥石10を毛引刃4の方向に順次移動させながら底刃5の平坦面7を形成する。なお、図6及び図7に示す態様では、毛引刃4となる部分を予め厚肉状に形成してあって、砥石10の毛引刃4方向への横移動にともなって平坦面7を形成する工程で毛引刃4を所要の丸みをもった刃形状及び刃厚状態まで研削して形成するようにしているが、この加工態様に必ずしも限定されるものではない。
【0015】
図4及び図5に示した本発明の他の実施の形態に係る木工用錐11の先端加工態様については図示を省略するが、図6及図7に示すように、砥石10を毛引刃の方向に移動させながら底刃の平坦面を形成する過程で、平坦面が傾斜面より深くなるように段差を形成する加工を行えばよい。
【0016】
本発明の一実施の形態に係る木工用錐1によれば、底刃5の形状が、軸中心の案内錐3から軸周辺の毛引刃4に向かって傾斜面6をなしているとともに周辺部が平坦面7をなしており、また本発明の他の実施の形態に係る木工用錐11によれば、底刃15の傾斜面16と平坦面17との境に、平坦面17が傾斜面16より深くなるように段差18を形成してあるので、毛引刃4、14で切削されて案内錐3、13に突き刺さった円盤状になる切り屑は底刃5、15によって破砕されてその排出が良好になる。このため、孔あけ加工材が表皮化粧を施してあるもので特に孔あけ加工のしにくいものであっても、綺麗な孔あけ加工ができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る木工用錐の正面図である。
【図2】 同上端面図である。
【図3】 同上先端部の断面図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態に係る木工用錐の正面図である。
【図5】 同上先端部の断面図である。
【図6】 図1ないし図3に示す木工用錐の先端加工態様を示す断面図である。
【図7】 図6の状態から砥石を毛引刃方向へ横移動させた工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1、11 木工用錐
2、12 錐軸部
3、13 案内錐
4、14 毛引刃
5、15 底刃
6、16 傾斜面
7、17 平坦面
18 段差
10 砥石
【出願人】 【識別番号】591088489
【氏名又は名称】株式会社松岡カッター製作所
【出願日】 平成18年9月22日(2006.9.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−74078(P2008−74078A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2006−285501(P2006−285501)