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【発明の名称】 シート綴じ装置及びこれを備えた後処理装置並びに画像形成システム
【発明者】 【氏名】窪田 一太朗

【要約】 【課題】シート束の厚さに応じてステープル針の針先をそれぞれ適正な状態で折曲げ処理することが可能なシート綴じ装置を提供する。

【解決手段】シート束にステープル針を刺入するドライバユニット70Aと、刺入した針先を折り曲げるアンビルユニット70Bとを分離して構成し、このアンビルユニットには折曲げ量の異なる複数の折曲溝78a、78bを配列し、シート束の厚さなどの処理モードに応じて選択された折曲溝と対向する位置にドライバユニットを移動してステープル綴じする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の部揃えされたシート束を所定姿勢に保持するシート束保持手段と、
上記シート束保持手段に保持されたシート束を綴じ合わせるステープル手段と、
上記ステープル手段のステープル動作を制御する綴じ制御手段と、
を備え、
上記ステープル手段は、互いに分離したヘッドユニットとアンビルユニットとで構成され、
上記ヘッドユニットには上記シート束保持手段に保持されたシート束にステープル針を刺入するドライバ部材が、上記アンビルユニットにはシート束に刺入されたステープル針の先端を折り曲げる折曲溝がそれぞれ設けられ、
上記シート束保持手段に保持されたシート束の所定の幅方向に対して、上記ヘッドユニットは幅方向に位置移動自在に構成され、上記アンビルユニットは幅方向の異なる位置に先端折曲げ深さの異なる複数の折曲溝を配列して構成され、
上記綴じ制御手段は、シート束厚さ及び/シート材質に応じて選択された折曲げ形状の折曲溝と対向する位置に上記ヘッドユニットを移動させてシート束の一個所若しくは複数個所にステープル綴じすることを特徴とするシート綴じ装置。
【請求項2】
前記折曲溝は前記アンビルユニットに、前記ドライバ部材によってシート束に刺入されたステープル針の先端を互いに向き合う方向にループ状に折り曲げる形状に形成され、
この折曲溝は前記アンビルユニットに先端折曲げ深さの異なる少なくとも2つの凹溝で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート綴じ装置。
【請求項3】
前記綴じ制御手段は、
予め設定された複数の綴じ位置とその位置選択手段を有し、
この綴じ制御手段は前記シート束保持手段に保持されたシート束の束厚さ及び/又はシート材質に応じて選択された位置に前記ヘッドユニットを移動してステープル針を刺入し、針先端の折曲げ形状を異ならせることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート綴じ装置。
【請求項4】
前記ヘッドユニットは前記シート束保持手段に保持されたシート束の幅方向に間隔を隔てた位置に複数、それぞれ位置移動自在に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載のシート綴じ装置。
【請求項5】
前記綴じ制御手段は、前記シート束保持手段に保持されたシート束の束厚さとシート上に形成された画像がカラーであるか否かに応じて前記ヘッドユニットの移動位置を異ならせてステープル針の先端折曲げ形状を選定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかの項に記載のシート綴じ装置。
【請求項6】
前記綴じ制御手段は、前記シート束保持手段に搬入されるシート枚数をカウントする計数手段を備え、
上記綴じ制御手段は上記計数手段からのシート枚数情報から前記シート束保持手段に支持されたシート束の厚さを演算する演算手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかの項に記載のシート綴じ装置。
【請求項7】
順次シートを搬入する搬入口を有する搬入経路と、
上記搬入経路から分岐してシートの搬送方向を反転する第1のスイッチバック搬送路と、
上記第1のスイッチバック搬送路の上流側で上記搬入経路から分岐してシートの搬送方向を反転する第2のスイッチバック搬送路と、
上記第1のスイッチバック搬送路に連なりシートを束状に部揃え集積する第1のシート集積手段と
上記第2のスイッチバック搬送路に連なりシートを束状に部揃え集積する第2のシート集積手段と、
を備え、
上記第1シート集積手段には集積したシートの端縁をステープル綴じする第1のシート綴じ装置が配置され、
上記第2シート集積手段には集積したシートを折り合わせる折ロール手段が配置され、
上記第2のスイッチバック搬送路には上記第2シート集積手段に至るシート束をステープル綴じする第2のシート綴じ装置が配置され、
上記第1のシート綴じ装置及び/又は第2のシート綴じ装置は請求項1乃至6の何れかの項に記載の構成を備えていることを特徴とする後処理装置。
【請求項8】
順次シート上に画像形成する画像形成装置と、
上記画像形成装置からのシートにステープル綴じ処理、スタンプ処理、パンチ処理などの後処理を施す後処理装置とから構成され、
上記後処理装置は請求項7に記載の構成を備えていることを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は束状に部揃えされたシート束を綴じ合わせるシート綴じ装置、及びこれを備えた後処理装置、家蔵形成システムに係わり、ステープル針で綴じ合わせるシート束の厚さに応じて針先を折り曲げることの可能なステープル綴じ機構の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にこの種のステープル綴じ装置は、集積トレイなどに集積或いはセットしたシート束にステープル針を刺入して、その先端を折り曲げることによって綴じ合わせる装置として広く知られている。そしてステープル装置としては連続するシート状の針、或いはロール状の針をコの字状に折り曲げてシート束に刺入するドライバユニットと、刺入した針先端を折り曲げるアンビルユニットとで構成されるものが広く用いられている。そしてこのドライバユニットとアンビルユニットとを一体化した装置構成と、両者を分離して装置フレームに取り付ける装置構成が知られている。
【0003】
このようなステープル装置において針先端を折り曲げるアンビルユニットは針先をループ状に折り曲げ案内する溝が形成されドライバユニットで打ち込んだ針先がループ状に折り曲がるように構成され、通常はコの字状針の両先端が向き合うように曲げ溝が形成されている。このような針曲げ機構ではシート束の厚さが適正範囲のときには正確な綴じ処理が可能であるが、シート束の厚さが数枚程度に薄い場合には折り曲げた針先同士が互いに突き当たって干渉することがある。またこのように薄いシート束を綴じ合わせた場合にはステープル針を取り外すことが困難となる。
【0004】
そこで特許文献1にはシート束の厚さに応じて針先の曲げ方向を異ならせる機構が提案されている。同公報にはアンビルユニットの折曲溝を複数設け、このアンビルユニットをドライバユニットに対して位置調整することによって針先の折曲げ方向を異ならせることが提案されている。そして通常の束厚さの場合にはコの字状針先が互いに向き合う方向に折曲げ、薄い束厚さの場合には針先両端を同一方向に折り曲げることが提案されている。
【特許文献1】特開2003−266405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようにステープル針でシート束を綴じ処理する際にシート束厚さが問題となる。例えば折曲溝に設けた曲げ溝を単一に構成すると、この曲げ溝を厚いシート束に適合するように構成すると薄いシート束のときには針先の折曲げ量が長くなるため互いに針先が干渉して突き当たる問題を引き起こす。またこの曲げ溝を薄いシート束に適合するように構成すると厚いシート束のとき針先が完全に折り曲げられずシート裏側に突出して、その後のシート束搬送にジャムなどの問題を引き起こす。
【0006】
このようなステープル綴じの際、シート束の厚さによって折曲げ長さが変化する問題に対し、従来は前掲特許文献1のように折曲げ方向を異ならせることが提案されているに過ぎない。しかしながら文献1の方法は折曲げ方向を異ならせる為、特に同一方向に折り曲げると綴じ後のシートが外れ易く不完全な綴じ処理となる。つまりシート束が薄いときには針先を同一方向に折り曲げるためシートを反対方向に引っ張ると容易に離脱してしまう不完全綴じの状態となる。
【0007】
このようにステープル針の先端をシート束の厚さに応じて最適の形状に折り曲げることは単一のアンビル構造では不可能に近く、従来やむを得ず針先を折り曲げるクリンチャ機構をアンビルユニットに設け、クリンチャ羽根を駆動手段で動作させることによってフラットな折曲げを行うようにしている。従ってアンビルユニットには駆動モータなどの動力とクリンチャ用の羽根機構を設けるため装置の大型化を招いている。
【0008】
そこで本発明者はステープル綴じするシート束の厚さに応じて複数の折曲溝を有するアンビル構造を採用し、この複数の折曲溝の1つに対向する位置にドライバユニットを移動することによって簡単な構造で安価に束厚さに応じたステープル綴じが可能であるとの着想に至った。
【0009】
従って本発明はシート束の厚さに応じてステープル針の針先をそれぞれ適正な状態で折曲げ処理することが可能であり、確実な綴じ処理と装置を小型コンパクトに構成することが可能なシート綴じ装置の提供をその主な課題としている。更に本発明は順次画像形成されたシートを束状に部揃えして綴じ仕上げ或いは綴じ処理後にシート折り仕上げすることが可能な後処理装置において確実なステープル綴じとその為の綴じ機構を小型コンパクトに構成することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を達成するため本発明は以下の構成を採用する。本発明はシート束にステープル針を刺入するドライバユニットと、刺入した針先を折り曲げるアンビルユニットとを分離して構成し、このアンビルユニットには折曲げ量の異なる複数の折曲溝を配列し、シート束の厚さなどの処理モードに応じて選択された折曲溝と対向する位置にドライバユニットを移動してステープル綴じすることを特徴とする。
【0011】
その構成を以下に具体的に説明する。一連の部揃えされたシート束を所定姿勢に保持するシート束保持手段と、上記シート束保持手段に保持されたシート束を綴じ合わせるステープル手段と、上記ステープル手段のステープル動作を制御する綴じ制御手段とを備える。上記ステープル手段は、互いに分離したヘッドユニットとアンビルユニットとで構成し、上記ヘッドユニットには上記シート束保持手段に保持されたシート束にステープル針を刺入するドライバ部材が、上記アンビルユニットにはシート束に刺入されたステープル針の先端を折り曲げる折曲溝をそれぞれ設ける。上記シート束保持手段に保持されたシート束の所定の幅方向に対して、上記ヘッドユニットは幅方向に位置移動自在に構成し、上記アンビルユニットは幅方向の異なる位置に先端折曲げ深さの異なる複数の折曲溝を配列して構成する。上記綴じ制御手段は、シート束厚さ及び/又はシート材質に応じて選択された折曲げ形状の折曲溝と対向する位置に上記ヘッドユニットを移動させてシート束の一個所若しくは複数個所にステープル綴じする。
【0012】
前記折曲溝は前記アンビルユニットに、前記ドライバ部材によってシート束に刺入されたステープル針の先端を互いに向き合う方向にループ状に折り曲げる形状に形成し、この折曲溝は前記アンビルユニットに先端折曲げ深さの異なる少なくとも2つの凹溝で形成する。
【0013】
前記綴じ制御手段は、予め設定された複数の綴じ位置とその位置選択手段を有し、この綴じ制御手段は前記シート束保持手段に保持されたシート束の束厚さ及び/又はシート材質に応じて選択された位置に前記ヘッドユニットを移動してステープル針を刺入し、針先端の折曲げ形状を異ならせる。
【0014】
前記ヘッドユニットは前記シート束保持手段に保持されたシート束の幅方向に間隔を隔てた位置に複数、それぞれ位置移動自在に配置する。
【0015】
前記綴じ制御手段は、前記シート束保持手段に保持されたシート束の束厚さとシート上に形成された画像がカラーであるか否かに応じて前記ヘッドユニットの移動位置を異ならせてステープル針の先端折曲げ形状を選定する。
【0016】
前記綴じ制御手段は、前記シート束保持手段に搬入されるシート枚数をカウントする計数手段を備え、上記綴じ制御手段は上記計数手段からのシート枚数情報から前記シート束保持手段に支持されたシート束の厚さを演算する演算手段を備える。
【0017】
順次シートを搬入する搬入口を有する搬入経路と、上記搬入経路から分岐してシートの搬送方向を反転する第1のスイッチバック搬送路と、上記第1のスイッチバック搬送路の上流側で上記搬入経路から分岐してシートの搬送方向を反転する第2のスイッチバック搬送路と、上記第1のスイッチバック搬送路に連なりシートを束状に部揃え集積する第1の集積トレイと、上記第2のスイッチバック搬送路に連なりシートを束状に部揃え集積する第2の集積トレイとを備える。上記第1集積トレイには集積したシートの端縁をステープル綴じする第1のシート綴じ装置を配置し、上記第2集積トレイには集積したシートを折り合わせる折ロール手段を配置する。上記第2のスイッチバック搬送路には上記第2集積トレイに至るシート束をステープル綴じする第2のシート綴じ装置を配置し、上記第1のシート綴じ装置及び/又は第2のシート綴じ装置は上記いずれかの構成を備えることを特徴とする後処理装置である。
【0018】
本発明に係わる画像形成システムは、順次シート上に画像形成する画像形成装置と、上記画像形成装置からのシートにステープル綴じ処理、スタンプ処理、パンチ処理などの後処理を施す後処理装置とから構成する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、シート束をステープル針で綴じ処理する際に、ドライバユニットとアンビルユニットをそれぞれ分離して構成し、このアンビルユニットには折曲げ量の異なる複数の折曲溝を配列し、ドライバユニットをシート束の厚さその他の処理モードに応じて選択された折曲溝と対峙する位置に移動させてステープル綴じするようにしたものであるから次の顕著な効果を奏する。
【0020】
シート束の厚さに応じて適切な折曲溝で針先を折り曲げることが出来るから、針先が不完全に折り曲げられて周囲のシートを損傷し、或いは束搬送経路に引っ掛かってシートジャムを引き起こすことがない。またこれと同時に束厚さが薄いシート束のとき折り曲げた刃先同士が干渉して綴じジャムを引き起こすことがない。
【0021】
更に、本発明はドライバユニットを移動させて複数個所(例えば2個所綴じ)を綴じ合わせる装置構成にあってはアンビルユニットに複数の折曲溝を配列するのみで良く、機構が簡単で安価に構成することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下図示の好適な実施の態様に基づいて本発明を詳述する。図10は本発明に係わるシート綴じ装置を示し、同図(a)は全体構成の概略説明図であり、同図(b)はシート綴じ動作の説明図である。図11はアンビルユニットの断面構造の説明図である。図1はシート綴じ装置を内蔵した後処理装置を有する画像形成システムの全体構成を示し、図2はその後処理装置の全体説明図である。以下順次これらに基づいて本発明を説明する。
【0023】
[シート綴じ装置の説明]
図10(a)に示すように本発明のシート綴じ装置Cはステープル手段70とシート束保持手段(後述の集積トレイ29及び集積ガイド35)とを備える。ステープル手段70は図10(a)に概念図を示すようにドライバユニット70Aとアンビルユニット70Bとで構成される。ドライバユニット70Aはフレーム71のヘッド部71aに図11に示すようにドライバ部材72とフォーマ部材73とダイス部材74が内蔵されている。そしてドライバ部材72とフォーマ部材73とは上死点と下死点との間で上下往復動するようにヘッド部71aに支持され、ダイス部材74は直線状のステープル針をコの字状に折り曲げる成形型としてヘッド部71aに固定されている。またフレーム71にはステープル針を内蔵したステープルカートリッジ75が内部に装着され、上記ダイス部材74にステープル針を順次供給する。上記ドライバ部材72とフォーマ部材73とはフレーム71に揺動自在に取り付けられたドライブレバー76に連結され、上死点と下死点との間で上下駆動される。上記フレーム71にはドライブレバー76を上下駆動する蓄勢スプリング(不図示)が設けられ、この蓄性スプリングに蓄勢するドライブカム77と、このドライブカム77を駆動する駆動モータMDが設けられている。
【0024】
このような構成によってヘッド部71aに内蔵されたドライバ部材72とフォーマ部材73は駆動モータMDの回転でドライブカム77が蓄性スプリングを介してドライブレバー76を上方の上死点から下死点に移動する。このドライブレバー76の下降動作でこれに連結されたドライバ部材72とフォーマ部材73が上死点から下死点に移動する。ドライバ部材72はコの字状に折り曲げられたステープル針の背部を押下するように板状部材で構成され、フォーマ部材73は図11に示すようにコの字状の部材で構成されダイス部材74との間でステープル針をコの字状に折り曲げる。つまり前述のステープルカートリッジからステープル針がダイス部材74に供給され、この直線状のステープル針をフォーマ部材73とダイス部材74との間でコの字状にプレス成型し、次いでコの字状のステープル針をドライバ部材72がシート束に刺入するように構成されている。
【0025】
上述のように構成されたドライバユニット70Aに対向するアンビルユニット70Bは図11に示す構造を備えている。このアンビルユニット70Bはドライバユニット70Aと分離した構造体に構成され、シート束に刺入されたステープル針の先端を折り曲げる折曲溝78を有するアンビル部材79で構成されている。このアンビル部材79はシート束の綴じ線方向に沿うステー形状に構成され、これに複数の折曲溝78a、78bを備えている。折曲溝78a、78bはコの字状の針先端を互いに向き合う方向にループ状に折り曲げる(メガネクリンチ)ように図示形状(図11参照)に形成されている。本発明はこのようにアンビル部材79をステー形状に構成し、これに複数の折曲溝78a、78bを設けたことを特徴としている。
【0026】
上記折曲溝78はステープル針の先端の折曲げ量が小さい(短い)ときには図11に示す折曲溝78aのように折曲げ深さ(hv1)が浅い凹溝形状に形成する。また針先端の折曲げ量が大きい(長い)ときには同図に示す折曲溝78bのように折曲げ深さ(hv2)が深い凹溝形状に形成する。このようにアンビル部材79にはシート幅方向の異なる位置に折曲げ深さhv1、hv2(hv1<hv2)の異なる複数の折曲溝78a、78bが配置されている。図示シート束の2個所をステープル綴じする装置構成の場合、アンビル部材79には例えば折曲げ深さの浅い折曲溝78aが所定間隔で2個所に配置され、これと異なる位置に折曲げ深さの深い折曲溝78bが所定間隔で2個所に配置され、折曲溝78は合計4個所に配置されている。
【0027】
[ステープル綴じ動作の説明]
そこで上述のドライバユニット70Aはシート綴じ方向(図10(b)左右方向)に位置移動自在に装置フレームに取付けられる。例えば図示のように装置フレームに配置したガイドレール80に摺動自在に嵌合支持し、このドライバユニット70Aをガイドレール80に沿って位置移動するベルト、ワイヤ或いはラック歯車などのシフト部材に連結する。そしてこのシフト部材にユニット移動モータMUを設ける。図示のものはこのユニット移動モータMUをステッピングモータで構成してあり、このモータの駆動パルスを制御することによってドライバユニット70Aを綴じ方向の任意位置に移動することが可能となっている。
【0028】
従って、上述のシート綴じ装置Cを制御する綴じ制御手段64c(図9参照)は、上記ドライバユニット70Aをシート束の綴じ位置に移動する。この制御はホームポジションからユニット移動モータMUを所定量回転駆動することによって行う。つまり、綴じ制御手段64cをドライバユニット70Aのホームポジションから予め設定された回転量駆動するように構成する。そしてこのドライバユニット70Aの移動位置(以下綴じ位置という)はドライバ部材72がアンビル部材79の折曲溝78aに対向する位置か、又は折曲溝78bに対向する位置に設定する。
【0029】
上述のように構成するとドライバユニット70Aはユニット移動モータMUの制御によって折曲溝78aに対向する綴じ位置X1と、折曲溝78bに対向する綴じ位置X2に選択的に移動制御することが可能となる。そして折曲げ溝78aは前述のように折曲げ深さhv1の浅い凹溝で、折曲げ溝78bは折曲げ深さhv2の深い凹溝で形成されている。そこで綴じ制御手段64cはシート束の厚さ及び/又はシート材質に応じた曲げ形状が得られる綴じ位置(X1又はX2)にドライバユニット70Aを移動し、前述の駆動モータMDを駆動してステープル動作を実行する。するとドライバ部材72でシート束に刺入されたステープル針の先端は綴じ位置X1では折曲量の小さい(短い)ループ形状に折り曲げられ、綴じ位置X2では折曲げ量の大きい(長い)ループ形状に折り曲げられる。
【0030】
このように綴じ制御手段64cをシート束の厚さに応じて、例えば厚いシート束では図示綴じ位置X1に、薄いシート束では綴じ位置X2にドライバ部材72を移動することによって束厚さに応じた折曲げ形状でステープル針の先端を折曲げることが可能となる。従って厚いシート束のとき針先端がシートの紙面から上方に突出してシートジャム或いは隣接するシートを破損することがなく、同様に薄いシート束のとき針先端相互が突き当たって折れ曲がる針ジャムを引き起こすことがない。
【0031】
尚、上述の綴じ制御手段64cのための「シート束厚さ」は次のように構成する。第1の方法は後述するような画像形成システムでは画像形成装置で画像形成するシート枚数から束厚さを算出する。この束厚さの算出は例えば画像形成部で画像形成するデータからシート枚数を知得して平均的な紙厚さを乗ずるか、或いは画像形成されたシートを例えば排紙口などでカウントし、このカウント枚数に平均的紙厚さを乗算する。第2の方法はシート束をグリップ手段などで把持する際にそのグリップ手段の移動量から束厚さを検出する。この他、束厚さの検出方法としては種々の方法が知られ、そのいずれもが採用可能である。
【0032】
[画像形成装置の構成]
次に上述の綴じ装置Cを内蔵した後処理装置Bを備えた画像形成システムについて、画像形成装置、後処理装置の順に説明する。図1に示す画像形成装置Aは、給紙部1からシートを画像形成部2に送り、画像形成部2でシートに印刷した後、本体排紙口3からシートを搬出する。給紙部1は複数のサイズのシートが給紙カセット1a、1bに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部2に給送する。画像形成部2は例えば静電ドラム4と、その周囲に配置された印字ヘッド(レーザ発光器)5と現像器6と、転写チャージャ7と定着器8が配置され、静電ドラム4上にレーザ発光器5で静電潜像を形成し、これに現像器6でトナーを付着し、転写チャージャ7でシート上に画像を転写し、定着器8で加熱定着する。このように画像形成されたシートは本体排紙口3から順次搬出される。図示9は循環経路であり、定着器8から表面側に印刷したシートを、本体スイッチバック経路10を介して表裏反転した後、再び画像形成部2に給送してシートの裏面側に印刷する両面印刷の経路である。このように両面印刷されたシートは本体スイッチバック経路10で表裏反転された後本体排紙口3から搬出される。
【0033】
図示11は画像読取装置であり、プラテン12上にセットした原稿シートをスキャンユニット13で走査し、図示しない光電変換素子で電気的に読み取る。この画像データは画像処理部で例えばデジタル処理された後、データ記憶部14に転送され、前記レーザ発光器5に画像信号を送る。また、図示15は原稿送り装置15であり、スタッカ16に収容した原稿シートをプラテン12に給送するフィーダ装置である。
【0034】
上記構成の画像形成装置Aには図9に示す制御部(コントローラ)が設けられ、コントロールパネル18から画像形成条件、例えばシートサイズ指定、カラー・モノクロ印刷指定、プリント部数指定、片面・両面印刷指定、拡大・縮小印刷指定などのプリントアウト条件が設定される。一方、画像形成装置Aには上記スキャンユニット13で読み取った画像データ或いは外部のネットワークから転送された画像データがデータ貯蔵部17に蓄積され、このデータ貯蔵部から画像データはバッファメモリに転送され、このバッファメモリ19から順次レーザ発光器5にデータ信号が移送されるように構成されている。
【0035】
上記コントロールパネル18からは画像形成条件と同時に後処理条件も入力指定される。この後処理条件は例えば「プリントアウトモード」「ステープル綴じモード」「シート束折りモード」などが指定される。そして画像形成装置Aは画像形成条件及び後処理条件に応じてシート上に画像形成する。この画像形成の態様を図5に基づいて説明すると、画像形成条件として「片面印刷」、後処理条件として「プリントアウトモード」又は「ステープル綴じモード」が設定されると、画像形成部2で指定されたシート上に所定の画像を形成し、このシートを本体スイッチバック経路10で表裏反転した後本体排紙口3に搬出する。
【0036】
従って画像形成装置Aでは一連のシートを1ページからnページ目に順次画像形成する。後述する後処理装置Bでは1ページ目からフェースダウンの状態で搬出されたシートを受け取り、「プリントアウトモード」のときには後処理装置Bに配置した第1排紙トレイ21に順次積載収納し、「ステープル綴じモード」のときには後処理装置に配置された第1集積部29に積載収納する。そしてこのトレイ上に集積されたシートはジョブ終了信号で後述する端面綴じステープル装置33で綴じ合わされ、第1排紙トレイ21に収納される。
【0037】
また、画像形成条件で両面印刷と2in1印刷が指定され、後処理として「シート束折りモード」が設定されると、図5に示すように画像形成装置Aでは最終ページがみページのときには、最初のシートの表面側に(n/2)ページ目の画像と(n/2+1)ページ目の画像を、その裏面側に(n/2−1)ページ目の画像と(n/2+2)ページ目の画像を形成して排紙口3から搬出する。すると後述する後処理装置Bはこのシートをシート搬入経路P1から第2集積部35にシートを収納する。次いで画像形成装置Aは次のシートの表面に(n/2−2)ページ目の画像と(n/2+3)ページ目の画像を印刷し、その裏面側に(n/2−3)ページ目の画像と、(n/2+4)ページ目の画像を印刷して排紙口3から搬出する。すると後処理装置Bはこのシートを先のシートの上に積み重ね集積する。このように後処理装置の集積トレイ構造に適合した順序で画像形成装置は画像形成する。このようなページ順序はデータ貯蔵部17からバッファメモリ19に画像データを転送する際に印刷順位を算出して印字ヘッド(レーザ発光器5)を制御する。
【0038】
[後処理装置の構成]
上述の画像形成装置Aに連結された後処理装置Bは、画像形成装置Aの本体排紙口3から画像形成されたシートを受け入れ、(1)このシートを排紙トレイ21に収容するか(前述の「プリントアウトモード」)(2)本体排紙口3からのシートを束状に部揃えしてステープル綴じした後、排紙トレイ21に収納するか(前述の「ステープル綴じモード」)(3)本体排紙口3からのシートを束状に部揃えした後、冊子状に折り畳んで第2の排紙トレイに収納(前述の「シート束折りモード」)するように構成されている。
【0039】
このため、後処理装置Aは図2に示すようにケーシング20に上記第1の排紙トレイ21と第2の排紙トレイ22を備え、本体排紙口3に連なる搬入口23を有するシート搬入経路P1が設けられている。このシート搬入経路P1はケーシング20に略々水平方向の直線経路で構成されている。そしてこのシート搬入経路P1から分岐しシートを反転方向に移送する第1スイッチバック搬送路SP1と第2スイッチバック搬送路SP2が配置されている。そして搬送路SP1が経路下流側で、搬送路SP2が経路上流側でそれぞれシート搬入経路P1から分岐され、両搬送路は互いに距離を隔て対置に配置されている。
【0040】
このような経路構成でシート搬入経路P1には搬入ローラ24と排紙ローラ25が配置され、これらのローラは正逆転可能な駆動モータM1(図示せず)に連結されている。またシート搬入経路P1には第2スイッチバック搬送路SP2にシートを案内する経路切換片27が配置されソレノイドなどの作動手段に連結されている。更にシート搬入経路P1には第2スイッチバック搬送路SP2に至るシートを一時的に滞留保持するバッファガイド26が設けられている。尚上記搬入口23と搬入ローラ24との間には画像形成装置Aからのシートにスタンプ(捺印手段)、パンチ(穿孔手段)などの後処理を施す後処理ユニット28が設けられている。
【0041】
[第1スイッチバック搬送路SP1の構成]
上述したようにシート搬入経路Pの下流側(装置後端部)に配置されたスイッチバック搬送路SP1は次のように構成されている。シート搬入経路P1にはその出口端に排紙ローラ25と排紙口25aが設けられ、この排紙口25aと段差を隔てた下方に第1集積部29が設けられている。この第1集積部29は排紙口からのシートを積載支持するトレイ(以下「第1集積トレイ29」という)で構成されている。この集積トレイ29の上方には正逆転ローラ30がトレイ上のシートと接する位置と離間した待機位置(図3鎖線位置)との間で昇降自在に配置されている。このローラ30には正逆転モータM2が連結されトレイ29上にシートが進入する際は同図時計方向に回転し、シート後端がトレイ上に進入した後は反時計方向に回転するように制御される。従って上記集積トレイ上に第1スイッチバック搬送路SP1が構成されている。図示31はキャタピラベルトであり、排紙ローラ25と一端プーリ側が圧接され、このプーリ軸を中心に先端プーリ側が集積トレイ29に垂下するように揺動自在に軸支持されている。図示30bは正逆転ローラ30と係合する従動ローラであり、第1集積トレイ29に設けられている。
【0042】
以上の構成によって排紙口25aからのシートはトレイ29上に進入し正逆転ローラ30で第1排紙トレイ21に向って移送され、シート後端が排紙口からトレイ29上に進入した後は正逆転ローラ30を逆回転(図示反時計方向)させるとトレイ29上のシートは排紙方向と逆方向に移送される。このときキャタピラベルト31は正逆転ローラ30と協働してシート後端をトレイ29に沿ってスイッチバック搬送することとなる。
【0043】
上記第1集積トレイ29の排紙方向後端部には、シート後端を位置規制する後端規制部材32とステープル装置33が配置されている。図示のステープル装置33は端面綴じステープラで構成され、トレイ上に集積されたシート束の後端縁の1個所若しくは複数個所にステープル綴じする。また上記後端規制部材32はステープル綴じされたシート束を集積トレイの下流側に配置された第1排紙トレイ21に搬出する機能を兼用するためトレイ29に沿って排紙方向に往復動自在に構成されている。図示の後端規制部材32の搬出機構はシート束を把持するグリップ爪33aとシート後端を突き当て規制する後端規制面33bを備え、装置フレームに設けたガイドレールに沿って図示左右方向に移動可能に構成されている。図示34はこの後端規制部材32を往復動する駆動アームであり、排紙モータM3に連結されている。
【0044】
また上記第1集積トレイ29にはトレイ上に集積されたシートの幅方向を整合するサイド整合板34が設けてあり、このサイド整合板34はセンター基準でシートを整合するように左右(図3前後)一対の整合板で構成されシート中央に接近及び離反するように構成され図示しない整合モータM4に連結されている。
【0045】
上述のように構成された第1スイッチバック搬送路SP1は前記「ステープル綴じモード」のときには排紙口25aからのシートを集積トレイ29上に部揃えし、このシート束を端面綴じステープラ33で後端縁の1個所又は複数個所をステープル綴じする。また前記「プリントアウトモード」のときには排紙口25aからのシートをスイッチバック搬送することなく、トレイ29に沿って送られたシートを正逆転ローラ30と従動ローラ30bとの間で第1排紙トレイ21に搬出する。このように図示のものはステープル綴じするシートを第1集積トレイ29と第1排紙トレイ21とでブリッジ支持することによって装置をコンパクトに構成することを特徴としている。
[第2スイッチバック搬送路の構成]
【0046】
前記シート搬入経路P1から分岐された第2スイッチバック搬送路SP2の構成について説明する。このスイッチバック搬送路SP2は図4に示すように装置ケーシング20に略々鉛直方向に配置され、経路入り口に搬送ローラ36が、経路出口に搬送ローラ37が配置されている。また第2スイッチバック搬送路SP2の下流側にはこの搬送路から送られたシートを部揃えする第2集積部35が設けられている。図示の第2集積部35はシートを移送する搬送ガイド(集積ガイド手段)で構成されている(以下「集積ガイド35」という)。この集積ガイド35には中綴じステープル装置40と折りロール手段45が配置されている。以下順次これらの構成について説明する。
【0047】
まず集積ガイド35はシートの搬送をガイドするガイド部材で形成され、このガイド上にシートを積載収納するように構成されている。図示の集積ガイド35は第2スイッチバック搬送路SP2に連なり、装置ケーシング20の中央部に略々鉛直方向に配置されている。これによって装置を小型コンパクトに構成している。この集積ガイド35は内部に最大サイズシートを収納する長さ形状に形成され、特に図示のものは後述する中綴じステープル装置40と折りロール手段45を配置する側に突出するように湾曲又は屈曲した形状に構成されている。
【0048】
上記集積ガイド35の搬送方向後端側には前述の第2スイッチバック搬送路SP2の出口端とオーバラップするスイッチバック進入路35aが連設されている。これは搬送路SP2の搬送ローラ37から送られる搬入(後続)シートの先端とこのガイド35に支持されている積載済(先行)シートの後端をオーバラップさせることによって集積するシートのページ順位を確保するためである。また集積ガイド35にはシート先端を規制する先端規制部材38がガイド下流側に配置してあり、この先端規制部材38はガイド35に沿って移動可能にガイドレールなどに支持され、シフト手段MS(図示せず)で図示Sh1とSh2とSh3との間で位置移動するように構成されている。
【0049】
そして先端規制部材38を図示位置Sh3に位置させると集積ガイド35に支持されたシート(束)の後端はスイッチバック進入路35aに進入し、この状態で第2スイッチバック搬送路SP2から送られる後続シートは確実に集積済みシートの上方に積み重ねられることとなる。また先端規制部材38を図示位置Sh2に位置させると後述する中綴じステープル装置40の綴じ位置Xに集積ガイド35に支持されたシート(束)の中央を位置決めする。同様に先端規制部材38を図示位置Sh1に位置させるとステープル綴じされ集積ガイド35に支持されたシート束の中央を後述する折ロール手段の折位置Yに位置決めするようになっている。従って図示位置Sh1、2、3はシートサイズ(搬送方向長さ)に応じてそれぞれ最適の位置に設定されている。
【0050】
上記集積ガイド35にはシート搬送方向下流側にシート側縁整合部材39が配置されている。このシート側縁整合部材39は集積ガイド35に搬入され先端規制部材38に支持されたシートの幅方向位置を基準に合わせるように整合する。つまりシート先端規制部材38が前記Sh3の位置に位置しシート全体が集積ガイド35に支持された状態でこのシート側縁を側縁整合部材39で幅寄せ整合する。図示の装置はシートをセンター基準で幅寄せ整合する関係で側縁整合部材39は左右一対の整合板で構成され、この一対の整合板がシートセンタを基準に等距離することによってガイドに支持されたシート束を幅寄せ整合する。このため側縁整合部材39には図示しない整合モータM5に連結されている。
【0051】
[中綴じステープル装置の構成]
上述の集積ガイド35に沿って上流側に綴じ位置X、下流側に折位置Yが設定され、綴じ位置Xには中綴じステープル装置40が配置されている。この中綴じステープル装置Cは前述したドライバユニット70Aとアンビルユニット70Bで構成され、図示綴じ位置Xにはアンビルユニット70Bに配置され、このアンビルユニット70Bにはシート束の綴じ線に沿って綴じ位置X1と綴じ位置X2が配置されている。
【0052】
このように構成された中綴じステープル装置40はドライバユニット70Aとアンビルユニット70Bが分離して互いに対向するように構成され、両者の間をシート束が通過できるようになっている。従ってシート束の中央部、その他任意の位置をステープル綴じすることが可能となる。
【0053】
[折ロール手段の構成]
上述のステープル装置40の下流側に配置された折位置Yにはシート束を折り合わせる折ロール手段45とこの折ロール手段45のニップ位置NPにシート束を挿入する折ブレード46が備えられている。折ロール手段45は図6に示すように互いに圧接したロール45a、45bで構成され、各ロールは略々最大シートの幅長さに形成されている。この一対のロール45a、45bは互いに圧接するように回転軸45ax、45bxを装置フレームの長溝に嵌合され、圧縮スプリング45aS、45bsで圧接方向に付勢されている。尚このロールは少なくとも一方が圧接方向に移動可能に軸支持され、その一方に付勢スプリングを掛け渡す構造であっても良い。
【0054】
上記一対の折ロール45a、45bはゴムローラなどの各的摩擦係数の大きい材料で形成されている。これはゴムなどの軟質材によってシートを折曲げながら回転方向に移送する為であり、ゴム質材をライニング加工することによって形成しても良い。この折ロール45は図6(b)に示すような凹凸形状に形成されシート値幅方向にギャップ45gが形成してある。このギャップは後述する折ブレード46の凹凸と一致するように配置してあり、折ブレード先端がロールニップ間に進入し易いように配慮してある。同時にこのギャップ45gはシート束を綴じ合わせるステープル綴じ個所と一致する幅位置に配置してある。つまり一対の互いに圧接した折ロールにはシート幅方向に間隙(ギャップ45g)を有する凹凸形状に形成され、この間隙にシートのステープル綴じ個所と、同様に凹凸形状に形成した折ブレードの刃先が進入するようになっている。
【0055】
上記折ロール45a、45bはそれぞれがロール駆動手段に連結されている。図示のロール駆動手段RMは、図7に示すようにロール駆動モータM6と伝動機構(伝動手段)47Vとで構成されている。図示の伝動手段47VはモータRMの回転を減速して伝動軸47Xに伝達する伝動ベルトで構成されている。この伝動軸47Xと第1の折ロール45aの回転軸45axとの間にクラッチ手段45cが配置してある。また同様に第2の折ロール45bの回転軸45bxとの間にもクラッチ手段45cが配置してある。このクラッチ手段45cは電磁クラッチ、一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)、スベリ摩擦クラッチ(バネクラッチ)などでモータM6の駆動回転を折ロール45a及び45bにON、OFF出来るように構成する。
【0056】
図示のクラッチ手段45cはワンウェイクラッチで構成され、前記伝動軸47Xと伝動カラー47Zとの間に伝動軸47Xの回転を伝動カラー47Zに一方向のみ伝達するように構成されている。そしてこの伝動カラー47Zに第1の折ロール45aが歯車連結され、第2の折ロール45bはベルト連結されている。このようにロール駆動モータM6にクラッチ手段45cを介して連結された第1及び第2の折ロール45a、45bにはモータの回転の一方向のみが伝達され、同時にロールはシート繰り出し方向に自由回転可能に構成されている。
【0057】
上述の一対のロール手段45a、45bは前記集積ガイド35の湾曲又は屈曲した突出側に位置し、ガイド35に支持されたシート束に対して図8(a)に示す距離hを隔てた位置に配置されている。つまりガイド35に支持されたシート(束)とロール表面が接することのない位置に距離hを隔てて配置されている。そしてシート束を挟んで対向する位置にナイフエッジを有する折ブレード46が設けられている。この折ブレード46は図8(a)の待機位置から(c)のニップ位置との間で往復動可能に装置フレームに支持されている。ブレード46にはブレード駆動手段BM(不図示)が連結されている。そして折ブレード46はガイド35に支持されたシート束から退避した待機位置WPから折ロール45の圧接間のニップ位置NPとの間で駆動モータM7で往復動するように構成されている。この折ブレード46は金属などの比較的摩擦係数の小さい材料で板状に形成され、その形状は図7に示すように先端は凹凸面に形成されている。このブレード先端は前述したように折ロールのキャツプ45gに進入する形状に形成されている。
【0058】
そこで図示のものは折ロール45a、45bとシートとの間の摩擦係数ν1、シート相互間の摩擦係数ν2、シートと折ブレード46との間の摩擦係数ν3との関係は「ν1>ν2>ν3」の関係に設定してある。従って図8(c)に示すシート束を折ブレード46で折ロール45aと45bとの間に挿入した状態では両折ロール45に作用する圧接力がロール45とシート束と折ブレード46に等しい力としてそれぞれに及ぶ。このとき摩擦係数が上記の関係に設定されているから、シート束はスムーズに繰り出し方向(同図左側)に送り出されることとなる。
【0059】
次に折ブレード46のブレード駆動手段BMの構成について説明すると、図7(b)に示すように、前記折ブレード46は装置フレームにガイドレール46gでシート折り方向に移動自在に支持されている。そしてこの折ブレード46は前記集積ガイド35に支持されたシートから退避した待機位置WPと前記折ロール45のニップ位置NPとの間で往復動可能に支持されている。このブレード46を往復動するブレード駆動手段BMはブレード駆動モータM7と、その回転を伝動する伝動手段46V、図示のものは伝動ベルトで伝動回転軸46Xに伝動している。この伝動回転軸46Xには伝動ピニオン46pが設けられ、ブレード46に一体的に取り付けたラック歯車46Lと歯合されている。
【0060】
従ってブレード駆動モータM7を正逆回転するとブレード46はガイドレール46gに沿って待機位置とニップ位置NPとの間を往復動することとなる。この折りブレードはシート幅方向にナイフエッジを有する板状部材で構成され、その先端は図示のように凹凸形状に形成されている。
【0061】
次に上述の構成の折ロール45及び折ブレード46によるシート折り状態を図8に基づいて説明する。まず前記集積ガイド35に束状に支持されたシート束は同図(a)の状態で先端規制部材38に係止され、その折り目位置をステープル綴じされた状態で折位置Yに位置決めされる。このシート束のセット終了信号を得て、駆動制御手段(後述のシート折り動作制御部64d;以下同様)は、前記クラッチ手段45cをOFFする。図示のワンウェイクラッチの構成にあってはロール駆動モータM6を停止するか、又はモータM6を折ブレード46の移動速度より低速で回転する。これは後述するように折ブレード46でニップ位置に挿入するシート束によって第1及び第2の折ロールが従動回転する条件を作る為である。
【0062】
そこで駆動制御手段64dは折ブレード46を待機位置WPからニップ位置NPに向かって所定速度で移動する。この移動速度VBに対し折りロールの回転周速度VRはゼロ又はVB>VRに設定されている。そこで図8(b)の状態にシート束は折り目位置をブレード46によって屈曲されロール間に挿入される。このとき折ロール45aと45bはブレード46によって移動するシートに連なって従動回転する。そして駆動制御手段64dはシート束が所定のニップ位置に到達する見込み時間の後、ブレード駆動モータM7を停止し、折りブレードを同図(c)の位置で静止させる。これと前後して駆動制御手段64dはクラッチ手段45cをON状態に切換えて折ロール45a、45bを駆動回転する。するとシート束は繰り出し方向(同図左側)に送り出される。その後、駆動制御手段64dは同図(d)の状態に折りロールによるシート束の繰り出しと並行してニップ位置NPに位置する折ブレード46を待機位置WPに向けて移動復帰させる。
【0063】
このように折り合わされたシート束は、まず一対の折ロール45a、45b間に喰え込まれる際に、ロール表面と接するシートが回転するロールによってロール間に引き込まれることがない。つまり折ロール45は挿入され(押し込まれ)るシートに追随(従動)して回転するため、ロールと接するシートのみが先に巻き込まれることがない。またこの挿入されるシートに折ロールが追随して従動回転するため、ロール表面とこれと接するシートが擦れることがなく、画像擦れを招くことがない。
【0064】
[制御構成の説明]
上述した画像形成システムの制御構成を図9のブロック図に従って説明する。図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aの制御部(以下「本体制御部」という)50と後処理装置Bの制御部(以下「後処理制御部」という)60を備えている。本体制御部50は画像形成制御部51と給紙制御部52と入力部53を備えている。そしてこの入力部53に設けられたコントロールパネル18から「画像形成モード」「後処理モード」の設定を行う。画像形成モードは前述したように、プリントアウト部数、シートサイズ、カラー・モノクロ印刷、拡大・縮小印刷、両面・片面印刷、その他の画像形成条件を設定する。そして本体制御部50はこの設定された画像形成条件に応じて画像形成制御部及び給紙制御部を制御し、所定のシートに画像形成した後本体排紙口3からシートを順次搬出する。
【0065】
これと同時にコントロールパネル18からの入力で後処理モードが設定される。この後処理モードは、例えば「プリントアウトモード」「ステープル綴じ仕上げモード」「シート束折り仕上げモード」等に設定される。そこで本体制御部50は後処理制御部60に後処理の仕上げモードとシート枚数、部数上方と綴じモード(1個所止綴じか2個所以上複数綴じか)情報を転送する。これと同時に本体制御部は画像形成の終了毎にジョブ終了信号を後処理制御部60に転送する。
【0066】
後処理制御部60は、指定された仕上げモードに応じて後処理装置Bを動作させる制御CPU61と、動作プログラムを記憶したROM62と、制御データを記憶するRAM63を備えている。そしてこの制御CPU61は、搬入口23に送られたシートの搬送を実行する搬送制御部64aと、シートの集積動作を実行する集積動作制御部64bと、シート綴じ処理を実行する綴じ動作制御部64cと、シートの束折り動作を実行するシート折り動作制御部64dを備えている。
【0067】
上記搬送制御部64aは前述のシート搬入経路Pの搬送ローラ24、排紙ローラ25の駆動モータM1の制御回路に連結され、またこの経路に配置されたシートセンサからの検知信号を受信するように構成されている。また、上記集積動作制御部64bは、第1集積部29(集積トレイ29)にシートを集積するために前記正逆転ローラ30の正逆転モータM2、後端規制部材の排紙モータM3の駆動回路に結線されている。更に上記綴じ動作制御部64cは、第1制御部29の端面綴じステープル装置33と第2集積部35(集積ガイド)の中綴じステープル装置40に内蔵された駆動モータの駆動回路に結線されている。
【0068】
上記シート折り動作制御部64dは、前記折ロール45a、45bを駆動回転するロール駆動モータRMの駆動回路と、前記クラッチ手段45cの駆動回路に結線されている。またこの制御部は前述の第2スイッチバック搬送路SP2の搬送ローラ36、37及び集積ガイド35の先端規制手段38を所定位置に移動制御するシフト手段MSの制御回路に結線され、これらの経路に配置したシートセンサから検知信号を受信するように結線されている。
【0069】
上述のように構成された制御部は後処理装置に次の処理動作を実行させる。
「プリントアウトモード」
このモードでは画像形成装置Aは一連の文書を例えば第1ページから画像形成し、本体排紙口3から順次フェースダウンで搬出する。そこで後処理装置Bはシート搬入経路P1のバッファガイド26を図3上方に退避させ、経路切換片27を図3実線の状態に移動する。これによりシート搬入経路P1に送られたシートは排紙ローラ25に導かれる。そこで排紙口25aでシート先端を検出した信号でシート先端が集積トレイ29の正逆転ローラ30に到達する見込み時間の後、搬送制御部64aは正逆転ローラ30を上方待機位置からトレイ上に降下し、このローラを図4時計方向に回転する。するとトレイ29上に進入したシートはこのローラ30で第1排紙トレイ21に向けて搬出され、このトレイ上に収納される。このように順次後続するシートを排紙トレイに搬出し、このトレイ上に堆積収納する。
【0070】
従ってこのプリントアウトモードでは画像形成装置Aで画像形成されたシートは後処理装置Bのシート搬入経路P1を経て、第1排紙トレイ21に収容され、例えばフェースダウンの姿勢で1ページから順次nページの順に上方に積載収納されることとなる。このモードでは前述の第1スイッチバック搬送路SP1と第2スイッチバック搬送路SP2にはシートは導かれない。
【0071】
「ステープル綴じ仕上げモード」
このモードでは画像形成装置Aは前述のモードと同様に一連の文書を第1ページからnページの順に画像形成し、フェースダウンの状態で本体排紙口3から搬出する。そこで後処理装置Bは先のモードと同様にシート搬入経路P1のバッファガイド26を図3上方に退避させ、経路切換片27を図3実線の状態に移動する。これによりシート搬入経路P1に送られたシートは排紙ローラ25に導かれる。そこで排紙口25aでシート先端を検出した信号でシート先端が集積トレイ29の正逆転ローラ30に到達する見込み時間の後、搬送制御部64aは正逆転ローラ30を上方待機位置からトレイ上に降下し、このローラを図4時計方向に回転する。次いで搬送制御部64aはシート後端がトレイ29上に搬入した見込み時間の後正逆転ローラ30を図3反時計方向に回転駆動する。すると排紙口25aから進入したシートは第1スイッチバック搬送路SP1に沿って第1集積トレイ29上にスイッチバック搬送される。このシート搬送を繰り返すことによって第1集積トレイ29に一連のシートがフェースダウンの状態で束状に集積される。
【0072】
尚上述の集積トレイ29上へのシートの集積の都度、制御CPU61はサイド整合板34を動作させ集積するシートの幅方向位置を整合させる。次いで制御CPU61は画像形成装置Aからのジョブ終了信号で端面綴じステープル装置33を動作させトレイ上に集積されたシート束の後端縁を綴じ合わせる。このステープル動作の後、制御CPU61は束搬出手段を兼用する後端規制部材32を図3実線位置から同鎖線位置に移動する。するとステープル綴じされたシート束は第1排紙トレイ21条に搬出収納される。これによって画像形成装置Aで画像形成した一連のシートをステープル綴じして第1排紙トレイ21に収納することとなる。
【0073】
「シート束折り仕上げモード」
このモードでは画像形成装置Aは例えば図5に従って説明した順序でシート上に画像形成し、後処理装置Bで冊子状に仕上げる。この為後処理装置Bはシート搬入経路P1のバッファガイド26を図3上方に退避させ、経路切換片27を図3実線の状態に移動する。これによりシート搬入経路P1に送られたシートは排紙ローラ25に導かれる。そこで制御CPU61はシートセンサS1でシート後端を検出した信号を基準にシート後端が経路切換片27を通過したタイミングで排紙ローラ25を停止し、同時に経路切換片27を図3破線位置に移動する。そして排紙ローラ25を逆転(図3反時計方向)させる。すると搬入経路P1に進入したシートは搬送方向を反転され、経路切換片27から第2スイッチバック搬送路SP2に導かれる。そしてこの経路に配置された搬送ローラ36、37で集積ガイド35に案内される。
【0074】
第2スイッチバック搬送路SP2から集積ガイド35にシートが搬入されるタイミングで制御CPU61はシート先端規制部材38を最下端のSh1位置に移動する。するとシートはその全体が集積ガイド35に支持される。この状態で制御CPU61は前述の側縁整合部材39を動作させシートを幅寄せ整合する。(尚この幅寄せ整合は最初のシートでは動作させなくても良く、またシート進入の都度動作させなくても良い)。
次いで制御CPU61は先端規制部材38をシート後端が前述のスイッチバック進入路35aに進入する位置Sh3に移動する。するとガイド35に支持されたシート後端はスイッチバック進入路35aに後退する。この状態で後続するシートを第2スイッチバック搬送路SP2から集積ガイド35上に送り、先行シートの上に後続シートを積み重ねる。そしてこの後続シートの搬入に合わせて先端規制部材38をSh3位置からSh1位置に移動する。
【0075】
次いで先と同様に側縁整合部材39を動作させて搬入されたシートとガイド上に支持されたシートを幅寄せ整合する。このような動作を繰り返すことによって画像形成装置Aで画像形成されたシートは第2スイッチバック搬送路SP2を経て集積ガイド35上に部揃えされる。そこで制御CPU61はジョブ終了信号を受けると先端規制部材38を前記位置Sh2に移動し、シート中央を綴じ位置Xに位置決めセットする。
【0076】
そこで制御CPU61は中綴じステープル装置40を動作させ、シート中央の1個所又は複数個所をステープル綴じする。この動作の完了信号で制御CPU61は先端規制部材38を前記位置Sh1に移動し、シート中央を折位置Yに位置決めセットする。そこで前述した図8(a)、(b)、(c)、(d)に示すシーケンスでシート束に折り処理を施し、このシート束を第2排紙トレイ22に搬出する。
【0077】
上述の端面綴じステープル装置33及び/又は中綴じステープル装置40は前述の図10に基づいて説明したステープル手段で構成され、その制御は前出した通りである。
【0078】
尚、本発明にあって中綴じステープル装置40は前述の集積ガイド35上の綴じ位置Xに配置する場合を示したが、シートの処理経路を集積ガイド、綴じ位置、折位置の順に配置し、集積ガイド手段、次いでステープル装置、その下流側にシート折り手段を配置する構成であっても良い。更にこの中綴じステープル装置で綴じ処理することなくシート束を折り合わせて第2排紙トレイ22に搬出することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係わる画像形成システムの全体説明図。
【図2】本発明に係わるシート折り装置を備えた後処理装置の全体説明図。
【図3】図2の後処理装置の一部を示す詳細説明図。
【図4】図2の後処理装置に組み込まれたシート折り装置の詳細説明図。
【図5】図1の装置における画像形成順序を示す説明図。
【図6】図4の折ロール手段の説明図であり、(a)は断面構造、(b)はシート幅方向平面の説明図。
【図7】(a)は折ロール手段の駆動機構の説明図、(b)は折ブレードの駆動機構の説明図、(c)はワンウェイクラッチの構造説明図。
【図8】図2の装置に於けるシート束折り動作の説明図であり、(a)はシート束を折位置に位置決めセットした状態図、(b)はシート束の折り動作の初期状態図、(c)はシート束を折ロール手段のニップ位置に挿入した状態図、(d)はシート束を折ロール手段で折り合わせる搬出状態図。
【図9】図1のシステムに於ける制御構成の説明図。
【図10】本発明に係わるシート綴じ装置を示し、同図(a)は全体構成の概略説明図であり、同図(b)はシート綴じ動作の説明図。
【図11】アンビルユニットの断面構造の説明図。
【符号の説明】
【0080】
A 画像形成装置
B 後処理装置
P1 シート搬入経路
SP1 第1スイッチバック搬送路
SP2 第2スイッチバック搬送路
21 第1の排紙トレイ
22 第2の排紙トレイ
23 搬入口
24 搬入ローラ
25 排紙ローラ
25a 排紙口
26 バッファガイド
27 経路切換片
28 後処理ユニット
29 第1集積部(第1集積トレイ)
32 後端規制爪
30 正逆転ローラ
33 ステープル装置
35 第2集積部
35a シート進入路
35b 集積ガイド
35c スイッチバック進入路
36 搬送ローラ
37 搬送ローラ
38 先端規制部材
38a 係止部材
38b グリップ部材
38L 作動ソレノイド
38S 付勢スプリング
40 中綴じステープル装置
45 折りロール手段
46 折ブレード
70 ステープル手段
70A ドライバユニット
70B アンビルユニット
71 フレーム
71a ヘッド部
【出願人】 【識別番号】000231589
【氏名又は名称】ニスカ株式会社
【出願日】 平成19年1月31日(2007.1.31)
【代理人】 【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章

【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司

【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行

【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅


【公開番号】 特開2008−183892(P2008−183892A)
【公開日】 平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願番号】 特願2007−22040(P2007−22040)