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【発明の名称】 ステープルカートリッジ
【発明者】 【氏名】真鍋 克則

【氏名】宇田川 博

【氏名】亀田 太志

【要約】 【課題】電動ステープラの配置姿勢や振動などによりステープル送りが不安定になることを防止する。

【解決手段】上面が開放された箱型ベースフレーム32の前部側面に縦方向のスライドガイド溝34を形成し、上カバー33の前部側面にガイドピン35を形成してスライドガイド溝へ係合させる。上カバーの天井面とその下方の押さえ板38とに前後二つの圧縮コイルバネ36,37を介装する。二つの圧縮コイルバネによりステープルシートの前後を押さえるようにしているので、倒立配置や斜め配置の電動ステープラで使用する際にステープルシートが送り爪から浮上がることがなく、ステープル送りが安定化する。また、押さえ板を支持する上カバーは、上方へスライドして前方へ転回することにより、ベースフレームの上面が開放されるので、リフィルコンテナの交換が容易である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動ステープラに用いられるステープルシート補充式のステープルカートリッジにおいて、ステープルカートリッジは、上面が開放された箱型のベースフレームと、ベースフレームの上面開口を覆う上カバーを備え、ベースフレームの前部側面または後部側面に縦方向のスライドガイド溝を形成し、上カバーの前部側面または後部側面にガイドピンを形成して前記スライドガイド溝へ係合させることにより、上カバーを引上げて前方又は後方へ転回できるように形成するとともに、上カバーの天井面とその下方の押さえ板とに前後二つの圧縮コイルバネを介装し、且つ上カバーを下降位置で固定できるラッチ手段を備え、上カバー固定時に前記押さえ板がベースフレーム内のステープルシートの上面へ弾接して押さえるように構成したことを特徴とするステープルカートリッジ。
【請求項2】
上記上カバーの天井面とその下方の押さえ板とに介装した前後二つの圧縮コイルバネのバネ荷重を相違させ、後の圧縮コイルバネよりも前の圧縮コイルバネのバネ荷重を高く設定した請求項1記載のステープルカートリッジ。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、電動ステープラに用いられるステープルカートリッジに関するものであり、特に、ステープルカートリッジ内のステープルシートの押さえを安定化したステープルカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機や綴じ処理機等に組み込まれる電動ステープラやスタンドアロン形電動ステープラ等は、ステープルの補充の便宜のためにカートリッジ着脱式になっており、ステープル補充の際は本体からステープルカートリッジを取外し、新しいステープルカートリッジに交換するか、またはステープルカートリッジへステープルシートを装填して電動ステープラへ再び装着するように構成されている(特許文献1,2,3等)。
【0003】
ステープルシートの補充について、当初の電動ステープラはステープルカートリッジ全体を交換する形式のものが一般的であったが、近年はリフィル用のコンテナにステープルシートを積層させて収容したものをステープルカートリッジへ装填する構造として、ステープルカートリッジを繰返して使用できるようにしたものが多くなっている(例えば、特許文献4,5等)。
【0004】
図6、図7はリフィルコンテナ交換式の従来型ステープルカートリッジの一例を示し、1はステープルカートリッジであり、図8はステープルカートリッジ1に装填されるリフィルコンテナ21を示している。ステープルカートリッジ1とリフィルコンテナ21は、ともにプラスチック製であり、ステープルカートリッジ1は、ベースフレーム2とその上面を覆う上カバー3とによって構成されており、上カバー3はベースフレーム2の左右側板部4の後部下端に設けた軸5に連結されていて、上カバー3の前端部の左右両側に設けた外向きのフック6がベースフレーム2の左右側板部4の穴7に内面側から係合して固定されている。
【0005】
上カバー3の左右両側には、フック形レバー8(下側先端部が後方へ回動可能であり、図7中の圧縮コイルバネ9により図6の前方初期位置へ付勢されている)が取付けられていて、ステープルカートリッジ1を電動ステープラへ装着したときに、フック型レバー8が電動ステープラの係合部に係合してステープルカートリッジ1が固定される。
【0006】
ステープルカートリッジ1は、電動ステープラの配置姿勢によって、図6の正立姿勢で電動ステープラへ装着される場合や、図6とは上下を逆転した倒立姿勢で装着される場合があるが、いずれの場合も電動ステープラへ着脱する際は、上カバー3の後端に設けたハンドル部10を握って電動ステープラへ挿入又は引抜きを行う。
【0007】
電動ステープラから取外したステープルカートリッジ1へステープルの補充を行う場合は、上カバー3の左右両側面の前端部を二本の指で挟圧すると、フック6がベースフレーム2の左右両側面の穴7から外れ、そのまま上カバー3の前部を持上げれば、図7に示すように上カバー3が後方へ反転してベースフレーム2の上面が開放され、リフィルコンテナ21が露出する。上カバー3の下面(図7においては上面)には押さえレバー11が取付けられていて、押さえレバー11は図7中のねじりコイルバネ12により同図の立上がり姿勢に付勢されている。上カバー閉鎖時には、リフィルコンテナ21内に積層されているステープルシートSの上に載っているカバープレート22の上面へ押さえレバー11が弾接してステープルシートSを下側へ押さえる。
【0008】
ステープルカートリッジ1とリフィルコンテナ21の底面には夫々長穴(図示せず)が形成されていて、電動ステープラの送り爪が下方から最下層のステープルシートの下面に接触し、電動ステープラのドライバの打込み動作に連動して送り爪が前後に往復運動することにより、順次ステープルシートがステープルカートリッジの前端部へ向けて送られる。
【特許文献1】特開平9-193044号公報
【特許文献2】特開平11-99505号公報
【特許文献3】特開平11-235679号公報
【特許文献4】特開2004-237446号公報
【特許文献5】特開2006-116637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図6及び図7のように、上カバーに押さえレバーを設けたステープルカートリッジは、上カバーの後端寄りに押さえレバーの支点を配置し、押さえレバーがステープルカートリッジ内に積層されているステープルシートの前寄りの一点を押さえる構造となっている。したがって、電動ステープラ本体及びステープルカートリッジが天地逆の倒立姿勢で配置される場合は、積層状態で全体重量が重いステープルシートの後部が、重力によりカートリッジの底から下降し、上方の電動ステープラの送り爪から離れてステープル送りに支障をきたす虞がある。
【0010】
そこで、電動ステープラの配置姿勢に係わらず、ステープル送りを安定化するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、電動ステープラに用いられるステープルシート補充式のステープルカートリッジにおいて、ステープルカートリッジは、上面が開放された箱型のベースフレームと、ベースフレームの上面開口を覆う上カバーを備え、ベースフレームの前部側面または後部側面に縦方向のスライドガイド溝を形成し、上カバーの前部側面または後部側面にガイドピンを形成して前記スライドガイド溝へ係合させることにより、上カバーを引上げて前方又は後方へ転回できるように形成するとともに、上カバーの天井面とその下方の押さえ板とに前後二つの圧縮コイルバネを介装し、且つ上カバーを下降位置で固定できるラッチ手段を備え、上カバー固定時に前記押さえ板がベースフレーム内のステープルシートの上面へ弾接して押さえるように構成したことを特徴とするステープルカートリッジを提供するものである。
【0012】
また、上記上カバーの天井面とその下方の押さえ板とに介装した前後二つの圧縮コイルバネのバネ荷重を相違させ、後の圧縮コイルバネよりも前の圧縮コイルバネのバネ荷重を高く設定したステープルカートリッジを提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のステープルカートリッジは、ステープルカートリッジ内のステープルシートを押さえる押さえ板の前部と後部にそれぞれ圧縮コイルバネを介装しステープルシートの前後を押さえるようにしているので、倒立配置や斜め配置の電動ステープラで使用する際にステープルシートが浮上がることがなく、送り爪によるステープル送りが安定化する。また、押さえ板を支持する上カバーを上方へスライドして前または後へ転回してステープルカートリッジ収容部を開放できるため、ステープルシートの補充やリフィルコンテナの交換の妨げにならない。
【0014】
また、前後二つの圧縮コイルバネのうちで、送り爪の位置に近い前の圧縮コイルバネのバネ荷重を高くし、後の圧縮コイルバネのバネ荷重を低くすることによって、送り爪駆動負荷の増加を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、電動ステープラに用いられるステープルシート補充式のステープルカートリッジにおいて、ステープルカートリッジは、上面が開放された箱型のベースフレームと、ベースフレームの上面開口を覆う上カバーを備え、ベースフレームの前部側面または後部側面に縦方向のスライドガイド溝を形成し、上カバーの前部側面または後部側面にガイドピンを形成して前記スライドガイド溝へ係合させることにより、上カバーを引上げて前方又は後方へ転回できるように形成するとともに、上カバーの天井面とその下方の押さえ板とに圧縮コイルバネを介装し、且つ上カバーを下降位置で固定できるラッチ手段を備え、上カバー固定時に前記押さえ板がベースフレーム内のステープルシートの上面へ弾接して押さえるように構成することによって、電動ステープラの配置姿勢に係わらずステープルシートの浮上がりを防止してステープル送りを安定化するという目的を達成した。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明のステープルカートリッジ31を示し、上面が開放された箱型のベースフレーム32に上下スライド自在な上カバー33が組付けられている。ベースフレーム32は、電動ステープラのカートリッジ室に合致させて前面の下部が上部に対して前方へ突出した段付形状となっている。ベースフレーム32の左右両側面の上部前面壁に近い箇所には縦方向のスライドガイド溝34が形成されており、上カバー33の左右両側面の前端下部に形成したガイドピン35がスライドガイド溝34に係合している。図2はスライドガイド溝34とガイドピン35の係合状態を示す正面断面図である。
【0017】
上カバー33は、底面と前後両面とが開放された門形部材で、図3に示すように天板の下面に前後二つの圧縮コイルバネ36,37を取付けて、二つの圧縮コイルバネ36,37の下端に押さえ板38を取付けてある。
【0018】
図1に示すように、上カバー33をベースフレーム32内へ上から押込んだ状態では、上カバー33の側面に形成した爪とベースフレーム32の内壁面に形成したラッチ等からなる公知のラッチ手段(図示せず)によって上カバー33はベースフレーム32内に固定され、ベースフレーム32の両側面に設けたラッチリリースボタン39を押すと、爪と凹溝等の係合が解除されて上カバー33を引上げることができる。そして、図4に示すように、上カバー33のガイドピン35がスライドガイド溝34の上端に達するまで平行に引上げ、鎖線で示すようにガイドピン35を支点として上カバー33を前方へ転回させればベースフレーム32の上部が開放される。
【0019】
上カバー33を開けて上方からベースフレーム32内へリフィルコンテナ21を装填し、上カバー33を垂直に押下げると、図5に示すように上カバー33の押さえプレート38がリフィルコンテナ21の上面に接し、上カバー33が圧縮コイルバネ36,37を圧縮しつつ下降して下降端でラッチ手段により固定される。
【0020】
二つの圧縮コイルバネ36,37のうちで前方の圧縮コイルバネ36は、ステープルカートリッジ31の下面に位置する電動ステープラの送り爪(図示せず)のほぼ垂直上方に配置されていて、送り爪に対してステープルシートSを密着させ、ステープルシートSへ送り爪を確実に係合させる。そして、後方の圧縮コイルバネ37がステープルシートSの後部を押さえつけているので、倒立配置の電動ステープラでステープルカートリッジ31を使用する際も、ステープルシートSの後部が垂下(図5の正立姿勢においては浮上)することがなく、送り爪がステープルシートSの表面を滑って送り不良となることを防止できる。
【0021】
尚、送り爪の前後運動時は、送り爪の位置であるステープルシートの前部に浮上がり反力が作用するので、前方の圧縮コイルバネ36はステープルシートの重量と浮上がり反力の合計以上のバネ力のものを使用する必要がある。一方、後方の圧縮コイルバネ37には、送り爪による浮上がり反力は殆ど作用せず、倒立姿勢の場合でもステープルシートSの重量以上の負荷はかからないので、ステープルシートSの重量を支えられるバネ荷重のものでよい。
【0022】
ステープルシートSを強く抑えるほど、送り爪の駆動負荷が増大するが、上記のように、前後二つの圧縮コイルバネ36,37のバネ荷重を相違させて、押圧力が過剰にならないように配慮することによって、倒立配置におけるステープル送りを安定化しつつ、送り爪駆動負荷の増加を抑制することができる。
【0023】
尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態はリフィルコンテナ交換式のステープルカートリッジについて説明したが、コンテナを用いずステープルシートそのものを直接ステープルカートリッジへ補充する形式のステープルカートリッジにおいても、開閉可能な上カバー及びバネを介した押さえ板からなる本発明の構成を適用することができ、この発明がこのような改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、ステープルカートリッジの側面図。
【図2】図1のステープルカートリッジの側面断面図。
【図3】図1のステープルカートリッジのA-A線矢視断面図。
【図4】図1のステープルカートリッジの上カバー開放行程を示す側面断面図。
【図5】図1のステープルカートリッジにリフィルコンテナを装填した状態の側面断面図。
【図6】従来例を示し、ステープルカートリッジの斜視図。
【図7】従来例を示し、ステープルカートリッジの上カバー開放状態を示す斜視図。
【図8】リフィルコンテナの側面図。
【符号の説明】
【0025】
21 リフィルコンテナ
22 カバープレート
S ステープルシート
31 ステープルカートリッジ
32 ベースフレーム
33 上カバー
34 スライドガイド溝
35 ガイドピン
36 圧縮コイルバネ
37 圧縮コイルバネ
38 押さえ板
39 ラッチリリースボタン

【出願人】 【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
【出願日】 平成18年11月16日(2006.11.16)
【代理人】 【識別番号】100060575
【弁理士】
【氏名又は名称】林 孝吉


【公開番号】 特開2008−126430(P2008−126430A)
【公開日】 平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願番号】 特願2006−310722(P2006−310722)