トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 木材用切断装置
【発明者】 【氏名】藤原 定雄

【要約】 【課題】カッタ機の回転刃の切込み方向が、木材の基軸線に直交する方向に確実に沿うようにし、かつ、木材の端部の周囲のいずれの位置から回転刃が端部に進入しても木材の長手方向の所定位置に切込みを入れることができるようにし、切欠き端面の仕上がり精度の向上を図る。

【解決手段】木材Mの基軸線P方向に沿って配設される棒状体20と、棒状体20に互いに間隔を隔て突出された一対の突出杆21と、各突出杆21の先端部に夫々設けられ木材Mの端面の基軸線上に突き刺されて棒状体20を木材Mの基軸線周りに公転可能にするピン27と、カッタ機10を該カッタ機10の回転刃11の切込み方向が木材Mの基軸線Pに直交する方向になるようにかつカッタ機10を棒状体20の軸線と平行な軸線を有したヒンジ31,32を中心に揺動可能に棒状体20に支持する支持部材30とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部を有した長尺の木材の少なくとも何れか一方の端部の外側を切り欠いて該端部に予め定めた長手方向の基軸線方向に突出したホゾを形成する際、該ホゾの基端周囲に露出し基軸線に直交する平面を有した切欠き端面を形成するため、上記木材の端部に上記切欠き端面に沿う切込みを入れるよう該木材を切断する回転刃を有したカッタ機を備えた木材用切断装置であって、
上記木材の基軸線方向に沿って配設される棒状体と、該棒状体に互いに間隔を隔て突出された一対の突出杆と、該各突出杆の先端部に夫々設けられ上記木材の基軸線に沿う軸を有するとともに木材の端面の基軸線上に突き刺され上記棒状体を上記突出杆を介して該木材の基軸線周りに公転可能にするピンと、上記カッタ機を該カッタ機の回転刃の切込み方向が上記木材の基軸線に直交する方向になるようにかつ該カッタ機を上記棒状体の軸線と平行な軸線を中心に揺動可能に上記棒状体に支持する支持部材とを備えたことを特徴とする木材用切断装置。
【請求項2】
上記カッタ機を揺動させる軸線を複数設けたことを特徴とする請求項1記載の木材用切断装置。
【請求項3】
上記支持部材に上記棒状体の軸線方向に沿ってスライド可能にするスライダ部を設け、該スライダ部を上記棒状体の所要位置で該棒状体に対して解除可能にロックするロック機構を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の木材用切断装置。
【請求項4】
上記支持部材に、上記棒状体を公転させるための操作ハンドルを設けたことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の木材用切断装置。
【請求項5】
上記突出杆の基端部を支持するとともに上記棒状体に該棒状体の軸線方向に沿ってスライド可能な支持スライダを設け、該支持スライダを上記棒状体の所要位置で該棒状体に対して解除可能にロックするロック機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の木材用切断装置。
【請求項6】
上記カッタ機を、丸鋸刃からなる回転刃と、該回転刃が設けられるとともに該回転刃を回転させる駆動モータを備えた本体と、該本体に設けられる把持グリップとを備えて構成したことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の木材用切断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、丸太等の木材の端部にホゾを形成する際、木材の端部に切込みを入れるカッタ機を備えた木材用切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば、丸太からなる木材を用いたログハウスにおいて、木材を順次積層して壁を構築する際、このログハウスのコーナ部においては、一方の壁を構築する木材と他方の壁を構築する木材とを接合するが、この接合は、図4に示すように、一方の木材Mの端部Maに長手方向に突出した直方体状のホゾ1を形成し、他方の木材(図示せず)の端部にホゾ1が嵌合する孔(図示せず)を形成し、このホゾ1を孔に嵌合することにより行なう。
【0003】
従来、この木材Mの端部Maにホゾ1を形成する際には、先ず、木材Mの端面にホゾ1の断面形状を墨入れにより描き(墨入れ線X)、次に、ホゾ1の基端1aの周囲に露出し長手方向に直交する平面を有した切欠き端面2に沿う切込みを入れる。その後、この墨入れ線Xに沿って長手方向に切込みを入れ、墨入れ線Xより外側の部分を切除して行なう。
このような切欠き端面2に沿う切込み3を入れる際には、従来、例えば、手動ののこぎり、あるいは、丸鋸刃からなる回転刃を有した電動のカッタ機やチェーンを有した電動のカッタ機(チェーンソー)を用いて行なう。あるいはまた、従来においては、例えば、図5に示すような切断装置を用いることもできる(特許文献1)。
【0004】
この従来の切断装置は、丸太からなる木材Mを支持するベース5と、ベース5に対して揺動可能に設けられるアーム6と、アーム6に設けられ丸鋸刃からなる回転刃7を有したカッタ機8とを備えている。カッタ機8は、回転刃7が木材の長手方向に直交する切込みを入れることが可能にアーム6に設けられている。そして、木材Mを切断するときは、ベース5に木材Mを支持し、アーム6に設けたハンドル6aによりアーム6を適宜揺動させるとともに、木材Mを手で回転させながら行なう。
【0005】
【特許文献1】特開2005−224931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ホゾ1の周囲の切欠き端面2は、木材の予め定めた長手方向のホゾを通る基軸線(図4中P)方向に直交する平面に沿って形成されることが望ましいが、上記のこぎりやカッタ機においては、これらを手で持って操作するので保持が不安定になってしまい、また、上記の切断装置においては、カッタ機8の保持は安定しているが、ベース5に支持される木材Mが丸太の場合には表面が凸凹しているので、木材Mの支持が不安定になってしまい、そのため、切込み3が必ずしも基軸線P方向に直交する平面に沿って形成されにくく、切欠き端面2の基軸線Pに対する直角度が損なわれ仕上がり精度に劣るという問題があった。また、切込み3を入れる際は、木材Mを回転させて、木材Mの端部に対してのこぎりの刃やカッタ機の回転刃7を出し入れするが、出し入れする都度、木材Mの長手方向の位置が一義に定めにくく位置ずれしやすく、そのため、切欠き端面2に段差ができてしまい、この点でも仕上がり精度を損ねてしまう。仕上がり精度を損ねると、左右の切欠き端面間の寸法(L)が不正確になってしまい、ログハウスの品質を低下させてしまう。
【0007】
本発明は、上記の問題点にかんがみて為されたもので、カッタ機の回転刃の切込み方向が、木材の基軸線に直交する方向に確実に沿うようにし、かつ、木材の端部の周囲のいずれの位置から回転刃が端部に進入しても木材の長手方向の所定位置に切込みを入れることができるようにし、切欠き端面の仕上がり精度の向上を図った木材用切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するため本発明の木材用切断装置は、両端部を有した長尺の木材の少なくとも何れか一方の端部の外側を切り欠いて該端部に予め定めた長手方向の基軸線方向に突出したホゾを形成する際、該ホゾの基端周囲に露出し基軸線に直交する平面を有した切欠き端面を形成するため、上記木材の端部に上記切欠き端面に沿う切込みを入れるよう該木材を切断する回転刃を有したカッタ機を備えた木材用切断装置であって、
上記木材の基軸線方向に沿って配設される棒状体と、該棒状体に互いに間隔を隔て突出された一対の突出杆と、該各突出杆の先端部に夫々設けられ上記木材の基軸線に沿う軸を有するとともに木材の端面の基軸線上に突き刺され上記棒状体を上記突出杆を介して該木材の基軸線周りに公転可能にするピンと、上記カッタ機を該カッタ機の回転刃の切込み方向が上記木材の基軸線に直交する方向になるようにかつ該カッタ機を上記棒状体の軸線と平行な軸線を中心に揺動可能に上記棒状体に支持する支持部材とを備えた構成としている。
【0009】
これにより、木材にホゾを形成するため、木材の端部に切欠き端面に沿う切込みを入れる際、本装置を木材に取り付けるときは、木材の端面に予めホゾの断面形状を墨入れにより描き、また、基軸線を定め、先ず、突出杆の先端に設けたピンを木材の端部の基軸線位置に当接するように突き刺す。次に、支持部材で支持したカッタ機の回転刃を、木材の一方の端部においてその切欠き端面の位置に位置させる。この状態で、カッタ機を駆動し、手作業により、カッタ機を適宜揺動させるとともに、棒状体を突出杆を介して木材の基軸線周りに公転させる操作を行ないながら、カッタ機をその回転刃の先端がホゾの基端に沿うように移動させて切断を行なう。また、適宜に木材を回転させながらも切断を行なう。
【0010】
この場合、カッタ機は、支持部材を介して棒状体に支持されているので、保持が安定しており、ぐらつくことがなく、回転刃は、木材の基軸線方向に直交する平面沿って木材に進入するようになる。また、木材の表面が丸太のように凸凹していても、基軸線を中心に回転刃が公転するので、この表面形状に影響されることなく、回転刃による切込みが基軸線方向に直交する平面に沿って形成され、そのため、切欠き端面の基軸線に対する直角度が損なわれる事態が防止され、仕上がり精度が向上させられる。また、切込みを入れる際、木材の端部に対してカッタ機の回転刃を出し入れしても、切込み位置が一義に定められているので、切欠き端面に段差が生じる事態が防止され、この点でも仕上がり精度が向上させられる。
【0011】
木材の一方の端部に切込みを入れたならば、上記と同様に他方の端部にも切込みを入れる。その後、本装置を取外し、木材の端部に描いた墨入れ線に沿って木材の長手方向に切込みを入れ、墨入れ線より外側の部分を切除する。これにより、木材の端部にホゾが形成されるとともに、ホゾの基端周囲に露出した切欠き端面が形成される。この場合、切欠き端面は、上記のように、切込み位置において基軸線方向に直交する段差のない平面になっており、直角度も出ていることから、仕上がり精度が極めてよいものとなっている。そのため、左右の切欠き端面間の寸法が正確になっており、品質が向上させられる。
【0012】
そして、必要に応じ、上記カッタ機を揺動させる軸線を複数設けた構成としている。カッタ機の揺動が、複数の軸線を中心に行なうことができるので、回転刃を、基軸線方向に直交する平面に沿って移動させる自由度が増し、そのため、操作性が向上させられる。
【0013】
また。必要に応じ、上記支持部材に上記棒状体の軸線方向に沿ってスライド可能にするスライダ部を設け、該スライダ部を上記棒状体の所要位置で該棒状体に対して解除可能にロックするロック機構を備えた構成としている。カッタ機の回転刃を、木材の端部においてその切欠き端面の位置に位置させる際、スライダ部をスライドさせて位置決めできるので、位置決めが容易になる。
【0014】
更に、必要に応じ、上記支持部材に、上記棒状体を公転させるための操作ハンドルを設けた構成としている。操作ハンドルにより棒状体を公転させることができ、操作が容易になる。
【0015】
更にまた、必要に応じ、上記突出杆の基端部を支持するとともに上記棒状体に該棒状体の軸線方向に沿ってスライド可能な支持スライダを設け、該支持スライダを上記棒状体の所要位置で該棒状体に対して解除可能にロックするロック機構を備えた構成としている。支持スライダを木材の長さに合わせてスライドさせてピンを位置決めできるので、位置決めが容易になる。
【0016】
また、必要に応じ、上記カッタ機を、丸鋸刃からなる回転刃と、該回転刃が設けられるとともに該回転刃を回転させる駆動モータを備えた本体と、該本体に設けられる把持グリップとを備えて構成している。丸鋸刃を備えた汎用機を利用できるので、装置の製造が容易になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の木材用切断装置によれば、カッタ機の回転刃の切込み方向を、木材の基軸線に直交する方向に確実に沿うようにすることができるとともに、木材の端部の周囲のいずれの位置から回転刃が端部に進入しても木材の長手方向の所定位置に切込みを入れることができ、そのため、切欠き端面の仕上がり精度の向上を図ることができ、木材の品質を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る木材用切断装置について詳細に説明する。
図1乃至図3に示す本発明の実施の形態に係る木材用切断装置Sは、図4に示すように、両端部Ma,Maを有した長尺の丸太からなる木材Mの少なくとも何れか一方の端部Maの外側を切り欠いて、この端部Maに予め定めた長手方向の基軸線P方向に突出したホゾ1を形成する際、ホゾ1の基端1a周囲に露出し基軸線Pに直交する平面を有した切欠き端面2を形成するため、木材Mの端部Maに切欠き端面2に沿う切込み3を入れる装置である。
【0019】
本発明の実施の形態に係る木材用切断装置Sは、カッタ機10を備えている。カッタ機10は、木材Mの端部Maに切欠き端面2に沿う切込み3を入れるよう木材Mを切断する丸鋸刃からなる回転刃11と、回転刃11が設けられるとともに回転刃11を回転させる駆動モータ12を備えた本体13と、本体13に設けられた把持グリップ14とを備えて構成されている。
【0020】
また、本発明の実施の形態に係る木材用切断装置Sは、木材Mの基軸線P方向に沿って配設される棒状体20を備えている。棒状体20は、断面矩形状の金属性パイプで構成されている。
この棒状体20には、互いに間隔を隔て突出され、かつ、棒状体20の軸線方向に直交する方向に突出された一対の突出杆21が設けられている。棒状体20には、各突出杆21の基端部が夫々溶接固定されて支持され、棒状体20の軸線方向に沿ってスライド可能な一対の支持スライダ22が設けられている。支持スライダ22は断面矩形状の金属性パイプで構成されている。図1中符号23は、突出杆21と支持スライダ22との間に架設される補強用のロッドである。
【0021】
また、支持スライダ22を棒状体20の所要位置でこの棒状体20に対して解除可能にロックするロック機構25を備えている。ロック機構25は、支持スライダ22に設けられ棒状体20の軸線方向に直交する方向の軸線を有した雌ネジ(図示せず)と、この雌ネジに螺合し締め付けにより先端が棒状体20に当接して支持スライダ22の移動を停止させ、緩めることにより支持スライダ22の移動を許容するボルト26とから構成されている。雌ネジとボルトの組は、複数組み設けられている。
【0022】
各突出杆21の先端部には、木材Mの基軸線Pに沿う軸を有するとともに木材Mの端面の基軸線P上に突き刺され棒状体20を突出杆21を介して木材Mの基軸線P周りに公転可能にするピン27が夫々設けられている。ピン27は釘で構成され、先端が鋭利に形成された軸部と頭部とを有している。ピン27の軸部は、突出杆21の先端に設けた管状体28に摺動可能に挿通されている。ピン27は、頭部をハンマーで殴打することにより、木材Mの端面に打ち込まれる。管状体28がピン27を中心に回動することにより、棒状体20は突出杆21を介して木材Mの基軸線P周りに公転する。
【0023】
また、棒状体20には、カッタ機10をこのカッタ機10の回転刃11の切込み方向が木材Mの基軸線Pに直交する方向になるように、かつ、カッタ機10を棒状体20の軸線Qと平行な軸線を中心に揺動可能に棒状体20に支持する支持部材30が設けられている。カッタ機10を揺動させる軸線は、複数(実施の形態では2つの軸線R1,R2(図3))設けられ、具体的には2つのヒンジ31,32の軸線で構成されている。
【0024】
詳しくは、支持部材30は、一端にカッタ機10を支持するアーム33と、アーム33の他端が取り付けられ棒状体20の軸線方向に沿ってスライド可能なスライダ部34とを備えている。スライダ部34は断面矩形状の金属性パイプで構成されている。カッタ機10の本体13は一方のヒンジ31を介してアーム33の一端に支持されており、このヒンジ31の軸線R1を中心に揺動可能になっている。また、アーム33の他端は他方のヒンジ32を介してスライダ部34に支持されており、カッタ機10の本体13はアーム33を介してこの他方のヒンジ32の軸線R2を中心にしても揺動可能になっている。更に、支持部材30には、棒状体20を公転させるための操作ハンドル35が設けられている。
【0025】
また、スライダ部34を棒状体20の所要位置でこの棒状体20に対して解除可能にロックするロック機構36を備えている。ロック機構36は、スライダ部34に設けられ棒状体20の軸線Q方向に直交する方向の軸線を有した雌ネジ(図示せず)と、この雌ネジに螺合し締め付けにより先端が棒状体20に当接してスライダ部34の移動を停止させ、緩めることによりスライダ部34の移動を許容するボルト37とから構成されている。雌ネジとボルト37の組は、複数組み設けられている。
【0026】
従って、この実施の形態に係る木材用切断装置Sを用いて、丸太からなる木材Mの端部Maにホゾ1を形成するときは以下のようにして行なう。
木材Mを、例えば、図2に示すように、支持台40に載置し、両端部Maを支持台40から突出させる。次に、図1及び図2に示すように、木材Mの端面にホゾ1の断面形状を墨入れにより描く(墨入れ線X)、また、基軸線Pを定め、木材Mの端面に基軸線Pの通る点に印(Y)をつける。更に、木材Mの切欠き端面2間の寸法Lに基づいて、木材Mの両端部Maの切欠き端面2の位置を定め、当該位置に印(Z)をつける。
【0027】
この状態で、図1乃至図3に示すように、木材Mに木材用切断装置Sを取り付ける。取り付けの際には、先ず、支持スライダ22を木材Mの長さに合わせて移動させ、突出杆21の先端に設けたピン27の先端が木材Mの端面の基軸線P位置(Y)に当接するように、突出杆21の先端に設けた管状体28を木材Mの端面に当接させ、それから、ピン27の頭部をハンマーで殴打してピン27を端部Maに打ち込んで突き刺す。この状態で、支持スライダ22のロック機構25において、ボルト26を締め付け、支持スライダ22の移動を停止させてロックする。この場合、支持スライダ22をスライドさせてピン27を位置決めできるので、位置決めが容易になる。
【0028】
次に、支持部材30のスライダ部34を棒状体20に対してスライドさせ、支持部材30で支持したカッタ機10の回転刃11を、木材Mの一方の端部Maにおいてその切欠き端面2の位置に付した印(Z)に位置させる。この状態で、スライダ部34のロック機構36において、ボルト37を締め付け、スライダ部34の移動を停止させてロックする。この場合、スライダ部34をスライドさせて位置決めできるので、位置決めが容易になる。
【0029】
この状態で、作業者は、一方の手でカッタ機10の本体13に設けられた把持グリップ14を把持するとともに、カッタ機10の駆動モータ12をオンにし回転刃11を回転させる。そして、他方の手で支持部材30の操作ハンドル35を把持し、把持グリップ14を介してカッタ機10を揺動させて木材Mの所要位置(Z)に回転刃11を当てて木材Mを切り込んでいく。そして、カッタ機10を適宜揺動させるとともに、支持部材30の操作ハンドル35により、棒状体20を突出杆21を介して木材Mの基軸線P周りに公転させる操作を行ないながら、カッタ機10をその回転刃11の先端がホゾ1の基端1aに沿うように移動させる。また、適宜に木材Mを支持台40上に回転させながらも切断を行なう。
【0030】
この場合、カッタ機10は、支持部材30を介して棒状体20に支持されているので、保持が安定しており、ぐらつくことがなく、回転刃11は、木材Mの基軸線P方向に直交する平面に沿って木材Mに進入するようになる。また、木材Mは丸太なので表面が凸凹しているが、基軸線Pを中心に回転刃11が公転するので、この表面形状に影響されることなく、回転刃11による切込み3が基軸線P方向に直交する平面に沿って形成され、そのため、切欠き端面2の基軸線Pに対する直角度が損なわれる事態が防止され、仕上がり精度が向上させられる。また、切込み3を入れる際、木材Mの端部Maに対してカッタ機10の回転刃11を出し入れしても、切込み3位置が一義に定められているので、切欠き端面2に段差が生じる事態が防止され、この点でも仕上がり精度が向上させられる。更に、この場合、カッタ機10の揺動が、2つのヒンジ31,32を中心に行なうことができ、即ち、複数の軸線R1,R2を中心に行なうことができるので、回転刃11を、基軸線P方向に直交する平面に沿って移動させる自由度が増し、そのため、操作性が向上させられる。
【0031】
一方の端部Maに切込み3を入れたならば、上記と同様に他方の端部Maにも切込み3を入れる。
その後、本装置Sを取外し、木材Mの端面に描いた墨入れ線(X)に沿って木材Mの長手方向に切込みを入れ、墨入れ線(X)より外側の部分を切除する。これにより、木材Mの端部Maにホゾ1が形成されるとともに、ホゾ1の基端1a周囲に露出した切欠き端面2が形成される。この場合、切欠き端面2は、上記のように、切込み位置において基軸線P方向に直交する段差のない平面になっており、直角度も出ていることから、仕上がり精度が極めてよいものとなっている。そのため、左右の切欠き端面2間の寸法(L)が正確になっており、品質が向上させられる。
【0032】
尚、上記実施の形態では、カッタ機10として、丸鋸刃を備えたものを用いたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、回転刃11としてチェーンを有した電動のカッタ機(チェーンソー)を用いてもよく、適宜変更して差支えない。
また、木材Mとして、丸太の例で説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、角材などどのような木材Mであってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係る木材用切断装置をその使用状態とともに示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る木材用切断装置をその使用状態とともに示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る木材用切断装置をその使用状態とともに示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る木材用切断装置が加工する木材の例を示す斜視図である。
【図5】従来の木材用切断装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
S 木材用切断装置
M 木材(丸太)
Ma 端部
P 基軸線
1 ホゾ
1a 基端
2 切欠き端面
3 切込み
10 カッタ機
11 回転刃
12 駆動モータ
13 本体
14 把持グリップ
20 棒状体
Q 軸線
21 突出杆
22 支持スライダ
25 ロック機構
27 ピン
28 管状体
30 支持部材
31,32 ヒンジ
R1,R2 軸線
33 アーム
34 スライダ部
35 操作ハンドル
36 ロック機構
40 支持台
【出願人】 【識別番号】506332306
【氏名又は名称】藤原 定雄
【出願日】 平成18年10月2日(2006.10.2)
【代理人】 【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作


【公開番号】 特開2008−87323(P2008−87323A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−270573(P2006−270573)