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【発明の名称】 ベニヤ単板の処理方法
【発明者】 【氏名】太田 隆

【氏名】山田 義昭

【要約】 【課題】同じ原木から削成される未乾燥の単板が、削成時の配列順序とは異なる配列順序で横剥処理されることを防止する。

【解決手段】ベニヤレースの後位に位置する単板切断処理装置4Aの後位に、単板堆積機5を備え、少なくとも不用部分を有する単板2については、単板切断処理装置4Aを用いて不要部分の少なくとも一部を切除すると共に、各単板相互の間隔を、所望の間隔以下に詰寄せ、且つ、所望の定尺長さ毎に切り揃えて、所望定尺長さの生定尺単板群2Aを形成すると共に、該生定尺単板群2Aを所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する生定尺単板群の堆積山6Aを形成し、次いで該堆積山6Aを生単板横剥装置8Aの前位に移送する途中に於て、堆積山6Aの向きを逆向きに改めてから、生単板横剥装置8Aの前位に移送し、前記堆積山6Aの上部から順に生定尺単板群2Aを取り出して生単板横剥装置8Aに挿入する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベニヤレースから削成されるベニヤ単板の内で、少なくとも不用部分を有するベニヤ単板については、適宜の単板切断処理装置を用いて、不用部分の少なくとも一部を切除した後に、各ベニヤ単板の相互の間隔を、所望の間隔以下に詰寄せ、且つ、複数枚のベニヤ単板の累積長さが所望の定尺長さに達する都度、定尺長さ毎に切断して、所望定尺長さの生定尺単板群を形成すると共に、該生定尺単板群を所定の堆積場所に順次所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する生定尺単板群の堆積山を形成し、次いで該生定尺単板群の堆積山を、適宜の生単板横剥装置の前位に移送した後に、該生単板横剥装置を用いて、各ベニヤ単板の相互を、所望の接合材を用いて横剥処理する場合に、前記生定尺単板群の堆積山の向きを、逆向きに改めて生単板横剥装置の前位に移送し、堆積処理した際のベニヤ単板の進行方向とは逆の方向から順々に、各ベニヤ単板を取出して生単板横剥装置へ挿入することを特徴とするベニヤ単板の処理方法。
【請求項2】
同じ原木から削成されて形成された二枚の生定尺単板群を予め上下に重ね合わせてから、同じ堆積場所へ一緒に堆積する場合には、常に、先行する生定尺単板群が下に、後続する生定尺単板群が上になるように重ね合わせて成る請求項1記載のベニヤ単板の処理方法。
【請求項3】
不用部分を有しない帯状のベニヤ単板についても、生定尺単板群と同じ定尺長さで定尺切断して、生定尺単板群と同じ堆積場所に堆積すると共に、生単板横剥装置を用いて、生定尺単板群と同様に横剥処理して成る請求項1又は請求項2記載のベニヤ単板の処理方法。
【請求項4】
不用部分を有しない帯状のベニヤ単板については、所望の分岐点に於て、不用部分を有するベニヤ単板とは分別して後工程へ移送し、所望の後処理を施して成る請求項1又は請求項2記載のベニヤ単板の処理方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ベニヤ単板の処理方法に関するものであり、より詳細には、ベニヤレースで削成したベニヤ単板(以下、単に単板と称す)の内で、少なくとも不用部分を有する単板について、生状態(未乾燥状態)にて横剥処理する際の処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ベニヤレースから削成される単板の内で、旋削初期等に多く削成される、不用部分を有する単板については、単純な廃棄処理を含めて、種々の処理形態が採られているが、現在最も普及しているのは、例えば図8に例示する如く、原木1から単板2を削成するベニヤレース3の後位に位置する単板切断機4の後位に、単板堆積機5を備え、少なくとも不用部分を有する単板2については、単板切断機4を用いて不要部分の少なくとも一部(仮に、不要部分が少々残存しても実用的に差支えない場合があり、必ずしも全て切除することが必須ではない)を切除すると共に、各単板相互の間隔を、所望の間隔以下に詰寄せ、且つ、所望の定尺長さ毎に切り揃えて、所望定尺長さの生定尺単板群2Aを形成すると共に、単板堆積機5を用いて該生定尺単板群2Aを所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する生定尺単板群の堆積山6Aを形成する工程と、該堆積山6Aを単板乾燥機7の前位に移送した後に、人手又は単板挿入機(図示省略)を用いて、堆積山6Aの上部から順に生定尺単板群2Aを取り出して単板乾燥機7に挿入し、該単板乾燥機7によって所望の乾燥率に乾燥した後に、人手又は単板堆積機(図示省略)を用いて、所望定尺長さの乾燥定尺単板群2Bに改めて組み直しつつ、所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する乾燥定尺単板群の堆積山6Bを形成する工程と、該堆積山6Bを乾燥単板横剥機8の前位に移送した後に、人手又は単板挿入機(図示省略)を用いて、堆積山6Bの上部から順に乾燥定尺単板群2Bを取り出して乾燥単板横剥機8に挿入し、適宜の接合材(図示省略)を用いて、各単板同士を順次接合すると共に、所望の定尺長さ毎に切り揃えて、所望の定尺長さを有する乾燥接合定尺単板2Cを形成し、更に単板堆積機5を用いて該乾燥接合定尺単板2Cを所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する乾燥接合定尺単板の堆積山6Cを形成する工程とを段階的に実施する処理形態である。
【0003】
因に、不用部分を有しない単板については、図示は省略したが、所望の分岐点(例えばベニヤレースと単板切断機の間)に於て、不用部分を有する単板とは分別して、別途に定尺切断すると共に、乾燥を施してから堆積することにより、無接合定尺単板の堆積山を形成する処理形態と、前記図8の如き工程を以って、不用部分を有する単板に準じて処理する処理形態との二通りのが採られており、前者の処理形態によると、総じて処理工程が比較的高速化できるなどの利点がある反面、乾燥に伴う収縮率の相違に起因して、無接合定尺単板の長さが不揃いとなるので、単板歩留りが低下するなどの弱点があり、逆に後者の処理形態によると、総じて処理工程が低速化するなどの弱点がある反面、乾燥接合定尺単板の長さは正確であって、単板歩留りが向上するなどの利点があるが、いずれにしても、前記図8の如き工程を以って、不用部分を有する単板を処理する場合には、単に処理工程が煩雑化する難点があるのみならず、堆積山の端の未接合単板が欠落したり、或は人手によって堆積山から単板を取り出す際に、単板が損傷し易いなどの不具合が発生する虞があり、理想的な処理形態であるとは言い難い。
【0004】
従って、これまでにも、前記普及している処理形態の欠陥の解消を図る提案が成されており、例えば特許文献1に開示されている提案は、図9に例示する如く、ベニヤレース等の単板切削機3A、単板矯正機(図示省略)、単板切断機4、生単板横剥機8B、単板乾燥機7、単板堆積機5等を一連に直結し、切削工程から横剥工程を経て堆積工程までを直列的に実施して、最終製品の堆積山6を連続的に形成することにより、処理工程の合理化を図らんとするものである。尚、近来のベニヤレースは、単板矯正機能を内蔵する形式が一般的であることから、図9に於ては、特許文献1に開示されている単板矯正機の図示を省略したものであり、後述する実施例のベニヤレースについても、原則的に、単板矯正機能を内蔵するのが好ましいが、必要に応じて、単板矯正機を個別に配備しても良い。
【0005】
しかしながら、前記特許文献1の直結処理工程によると、一連の工程の処理速度は、最も遅い機械(一般的には、生単板横剥機)に適合させることが必須となるので、他の機械の能力を大幅に削ぐことになる致命的な欠陥があり、而も、特許文献1の提案が成された時点に於ける生単板横剥機の性能(処理速度・接合の安定性等)は、不満足なものであったことから、結果的に、斯様な提案が実用化されて普及するには至らなかった。
【特許文献1】特開昭58−138603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本出願人は、先に「ベニヤ単板の接合方法及び接合装置」(特開2003−291106号公報)に開示する如く、処理能率と接合の安定性に優れる性能を具備した生単板横剥機を新たに開発して実用に供すると共に、次善の策として、例えば図1に例示する如く、原木1から単板2を削成するベニヤレース3の後位に位置する単板切断処理装置4Aの後位に、単板堆積機5を備え、少なくとも不用部分を有する単板2については、単板切断処理装置4Aを用いて不要部分の少なくとも一部を切除すると共に、各単板相互の間隔を、所望の間隔以下に詰寄せ、且つ、所望の定尺長さ毎に切り揃えて、所望定尺長さの生定尺単板群2Aを形成すると共に、単板堆積機5を用いて該生定尺単板群2Aを所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する生定尺単板群の堆積山6Aを形成する工程と、該堆積山6Aを、生単板横剥装置8Aの前位に移送した後に、人手又は単板挿入機(図示省略)を用いて、堆積山6Aの上部から順に生定尺単板群2Aを取り出して生単板横剥装置8Aに挿入し、適宜の接合材(図示省略)を用いて、各単板同士を順次接合すると共に、所望の定尺長さ毎に切り揃えて、所望の定尺長さを有する生接合定尺単板2Dを形成し、更に単板堆積機5を用いて該生接合定尺単板2Dを所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する生接合定尺単板の堆積山6Dを形成する工程と、該堆積山6Dを単板乾燥機7の前位に移送した後に、人手又は単板挿入機(図示省略)を用いて、堆積山6Dの上部から順に生接合定尺単板2Dを取り出して単板乾燥機7に挿入し、該単板乾燥機7によって所望の乾燥率に乾燥して、乾燥接合定尺単板2Eを形成した後に、人手又は単板堆積機(図示省略)を用いて、所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する乾燥接合定尺単板の堆積山6Eを形成する工程とを段階的に実施する処理形態を提案・実施するに至った。
【0007】
述上の如き提案の処理形態によれば、少なくとも生単板横剥装置の横剥処理工程以降に於ては、堆積山の端の単板が欠落したり、或は人手によって堆積山から単板を取り出す際に、単板が損傷し易いなどの不具合が発生する虞が抑止されて、先記普及している処理形態の欠陥の一部を解消することができるのみならず、単板乾燥機への充填効率が飛躍的に向上するで、極めて効果的であり、また必要に応じては、図示は省略したが、前記乾燥接合定尺単板の堆積山を改めて乾燥単板横剥機の前位に移送して、再度横剥処理を施すことにより、より高品質の乾燥接合定尺単板を形成する処理形態を付加することも可能であって、実用性に富むことから、徐々に実施数が増加しつつあるが、近時、処理する原木の種類が多様化するに至って、新たな問題が発生することが判明した。
【0008】
ここで、前記新たな問題の原因が、単板の配列順序に拘わることから、先ず、同じ原木から削成される単板の配列順序の推移について、模式化して(生定尺単板群を構成する単板の枚数を最少の二枚として)詳述すると、例えば図5に例示する如く、単板切断処理装置4Aによって不用部分を切除し、相互の間隔を、所望の間隔以下に詰寄せた、複数枚の単板2a・2bから成る生定尺単板群2Aと、同じく複数枚の単板2c・2dから成る生定尺単板群2Aとを、表記した順序で処理して、単板堆積機5を用いて堆積し、所望高さを有する生定尺単板群の堆積山6Aに形成した後に、常法通り、該堆積山6Aを、そのまま生単板横剥装置8Aの前位に移送して、上部から順に生単板横剥装置8Aに挿入すると、各単板の配列順序が部分的に入れ替って、2c・2d・2a・2bの順に接合されることとなる。
【0009】
また、例えば「ベニヤ単板の高速処理装置」(特公昭59−5084号公報)・「ベニヤ単板処理装置」(特公平2−26569号公報)・「ベニヤ単板の直結集約処理装置」(特開平5−200706号公報)等で公知の通り、順に形成された二枚の生定尺単板群を予め上下に重ね合わせてから、同じ堆積場所へ一緒(同時)に堆積する処理形態も既に実用化されており、堆積処理の高速化・簡略化等に極めて有効であることから、昨今の単板処理工程にあっては、もはや実用工程の主流を占めるに至っているが、この場合にも、同様の現象が発生することになる。
【0010】
即ち、例えば図6に例示する如く、単板切断処理装置4Aによって不用部分を切除し、相互の間隔を、所望の間隔以下に詰寄せた、先行する複数枚の単板2e・2fから成る生定尺単板群2Aを上部の搬送路へ流し、下部の搬送路に後続する複数枚の単板2g・2hから成る生定尺単板群2Aの到来に適応させて、二枚の生定尺単板群2Aを予め重ね合わせてから、同じ堆積場所へ一緒に堆積し、次いで、同様に先行する複数枚の単板2j・2kから成る生定尺単板群2Aを上部の搬送路へ流し、下部の搬送路に後続する複数枚の単板2m・2nから成る生定尺単板群2Aの到来に適応させて、二枚の生定尺単板群2Aを予め重ね合わせてから、同じ堆積場所へ一緒に堆積することによって、所望高さを有する生定尺単板群の堆積山6Aを形成した後に、常法通り、そのまま生単板横剥装置8Aの前位に移送して、上部から順に生単板横剥装置8Aに挿入すると、各単板の配列順序が、2j・2k・2m・2n・2e・2f・2g・2hの順に入れ替って接合されることとなる。
【0011】
また一方、前記と同様に二枚の生定尺単板群を予め上下に重ね合わせてから、同じ堆積場所へ一緒に堆積する処理形態を採る場合に、図7に例示する如く、前記実例とは逆に、先行する複数枚の単板2e・2f(2j・2k)から成る生定尺単板群2Aを下部の搬送路へ流し、後続する複数枚の単板2g・2h(2m・2n)から成る生定尺単板群2Aを上部の搬送路へ流して、二枚の生定尺単板群2Aを予め重ね合わせる場合には、各単板の配列順序が、2m・2n・2j・2k・2g・2h・2e・2fの順に入れ替って接合されることとなり、いずれの場合も、堆積する前とは配列順序が部分的に異なる状態にて、隣合う単板同士が接合される結果となる。
【0012】
而して、述上の如く、たとえ同じ原木から削成される単板の配列順序が部分的に入れ替わって接合されることがあっても、従前は、全体の性状が略一様な南洋材原木が主に消費されていたので、格別問題が発生することはなく、或は問題が発生していても看過されていたが、近時、例えば国産の杉材等の針葉樹など、部分毎の性状が著しく異なる原木の消費量が増大するにつれて問題が、特に乾燥に伴う単板の繊維方向に於ける収縮率の相違に起因して、単板の接合に供した接合材が、単板から外れたり切れたりする問題が発生する頻度が高くなり、単板の接合の一部が無用化して、単板乾燥機の後位に於ける接合単板の取扱い性を劣化させる弊害を惹起するようになった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、斯様な問題の発生を抑止すべく開発したものであって、具体的には、主体的な発明として、ベニヤレースから削成される単板の内で、少なくとも不用部分を有する単板については、適宜の単板切断処理装置を用いて、不用部分の少なくとも一部を切除した後に、各単板の相互の間隔を、所望の間隔以下に詰寄せ、且つ、複数枚の単板の累積長さが所望の定尺長さに達する都度、定尺長さ毎に切断して、所望定尺長さの生定尺単板群を形成すると共に、該生定尺単板群を所定の堆積場所に順次所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する生定尺単板群の堆積山を形成し、次いで該生定尺単板群の堆積山を、適宜の生単板横剥装置の前位に移送した後に、該生単板横剥装置を用いて、各単板の相互を、所望の接合材を用いて横剥処理する場合に、前記生定尺単板群の堆積山の向きを、逆向きに改めて生単板横剥装置の前位に移送し、堆積処理した際の単板の進行方向とは逆の方向から順々に、各単板を取出して生単板横剥装置へ挿入することを特徴とする単板の処理方法(請求項1)を提案する。
【0014】
また、応用的な発明として、同じ原木から削成されて形成された二枚の生定尺単板群を予め上下に重ね合わせてから、同じ堆積場所へ一緒に堆積する場合には、常に、先行する生定尺単板群が下に、後続する生定尺単板群が上になるように重ね合わせて成る請求項1記載の単板の処理方法(請求項2)と、不用部分を有しない帯状の単板についても、生定尺単板群と同じ定尺長さで定尺切断して、生定尺単板群と同じ堆積場所に堆積すると共に、生単板横剥装置を用いて、生定尺単板群と同様に横剥処理して成る請求項1又は請求項2記載の単板の処理方法(請求項3)と、不用部分を有しない帯状の単板については、所望の分岐点に於て、不用部分を有する単板とは分別して後工程へ移送し、所望の後処理を施して成る請求項1又は請求項2記載の単板の処理方法(請求項4)とを提案する。
【発明の効果】
【0015】
前記請求項1に係る発明によれば、生定尺単板群の堆積山の向きを逆向きに改めて、堆積処理した際の単板の進行方向とは逆の方向から順々に、各単板を取出すものであるから、同じ原木から削成される単板については、配列順序が入れ替わることがなく(但し、進行方向は逆になる)、性状が同じ乃至は類似する単板同士が接合されることになるので、乾燥に伴う単板の繊維方向に於ける収縮率の相違に起因して、単板の接合に供した接合材が、単板から外れたり切れたりする問題が発生する虞が抑止される。また、請求項2に係る発明によれば、二枚の定尺単板群を予め上下に重ね合わせてから、同じ堆積場所へ一緒に堆積する処理形態を採る場合であっても、結果的に、配列順序が入れ替わることがなく(但し、進行方向は逆になる)、前記問題の発生を抑止することができる。
【0016】
一方、不用部分を有しない帯状の単板の処理については、請求項3に係る発明の如く、不用部分を有する単板に準じて処理する形態と、請求項4に係る発明の如く、不用部分を有する単板とは分別して処理する形態とのいずれの処理形態を採っても差支えなく、夫々に、既に従来技術の説明(段落0003参照)で延べたような利点・弱点が存在するが、前者の処理形態によると、同じ原木から削成される全ての単板について、性状が同じ乃至は類似する単板同士が接合されることになるので、相応に有効ではある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を図面に例示した実施の一例に基づいて説明するが、生定尺単板群の表記については、説明を簡明化する便宜上、先記従来技術の説明に準じて、模式化して表記する。因に、現実に於ては、生定尺単板群を構成する単板の枚数は種々変動する(3枚以上となる場合も多い)が、たとえ枚数が増えても、配列順序が途中で入れ替わることはない。また、本発明の実施に用いる装置類・機器類については、格別な制約はなく、この種の単板処理に供されている、従来公知のあらゆる形式の装置類・機器類を支障なく用いることが可能である。
【実施例】
【0018】
本発明は、図1に例示する如く、原木1から単板2を削成するベニヤレース3の後位に位置する単板切断処理装置4Aの後位に、単板堆積機5を備え、少なくとも不用部分を有する単板2については、単板切断処理装置4Aを用いて不要部分の少なくとも一部を切除すると共に、各単板相互の間隔を、所望の間隔以下に詰寄せ、且つ、所望の定尺長さ毎に切り揃えて、所望定尺長さの生定尺単板群2Aを形成すると共に、該生定尺単板群2Aを所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する生定尺単板群の堆積山6Aを形成し、次いで該堆積山6Aを生単板横剥装置8Aの前位に移送した後に、人手又は単板挿入機(図示省略)を用いて、前記堆積山6Aの上部から順に生定尺単板群2Aを取り出して生単板横剥装置8Aに挿入して処理する場合に、図2に例示する如く、移送途中に於て堆積山6Aの向きを、逆向きに改めて生単板横剥装置8Aの前位に移送し、堆積処理した際の単板の進行方向とは逆の方向から順々に、各単板を取出して生単板横剥装置8Aへ挿入するものである。
【0019】
斯様な処理方法により、例えば複数枚の単板2a・2bから成る生定尺単板群2Aと、同じく複数枚の単板2c・2dから成る生定尺単板群2Aとを、表記した順序で処理して堆積し、所望高さを有する生定尺単板群の堆積山6Aに形成した後に、該堆積山6Aの向きを、逆向きに改めて生単板横剥装置8Aの前位に移送して、上部から順に生単板横剥装置8Aに挿入すると、図2からも明らかな如く、各単板は2d・2c・2b・2a・の順に接合されることとなり、進行方向は、堆積処理した時と逆になるものの、配列順序が部分的に入れ替わることはなく、性状が同じ乃至は類似する単板同士が接合されることになるので、乾燥に伴う単板の繊維方向に於ける収縮率の相違に起因して、単板の接合に供した接合材が単板から外れたり切れたりする問題の発生を抑制することができる。
【0020】
また、二枚の生定尺単板群を予め上下に重ね合わせてから、同じ堆積場所へ一緒に堆積する処理形態を採る場合に於ても、図3に例示する如く、常に、先行する生定尺単板群が下に、後続する生定尺単板群が上になるように重ね合わせる処理形態、即ち、例えば先行する複数枚の単板2e・2f(2j・2k)から成る生定尺単板群2Aを下部の搬送路へ流し、後続する複数枚の単板2g・2h(2m・2n)から成る生定尺単板群2Aを上部の搬送路へ流して、二枚の生定尺単板群2Aを重ね合わせる処理形態を採れば、生定尺単板群の堆積山6Aの向きを、逆向きに改めるのに伴って、図3からも明らかな如く、各単板は2n・2m・2k・2j・2h・2g・2f・2eの順に接合されることとなり、進行方向は、堆積処理した時と逆になるものの、配列順序が部分的に入れ替わることはなく、やはり前記問題の発生を抑制することが可能となる。
【0021】
因に、二枚の生定尺単板群を予め上下に重ね合わせてから、同じ堆積場所へ一緒に堆積する処理形態を採る場合に於て、例えば図4に例示する如く、先行する生定尺単板群が上に、後続する生定尺単板群が下になるように重ね合わせる処理形態、即ち、図示する如く、先行する複数枚の単板2e・2f(2j・2k)から成る生定尺単板群2Aを上部の搬送路へ流し、後続する複数枚の単板2g・2h(2m・2n)から成る生定尺単板群2Aを下部の搬送路へ流して、二枚の生定尺単板群2Aを重ね合わせる処理形態を採った場合には、たとえ生定尺単板群の堆積山6Aの向きを、逆向きに改めたとしても、図4からも明らかな如く、各単板は2k・2j・2n・2m・2f・2e・2h・2gの順に接合されることとなり、やはり配列順序が部分的に入れ替わるので、前記問題の発生は不可避であって、単に二者択一的に生定尺単板群の堆積山の向きを、逆向きに改めるだけで、問題が解決するわけではない。
【0022】
尚、本発明の実施に際しては、適宜の単板切断処理装置を用いて、非帯状の単板の不用部分の少なくとも一部を切除した後に、各単板の相互の間隔を、所望の間隔以下に詰寄せ、且つ、複数枚の単板の累積長さが所望の定尺長さに達する都度、定尺長さ毎に切断して、所望定尺長さの生定尺単板群を形成すると共に、該生定尺単板群を所定の堆積場所に順次所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する生定尺単板群の堆積山を形成する工程と、該生定尺単板群の堆積山を、適宜の生単板横剥装置の前位に移送した後に、該生単板横剥装置を用いて、各単板の相互を、所望の接合材を用いて横剥処理して生接合定尺単板を形成し、更に単板堆積機を用いて該生接合定尺単板を所望高さに至るまで堆積して、所望高さを有する生接合定尺単板の堆積山を形成する工程とは、必ずしも一直線状に配列実施する必要はなく、相互の処理速度の適合化を図るべく、例えば前者の工程を一列状にて実施した後に、後者の工程を前者の工程と平行な方向の上下の複数列状又は左右の複数列状に配列実施しても良く、或は例えば前者の工程を一列状にて実施した後に、後者の工程を前者の工程と直交する方向に於て複数列状に配列実施することにより、相互の処理速度の適合化を図るようにしても差支えない。
【0023】
従って、生接合定尺単板の堆積山の向きを、逆向きに改めることについても、必ずしも180度回転させる態様に限るものではなく(前段落0022で述べた最後の変更例では、90度で足りる)、要は前者の工程に於ける単板切断処理装置(及び単板堆積機)の処理方向に対する堆積山の向きを、後者の工程に於ける生単板横剥装置の処理方向に対して逆向きに改めれば足りる。
【0024】
更に、本発明の実施に用いる装置類・機器類として、従来公知の装置類・機器類を用いることが可能であることは既に述べたが、具体的な態様について若干補足説明すると、単板の不用部分の切断(及び除去)と定尺切断とを行う単板切断処理装置については、単一の切断用刃物を用いて、適時に前記両切断を選択的に実施する形式と、各別に備えた二つの切断用刃物を用いて、適時に前記両切断を個別に実施する形式とのいずれの形式であっても差支えない。
【0025】
また、各単板同士を順次接合する生単板横剥装置については、先記特許文献1に開示される形式の如く、単に横剥機構(横剥機能)のみを具備する形式のみならず、先記特開2003−291106号公報に開示された複数の形式の内で、例えば図9に開示される形式の如く、横剥機構に加えて、切断機構を併設した形式のものも、当然に適用可能であり、後者の形式は、切断機構により、改めて適確に単板の不用部分が切除できるの有効であるが、いずれにしても、接合材の態様には格別な制約がないので、各種接着剤・各種テープ類・各種線材・各種ステイプル等々、従来公知の種々の接合材を単独で、或は必要に応じては、それらの複数種を並立的に又は複合的に組合わせて用いて差支えない。
【0026】
また、生単板横剥装置に付随する各種のコンベヤ等を介して、不要部分の少なくとも一部を切除した各単板同士の間隔を、所望の間隔以下に詰寄せる時期や場所についても、格別の制約はなく、要は単板堆積機によって生定尺単板群を順次堆積する前までに(一枚づつ堆積する場合)、或は二枚の生定尺単板群を予め上下に重ね合わせる前までに、生定尺単板群として形成し得れば足りる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上明らかな如く、本発明に係る単板の処理方法によれば、同じ原木から削成された単板については、削成時と変わらぬ配列順序を保って、生状態にて横剥処理することが可能となり、後工程での乾燥に伴う単板の繊維方向に於ける収縮率の相違に起因して、単板の接合に供した接合材が、単板から外れたり切れたりする問題の発生が抑制されるので極めて有益であり、資源の枯渇化に伴う合板用原木の多様化(性状の不均一な未利用材の活用)、国産材の使用復活などが取沙汰される昨今の原木事情に照らし、斯界に於ける本発明の実施効果は著大である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を含めた一連の単板の処理方法を実施する工程の工程説明図である。
【図2】本発明に係る単板の処理方法を実施する工程の工程説明図である。
【図3】本発明に係る単板の処理方法を実施する別の工程の工程説明図である。
【図4】本発明に類似する不適切な処理方法を実施する工程の工程説明図である。
【図5】従来の単板の処理方法を実施する工程の工程説明図である。
【図6】従来の単板の処理方法を実施する別の工程の工程説明図である。
【図7】従来の単板の処理方法を実施する更に別の工程の工程説明図である。
【図8】現在最も普及している単板の処理方法を実施する工程の工程説明図である。
【図9】特許文献1に係る単板の処理方法を実施する工程の工程説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 :原木
2 :単板
2A :生定尺単板群
2B :乾燥定尺単板群
2C・2E :乾燥接合定尺単板
2D :生接合定尺単板
3 :ベニヤレース
4 :単板切断機
4A :単板切断処理装置
5 :単板堆積機
6 :最終製品の堆積山
6A :生定尺単板群の堆積山
6B :乾燥定尺単板群の堆積山
6C・6E :乾燥接合定尺単板の堆積山
6D :生接合定尺単板の堆積山
7 :単板乾燥機
8 :乾燥単板横剥機
8A :生単板横剥装置
8B :生単板横剥機
【出願人】 【識別番号】000155182
【氏名又は名称】株式会社名南製作所
【出願日】 平成19年4月26日(2007.4.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−272970(P2008−272970A)
【公開日】 平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願番号】 特願2007−116801(P2007−116801)