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木質化粧板の表面溝加工方法 - 特開2008−265181 | j-tokkyo
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【発明の名称】 木質化粧板の表面溝加工方法
【発明者】 【氏名】深代 靖之

【要約】 【課題】木質化粧板の表面の溝部に生じる毛羽立ちを抑え、着色に用いた塗料の未気化溶剤に起因する凹凸部分等を圧潰して平滑な溝加工面とする木質化粧板の表面溝加工方法を提供する。

【解決手段】木質化粧板1の表面に溝加工を行う方法であって、切削加工により形成された溝加工面を着色し、着色に用いた塗料を乾燥後、上記溝加工面を加熱下に圧締ブレード3で加圧する熱圧締工程と上記熱圧締後、ローラ状補助治具4により上記溝加工面の特定部位を集中的に転圧する転圧工程とを含んでなる木質化粧板の表面溝加工方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質化粧板の表面に溝加工を行う方法であって、切削加工により形成された溝加工面を着色し、着色に用いた塗料を乾燥後、上記溝加工面を加熱下に圧締ブレードで加圧する熱圧締工程と上記熱圧締後、ローラ状補助治具により上記溝加工面の特定部位を集中的に転圧する転圧工程とを含んでなる木質化粧板の表面溝加工方法。
【請求項2】
上記塗料が水性塗料である請求項1に記載の木質化粧板の表面溝加工方法。
【請求項3】
上記熱圧締工程を温度150〜200℃の範囲、圧力2〜5kg/cm2の範囲の加熱、加圧下で行う請求項1に記載の木質化粧板の表面溝加工方法。
【請求項4】
上記圧締ブレードの尖端部の断面がV字型である請求項1に記載の木質化粧板の表面溝加工方法。
【請求項5】
上記ローラ状補助治具が独立して転圧する複数のローラからなるとともに、その荷重部分の断面がくさび型であるものを含む請求項1に記載の木質化粧板の表面溝加工方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木質板材の溝加工方法に関する。さらに詳しくは、表面化粧された木質板材に溝加工を行う、表面溝加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、木材資源が枯渇しつつあり、ムクの木材の入手が困難となっているため、種々の木質板材、例えば、合板、集成材、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード等が、価格的にも入手し易く、強度的にも優れていることから、表面を化粧して、床材、壁材、天井材等の分野に広く使用されている。
【0003】
上記木質化粧板には、通常、疑似目地を設けるとともに、意匠性を向上させる目的で切削加工等によりV字状の溝等の化粧溝加工が施される。しかしながら、溝加工を施して、とくに床材として使用したとき、溝加工面に毛羽立ちが生じ、靴下やストッキング等の繊維が引っ掛かり、伝線等が生じる等の問題や、拭き掃除の際に布の繊維の一部が溝部に残る等の問題がある。このような問題を解決するため、従来、種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、適宜な厚みを有する長方形状の合板からなる基材の表面に、繊維方向を該基材表層の繊維方向に略直交させて、非熱帯産広葉樹散孔材からなる薄目のスライス単板が貼着され、このスライス単板の表面に、繊維方向を該スライス単板の繊維方向に略直交させてこのスライス単板の1/2〜2倍の厚みを有する化粧単板が貼着されてあり、さらに、この化粧単板の繊維方向に沿って該化粧単板の表面から基板に達する深さの化粧溝を設けてなる床板が提案されている。
【0005】
そして、スライス単板は非熱帯産広葉樹からなるので、導管孔が均等に散在した状態となっており、かつ薄いことと相俟って化粧溝がほとんど損なわれることなく、良好な仕上げ塗装が可能となるという効果がある旨記載されている。
【特許文献1】特開平06−146552号公報(第1〜3頁、第1図、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、マカンバやカツラ、ブナ、カエデ、シナノキ等、国産の均質な広葉樹散孔材を用いなければならず、通常使用される木質化粧板、例えば、普通合板、集成材、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード等に必ずしも適用できる技術とはいえない。
【0007】
本発明は、このような状況のもとで考え出されたものであり、木質化粧板の表面に切削加工により溝加工を施した際、溝部に生じる毛羽立ちや、着色に用いた塗料の未気化溶剤に起因する凹凸部分を加熱、加圧下に圧潰して平滑とし、木質化粧板の表面にデザイン性よく溝加工する方法を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明においては、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、木質化粧板の表面に溝加工を行う方法であって、切削加工により形成された溝加工面を着色し、着色に用いた塗料を乾燥後、上記溝加工面を加熱下に圧締ブレードで加圧する熱圧締工程と上記熱圧締後、ローラ状補助治具により上記溝加工面の特定部位を集中的に転圧する転圧工程とを含んでなる木質化粧板の表面溝加工方法が提供される。
【0009】
上記木質化粧板としては、とくに限定されず、合板、集成材、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード等からなる基材の表面に突板、化粧シート等を貼着して化粧したものが用いられる。また、切削加工により形成される溝は化粧溝であればとくに限定されず、例えば、V字状、U字状等の溝をあげることができる。着色に用いる塗料も水性塗料、油性塗料等、木質材料用のものであれば、とくに限定されず、用いることができる。
【0010】
請求項2に記載の木質化粧板の表面溝加工方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記塗料が水性塗料とされる。
【0011】
請求項3に記載の木質化粧板の表面溝加工方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記熱圧締工程が温度150〜200℃の範囲、圧力2〜5kg/cm2の範囲の加熱、加圧下で行われる。
【0012】
請求項4に記載の木質化粧板の表面溝加工方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記圧締ブレードの尖端部の断面がV字型とされる。
【0013】
請求項5に記載の木質化粧板の表面溝加工方法は、請求項1に記載の発明に加えて、上記ローラ状補助治具が独立して転圧する複数のローラからなるとともに、その荷重部分の断面がくさび型であるものが含まれる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明にかかる木質化粧板の表面溝加工方法は上記のとおりであり、溝加工面の着色に用いた塗料を乾燥後、着色された溝加工面を加熱下に圧締ブレードで加圧する熱圧締工程とローラ状補助治具により上記溝加工面の特定部位を集中的に転圧する転圧工程とを含んでなるため、上記溝加工面の木質繊維を全体的に圧着させた後、なおも毛羽立っている部分や、加熱によって塗料の溶剤、例えば、水性塗料の残存水分が気化し発泡した部分等、溝加工面の特定部位をさらにローラ状補助治具で集中的に転圧することにより、滑らかな化粧溝に仕上げることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明にかかる木質化粧板の表面溝加工方法は上記のとおりであり、上記塗料を水性塗料とすることにより、油性塗料に比べて環境への負荷を軽減し、また健康上にも影響を与えることなく、表面に溝加工された木質化粧板を製造することができる。
【0016】
請求項3に記載の木質化粧板の表面溝加工方法は上記のとおりであり、請求項1の木質化粧板の表面溝加工方法の有する効果に加え、上記熱圧締工程を温度150〜200℃の範囲、圧力2〜5kg/cm2の範囲の加熱、加圧下で行うことにより、作業性よく木質化粧板の表面に溝加工を行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の木質化粧板の表面溝加工方法は上記のとおりであり、請求項1の木質化粧板の表面溝加工方法の有する効果に加え、上記圧締ブレードの尖端部の断面をV字型とすることにより、木質化粧板の表面に凹設されたV字状溝の加工面を毛羽立ちや凹凸のない滑らかな化粧溝に仕上げることができる。そして、デザイン性のよい、優れた木質化粧板を提供することができる。
【0018】
請求項5に記載の木質化粧板の表面溝加工方法は上記のとおりであり、請求項1の木質化粧板の表面溝加工方法の有する効果に加え、上記ローラ状補助治具が独立して転圧する複数のローラからなるとともに、その荷重部分の断面がくさび型であるものを含むため、V字溝がデザイン性よく設けられた、優れた木質化粧板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明にかかる木質化粧板の表面溝加工方法の実施形態について、木質化粧板として化粧合板を用いた例について説明する。図1は、本発明の方法にかかる熱圧締工程を模式的に示す説明図である。図1に示すように、木質化粧板1は基材合板12に厚さ0.2〜0.3mmの突板11が貼着されてなるとともに、表面には切削加工によりV字状の溝部2が設けられ、水性塗料により着色塗装されている。
【0020】
上記水性塗料による塗装工程において、上記溝部2内の木質繊維は膨潤して毛羽立ち、立ち上がった木質繊維にストッキングや靴下等が引っ掛かり、いわゆる伝線等が生じるため、本発明においては、まず、図1に示す圧締ブレード3の尖端部31を、図外加熱手段によって温度150〜200℃に加熱し、上記温度範囲内に保持しながら、上記溝部2の加工面を圧力2〜5kg/cm2の加圧下で、なぞるように木質化粧板1を移動させながら熱圧締を行う。
【0021】
図2は、上記圧締ブレード3でV字状の溝部2を熱圧締する状態を示す部分断面説明図である。図2に示すように、圧締ブレード3の尖端部31は断面V字型とされ、溝加工面全体を温度150〜200℃に加熱して軟化させ、圧力2〜5kg/cm2の条件下で圧締して、上記溝部2内の木質繊維を全体的に圧着させる。上記熱圧締工程終了後もなお、毛羽立っている部分や、加熱によって水性塗料の残存水分が気化し発泡し凹凸状となった部分等、溝加工面の特定部位は、さらにローラ状補助治具4を用いて集中的に転圧され、平滑にされる。
【0022】
図3は、上記熱圧締工程に引き続き複数のローラ状補助治具4を用いて上記特定部位を転圧する転圧工程を模式的に示す工程図である。上記ローラ状補助治具4はV字状の溝部の底部を集中的に圧締するその荷重部分の断面がくさび形のローラ、あるいはV字状の溝部の加工面を集中的に圧締するその荷重部分の断面がのみ形のローラ等、木質化粧板の材質、溝部の形状、加工幅等、種々の条件に応じて任意の形状のものを選択して使用する。
【0023】
図4はローラの荷重部分の断面がくさび形のローラ4aを示す部分断面説明図であり、図5、図6は上記ローラの荷重部分の断面がのみ形ローラ4b、4cを示す部分断面説明図である。これらのローラ状補助治具4はそれぞれ独立して上記した特定部位を転圧するため、毛羽立ちや凹凸のない滑らかな化粧溝に仕上げることができる。なお、上記実施形態はV字状の溝部について述べたがこれに限られず、U字状の溝部についても適用可能である。このように、本発明は種々設計変更可能であり、特許請求の範囲を逸脱しない限り、本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の方法にかかる熱圧締工程を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の方法にかかる圧締ブレードでV字状の溝部を熱圧締する状態を示す部分断面説明図である。
【図3】本発明の方法にかかる熱圧締工程に引き続き複数のローラ状補助治具を用いる転圧工程を模式的に示す工程図である。
【図4】荷重部分の断面がくさび形のローラを示す部分断面説明図である。
【図5】荷重部分の断面がのみ形ローラを示す部分断面説明図である。
【図6】荷重部分の断面がのみ形ローラを示す部分断面説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1 木質化粧板
11 突板
12 基材合板
2 溝部
3 圧締ブレード
31 尖端部
4 ローラ状補助治具
4a 荷重部分の断面がくさび形のローラ
4b 荷重部分の断面がのみ形ローラ
4c 荷重部分の断面がのみ形ローラ
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成19年4月23日(2007.4.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−265181(P2008−265181A)
【公開日】 平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願番号】 特願2007−112723(P2007−112723)