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【発明の名称】 板体の姿勢制御搬送方法とその装置
【発明者】 【氏名】川守 英樹

【要約】 【課題】繰り出し方向並びに繰り出し方向と交差する方向それぞれの方向における位置規制をしながら板体を板体堆積装置上へ載置する板体の姿勢制御搬送方法及び装置を提供する。

【解決手段】板体受け取り領域内を板体繰り出し方向へ進退可能な走行体にはベニヤ単板の後部を把持する板体把持部材が設置されている。この板体把持部材によってベニヤ単板の後部を把持し、その把持位置以外にベニヤ単板の上下面を他の部材に接触させることなく搬送方向と交差する方向へ前記板体把持部材を移動制御して、ベニヤ単板の任意の一側部を規制する。したがって、ベニヤ単板は繰り出し方向に対して交差する方向への直角度並びに任意の一側部が規制されながら、板体堆積装置まである距離、すなわち一定の距離だけ搬送されることによって位置規制されて重合されるべきベニヤ単板の縁部とほぼ合致した位置に順次堆積される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに逆方向に回転する上下一対のロールによって前方へ繰り出される板体は、前記ロールの前方の板体受け取り領域にて停止し、
その板体受け取り領域の上流位置で待機する板体把持部材によって前記板体は前記ロール側の端の把持位置が把持され、その把持された板体は前記板体把持部材によるその把持位置以外では、その上下面を他の部材に接触させずに持ち上げられ、
前記板体把持部材に把持された前記板体は、前記板体受け取り領域の前方に配置した前記板体堆積装置の方向と、その搬送方向と交差する方向とにある距離だけ移動可能となっており、
前記板体把持部材は前記板体堆積装置の上方で前記板体を放し、その板体を前記板体堆積装置上へ側縁と後縁を一致させながら載置させることを特徴とする板体の姿勢制御搬送方法。
【請求項2】
前記一対のロールは、ドクターロールの進退動によって接着剤の塗布量が規制されるロール式の接着剤塗布装置を構成しており、前記板体であるベニヤ単板を前方へ繰り出しながらその上下両面に接着剤を塗布する請求項1に記載の板体の姿勢制御搬送方法。
【請求項3】
前記板体把持部材は、板体の後部の把持位置の下面を押し上げる下部片と、板体の上面をその上部から押しつける上部片とから形成される請求項1又は2に記載の板体の姿勢制御搬送方法。
【請求項4】
前記板体把持部材は板体の繰り出し時にはその繰り出し面に対して上方或いは下方に待機しており、板体が板体受け取り領域に繰り出された後にその待機位置から板体の後部の把持位置の下面へ板体把持部材の下部片を当接して押し上げ、前記板体を上部片との間の把持動によって繰り出し面より持ち上げた状態として、板体受け取り領域の前方に配置した板体堆積装置に向けて前進させる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の板体の姿勢制御搬送方法。
【請求項5】
前記板体把持部材は、板体の繰り出し方向と交差する方向に複数個分割して配置され、この分割された複数個の板体把持部材の少なくとも1つには板体の後端を揃える定規体が設置され、
前記把持位置の下面へ板体把持部材の下部片を当接するときに、前記板体の後端に向けて前記定規体が前進して定規出しした後に、前記上部片との間で板体を把持する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の板体の姿勢制御搬送方法。
【請求項6】
互いに逆方向に回転して板体を前方へ繰り出す上下一対のロールと、
前記上下一対のロールの板体繰り出し方向に位置し、上面位置が一定高さに設置され、その下流位置に前記板体の前端を停止させる停止部材が設置された板体受け取り領域と、
前記板体受け取り領域の板体繰り出し方向に位置し、上面位置が所定高さに維持されている板体堆積装置と、
前記板体受け取り領域の両側に配置した一対の機枠に移動自在に設置され、前記板体受け取り領域と前記板体堆積装置との間をある距離だけ前記機枠に設置した進退装置によって進退可能に設置された走行体と、
前記走行体に設置され、板体受け取り領域に繰り出された板体の後部の把時位置を把持する板体把持部材と、
を備え、
前記板体把持部材によって把持された板体は、前記板体受け取り領域の上面位置よりも高く持ち上げられ、前記板体堆積位置の上方へ移動すると共に、
前記走行体には、板体を把持した前記板体把持部材を板体の繰り出し方向と交差する方向に移動可能とした移動機構が備えてあることを特徴とする板体の姿勢制御搬送装置。
【請求項7】
前記一対のロールは、ドクターロールの進退動によって接着剤の塗布量が規制され、前記板体であるベニヤ単板を前方へ繰り出しながらその上下両面に接着剤を塗布するロール式の接着剤塗布装置を構成する請求項6に記載の板体の姿勢制御搬送装置。
【請求項8】
前記板体把持部材は、板体の後部の把持位置の下面を押し上げる下部片と板体の上面をその上部から押しつける上部片とから形成される請求項6又は7に記載の板体の姿勢制御搬送装置。
【請求項9】
前記板体把持部材は、前記走行体に設置された位置変位機構によって、板体の繰り出し面から退避した位置と、板体の後部の把持位置の下面に当接して押し上げる位置との間を変位可能とされた請求項6ないし8のいずれか1項に記載の板体の姿勢制御搬送装置。
【請求項10】
前記位置変位機構は、前記走行体に正逆転可能に取り付けられた案内軸と、その案内軸を駆動する原動機によって構成され、
前記板体把持部材の下部片が取り付けられた前記案内軸が回動すると、その案内軸を支点として、前記板体把持部材の下部片は、前記板体の繰り出し面から退避した位置と、板体の後部の把持位置の下面に当接して押し上げる位置との間を変位可能とされた請求項9に記載の板体の姿勢制御搬送装置。
【請求項11】
前記板体把持部材は、板体の繰り出し方向と交差する方向に複数個分割して配置され、この分割された複数個の板体把持部材の少なくとも1つには板体の後端を揃える定規体が設置されており、その定規体の突出量は可変可能になっていることを特徴とする請求項6ないし10のいずれか1項に記載の板体の姿勢制御搬送装置。
【請求項12】
前記定規体は、複数個分割して配置された板体把持部材のうち、板体の繰り出し方向と交差する方向に或る間隔を置いて配置した一対の板体把持部材に設置されていることを特徴とする請求項11に記載の板体の姿勢制御搬送装置。
【請求項13】
前記板体受け取り領域の両側に配置した一対の機枠に移動自在に設置した走行体には一対の上下枠を備え、その上下枠には移動体が支承され、前記板体の後端を把持する前記板体把持部材はその移動体に設置されて把持動作を行うと共に、
前記走行体には前記移動体が前記上下枠の上を移動可能とする移動機構が備え付けられ、前記板体把持部材で把持された板体は移動体と一緒に板体の繰り出し方向と交差する方向に移動可動になっていることを特徴とする請求項6ないし12のいずれか1項に記載の板体の姿勢制御搬送装置。
【請求項14】
前記進退装置は前記板体受け取り領域を挟んで一対配置した機枠に設置されたリニヤウエイと、そのリニヤウエイ上をタイミングベルトによって移動可能に配置されたリニヤブロックとによって構成し、前記走行体は一対のリニヤブロックにまたがって取り付けられ、前記タイミングベルトの前後移動時に、前記走行体を板体堆積装置の上流位置まで移動させ、また、板体受け取り領域の上流位置まで引っ込ませる請求項6ないし13のいずれか1項に記載の板体の姿勢制御搬送装置。
【請求項15】
前記進退装置は前記板体受け取り領域を挟んで一対配置した機枠に前記板体の繰り出し方向と平行に設置された流体シリンダと、その流体シリンダ内を可動するピストンロッドとによって構成され、
前記ピストンロッドの前端には前記走行体が取り付けられ、前記ピストンロッドは、前記走行体を板体堆積装置の上流位置と、板体受け取り領域の上流位置との間で可動させることを特徴とする請求項6ないし13のいずれか1項に記載の板体の姿勢制御搬送装置。
【請求項16】
前記進退装置は前記板体受け取り領域を挟んで一対配置した機枠に前記板体の繰り出し方向と平行に設置された送り軸と、その送り軸を正逆回転させるモータと、前記送り軸の送り螺子山に螺合して送り軸の回転時に送り螺子山に沿って可動する可動部材とを備え、前記走行体は前記可動部材に取り付けられており、
前記モータの正逆転動によって回動する送り軸は可動部材と一緒に前記走行体を移動させ、その走行体は板体堆積装置の上流位置と、板体受け取り領域の上流位置との間を進退可能とした請求項6ないし13のいずれか1項に記載の板体の姿勢制御搬送装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、合板製造工程において、ベニヤ単板等の板体を搬送して板体堆積装置上へ堆積させるための、板体の姿勢制御搬送方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
合板の製造工程においては、板体堆積装置上へ正確に位置合わせして堆積させる工程が各所で不可欠であり、例えば合板の材料であるベニヤ単板の繊維方向を平行として複数枚重ね合わせて接着して合板(単板積層材)とし、あるいはその繊維方向を上下に隣接するもの同士を互いに交差させて複数枚重ね合わせて接着して合板とする工程がある。
【特許文献1】特開2005−198802号公報
【0003】
これら繊維方向を平行とした合板(以下平行合板という)、あるいは繊維方向を交差させた合板(以下合板という)は、ベニヤドライヤによって乾燥されたベニヤ単板の上面及び/又は下面に接着剤を塗布して、この接着剤が塗布されたベニヤ単板の上下面に他のベニヤ単板を供給して重ね合わせ、その後ホットプレスによって加熱加圧して製造される。例えば、3層構造より成る合板であれば、表板、中板、裏板となる3種に分類されたベニヤ単板によって構成され、通常、接着剤塗布装置によってその上下面に接着剤が塗布された中板を、表板と裏板が重ねられて1組に仕組まれた上に載置することになる。
【0004】
即ち、接着剤がその上下両面に塗布された中板と、1組の表板・裏板とを重合する従来の作業方法は、中板となるベニヤ単板を接着剤塗布装置に1枚宛供給する作業者と、接着剤塗布装置によって接着剤が塗布された中板を受け取って、接着剤塗布装置に隣接して設置された板体堆積装置へ積載するために、接着剤塗布装置に隣接して設置された板体堆積装置の近傍に位置する2名の作業者と、1組の表板、裏板とを板体堆積装置上に載置した接着剤が塗布された中板上へ供給する2名の作業者によって行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来におけるこの重合作業は、上記のように人手によって行われているので、非能率的であるばかりか、コスト高の遠因ともなっている。この重合作業の自動化を図るため、例えば、接着剤塗布装置によって接着剤が塗布された中板を受け取る作業者2名に替えて、接着剤塗布装置の繰り出し方向に接着剤塗布後の中板を搬送する取り出しコンベヤを備える方式が考えられる。
この方式によれば、中板の下面には接着剤が塗布されているので、中板の下面と接する取り出しコンベヤの搬送部分を幅狭の複数個のリングによって構成し、このリングを原動機によって回動することで、中板がこのリングの上を搬送できるようになる。そして、中板の接着剤の表面の一部と幅狭のリングの外周とは接触し次に引き離されるが、接触部が最小に維持されるのでリングの回転には大きなトルクを必要とせず、中板の大部分の接着剤塗布装置による接着面はそのままの状態で、この接着剤塗布後の中板が板体堆積装置上へ堆積することになる。
【0006】
確かに、この取り出しコンベヤによって中板を搬送するときには、接着剤の塗布された中板下面と取り出しコンベヤとの接触域は少なくなり、中板は板体堆積装置上へ搬送することができる。
しかしながら、中板は複数個のリングの回転力によって板体堆積装置上へ繰り出されるに過ぎず、その中板は接着剤塗布装置から送り出された状態のまま取り出しコンベヤによって板体堆積装置上へ搬送されるから、板体堆積装置の所定の位置に対して中板が左右方向にずれて堆積される場合が発生しやすくなる。また、取り出しコンベヤの先に板体堆積装置が配置されていても、この取り出しコンベヤは板体堆積装置の直上まで位置していないから、取り出しコンベヤから送り出された中板は板体堆積装置の所定位置まで搬送できずに手前で止まってしまうことがあり、板体堆積装置の所定の位置に対して中板が前後方向にずれて堆積される場合が発生しやすくなる。
このため、取り出しコンベヤが備え付けられても、板体堆積装置上への中板堆積時に、必ずしも所定の位置に正確に載置することができず、既に堆積されている1組の表板・裏板との重合位置がずれる結果ともなり、その都度中板を供給する作業者による正確な位置合わせが必要となっていた。
【0007】
そこで、本発明は、ベニヤ単板の下面への接触を出来るだけ回避して、繰り出し方向並びに繰り出し方向と交差する方向それぞれの方向に位置を変化させながら、その板体を板体堆積装置上へ載置する板体の姿勢制御搬送方法及び装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の板体の姿勢制御搬送方法は、
互いに逆方向に回転する上下一対のロールによって前方へ繰り出される板体は、前記ロールの前方の板体受け取り領域にて停止し、その板体受け取り領域の上流位置で待機する板体把持部材によって前記板体は前記ロール側の端の把持位置が把持され、その把持された板体は前記板体把持部材によるその把持位置以外では、その上下面を他の部材に接触させずに持ち上げられ、
前記板体把持部材に把持された前記板体は、前記板体受け取り領域の前方に配置した前記板体堆積装置の方向と、その搬送方向と交差する方向とにある距離だけ移動可能となっており、
前記板体把持部材は前記板体堆積装置の上方で前記板体を放し、その板体を前記板体堆積装置上へ側縁と後縁を一致させながら載置させることを特徴とする。
【0009】
この発明の実施例としては先に説明した合板の接着工程があり、具体的な構成として、好適には、前記一対のロールは、ドクターロールの進退動によって接着剤の塗布量が規制されるロール式の接着剤塗布装置を構成しており、前記板体であるベニヤ単板を前方へ繰り出しながらその上下両面に接着剤を塗布している。
そして、この互いに逆方向に回転する上下一対のロールによって前方へ繰り出されるベニヤ単板(板体)は、その全体が繰り出された先の板体受け取り領域まで移動すると、板体受け取り領域において一旦支持された状態で停止する。
【0010】
一方、この板体受け取り領域の上流位置にはベニヤ単板の後部を把持する板体把持部材が設置されており、この板体把持部材によって、上下両面に接着剤を塗布されたベニヤ単板は前記板体受け取り領域上を他の部材に影響されないように持ち上げられる。
この持ち上げられた板体把持部材はベニヤ単板の後部を把持した状態である距離だけ搬送されて板体堆積装置上に至るのであるが、この搬送途上においてベニヤ単板は繰り出し方向と交差する方向のいずれか一側部が規制されながら搬送される。すなわち、板体把持部材はベニヤ単板の後部を把持した状態で繰り出し方向と交差する方向へ移動制御可能になっている。
したがって、ベニヤ単板は繰り出し方向に対して交差する方向へも移動するから、その側部を板体堆積位置に堆積されたベニヤ単板の側部に合わせることができる。
また、板体堆積装置まである距離、すなわち板体把持装置によって把持した位置が決まっているから、この位置から一定の距離だけ板体把持装置によって持ち上げられた状態で搬送されることによって、その搬送されるベニヤ単板の後端を板体堆積装置に堆積されたベニヤ単板の後端に合わせる位置規制がなされて、ベニヤ単板は板体堆積装置に重合されるべきベニヤ単板の後縁部とほぼ合致した位置に順次堆積される。
このため、ベニヤ単板は側縁部と後縁部とが常に位置規制された状態で板体堆積装置に重合堆積されることになり、従来のように板体堆積装置に正確にベニヤ単板を重合させるための人為操作が不要になるという特徴が得られた。
【0011】
一方、上下一対のロールによって送り出されて板体受け取り領域に達したベニヤ単板は、その後部を板体把持部材によって把持されるが、この板体把持部材の具体例としては、ベニヤ単板の後部の把持位置の下面を押し上げる下部片と、ベニヤ単板の上面をその上部から押しつける上部片とから形成され、更に、この板体把持部材はベニヤ単板の繰り出し時にはその繰り出し面に対して上方或いは下方に待機しており、ベニヤ単板が板体受け取り領域に繰り出された後にその待機位置からベニヤ単板の後部の把持位置の下面へ板体把持部材の下部片を当接して押し上げ、ベニヤ単板を上部片との間の把持動によって繰り出し面より持ち上げた状態として、板体受け取り領域の前方に配置した板体堆積装置に向けて前進させている。
このため、実施例のような上下両面に接着剤を塗布されたベニヤ単板であっても、板体受け取り領域内にあっては、板体把持部材の把持動作によってベニヤ単板は持ち上げられて、把持された上下面が把持位置以外では他の部材と接触しないようになるという効果を確実に得ている。
【0012】
ところで、板体受け取り領域のベニヤ単板は上下一対のロールによって送り出されたままであるから、正しく搬送方向を向いていることはまれであって、少しばかりの傾きをもって搬送されて停止することが多い。このため実施例に示す板体把持部材は、ベニヤ単板の繰り出し方向と交差する方向に複数個分割して配置され、この分割された複数個の板体把持部材の少なくとも1つにはベニヤ単板の後端を揃える定規体が設置され、前記把持位置の下面へ板体把持部材の下部片を当接するときに、前記ベニヤ単板の後端に向けて前記定規体が前進して定規出しした後に、前記上部片との間でベニヤ単板を把持するようになっている。
即ち、この板体把持部材の下部片が、例えばベニヤ単板の繰り出し面の上方に退避した位置から下方へ揺動変位するときに、ベニヤ単板の後部の下面に当接してさらに揺動変位すれば、任意の下部片の前部に取り付けられた定規体がベニヤ単板の後端に接触して繰り出し方向に対して押し出し動作を行って、板体受け取り領域のベニヤ単板の位置を修正しながらベニヤ単板を把持することができ、板体堆積位置ではベニヤ単板の傾き角度をも位置規制されて正確に堆積できるようになった。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の板体姿勢制御搬送装置の構成は、
互いに逆方向に回転して板体を前方へ繰り出す上下一対のロールと、
前記上下一対のロールの板体繰り出し方向に位置し、上面位置が一定高さに設置され、その下流位置に前記板体の前端を停止させる停止部材が設置された板体受け取り領域と、
前記板体受け取り領域の板体繰り出し方向に位置し、上面位置が所定高さに維持されている板体堆積装置と、
前記板体受け取り領域の両側に配置した一対の機枠に移動自在に設置され、前記板体受け取り領域と前記板体堆積装置との間をある距離だけ前記機枠に設置した進退装置によって進退可能に設置された走行体と、
前記走行体に設置され、板体受け取り領域に繰り出された板体の後部の把時位置を把持する板体把持部材と、
を備え、
前記板体把持部材によって把持された板体は、前記板体受け取り領域の上面位置よりも高く持ち上げられ、前記板体堆積位置の上方へ移動すると共に、
前記走行体には、板体を把持した前記板体把持部材を板体の繰り出し方向と交差する方向に移動可能とした移動機構が備えてあることを特徴とする。
【0014】
実施例の一対のロールは、塗布ロールに対して進退するドクターロールを備えた接着剤塗布装置を構成しており、この一対のロールから繰り出されたベニヤ単板は、板体受け取り領域における一定高さの搬送面を遮る停止部材が、板体堆積装置側の端に設置されているから、この停止部材によって板体受け取り領域の上に停止する。
そして、この板体受け取り領域の両側には一対の機枠が配置され、この一対の機枠の間には走行体が進退装置によって進退可能に設置され、この走行体に設置された板体把持部材が板体受け取り領域の接着剤塗布装置側に位置して、板体受け取り領域に停止したベニヤ単板の後部の把持位置を下部片と上部片とによって把持している。
この走行体には板体把持部材を走行体に沿って板体の繰出し方向と交差する方向に移動するための移動機構が備えてあるから、この板体把持部材によって把持されたベニヤ単板は、板体受け取り領域の上面位置よりも高く持ち上げられ、板体把持部材は前記走行体が移動時に板体堆積装置の上方に向かって、繰り出し方向と交差する方向にも移動しながらベニヤ単板を搬送し、板体堆積装置の上の正確な位置にベニヤ単板を堆積できるようになった。
【0015】
実施例の走行体に設置されたベニヤ単板の後部を把持する前記板体把持部材は、前記走行体に設置された位置変位機構によって、板体の繰り出し面から退避した位置と、板体の後部の把持位置の下面に当接して押し上げる位置との間を変位可能とされている。
すなわち、前記走行体にはベニヤ単板の後部に対して出没可能であり、且つ上下動可能な位置変位機構が設置されており、この位置変位機構によって駆動される板体把持部材の下部片をベニヤ単板の後部の把持位置に当接して、板体受け取り領域に繰り出されたベニヤ単板の下面を板体受け取り領域の上面位置よりも上方に変位可能としてベニヤ単板の搬送を行う体勢を作り出している。
【0016】
さらに、ベニヤ単板の後部を把持する位置変位機構については、上述した出没動並びに上下動をより具体化するための構成として、前記位置変位機構は、前記走行体に正逆転可能に取り付けられた案内軸と、その案内軸を駆動する原動機によって構成され、前記板体把持部材の下部片が取り付けられた前記案内軸が回動すると、その案内軸を支点として、前記板体把持部材の下部片は、前記板体の繰り出し面から退避した位置と、ベニヤ単板の後部の把持位置の下面に当接して押し上げる位置との間を変位可能としてもよい。
すなわち、前記走行体の進退方向と交差する方向に一定間隔を介して配置した板体把持部材の基端近傍が案内軸に軸支され、板体把持部材の遠い端側の下部片を自由端とし、案内軸を少なくともある角度回転させる。この案内軸の回転に伴い、その遠い端側にある板体把持部材の複数個の下部片が旋回してベニヤ単板の下面へ当接し、更に、この下部片の動きによって板体はその繰出し面よりも高い位置の上部片に向かって押し上げられるから、前記板体は板体受け取り領域の上面位置よりも高く持ち上げられた位置に、保持されることになる。
【0017】
そして、前記板体把持部材は、板体の繰り出し方向と交差する方向に複数個分割して配置され、この分割された複数個の板体把持部材の少なくとも1つには板体の後端を揃える定規体が設置されて、その定規体の突出量は可変可能になっており、前記板体はこの定規体が設置されていない板体把持部材と、定規体が設置された板体把持部材の定規体とに後端に接触してから把持動作が行われるから、定規体の突出状態によってベニヤ単板は右又は左に少し回転してから把持され、この定規体の突出状態を調整することでベニヤ単板は繰り出し方向に対して交差する方向への直角度の位置規制が行われ、その後ベニヤ単板の後部を上部片にて把持する。
また、この定規体は、複数個分割して配置された板体把持部材のうち、板体の繰り出し方向と交差する方向に或る間隔を置いて配置した一対の板体把持部材に設置されているから、片方の定規体を突出させ、もう片方の定規体を引っ込ませる動作によって、板体は右又は左に少し回転してから把持され、この結果、ベニヤ単板は繰り出し方向に対して交差する方向への直角度の位置規制が行われ、その後ベニヤ単板の後部を上部片にて把持する。
【0018】
この板体把持部材の取り付けについて、前記板体受け取り領域の両側に配置した一対の機枠に移動自在に設置した走行体には一対の上下枠を備え、その上下枠には移動体が支承され、前記ベニヤ単板の後端を把持する前記板体把持部材はその移動体に設置されて把持動作を行うと共に、前記走行体には前記移動体が前記上下枠の上を移動可能とする移動機構が備え付けられ、前記板体把持部材で把持されたベニヤ単板は移動体と一緒に板体の繰り出し方向と交差する方向に移動可動に取り付けられている。
このように、板体把持部材は移動体に設置されており、その移動体は走行体の上下枠に支承して走行体上を移動できる移動機構を構成しているから、前記板体把持部材に把持された板体(ベニヤ単板)が板体積載装置に積載するときに、この移動機構によって適宜板体の繰り出し方向と交差する方向に移動できるようになり、前記板体積載装置に積載されるベニヤ単板は、板体の繰出し方向と直交する方向においても端部を揃えて積載できるようになった。
【0019】
ところで、前記走行体が板体受け取り領域の上を板体積載装置に向かって移動するための前記進退装置は前記板体受け取り領域を挟んで一対配置した機枠に設置されたリニヤウエイと、そのリニヤウエイ上をタイミングベルトによって移動可能に配置されたリニヤブロックとによって構成し、前記走行体は一対のリニヤブロックにまたがって取り付けられ、前記タイミングベルトの前後移動時に、前記走行体を板体堆積装置の上流位置まで移動させ、また、板体受け取り領域の上流位置まで引っ込ませるように構成されている。
このため、ベニヤ単板の繰り出し方向の板体受け取り領域の両側に設置された機枠の上面に、一対のリニヤブロックを介して軌条走行面を構成しているから、この軌条走行面を案内として前記走行体は進退装置によって、板体受け取り領域の上流位置からその板体受け取り領域の前方の板体堆積装置の上流位置まで前進・後退ができるようになり、前記板体把持部材で把持されたベニヤ単板は前記板体積載装置の上方に前記走行体によって搬送され、ベニヤ単板は板体積載装置の板体受け取り領域側の端部を揃えて積載できるようになった。
【0020】
また、前記進退装置の他の実施例として、その進退装置は前記板体受け取り領域を挟んで一対配置した機枠に前記板体の繰り出し方向と平行に設置された流体シリンダと、その流体シリンダ内を可動するピストンロッドとによって構成され、前記ピストンロッドの前端には前記走行体が取り付けられ、前記ピストンロッドは、前記走行体を板体堆積装置の上流位置と、板体受け取り領域の上流位置との間で可動させるように構成されている。
例えば、ベニヤ単板が接着剤塗布装置から完全に繰り出され、その後端が板体受け取り領域の後部上に至って停止し、前記走行体に配置した前記板体把持部材によってベニヤ単板の後部が把持されたときには、機枠に設置された流体シリンダへ流体圧を供給し、その流体圧によって流体シリンダ内を可動するピストンロッドを伸長させてピストンロッドの前端に取り付けた前記走行体を板体受け取り領域の前方の板体堆積装置の上流位置まで前進させ、把持したベニヤ単板を板体堆積装置上に板体受け取り領域側の端部を揃えて積載する。
一方、流体シリンダ内の流体圧を排出することで流体シリンダ内を可動するピストンロッドは縮小し、前記走行体を板体受け取り領域の上流位置に復帰することができ、塗布ロールから送られる次のベニヤ単板の把持に備える。
【0021】
また、この進退装置の他の実施例として、その進退装置は前記板体受け取り領域を挟んで一対配置した機枠に前記板体の繰り出し方向と平行に設置された送り軸と、その送り軸を正逆回転させるモータと、前記送り軸の送り螺子山に螺合して送り軸の回転時に送り螺子山に沿って可動する可動部材とを備え、前記走行体は前記可動部材に取り付けられており、前記モータの正逆転動によって回動する送り軸は可動部材と一緒に前記走行体を移動させ、その走行体は板体堆積装置の上流位置と、板体受け取り領域の上流位置との間を進退可能とすることも可能である。
そして、送り軸を正逆回転させるモータによってその送り軸を回転させると、その送り螺子山に沿って可動する可動部材に取り付けられた走行体は、板体受け取り領域の上流位置と前記板体堆積装置の上流位置との間を進退するから、前記走行体に取り付けた板体把持部材によって把持されたベニヤ単板は板体積載装置上へ搬送され、前記モータを制御することで、既に板体積載装置に堆積されたベニヤ単板の板体受け取り領域側の端部が揃えられた状態に位置決めされて、ベニヤ単板を堆積できるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1及び図2において、ベニヤ単板1の上下両面に接着剤を塗布するロール式の接着剤塗布装置2は、互いに逆方向に回転する上下一対の塗布ロール3・4と、この上下一対の塗布ロール3・4に対して水平方向に進退してその塗布量を規制する上下一対のドクターロール5・6によって構成されている。
ベニヤ単板1がその繊維方向を搬送装置の搬送方向と平行な状態で前記塗布ロール3・4間に挿入されると、前記塗布ロール3・4とドクターロール5・6によって形成された貯留部からの接着剤が前記塗布ロール3・4間から繰り出される前記ベニヤ単板1の上下両面に塗布される。
【0023】
前記接着剤塗布装置2に隣接して前記塗布ロール3・4間から繰り出されたベニヤ単板1を一旦支持して停止させる板体受け取り領域7が設置される。この板体受け取り領域7には、ベニヤ単板1の下面との接触域を減じた、上端が尖鋭化した針状・ソリ状の固定的な支持部材8、或いは図示するような幅狭の複数個のリング9によって構成した支持部材8が設置されている。
図に示す実施例の支持部材8は前記接着剤塗布装置2の繰り出し方向と交差する方向に或る間隔を置いて複数本の回転軸10が回転可能に支持され、その複数本の回転軸10には前記複数個のリング9がそれぞれ任意間隔を置いて取り付けられている。
この回転軸10の両端部は軸受に回転可能に支承されているが、駆動力は付与されず、ベニヤ単板1が前記接着剤塗布装置2によって板体受け取り領域7へ繰り出されるとき、その繰り出し力を複数個のリング9によって減じながら繰り出されたベニヤ単板1を受け止めることになる。
【0024】
図2に示すように、前記板体受け取り領域7の端に位置する前記回転軸10と平行な軸11には、前記接着剤塗布装置2によって繰り出されたベニヤ単板1を停止するための停止部材12と、この軸11を回動する駆動片12aとが取り付けられており、この駆動片12aには後記する機枠の裏面に片側を取り付けた流体シリンダ12bのピストンロッド12cが取り付けられ、このピストンロッド12cが前記駆動片12aを引くことによって前記軸11が回動し、前記停止部材12の前端部分がベニヤ単板1の搬送面に起き上がる構成となっている。このため、前記複数個のリング9の上を搬送されるベニヤ単板1は、その前端部分が起伏可能な前記停止部材12に当接して複数個のリング9上に、その繰り出し力を減じながら受け止められ、このベニヤ単板1が停止した後では、適宜流体シリンダ12bが作動して、停止部材12はベニヤ単板1の搬送に障害とならない位置に復帰する。
【0025】
図1・図3に示すように、前記板体受け取り領域7において、ベニヤ単板1の繰り出し方向の両側に左右一対の機枠13が設置され、この機枠13には進退装置14が配置されている。この進退装置14を示す図3の実施例では、前記機枠13の前後部に回転可能にプーリ15・16が支持され、そのプーリ15・16間に各々タイミングベルト17が掛け渡されている。
前記接着剤塗布装置2から離れた側の左右一対のプーリ16は連結軸18によって同調されており、その連結軸18には減速機付きモータ19が取り付けられ、前記プーリ16が前記減速機付きモータ19の正逆動に伴って回転駆動されると共に、前記プーリ15・16間に掛け渡された一対のタイミングベルト17の前後の移動は前記減速機付きモータ19に内蔵されるパルス発信器によって制御されている。
一対の前記機枠13の上方に位置する前記タイミングベルト17の上下の間隔内には、搬送方向と平行にリニヤウエイ20が敷設され、そのリニヤウエイ20上を前記タイミングベルト17に取り付けられたリニヤブロック21が移動可能に配置されている。この一対のリニヤブロック21にまたがって走行体22が取り付けられており、前記減速機付きモータ19の正逆動に伴って前記タイミングベルト17と一緒にリニヤウエイ20上を前記リニヤブロック21が前後移動するとき、前記走行体22は前記板体受け取り領域7の上を走行できるようになっている。
【0026】
前記走行体22の水平方向には上下に一定の間隔を置いて上枠22aと下枠22bとが設置され、その一対の上下枠22a・22bに支承して成る移動体23を備え、上枠22aと下枠22bと移動体23によって移送架を構成している。この移送架は移動体23を可動させるためのものであるから、上下枠22a・22bのスライドレールの代りに別途リニヤウエイなどで構成しても良い。
前記移動体23の可動範囲から外れた走行体22の側面には、ベニヤ単板1の繰り出し方向と交差する方向に移動体23を移動するための移動機構24を備えており、図に示す実施例の移動機構24は、前記走行体22に移動用原動機25が取り付けられ、前記移動体23に移動用原動機25の駆動を受動する歩送り軸25aに噛み合う螺合部材23aが取り付けられ、移動用原動機25が回転すると、歩送り軸25aに噛み合う螺合部材23aが上下枠22a・22bに支承された移動体23と一緒に、前記ベニヤ単板1の繰り出し方向と交差する方向へ移動する。
【0027】
この移動機能22によって移動体23がベニヤ単板1の側方へ移動するときの位置検出機構は後記するが、移動体23の原位置への復帰のときにおける移動の位置決めのために、その移動方向に沿って走行体22の上下枠22a・22bにクシ歯状の移動側位置の検出部を設け、また前記移動体23にはそのクシ歯状の検出部の位置を検出する近接スイッチを設け、この近接スイッチにより移動体23の移動位置を検出して、その信号を移動用原動機25の制御部に送り、移動用原動機25を停止させる機構とすることも可能である。
この移動用原動機25がパルスモータ(ステップモータ)により構成される場合は、そのパルス数をカウントして移動体23の移動、さらには位置決めを行うことが可能となる。また、その位置決めや位置検出に際して、そのパルスモータにロータリエンコーダや、別途マグネスケール等が設けられているときには、この信号によって位置検出を行う構成としてもよい。
【0028】
なお、この移動機構24としては、図に示す実施例のように移動用原動機25の駆動を受動する歩送り軸25aに噛み合う螺合部材23aによって移動体23を移動する構成の他に、流体シリンダによる伸縮動作や、モータによる回転動作をクランクで進退動作に変換し、またラックピニオン方式で進退動作に変換して代替することも可能である。
【0029】
この板体受け取り領域7内を接着剤塗布装置2の繰出し方向に向かって進退可能な走行体22に設置された前記移動体23には、その板体受け取り領域7で支持部材8上に受け止められたベニヤ単板1の前記接着剤塗布装置2側の後部の把持位置1aを把持する板体把持部材26が設置されており、この板体把持部材26はベニヤ単板1をその上面に当接する上部片27と、その上部片27の下側に移動して、前記ベニヤ単板1を下面より当接する下部片28を備えている。
【0030】
前記移動体23には軸受け部23bを備えた保持板23cを少なくとも2個所設置し、この保持板23cの軸受け部23bには案内軸29が軸支してある。前記板体把持部材26の下部片28はベニヤ単板1の繰り出し方向と交差する方向に亘って複数個分割されて前記案内軸29に設置し、その案内軸29が回転するときに、前記板体把持部材26の下部片28はベニヤ単板1の繰り出し面から退避した位置で、前記接着剤塗布装置2から繰り出されるベニヤ単板1が通過できる位置と、前記支持部材8の上に受け止められたベニヤ単板1の後部の下面に当接する位置との間を揺動変位可能とされている。
【0031】
すなわち、図4に示すように前記板体把持部材26の下部片28は、ベニヤ単板1の後部の把持位置1aに対して前記接着剤塗布装置2の繰り出し面の上方から、その繰り出し面を横切ってベニヤ単板1の下面に向かって旋回動をなすものであり、この旋回動を付与するに際しては、下部片28が取り付けられた案内軸29の長手方向の両端の各基端部分が前記保持板23cの軸受け部23bに軸支して、前記下部片28は遠い端側が自由端となって旋回動している。
そして、前記案内軸29には歯車ギヤ29aを取り付け、この歯車ギヤ29aに噛み合うウオームギヤ30aを備えた減速機付きモータ30が移動体23に取り付けてあり、この減速機付きモータ30とウオームギヤ30aと歯車ギヤ29aと案内軸29は、前記板体把持部材26の位置変位機構31を構成しており、この減速機付きモータ30の正逆動に伴って前記移動体23の保持板23cの軸受け部23bに軸支された案内軸29が回転して下部片28が旋回動をすると共に、この回動量は減速機付きモータ30に内蔵されるパルス発信器によって制御されている。
【0032】
また、ベニヤ単板1の把持位置1aを把持するための旋回動を行う前記板体把持部材26の位置変位機構31は、回転動に代えて流体動によって実施することも可能である。
すなわち、前記案内軸29には駆動用の腕木を取り付けし、前記移動体23に支持された流体シリンダのピストンロッドの先端を前記駆動用の腕木にリンクさせ、その腕木はピストンロッドの伸縮動によって案内軸29を回転させて前記下部片28を旋回可能とすることもできる。
【0033】
一方、前記ベニヤ単板1を挟持する前記板体把持部材26を構成する部材である前記上部片27は、それぞれの下部片28と対となる位置に単独となって対向配置することができるが、図3に詳細を示す実施例では、前記案内軸29と同様にその長手方向を水平方向とした棒状体として前記案内軸29との間で一定寸法となるように、前記移動体23に設置した保持板23cにその両端が固定され、前記接着剤塗布装置2から繰り出されるベニヤ単板1の搬送面よりもやや高い位置で、移動した前記下部片28と対向できるようにしてある。
この場合、その棒状体の上部片27は前記板体受け取り領域7で支持部材8上に受け止められたベニヤ単板1の前記接着剤塗布装置2側の端部近傍の全域を線状に介在することになって、特にベニヤ単板1の端部に割れ、欠け等が存在していた場合にはその把持状態が有効に作用することになり、把持されたベニヤ単板1の端部の割れや欠け等が広がることはない。
【0034】
次に板体把持部材26によるベニヤ単板1の把持状態を図5と図6に基づいて説明すると、前記板体把持部材26の下部片28は、前記接着剤塗布装置2によって前方へ繰り出されるベニヤ単板1が通過できるように、減速機付きモータ30によって案内軸29が回転して上方位置に退避しており、また前記上部片27はベニヤ単板1が通過できる上方位置にあらかじめ固定されている。そして、前記接着剤塗布装置2から繰り出されるベニヤ単板1は、その前端部分が搬送路に向けて起き上がっている停止部材12に当接して複数個のリング9上に、その繰り出し力を減じながら受け止められて停止している(図5a参照)。
この状態から、前記減速機付きモータ30を正転動して前記案内軸29を少なくともある角度回転させる。この案内軸29の回転に伴い前記板体把持部材26の複数個の下部片28が旋回してベニヤ単板1の下面へ当接する(図5b参照)。
【0035】
更に、減速機付きモータ30を正転動して案内軸29を回転すると、ベニヤ単板1の後端の把持位置1aを押し上げてベニヤ単板1の上面を上部片27に当接させる。この下部片28の動きによって、前記支持部材8の上に停止しているベニヤ単板1は、上部片27と下部片28とで把持されてその後部の把持位置1a側が少し持ち上げられることになる(図6a参照)。
【0036】
そして、ベニヤ単板1は把持位置1aが上部片27と下部片28との間で把持されたまま、減速機付きモータ30が正転動を続けることによって、前記案内軸29は板体把持部材26の下部片28と一緒にさらに旋回動することになる。
このため、前記上部片27よりも前方に位置する下部片28の先端隅角部28aがベニヤ単板1を押し上げると共に、棒状体の前記上部片27はベニヤ単板1をその把持位置1aの後部付近で押さえつけた状態となるので、ベニヤ単板1は下部片28の先端隅角部28aを支点としてベニヤ単板1の後端が反時計方向へ回転するモーメントを上部片27が阻止するようになり、前記ベニヤ単板1は前記接着剤塗布装置2側の端部近傍の把持位置1aが上部片27と下部片28との間で把持されたまま、その全体が前記複数個の前記リング9上の繰り出し面から持ち上げられる状態となる(図6b参照)。
【0037】
その後、前記進退装置14を構成する減速機付きモータ19を駆動することによって、前記機枠13に支持されたプーリ15・16に掛け渡された前記タイミングベルト17が正転すると、前記タイミングベルト17によって駆動されるリニヤブロック21が前記機枠13に設置されたリニヤウエイ20上を摺動する。このリニヤブロック21には前記移動体23を支承した走行体22が取り付けられているから、その走行体22はタイミングベルト17によって駆動され、前記板体把持部材26によって持ち上げられたベニヤ単板1は、前記走行体22と一緒に前記板体受け取り領域7内を図6bの矢印の方向へ移動を開始することができる。
【0038】
この板体受け取り領域7におけるベニヤ単板1の搬送方向の前方には、板体堆積装置32が設置されており、この板体堆積装置32には重合されるベニヤ単板1を堆積して昇降可能としたリフタ33と、そのリフタ33上に堆積されたベニヤ単板1の上面高さを常時所定高さに維持する検出器34とが設置されている。
【0039】
前記走行体22が走行を開始する以前に、既に、前記ベニヤ単板1の停止部材12はそのベニヤ単板1の搬送に障害とならない位置に復帰しており、また、前記案内軸29に複数個配置された前記板体把持部材26は、回転軸10に任意間隔を置いて取り付けられたリング9の間に配置されているから、前記走行体22はそのリング9に邪魔されることなく前記板体受け取り領域7内をベニヤ単板1が持ち上げられた状態で走行することができる。
そして、リニヤブロック21に取り付けられている走行体22が前進限に至るとき、前記板体把持部材26もまた、前記ベニヤ単板1を持ち上げたまま板体堆積装置32の上方において待機位置に至る。このときの走行体22の移動量は前記減速機付きモータ19に内蔵される前記パルス発信器によってパルス量として捉えられており、そのパルス量が所定数に達すると前記リニヤブロック21に取り付けられている走行体22は停止し、前記ベニヤ単板1は前記板体堆積装置32の上方待機位置に停止する。
【0040】
この走行体22が停止した位置において、前記板体堆積装置32のリフタ33は堆積されたベニヤ単板1の上面をベニヤ単板1の搬送面に近い高さに設定しているから、前記位置変位機構31の減速機付きモータ30を逆転させて、前記板体把持部材26の上部片27と下部片28によるベニヤ単板1の把持を解除すると、搬送されたベニヤ単板1は少し落下するだけで前記板体堆積装置32の堆積されたベニヤ単板1の上面に重ね合わせて堆積される。
その後、前記タイミングベルト17を駆動する減速機付きモータ19が逆転すると、前記走行体22はリニヤブロック21と一緒に旧位置に復帰し、前記接着剤塗布装置2からの新しいベニヤ単板1の繰り出しに備える。
【0041】
前記板体把持部材26によって把持されて搬送される接着剤が塗布されたベニヤ単板1は、既に前記板体堆積装置32に堆積されたベニヤ単板1の上に正確に堆積しなければならず、このため堆積時には人の手助けが必要になる場合がある。しかし、あらかじめ前記走行体22が前記板体堆積装置32の位置にベニヤ単板1を搬送する過程で、このベニヤ単板1を正しい位置に修正して搬送できれば人の手助けは不要となる。
【0042】
前記接着剤塗布装置2から繰出されて板体受け取り領域7上のベニヤ単板1は、前記機枠13に設置した進退装置14の駆動部を構成する前記減速器付きモータ19に内蔵したパルス発信機の制御によって、搬送方向についての堆積位置制御することができる。
例えば、前記板体受け取り領域7で停止部材12によって停止したベニヤ単板1は、この停止位置で板体把持部材26によって把持して持ち上げられ、前記走行体22はベニヤ単板1の後部を把持した状態である距離だけ搬送されて板体堆積装置32上に至るのであるが、前記停止部材12や板体把持部材26と板体堆積装置32との配置寸法を、前記減速器付きモータ19に内蔵したパルス発信機の制御に反映することで、ベニヤ単板1の搬送方向については正確な位置に走行体22を停止して、ベニヤ単板1を前記板体堆積装置32の上に堆積できる。
【0043】
一方、前記接着剤塗布装置2から繰り出されて板体受け取り領域7上のベニヤ単板1は、繰り出し方向と交差する方向にずれて繰り出されることがあり、この状態のまま前記板体把持部材26がベニヤ単板1を持ち上げて搬送して前記板体堆積装置32に堆積するときには、繰り出し方向と交差する方向にずれて堆積されることになるが、この発明ではこの搬送途上においてベニヤ単板1は繰り出し方向と交差する方向に修正移動しながら搬送できる構成を備えている。
【0044】
前記走行体22のベニヤ単板1の繰り出し方向と交差する方向の何れか一側部の前方で、前記支持部材8の上に停止しているベニヤ単板1の側方位置には、ベニヤ単板1の繰り出し方向と交差する方向の何れか一側部を任意の位置に規制するために、図4に示すようにベニヤ単板1の側端部の位置を検出する板体側部検出器35が走行体22に取り付けた腕木の先に設置されており、この板体側部検出器35はリミットスイッチ等の接触式、或いは透過型、反射型の光電管等の非接触式のいずれでもよく、図示例においては透過型の光電管が前記走行体22の一側の前方に設置している。
【0045】
この板体側部検出器35は前記接着剤塗布装置2から繰り出されるベニヤ単板1の側端位置を検出しており、この板体側部検出器35が前記板体堆積装置32上のベニヤ単板1の堆積位置に対応するポイントを検出する実施例では、ベニヤ単板1の側端位置が前記板体側部検出器35によって検出されるまで、又は検出中のベニヤ単板1の側端位置が前記板体側部検出器35によって検出されなくなるまで、前記走行体22に取り付けた前記移動用原動機25を駆動し、前記歩送り軸25aが移動体23を介してベニヤ単板1を把持した板体把持部材26を、ベニヤ単板1の繰り出し方向と交差する方向に対して移動させる。
このため、ベニヤ単板1はその把持位置以外の上下面を他の部材に接触させることなく搬送方向と交差する方向へ移動すると共に、前記進退装置14で駆動される走行体22によって板体受け取り領域7内を一定距離だけ搬送される。したがって、ベニヤ単板1は繰り出し方向に対して交差する方向の側端位置が規制されることになり、前記板体堆積装置32の上に堆積されていたベニヤ単板1の縁部とほぼ合致した位置に順次堆積されるようになった。
【0046】
ベニヤ単板1は原木から連続する薄板を切り出して、この薄板を繊維の方向と平行に切断して多数のシートを構成したものであるから、ベニヤ単板1の繊維方向と平行な縁は直線となる。そして、あらかじめ繊維方向と直交する側の縁も直線状に切り揃えたときには、コーナ部が90度の四角形となっているから、前記接着剤塗布装置2から少し傾いてベニヤ単板1が繰り出されても、そのベニヤ単板1を把持するときに複数の前記板体把持部材26の下部片28がベニヤ単板1の繊維方向と直交する側の縁が搬送方向と直交するようにベニヤ単板1の後端を押して修正することができる。
このため、修正後のベニヤ単板1はその繊維方向と平行な縁は正確に搬送方向を向いているから、前記板体側部検出器35によってベニヤ単板1が検出されるまで前記移動用原動機25を駆動し、前記移動体23をベニヤ単板1の繰り出し方向と交差する方向に対して移動させれば、前記ベニヤ単板1は前記板体堆積装置32上に正確に堆積できる。
【0047】
一方、ベニヤ単板1の繊維方向と直交する側の縁が直線状に切り揃えられていないときには、前記コーナ部が90度になっていないから、前記体把持部材26の下部片28がベニヤ単板1を把持したときに、ベニヤ単板1は繊維方向と平行な縁が搬送方向を向かずに傾いたままであり、前記移動体23をベニヤ単板1の繰り出し方向と交差する方向に対して移動させても、前記板体堆積装置32上に前記ベニヤ単板1を正確に堆積することができない。
【0048】
図7に示す実施例は、ベニヤ単板1の繊維方向と直交する側の縁が直線状に切り揃えられていないときにも、前記板体堆積装置32上に前記ベニヤ単板1を正確に堆積することができるもので、複数個の下部片28のうち少なくとも1つの下部片28の前記ベニヤ単板1の後端との接触部には定規体36が取り付けられ、その定規体36はその位置が別途設定され、他の下部片28と一緒に前記ベニヤ単板1の後端を押すことによって位置を修正する。
そして、修正後のベニヤ単板1は繊維方向と平行な縁が搬送方向を向いた状態で前記板体把持部材26によって把持されるから、前記板体側部検出器35によってベニヤ単板1の側端が検出されるまで前記移動用原動機25を駆動し、前記移動体23をベニヤ単板1の繰り出し方向と交差する方向に対して移動させれば、前記ベニヤ単板1は前記板体堆積装置32上に正確に堆積することができる。
【0049】
この定規体36は上記のように前記支持部材8の上のベニヤ単板1の傾きを修正するものであり、予め傾き具合を知ることによって定規体36の位置が設定される。
このベニヤ単板1の傾きを知るために、前記板体側部検出器35は前記接着剤塗布装置2から繰り出されるベニヤ単板1の側端位置を連続的に検出できるようになっており、繰り出し中のベニヤ単板1の側端位置の前方と後方の位置がわかれば、この傾きが修正されるように前記定規体36の突出位置を設定することができる。
【0050】
この定規体36は具体的には、図7に示すように前記下部片28に流体シリンダ37を取り付け、その流体シリンダ37内を摺動するピストンロッド37aの先端を定規体36に接続することによって、その定規体36を前記下部片28のベニヤ単板1の後端との接触部分に出没可能として、前記ベニヤ単板1の後端の位置を修正している。
なお、この下部片28に設けた定規体36を可動するために、前記流体シリンダ37とピストンロッド37aの代りに、アクチュエータなどによって駆動して、定規体36の位置を設定しても良い。
そして、前記定規体36は前記下部片28が退避した位置において、流体シリンダ37がピストンロッド37aを縮小させて下部片28の前面より後方へ待機した状態に位置しており(図7a参照)、次いで、前記下部片28が回動するときに流体シリンダ37を作動させてピストンロッド37aが伸長すると定規体36は設定位置に移動し、前記ベニヤ単板1は後端が定規体36に接触して押し出され、板体受け取り領域内7での位置を少し修正して下部片28と上部片27との間で把持される(図7b参照)。
【0051】
前記定規体36の移動後の位置の設定に当たり、前記案内軸29を回動して一部の下部片28がベニヤ単板1の後端に接触した位置において案内軸29の回動を止め、前記流体シリンダ37がピストンロッド37aを駆動し、負荷が係った持点をベニヤ単板1と定規体36との接触点と判断することができる。
一方、前記板体側部検出器35が前記接着剤塗布装置2から繰り出されるベニヤ単板1の側縁部の位置の変化を検出することによって、板体受け取り領域7内のベニヤ単板1の傾き具合がわかるから、この板体受け取り領域7のベニヤ単板1の傾き具合を参酌して、ベニヤ単板1の傾きが修正できる定規体36の設定位置を決め、前記流体シリンダ37が
ピストンロッド37aを駆動して定規体3は設定位置に移動する。そして、前記案内軸29を回動して下部片28を回動すれば、ベニヤ単板1は下部片28と定規体36に押されて傾きが修正され、把持動作が行われる。
【0052】
このとき、前記定規体36を取り付けた下部片28が1個であるときには、定規体36のない下部片28とベニヤ単板1との接触点を基準に、定規体36は進出側もしくは後退側に位置させることになる。
一方、この定規体36を取り付けた下部片28が一対あるときには、下部片28とベニヤ単板1の後端とがまだ接触しない位置において、それぞれピストンロッド37aを駆動して定規体36を進出させればベニヤ単板1の後端に当接し、板体受け取り領域7内のベニヤ単板1の位置が確認できる。
このため、板体受け取り領域7のベニヤ単板1の位置を修正するための定規体36の設定は、一対の定規体36の一方もしくは両方を、進出または後退させればよく、この実施例では板体受け取り領域7のベニヤ単板1の傾き具合の検出とその修正が、同じ構成の一対の定規体36によって行うことができるという特徴が得られた。
【0053】
ところで、前記板体把持部材26の上部片27と下部片28によるベニヤ単板1の把持動作は、上部片27が固定された状態で下部片28を回動し、ベニヤ単板1の上部から上部片27を密着した状態で、下部片28の回動によってベニヤ単板1の把持と持ち上げを行う図5・図6の実施例の他、図8に示す方法によっても可能である。
【0054】
図8に示す前記上部片27の実施例では、前記移動体23の両側の前記保持板23cに流体シリンダ38とピストンロッド39が取り付けられ、このピストンロッド39に棒状体で構成した前記上部片27を昇降可能に吊持される構成としている。
即ち、前記ピストンロッド39は前記下部片28の回動と連動して、棒状体からなる上部片27をベニヤ単板1に向けて押し下げて、前記板体受け取り領域7で支持部材8上に受け止められたベニヤ単板1を上方から当接する構成となっている。
そして、前記ベニヤ単板1は支持部材8上に受け止められた位置で前記把持位置1aを上部片27と下部片28とによって挟持されることになり、前記ベニヤ単板1が下部片28によって押し上げられて上部片27と当接する構成ではないから、前記ベニヤ単板1に形成されていた割れ欠け等が悪化する恐れをほとんどなくすことができた。
【0055】
その具体的な動作として、前記下部片28はベニヤ単板1の繰り出しの障害とならない位置に退避しており、前記流体シリンダ38はピストンロッド39を伸長させ、そのピストンロッド39に取り付けた前記上部片27を下降し (図8a参照)、このピストンロッド39の下降と一緒に前記下部片28も回動することによって、前記板体受け取り領域7のベニヤ単板1はその把持位置1aを上下から上部片27と下部片28によって把持される(図8b参照)。
その後、更に下部片28は回動を続けると共に、この動作に同期して前記流体シリンダ38はピストンロッド39を少し縮小させることによって、前記板体把持部材26とベニヤ単板1は一体となって前記案内軸29を支点として旋回動を開始し、この動作によって前記ベニヤ単板1は持ち上げられ(図8c参照)、前記移動体23及び走行体22が移動するときに前記板体堆積装置32へ向かって搬送される。
【0056】
また、ベニヤ単板1の把持位置1aを把持するには上述した旋回動の他に、その軌跡を分解して出没動並びに上下動とすることも可能である。
すなわち、図9に示すように前記移動体23に進退動用の流体シリンダ40を取り付けると共に、流体シリンダ40の進退するピストンロッド40aには上下動用の下部片28のための流体シリンダ41と上部片27のための流体シリンダ42を取り付ける。そして、流体シリンダ41にはベニヤ単板1の下面に当接する先端を備えた下部片28を駆動するピストンロッド41aが取り付けられ、また、流体シリンダ42のピストンロッド42aの先端にはベニヤ単板1の上面に当接する上部片27を連結する。
そして、後退位置の前記流体シリンダ40に取り付けた流体シリンダ41と流体シリンダ42へ流体を供給することによって、前記ピストンロッド41aとピストンロッド42aを下降させる(図9a参照)。この動作によってリング9上のベニヤ単板1が下部片28と上部片27の間に位置するので、次に進退動用の流体シリンダ40に流体を供給すると下部片28と上部片27はベニヤ単板1に向けて進出する(図9b参照)。このため、下部片28と上部片27はベニヤ単板1の後部に至り、次に前記流体シリンダ41から流体を排出し、流体シリンダ42に流体を供給するとベニヤ単板1の後部を把持することができ(図9c参照)、この状態から前記流体シリンダ41と流体シリンダ42から流体を排出すると、前記ベニヤ単板1は持ち上げられ、前記移動体23及び走行体22によって、把持したベニヤ単板1を搬送することができる。
【0057】
また、前記走行体22の進退動を行う進退装置14は、図1から図3に示すようにタイミングベルト17を減速機付きモータ19によって駆動する形態の他、流体圧を利用することもできる。
図10に示すように、左右一対の機枠13には前記ベニヤ単板1の繰り出し方向と平行にそれぞれ流体シリンダ43を設置し、その流体シリンダ43内に供給される流体圧で可動するピストンロッド44を備え、そのピストンロッド44の先端には、前記走行体22のリニヤブロック21が取り付けられている。
この図10に示す流体圧によって制御する実施例では、予め流体圧が流体シリンダ43に加えられておらずピストンロッド44は収縮状態であり、前記走行体22は板体受け取り領域7の上流位置に移動している。また、前記走行体22上の移動体23に取り付けた板体把持部材26は前記ベニヤ単板1を把持して持ち上げる。次に、前記流体シリンダ43に流体を供給するとピストンロッド44は伸張し、前記走行体22はベニヤ単板1を板体把持部材26で把持したまま、前記板体堆積装置32の上流位置に向かって機枠13に沿って走行し、前記ベニヤ単板1は板体堆積装置32の上方に至る。
【0058】
また、図11に示す進退装置14の実施例では、左右一対の機枠13に、前記ベニヤ単板1の繰り出し方向と平行にそれぞれ送り軸45を設置し、その送り軸45を正逆回転駆動するためのモータ46を備え付けている。前記送り軸45には送り螺子山が形成され、その送り軸45がモータ46によって回転するときに送り螺子山に螺合して送り軸45に沿って移動できる可動部材47を備え、その可動部材47には前記走行体22が取り付けられている。
前記モータ46を回転すると送り軸45の送り螺子山に螺合する可動部材47は走行体22を板体受け取り領域7の上流位置に移動する。そして、この位置において前記走行体22上の移動体23に取り付けた板体把持部材26は、前記ベニヤ単板1の把持位置1aを把持して持ち上げており、次に前記モータ46が逆転するときに、持ち上げられたベニヤ単板1は、前記可動部材47が機枠13に沿って前記板体堆積装置32の上流位置に向かって移動するときに一緒に移動して、やがて板体堆積装置32の上方に至る。
なお、この走行体22の駆動に係る他の実施例として、モータによって回転するピニオンギアと、このピニオンギアに歯合するラックギヤを用い、ラックギヤに対してピニオンギアの位置関係が変化できることを利用して、前記走行体22の移動制御をすることも可能である。
【0059】
次に、一対の塗布ロール3・4から繰り出されるベニヤ単板1の姿勢制御搬送工程を図12に基づいて時系列的に説明する。
まず、S10において走行体22の移動体23を移動用原動機25によって所定の待機位置に移動させ、まだ板体把持部材26が板体受け取り領域7上の所定の待機位置に至らないときにはS10にスキップし、板体受け取り領域7上の所定の待機位置に至ったと判断したときにはS20へ進んでベニヤ単板1を一対の塗布ロール3・4間へ挿入する。
S30において、一対の塗布ロール3・4間から繰り出されたベニヤ単板1が、待機する板体受け取り領域7の上方に配置されたかどうかを検知器(例えば、配置位置を直接検出する光電管等よりなる非接触式の専用の検出器、またはベニヤ単板1の先端位置の通過を知ることができる走行体22に取り付けたベニヤ単板1の側縁位置の検出器35)によって判断する。肯定判断であれば、S40において板体把持部材26の位置変位機構31を起動して、例えばベニヤ単板1の搬送面よりも高い待機位置にある下部片28を、ベニヤ単板1の下方の旋回位置に旋回させる。また、否定判断であれば、S30へスキップして検知器からの出力結果の判断動作を継続する。
【0060】
続くS50において、一対の塗布ロール3・4間から完全に繰り出されたベニヤ単板1の後部の下面に下部片28を当接させて上部片27との間で把持させる。この把持状態は下部片28を駆動する例えば減速機付きモータ30の回転状態を検出することによって判断することができ、その他、外部から直接確認できる光電管等よりなる非接触式の専用の検出器を用いて、ベニヤ単板1の下面が支持部材8よりも持ち上がっていることを検出しても良く、ベニヤ単板1が把持状態であるかどうかが判断され、否定判断であればS50へスキップして再度判断動作が行われる。
肯定判断であれば、S60に進んで把持位置以外の上下面を他の部材に接触させることなく持ち上げられたベニヤ単板1を走行体22の進退装置14によって前記板体堆積装置32に向けて一定距離前進させる。
さらにS70に進んで前記進退装置14による走行体22の前進動作を行いながら、前記板体把持部材26は移動体23の移動機構24によって、その把持位置1a以外のベニヤ単板1の上下面を、他の部材に接触させることなく持ち上げた状態で、搬送方向と交差する方向へも移動させる。
S80に進んで、把持されたままのベニヤ単板1の一側部が、板体堆積装置32に堆積されたベニヤ単板1の側縁と同じ位置に至ったか否かを、搬送されるベニヤ単板1の側縁付近を監視検出する前記走行体22に配置された板体側部検出器35によって検出して判断しており、否定判断であればS80へスキップしてベニヤ単板1の一側部が、板体堆積装置32に堆積されたベニヤ単板1の側縁と同じ位置に至るまで判断動作を繰り返し、肯定判断であれば、S90に進んで、移動機構24の動作を停止させる。
【0061】
そして、前記走行体22がベニヤ単板1の後部を把持した状態で前記進退装置14による搬送を続けて、搬送されるベニヤ単板1が板体堆積装置32上に位置したときに前記進退装置14を停止してからは、前記板体把持部材26が把持したベニヤ単板1を開放すると、そのベニヤ単板1は板体堆積装置32の上に堆積する。その後、復帰する前記進退装置14によって、前記走行体22や板体把持部材26は原位置にリターンすることになる。
したがって、ベニヤ単板1は繰り出し方向に対して交差する方向へ移動して、ベニヤ単板1の一側部が位置規制されて板体堆積装置32のベニヤ単板1の側縁と一致することになり、一方、ベニヤ単板1は進退装置14によって板体堆積装置32まである距離、すなわち一定の距離だけ搬送して、ベニヤ単板1の後端が位置規制されて板体堆積装置32のベニヤ単板1の後端と一致することになり、このように搬送されるベニヤ単板1は側縁部と後縁部が常に位置規制された状態で、重合されるべきベニヤ単板1の縁部とほぼ合致した位置に順次堆積されることになる。
【0062】
なお、前記接着剤塗布装置2の塗布ロール3・4の駆動機構や、進退装置14の減速機付きモータ19や、移動体23を移動する移動用原動機25や、板体把持部材26を可動する原動機30などが、パルスモータ(ステップモータ)により構成される場合は、そのパルス数をカウントすることで、被駆動部材の移動や、さらには、次の動作に移るために必要な位置決め動作を行うことができる。また、そのパルスモータのパルス数のカウントに代えて、パルスモータにロータリエンコーダやマグネスケール等が付属されているときには、ロータリエンコーダの信号や、マグネスケール等からの信号によってその位置決めや位置検出を行うことも可能となる。
【0063】
本発明は、その根本的技術的思想を踏襲し、発明の効果を著しく損なわない限度において、前記の実施態様の一部を変更して実施でき、それらの変更態様も当然に本発明の技術的範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施例を示す平面図。
【図2】図1の実施例の一部切り欠き側面図。
【図3】板体把持部材の図1の実施例を示す一部切り欠き斜視図。
【図4】板体把持部材の図1の実施例を示す拡大側面図。
【図5】(a)(b) 板体を把持する状態を示す説明図。
【図6】(a)(b) 把持した板体が持ち上げられる状態を示す説明図。
【図7】(a)(b) 定規体の実施例を示す説明図。
【図8】(a)(b)(c) 板体把持部材の他の把持形態を示す側面図。
【図9】(a)(b)(c) 板体把持部材の他の把持形態を示す側面図。
【図10】進退装置の他の形態を示す側面図。
【図11】進退装置の他の形態を示す側面図。
【図12】板体姿勢制御搬送手順の一実施例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0065】
1 板体(ベニヤ単板)
1a 把持位置
2 接着剤塗布装置
3・4 ロール(塗布ロール)
5・6 ドクターロール
7 板体受け取り領域
12 停止部材
13 機枠
14 進退装置
17 タイミングベルト
20 リニヤウエイ
21 リニヤブロック
22 走行体
22a 上枠
22b 下枠
23 移動体
24 移動機構
26 板体把持部材
27 上部片
28 下部片
29 案内軸
30 原動機(減速機付きモータ)
31 位置変位機構
32 板体堆積装置
36 定規体
43 流体シリンダ
44 ピストンロッド
45 送り軸
46 モータ
47 可動部材
【出願人】 【識別番号】000148818
【氏名又は名称】株式会社太平製作所
【出願日】 平成18年9月27日(2006.9.27)
【代理人】 【識別番号】100095751
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 正倫


【公開番号】 特開2008−80658(P2008−80658A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−263539(P2006−263539)