Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
横はぎ生単板及びその製造方法と装置 - 特開2008−68445 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B27 木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステ−プル打ち機一般

【発明の名称】 横はぎ生単板及びその製造方法と装置
【発明者】 【氏名】加藤 功好

【氏名】長澤 潔

【氏名】杉浦 茂

【氏名】宮田 真司

【氏名】嶺澤 量彦

【氏名】大川 勝

【氏名】神谷 智仁

【氏名】水野 弘和

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の小巾生単板が繊維方向に対して直交方向に連続状に配列された横はぎ生単板において、
隣接する小巾生単板同士がH状の合成樹脂製ステープルで連結されていることを特徴とする横はぎ生単板。
【請求項2】
合成樹脂製ステープルは、ドライヤーの乾燥温度よりも低い溶融温度を有することを特徴とする請求項1記載の横はぎ生単板。
【請求項3】
原料生単板の不良部を繊維方向に切除して小巾の生単板を形成する小巾生単板形成工程と、
前記小巾生単板形成工程で得られた生単板を繊維方向に対して直交方向に連続状に密に配列し、隣接する生単板との当接端面を跨ぐようにH状の合成樹脂製ステープルで連結して横はぎする横はぎ工程と、
前記横はぎ工程で得られた帯状の横はぎ生単板を所定の長さに切断する定尺切断工程とを
備えたことを特徴とする横はぎ生単板の製造方法。
【請求項4】
原料生単板の不良部を繊維方向に切除して小巾の生単板を形成する切断と、前記切断によって得られた小巾生単板の有効寸法を積算して所定長に達したときに前記切断機により切断する小巾生単板形成及び積算定尺切断工程と、
前記小巾生単板形成及び積算定尺切断工程で得られた小巾生単板を繊維方向に対して直交方向に密に配列し、隣接する小巾生単板との当接端面を跨ぐようにH状の合成樹脂製ステープルで連結して横はぎする横はぎ工程とを備えたことを特徴とする横はぎ生単板の製造方法。
【請求項5】
原料生単板の不良部を繊維方向に切除して小巾の生単板を形成する小巾生単板形成手段と、
前記小巾生単板形成工程で得られた生単板を繊維方向に対して直交方向に連続状に密に配列し、隣接する生単板との当接端面を跨ぐようにH状の合成樹脂製ステープルで連結して横はぎする横はぎ手段と、
前記横はぎ工程で得られた帯状の横はぎ生単板を所定の長さに切断する定尺切断手段とを
備えたことを特徴とする横はぎ生単板の製造装置。
【請求項6】
原料生単板の不良部を繊維方向に切除して小巾の生単板を形成する切断機、得られた小巾生単板の有効寸法を積算して所定長に達したときに前記切断機により切断する小巾生単板形成及び積算定尺切断手段と、
前記小巾生単板形成及び積算定尺切断工程で得られた小巾生単板を繊維方向に対して直交方向に密に配列し、隣接する小巾生単板との当接端面を跨ぐようにH状の合成樹脂製ステープルで連結して横はぎする横はぎ手段とを備えたことを特徴とする横はぎ生単板の製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、合板の製造における中間製品である横はぎ生単板およびその製造方法と装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
丸太から薄く削出した単板を積層して木質系合板が製造されている。丸太は真円柱ではなく、また、割れや腐れ節など不良部分があるので不良部を切除した小巾な単板を寄せ集めて定尺単板として使用されている。また、丸太の削出は高含水率状態で行われ、合板積層には乾燥単板が使われるので、乾燥工程が必要となる。丸太から削出された高含水率状態の単板を生単板と称している。
削出された原生単板をドライヤーに入れて乾燥する前に、ドライヤーの負荷軽減や取扱い性を向上させるために不良部を切除し、繋ぎ合わせて一定長の横はぎ生単板を形成することが行われている。生単板は、高含水率である故に接着が難しいので、接着剤のみによる接合ばかりでなく、接着剤と接合糸の併用、浅い溝に糸を埋め込む方法、接着テープを使用する方法など各種提案されている。
さらに、乾燥工程おいて、あばれや裂けなど新たに発生した不良部を切除する必要もあるので、横はぎ材料として切断刃の妨げになるものは不適当である。金属の他切れにくい紐も不適当である。これは、製品である合板の切削加工性にも悪影響があり、更に、チップなどにリサイクルする際にも異質な素材が混入しているのは不適切である。
横はぎ生単板に関する従来例をいくつか紹介する。
【0003】
特許文献1(実公昭58−45048号公報)には、このような横はぎ単板としては、繊維方向に対して直交方向に連続状に密に配列した生単板を、配列方向に複数本の細い帯状に乾燥させ、その乾燥部にホットメルト接着剤を塗布した繋合糸を貼着して固着したものが提案されている。
【0004】
特許文献2(特公昭60−47082号公報)には、繋合糸をドライヤーの乾燥温度よりも低い溶融温度をもった合成樹脂等から紡糸された糸条とし、接着剤は繋合糸の溶融温度より低い溶融温度をもった合成樹脂等の糊料からなるものを用いたものも提案されている。
すなわち、この先行技術は本出願人に係る提案であって、この開示技術が基本であるので、詳述する。
特許文献2に係る発明は、多量に水分を含有する未乾燥の小巾生単板の表面に、ドライヤーの乾燥温度より低い溶解温度をもった繋合糸をその繋合糸の溶融温度よりさらに低い溶解温度をもった接着剤により粘着して後段の乾燥工程の最終段階で前記繋合糸と接着糸を乾燥温度に達した単板材温によって溶融されてその繋合状態を解除可能に構成した中間製品として横はぎ生単板に関するものである。
従来この種中間製品としての横はぎ生単板(例えば特開昭55−132201号公報参照)は、後段の乾燥工程で乾燥すると個々の小巾生単板が乾燥過程で干割れを生じたり、節や材質的脆弱部分が欠落したり、或いは不均等な乾燥収縮によって切断端縁が歪んで相互の衝合部に隙間を生じる等の材質的欠陥が発生するのでこれを再補修する必要があったが、その再補修作業には単板表面に残留している繋合糸が禍してこれを再度乾燥単板用横はぎ機等に掛けて欠陥個所を切断除去しようとしても単板は切れても繋合糸が切れず、従って除去すべき切屑が実質的には除去できない重大な不都合があったものである。特許文献2に係る発明は、上記横はぎ生単板特有の乾燥後に材質的欠陥を生ずる現象を充分に把握した上で最初は個々の小巾生単板を繋合することによってドライヤーへの挿入作業性及び充填効率を格段に高め、また最終にはその繋合を解除することによって後段の再補修のための横はぎ作業への悪影響を排除することが出来る中間製品として繋合と繋合解除の二態様がとれる新規な横はぎ生単板を提供せんとしたものである。
具体例を図7に従ってその構成を説明すれば次の通りである。多数の小巾生単板1が繊維方向の直交方向に連続状に配列されてその配列方向に複数列の繋合糸2が接着剤3により粘着されておる横はぎ生単板4に於て、前記繋合糸2にはドライヤーの乾燥温度、例えば180℃前後の乾燥温度より充分低い溶融温度をもった合成樹脂等から紡糸された糸状、例えば100〜120℃位で溶融可能なポリプロピレン等から紡糸された糸状からなる繋合糸2を用い、また前記接着剤3には前記繋合糸2の溶融温度より充分低い溶融温度をもった合成樹脂等の糊料、例えば60〜80℃で溶融可能なエチレン酢ビ共重合樹脂(EVA)等の糊料からなる接着剤3を用いた最初は繋合姿態がとれ、最後は繋合解除姿態となる中間製品としての横はぎ生単板4である。また前記横はぎ生単板4の繋合解除姿態は後段工程のドライヤーによる乾燥操作によって繋合糸2と接着剤3がドライヤー炉内で乾燥温度に達した単板材温によって次第に溶融することになるので、その最初の繋合状態が次第に解かれて再び個々の小巾乾燥単板6に戻された姿態になって後段の補修工程に順次供給されるものであるから、前記繋合糸2と接着剤3は最初ドライヤーに小巾生単板1を挿入する際の挿入作業性と充填効率を高めることだけに機能するものである。
尚、図示された中間製品としての横はぎ生単板4を構成する個々の小巾生単板1は前後に若干の不良部分5を残存して切断したラフカット単板であるが、これを通常の全く不良部分5を残存しないで切断した正カット単板でこれを構成してもよい。
【0005】
特許文献3(特開2003−291105号公報)には、複雑な機構を備えた接着テープによる小巾単板の接合処理装置が開示されている。
特許文献4(特開2001−232603号公報)には、ベニヤ単板を有寸巾に切断し、相互の端面を接合し、連続帯状の単板とした後所定寸法毎に切断して定尺寸法の横はぎ単板を得るベニヤ単板の横はぎ方法において、通常の定尺寸法で接合切断堆積して第1定尺寸法の横はぎ単板の積山を得る第1横はぎ工程と、該第1横はぎ工程で得られた第1定尺寸法の横はぎ単板3を積山から1枚毎繰出して相互の端面を接着剤により接合して第1定尺寸法の複数倍の第2定尺寸法の横はぎ単板の積山を得る第2横はぎ工程とからなるベニヤ単板の横はぎ方法が、開示されている。
【0006】
特許文献5(特開昭62−156902号公報)には、合板製造の分野に於て取扱われる横はぎ単板、特に小巾のベニヤ単板の前端縁に溶融ホットメルト樹脂等の接着剤を塗布してなる後続ベニヤ単板を先行ベニヤ単板の後端縁に衝突させながら一体に後方に押出すと共に、その表面に溶融ホットメルト樹脂等を糸に含浸した接着糸を貼着してすだれ状に連なった横はぎ単板を得るように構成した押出方式の単板横はぎ機に於ける端縁衝合時の押出制動方法及び装置が、開示されている。
【0007】
特許文献6(特開平8−216105号公報)には、単板接合部の斜め上方の空間に架設した糊付ノズル9による空間からのビーズ状の溶融ホットメルト樹脂の射出による糊付機構と、切断ナイフ7の可動刃側の両面に昇降および開閉自在に併設した押圧冷却バーによる単板接合部の直上からの点付け溶融ホットメルト樹脂の冷圧機構とからなる切断糊付冷圧装置を単板接合機に適用した単板接合機における切断糊付冷圧装置が、開示されている。
【0008】
接着剤を使用する手段は、高含水率の生単板を接合することは難しいので、特殊な接着剤を使用したり、接着接合部を部分的に乾燥したり、接着剤を硬化するために加熱したりする必要がある。接着剤の準備、保存、可使時間による制限など生じ、効率性、作業性、コスト等の面から解決余地が多い。接着用の糸や接着剤付きのテープも接着剤と同様の問題が含まれると、糸やテープの準備が必要となる。
長手方向に設けた浅い切れ込みに糸を埋設する方法は、1〜4mm程度の薄い単板に切れ込みを入れることは切れ込み刃に精緻な制御が必要であり、抜けだし等の問題も発生し易く、効率性及び糸の事後処理などにも問題が発生することがある。
更に、近年は、小径木である杉、松、唐松、とうひ等の針葉樹が原木として使用されることが多く、このような小径木針葉樹丸太を使用した場合は、頻繁に原木が入れ替わるので、最初に不揃いで不良部の多い単板の発生が多くなる。このような単板の処理がネックとなることが多いので、効率的な処理手段の開発が求められている。
【0009】
【特許文献1】実公昭58−45048号公報
【特許文献2】特公昭60−47082号公報
【特許文献3】特開2003−291105号公報
【特許文献4】特開2001−232603号公報
【特許文献5】特開昭62−156902号公報
【特許文献6】特開平8−216105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる従来技術に鑑み、生単板を確実、且つ強固に結合でき、乾燥後の後工程に影響の少ない横はぎ生単板を提供することを課題とする。また、本発明は、横はぎ生単板の製造工程および製造装置を簡素化して効率よく生産できる製造方法およびその装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、横はぎ生単板について鋭意検討した結果、生単板の結合に合成樹脂製のステープルを用いると、接合不良を起こさずに確実、強固に接合され、工程が簡素化され、生産速度も向上し、コストが低減され、さらに、乾燥後の処理が容易になることを見出し、本発明に至った。
【0012】
本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)多数の小巾生単板が繊維方向に対して直交方向に連続状に配列された横はぎ生単板において、隣接する小巾生単板同士がH状の合成樹脂製ステープルで連結されていることを特徴とする横はぎ生単板。
(2)合成樹脂製ステープルは、ドライヤーの乾燥温度よりも低い溶融温度を有することを特徴とする(1)記載の横はぎ生単板。
(3)原料生単板の不良部を繊維方向に切除して小巾の生単板を形成する小巾生単板形成工程と、前記小巾生単板形成工程で得られた生単板を繊維方向に対して直交方向に連続状に密に配列し、隣接する生単板との当接端面を跨ぐようにH状の合成樹脂製ステープルで連結して横はぎする横はぎ工程と、前記横はぎ工程で得られた帯状の横はぎ生単板を所定の長さに切断する定尺切断工程とを備えたことを特徴とする横はぎ生単板の製造方法。
(4)原料生単板の不良部を繊維方向に切除して小巾の生単板を形成する切断と、前記切断によって得られた小巾生単板の有効寸法を積算して所定長に達したときに前記切断機により切断する小巾生単板形成及び積算定尺切断工程と、前記小巾生単板形成及び積算定尺切断工程で得られた小巾生単板を繊維方向に対して直交方向に密に配列し、隣接する小巾生単板との当接端面を跨ぐようにH状の合成樹脂製ステープルで連結して横はぎする横はぎ工程とを備えたことを特徴とする横はぎ生単板の製造方法。
(5)原料生単板の不良部を繊維方向に切除して小巾の生単板を形成する小巾生単板形成手段と、前記小巾生単板形成工程で得られた生単板を繊維方向に対して直交方向に連続状に密に配列し、隣接する生単板との当接端面を跨ぐようにH状の合成樹脂製ステープルで連結して横はぎする横はぎ手段と、前記横はぎ工程で得られた帯状の横はぎ生単板を所定の長さに切断する定尺切断手段とを備えたことを特徴とする横はぎ生単板の製造装置。
(6)原料生単板の不良部を繊維方向に切除して小巾の生単板を形成する切断機、得られた小巾生単板の有効寸法を積算して所定長に達したときに前記切断機により切断する小巾生単板形成及び積算定尺切断手段と、前記小巾生単板形成及び積算定尺切断工程で得られた小巾生単板を繊維方向に対して直交方向に密に配列し、隣接する小巾生単板との当接端面を跨ぐようにH状の合成樹脂製ステープルで連結して横はぎする横はぎ手段とを備えたことを特徴とする横はぎ生単板の製造装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明の横はぎ生単板は、隣接する小巾生単板の当接端面を跨ぐようにH状の合成樹脂製ステープルにより接合しているので、小巾生単板間の結合が簡単で、接合強度が高い。接着剤や接着剤を含有する糸やテープを使用しないので、装置構成が簡素にできる。また、接着液を使用しないので汚損が無く、接着剤臭も無いので作業環境が改善される。さらに、ホットメルト接着剤の溶融や接着剤の硬化に必要な加熱機器も不用となるのでエネルギーの節約及び火災などの危険性も小さくなる。
【0014】
ステープルを、ドライヤーの乾燥温度よりも低い溶融温度を有する合成樹脂で形成すると、ドライヤーの最終段階でステープルは溶融して再び個々の小巾乾燥単板に戻るので、乾燥工程で生じた裂けや収縮あばれなどの材質的欠陥の切除など再補修を簡単に行うことができる。
また、ドライヤーの乾燥温度よりも高い溶融温度を有する合成樹脂で形成しても、乾燥工程で生じた材質的欠陥を再補修するために、個々の小巾乾燥単板に切断する際に、切断刃を傷つけることなく、簡単に切断できる。これは、合板製品としても同様である。
【0015】
また、本発明は、小巾生単板間の接合に、ステープルにより機械的に結合するので、製造工程が簡素化され、生産速度が向上して生産コスト削減を図ることができる。さらに、ステープラーを配置するだけで小巾生単板を結合でき、繋合糸を用いた場合のような、繋合糸の貯留、繰り出し装置や接着剤の貯留槽等の設備を必要としないため、装置の簡略化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を図1〜図5の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施例の横はぎ生単板の斜視図であり、図2は、図1の一部を拡大した横はぎ生単板の斜視図であり、図3は、他の態様の横はぎ生単板の斜視図であり、図4は、実施例1の横はぎ生単板の製造装置の側面図であり、図5は、実施例2の横はぎ生単板の製造装置の側面図である。
【0017】
本実施例の横はぎ生単板10は、図1に示すように、多数の小巾生単板11が繊維方向に対して直交方向に連続状に密に配置され、多数の小巾生単板11は、隣接する小巾生単板11,11の当接端面11aを跨ぐように、合成樹脂製ステープル12で連結されている。本実施例では、当接端面11aに沿って両側および中央の3個所にステープル12を打ち込んでいるが、小巾生単板11の材質や長さ等に応じてその数を増減させてもよい。小巾生単板の繊維方向の配列は図8の従来例と同様であるので、木目の表現は省略する。
合成樹脂製ステープル12は、図2に示すように、H状の形状をなし、それぞれの先端は、打ち込んだ際に裏面においてT字状またはL字状に開く係合部12aを有し、投錨効果を発揮させて連結を強固にしている。
このような原料生単板の不良部を切除して小巾の生単板を形成する方法は多数開発され実用化されている。例えば、特開昭62−59003号公報に開示したベニヤレースで削出された端尺な単板を搬送しつつアンビルロールの上でナイフを作用させることにより不良部切断を行い、後段のデバイダで分別される。また、切除分別する機構として、刃を上下に配置して切断と廃棄を同時に行う2枚刃構成(特開昭62−46601号公報参照)を採用することもできる。
【0018】
なお、上記実施例では両側に欠陥のない正カット小巾生単板11を用いているが、図3に示すような、前後に若干の不良部分21bが残存して切断したラフカット小巾生単板21を用いた横はぎ生単板20であってもよい。このようなラフカット小巾生単板21を用いた場合は、乾燥工程で生ずる材質的欠陥の再補修と同時に不良部分の補修を行なえばよい。
<原材料生単板>
木質系合板の素材となる原木丸太から約1〜5mm厚程度に削出された高含水率の生単板のうち、定尺に満たないものや、腐れ、割れ、節などの不良部をもった生単板が対象である。このような不良部は、原木丸太の削出作業の最初の部分から発生することが多い。特に、国内の杉、松、唐松などの人工林から得られる針葉樹原木は小径木が多く、数多くの原木丸太を使用するので、発生頻度が多い。
【0019】
<ステープル>
ステープルはH型をした可撓性のある合成樹脂製の細い線材から形成されている(図6参照)。保管状態では、縄はしご状に連続して巻き玉状とすることができる。使用時にはH型にカットして中空の穿孔針を小巾の生単板に貫通させ、穿孔針の内部を通してH型ステープルを押し込み、単板裏面で係合部を開放することにより抜止となり、隣接する小巾単板同士を連結して横はぎ単板とすることができる。取扱い性の点から縄ばしご状としてあるので、個別に切り離すとH状となるが、個別に準備する場合は、抜止となる形状でよいので、例えば、先端はL形、J形などで良い。
図6を参照して、ステープルを説明する。図6(a)は、ラダー状ステープル15をステープルホルダー16に巻いて保存あるいはステープルの供給装置に装填可能とした状態を示す。(b)はステープラーにおいて、ラダー状ステープル15がナイフ33によってH形に切り離される状態を示し、切り離されたH形のステープル12は(c)に示すように係合部14となるT字状の先端部と連結部13から構成されることとなる。このH形のステープルは可撓性があり単板に打ち込まれた屈曲した姿勢を保つことによって接合部材の機能を果たす状態を(d)に示す。小巾生単板11同士の接合端面11aを跨ぐようにステープルの連結部13が存在し、それぞれの単板縁部を貫通してT字状の係合部14が開脚して抜止状態となり、横はぎが完成する。
材質は、可撓性及び屈曲性のある合成樹脂製の線材が好ましい。ステープルの可撓性はステープラーによる屈曲押し込み動作に対応できる程度に必要である。合成樹脂は、熱可塑性又は熱硬化性のどちらも使用可能であるが熱可塑性樹脂が一般的である。ドライヤーの温度よりも低融点のステープルの場合は、熱可塑性樹脂を用いる。また、後の切削加工性等を考慮して選定することができる。
熱可塑性樹脂としては、ドライヤーの加熱温度よりも低融点材料としては、100〜120℃位で溶融可能なポリプロピレン、エチレン酢ビ共重合樹脂(EVA)、ポリエチレン、ポリエステルが挙げられる。ポリプロピレン、EVA、ポリエチレン、ポリエステルなどは、融点を高くしてドライヤーの熱でも溶融しないようにすることもできる。生分解性樹脂(生分解性ポリエステル樹脂(特許2709234号公報))を用いた場合は、廃棄物処理が容易である。
【0020】
<ステープラー>
ステープラーは、隣接する小巾生単板の接合端面において、前後小巾生単板の縁に合成樹脂製のステープルを打ち込むものである。
図7に概略を示す。基本構成は、2本の中空穿孔針31,31を隣接する2枚の小巾生単板11,11に貫通させ、中空針内を通してH形合成樹脂製ステープル12の脚部を小巾生単板の裏面まで押し込み、開放してT字状に開いた脚部が抜止(係合部14)となり隣接する小巾生単板同士を連結して、横はぎ状態を完成する。
この中空穿孔針31は、2本の針が相対する面側に長さ方向に連続するスリット35が形成されている。このスリット35は、H形のステープル12の連結部材13が通過するために設けられている。はしご状のラダーステープルが斜め手前側から案内部材に従い中空穿孔針31へ導入される。また、この中空針に上部側には、ナイフ33が進入できるナイフ隙間34が設けられている。ラダーステープル15が穿孔針の中空部36上部に挿入されたとき、ナイフ33がナイフ隙間34から進入して切断分離して、個別のH形のステープル12とする。また、穿孔針31の中空部36を上下動可能なプレッシャ−32が配置されている。H形のステープル12は、穿孔針31が小巾生単板11を貫通している状態において、中空部内36を上下動するプレッシャー32によって小巾生単板を屈曲貫通して、裏面側で脚部が中空部36の先端から開放されてT字状に開脚して抜止係合部14となり横はぎが完成する。

【実施例1】
【0021】
次に、実施例1の横はぎ生単板の製造装置について、図4に基づいて説明する。本実施例の横はぎ生単板製造装置100は、図4に示すように、原料生単板の繊維方向に切断して小巾生単板を形成する小巾生単板形成手段110と、前記小巾生単板を繊維方向に対して直交方向に連続状に配置し、隣接する小巾生単板11の当接端面11aを跨ぐように、H状の合成樹脂製ステープル12で連結して帯状の横はぎ生単板を形成する横はぎ手段120と、帯状の横はぎ生単板を所定の長さに切断する定尺切断手段130とを備えている。また、定尺切断手段130の後段には、切断された横はぎ生単板10の堆積手段140が設けられている。
【0022】
小巾生単板形成手段110は、小巾の原料生単板Bを搬送する第1の搬送装置111と、原料生単板Bの不良部を切断して小巾生単板にするベニヤ切断装置112と、第1の搬送装置111の途中に設けられ、原料生単板Bの形状を検知する第1の検知器113と、この第1の検知器113の検知に基づいて原料生単板Bの切断位置を演算する第1の制御装置114と、小巾生単板を小巾生単板結合装置に移送する第2の搬送装置115とから構成され、第2の搬送装置115は、第1の制御装置114によって駆動を制御するようにしている。
【0023】
横はぎ手段120は、第2の搬送装置115から移送された小巾生単板11を、隣接する小巾生単板11に当接して密に配列させる第3の移送装置121と、隣接した小巾生単板11との当接端面11aを跨ぐようにステープル12を打ち込むステープラー122と、第3の移送装置121の入り口近傍に配置した第2の検知器123と、ステープラー122打ち込み駆動および第3の移送装置121の駆動を制御する第2の制御装置124とから構成されている。第2の制御装置124は、第2の検知器123により小幅生単板11の先端を検知し、第2の搬送装置115の駆動機121aとステープラー122を制御する。なお、ステープラー122は、接合端面に位置にあわせて、若干左右に移動可能とすることもできる。
【0024】
定尺切断手段130は、帯状の横はぎ生単板を移送する第4の移送装置131と、移送されている帯状の横はぎ生単板の先端を検知する第3の検知器132と、この第3の検知器132の先端検知により作動する定尺切断装置133とから構成されている。
また、横はぎ生単板の堆積手段140は、移送装置141と横はぎ生単板10の先端を検知する先端検知器142と、先端検知により、移送装置141から定尺寸法の横はぎ生単板を載置テーブルTに落下させる制御装置143とから構成されている。
次に、本実施例1の横はぎ生単板製造装置100を用いた横はぎ生単板の製造方法について説明する。
【0025】
原木から切削された原料生単板Bは、第1の搬送装置111でベニヤ切断装置112に移送され、まず不良部が切断される。不良部が切除された原料生単板Bは第2の移送装置115で移送され、後部がベニヤ切断装置112に至ると後部が切断されて小巾生単板11となって、横はぎ手段120に送られる。
横はぎ手段120では、先行する小巾生単板11が第3の移送装置121の噛み込み位置に停止しているので、第2の搬送装置115から送られた小巾生単板11は、先行する小巾生単板11の後端面に当接する。当接すると第3の移送装置121を駆動させ、小巾生単板11の後端部が第3の移送装置121の噛み込み位置となるまで移送させるとともに、ステープラー122により、ステープル12が当接端面11aを跨ぐように打ち込まれ、隣接する小巾生単板11と連結する。この動作を繰り返すことにより、帯状の横はぎ生単板となる。
帯状の横はぎ生単板は、第3の移送装置121から繰り出されて、定尺切断手段130に移送される。定尺切断手段130は、定尺切断装置133の前方に所定の間隔(定尺分)を置いて第3の検知器132が設けられているので、第4の移送装置131で移送されている帯状の横はぎ生単板の先端を第3の検知器132で検知すると、定尺切断装置133が駆動して所定の長さに切断する。
【0026】
このようにして製造された横はぎ生単板10は、堆積手段140の移送装置141で堆積位置まで移送され、先端検知器142で先端を検知すると、制御装置143により図示しない落下装置を作動させて、横はぎ生単板10を落下させて載置テーブルT上に積み重ねる。
【実施例2】
【0027】
次に、本発明の実施例2の横はぎ生単板製造装置を図5に基づいて説明する。
本実施例は、実施例1における定尺切断機構省略し、小巾単板の切断制御において、定尺を積算し、定尺後端に当たる小巾単板を切断制御するようにしたものである。
本実施例の横はぎ生単板製造装置200は、図5に示すように、原料生単板Bの不良部を繊維方向に切断して小巾生単板を形成する小巾生単板形成手段と、小巾生単板の幅を検知して所定長さが積算されたときに後続の小巾単板を前記切断装置にて切断して定尺となるように小巾生単板形成と積算定尺切断を兼用した小巾生単板形成及び積算定尺切断手段210を備えている。
小巾生単板を繊維方向に対して直交方向に連続状に密に配列し、隣接する小巾生単板との当接端面を跨ぐように、H状の合成樹脂製ステープルで連結する横はぎ手段230とを備えており、横はぎ手段230の後段には横はぎ生単板10の堆積手段240を設けている。
【0028】
小巾生単板形成及び積算定尺切断手段210は、小巾の原料生単板Bを搬送する第1の搬送装置211と、原料生単板Bの両側や不良部を切断して小巾生単板11にするベニヤ切断装置212と、第1の搬送装置211の途中に設けられ、原料生単板Bの不良部を検知する第1の検知器213と、この検知手段213の検知に基づいて原料生単板Bの切断位置を演算する第1の制御装置214と、小巾生単板11を横はぎ手段230に移送する第2の搬送装置215とから構成され、第2の移送装置215は、第1の制御装置214によって駆動を制御するようにしている。
また、第1の検知器213によって、各小巾生単板の有効な寸法を積算して、積算値が定尺寸法に至ったときに、ベニヤ切断装置212を第1の制御装置214によって作動させるようにする。これによって、後段で横はぎされた単板は、自動的に定尺とされる。
【0029】
横はぎ手段230は、第2の搬送装置215から移送された小巾生単板11を隣接する小巾生単板11に当接して密に配列させる第3の移送装置221と、隣接する小巾生単板11の当接端面11aを跨ぐようにステープル12を打ち込むステープラー222と、生単板の位置を検知するように第3の移送装置221の入り口近傍に配置した第2の検知器223と、検知に基づいて第3の移送装置221の駆動機221aとステープラー222とを作動させる第2の制御装置224とから構成されている。
横はぎ生単板10の堆積手段240は、移送装置241と横はぎ生単板10の先端を検知する先端検知器242と、後端を検知する後端検知器244と、これら検知器による先端及び後端検知により、横はぎ生単板10を載置テーブルTに図示しない落下装置を作動させて落下させる移送制御装置243とから構成されている。
【0030】
次に、本実施例の横はぎ生単板製造装置200を用いた横はぎ生単板の製造方法について説明する。
原木から切削された小巾の原料生単板Bは、第1の搬送装置211で切断装置212に移送されて前縁や後縁などの不良部が切断装置212によって切断されて小巾生単板11となって横はぎ手段220に送られる。
第1の検知機213は、原料生単板Bの不良部検出と小巾単板の有効長を検出し、第1の制御装置214は検出された信号に基づきベニヤ切断装置212を作動し、また、小巾単板の有効長を積算して定尺長になったときにベニヤ切断装置212を作動して、それぞれ切断するように制御する。これによって、不良部切断と定尺長切断が兼用できる。
【0031】
横はぎ手段230では、先行する小巾生単板11が第3の移送装置221の噛み込み位置に停止しているので、第2の搬送装置215から送られた小巾生単板11は、先行する小巾生単板11の後端面に当接する。当接すると第3の移送装置221を駆動して、小巾生単板11の後端部が第3の移送装置221の噛み込み位置となるまで移送させるとともに、ステープラー222によりを先行小巾生単板11の当接端面11aを跨ぐように打ち込み、連結する。この動作を繰り返すことにより、横はぎ生単板10となる。
【0032】
このようにして製造された横はぎ生単板10は、第3の移送装置221から繰り出されて、堆積手段240の移送装置241で堆積位置まで移送され、ここで載置テーブルT上に積み重ねる。
【0033】
以上、詳述したように、本発明は、H状のステープルで隣接する小巾生単板を結合しているので、単板を表裏に貫通して隣接する小巾単板同士を強固に連結した横はぎ生単板を得ることができる。また、ステープルを打ち込むだけなので工程および装置が簡素となるので、効率よく低コストで生産できるという顕著な効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施例1の横はぎ生単板の斜視図である。
【図2】係合部分の拡大斜視図である。
【図3】実施例2の横はぎ生単板の斜視図である。
【図4】実施例1の横はぎ生単板の製造装置の側面図である。
【図5】実施例2の横はぎ生単板の製造装置の側面図である。
【図6】ステープルの概略図である。
【図7】ステープラーの概略図である。
【図8】従来例(特許文献2)横はぎ単板例を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1・・・小巾生単板
2・・・繁合糸
3・・・接着剤
4・・・横はぎ生単板
10・・・横はぎ生単板
11・・・小巾生単板
11a・・・当接端面
11b・・・欠陥部
12・・・ステープル
12a・・・T字状係合部
13・・・連結部
14・・・係合部
15・・・ラダー状ステープル
16・・・ステープルホルダー
20・・・ラフカット・横はぎ生単板
21・・・ラフカット小巾生単板
21a・・・接合端面
31・・・穿孔針
32・・・プレッシャー
33・・・ナイフ
34・・・ナイフ隙間
35・・・スリット
36・・・中空部
100、200・・・横はぎ生単板製造装置
110・・・小巾生単板形成手段
111、211・・・第1の搬送装置
112、212・・・ベニヤ切断装置
113、213・・・第1の検知器
114、214・・・第1の制御装置
115、215・・・第2の搬送装置
120、220、230・・・横はぎ手段
121、221・・・第3の移送装置
122、222・・・ステープラー
123、223・・・第2の検知器
124、224・・・第2の制御装置
130・・・定尺切断手段
131・・・第4の移送装置
132・・・第3の検知器
133・・・定尺切断装置
210・・・小巾生単板形成及び積算定尺切断手段
140、240・・・堆積手段
141、241・・・移送装置
142、242・・・先端検知器
143、243・・・制御装置
244・・・後端検知器
B・・・原料生単板
T・・・載置テーブル

【出願人】 【識別番号】000162869
【氏名又は名称】橋本電機工業株式会社
【出願日】 平成18年9月12日(2006.9.12)
【代理人】 【識別番号】100105061
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 喜博

【識別番号】100122954
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷部 善太郎


【公開番号】 特開2008−68445(P2008−68445A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−246934(P2006−246934)