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化粧造作部材の製造方法 - 特開2008−30218 | j-tokkyo
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【発明の名称】 化粧造作部材の製造方法
【発明者】 【氏名】佐藤 尚武

【要約】 【課題】ホットメルトタイプの接着剤を塗布する場所に通常硬化タイプの木工用の接着剤を塗布することのない化粧造作部材の製造方法を提供する。

【構成】化粧板20の裏面に複数の折曲溝a,b,c,d,eを形成して複数の平面f,g,h,kに分割する。塗布ローラ31及びバックアップローラ32を備えた糊付け装置のバックアップローラ32にリング33を嵌合する。化粧板20の複数に分割された平面f,g,h,kのうち予め決められた1の平面gだけをリング33と塗布ローラ31の間を通過させ、化粧板の他の部分を塗布ローラ31から離反した状態で通過させる。こうして平面gにのみ通常硬化タイプの木工用接着剤Aを糊付けすることができる。この後、複数の折曲溝a,b,c,d,eの溝内に、ホットメルト型接着剤Bを塗布する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧板の裏面に複数の平行な折曲溝を形成して化粧板の裏面を複数の平面に分割する工程と、塗布ローラ及びバックアップローラを備えた糊付け装置の前記バックアップローラの所定の位置に、バックアップローラの外径を大きくするためのリングを嵌合する工程と、前記化粧板の複数に分割された平面のうち予め決められた1の平面だけを前記リングと前記塗布ローラの間を通過させ、前記化粧板の他の部分を前記リングの無い部分を通すことで塗布ローラから離反した状態で前記塗布ローラとバックアップローラとの間を通過させ、前記1の平面にのみ通常硬化タイプの木工用接着剤を塗布する工程と、前記複数の折曲溝の溝内及び他の平面の1箇所以上に、ノズルによりホットメルトタイプの接着剤及び/又は通常硬化タイプの木工用接着剤を塗布する工程と、を有することを特徴とする化粧造作部材の製造方法。
【請求項2】
前記ノズルを複数設け、一部のノズルでホットメルトタイプの接着剤を塗布し、残りのノズルで通常硬化タイプの木工用接着剤を塗布することを特徴とする請求項1記載の化粧造作部材の製造方法。
【請求項3】
前記リングを弾性素材により形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の化粧造作部材の製造方法。
【請求項4】
前記リングが、内径の異なるリングを複数重ねて形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の化粧造作部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂フィルムや合成樹脂処理をした織布シート又は上質の木材から薄く削り取ったシート状素材等を基板に貼り付けた化粧板を、折り曲げて接着したり、柱状又は板状にした木質基材に貼り合わせて形成する化粧造作部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
木質基材の表面に化粧材を貼って形成する化粧造作部材の製造方法としては、特許文献1(特許第2904482号)に記載のものがある。これは、木質基材に化粧板を巻き付けるようにして貼付したものである。詳しく説明すると、化粧板の裏面に、木質基材の角部に対応したV型の平行な折曲溝を複数形成するとともに、化粧板の両端には折曲溝と別の溝を形成し、折曲溝と溝以外の平面に通常硬化タイプの木工用接着剤を塗布し、両端の溝には、ホットメルトタイプの接着剤を塗布し、木質基材に化粧板を巻き付けて接着固定する方法である。通常硬化タイプの木工用接着剤としては、酢酸ビニール系のエマルジョンタイプの接着剤を使用する。
【0003】
この方法によれば、化粧板の両端がホットメルトタイプの接着剤で短時間の内に木質基材に接着され、その後、酢酸ビニール系の接着剤が固化する間、ホットメルトタイプの接着剤の接着力で化粧板と木質基材とを圧接した状態に保つことができる。したがって、酢酸ビニール系のエマルジョンタイプの接着剤が固化する間、重石などによって化粧板を木質基材に押圧しておく必要がないので、化粧造作部材の製造時間を短縮することができる。
【0004】
しかし、この方法では、折曲溝内には接着剤を塗布していない。化粧造作部材によっては、折曲溝内にも接着剤を塗布したい場合もある。
【0005】
図4は、折曲溝内にホットメルトタイプの接着剤を塗布して化粧造作部材を製造する従来の方法を説明する図である。図5(a)は、化粧造作部材10の斜視図で、(b)は、加工前の化粧板20の斜視図、(c)は(a)の化粧造作部材10を展開した図である。
【0006】
図5(b)に示す化粧板20は、木質の板基材に合成樹脂フィルムや合成樹脂処理をした織布シート又は上質の木材から薄く削り取ったシート状素材20aを表面に貼付したものである。この化粧板20の裏面側に、図5(c)に示すような加工をする。すなわち、に折曲溝a,b,c,d,eのように5本の平行なV字状の折曲溝を所定の位置に形成する。これらの折曲溝によって化粧板20の裏面の平面は分割され、平面f,g,h,k、が形成されることになる。また、溝bと溝cの間の平面kには段差iが形成され、低い方の平面jが形成されている。
【0007】
このように加工された化粧板20を、図4(a)に示すように、糊付け装置の塗布ローラ31とバックアップローラ32との間を通す。糊付け装置を通過した化粧板20には、平面f,g,h,kに、通常硬化タイプの木工用接着剤である酢酸ビニール系のエマルジョンタイプの接着剤Aが塗布される。
【0008】
糊付け装置を通過した化粧板20は、次に、ホットメルトアプリケータに送られる。ホットメルトアプリケータには複数のノズルがあり、各ノズルからホットメルトタイプの接着剤Bが吐出され、折曲溝a,b,c,d,e内と、段差iの低い方の平面jにホットメルトタイプの接着剤Bが塗布される。
【0009】
この後、折曲溝a,b,c,d,eを折り曲げていくと、図5(a)に示す化粧造作部材10の形状が出来上がる。ホットメルトタイプの接着剤Bは、短時間で固化するので、折り曲げた角部は短時間で接着され、化粧造作部材10の形状が決まるので、その後、平面hと平面gなどの酢酸ビニール系のエマルジョンタイプの接着剤Aが固化する際の押圧力を与えることができる。エマルジョンタイプの接着剤Aが固化すれば、化粧造作部材10が完成する。
【特許文献1】特許第2904482号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、糊付け装置を通過させるとき、酢酸ビニール系の接着剤Aが、はみ出して溝内に入る可能性がある。また、化粧造作部材10では、図5(b)に示す平面fと段差iの低い方の平面jとが対向して接着するが、平面fには酢酸ビニール系の接着剤Aが塗布され、平面jにはホットメルトタイプの接着剤Bが塗布されているので、両接着剤が重なることになる。酢酸ビニール系の接着剤Aとホットメルトタイプの接着剤Bを重ねた場合、酢酸ビニール系の接着剤Aが固化するまでは、たとえホットメルトタイプの接着剤Bが固化しても接着力を得ることができなくなる。ホットメルトタイプの接着剤Bを使用するのは、早期に固化させることで、エマルジョンタイプの糊付け部に押圧力を加えたり、角部の形状を確立するためであるが、これらの目的が達成できなくなる。
【0011】
本発明は、このような実情から考えられたもので、ホットメルトタイプの接着剤を塗布する場所に通常硬化タイプの木工用の接着剤を塗布することのない化粧造作部材の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために本発明の化粧造作部材の製造方法は、化粧板の裏面に複数の平行な折曲溝を形成して化粧板の裏面を複数の平面に分割する工程と、塗布ローラ及びバックアップローラを備えた糊付け装置の前記バックアップローラの所定の位置に、バックアップローラの外径を大きくするためのリングを嵌合する工程と、前記化粧板の複数に分割された平面のうち予め決められた1の平面だけを前記リングと前記塗布ローラの間を通過させ、前記化粧板の他の部分を前記リングの無い部分を通すことで塗布ローラから離反した状態で前記塗布ローラとバックアップローラとの間を通過させ、前記1の平面にのみ通常硬化タイプの木工用接着剤を塗布する工程と、前記複数の折曲溝の溝内及び他の平面の1箇所以上に、ノズルによりホットメルトタイプの接着剤及び/又は通常硬化タイプの木工用接着剤を塗布する工程と、を有することを特徴としている。
【0013】
前記ノズルを複数設け、一部のノズルでホットメルトタイプの接着剤を塗布し、残りのノズルで通常硬化タイプの木工用接着剤を塗布する構成としてもよい。
【0014】
また、前記リングを弾性素材により形成したり、前記リングが、内径の異なるリングを複数重ねて形成されている構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
化粧板には、折り曲げ位置に対応して複数の折曲溝が平行に形成される。一方、糊付け装置では、バックアップローラの所定の位置にリングをはめておく。こうすることで、バックアップローラを塗布ローラに近づけていったとき、最初にリングの外周面が塗布ローラの外周面に接触するようになる。リングの外周面と塗布ローラの外周面との距離を、ほぼ化粧板の厚さにし、化粧板の通常硬化タイプの木工用接着剤を塗布する平面を、リングと塗布ローラの間を通過させ、化粧板の他の部分は、リングに載らないようにして通過させる。これによって、化粧板の複数の平面のうちの1つの平面だけに、通常硬化タイプの木工用接着材が塗布される。その後、化粧板の他の部分に必要に応じて、ホットメルトタイプの接着剤を塗布する。
【0016】
本発明の化粧造作部材の製造方法によれば、通常硬化タイプの接着剤が塗布される領域とホットメルトタイプの接着剤が塗布される領域とを峻別することができ、両接着剤が重なって接着されることを防止でき、化粧造作部材の製造が簡単に、かつ、短時間でできるようになる、という優れた効果を奏し得る。
【0017】
リングを弾性素材にすることで、化粧板に撓みを発生させ、通常硬化タイプの接着剤が塗布される1平面以外の部分を反らせて、糊付けローラから離反するようにできる。
【0018】
リングを径の異なる複数のリングを重ねる構成にすることで、撓み量を細かく調整することができる。糊付け装置を複数回通過させるようにすれば、複数の平面に接着剤を塗布することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1及び図2は本発明の化粧造作部材を製造する方法を説明する図で、図1は、化粧板に接着剤を塗布する方法を説明する図である。図1(a)は、糊付け装置に化粧板20を通過させる状態を示す正面図で、(b)は接着剤A,Bが塗布された化粧板20の正面図である。従来例と同じ部分には、同一符号を付している。
【0021】
塗布ローラ31は、図示しない供給源から通常硬化タイプの木工用接着剤として、酢酸ビニール系のエマルジョンタイプの接着剤Aが供給され、表面に塗布された状態である。塗布ローラ31と対向配置されたバックアップローラ32には、複数のリング33が嵌合されている。本発明の実施例では、リング33は化粧板20の平面gが通過する位置の中央と両端近くの合計3個所に設けられている。塗布ローラ31とバックアップローラ32とは、共に鋼鉄製であるが、このリング33は、弾力性に富むゴム製のOリングを使用している。また、バックアップローラ32の軸には、予備のリング33をはめておくと、リング33の追加や変更に迅速に対応できる。
【0022】
図1(a)に示すように、化粧板20の1つの平面gのみがリング33の上に載るようにして化粧板20を送り込み、糊付け装置を通過させると、図1(b)に示すように、化粧板20の平面gにのみ酢酸ビニールのエマルジョンタイプの接着剤Aが塗布された状態となる。
【0023】
この後、化粧板20を、ノズルタイプの接着剤アプリケータに送る。接着剤アプリケータには、複数のノズルが設けられ、その一部がホットメルトタイプの接着剤Bを吐出し、残りのノズルは、通常硬化タイプである酢酸ビニールのエマルジョンタイプの接着剤Aを吐出する。この実施例では、折曲溝a,b,c,d,e内と、平面jとにホットメルトタイプの接着剤Bが塗布され、図1(b)の状態となる。接着時に接着剤Aと接着剤Bとが混合するおそれが無ければ、一部の塗布部分を、ホットメルトタイプの接着剤Bに代えてノズルから酢酸ビニールのエマルジョンタイプの接着剤Aを吐出して塗布してもよい。
【0024】
リング33をゴムなどの弾性素材にすることによって、弾性素材の弾力によって平面gに撓みを起こし、これによって隣接する折曲溝c,dから外側の部分を塗布ローラ31から離反する方向に反らせることができる。平面g以外の部分が塗布ローラ31から離反することによって、エマルジョンタイプの接着剤Aが平面g以外の部分には塗布されないようにすることができる。
【0025】
リング33をゴム製ではなく、鋼鉄製にしても、平面gの両外側の部分は、自身の重さでバックアップローラ32の方にたわむので、エマルジョンタイプの接着剤Aが平面g以外の部分には塗布されないようにすることができる。しかし、平面gの外側の部分が軽い場合は、塗布ローラ31から十分に離反できないことも考えられる。これに対し、リング33をゴム製にすることで、重さが不足する場合でも、積極的に離反させることが可能となる。
【0026】
なお、図3は、リング33の拡大図である。この図に示すように、リング33としてのOリングは直径の異なるものを33a,33b,33cのように複数用意し、直径方向(厚さ方向)に複数個重ねて使用してもよい。Oリングの位置により、厚さを変更することで、撓み量を細かく変更させることができる。
【0027】
図2(a)から(d)は、接着剤A,Bが塗布された化粧板20から化粧造作部材10を製造する方法を説明する図である。(a)は図1(b)と同じ状態であるが、この状態から、まず、折曲溝b,eの箇所を直角に折り曲げて図2(b)の状態にする。折曲溝b,e内のV字の両面は密着し、ホットメルトタイプの接着剤Bは、折曲溝b,eの両面全体に広がる。引き続いて、折曲溝aとdの箇所を直角に折り曲げ図2(c)の状態にする。最後に折曲溝cの箇所を折り曲げ図2(d)の状態にする。
【0028】
図2(d)の状態にして手などで押さえてこの状態をしばらく保持すると、折曲溝a,b,c,d,eと、平面jに塗布されたホットメルトタイプの接着剤Bが固化する。ただし、平面hと平面gとは、エマルジョンタイプの接着剤Aで接着されているので、まだ固化していない。
【0029】
しかし、ホットメルトタイプの接着剤Bが固化すれば、手を離しても図2(d)の形状を保持することができ、平面hと平面gとの間に押圧力を加えた状態となる。したがって、このまま放置することで、エマルジョンタイプの接着剤Aが固化して化粧造作部材10が完成することになる。
【0030】
また、上記の実施例では、化粧板20を折り曲げるだけで化粧造作部材10を製造し、特許文献1のように、木質基材を入れていない。しかし、木質基材を入れる場合でも、本発明の製造方法を適用することができる。
【0031】
さらに、折曲溝としてはV型の溝で直角に曲げる場合のみを例示したが、櫛目状に多数の溝を形成して角部を丸く折り曲げる折曲溝にするなど、他の多様な折曲溝を採用することができる。また、段差iと平面jに代えて、溝b,c間の平面に凹型の溝を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)は、糊付け装置に化粧板を通過させる状態を示す正面図で、(b)は接着剤が塗布された化粧板の正面図である。
【図2】(a)から(d)は、接着剤が塗布された化粧板から化粧造作部材を製造する方法を説明する図である。
【図3】リングの拡大図である。
【図4】(a)は、(b)に示す化粧板を糊付け装置に挿通する状態を示す図で、(b)は、2種類の接着剤の糊付けが完了した状態を示す図である。
【図5】(a)は、化粧造作部材の斜視図で、(b)は、加工前の化粧板の斜視図、(c)は(a)の化粧造作部材を展開した図である。
【符号の説明】
【0033】
10 化粧造作部材
20 化粧板
31 塗布ローラ
32 バックアップローラ
33 リング
A (通常硬化タイプの木工用)接着剤
B (ホットメルトタイプの)接着剤
a,b,c,d,e 折曲溝
f,g,h,k 平面

【出願人】 【識別番号】392023016
【氏名又は名称】マルフジ建材株式会社
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100099863
【弁理士】
【氏名又は名称】中倉 和彦


【公開番号】 特開2008−30218(P2008−30218A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−202959(P2006−202959)