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【発明の名称】 突板貼り彫刻化粧板とその製造法
【発明者】 【氏名】平島 真治

【氏名】松尾 繁

【氏名】平島 美奈子

【要約】 【課題】家具などの化粧板は天然木材、彫刻板などの供給と、突板の積層材等の各種の木質加工材の化粧板の使用が普及してきており、これらの突板の加工材に天然木材の持つ質感と深みとコスト面を付与する突板化粧板の装飾的基材を提供する。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材、金属、樹脂の 基材に、色彩、模様が異なる2〜5枚の突板を貼り合わせた後、表面から表層部を模様状態に順次に彫り、彫った凹部の内部を色彩・模様状態にした装飾の板であることを特徴とする突板貼り彫刻化粧板
【請求項2】
請求項1において、基材に、色彩、模様が異なる2〜5枚の突板を交互に方向を変えて貼り合わせ、表面の突板から順次に特定の模様状態に彫り、突板の色彩・模様的な装飾の板にすることを特徴とする突板貼り彫刻化粧板の製造法
【請求項3】
請求項1において、基材に2〜5枚の突板を貼り合わせるための接着剤は、成分として、アミノプラスト樹脂、ビニル系樹脂、及び合成ゴムを使用することを特徴とする突板貼り彫刻化粧板の製造法。
【請求項4】
請求項1において、突板の色彩、模様及び方向の異なるもの、および同一のもの2〜5枚の突板の張り合わせ、突板の木目、種類の異なる材料と、暗部材料と明部材料の色彩の異なる二種類以上を張り合わせたものを、上層部の1枚目〜5枚目に特定の模様状態に彫り、基材はそのままの状態にした装飾の板にすることを特徴とする突板貼り彫刻化粧板の製造法
【請求項5】
請求項1において 表面の彫り模様は定型、無定形の形状である草、花、円、楕円、三角、四角、菱、ストライプ、チェック、水玉、文字、幾何学模様等の模様を二重、三重、四重、五重に彫った装飾の板であることを特徴とする突板貼り彫刻化粧板


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、突板貼り合板における化粧板とその製造法に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、家具、扉、壁面、天井材等の建築材料として有用な、良好な意匠性で深みのある質感の装飾を主体にした突板貼り彫刻化粧板とその製造法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種の素材からなる化粧板が知られており、家具、扉、天井板等の建築用材料として広く使用されている。この化粧板の一種に、木材表面をブラッシング加工して春材部、花模様部を削り取り、表面に凹凸を形成した後に塗装仕上げしたものが知られている(特許文献1参照)。この化粧板は、木質素材表面の自然の凹凸感を生かしたものとして、優れた質感のある木質材として注目されてもいる(特許文献2参照)。さらに突板を貼り合わせたものに表面を彫って模様を付けて、その中に顔料を注入して化粧板を提供している(特許文献3参照)。
【特許文献1】平5−76829号
【特許文献2】平11−165396号
【特許文献3】平7−68707号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
家具などの化粧板は天然木材、彫刻板などの供給と、樹脂の表面にプリントした合板、あるいは積層材等の各種の木質加工材の化粧板の使用が普及してきており、これらの加工材に天然木材のみでは表現出来ない意匠性が重要な課題となってきた。
このような課題に対応するために、加工材としての木質基材の表面に比較的薄い突板を貼付けて、天然木材調の建築材とすることが一般的になってきている。しかしながら、このような突板貼り化粧板の場合には、加工材としての基材に、通常の0,2 〜0,5mm 厚程度の薄い突板を貼付けて表面部を削り取り、表面に凹凸を形成して塗装仕上げしようとすると、削り取り時に突板が部分的に削り取られてその凹部に基材が露出してしまう。このため、彫刻による削りだし加工を施し、凹凸を表現する突板貼り化粧板の製造に適用することは困難で、ほとんどメリットがなかった。
【0004】
ブラッシングなどの表面加工では表現できない独特の表面の質感を突板貼化粧板に生かすための方法の実現が求められていた。本発明は、上記の事情に鑑みて、従来のブラッシング加工の欠点を解消し、突板貼化粧板にこの彫り加工を施すことによって、優れた質感の模様表面を形成することのできる新しい突板貼彫刻化粧板とその製造法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は木材、金属などの基材に、色彩、模様が異なる2〜5枚の突板を貼り合わせた後、表面から表層部を模様状態に順次に彫り、彫った凹部の内部を色彩・模様状態にした装飾の板にする突板貼り彫刻化粧板とその製造法である。一般に突板の厚さは0、2〜0,5mmである。また突板における木材の種類はナラ、タモ、メイプル、ウォルナットなどが挙げられる。
この基材に、種々の色彩、模様が異なる2〜5枚の突板を交互に方向を変えて貼り合わせ、表面の突板から順次に特定の模様状態に彫り、突板の色彩・模様的な装飾の板にすることにより突板貼り彫刻化粧板を製造する方法である。
【0006】
本発明は、木材、金属、樹脂の基材に2〜5枚の突板を貼り合わせるための接着剤は、接着剤の成分として、アミノプラスト樹脂、ビニル系樹脂、及び合成ゴムを使用した装飾の板である突板貼り彫刻化粧板の製造法であって、接着剤成分として、アミノプラスト樹脂、ビニル系樹脂、及び合成ゴム等が挙げられる。上記アミノプラスト樹脂としては、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ユリア−メラミン共縮合樹脂、ユリア−フェノール共縮合樹脂及びメラミン−フェノール共縮合樹脂等が挙げられる。上記ビニル系樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合樹脂及びスチレン−アクリル共重合樹脂等が挙げられる。上記合成ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体及びアクリル−スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは1種のみ含有されても良いし、2種以上が混合されて含有されていても良い。
【0007】
突板の色彩、模様及び方向の異なるもの、および同一のもの2〜5枚の突板の張り合わせ、突板の木目、また上記のような種類の異なる材料と、あるいは暗部材料と明部材料の色彩の異なる二種類以上を張り合わせたものを、上層部を1枚目〜5枚目に特定の模様状態に彫り、基材はそのままの状態にした装飾の板である突板貼彫刻化粧板とその製造法である。 その彫り方については、特殊の刃物を用いて施す。
本発明は、 表面の彫り模様は定型、無定形の形状である草、花、円、楕円、三角、四角、菱、ストライプ、チェック、水玉、文字、幾何学模様等の模様を二重、三重、四重、五重に彫った装飾の板である。
【0008】
本発明においては、基材が露出することを良好とする場合もあるうえに、削り取り後、上下の材の違いによって現れる明暗の凹凸部に従来の塗装仕上げをすることによって優れた質感と意匠性とを実現する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、模様表現による意匠性、質感ともに優れた突板貼り彫刻化粧板が提供される。その製造方法も簡便であり、経済性も良好である。
【実施例1】
【0010】
以下、添付した図面に沿ってこの突板貼り彫刻化粧板の製造法について、さらに詳しく説明する。図1、図2は突板貼り合板、図3は断面図、図4、図5、図6,図7は突板貼彫刻化粧板、図8が使用状態である(基材、突板、加工模様等は例示)。たとえばこの図1、図2、図3、図4に示したように、以下の突板貼彫刻化粧板の製造法の工程に沿って実施する。
(a) まず突板貼り化粧板の種類として、基材(1)の上に二枚の貼り合わせた突板(1枚あたり0,2〜0,5mmの突板使用)(2)を貼った化粧板を図1に、次に基材(1)の上に種類が異なる3枚の突板を貼り合わせたもの(1枚あたり0、2〜0,5mmの突板使用)を図2のようにとなった。突板2枚〜5枚重ねで使用する場合、同材もしくは異種材が上下に重て使用する場合があり、それぞれ、異なる方向に貼り合わせる場合と同方向に貼り合わせる場合によって、立体感と色彩が異なってくる。それぞれ基材(1)としては、従来公知のMDF、合板、無垢材その他の加工木質材等の適宜なものが使用され、二枚の突板貼り合わせ(2)と三枚の突板貼り合わせ(3)としても、ナラ、タモ、ウォルナット等の各種の突板素材を使用した。貼付けには、接着剤成分として、アミノプラスト樹脂を使用した。接着剤の使用方法としては、ローラーによって塗り、各突板の接合は平板プレス、あるいは真空プレス成形によって行うことができる。
【0011】
(b) 次いで、この二枚の突板貼り合わせ(2)又は三枚の突板貼り合わせ(3)を基材に貼付けた後に、突板の表面から彫刻加工を施して、二枚の突板貼り合わせ(2)と三枚の突板貼り合わせ(3)の表面を彫り取る。これによって、突板の表面に凹凸を形成する。この彫刻加工によって、その削り取られた凹部には、二枚の突板貼り合わせ(2)と三枚の突板貼り合わせ(3)の一部が削れて三重の突板の一部もしくは基材が露出する。接合した突板の断面図 (図3)、その化粧板(図4)に示した。その場合、表面の突板の彫り方としては特殊な刃物を使用した。工業的には機械彫りで行うことができる。
【0012】
(c) 従来は、この凹部での基材(1)の露出が避けられなかったために、突板貼り板材には彫刻加工が適用できなかったが、本発明では、この基材(1)の露出をさせないで化粧板の加工ができるうえ、基材(1)の露出も良好とされる。そして、彫刻加工後に、オイル塗布、ポリウレタン処理、ポリエステル処理、UV処理等の従来の塗装方法で表面仕上げを行うことができる。
【実施例2】
【0013】
実施例1と同様な操作により図5に示すような模様の突板貼彫刻化粧板を製作した。
【実施例3】
【0014】
実施例1と同様な操作により図6に示すような模様の突板貼彫刻化粧板を製作した。
【実施例4】
【0015】
実施例1と同様な操作により図7に示すような模様の突板貼彫刻化粧板を製作した。
【実施例5】
【0016】
実施例1と同様な操作により図8に示すような模様の突板貼彫刻化粧板を製作し、家具に用いた。
以上の(a)(b)(c)の工程例として示されるこの発明の突板貼彫刻化粧板の製造法により、たとえば図4、図5、図6、図7に例示したように、(2)と(3)の接合した突板部の表面を削り取って表面に従来の塗装などを施すことにより、木質表面としての優れた質感、意匠性を有する、深みのある化粧板も得られる。この場合、塗装処理をすることによって、高級感のある凹凸感が美しく見える装飾材を得ることが出来る。
本発明は、その彫刻加工表現の細部において様々な態様が可能であることはいうまでもない。
【0017】
以上の工程を踏まえ加工された突板貼彫刻化粧板を用い、様々な家具(例としてテーブル製造工程図8)や壁面、床材等建材に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】基材と2枚の突板を貼り合わせた図
【図2】基材と3枚の突板を貼り合わせた図
【図3】図1、図2から得られた突板貼り彫刻化粧板の断面図
【図4】ストライプ柄に彫刻を施した突板貼り彫刻化粧板の斜め上図
【図5】連続した四角模様に彫刻を施した突板貼り彫刻化粧板の斜め上図
【図6】不規則なストライプ柄に彫刻を施した突板貼り彫刻化粧板の斜め上図
【図7】菱形に彫刻を施した突板貼り彫刻化粧板の斜め上図
【図8】図4のストライプ柄突板貼彫刻化粧板を用いたテーブルの製造工程
【符号の説明】
【0019】
1.基材
2.突板2枚の貼り合わせ(1枚あたり0,2〜0,5mmを以上)
3.突板3枚の貼り合わせ(1枚あたり0,2〜0,5mmを以上)

【出願人】 【識別番号】599135813
【氏名又は名称】株式会社 ヒラシマ
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−12887(P2008−12887A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−189228(P2006−189228)