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【発明の名称】 基材切削装置の刃物の脱着方法及び基材切削装置
【発明者】 【氏名】池 田 茂

【要約】 【課題】刃物の取り付け・取り外し作業が容易にできる基材切削装置の刃物脱着方法を提供する。

【解決手段】複数の取付ボルト7を連動させて、複数の取付ボルト用の長孔51に対して交差させると共に、複数の取付ボルト7を刃物台8に向かって降下させて複数の取付ボルト7の頭部の裏面を座ぐり51aに対して押さえ付けて刃物5を刃物台8に取り付ける刃物取り付け工程と、この刃物取り付け工程の後、刃物5が摩耗した場合、複数の取付ボルト7を連動させて刃物台8から離間させるように上昇させると共に、複数の取付ボルト7を、複数の取付ボルト7の頭部の長手方向と刃物5の複数の取付ボルト用の長孔51の長手方向とを全て一致させるように複数の取付ボルト7を連動させて回動させ、複数の取付ボルト7の頭部の裏面を座ぐり51aに対して離間させる刃物取り外し工程とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃物の刃先と刃口金との段差を利用して基材を切削する基材切削装置であって、
前記刃物は、平面視、幅方向の長さが奥行き方向の長さより長い略長方形の形状であり、
前記刃物には、前記奥行き方向に平行な取付ボルト用の長孔が前記幅方向に間隔をおいて複数設けられ、
前記複数の取付ボルト用の長孔には、それぞれ座ぐりが施され、
前記複数の取付ボルト用の長孔には、それぞれ頭部が前記刃物の表面より突出しないと共に、前記頭部の裏面を前記座ぐりに対して押さえ付けて前記刃物を刃物台に取り付ける複数の取付ボルトとを備え、
前記複数の取付ボルトの頭部の長手方向と前記刃物の複数の取付ボルト用の長孔の長手方向とが全て一致した時、前記刃物は前記刃物台から取り外しができるように、前記取付ボルトの頭部の形態を前記取付ボルト用の長孔の形態より小さく形成され、
前記複数の取付ボルトを連動させて、前記複数の取付ボルト用の長孔に対して交差させると共に、前記複数の取付ボルトを前記刃物台に向かって降下させて前記複数の取付ボルトの頭部の裏面を前記座ぐりに対して押さえ付けて前記刃物を前記刃物台に取り付ける刃物取り付け工程と、
この刃物取り付け工程の後、前記刃物が摩耗した場合、前記複数の取付ボルトを連動させて前記刃物台から離間させるように上昇させると共に、前記複数の取付ボルトを、前記複数の取付ボルトの頭部の長手方向と前記刃物の複数の取付ボルト用の長孔の長手方向とを全て一致させるように前記複数の取付ボルトを連動させて回動させ、前記複数の取付ボルトの頭部の裏面を前記座ぐりに対して離間させる刃物取り外し工程とを備えている
ことを特徴とする基材切削装置の刃物の脱着方法。
【請求項2】
刃物取り付け工程は、
複数の取付ボルトを連動させて、前記複数の取付ボルト用の長孔に対して交差させるように回動すると共に、前記複数の取付ボルトを前記刃物台に向かって降下させる取付ボルト回動降下工程と、
この取付ボルト回動降下工程の後、前記複数の取付ボルトを回動させない前記交差状態で前記複数の取付ボルトを座ぐりに当接するように降下すると共に、前記複数の取付ボルトの頭部の裏面を座ぐりに対して押さえ付けて前記刃物を前記刃物台に取り付ける取り付け工程とを有し、

刃物取り外し工程は、
前記複数の取付ボルトを連動させて前記複数の取付ボルトを回動させないで前記刃物台から離間させるように上昇させる取付ボルト上昇工程と、この取付ボルト上昇工程の後、前記複数の取付ボルトを、前記複数の取付ボルトの頭部の長手方向と前記刃物の複数の取付ボルト用の長孔の長手方向とを全て一致させるように前記複数の取付ボルトを連動させて回動させると共に、前記複数の取付ボルトを前記刃物台に向かって上昇させる取 付ボルト回動上昇工程とを有している
ことを特徴とする請求項1記載の基材切削装置の刃物の脱着方法。
【請求項3】
刃物の刃先と刃口金との段差を利用して基材を切削する基材切削装置であって、
前記刃物は、平面視、幅方向の長さが奥行き方向の長さより長い略長方形の形状であり、
前記刃物には、前記奥行き方向に平行な取付ボルト用の長孔が前記幅方向に間隔をおいて複数設けられ、
前記複数の取付ボルト用の長孔には、それぞれ座ぐりが施され、
前記複数の取付ボルト用の長孔には、それぞれ頭部が前記刃物の表面より突出しないと共に、前記頭部の裏面を前記座ぐりに対して押さえ付けて前記刃物を刃物台に取り付ける複数の取付ボルトとを備え、
この複数の取付ボルトの頭部の長手方向と前記刃物の複数の取付ボルト用の長孔の長手方向とが全て一致した時、前記刃物は前記刃物台から取り外しができるように、前記取付ボルトの頭部の形態を前記取付ボルト用の長孔の形態より小さく形成され、
前記取付ボルトの頭部と前記刃物台との間に設けられた弾性部材である第1の弾性部材と、
この第1の弾性部材は、前記取付ボルト毎に設けられ、
前記刃物台の下方に位置し、水平方向に移動自在に支持された移動部材と、この移動部材を水平方向に進退させる進退手段と、
前記移動部材の進退方向は、プラスの方向と、このプラスの方向と逆の方向であるマイナスの方向であり、
前記移動部材には、下方であって下方に開口部を有する凹所に設けられ、この凹所は、前記移動部材の前記プラスの方向に向かって下がる傾斜面である凹所傾斜面を有し、
前記凹所は、水平方向に間隔を有して複数設けられ、前記凹所傾斜面は、前記凹所毎に設けられ、
前記凹所傾斜面に沿って当接する傾斜面を有する傾斜体と、
この傾斜体は、前記凹所傾斜面毎に設けられ、
前記取付ボルトの胴部は、前記刃物台の貫通孔、前記移動部材の前記凹所傾斜面の貫通孔及び前記傾斜体の貫通孔を貫通して、貫通した取付ボルトの胴部の先端に螺合する雌ネジと、
この雌ネジと前記傾斜体との間に設けられた弾性部材である第2の弾性部材と、
この第2の弾性部材は、前記傾斜体毎に設けられ、
前記取付ボルトの胴部の外周に設けられたピニオンと、
このピニオンに螺合するラックを有するラック体と、
前記移動部材に設けられ、前記ピニオンに臨むと共に、前記ラック体を収納するラック収納室と、
前記ラック体と前記ラック体が対向する前記ラック収納室の壁との間に設けられた弾性部材であるラック体用弾性部材と、
前記ラック体の前記ラック体用弾性部材と反対側にあって、前記ラック体の動きを規制するラック体用ストッパーと、
前記ラック体の下面に設けられた凹所であるラック体下面凹所と、
このラック体下面凹所に先端が係止する係止部材と、
この係止部材に接続され、前記ラック体の下面に向かって付勢する弾性部材である係止部材用弾性部材と、
この係止部材用弾性部材は、前記移動部材に取り付けられ、
前記ラック体、前記ラック収納室、前記ラック体用ストッパー、前記ラック体下面凹所、前記係止部材及び前記係止部材用弾性部材は、それぞれ前記取付ボルト毎に対応して設けられている
ことを特徴とする基材切削装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、基材切削装置の刃物の脱着方法及び基材切削装置に係り、特に、刃物の刃物台への取り付け作業のみならず取り外し作業をも容易にすることができる基材切削装置の刃物の脱着方法及び基材切削装置に関する。
【0002】
従来、刃物の刃先と刃口金との段差を利用して基材を切削するスライサーにあっては、刃物の複数の取付ボルト用の長孔の座ぐりに、複数の取付ボルトの頭部の裏面をそれぞれ押さえ付けて刃物を刃物台に取り付けている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実公平7−2169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、刃物の刃物台への取り付け作業及び取り外し作業にあっては、工具を使って人的作業により複数の取付ボルト毎に締め付け、取り外しを行わなければならず、その作業が非常に面倒で、時間を要するという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記の点を考慮してなされた基材切削装置の刃物の脱着方法及び基材切削装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の基材切削装置の刃物の脱着方法は、刃物の刃先と刃口金との段差を利用して基材を切削する基材切削装置であって、前記刃物は、平面視、幅方向の長さが奥行き方向の長さより長い略長方形の形状であり、前記刃物には、前記奥行き方向に平行な取付ボルト用の長孔が前記幅方向に間隔をおいて複数設けられ、前記複数の取付ボルト用の長孔には、それぞれ座ぐりが施され、前記複数の取付ボルト用の長孔には、それぞれ頭部が前記刃物の表面より突出しないと共に、前記頭部の裏面を前記座ぐりに対して押さえ付けて前記刃物を刃物台に取り付ける複数の取付ボルトとを備え、前記複数の取付ボルトの頭部の長手方向と前記刃物の複数の取付ボルト用の長孔の長手方向とが全て一致した時、前記刃物は前記刃物台から取り外しができるように、前記取付ボルトの頭部の形態を前記取付ボルト用の長孔の形態より小さく形成され、前記複数の取付ボルトを連動させて、前記複数の取付ボルト用の長孔に対して交差させると共に、前記複数の取付ボルトを前記刃物台に向かって降下させて前記複数の取付ボルトの頭部の裏面を前記座ぐりに対して押さえ付けて前記刃物を前記刃物台に取り付ける刃物取り付け工程と、この刃物取り付け工程の後、前記刃物が摩耗した場合、前記複数の取付ボルトを連動させて前記刃物台から離間させるように上昇させると共に、前記複数の取付ボルトを、前記複数の取付ボルトの頭部の長手方向と前記刃物の複数の取付ボルト用の長孔の長手方向とを全て一致させるように前記複数の取付ボルトを連動させて回動させ、前記複数の取付ボルトの頭部の裏面を前記座ぐりに対して離間させる刃物取り外し工程とを備えているものである。
【0006】
また、請求項2記載の基材切削装置の刃物の脱着方法は、請求項1記載の基材切削装置の刃物の脱着方法において、刃物取り付け工程は、複数の取付ボルトを連動させて、前記複数の取付ボルト用の長孔に対して交差させるように回動すると共に、前記複数の取付ボルトを前記刃物台に向かって降下させる取付ボルト回動降下工程と、この取付ボルト回動降下工程の後、前記複数の取付ボルトを回動させない前記交差状態で前記複数の取付ボルトを座ぐりに当接するように降下すると共に、前記複数の取付ボルトの頭部の裏面を座ぐりに対して押さえ付けて前記刃物を前記刃物台に取り付ける取り付け工程とを有し、刃物取り外し工程は、前記複数の取付ボルトを連動させて前記複数の取付ボルトを回動させないで前記刃物台から離間させるように上昇させる取付ボルト上昇工程と、この取付ボルト上昇工程の後、前記複数の取付ボルトを、前記複数の取付ボルトの頭部の長手方向と前記刃物の複数の取付ボルト用の長孔の長手方向とを全て一致させるように前記複数の取付ボルトを連動させて回動させると共に、前記複数の取付ボルトを前記刃物台に向かって上昇させる取付ボルト回動上昇工程とを有しているものである。
【0007】
また、請求項3記載の基材切削装置は、刃物の刃先と刃口金との段差を利用して基材を切削する基材切削装置であって、前記刃物は、平面視、幅方向の長さが奥行き方向の長さより長い略長方形の形状であり、前記刃物には、前記奥行き方向に平行な取付ボルト用の長孔が前記幅方向に間隔をおいて複数設けられ、前記複数の取付ボルト用の長孔には、それぞれ座ぐりが施され、前記複数の取付ボルト用の長孔には、それぞれ頭部が前記刃物の表面より突出しないと共に、前記頭部の裏面を前記座ぐりに対して押さえ付けて前記刃物を刃物台に取り付ける複数の取付ボルトとを備え、この複数の取付ボルトの頭部の長手方向と前記刃物の複数の取付ボルト用の長孔の長手方向とが全て一致した時、前記刃物は前記刃物台から取り外しができるように、前記取付ボルトの頭部の形態を前記取付ボルト用の長孔の形態より小さく形成され、前記取付ボルトの頭部と前記刃物台との間に設けられた弾性部材である第1の弾性部材と、この第1の弾性部材は、前記取付ボルト毎に設けられ、前記刃物台の下方に位置し、水平方向に移動自在に支持された移動部材と、この移動部材を水平方向に進退させる進退手段と、前記移動部材の進退方向は、プラスの方向と、このプラスの方向と逆の方向であるマイナスの方向であり、前記移動部材には、下方であって下方に開口部を有する凹所に設けられ、この凹所は、前記移動部材の前記プラスの方向に向かって下がる傾斜面である凹所傾斜面を有し、前記凹所は、水平方向に間隔を有して複数設けられ、前記凹所傾斜面は、前記凹所毎に設けられ、前記凹所傾斜面に沿って当接する傾斜面を有する傾斜体と、この傾斜体は、前記凹所傾斜面毎に設けられ、前記取付ボルトの胴部は、前記刃物台の貫通孔、前記移動部材の前記凹所傾斜面の貫通孔及び前記傾斜体の貫通孔を貫通して、貫通した取付ボルトの胴部の先端に螺合する雌ネジと、この雌ネジと前記傾斜体との間に設けられた弾性部材である第2の弾性部材と、この第2の弾性部材は、前記傾斜体毎に設けられ、前記取付ボルトの胴部の外周に設けられたピニオンと、このピニオンに螺合するラックを有するラック体と、前記移動部材に設けられ、前記ピニオンに臨むと共に、前記ラック体を収納するラック収納室と、前記ラック体と前記ラック体が対向する前記ラック収納室の壁との間に設けられた弾性部材であるラック体用弾性部材と、前記ラック体の前記ラック体用弾性部材と反対側にあって、前記ラック体の動きを規制するラック体用ストッパーと、前記ラック体の下面に設けられた凹所であるラック体下面凹所と、このラック体下面凹所に先端が係止する係止部材と、この係止部材に接続され、前記ラック体の下面に向かって付勢する弾性部材である係止部材用弾性部材と、この係止部材用弾性部材は、前記移動部材に取り付けられ、前記ラック体、前記ラック収納室、前記ラック体用ストッパー、前記ラック体下面凹所、前記係止部材及び前記係止部材用弾性部材は、それぞれ前記取付ボルト毎に対応して設けられているものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の基材切削装置の刃物の脱着方法によれば、複数の取付ボルトを連動させて、複数の取付ボルト用の長孔に対して交差させると共に、前記複数の取付ボルトを刃物台に向かって降下させて前記複数の取付ボルトの頭部の裏面を座ぐりに対して押さえ付けて刃物を前記刃物台に取り付ける刃物取り付け工程と、この刃物取り付け工程の後、前記刃物が摩耗した場合、前記複数の取付ボルトを連動させて前記刃物台から離間させるように上昇させると共に、前記複数の取付ボルトを、前記複数の取付ボルトの頭部の長手方向と前記刃物の複数の取付ボルト用の長孔の長手方向とを全て一致させるように前記複数の取付ボルトを連動させて回動させ、前記複数の取付ボルトの頭部の裏面を前記座ぐりに対して離間させる刃物取り外し工程とを備えているため、刃物の刃物台への取り付け作業のみならず取り外し作業をも容易となる。
【0009】
また、請求項3記載の基材切削装置によれば、刃物を刃物台に取り付ける場合にあっては、進退手段による移動部材の動きに複数の取付ボルトが連動して、複数の取付ボルト用の長孔に対して交差すると共に、前記複数の取付ボルトが前記刃物台に向かって降下して前記複数の取付ボルトの頭部の裏面を前記座ぐりに対して押さえ付けて取り付けることができ、また、刃物が摩耗し、刃物を刃物台から取り外す場合にあっては、進退手段による移動部材の動きに前記複数の取付ボルトが連動して前記刃物台から離間させるように上昇すると共に、前記複数の取付ボルトが、前記複数の取付ボルトの頭部の長手方向と前記刃物の複数の取付ボルト用の長孔の長手方向とを全て一致するように前記複数の取付ボルトが連動して回動し、前記複数の取付ボルトの頭部の裏面が前記座ぐりに対して離間して取り外すことができ、刃物の刃物台への取り付け作業のみならず取り外し作業をも容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の基材切削装置の刃物の脱着方法及び基材切削装置の一実施例を図面を参照して説明する。
図1〜図9において、1は基材切削装置で、基材切削装置1は、概略的に、テーブル2に送材ベルト3を対設させ(図1及び図2参照)、この送材ベルト3によりテーブル2面へ基材4を圧接移送させて、後述する刃物5の刃先5aと刃口金6との段差H(図 5及び図6参照)を利用して基材4を切削して単板(厚さ、約0.2mm〜約6mm程度の木材薄板)を製造するものである(特公平6−98606号公報参照)。
なお、送材ベルト3は、図示しない正逆回転自在なモータにより駆動されるようになっている。
【0011】
テーブル2には、図2に示すように、基材4の移動方向に対して斜めに設けられ、刃物5は、平面視、幅方向の長さWが奥行き方向の長さLより長い略長方形の形状となっている[図4(a)参照]。この刃物5には、奥行き方向に平行 な取付ボルト用の長孔51が幅方向に間隔をおいて複数(本実施例では、5個)設けられている。なお、複数の取付ボルト用の長孔51には、それぞれ座ぐり51aが施されている。
また、複数の取付ボルト用の長孔51には、それぞれ頭部が刃物5の表面より突出しないと共に、頭部の裏面を座ぐり51aに対して押さえ付けて刃物5を刃物台8に取り付ける複数の取付ボルト7(本実施例では、5個)とを備えている[図4(b)参照]。
なお、この複数の取付ボルト7の頭部の長手方向と刃物5の複数の取付ボルト用の長孔51の長手方向とが全て一致した時、刃物5は刃物台8から取り外しができるように、取付ボルト7の頭部の形態を取付ボルト用の長孔51の形態より小さく形成されている[図3(a)参照]。
【0012】
また、取付ボルト7の頭部と刃物台8との間には、弾性部材である第1の弾性部材9(例えば、コイル状バネ)が設けられ、この第1の弾性部材9は、取付ボルト7毎に設けられている。この第1の弾性部材9は、取付ボルト7を上昇させるためのものである。
【0013】
また、刃物台8の下方には、水平方向に移動自在に支持された移動部材10が位置している。この移動部材10は、進退手段11により水平方向に進退させるようになっている。
この進退手段11は、例えば、油圧シリンダーであるが、正逆回転自在な図示しないモーターの回転軸に雄ネジを設け、該雄ネジに螺合する移動部材10の内部に設けた雌ネジ(図示せず)によっても良い。
移動部材10の進退方向は、プラスの方向と、このプラスの方向と逆の方向であるマイナスの方向があり、例えば、進退手段11が、図7(a)の状態から図8(a)の状態へ動作することにより、移動部材10が図7(a)の状態から図8(a)の状態へ移動した場合には、マイナスの方向への移動であり、逆に、移動部材10が、図8(a)の状態から図7(a)の状態へ移動した場合には、プラスの方向への移動となる。
【0014】
また、移動部材10には、図7(b)及び図8(b)に示すように、下方であって下方に開口部を有する凹所10aが設けられ、この凹所10aは、移動部材10の移動方向のプラスの方向に向かって下がる傾斜面である凹所傾斜面Kを有し、凹所10aは、図3(b)及び図4(b)に示すように、水平方向に間隔を有して複数設けられ、凹所傾斜面Kは、凹所10a毎に設けられている。
【0015】
また、図3(b)、図7(b)及び図8(b)に示す12は傾斜体で、傾斜体12は、凹所傾斜面Kに沿って当接する傾斜面を有すると共に、貫通孔12aを有している。この傾斜体12は、凹所傾斜面K毎に設けられている。
そして、取付ボルト7の胴部は、刃物台8の貫通孔8a、移動部材10の凹所傾斜面Kの貫通孔Ka及び傾斜体12の貫通孔12a[図3(b)参照]を貫 通し、貫通した取付ボルト7の胴部の先端に形成された雄ネジ7aに雌ネジ14が螺合している。
この雌ネジ14と傾斜体12との間には弾性部材である第2の弾性部材15(例えば、サラバネ)が設けられている。この第2の弾性部材15は、傾斜体12毎に設けられている。この複数の第2の弾性部材15は、複数の取付ボルト7の頭部の裏面の高さの誤差を補うように設けられたものである。
【0016】
また、取付ボルト7の胴部の外周には、取付ボルト7の長手方向の移動を許容するピニオン7bが設けられている[図3(b)参照]。このピニオン7bに 螺合するラック20aを有するラック体20は、ラック収納室10bに収納されている。このラック収納室10bは、移動部材10に設けられ、ピニオン7bに臨む位置にある[図7(a)及び図8(a)参照]。
また、図7(a)及び図8(a)に示す30は、弾性部材であるラック体用弾性部材で、ラック体用弾性部材30は、ラック体20とラック体20が対向するラック収納室10bの壁との間に設けられている。
また、図7(a)及び図8(a)に示す40は、ラック体20のラック体用弾性部材30と反対側にあって、ラック体20の動き、例えば、移動部材10の移動方向のマイナスの方向と同じ方向を規制する常時固定のラック体用ストッパーである。
また、図9(c)に示す20bは、ラック体20の下面に設けられた凹所であるラック体下面凹所で、ラック体下面凹所20bは、例えば、下方に拡大して開口するすり鉢状に形成されている。
また、図9(c)に示す50は、ラック体下面凹所20bに先端が係止する係止部材(例えば、球体)で、この係止部材50は、ラック体20の下面に向かって付勢する弾性部材である係止部材用弾性部材60に接続されている。また、この係止部材用弾性部材60は、移動部材10に取り付けられている。
そして、ラック体20、ラック収納室10b、ラック体用ストッパー40、ラック体下面凹所20b、係止部材50及び係止部材用弾性部材60は、それぞれ取付ボルト7毎に対応して設けられ、本実施例では、それぞれ、5個ずつ設けられている。
【0017】
従って、上述した基材切削装置1によれば、刃物5を刃物台8に取り付ける場合にあっては、図3(a)(b)及び図7(a)(b)の状態において、進退手段11によって移動部材10をマイナスの方向へ移動させると、進退手段11による移動部材10の動きにラック体20が追随する[図9(a)及び図9(b)参照]と共に、進退手段11による移動部材10の動きに複数の取付ボルト7が連動して、ラック20aに螺合したピニオン7bにより複数の取付ボルト7が、例えば、反時計回りに回動して複数の取付ボルト用の長孔51に対して交差すると共に、移動部材10の凹所傾斜面Kが傾斜体12[図7(b)及び図8(b) 参照]を下方へ押し下げて、複数の取付ボルト7が刃物台8に向かって降下して複数の取付ボルト7の頭部の裏面を座ぐり51aに対して押さえ付けて取り付けることができる[図4(a)(b)及び図8(a)(b)参照]。つまり、複数の取付ボルト7を連動させて、複数の取付ボルト用の長孔51に対して交差させると共に、複数の取付ボルト7を刃物台8に向かって降下させて複数の取付ボルト7の頭部の裏面を座ぐり51aに対して押さえ付けて刃物7を刃物台8に取り付ける(刃物取り付け工程)。
【0018】
この刃物取り付け工程は、詳述すれば、取付ボルト回動降下工程と取り付け工程とを有する。取付ボルト回動降下工程は、複数の取付ボルト7を連動させて 、複数の取付ボルト用の長孔51に対して交差させるように回動すると共に、複数の取付ボルト7を刃物台8に向かって降下させる工程であり、図9で言えば、図9(a)から図9(b)に至る状態の工程である。
取り付け工程は、上記の取付ボルト回動降下工程の後、複数の取付ボルト7を回動させない取付ボルト回動降下工程の交差状態をそのまま維持して複数の取付ボルト7を座ぐり51aに当接するように降下すると共に、複数の取付ボルト7の頭部の裏面を座ぐり51aに対して押さえ付けて刃物7を刃物台8に取り付ける工程であり、図9で言えば、図9(b)から図9(c)に至る状態である。この取り付け工程においては、図9(c)に示すように、ラック体下面凹所20bに係止する係止部材50との係止状態が解除され、ラック体用ストッパー40によりラック体20は移動を停止し、移動部材10がマイナスの方向へ移動を継続し、複数の取付ボルト7が降下する。
このうように刃物取り付け工程を取付ボルト回動降下工程と取り付け工程とに分割することにより、ラック20aとピニオン7bとの螺合に余分な力が作用しないようにして、ラック20aとピニオン7bとの損傷を防止することができる。
【0019】
また、刃物取り付け工程の後、刃物5が摩耗した場合にあっては、図4(a)(b)及び図8(a)(b)の状態において、上述とは、逆に、進退手段11によって移動部材10をプラスの方向へ移動させると、進退手段11による移動部材10の動きに複数の取付ボルト7が連動して、刃物台8から離間させるように上昇すると共に、複数の取付ボルト7が、複数の取付ボルト7の頭部の長手方向と刃物5の複数の取付ボルト用の長孔51の長手方向とを全て一致するように複数の取付ボルト7が連動して時計回りに回動し、複数の取付ボルト7の頭部の裏面が座ぐり51aに対して離間して取り外すことができる[図3(a)(b)及び図7(a)(b)参照]。つまり、複数の取付ボルト7を連動させて刃物台8から離間させるように上昇させると共に、複数の取付ボルト7を、複数の取付ボルト7の頭部の長手方向と刃物5の複数の取付ボルト用の長孔51の長手方向とを全て一致させるように複数の取付ボルト7を連動させて回動させ、複数の取付ボルト7の頭部の裏面を座ぐり51aに対して離間させる(刃物取り外し工程)。
【0020】
この刃物取り外し工程は、詳述すれば、取付ボルト上昇工程と取付ボルト回動上昇工程とを有する。取付ボルト上昇工程は、複数の取付ボルト7を連動させて複数の取付ボルト7を回動させないで刃物台8から離間させるように上昇させる工程であり、図9で言えば、図9(c)から図9(b)に至る状態である。この取付ボルト上昇工程においては、図9(b)に示すように、ラック体下面凹所20bに係止していない係止部材50が、ラック体下面凹所20bに係止する状態に至る工程で、ラック体20は移動を停止したままで、移動部材10がプラスの方向へ移動し、複数の取付ボルト7が上昇する。
取付ボルト回動上昇工程は、複数の取付ボルト7を、複数の取付ボルト7の頭部の長手方向と刃物5の複数の取付ボルト用の長孔51の長手方向とを全て一致させるように複数の取付ボルト7を連動させて回動させると共に、複数の取付ボルト7を刃物台8に向かって上昇させる工程であり、図9で言えば、図9(b)から図9(a)に至る状態である。この取付ボルト回動上昇工程においては、係止部材50がラック体下面凹所20bに係止するため、移動部材10のプラスの方向への動きにラック体20が追随して[図9(a)及び図9(b)参照]一体として動き、取付ボルト7を回動させると共に、上昇させる。このように刃物取り外し工程を取付ボルト上昇工程と取付ボルト回動上昇工程とに分割することにより、ラック20aとピニオン7bとの螺合に余分な力が作用しないようにして、ラック20aとピニオン7bとの損傷を防止することができる。
その結果、刃物5の刃物台8への取り付け作業のみならず取り外し作業をも 容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の一実施例の基材切削装置の概略的正面図である。
【図2】図2は、図1の2−2線による概略的断面図である。
【図3】図3(a)は、図2のテーブルの概略的平面図であり、図3(b)は、図3(a)の概略的断面図である。
【図4】図4(a)は、図3(b)の刃物を刃物台に対して取付ボルトにより押さえ付けた状態を示すテーブルの概略的平面図であり、図4(b)は、図3(a)の概略的断面図である。
【図5】図5は、図3(a)の5−5線による概略的断面図である。
【図6】図6は、図4(a)の6−6線による概略的断面図である。
【図7】図7(a)は、図3(a)の7−7線による概略的断面図であり、図7(b)は、図3(b)の一部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
【図8】図8(a)は、図4(a)の8−8線による概略的断面図であり、図6(b)は、図4(b)の一部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
【図9】図9(a)(b)(c)は、取付ボルトの回動と降下状態の動作を説明する概略的図であり、各図の上は概略的平面図、下は該平面図に対応する概略的断面図であり、図9(a)は、移動部材が矢印方向へ移動を開始した状態を、図9(b)は、移動部材が移動し、取付ボルトが回動すると共に、降下する状態を、図9(c)は、取付ボルトが回動せず降下する状態を、それぞれ示している。
【符号の説明】
【0022】
5 刃物
51 取付ボルト用の長孔
51a 座ぐり
7 取付ボルト
8 刃物台
【出願人】 【識別番号】390029104
【氏名又は名称】株式会社丸仲鉄工所
【出願日】 平成19年5月10日(2007.5.10)
【代理人】 【識別番号】100088144
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 静富

【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎

【識別番号】100108752
【弁理士】
【氏名又は名称】野末 寿一


【公開番号】 特開2008−279652(P2008−279652A)
【公開日】 平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願番号】 特願2007−125467(P2007−125467)