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【発明の名称】 ルータガイドおよびその使用方法
【発明者】 【氏名】大島 明

【要約】 【課題】U字溝などのルータでの加工の作業時間を短縮し、かつ、精度を向上させる。

【解決手段】ルータ1を搭載して滑らせて移動する台となる平板4とこの平板4を溝加工対象物100に固定するために挟み込むバインダ5とを備えているルータガイド2において、前記平板にはルータの移動範囲を制限する突起物8を備えているルータガイド。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルータを搭載して滑らせて移動する台となる平板とこの平板を溝加工対象物に固定するために挟み込むバインダとを備えているルータガイドにおいて、前記平板にはルータの移動範囲を制限する突起物を備えていることを特徴とするルータガイド。
【請求項2】
請求項1の特徴を備えたルータガイドにおいて、前記平板上における前記突起物の位置を調整して固定するための調整機構を備えていることを特徴とするルータガイド。
【請求項3】
請求項1または2の特徴を備えたルータガイドにおいて、前記平板は透明であることおよび設定通りの位置に溝加工対象物を固定するための複数本の基準線が描かれていることを特徴とするルータガイド。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかの特徴を備えたルータガイドにおいて、前記溝加工対象物が戸板等であるとともに施される溝がU字型金具等取付け用の溝であり、この溝の形状が前記平板の接触面から見た状態で一定深さのU字型であることを特徴とするルータガイド。
【請求項5】
請求項2と3と4の全ての特徴を備えるルータガイドの使用方法において、前記突起物の位置を予め固定しておいたルータガイドを前記バインダで前記戸板等に固定した後、前記ルータを前記平板の端部から滑らせながら前記平板上に載せてそのまま前記突起物で制限された範囲内で移動させることを特徴とするルータガイドの使用方法。
【請求項6】
請求項5の特徴を備えるルータガイドの使用方法において、前記突起物の位置を決める際に、位置決め補助具を用いることおよびルータのビットの消耗の程度に合わせて前記補助具のサイズを調整することを特徴とするルータガイドの使用方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はルータガイドおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、家をバリアフリーにするリフォーム工事として、引戸の床のレールを除去するために引戸を天井から吊る工事がよく行われる。その際、吊戸金具を取り付けるためのU字溝を形成する場合が多く、このU字溝を短時間に精度良く形成することがリフォーム工事の効率を上げることに大きく影響しているのが実情である。
このU字溝を形成するために、NCマシンを使う場合がある。特開平5−337905(特許文献1)にNCマシンで溝加工する技術について公開されている。NCマシンは精度の高い加工を行うことができる。また、ノミなどで荒削りをした後にトリマーで整形する方法や、ルータを操作してU字溝を形成する方法を実施する場合がある。
ルータ自身の精度を向上するアイディアとしては、特開2004−169822(特許文献2)で、高速回転でも軸ぶれをしない技術が公開されている。ルータのガイドについてのアイディアとしては、特開2004−270389(特許文献3)で、ガイドの固定に吸着を用いる技術が公開されている。木材または類似の材料の加工のための装置について、特開平7−117005(特許文献4)で、その取り付けについて技術が公開されている。
【特許文献1】特開平5−337905
【特許文献2】特開2004−169822
【特許文献3】特開2004−270389
【特許文献4】特開平7−117005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上述べた通り、引戸にU字溝を形成するための技術は様々なものが提案され、使われている。NCマシンを使う方法ではリフォームの現地では作業を出来ないという問題を抱えている。NCマシンを設置した作業場に引戸を運び込んで加工してまた現地に戻すといった運搬の手間がかかってしまう。ノミなどで荒削りをしてトリマーで整形する方法では作業時間が長時間となってしまうことおよびノミの使い方に熟練が必要となる。また、ルータを使ってU字溝を形成する場合に特許文献2に示されているようなルータ自身の性能向上だけでは作業時間を短くすることや精度を向上する効果が薄い。ルータのガイド等について従来示されている特許文献3や特許文献4のアイディアではU字溝を短時間に精度良く形成することができないという課題を抱えていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のルータガイドは、ルータを搭載して滑らせて移動する台となる平板とこの平板を溝加工対象物に固定するために挟み込むバインダとを備えていることに加えて、前記平板にはルータの移動範囲を制限する突起物を備えていることを第1の特徴とし、
第2に、第1の特徴に加え、前記平板上における前記突起物の位置を調整して固定するための調整機構を備えていることを、
第3に、第1または第2の特徴に加えて、前記平板は透明であることおよび設定通りの位置に溝加工対象物を固定するための複数本の基準線が描かれていることを、
第4に、前記第1から第3のいずれかの特徴を備えていることに加え、前記溝加工対象物が戸板等であるとともに施される溝がU字型金具等取付け用の溝であり、この溝の形状が前記平板の接触面から見た状態で一定深さのU字型であることを特徴とし、本発明のルータガイドの使用方法は、第5の特徴として、前記第2から4の全ての特徴を備えるルータガイドの使用方法において、前記突起物の位置を予め固定しておいたルータガイドを前記バインダで前記戸板等に固定した後、前記ルータを前記平板の端部から滑らせながら前記平板上に載せてそのまま前記突起物で制限された範囲内で移動させることを特徴とし、
第6に、前記第5の特徴を備えるルータガイドの使用方法において、前記突起物の位置を決める際に、位置決め補助具を用いることおよびルータのビットの消耗の程度に合わせて前記補助具のサイズを調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のルータガイドを用いると引戸に吊戸金具を取り付けるためのU字溝を短時間に正確に形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明を実施するための最良の形態を図1を用いて説明する。引戸100にU字溝101を形成するためにルータ1をルータガイド2を使って切削することを説明する。前記ルータにはルータサポート部3が備えられており、前記ルータガイドの上でルータサポート部を滑らせながら前記引戸にU字溝を形成する。その詳細について以下に詳細を説明する
【0007】
まず前記ルータガイドを引戸に固定する方法を説明する。ルータガイドには平板4に引戸バインダ5が取り付けられている。このバインダは一対の木製直方体で構成されている。木製直方体間の隙間は加工対象となる引戸の幅に合わせてある。加工する引戸の幅が同じであればこのルータガイドを繰り返し使用し、引戸の幅が変われば、図に前記バインダを固定しているネジ6を調整して隙間をその引戸の幅に合わせて使用する。前記引戸に前記ルータガイドを図1に示すように横から滑らせるように載せる。この際、前記引戸バインダに取り付けられている奥行ストッパ7によって引戸に対するルータガイドの位置が再現性良く定められる。
【0008】
前記平板上部には突起物7が複数個備えられている。この突起物は前記ルータのルータサポート部を囲むようにコの字型に配置してある。ルータをその切削機能を作動させながらコの字型に配置してある囲いの開放方向から横に滑らせるように移動させることで、図1に示すようなU字溝を形成する。この切削の際に透明アクリル製の平板もいっしょに切削して図1に示すようにU字型の切欠きが形成される。前記U字溝の形状はルータビット12の直径とコの字型囲いの配置によって自在に決めることができる。前記3つの突起物に名称を付けて詳しく説明する。図1に示す通り、左サイドガイド9、右サイドガイド10、突き当てガイド11と呼ぶことにする。左サイドガイドと右サイドガイドとは互いに平行で、また、前記引戸バインダとも平行に配置してある。両サイドガイドの間隔が円盤状のルータサポート部の直径と等しく設定されている場合には前記U字溝の幅はルータビットの直径とほぼ等しくなり、間隔を広げればその分だけ太った「U」の字になる。U字溝の「U」の字の長さは突き当てガイドの位置で設定できる。前記奥行ストッパが引戸と接する位置から計って突き当てガイドの内縁(コの字の囲いの内側を内縁と定義)までの長さから前記ルータサポート部の半径分だけ差し引いた長さにルータビットの半径を加えた長さが「U」の字の長さとなる。これら突起物はネジで平板に固定されており、ネジを緩めてその位置を調整して再度ネジを締めることができるような構造となっている。
【実施例】
【0009】
本発明の第2の実施例について、図2から図5までを使って説明する。突起物8の位置を調整する方法についての実施例である。図4に示す調整板13を用いて突起物の位置を調整する例である。そのための考え方を図2と図3に示す。図2で14の記号で示したハッチング部分はルータのビット太さである。ルータサポート部を右サイドガイドに接した状態を描いている。ルータを図2の下側から上に向かってこの右サイドガイドに接しながら滑らせて移動し、図2に描いた倒立状態のU字のU字溝101を形成するのでこの「U字」の右端はこのハッチングの右端位置と一致することになる。図3にはルータサポート部を左サイドガイドに接した状態を描いている。ルータを図3の下側から上に向かってこの左サイドガイドに接しながら滑らせて移動し、図3に描いた倒立状態のU字のU字溝101を形成するのでこの「U字」の左端はこのハッチングの左端位置と一致することになる。このようにU字型の形状はルータサポート部の形状、ビット太さ、そして突起物の配置によって決まる。所望のU字溝を形成するための調整板を予め作成しておくと、ルータガイドの調整を容易に行うことができる。調整板13を嵌めて突起物の位置を調整する様子を図4および図5に描いた。ビットは使用していると削られてその直径が少しづつ細くなるが、その影響を考慮して突起物の位置を調整する方法として、調整板の淵に一定の厚みのテープを貼る方法がある。ビットの直径をマイクロメータ等で計測してその減った直径分の半分の厚みのテープを貼った調整板を使って突起物の位置を調整すればビットの減りに対応した調整を速やかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】は本発明を実施するための最良の形態を示すルータガイドを説明するための構成図である。
【図2】は本発明のルータガイドの突起物の配置関係を示す第1の状態図である。
【図3】は本発明のルータガイドの突起物の配置関係を示す第2の状態図である。
【図4】は本発明のルータガイドに調整板を載せた状態の平面図である。
【図5】は本発明のルータガイドに調整板を載せた状態の側面図である。
【符号の説明】
【0011】
1はルータ、2はルータガイド、3はルータサポート部、4は平板、5は引戸バインダ、6はネジ、7は奥行ストッパ、8は突起物、9は左サイドガイド、10は右サイドガイド、11は突き当てガイド、12はルータビット、13は調整板、14はビット太さ、100は引戸、101はU字溝である
【出願人】 【識別番号】507150600
【氏名又は名称】大島 明
【出願日】 平成19年4月9日(2007.4.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−260254(P2008−260254A)
【公開日】 平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願番号】 特願2007−125012(P2007−125012)