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【発明の名称】 ルータおよび孔加工方法
【発明者】 【氏名】波江野 憲

【要約】 【課題】板状パネルに芯材に沿うスリットを容易かつ正確に形成できるルータおよび芯材に沿う形状の貫通孔を容易かつ正確に形成できる孔加工方法を提供する。

【解決手段】ルータ本体2と、ルータ本体2の先端部に設けられた第1切刃部3と、ルータ本体2の基端部に、第1切刃部3と所定間隔をもって設けられた第2切刃部4と、第1切刃部3と第2切刃部4との間に設けられた円柱状の胴部5とを備えたルータ1によって板材8を使用する。板材8に第1切刃部3によって孔11を形成し、ルータ1をその軸方向に切り込んで、胴部5を前記芯材7に当接するとともに、第2切刃部4を孔11に位置させ、次に、胴部5を芯材7に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を芯材7に沿って移動させることによって、第2切刃部4によって板材8にスリット12を容易かつ正確に形成でき、これによって、芯材に沿う形状の貫通孔を形成できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材の裏面に芯材が設けられた板状パネルに、前記芯材に沿うスリットを形成するルータであって、
円柱状をなすルータ本体と、このルータ本体の先端部に設けられた第1切刃部と、前記ルータ本体の基端部に、前記第1切刃部と所定間隔をもって設けられた第2切刃部と、前記ルータ本体に、前記第1切刃部と前記第2切刃部との間に設けられた円柱状の胴部とを備えてなることを特徴とするルータ。
【請求項2】
板材の裏面に環状に芯材が設けられた板状パネルの前記板材に貫通孔を形成する孔加工方法において、
まず、板材に請求項1に記載のルータの第1切刃部によって孔を形成し、さらに、該ルータをその軸方向に切り込んで、該ルータの胴部を前記芯材に当接するとともに、該ルータの第2切刃部を前記孔に位置させ、
次に、前記ルータの胴部を前記芯材に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータを前記芯材に沿って環状に移動させることによって、前記ルータの第2切刃部によって板材に環状のスリットを形成し、
次に、前記環状のスリットの内側にある加工残渣を板材から除去することを特徴とする孔加工方法。
【請求項3】
板材の裏面に環状に芯材が設けられた板状パネルの前記板材に貫通孔を形成する孔加工方法において、
板材に請求項1に記載のルータの第1切刃部によって孔を形成し、さらに、該ルータをその軸方向に切り込んだ後、該ルータをその第2切刃部によって板材に切り込みながら芯材に直角に近づけるように移動させて胴部を芯材に当接し、次に、前記ルータの胴部を前記芯材に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータを前記芯材に沿って移動させながら前記第2切刃部によって板材にスリットを形成し、次に、前記ルータを所定の位置で停止させて、板材から退避させるスリット形成工程を所定回数繰り返して行うことによって、前記板材に、前記芯材に沿う複数のスリットを、隣り合うスリット間に連結部をもって環状に形成し、
次に、前記連結部を切断することによって、前記環状のスリットの内側にある加工残渣を板材から除去することを特徴とする孔加工方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の孔加工方法において、
前記ルータの胴部を前記芯材に適度に押し付けるに際し、
前記ルータを前記芯材に直角に押し付ける方向に押圧する第1押圧手段と、前記ルータを前記芯材から直角に離間させる方向に押圧する第2押圧手段とを用い、
前記第1押圧手段による押圧力と第2押圧手段による押圧力との差によって、前記ルータの胴部を前記芯材に適度に押し付けることを特徴とする孔加工方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ルータおよびルータを使用して合板等の板材に貫通孔を形成する孔加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合板等の板材に、所望の形状、大きさの貫通孔を形成する場合、ルータと称される溝加工が行える切削工具を使用する場合がある(例えば特許文献1参照)。この場合、ルータを板材の表面から裏面に向けて貫通するように切り込んだ後、この加工開始点からルータを板材の表面と平行に、形成すべき貫通孔の縁部に沿って移動させながら切り込み、再び加工開始点に帰還させることによって、板材に所望の形状、大きさの貫通孔を形成することができる。
【特許文献1】特開2005−288924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のようなルータは、加工装置に取り付けられて動きが制御される。例えば、板材の裏面に環状に芯材が設けられた板状パネルに、前記芯材に沿うスリットを形成することによって、貫通孔を形成する場合、ルータを芯材の内側の縁に沿って移動させることによって、芯材に沿う環状のスリットを形成し、このスリットの内側にある加工残渣を取り除くことによって、板材に貫通孔を形成することができる。
しかし、芯材は全ての板材において正確に一定の位置に設けられている訳ではない。すなわち、芯材は寸法誤差や板状パネルの反り等によって、設けられている位置に多少の誤差がある。したがって、芯材に沿ってルータを正確に移動させるのは実際には非常に困難であり、このため、板材の裏面に環状に芯材が設けられた板状パネルに芯材に沿ってスリットを形成して、貫通孔を形成するのは困難である。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、板材の裏面に芯材が設けられた板状パネルに前記芯材に沿うスリットを容易かつ正確に形成できるルータおよびこのルータを使用して前記芯材に沿う形状の貫通孔を容易かつ正確に形成できる孔加工方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1および図3に示すように、板材8の裏面に芯材7が設けられた板状パネル6に、前記芯材7に沿うスリット12を形成するルータ1であって、
円柱状をなすルータ本体2と、このルータ本体2の先端部に設けられた第1切刃部3と、前記ルータ本体2の基端部に、前記第1切刃部3と所定間隔をもって設けられた第2切刃部4と、前記ルータ本体2に、前記第1切刃部3と前記第2切刃部4との間に設けられた円柱状の胴部5とを備えてなることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、板材8にルータ1の第1切刃部3によって孔11を形成し、さらに、該ルータ1をその軸方向に切り込んで、該ルータ1の胴部5を前記芯材7に当接するとともに、該ルータ1の第2切刃部4を前記孔11に位置させ、次に、前記ルータ1の胴部5を前記芯材7に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を前記芯材7に沿って移動させることによって、前記ルータ1の第2切刃部4によって板材8にスリット12を容易かつ正確に形成できる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、例えば図2および図3に示すように、板材8の裏面に環状に芯材7が設けられた板状パネル6の前記板材8に貫通孔10を形成する孔加工方法において、
まず、板材8に請求項1に記載のルータ1の第1切刃3部によって孔11を形成し、さらに、該ルータ1をその軸方向に切り込んで、該ルータ1の胴部5を前記芯材7に当接するとともに、該ルータ1の第2切刃部4を前記孔11に位置させ、
次に、前記ルータ1の胴部5を前記芯材8に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を前記芯材7に沿って環状に移動させることによって、前記ルータ1の第2切刃部4によって板材8に環状のスリット12を形成し、
次に、前記環状のスリット12の内側にある加工残渣13を板材8から除去することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、ルータ1の胴部5を芯材8に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を芯材7に沿って環状に移動させることによって、ルータ1の第2切刃部4によって板材8に環状のスリット12を容易かつ正確に形成できる。
そして、環状のスリット12の内側にある加工残渣13を板材から除去することによって、板材8に芯材7に沿う形状の貫通孔10を容易かつ正確に形成できる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、例えば図5に示すように、板材8の裏面に環状に芯材7が設けられた板状パネル6の前記板材8に貫通孔10を形成する孔加工方法において、
板材8に請求項1に記載のルータ1の第1切刃部3によって孔を形成し、さらに、該ルータ1をその軸方向に切り込んだ後、該ルータ1をその第2切刃部4によって板材8に切り込みながら芯材7に直角に近づけるように移動させて胴部5を芯材7に当接し、次に、前記ルータ1の胴部5を前記芯材7に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を前記芯材7に沿って移動させながら前記第2切刃部4によって板材8にスリット30を形成し、次に、前記ルータ1を所定の位置で停止させて、板材8から退避させるスリット形成工程を所定回数繰り返して行うことによって、前記板材8に、前記芯材7に沿う複数のスリット30,31を、隣り合うスリット間に連結部32をもって環状に形成し、
次に、前記連結部32を切断することによって、前記環状のスリット30,31の内側にある加工残渣33を板材8から除去することを特徴とする孔加工方法。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、スリット形成工において、ルータ1の胴部5を芯材7に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を芯材7に沿って環状に移動させることによって、ルータ1の第2切刃部4によって板材8にスリット30を容易かつ正確に形成できる。
このスリット形成工程を所定回数繰り返して行うことによって、板材8に、芯材7に沿う複数のスリット30,31を、隣り合うスリット間に連結部32をもって環状に形成するので、この環状のスリット30,31の内側にある加工残渣33は、板材8に連結部32によって連結された状態となるので、この加工残渣32が落下したり、飛散するのを防止できる。
そして、連結部32を切断することによって、前記環状のスリット30,31の内側にある加工残渣33を板材8から除去するので、板材8に芯材7に沿う形状の貫通孔を容易かつ正確に形成できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、例えば図2および図4に示すように、請求項2または3に記載の孔加工方法において、
前記ルータ1の胴部5を前記芯材7に適度に押し付けるに際し、
前記ルータ1を前記芯材7に直角に押し付ける方向に押圧する第1押圧手段(エアシリンダ20,21,24,25)と、前記ルータ1を前記芯材7から直角に離間させる方向に押圧する第2押圧手段(エアシリンダ20,21,24,25)とを用い、
前記第1押圧手段による押圧力と第2押圧手段による押圧力との差によって、前記ルータ1の胴部5を前記芯材7に適度に押し付けることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、第1押圧手段による押圧力と第2押圧手段による押圧力との差によって、ルータ1の胴部5を芯材7に適度に押し付けるので、ルータ1の胴部5を芯材7に安定的に適度に押し付けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、板材にルータの第1切刃部によって孔を形成し、さらに、該ルータをその軸方向に切り込んで、該ルータの胴部を前記芯材に当接するとともに、該ルータの第2切刃部を前記孔に位置させ、次に、前記ルータの胴部を前記芯材に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータを前記芯材に沿って移動させることによって、前記ルータの第2切刃部によって板材にスリットを容易かつ正確に形成できる。また、ルータの胴部を芯材に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータを芯材に沿って環状に移動させることによって、ルータの第2切刃部によって板材に環状のスリットを容易かつ正確に形成でき、環状のスリットの内側にある加工残渣を板材から除去することによって、板材に芯材に沿う形状の貫通孔を容易かつ正確に形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係るルータを示す正面図である。ルータ1は、円柱状をなすルータ本体2と、このルータ本体2の先端部に設けられた第1切刃部3と、前記ルータ本体2の基端部に、前記第1切刃部3と所定間隔をもって設けられた第2切刃部4と、前記ルータ本体2に、前記第1切刃部3と前記第2切刃部4との間に設けられた円柱状の胴部5とを備えている。
【0015】
第1切刃部3は、先端部と外周部にそれぞれ切刃3a,3bを有しており、先端部の切刃3aによってルータ1をその軸方向に切り込む孔加工を行い、外周部の切刃3bによってルータ1をその軸と直交する方向に切り込む溝加工が行えるようになっている。
第2切刃部3は外周部に切刃を有しており、この外周部の切刃によってルータ1をその軸と直交する方向に切り込む溝加工が行えるようになっている。
胴部5は円柱状をなしており、外周面が滑らかに形成されている。また、胴部5の直径は第1切刃部3および第2切刃部4よりほんの僅かであるが大径に形成されている。
【0016】
次に、上記のような構成のルータ1を使用して、板状パネル6に貫通孔を形成する方法について説明する。
板状パネル6は、図2および図3に示すように、芯材7を矩形枠状に組み立てるとともに、その内部に補強用の芯材7を組み付け、さらに、これら芯材7から構成された枠体の両面に合板からなる板材8を貼着してなるものである。
【0017】
本実施の形態では、板状パネル6の板材8に貫通孔を形成する。
まず、図2および図3(a)に示すように、板状パネル6の板材8に、ルータ1の第1切刃部3によって孔を形成する。板材8は板状パネル6の上下に2枚あるので、2本のルータ8を使用して、上下の板材8に孔11をそれぞれ形成する。
なお、ルータ1によって板材8に最初に切り込む位置は、図2に示すように、環状に配置された芯材7の縁部に沿うどの位置でもよい。
また、以下の説明では、図3において上側のルータ1の動きについて説明するが、下側のルータ1は上側のルータ1と同期して動くので、その説明を省略する。なお、上側のルータ1が下方または上方に移動するときは、下側のルータ1は上方または下方に移動する。
【0018】
次に、図3(b)に示すように、ルータ1をさらにその軸方向下方に切り込んで、ルータ1の胴部5を芯材7の側面(板状パネル6の内側を向く側面)に当接するとともに、ルータ1の第2切刃部4を前記孔11に位置させる。
次に、ルータ1の胴部5を前記芯材7の側面に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を前記芯材7に沿って矢印に示すように、環状に移動させることによって、ルータ1の第2切刃部4によって板材8に四角環状のスリット12を形成する。このスリット12を形成することによって、スリット12の内側には、図2に示すように、矩形板状の加工残渣13が残される。
次に、環状のスリット12の内側にある加工残渣13を板材8から除去することによって、板材8には環状に設けられた芯材7に沿った貫通孔10が形成される。
【0019】
ここで、ルータ1の胴部5を芯材7の側面に適度に押し付けて倣わせながら移動させる場合、例えば以下のようにして行う。
図4は、ルータ1を芯材7の側面に適度に押し付ける押付装置15を示す平面図である。図4において、符号16はテーブルを示しており、このテーブル16はY方向に移動可能となっている。具体的には、テーブル16の右側には固定部17が設けられており、この固定部17に設けられたレール18に沿ってテーブル16がY方向に移動可能となっている。
また、前記固定部17の両端部には、それぞれエアシリンダ装置20,21がY方向において対向して固定されており、このエアシリンダ装置20,21のピストンロッドがテーブル16の互いに対向する側部に連結されている。したがって、エアシリンダ装置20,21を作動することによって、テーブル16はY方向に往復動するようになっている。
【0020】
前記テーブル16には、レール22が固定されており、このレール22上をテーブル23がX方向に移動可能となっている。このテーブル23に前記ルータ1が固定されている。
また、テーブル16にはエアシリンダ装置24,25がX方向において対向して固定されており、このエアシリンダ装置24,25のピストンロッドがテーブル23の互いに対向する側部に連結されている。したがって、エアシリンダ装置24,25を作動することによって、テーブル16はX方向に往復動するようになっている。
【0021】
したがって、上記のような構成の押付装置15では、エアシリンダ装置20,21でテーブル16をY方向に移動させることによって、ルータ1がテーブル23ごとY方向に移動するようになっており、エアシリンダ装置24,25でテーブル23をX方向に移動させることによって、ルータ1がX方向に移動するようになっている。
【0022】
一方、板状パネル6は、図示しない加工装置の加工台に固定される。そして、この加工台の上下にそれぞれ前記押付装置15が設けられる。押付装置15は、例えば加工台にセットされた板状パネル6の芯材7に沿って移動するように制御される。また、押付装置15を固定としておき、加工台を移動制御することによって、押付装置15が板状パネル6の芯材7に沿って相対的に移動するように構成してもよいし、押付装置15をXY方向のいずれか一方に移動制御し、加工台を他方に移動制御することによって、押付装置15が板状パネル6の芯材7に沿って相対的に移動するように構成してもよい。
【0023】
そして、押付装置15全体を板状パネル6の芯材7に沿って移動させる際、つまり、押付装置15に設けられているルータ1の第2切刃部4によって板材8にスリット12を形成していく際に、ルータ1の胴部5を芯材7に以下のようにして適度に押し付ける。
すなわち、図2に示すように、ルータ1を芯材7aに沿って移動させる場合には、エアシリンダ装置21を、ルータ1を芯材7aに直角に押し付ける方向に押圧する第1押圧手段、エアシリンダ装置20を、ルータ1を芯材7aから直角に離間させる方向に押圧する第2押圧手段として用い、第1押圧手段21による押圧力と第2押圧手段20による押圧力との差によって、ルータ1の胴部5を芯材7aに適度に押し付ける。
ルータ1を芯材7bに沿って移動させる場合には、エアシリンダ装置24を、ルータ1を芯材7bに直角に押し付ける方向に押圧する第1押圧手段、エアシリンダ装置25を、ルータ1を芯材7bから直角に離間させる方向に押圧する第2押圧手段として用い、第1押圧手段24による押圧力と第2押圧手段25による押圧力との差によって、ルータ1の胴部5を芯材7bに適度に押し付ける。
【0024】
ルータ1を芯材7cに沿って移動させる場合には、エアシリンダ装置20を、ルータ1を芯材7cに直角に押し付ける方向に押圧する第1押圧手段、エアシリンダ装置21を、ルータ1を芯材7cから直角に離間させる方向に押圧する第2押圧手段として用い、第1押圧手段20による押圧力と第2押圧手段21による押圧力との差によって、ルータ1の胴部5を芯材7cに適度に押し付ける。
ルータ1を芯材7dに沿って移動させる場合には、エアシリンダ装置25を、ルータ1を芯材7dに直角に押し付ける方向に押圧する第1押圧手段、エアシリンダ装置24を、ルータ1を芯材7dから直角に離間させる方向に押圧する第2押圧手段として用い、第1押圧手段25による押圧力と第2押圧手段24による押圧力との差によって、ルータ1の胴部5を芯材7dに適度に押し付ける。
【0025】
このようにして、第1押圧手段による押圧力と第2押圧手段による押圧力との差によって、ルータ1の胴部5を芯材7に適度に押し付けるので、ルータ1の胴部5を芯材7に安定的に適度に押し付けることができる。つまり、第1押圧手段を構成するエアシリンダ装置と第2押圧手段を構成するエアシリンダ装置の双方を作動させることによって、片方のみを作動させる場合に比して、安定的に押圧力を得ることができるとともに、押圧力の制御が行い易いので、ルータ1の胴部5を芯材7に安定的に適度に押し付けることができる。
【0026】
本実施の形態によれば、ルータ1の胴部5を芯材7に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を芯材7に沿って環状に移動させることによって、ルータ1の第2切刃部4によって板材8に環状のスリット12を容易かつ正確に形成できる。
そして、環状のスリット12の内側にある加工残渣13を板材8から除去することによって、板材8に芯材7に沿う形状の貫通孔10を容易かつ正確に形成できる。
【0027】
図5は本発明の孔加工方法の他の実施の形態を説明するための図である。
本実施の形態では、板状パネル6の板材8に上記と同様な貫通孔10を形成するのであるが、ルータ5によって形成するスリットが前記実施の形態のスリット12とは異なる。
まず、符号Aで示す部分において、板材8にルータ1の第1切刃部3によって孔を形成し、さらに、該ルータ1をその軸方向に切り込んだ後、該ルータ1をその第2切刃部4によって板材8に切り込みながら芯材7aに直角に近づけるように移動させて胴部5を芯材7aに当接する。
次に、ルータ1の胴部4を前記芯材7aに適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を前記芯材7aに沿って移動させながら前記第2切刃部4によって板材8にスリットを形成していき、さらに、ルータ1の胴部4を芯材7bに適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を前記芯材7bに沿って移動させながら第2切刃部4によって板材8にスリットを形成していく。これによって、板材8には略L字状にスリット30が形成される。
【0028】
次に、上記のようなスリット形成工程を繰り返して行う。
すなわち、符号Bで示す部分において、板材8にルータ1の第1切刃部3によって孔を形成し、さらに、該ルータ1をその軸方向に切り込んだ後、該ルータ1をその第2切刃部4によって板材8に切り込みながら芯材7cに直角に近づけるように移動させて胴部5を芯材7cに当接する。
次に、ルータ1の胴部4を前記芯材7cに適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を前記芯材7cに沿って移動させながら前記第2切刃部4によって板材8にスリットを形成していき、さらに、ルータ1の胴部4を芯材7dに適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を前記芯材7dに沿って移動させながら第2切刃部4によって板材8にスリットを形成していく。これによって、板材8には略L字状にスリット31が形成される。
【0029】
上記のようにして、板材8に、芯材7に沿う複数のスリット30,31を、隣り合うスリット30,31間に連結部32,32をもって環状に形成し、次に、連結部32,32を切断することによって、環状のスリット30,31の内側にある加工残渣33を板材8から除去することによって、板材8に貫通孔10を形成する。
なお、ルータ1の胴部5を芯材7の側面に適度に押し付けて倣わせながら移動させる場合、上記と同様にして押付装置15を用いて行う。
【0030】
本実施の形態によれば、スリット形成工において、ルータ1の胴部5を芯材7に適度に押し付けて倣わせながら、該ルータ1を芯材7に沿って環状に移動させることによって、ルータ1の第2切刃部4によって板材8にスリット30,31を容易かつ正確に形成できる。
このスリット形成工程を所定回数繰り返して行うことによって、板材8に、芯材7に沿う複数のスリット30,31を、隣り合うスリット間に連結部32をもって環状に形成するので、この環状のスリット30,31の内側にある加工残渣33は、板材8に連結部32によって連結された状態となるので、この加工残渣33が落下したり、飛散するのを防止できる。
そして、連結部32を切断することによって、環状のスリット30,31の内側にある加工残渣33を板材8から除去するので、板材8に芯材7に沿う貫通孔10を容易かつ正確に形成できる。
【0031】
また、符号AまたはBで示す部分において、板材8にルータ1の第1切刃部3によって孔を形成し、さらに、該ルータ1をその軸方向に切り込んだ後、該ルータ1をその第2切刃部4によって板材8に切り込みながら芯材7aまたは7cに直角に近づけるように移動させて胴部5を芯材7aまたは7cに当接するので、板材8に対するルータ1の最初の切り込み位置を芯材7に沿った正確な位置とせずに、芯材7から少し離れた適当な位置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るルータの一例を示す正面図である。
【図2】本発明に係る孔加工方法の一例を説明するもので、板状パネルの平面図である。
【図3】同、板状パネルの断面図である。
【図4】同、押付装置を示す平面図である。
【図5】本発明に係る孔加工方法の他の例を説明するもので、板状パネルの平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ルータ
2 ルータ本体
3 第1切刃部
4 第2切刃部
5 胴部
6 板状パネル
7 芯材
8 板材
10 貫通孔
11 孔
12,30,31 スリット
13,33 加工残渣
15 押付装置
20,21,24,25 エアシリンダ装置(押圧手段)
32 連結部
【出願人】 【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
【出願日】 平成18年12月28日(2006.12.28)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司


【公開番号】 特開2008−162136(P2008−162136A)
【公開日】 平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願番号】 特願2006−354513(P2006−354513)